特許第6574598号(P6574598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6574598-感圧接着シート 図000004
  • 特許6574598-感圧接着シート 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574598
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】感圧接着シート
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20190902BHJP
   C09J 7/26 20180101ALI20190902BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20190902BHJP
   B32B 3/30 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   C09J7/38
   C09J7/26
   B32B27/00 M
   B32B3/30
【請求項の数】10
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-87249(P2015-87249)
(22)【出願日】2015年4月22日
(65)【公開番号】特開2016-104847(P2016-104847A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2018年2月22日
(31)【優先権主張番号】特願2014-90717(P2014-90717)
(32)【優先日】2014年4月24日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-235851(P2014-235851)
(32)【優先日】2014年11月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100154449
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 征史
(72)【発明者】
【氏名】山本 修平
(72)【発明者】
【氏名】玉井 弘宣
(72)【発明者】
【氏名】加藤 和通
【審査官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−221431(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/011396(WO,A1)
【文献】 特開2009−242811(JP,A)
【文献】 特開昭51−045137(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3092971(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3018714(JP,U)
【文献】 特開2009−269945(JP,A)
【文献】 特開2010−209263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/00− 7/50
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着性表面を有する非通気性の感圧接着シートであって、
前記接着性表面を構成する感圧接着剤層を備えており、
前記接着性表面には、少なくとも1つの凹部が形成されており、
前記凹部は、前記接着性表面において波状に延びており、
前記少なくとも1つの凹部は、前記接着性表面において、間隔をおいて配置される2以上の凹部であり、
前記2以上の凹部のうち前記感圧接着シートの幅方向端辺に接する凹部は、該端辺に交差する角度で該端辺に到達しており、
前記凹部の幅は0.1〜5mmであり、
前記凹部の間隔は1〜100mmであり、
前記凹部の深さは、前記感圧接着剤層の厚さの70%を超えており、
前記凹部が形成する波の振幅は5〜200mmの範囲内であり、
前記凹部が形成する波の波長は10〜500mmである、感圧接着シート。
【請求項2】
前記凹部は、前記接着性表面において曲線状に形成されている、請求項に記載の感圧接着シート。
【請求項3】
前記凹部は、前記感圧接着剤層上に形成されている、請求項1または2に記載の感圧接着シート。
【請求項4】
前記感圧接着剤層を支持するシート状基材をさらに備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の感圧接着シート。
【請求項5】
前記シート状基材は樹脂シート層を含む、請求項に記載の感圧接着シート。
【請求項6】
前記感圧接着剤層の厚さは2μm以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の感圧接着シート。
【請求項7】
前記感圧接着シートの総厚さは300μm以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の感圧接着シート。
【請求項8】
自動貼り機を用いて被着体に貼り付けられる、請求項1〜のいずれか一項に記載の感圧接着シート。
【請求項9】
物品に貼り付けて使用される、請求項1〜のいずれか一項に記載の感圧接着シート。
【請求項10】
