(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、受信された信号の質を高めるためのデータチャンネルを有する表示装置、回路基板及びトレースを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態による表示装置は、ディスプレイと、ディスプレイに接続される送信機と、送信機に接続される受信機と、送信機と受信機との間に接続されるトレースと、を備え、トレースは、複数の第1の部分と、第1の部分に交互に直列に接続され、第1の部分の幅とは異なる幅を有する複数の第2の部分と、を備えることを特徴とする。
【0006】
好ましくは、複数の第1の部分のうちの第1の部分の幅は、第1の部分の第1の端部から第1の部分の第2の端部まで一定であり、複数の第2の部分のうちの第2の部分の幅は、第2の部分の第1の端部から第2の部分の第2の端部まで一定である。
【0007】
また、好ましくは、複数の第1の部分のうちの第1の部分の幅は、複数の第2の部分のうちの第2の部分の幅よりも小さく、第1の部分の幅は、第1の部分の第1の端部から第1の部分の第2の端部に向かって増加し、第2の部分の幅は、第2の部分の第1の端部から第2の部分の第2の端部に向かって増加する。
【0008】
さらに、好ましくは、複数の第1の部分のうちの第1の部分の幅は、複数の第2の部分のうちの第2の部分の幅よりも大きく、第1の部分の幅は、第1の部分の第1の端部から第1の部分の第2の端部に向かって減少し、第2の部分の幅は、第2の部分の第1の端部から第2の部分の第2の端部に向かって減少する。
【0009】
さらに、好ましくは、トレースは、複数の周期的な形状を含み、複数の周期的な形状の各々は、複数の第1の部分のうちの一つの部分及び複数の第2の部分のうちの隣り合う一つの部分を含み、複数の周期的な形状の各々の長さが互いに等しい。
【0010】
本発明の他の実施形態による回路基板は、送信機に接続される第1の端末と、受信機に接続される第2の端末と、第1の端末と第2の端末との間に接続されるトレースと、を備え、トレースは、複数の第1の部分と、第1の部分に交互に直列に接続され、第1の部分の幅とは異なる幅を有する複数の第2の部分と、を備えることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、複数の第1の部分のうちの第1の部分の幅は、第1の部分の第1の端部から第1の部分の第2の端部まで一定であり、複数の第2の部分のうちの第2の部分の幅は、第2の部分の第1の端部から第2の部分の第2の端部まで一定である。
【0012】
また、好ましくは、複数の第1の部分のうちの第1の部分の幅は、複数の第2の部分のうちの第2の部分の幅よりも小さく、第1の部分の幅は、第1の部分の第1の端部から第1の部分の第2の端部に向かって増加し、第2の部分の幅は、第2の部分の第1の端部から第2の部分の第2の端部に向かって増加する。
【0013】
さらに、好ましくは、複数の第1の部分のうちの第1の部分の幅は、複数の第2の部分のうちの第2の部分の幅よりも大きく、第1の部分の幅は、第1の部分の第1の端部から第1の部分の第2の端部に向かって減少し、第2の部分の幅は、第2の部分の第1の端部から第2の部分の第2の端部に向かって減少する。
【0014】
さらに、好ましくは、トレースは、複数の周期的な形状を含み、複数の周期的な形状の各々は、複数の第1の部分のうちの一つの部分及び複数の第2の部分のうちの隣り合う一つの部分を含み、複数の周期的な形状のの各々長さが互いに等しい。
【0015】
本発明のさらに他の実施形態によれば、トレースは、複数の第1の部分と、第1の部分に交互に直列に接続され、第1の部分の幅とは異なる幅を有する複数の第2の部分と、を備え、受信機の入力に接続されることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、複数の第1の部分のうちの第1の部分の幅は、第1の部分の第1の端部から第1の部分の第2の端部まで一定であり、複数の第2の部分のうちの第2の部分の幅は、第2の部分の第1の端部から第2の部分の第2の端部まで一定である。
【0017】
また、好ましくは、複数の第1の部分及び複数の第2の部分の各々は、四角形の形状を有する。
【0018】
