(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して、この発明の実施の形態に係る伸縮性配線基板を詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る伸縮性配線基板1を示す平面図、
図2は
図1のA−A’線断面図である。また、
図3は、伸縮性配線基板1の製造工程を示すフローチャートである。
【0018】
図1及び
図2に示すように、第1の実施形態に係る伸縮性配線基板1は、伸縮性基材10と、この伸縮性基材10上に複数並設された第1及び第2の伸縮性配線20,30とを備えている。また、伸縮性配線基板1は、伸縮性基材10を平面視で見て、例えば第1の伸縮性配線20の形成領域とその厚さ方向に重なるように設けられた難伸縮性部材40を備えている。更に、伸縮性配線基板1は、例えば第1及び第2の伸縮性配線20,30の後述する配線部21,31上を覆うように形成された伸縮性絶縁層50を備えている。
【0019】
なお、第1の伸縮性配線20は例えば電源線であり、第2の伸縮性配線30は例えば信号線である。また、これら第1及び第2の伸縮性配線20,30は、伸縮性基材10上に少なくとも一つ設けられていればよい。また、難伸縮性部材40は、所望の伸縮性配線の少なくとも一部とその厚さ方向に重なるように設けられていればよい。
【0020】
伸縮性基材10は、伸縮性を有する材料により構成され、例えばゴムシートや繊維からなる。ゴムシートとしては、例えばシリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどのゴムシートが挙げられる。その他のゴム材料やエラストマー材料なども使用され得る。
【0021】
また、繊維としては、例えばレーヨン、アクリル、ポリウレタン、ビニロン、ポリエチレン、ナフィオン、アラミド、ナイロン、ポリエステル、綿などの織物が挙げられる。その他の各種素材を用いたシート材や織物なども使用され得る。伸縮性を有する材料は、上記のものに限定されない。これらゴムシートや繊維は、一般的な市販のものを使用することもできる。
【0022】
なお、本発明に係る実施形態において、伸縮性とは、例えば各材料においてヤング率が1GPa未満であることを一例とし、例えば100MPa未満であることが好ましい。その他、伸縮性とは、例えば後述する難伸縮性部材40との関係において、難伸縮性部材40のヤング率に対して十分に低いヤング率であることを指す場合もある。十分に低いとは、例えば難伸縮性部材40のヤング率に対して1/100以下などである。
【0023】
第1及び第2の伸縮性配線20,30は、それぞれ配線部21,31と、これら配線部21,31と連続して形成された電極端子部22,32とを有している。電極端子部22,32は、例えば配線部21,31の両端側に形成されている。これら電極端子部22,32は、図示しない電子部品や他の接続部材と電気的に接続される部分である。
【0024】
第1及び第2の伸縮性配線20,30は、伸縮性を有する配線材料により構成され、例えば導電性フィラーとエラストマーバインダーとの混合物からなる。これら伸縮性配線20,30は、従来公知の種々の伸縮性配線(例えば、特表2010−539650号公報に開示された伸縮性配線)を用いることができる。導電性フィラーとしては、例えば銀、銅、ニッケル、錫、ビスマス、アルミニウム、グラファイト、導電性高分子などを用いることができる。導電性高分子は、いわゆる電気を通す導電性ポリマーであり、酸化還元に伴う電解伸縮が可能な特性を備えたものである。
【0025】
また、エラストマーバインダーとしては、シリコーンや上述した伸縮性基材10のゴム材料を用いることもできる。なお、第1及び第2の伸縮性配線20,30には、その他の導電性フィラーも使用可能であり、例えば弾性を有する導電性接着剤を用いることもできる。
【0026】
なお、第1及び第2の伸縮性配線20,30の形状は、
図1では直線形状を有するものとされているが、これに限定されるものではなく、例えば蛇行形状に形成した金属配線や、蛇腹形状に形成した金属配線などとすることもできる。
【0027】
電極端子部22,32は、本実施形態(