前記シート状基材は発泡体層を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の感圧接着シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は感圧接着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品の表面を保護する目的で、また、装飾など所望の外観を得る等の目的で、感圧接着シートが広く用いられている。上記感圧接着シートは、例えば塗装に代替する機能を有するものとしても利用されており、取扱い性に優れることから、その用途は塗装代替に留まらず拡大している。この種の従来技術を開示する文献として、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献2,3は、医療用の通気透湿性粘着テープに関する技術文献である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2004−506777号公報
【特許文献2】特開平10−328231号公報
【特許文献3】特許第5371292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の感圧接着シートでは、該シートを被着体に貼り付けるときに、該シートと該被着体との間(以下、便宜的に接着面ともいう。)に空気や水分等の流動性異物が残り、この異物が気泡のような空気だまりや水分だまり等となって外観品質の低下を引き起こす場合がある。上記のような空気だまり等は接着力の低下など接着特性に影響を及ぼす点でも望ましくない。このような事象を回避することを目的として、感圧接着シートの接着性表面を保護する剥離性ライナーの表面に凸条を形成し、該凸条を利用して該シートの接着性表面に溝を形成し、この溝から上記接着面に残ろうとする空気等を逃がす技術が知られている(例えば特許文献1参照)。しかし、上記の従来技術では、シートの切断箇所等によっては、接着性表面の溝が感圧接着シートの端辺近傍で該端辺と平行し、これを原因として、該端辺近傍の接着性が低下するような事象(例えば端部剥がれ等)が発生するおそれがある。また、シートを被着体に貼り付ける際に、貼り付け方向に対して接着性表面の凹凸段差が断続するため、その影響により均一な貼り付けとならない傾向がある。例えば、自動貼り機を用いて当該シートを被着体に貼り付ける場合に、貼り付け性の低下が目立ちやすい。なお、特許文献2,3は、医療用粘着テープに関するものであり、外観品質や均一貼り付けについての示唆はない。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて創出されたものであり、貼り付け後の外観品質の低下を効率よく防ぎ、シート全体にわたって均一な接着特性を発揮し、かつ貼り付け性が向上した感圧接着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、接着性表面を有する非通気性の感圧接着シートが提供される。この感圧接着シートは、前記接着性表面を構成する感圧接着剤層を備える。また、前記接着性表面には、少なくとも1つの凹部が形成されている。さらに、前記凹部は、前記接着性表面において波状に延びている。
かかる構成によると、被着体表面との接着面に留まろうとする空気や水分等の流動性異物は、接着性表面の凹部を通って該接着面から除去され、上記接着面における空気だまり等の発生は防止される。また、凹部は波状に延びる形状を有するので、接着面に留まろうとする空気等との接触性に優れる。したがって、上記接着面に空気等が留まることを原因とする外観品質の低下を効率よく防ぐことができる。また、上記凹部は波状に延びているので、上記凹部が感圧接着シート端辺近傍で該端辺と平行することを原因として、該端辺近傍の接着性が低下するような事象(例えば端部剥がれ等)は発生し難い。これによって、上記シート全体にわたって均一な接着特性が発揮され得る。さらに、接着性表面において波状に延びる凹部を有する構成は、貼り付け方向に対して接着性部分と非接着性部分(凹部)とが断続し難い構成であり、例えば直線状や格子状の凹部と比べて、均一な貼り付けが実現される。したがって、空気等抜け性を高めるため、凹部の本数や幅を増大した場合であっても、比較的良好な貼り付け性を実現することが可能である。
【0007】
なお、感圧接着シートの接着性表面において空気等の抜け性を得ようとする場合には、通常、厚さ方向に通気性を持たせることがまず考えられるが、例えば意匠性や保護性、遮光性等の特性が要求される用途においては上記特性への影響から現実的な選択肢とはならない場合もある。ここに開示される技術によると、感圧接着シートの面方向に空気等は逃がされるので、上記のような構成(典型的には、厚さ方向に通気性を有しない構成)において、良好な空気等抜け性が実現され得る。
【0008】
ここに開示される感圧接着シートの好ましい一態様では、前記少なくとも1つの凹部は、前記接着性表面において、間隔をおいて配置される2以上の凹部である。このように構成することで、波状に延びる複数の凹部が接着性表面に形成され、接着面に留まろうとする空気等はより確実に上記接着面から除去される。また、上記複数の凹部を、それらの延長方向が互いに平行するように配列した場合には、接着性表面にストライプ状のパターンが形成され、所望の空気等抜け性を得つつ、外観が制御されている印象を見る者に与え得る。このことは、凹部の形成による外観変化の違和感を解消、軽減するという効果をもたらし、上記感圧接着シートの適用範囲を拡大し得る点で実用上有意義である。
【0009】