さらに、好ましくは、複数の第1の部分のうちの第1の部分の幅は、複数の第2の部分のうちの第2の部分の幅よりも小さく、第1の部分の幅は、第1の部分の第1の端部から第1の部分の第2の端部に向かって増加し、第2の部分の幅は、第2の部分の第1の端部から第2の部分の第2の端部に向かって増加する。
【0019】
さらに、好ましくは、複数の第1の部分及び複数の第2の部分の各々は、台形の形状又はある適切な形状を有する。
【0020】
さらに、好ましくは、複数の第1の部分のうちの第1の部分の幅は、複数の第2の部分のうちの第2の部分の幅よりも大きく、第1の部分の幅は、第1の部分の第1の端部から第1の部分の第2の端部に向かって減少し、第2の部分の幅は、第2の部分の第1の端部から第2の部分の第2の端部に向かって減少する。
【0021】
さらに、好ましくは、第1の部分及び第2の部分の各々は、台形の形状又はある適切な形状を有する。
【0022】
さらに、好ましくは、複数の周期的な形状をさらに含み、複数の周期的な形状の各々は、複数の第1の部分のうちの一つの部分及び複数の第2の部分のうちの隣り合う一つの部分を含み、複数の周期的な形状の各々の長さが互いに等しい。
【0023】
さらに、好ましくは、複数の第1の部分の各々は四角形の形状を有し、複数の第2の部分の各々は四角形の形状を有し、第1の部分の幅は第2の部分の幅よりも小さい。
【0024】
さらに、好ましくは、周期的な形状の各々は、台形の形状又はある適切な形状を有する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を示す添付図面を参照して本発明の実施形態をより完全に説明する。
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の例示的な実施形態をさらに詳しく説明する。ここで、類似の参照番号は、この明細書の全体にわたって類似の要素を示す。しかしながら、本発明は様々な他の形態に具体化可能であり、この明細書において例示する実施形態にのみ限定されるものであると見なされてはならない。むしろ、ここで紹介する実施形態は、開示した内容を徹底した且つ完全なものにし、更に、当該分野における通常の知識を有する者に本発明の思想を十分に伝えるために提供するものである。したがって、当該分野における通常の知識を有する者が本発明の側面及び特徴を完全に理解する上で不要であると認められる過程、要素及び技術に関する本発明の一部の実施形態については説明されない。特に断りのない限り、類似の参照符号は、添付の図面と記述された説明の全体に亘って類似の要素を示し、したがって、これについての説明は省略する。図中、要素、レイヤー及び領域の相対的な大きさは明確性のために誇張されている。
【0029】
「第1」、「第2」、「第3」などの用語が本明細書において各種の要素、構成成分、領域、レイヤー及び/又は部分を説明するために使用されているが、これらの要素、構成成分、領域、レイヤー及び/又は部分がこれらの用語により限定されるものではないと理解されるべきである。これらの用語は、ある要素、構成成分、領域、レイヤー又は部分を他の要素、構成成分、領域、レイヤー又は部分と区別するために使用されたものである。したがって、本発明の思想及び範囲を逸脱しない限り、後述する第1の要素、構成成分、領域、レイヤー又は部分は、第1の要素、構成成分、領域、レイヤー又は部分と記述される。
【0030】
「下」、「下部」、「上」、「上部」などのように空間的に相対的な用語は、この明細書において図面に例示するある要素又は特徴が他の要素又は特徴と有する関係を容易に説明するために使用可能である。これらの空間的に相対的な用語は使用中又は動作中の装置の図示の配置だけではなく、他の配置までも含むものであると理解されるべきである。例えば、図面の装置がひっくり返される場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」にあると記述された要素又は特徴は、前記他の要素の「上方」又は「上」に位置する。このため、例示的な用語「下」は、上方及び下方を両方とも含む。なお、装置は他の方向に配置可能であり(例えば、90°又は他の方向に回転)、この明細書において使用された前記空間的に相対的な用語はこれにより解釈されなければならない。これらに加えて、ある要素又はレイヤーが2つの要素又はレイヤー「の間」にあると参照される場合には、これは2つの要素又はレイヤーの間にある唯一の要素又はレイヤーであるか、あるいは、中間に介入する一つ以上の要素又はレイヤーが存在する。