図1)においては、配線部21,31の長手方向に沿って長い角丸矩形状に形成されている。その他、電極端子部22,32は、矩形状、円形状、環状など、種々の形状に形成されていてもよい。電極端子部22,32には、組立時などに電子部品が接続されるので、少なくともその表面は露出する構造となっている。電極端子部22,32に接続される電子部品は、例えばトランジスタ、集積回路(IC)、ダイオード等の半導体素子の能動部品や、抵抗器、コンデンサ、リレー、圧電素子等の受動部品が挙げられる。
【0028】
難伸縮性部材40は、本実施形態においては、第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域及び電極端子部22の形成領域と平面視で見て厚さ方向に重なるように、連続的に形成され設けられている。第1の伸縮性配線20は、上述したように例えば電源線として用いられるので、その機能上抵抗値変化の許容量が信号線として用いられる他の第2の伸縮性配線30よりも極端に小さい。このため、難伸縮性部材40によって伸張を抑える必要がある。
【0029】
具体的には、難伸縮性部材40は、配線部21の形成領域においては、伸縮性絶縁層50の内部において伸縮性基材10と配線部21との間の部分に、配線部21と完全に重なり且つ配線部21よりも幅広に設けられている。これと共に、難伸縮性部材40は、伸縮性基材10と配線部21との間の部分の幅と同じ幅で配線部21の側方及び上方を覆うように設けられている。従って、難伸縮性部材40は、配線部21の断面における四辺全てを囲むように設けられている。
【0030】
一方、電極端子部22の形成領域においては、難伸縮性部材40は、伸縮性基材10と電極端子部22との間の部分に、電極端子部22と完全に重なり且つその外周よりも外側に広い形状となるように設けられている。このように、難伸縮性部材40が、配線部21の形成領域及び電極端子部22の形成領域と上記のように幅広且つ広い範囲で重なるように設けられていると、電源線である第1の伸縮性配線20を伸縮変形させ難くするという本発明の効果を最も発揮することが可能となる。
【0031】
なお、難伸縮性部材40は、配線部21等と少なくとも一部が重なっていれば本発明の効果を発揮する。伸縮性配線基板1における難伸縮性部材40によって伸縮変形させ難くなる領域は、難伸縮性部材40が形成された部分の平面方向の面積上における厚さ方向に含まれる伸縮性基材10、第1の伸縮性配線20及び伸縮性絶縁層50の全ての領域である。
【0032】
難伸縮性部材40は、伸縮性基材10や伸縮性絶縁層50よりもヤング率が高い材料により構成され、絶縁性材料及び導電性材料のいずれの材料も使用され得る。この中で、絶縁性の樹脂材料が取扱性が良好であるため最も好適である。具体的には、樹脂材料としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリイミドなどが挙げられる。
【0033】
なお、難伸縮性部材40を導電性材料で構成する場合は、その表面を絶縁被覆すること及び隣設された伸縮性配線と短絡しないことなどが必要となる。一方、難伸縮性部材40をメッキやスパッタなどで得る銅や銀などの良導電性金属を用い、且つ任意の伸縮性配線と接するように設置する場合においては、その伸縮性配線全体の抵抗値が低下する付随的な効果を示す。従って、基板の伸張により配線の抵抗値が増加するという従来技術の問題に対してはより好適な構成となり得る。その他、難伸縮性部材40には、絶縁性の無機材料を用いることもできる。
【0034】
この難伸縮性部材40は、例えばヤング率が1GPa以上であり、且つ弾性変形領域が5%未満であることが好ましい。上述した難伸縮性部材40を構成する材料は、いずれもこの要件を満たすものとする。また、例えばヤング率が1GPa未満及び/又は弾性変形領域が5%以上の場合であっても、伸縮性配線基板1の伸縮性基材10のヤング率に対して十分に高いヤング率を有する材料を用いることも可能である。
【0035】