ここに開示される感圧接着シートの好ましい一態様では、前記凹部は、前記接着性表面において曲線状に形成されている。このように構成することで、被着体への貼り付けがなめらかとなり、貼り付け性が向上する。また、感圧接着シート端辺近傍で端部剥がれ等を引き起こすような配置がより確実に回避され得る。
【0010】
ここに開示される感圧接着シートの好ましい一態様では、前記凹部は、前記感圧接着剤層上に形成されている。このように構成することで、本発明の効果を発揮する構成を好適に実現することができる。
【0011】
ここに開示される感圧接着シートの好ましい一態様では、前記感圧接着剤層を支持するシート状基材をさらに備える。シート状基材を備えることで、感圧接着シートの剛性が向上し、貼り付け性が向上する傾向がある。また、前記シート状基材は樹脂シート層を含むことが好ましい。これにより、感圧接着シートは適度なコシを有するので、貼り付け性がさらに向上する。また、樹脂シート層を含むことは、薄厚化や外観向上等においても有利である。なお、上記貼り付け性は、貼り付け作業がしやすいことだけでなく、良好な貼り合わせ状態が実現されやすいことを包含する。
【0012】
ここに開示される感圧接着シートの好ましい一態様では、前記感圧接着剤層の厚さは2μm以上である。感圧接着剤層の厚さを所定以上とすることで、充分な空気等抜け性を有する凹部を形成しやすくなる。
【0013】
ここに開示される感圧接着シートの好ましい一態様では、前記感圧接着シートの総厚さは300μm以下である。総厚さが制限された感圧接着シートは、該感圧接着シートが適用される製品の小型化、軽量化、省資源化等の点で有利なものとなり得る。
【0014】
ここに開示される感圧接着シートは、上述のように、被着体との接着面における空気だまり等の発生が防止されており、また、均一な貼り付けが可能である。したがって、上記感圧接着シートは、貼り付け性に優れることが要求されがちな、自動貼り機を用いて被着体に貼り付けられる態様に好ましく適用され得る。
【0015】
ここに開示される感圧接着シートは、上記の特徴を活かして、物品に貼り付ける態様で好ましく使用され得る。したがって、本明細書によると、ここに開示される感圧接着シートが貼り付けられた物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】感圧接着シートの一実施形態を模式的に示す上面図である。
図2図1のII−II線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、製品として実際に提供される本発明の感圧接着シートのサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
【0018】
図1は感圧接着シートの一実施形態を模式的に示す上面図であり、図2図1のII−II線における断面図である。図面を参照しながら、この実施形態の感圧接着シートについて説明する。
【0019】
図1,2に示すように、この実施形態に係る感圧接着シート1は、シート状基材10と感圧接着剤層20との積層構造を有する。シート状基材10は、感圧接着剤層20を支持している。感圧接着シート1において、感圧接着剤層20側の表面は接着性表面1Aを構成している。感圧接着シート1の他方の表面(シート状基材10側の表面)1Bは非接着性の表面である。また、感圧接着シート1は、長尺状のシートである。この実施形態では、図1の縦方向が感圧接着シート1の長手方向である。
【0020】
感圧接着剤層20の表面には、凹部26a,26b,26c,26dが形成されている。これら凹部26a,26b,26c,26dはそれぞれ、長手方向に連続して波状に延びており、感圧接着シート1の幅方向に一定の間隔をおいて配置されている。これによって、接着性表面1Aには、波状のストライプパターンが形成されている。なお、この実施形態では、凹部26a,26b,26c,26dはいずれも、感圧接着シート1の端部に到達している。
【0021】
凹部26a,26b,26c,26dは、それぞれ感圧接着シート1の幅方向端辺WE1,WE2に交差する角度で延びている。これにより、凹部26a,26b,26c,26dのうち感圧接着シート1の幅方向端辺WE1に接する凹部26aは、端辺WE1に交差する角度で端辺WE1に到達している。同様に、感圧接着シート1の幅方向端辺WE2に接する凹部26dは、端辺WE2に交差する角度で端辺WE2に到達している。また、凹部26a,26b,26c,26dは、感圧接着シート1の長手方向の端辺LE1,LE2に対しても端辺LE1,LE2に交差する角度で延びており、端辺LE1,LE2に到達している。
【0022】
凹部26a,26b,26c,26dの断面形状(凹部の延長方向に直交する断面の形状)は、上方に開口したコの字状(矩形状ともいえる。)である。
【0023】
凹部26a,26b,26c,26dの幅は、所望の空気等抜け性と接着力とが得られるよう設定すればよく特に限定されないが、凡そ0.1〜5mm(好ましくは0.3〜3mm、より好ましくは0.5〜2mm)の範囲内とすることが適当である。なお、上記凹部の幅は、感圧接着剤層表面における凹部の最短幅を指すものとする。
【0024】
上記凹部の間隔(感圧接着剤層表面において隣りあう2つの凹部の間に存在する部分の幅)は、所望の空気等抜け性と接着力とが得られるよう設定すればよく特に限定されないが、1〜100mm(好ましくは10〜80mm、より好ましくは20〜60mm)の範囲内とすることが適当である。
【0025】