【0031】
この明細書において使用された用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明を制限するために意図されたものではない。この明細書において使用される単数形の「一つ」、「前記」などの用語は、文脈上において明らかに他の意味を有さない限り、複数形まで含むように意図されたものである。また、「備える」及び/又は「有する」などの用語がこの明細書において使用された場合には、上述した特徴、数字、段階、動作、要素及び/又は構成要素が存在することを規定するが、一つ以上の他の特徴、数字、段階、動作、要素、構成要素及び/又はこれらの群の存在又はこれらの追加を排除するものではないと理解されるべきである。この明細書において使用される用語「及び/又は」は、関連付けて列挙された項目の一つ以上の組み合わせをいずれも含む。「一つ以上の」などの表現が要素の一覧の前にある場合には、要素の全体の一覧を修飾するものであり、一覧の個別的要素を修飾するものではない。なお、本発明の実施形態を説明するに当たって、「してもよい」などの表現を使用することは、「一つ以上の本発明の実施形態」を示す。なお、「例示的」などの表現は、例又は例示を示すために使用されたものである。
【0032】
要素又はレイヤーが他の要素又はレイヤーの「上」にあるか、あるいは、これにより「接続された」又は「結合された」と参照される場合には、このような要素又はレイヤーは前記他の要素又はレイヤーに直接的又は間接的に「接続された」又は「結合された」ものであるか、あるいは、一つ以上の中間に介入された要素又はレイヤーが存在するものと理解されるべきである。しかしながら、要素又はレイヤーが他の要素又はレイヤーの「上に存在」するか、あるいは、これにより「直接的に接続された」又は「直接的に結合された」と参照される場合には、中間に介入された要素又はレイヤーが存在しない。
【0033】
この明細書において使用された全ての用語(技術的な用語および科学的な用語を含む)は、別途に断りのない限り、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が一般に理解するものと同じ意味を有する。通常的に使用される辞書において定義された用語もまた、これと関連する技術分野及び/又はこの明細書における文脈上一貫した意味を有するものと理解されるべきであり、この明細書において明らかにそのように定義されない限り、理想的にまたは過度に形式的な意味として解釈されてはならない。
【0034】
本特許出願は2013年12月5日付けで出願され、タイトルが「改善された電気的な信号の伝送のための格子状の金属構造(A Grating-Like Metal Structure for Improved Electrical Signaling)」である米国仮出願第61/912,472号に対する優先権を主張し、これに伴う利益を受けることを希望し、前記出願の全体的な内容は本明細書に参照として取り込まれている。
【0035】
図1は、本発明の一部の実施形態による表示装置の動作の観点からの不均一トレース構造の応用の例を例示するものである。
【0036】
図1を参照すると、表示装置100は、タイミングコントローラー110と、スキャンドライバー120と、データドライバー130及びディスプレイ領域140内の複数のピクセルPxを備える。前記複数のピクセルPxの各々は、スキャンラインSL1〜SLnとデータラインDL1〜DLjとが交差する個所において、スキャンラインSL1〜SLn及びデータラインDL1〜DLjの各々に接続される。ここで、nは正の整数であり、jは正の整数である。スキャン信号がスキャンラインSL1〜SLnのうちの各々の一つを介してスキャンドライバー120から受信されるとき、前記複数のピクセルPxの各々は、各々のデータラインDL1〜DLjのうちの一つを介してデータドライバー130からデータ信号を受信する。
【0037】
前記タイミングコントローラー110は、外部ソース(例えば、タイミングコントローラーの外部)からイメージ信号Image、同期信号Sync及びクロック信号CLKを受信する。前記タイミングコントローラー110は、イメージデータDATA、データドライバー制御信号DCS及びスキャンドライバー制御信号SCSを生成する。前記同期信号Syncは、垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncを含む。