ここで、十分に高いとは、例えば伸縮性基材10のヤング率に対して難伸縮性部材40のヤング率が100倍以上となることをいう。一例として、伸縮性基材10がヤング率が1MPa程度のエラストマー材料や繊維材料を用いたものである場合、難伸縮性部材40にはヤング率が100MPa以上の材料を用いるとよい。これにより、伸縮性基材10に対する相対的な伸び易さを十分に低減させることができる。このような材料としては、シリコーン、ウレタンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが挙げられる。その他、これらの材料に高いヤング率のフィラーを混ぜて全体的にヤング率を高めた材料を用いることもできる。
【0036】
伸縮性絶縁層50は、伸縮性及び絶縁性を有する材料からなり、例えばエラストマー材料が好適に用いられ得る。エラストマー材料としては、例えばスチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどを用いることができ、その他のエラストマー材料も使用され得る。
【0037】
このように構成された第1の実施形態に係る伸縮性配線基板1は、第1の伸縮性配線20の全ての形成領域と上記のように重なるように難伸縮性部材40を設けている。このため、第1の伸縮性配線20全体の伸張を抑制することが可能となる。よって、第1の伸縮性配線20を電子部品の電源線として用いた場合であっても、伸縮変形に伴う抵抗値変化によって電子部品の動作電圧に影響を与えることなく、安定した動作性を確保することができる。
【0038】
特に、上記のような伸縮性配線基板1において第1の伸縮性配線20のように電源線として用いる配線を作製する場合、一般的には伸張しても一定以下の抵抗値となるように構成する必要が生じる。しかし、従来技術では配線等の作製上の寸法公差の制御が非常に困難であったため、電子部品の動作性を安定的に確保することは容易ではなかった。
【0039】
この点、本実施形態の伸縮性配線基板1は、伸張を防止したい任意の箇所として第1の伸縮性配線20の全体に難伸縮性部材40を設けるだけの簡単な構成を実現している。これにより、基材上の伸縮性配線自体の寸法公差を考慮して作製することなく、簡便な構成によって電子部品の動作性を安定的に確保することが可能となる。そして、このような作用効果を奏することができるので、少なくとも電源線である第1の伸縮性配線20を含んで信号線である第2の伸縮性配線30が混在した構造の伸縮性配線基板1を、簡単な構造により作製し実現することが可能となる。
【0040】
[伸縮性配線基板の製造工程]
次に、
図3を参照して、伸縮性配線路基板1の製造工程を説明する。
まず、伸縮性基材10を準備する(ステップS100)。ここでは、例えばヤング率が1MPaのシリコーンゴムシートを伸縮性基材10として用いる。次に、伸縮性基材10上の第1の伸縮性配線20の形成予定領域よりも広い領域に、難伸縮性部材40を形成する(ステップS102)。
【0041】
難伸縮性部材40は、例えば上述した材料等を含むインク状の材料を、スクリーン印刷、シルク印刷、ディスペンス工法等によりパターニングする。その後、加熱処理や電磁波照射処理(硬化処理)を施すことによりインク状の材料を乾燥及び硬化させて難伸縮性部材40を形成する。
【0042】
その他、難伸縮性部材40は、例えば絶縁、モールディング、保護用のポッティング、接着、その他の塗装分野にて一般的に用いられる材料により形成されてもよい。また、難伸縮性部材40は、ホットメルト等の固形の非インク状の材料や、金属材料などをパターンメッキしたもの、或いはフィルム状やテープ状の材料を貼着して構成されてもよい。
【0043】
こうして難伸縮性部材40を伸縮性基材10上に形成したら、第1及び第2の伸縮性配線20,30を形成する(ステップS104)。第1の伸縮性配線20は難伸縮性部材40の上に、第2の伸縮性配線30は伸縮性基材10上にそれぞれパターン形成する。
【0044】
第1及び第2の伸縮性配線20,30は、例えば導電性フィラーをエラストマーバインダーに混練したインク状の材料を、ディスペンス、スクリーン印刷、グラビア印刷などの工法により塗工する。その後、上記のような硬化処理を施して第1及び第2の伸縮性配線20,30を形成する。なお、ここでのインク状の材料としては、一般的な導電性の弾性接着剤を用いてもよく、従来公知の種々のもの(例えば、特表2010−539650号公報に開示されたもの)を用いてもよい。
【0045】
そして、難伸縮性部材40及び第1の伸縮性配線20の配線部21上に、難伸縮性部材40を再形成する(ステップS106)。これにより、第1の伸縮性配線20の配線部21は、難伸縮性部材40により被覆された状態となる。なお、上記ステップS102及びこのステップS106にてそれぞれ形成される難伸縮性部材40は、同一の材料からなるものであっても、異なる材料からなるものであってもよい。
【0046】
最後に、伸縮性絶縁層50を形成する(ステップS108)。伸縮性絶縁層50は、例えば第1及び第2の伸縮性配線20,30の電極端子部22,32を除く配線部21,31の形成領域全体を覆うように、伸縮性基材10上に形成される。具体的には、伸縮性絶縁層50は、エラストマーからなるインク状の材料を、バーコート、スクリーン印刷、スリットコート、ディップコートなどの工法で塗工する。その後上記のような硬化処理を施して伸縮性絶縁層50を形成する。なお、ここでのインク状の材料は、一般的な電子部品の絶縁被覆、保護用のポッティング、接着、型取りや成型用材料として、ゴム弾性を有するものが用いられ得る。
【0047】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る伸縮性配線基板1Aを示す平面図、
図5は
図4のB−B’線断面図である。
図4及び
図5において、第1の実施形態(
図1〜
図2)と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
図4及び
図5に示すように、第2の実施形態に係る伸縮性配線基板1Aでは、難伸縮性部材40が、第1の伸縮性配線20の電極端子部22の形成領域には設けられていない。また、伸縮性基材10と配線部21との間の部分には難伸縮性部材40が設けられていない。この2点において、第2の実施の形態の伸縮性配線基板1Aは、第1の実施形態の伸縮性配線基板1とは相違している。
【0048】
すなわち、第2の実施形態の伸縮性配線基板1Aでは、難伸縮性部材40が、第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域のみと平面視で見て厚さ方向に重なるように設けられている構成となっている。具体的には、配線部21の表面部分(側方及び上方)を囲むように配線部21の全長に亘って難伸縮性部材40が形成されている。しかし、電極端子部22の形成領域には、難伸縮性部材40は形成されておらず、難伸縮性部材40は、配線部21と電極端子部22との間で途切れている。この難伸縮性部材40の形成タイミングは、例えば第1の伸縮性配線20の形成工程後で伸縮性絶縁層50の形成工程前である。このような構成によっても、第1の実施形態の伸縮性配線基板1と同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態に係る伸縮性配線基板1Bを示す平面図、
図7は
図6のC−C’線断面図である。
図6及び
図7において、第2の実施形態(
図4〜
図5)と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
図6及び
図7に示すように、第3の実施形態に係る伸縮性配線基板1Bでは、難伸縮性部材40が、第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域のみと平面視で見て厚さ方向に重なり、電極端子部22の形成領域とは重なっていない点は、第2の実施形態の伸縮性配線基板1Aと同様である。
【0050】
但し、第3の実施形態に係る伸縮性配線基板1Bでは、難伸縮性部材40が、伸縮性絶縁層50の表面に形成され、第1の伸縮性配線20とは直接接していない構成とされている。この点において、第2の実施形態の伸縮性配線基板1Aでは、伸縮性絶縁層50の下層において難伸縮性部材40が第1の伸縮性配線20と接するように形成されているのとは相違している。この場合、難伸縮性部材40は、難伸縮性のフィルム材やテープ材を貼着することにより構成されることが好適である。この難伸縮性部材40の形成タイミングは、例えば伸縮性絶縁層50の形成工程後である。このような構成によっても、上記の実施形態と同様に、伸縮性配線の所望の箇所を伸縮し難くさせるという作用効果を奏することができる。