【0038】
前記タイミングコントローラー110は、データライン150(例えば、データライン、データ経路、データバスなど)のうちの各々の一つを介して前記データドライバー130及び前記スキャンドライバー120に結合(例えば、接続)される。前記タイミングコントローラー110は、データライン150のうちの各々の一つを介してイメージデータData及びデータドライバー制御信号DCSをデータドライバー130に送信し、スキャンドライバー制御信号SCSを前記スキャンドライバー120に送信する。本発明の実施形態によるデータライン150の各々は、下記の
図2から
図3Bを参照して説明するデータライン250の構造と同一又は実質的に同一の構造を有する。
【0039】
図2は、本発明の実施形態による装置間に信号を伝送するためのデータライン(例えば、
図1に示すデータライン150)の例を概略的に例示する構成図である。
【0040】
図2を参照すると、回路又は回路基板200は、送信機210と、受信機220及び前記送信機210を前記受信機220に結合する(例えば、接続する)データライン250を備える。前記回路基板200は、例えば、プリント回路基板(PCB)又は可撓性プリント回路基板(FPCB)のように適切ないかなる回路構造も含むが、本発明がこれに限定されることはない。
【0041】
前記データライン250は、送信機210から受信機220に信号(例えば、電気信号)を送信するためのチャンネル252及び受信機220の入力に接続されたチャンネル252の部分に隣り合う(又は、これに配置された)不均一トレース254(例えば、格子状の構造を有する不均一トレース)を備える。以下、
図3A及び
図3Bを参照して詳しく説明されるように、前記不均一トレース254は、特定の周波数(例えば、所定の周波数)においてチャンネル252を介して受信機220の入力に伝搬される信号の反射を向上(例えば、選択的に向上)させる。
【0042】
前記不均一トレース254は、反射を調節し、且つ、受信機220の入力のDCバイアスを設定するための抵抗器R2で終了する。前記抵抗器R2は、チャンネル252のインピーダンスと同一又は実質的に同一のインピーダンス値を有し、前記受信機220の入力は、
図2に示すように、終了せずに残留する場合がある。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではない。例えば、前記抵抗器R2のインピーダンスは、適切なインピーダンスであればよく、また、前記受信機220の入力は受信機チップ内において終了してもよい。例えば、前記抵抗器R2のインピーダンスは、不均一トレース254の好適な反射特性に基づいて実験的に決定されてもよい。前記受信機220の入力が受信機チップ内において終了する場合、前記不均一トレース254の反射特性は、受信機チップ内の抵抗器R2のインピーダンス値及び終了する入力のインピーダンス値の互いに異なる様々な組み合わせにより細かく調整される。
【0043】
図3A及び
図3Bは、本発明の一部の実施形態により、
図2に示すデータライン250内に組み込まれている様々な不均一トレース構造254を例示する平面図である。
【0044】
図3A及び
図3Bに示すように、前記不均一トレース254は、複数の周期的な形状r1〜r4を含む。周期的な形状の数は、反射される周波数の大きさを決定する。例えば、より多数の周期的な形状を用いることで、伝送される信号の共鳴ピークを増加させる。
図3A及び
図3Bにはr1〜r4の周期的な形状が示されているが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、周期的な形状の数は、回路基板200内の使用可能な物理的な空間の大きさだけではなく、反射された周波数のピークと周波数の長さとの間の所望の割合の深さに応じて変更される。
【0045】
図3Aを参照すると、一部の実施形態において、r1〜r4の周期的な形状の各々は、長さΛ(例えば、物理的な長さ)及び長さΛに垂直な方向への複数の幅を有する。このため、各周期的な形状に対して、前記不均一トレース254の周期的な形状の幅は、長さΛに沿う方向の異なる部分において変化している。一部の実施形態において、周期的な形状r1〜r4の各々の長さΛは互いに同一又は実質的に同一であるが、本発明はこれに何ら限定されない。
【0046】