【0051】
[第4の実施形態]
図8は、本発明の第4の実施形態に係る伸縮性配線基板1Cを示す平面図、
図9は
図8のD−D’線断面図である。
図8及び
図9において、第1の実施形態(
図1〜
図2)と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
図8及び
図9に示すように、第4の実施形態に係る伸縮性配線基板1Cでは、難伸縮性部材40が、第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域及び電極端子部22の形成領域と平面視で見て厚さ方向に重なるように、連続的に形成され設けられている点は、第1の実施形態の伸縮性配線基板1と同様である。
【0052】
但し、第4の実施形態に係る伸縮性配線基板1Cでは、難伸縮性部材40が、伸縮性基材10の裏面に形成され、第1の伸縮性配線20とは直接接していない構成とされている。この点において、第1の実施形態の伸縮性配線基板1では、難伸縮性部材40が第1の伸縮性配線20の下面だけでなく側面及び上面を覆うように形成されているのとは相違している。この場合、上記と同様に、難伸縮性部材40は、難伸縮性のフィルム材やテープ材により構成されるとよい。この場合は、難伸縮性部材40の形成タイミングはいずれのタイミングであってもよい。このような構成によっても、第1の実施形態の伸縮性配線基板1と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
[第5の実施形態]
図10は、本発明の第5の実施形態に係る伸縮性配線基板1Dを示す平面図、
図11は
図10のE−E’線断面図である。
図10及び
図11において、第1及び第4の実施形態(
図1〜
図2、
図8〜
図9)と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
図10及び
図11に示すように、第5の実施形態に係る伸縮性配線基板1Dでは、難伸縮性部材40が、第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域及び電極端子部22の形成領域と平面視で見て厚さ方向に重なるように、連続的に形成され設けられている点は、第1及び第4の実施形態の伸縮性配線基板1,1Cと同様である。
【0054】
但し、第5の実施形態に係る伸縮性配線基板1Dでは、難伸縮性部材40が、伸縮性基材10と配線部21及び電極端子部22との間の部分にのみ形成されている。この点において、第1及び第4の実施形態の伸縮性配線基板1,1Cでは、難伸縮性部材40が第1の伸縮性配線20の下面だけでなく側面及び上面をも覆うように形成されているのとは相違している。この難伸縮性部材40の形成タイミングは、例えば伸縮性基材10の準備工程後で第1の伸縮性配線20の形成工程前である。このような構成によっても、第1及び第4の実施形態の伸縮性配線基板1,1Cと同様の作用効果を奏することができる。
【0055】
[難伸縮性部材の形成箇所の変形例]
図12及び
図13は、上記実施の形態の変形例を示す平面図である。
【0056】
図12(a)は、第1の変形例に係る伸縮性配線基板1Eの平面図である。
図12(a)に示すように、難伸縮性部材40は、第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域の両端部側のみに形成(配線部21の形成領域の一部と電極端子部22の形成領域とに連続的に形成)され、その中央付近には形成されないようにしてもよい。
図12(b)は、第2の変形例に係る伸縮性配線基板1Fの平面図である。
図12(b)に示すように、難伸縮性部材40は、第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域の中央付近にのみ形成され、その両端部側には形成されないようにしてもよい。このように、配線部21の形成領域の一部のみを難伸縮性部材40を重畳させることによっても、配線部21の伸縮変形を十分に抑制することができる。
【0057】
また、上述の各種実施形態では、難伸縮性部材40は、第1の伸縮性配線20(配線部21及び電極端子部22)の形成領域よりも幅広となるように設けられる例を説明した。しかし、
図13(a)〜(e)の変形例に示すように、難伸縮性部材40は、第1の伸縮性配線20の形成領域と同じ幅を有するように設けられていてもよい。難伸縮性部材40がこのような構成であっても、本発明の効果を良好に発揮することができる。
【0058】
[第6の実施形態]
図14(a)〜(c)は、本発明の第6の実施形態に係る伸縮性配線基板を示す平面図である。
図14において、第1の実施形態(
図1〜
図2)と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
図14(a)〜(c)に示すように、第6の実施形態に係る伸縮性配線基板は、その構造を一般的なコネクタ接続部分60に適用したものである。このコネクタ接続部分60は、例えば図示しない外部電源回路や電子部品等の相手方接続部材(図示せず)と伸縮性配線基板とを電気的に接続するための部分であり、前述の電極端子部22及び32が配列される電極端子部群70を備えている。この電極端子部群70は、例えばコネクタ端子や部品実装端子として用いることができる。
図14は、例えば伸縮性配線基板の伸縮性基材10の裏面側を簡易的に平面視した状態を示している。この
図14の伸縮性配線基板では、コネクタ接続部分60に接続される複数の配線の中に、電源線として機能する第1の伸縮性配線20が含まれている。
【0059】
この
図14(a)〜(c)のような伸縮性配線基板では、電源線である第1の伸縮性配線20の形成領域の少なくとも一部、及びコネクタ接続部分60の少なくとも一部に難伸縮性部材40を配置する。これにより、伸縮変形による第1の伸縮性配線20の抵抗値変化を低減させることが可能となる。
【0060】
難伸縮性部材40は、
図14(a)に示す例においては、電極端子部群70の形成領域の全体、及び第1の伸縮性配線20の形成領域に重なるように連続的に形成され設けられている。また、
図14(b)の例においては、難伸縮性部材40は、第1及び第2の伸縮性配線20,30の複数の配線部21,31及び電極端子部22,32のうち、第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域、及び電極端子部群70における電極端子部22の形成領域というように、1本のみに連続的に形成され設けられている。更に、
図14(c)の例においては、電極端子部群70の形成領域の全体、及び配線部21並びに配線部31の端部(電極端子部群70の近傍)の形成範囲内のみに設けられている。伸縮変形を防止するという意味で最も好適な態様は、
図14(a)に示す構成である。
【0061】
なお、コネクタ接続部分60においては、電極端子部群70における各電極端子部22,32は露出する必要があるので、難伸縮性部材40の形成態様としては、上記第4の実施形態の
図9に示した形成態様又は第5の実施形態の
図11に示した形成態様が好適である。但し、コネクタ接続部分60以外に難伸縮性部材40を設置しない場合(すなわち、
図14(c)に示すような場合)は、
図9に示した形成態様が最も好ましい。
【0062】
この第6の実施形態の伸縮性配線基板によれば、上述した作用効果に加えて、次のような付随する効果も奏することができる。すなわち、コネクタ接続部分60においては、相手方接続部材の端子数や端子ピッチに合わせた端子数や端子ピッチの電極端子部22,32を電極端子部群70に形成する必要がある。
【0063】
このとき、従来の伸縮性配線基板のように難伸縮性部材40がコネクタ接続部分60に設けられていないと、接続時にコネクタ接続部分60が伸縮するため、端子ピッチが変化して接続不良をもたらす可能性がある。また、コネクタ接続後においても本来的に伸縮性配線基板が伸縮変形するため、例えば伸縮性配線基板を伸ばした際にコネクタ接続部分60が抜けて外れる虞がある。更に、コネクタ接続部分60は硬質な部材により加締められて接続されるのが一般的であるため、伸縮性があると上記のような欠点のみが顕在化することとなる。このようなコネクタ接続部分60に関する問題は、電源線に限定したものではなく、信号線30にも共通に存在する。よって、電極端子部群70の電極端子部が全て信号線の電極端子部32である場合においても同様である。