一実施例によれば、r1〜r4の各周期的な形状は、第1の部分301aと、前記第1の部分301aの反対側の第2の部分303a及び前記第1の部分301aと前記第2の部分303aとを結合する(例えば、接続するか、あるいは、これらの間に位置する)中間部分302aを含む。
【0047】
第1の部分301aの幅W1は、第2の部分303aの幅W2とは異なる(例えば、W1はW2よりも小さい)。第1の部分301aの幅W1は、前記第1の部分301aの第1の端部から第1の部分301aの第2の端部まで一定又は実質的に一定であり、前記第2の部分303aの幅W2は、前記第2の部分303aの第1の端部から第2の部分303aの第2の端部まで一定又は実質的に一定である。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されない。
【0048】
一部の実施形態において、複数の第2の部分は、複数の第1の部分と交互に直列に接続される。例えば、前記第2の周期的な形状r2の第1の部分301aは、前記第1の周期的な形状r1の第2の部分303aに接続され、接続される各周期的な形状の第1の部分301aは、それに続く各々の周期的な形状の第2の部分303aに接続されて前記不均一トレース254を形成する。
【0049】
一部の実施形態において、前記第1の部分301aは、4つの直角及び4つの辺を有する四角形の形状を有する。互いに平行な2つの辺は第1の方向に延在し、幅W1と同じ高さを有する。互いに平行な2つの辺は第2の方向に延在し、第1の長さλ1と同じ長さを有する。前記第1の長さλ1は、幅W1よりも大きい。前記第1の方向は幅W1の方向に延びており、前記第2の方向は長さΛの方向に延びている。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、例えば、前記四角形の形状は、直角を有さない四角形の形状及び/又は4つの辺の長さが互いに同じ四角形の形状を含む。
【0050】
一部の実施形態において、前記第2の部分303aは、4つの直角及び4つの辺を有する四角形の形状を有する。互いに平行な2つの辺は第1の方向に延在し、幅W2と同じ高さを有する。互いに平行な2つの辺は第2の方向に延在し、第2の長さλ2と同じ長さを有する。前記第2の長さλ2は幅W2よりも大きい。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、例えば、前記四角形の形状は、直角を有さない四角形の形状及び/又は4つの辺の長さが互いに同じ四角形の形状を含む。
【0051】
一実施形態において、前記第1の長さλ1は、前記第2の長さλ2と同一又は実質的に同一である。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、前記第1の長さλ1は前記第2の長さλ2よりも小さくてもよく、あるいは、前記第1の長さλ1は前記第2の長さλ2よりも大きくてもよい。
【0052】
前記中間部分302aは、一つ以上の幅が変化する位置を含む。すなわち、本発明の一部の実施形態によれば、前記中間の部分302aは、幅が変化する一つ以上の段階的な部分を含むが、
図3Bを参照して後述するように、本発明はこれに何ら限定されない。
【0053】
一部の実施形態において、前記中間部分302aは、第1の部分301aの幅W1及び第2の部分303aの幅W2が接続される長さΛ方向の一部である。
【0054】
図3Aは、第1の部分301aの幅W1が第2の部分303aの幅W2よりも小さい場合を示しているが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、特定の適用に対して正の反射又は負の反射のうちのどちらかが要求されるかによって、第1の部分301aの幅が第2の部分303aの幅よりも大きい場合もある。例えば、前記第2の部分303aの幅W2よりも前記第1の部分301aの幅W1の方が大きい場合、周期的な形状における反射(例えば、周期的な形状の第1の端部における反射)は負の反射であり、これに対し、前記第2の部分303aの幅W2よりも前記第1の部分301aの幅W1の方が小さい場合、周期的な形状における反射(例えば、周期的な形状の第1の端部における反射)は正の反射である。
【0055】
以下、本発明の他の実施形態による不均一トレース構造254について
図3Bを参照して説明する。
図3Bを参照すると、本発明の他の実施形態によれば、r1〜r4の各々は、長さΛ(例えば、物理的な長さ)及び前記長さΛに直交する方向への複数の幅を有する。このため、各周期的な形状に対して、前記不均一トレース254の周期的な形状の幅は長さΛ方向に沿って徐々に(例えば、連続的に)変化する。一部の実施形態において、周期的な形状r1〜r4の各々の長さΛは互いに同一又は実質的に同一であるが、本発明はこれに何ら限定されない。
【0056】
一実施形態によれば、周期的な形状r1〜r4の各々は、第1の部分301b、第1の部分301bの反対側の第2の部分303b及び前記第1の部分301bと前記第2の部分303bとを結合(例えば、接続するか、あるいは、これらの間に存在する)する中間部分302bを含む。第1の部分301bの幅W3は、第2の部分303bの幅W4とは異なる(例えば、W3はW4よりも小さい)。
【0057】
一部の実施形態において、前記複数の第2の部分は、前記複数の第1の部分と交互に直列に接続される。例えば、前記第2の周期的な形状r2の第1の部分301bは前記第1の周期的な形状r1の第2の部分303bに接続され、接続される各周期的な形状の第1の部分301bは、それに続く各々の周期的な形状の第2の部分303bに接続されて不均一トレース254を形成する。
【0058】
一部の実施形態において、前記第1の部分301bは、前記第1の部分301bの第1の端部から第1の部分301bの第2の端部に向かって増加する幅を有し、前記第2の部分303bは、前記第2の部分303bの第1の端部から第2の部分303bの第2の端部に向かって増加する幅を有する。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、例えば、前記第1の部分301bは、前記第1の部分301bの第1の端部から第1の部分301bの第2の端部に向かって減少する幅を有し、前記第2の部分303bは、前記第2の部分303bの第1の端部から第2の部分303bの第2の端部に向かって減少する幅を有する。
【0059】
一部の実施形態において、前記第1の部分301bは台形であり、前記第2の部分303bは台形である。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、前記第1の部分301b及び第2の部分303bはある適切な形状(例えば、三角形、ダイヤモンド形、円形状など)を有する。例えば、前記周期的な形状が三角形を有する場合、前記第1の部分301bは三角形であってもよく、前記第2の部分303bは台形であってもよい。前記周期的な形状が円形状を有する場合、前記第1の部分301bは半円形状であってもよく、前記第2の部分303bは半円形状であってもよい。
【0060】
一部の実施形態において、前記第1の部分301bは、幅W3を有する長さΛ方向の一部である。
【0061】
一部の実施形態において、前記第2の部分303bは、幅W4を有する長さΛ方向の一部である。
【0062】
一部の実施形態において、前記中間部分302bは、幅が変化する一つ以上の箇所を含む。すなわち、本発明の一部の実施形態による前記中間部分302bは、幅が連続的に又は徐々に変化する一つ以上の部分を含むが、本発明はこれに何ら限定されない。
【0063】
一部の実施形態において、前記中間部分302bは、前記第1の部分301bから前記第2の部分303bに延在する。前記中間部分302bは、前記第1の部分301bから前記第2の部分303bに向かって徐々に(例えば、連続的に)増加する第1の傾斜部を有し、前記第1の部分301bから前記第2の部分303bまで徐々に(例えば、連続的に)増加する第2の傾斜部を有する。前記第1の傾斜部は、長さΛ方向と平行な幅W3と幅W4との間の中間点を横切る軸に対する前記第2の傾斜部のミラーイメージ(鏡像)であるが、本発明はこれに何ら限定されない。
【0064】
図3Bは、第1の部分301bの幅が第2の部分303bの幅よりも小さい場合を示しているが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、特定の適用に対して正の反射又は負の反射のうちどちらが要求されるかによって、第1の部分301bの幅が第2の部分303bの幅よりも大きい場合もある。例えば、前記第2の部分303bの幅よりも前記第1の部分301bの幅の方が大きい場合、周期的な形状における反射(例えば、周期的な形状の第1の端部における反射)は負の反射であり、これに対し、前記第2の部分303bの幅よりも前記第1の部分301bの幅の方が小さい場合、周期的な形状における反射(例えば、周期的な形状の第1の端部における反射)は正の反射である。