【0064】
この点、本実施形態の伸縮性配線基板によれば、コネクタ接続部分60に難伸縮性部材40を設けているので、難伸縮性部材40を設けた箇所と重なる箇所の伸縮性配線の伸張性を低下させることができる。これにより、該当箇所の伸縮性配線の伸張を抑制し、これに伴う抵抗値変化を低減、すなわち抵抗値増加を抑制することが可能となる。また、電源線及び信号線の如何を問わず、コネクタ接続時の接続不良の発生や抜けの発生を防止し、確実に相手方接続部材との電気的接続を行うことが可能となる。
【0065】
[第7の実施形態]
図15は、本発明の第7の実施形態に係る伸縮性配線基板を示す平面図である。
図15において、第1の実施形態(
図1〜
図2)と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
図15に示すように、第7の実施形態に係る伸縮性配線基板は、その構造を一般的な電子部品の実装部分及びその近傍に適用したものである。
図15は、例えば伸縮性配線基板の裏面側を簡易的に平面視した状態を示している。伸縮性配線基板を電子部品を実装した実装基板として用いる場合、伸縮性配線基板上における第1及び第2の伸縮性配線20,30の電極端子部22,32は、実装を想定する電子部品側の端子ピッチ及び形成位置に対応させて配置される。実装される電子部品としては、上述したようなIC、抵抗器、小型電源、コンデンサなどが挙げられる。この中でコンデンサにおいては、特に電源線として機能する第1の伸縮性配線20の伸縮による抵抗値変化を防ぐ必要性が高くなる。
【0066】
図15(a)に示す場合には、難伸縮性部材40は、電子部品の実装領域80よりも広く、第1及び第2の伸縮性配線20,30の電極端子部22,32の形成領域を全て含み、且つ第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域の一部とも重なるように連続的に形成されている。また、
図15(b)では、電源線である第1の伸縮性配線20の配線部21の形成領域、及び電極端子部22の形成領域のみに難伸縮性部材40が重なるように連続的に形成されている。
【0067】
更に、
図15(c)に示すように、難伸縮性部材40は、電子部品の実装領域80よりも広く、且つ第1及び第2の伸縮性配線20,30の電極端子部22,32の形成領域を全て含むように形成されてもよい。また、
図15(d)に示すように、難伸縮性部材40は、電極端子部22,32の形成領域を全て含むが、電子部品の実装領域80の一部のみを覆うように連続的に形成されてもよい。
【0068】
一般的に、電子部品を実装する実装領域80及びその近傍においては、伸縮性配線基板が伸びて電極端子部22,32の配置ピッチが変化してしまうと、例えば半田や導電性接着剤、ACF、スルーホール実装ピン等の接続部材が破壊されてしまうこととなる。この場合は、電気的な接続が失われて実装不良となってしまう。このような電子部品の実装に関する問題も、特に電源線に限定したものではなく、信号線にも共通に存在する。よって、実装領域80に形成された電極端子部が全て信号線の電極端子部32である場合においても同様である。
【0069】
この点、本実施形態の伸縮性配線基板によれば、電子部品の実装領域80及びその近傍に適宜難伸縮性部材40を設けているので、難伸縮性部材40を設けた箇所と重なる箇所の伸縮性配線の伸張性が低下される。このため、電極端子部22,32の配置ピッチの変化を抑制し、接続部材の破壊を抑制することができる。従って、実装不良の発生を防止して、確実に電子部品を伸縮性配線基板上に実装することが可能となる。ここで、電子部品を実装するという意味で最も好適な態様は、
図15(a)に示すものである。なお、上述した各種実施形態の伸縮性配線基板は、その構造を適宜組み合わせて実施するようにしてもよい。また、難伸縮性部材40は、例えば伸縮性絶縁層50内に設けられ、少なくとも配線部21の上方に配線部21と直接接しない状態で配置されてもよい。
【0070】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。