【0065】
図3Aに示すように、r1〜r4の各周期的な形状の幅は、r1〜r4の各周期的な形状の長さΛ方向に沿って一つ以上の部分において急変する。
図3Bに示すように、r1〜r4の各周期的な形状の幅は、各周期的な形状の長さΛ方向に沿って複数の部分に亘って徐々に(例えば、連続的に)変化する。また、
図3Aは、互いに異なる幅W1、W2を有する2つの長方形の形状を含むr1〜r4の各周期的な形状を示し、
図3Bは、幅W3から幅W4まで幅が徐々に(例えば、連続的に)増加する単一の台形を含むr1〜r4の各周期的な形状を示す。しかしながら、幅が変化する方法及び形状又は周期的な形状は、各周期的な形状内の長さΛ方向に沿って、一つ以上の部分において幅が変化する各周期的な形状において反射が起きればよく、このような方法に何ら限定されない。例えば、前記周期的な形状は、周期的な形状の幅が長さΛに沿う方向に一つ以上の部分において変化するある適切な形状(例えば、三角形、星形、ダイヤモンド形、円形状など)も含む。
【0066】
したがって、前記不均一トレース254は複数の周期的な形状を含み、各周期的な形状は、長さ及び長さ方向に沿った異なる箇所における複数の幅を含む。
【0067】
以下において詳細に説明するように、信号がチャンネル252を介して伝搬されるとき、前記信号は不均一トレース254によって特定の周波数において反射される。すなわち、前記不均一トレース254のr1〜r4の各周期的な形状は、周期的な形状の長さΛ及び可変の幅に応じて特定の周波数において信号を反射する。このため、可変の幅を有する周期的な形状をその長さΛに応じて調節することにより、他の周波数における反射を低減または最小化しながら、特定の周波数における強い反射が向上するように各周期的な形状における反射が結合される。
【0068】
したがって、均一なトレースとは異なり、可変の幅を有する前記複数の周期的な形状を有する前記不均一トレース254は、多重経路反射信号の補強干渉を通じて特定の周波数において強い反射を引き起こす。例えば、低い周波数よりむしろクロック速度に近い周波数における信号の反射が大幅に向上する場合、その反射によって受信された信号の全般的な品質は向上する。
【0069】
r1〜r4の各周期的な形状からの個別的な反射が互いに位相関係をなす場合、下記式1により定義される周波数fにおける不均一トレース254のピークの全体の反射が起こる。
【0071】
式中、Λは、各周期的な形状の物理的な長さであり、v
effは、各周期的な形状における有効信号の伝搬速度であり、nは0以上の整数である(n≧0)。
【0072】
したがって、
図4及び
図5を参照してさらに詳しく説明するが、
図2、
図3A及び
図3Bに示すように、前記不均一トレース254を有する前記チャンネル252は、送信機210から伝送される正のクロック信号及び任意のデータシーケンスに対して不均一トレースを有さないチャンネルと比較して、受信機220で受信される信号の質を向上させる。
【0073】
図4及び
図5は、本発明の一部の実施形態による前記不均一トレースを有する回路基板上の受信機によって受信される信号と、不均一トレースを有さない回路基板上にの受信機によって受信される信号と、を比較するグラフである。
【0074】
図4及び
図5を参照すると、一部の実施形態において、例えば、5Gb/sで動作する差動リンクに対して80%を超える改善が達成される。回路基板上の従来のチャンネルは600mmの長さを有し、前記不均一トレースは、各々の周期的な形状が36mmの長さを有する4つの周期的な形状を含む。
【0075】
図4は、不均一トレース(点線)を有さない回路基板上の受信機によって受信された2.5GHzのクロック信号と、本発明の一部の実施形態による不均一トレース(実線)を有する回路基板上の受信機によって受信された2.5GHzクロック信号と、を示すものである。
図4に示すように、不均一トレース254を有する回路基板上の受信機によって受信された信号が、不均一トレースを有さない回路基板上の受信機によって受信された信号に比べて改善された利得(例えば、さらに大きい振幅)を有することが分かる。
【0076】
図5は、5Gbpsの疑似ランダムビットシーケンス(PRBS)に対して不均一トレース(灰色の領域)を有さない回路基板上の受信機によって受信されたデータシーケンスと、本発明の実施形態による不均一トレース(黒色の領域)を有する回路基板上の受信機により受信されたデータシーケンスと、のグリッドを示すものである。
図5に示すように、不均一トレースを有さない受信機によって受信された信号に対するグリッドの開口部が有する高さH2に比べて、不均一トレース254を有する受信機によって受信された信号に対するグリッドの開口部が有する高さH1の方がさらに大きいことが分かる。
【0077】
図6を参照してさらに後述するように、信号の反射は、特定の周波数における周期的な形状の長さΛに応じて向上する。
【0078】
図6は、本発明の実施形態による、多様に変化する周期的な形状の長さΛを有する不均一トレースの反射性スペクトルを例示するグラフである。
【0079】
図6は、例えば、約4.0の誘電率及び約0.02の誘電正接を有する標準FR4等級の物質上に製造された差動マイクロストリップトレースの反射性スペクトルを示すものである。ケース1(点線)は、約36mmの周期的な形状の長さΛを有し、ケース2(直線)は、約18mmの周期的な形状の長さΛを有する。各々の不均一トレースは4つの周期的な形状を有し、例えば、
図3Aに示すものとほとんど同じ2つの長方形状を有する。前記第1の部分は前記第2の部分よりも小さい幅を有し、約100Ωの差動インピーダンスを有する。前記第2の部分は前記第1の部分よりも大きい幅を有し、100Ω未満の差動インピーダンスを有する。しかしながら、前記第1及び第2の部分の差動インピーダンスはこれに何ら限定されるものではなく、前記第1及び第2の部分の差動インピーダンスはいかなる適切な差動インピーダンスにも設定可能である。例えば、前記第1及び第2の部分の適切な差動インピーダンスは、厳格なチャンネルシミュレーションにより決定される。
【0080】
図6に示すように、一部の実施形態において、可変の幅を有する前記不均一トレース254による信号の反射は、周期的な形状の長さΛに基づいて特定の周波数において向上する。例えば、約36mmの周期的な形状の長さΛを有するケース1においては、2.5GHz、7.5GHz、12.5GHzなどの周波数において最大の反射が起こるのに対し、他の周波数においては小さい反射又は最小限の反射のみが起こる。また、これに対し、約18mmの周期的な形状の長さΛを有するケース2においては、5GHz、15GHzなどの周波数において最大の反射が起こるのに対し、他の周波数においては小さい反射又は最小限の反射のみが起こる。したがって、周波数の選択的な反射パターンは、可変の幅を有する不均一トレース254の周期的な形状の長さΛに応じて向上する。
【0081】
このように、本発明の一部の実施形態において、チャンネル損失は、受信機チップの入力付近に不均一トレース254を有するように回路基板上の従来のチャンネルを変更することで、送信機チップや受信機チップにさらなる回路を追加しなくても補償可能である。前記不均一トレース254は、各々の長さ及び長さ方向の一部において変化する幅を有する複数の周期的な形状を含む。各周期的な形状は、他の周波数には小さい反射又は最小限の反射を引き起こし、特定の周波数においてチャンネルを介して伝搬される信号を選択的に反射し、これにより全般的には当該周波数の信号を増幅させる。したがって、受信機チップにより受信される信号の質は、受信機チップの入力において選択された周波数に対する反射を強調することにより向上する。
【0082】
本発明が例示的な実施形態と結び付けられて説明されたが、当該分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の思想及び範囲を逸脱しない限り、種々の変更及び修正が記述された実施形態に対して加えられるということが認識できる。また、様々な分野における通常の知識を有する者であれば、この明細書において記述された本発明が他の応用分野における他の作業及び適応の過程において解決策を提示可能であるということが認識できる。本出願人の意図は、この明細書の特許請求の範囲を通じて、このような応用のための本発明の使用と、本発明の思想及び範囲を逸脱しない限り、この明細書において開示の目的で選択された本発明の例示的な実施形態に加えられるこのような変化及び修正を含むものである。本発明の例示的な実施形態はあらゆる面において例示的なものであり、制限的ではないものと見なされるべきであり、本発明の思想及び範囲は、添付の特許請求の範囲及びこれらの均等事項により開示される。