凹部26a,26b,26c,26dの深さは、感圧接着剤層の厚さに応じて決定され得る。上記凹部の深さは、感圧接着剤層の厚さの30%を超えることが適当であり、好ましくは50%(例えば70%、典型的には80%)を超える。感圧接着剤層の厚さに対する上記凹部の深さの上限は、感圧接着剤層の厚さの99%未満(例えば95%未満)程度とすることが適当である。上記凹部の深さとしては、具体的には、凡そ0.1〜180μm(好ましくは0.5〜90μm、より好ましくは1〜80μm)とすることが適当である。
【0026】
凹部26a,26b,26c,26dが長手方向に連続して波状に延びている場合には、空気等抜け性の観点から、その振幅は5〜200mm(好ましくは10〜150mm、より好ましくは40〜100mm)の範囲内とすることが適当である。なお、上記振幅とは、上記凹部について、当該凹部が延びる方向(典型的には感圧接着シート1の長手方向)に直交する方向における、当該1本の凹部が形成する波模様の山と谷との高低差(波高)を指すものとする。
【0027】
凹部26a,26b,26c,26dが長手方向に連続して波状に延びている場合には、凹部26a,26b,26c,26dの繰返しピッチ(以下、単に「ピッチ」ともいう。)は、所望の空気等抜け性と接着力とが得られるよう設定すればよく特に限定されないが、10〜500mm(好ましくは30〜300mm、より好ましくは60〜200mm)の範囲内とすることが適当である。なお、上記繰返しピッチは、典型的には波長であり、該波長とは、波が延びる方向における一のピークからその隣のピークまでの距離(波の上下方向に直交する方向(水平方向)における距離)を指すものとする。
【0028】
感圧接着シート1は、使用前においては、シート状基材10の背面(感圧接着剤層20側の表面とは反対側の面)10Bが剥離面となっており、感圧接着シート1を巻回することにより該背面10Bに感圧接着剤層20が当接して、接着性表面1Aがシート状基材10の背面10Bで保護された構成であり得る。あるいはまた、少なくとも接着性表面1A側が剥離面となっている剥離ライナー(図示せず)によって感圧接着剤層20が保護された構成を有する剥離ライナー付き感圧接着シートであってもよい。
【0029】
ここに開示される技術は、上記実施形態のように、凹部が波状に延びる形状を有し、複数の凹部が波状のストライプパターンを呈する態様で好ましく実施され得る。上記の形状、パターンを有することによって、感圧接着シート端辺近傍における端部剥がれ等の発生が好適に防止され、良好な貼り付け性が好適に実現される。波状の例としては、サインウェーブや疑似サインウェーブ、円弧波等の曲線状のものや、ジグザグ状、三角波等の非曲線状のものが挙げられる。波状パターンは、同形または異形の2種以上の波をそれらの位相をずらした状態で、あるいは形状やパターンを反転させる等して、重ねて形成されたものであってもよい。
【0030】
ここに開示される感圧接着シートは、非通気性であることによって特徴づけられる。ここで、感圧接着シートが非通気性であるとは、当該シートが厚さ方向に通気性を実質的に有しないこと(すなわち非通気性であること)を意味する。ここに開示される技術によると、感圧接着シートが厚さ方向ではなく面方向に空気等抜け性を有することで、所望の効果を実現することができる。なお、本明細書において「非通気性」とは、空気100mLが通過するのに要する時間から求められる通気度が30秒(/100mL)を超えることを指す。感圧接着シートの通気度は、70秒/100mL以上(例えば100秒/100mL以上)であることが好ましい。通気度は、JIS P 8117:1998に規定するガーレー試験機法に準じて測定される。後述のシート状基材の通気度も同様である。
【0031】
上記の感圧接着剤層を備える感圧接着シートの接着性表面は、凹部を有するにもかかわらず、1.5N/20mm以上(例えば2N/20mm以上、典型的には3N/20mm以上)の180度剥離強度を示し得る。このように、ここに開示される感圧接着シートは、良好な空気等抜け性を維持しつつ、所定以上の接着力を発揮することができる。上記180度剥離強度は5N/20mm以上(例えば8N/20mm以上、典型的には10N/20mm以上)であることが好ましい。なお、180度剥離強度は、下記の方法で測定すればよい。具体的には、感圧接着シートを幅20mm、長さ100mmのサイズにカットした測定サンプルにつき、23℃、50%RHの環境下にて、上記測定サンプルの接着性表面をステンレス鋼板(SUS304BA板)の表面に、2kgのローラを1往復させて圧着する。これを同環境下に30分間放置した後、万能引張圧縮試験機を使用して、JIS Z 0237:2000に準じて、引張速度300mm/分、剥離角度180度の条件で、剥離強度(N/20mm)を測定する。
【0032】
感圧接着シートの層数は特に限定されない。感圧接着剤層のみからなる単層構造であってもよく、少なくともシート状基材と感圧接着剤層とを含む2層以上の多層構造であってもよい。追加の層がさらに積層された3層以上の多層構造を有するものであってもよい。
【0033】
また、感圧接着シートは、例えば、接着性表面とは反対側の表面に装飾性、表面保護性等の特性が要求される場合や、塗料代替シートとして用いられる場合には、片面のみが接着性を有する片面接着性の感圧接着シートとして構成することが好ましい。あるいは、例えば接合固定用途等に利用される場合には、感圧接着剤層のみからなる両面接着性の感圧接着シートや、シート状基材の両面に感圧接着剤層が配置された両面接着性の感圧接着シートとして構成され得る。
【0034】
ここに開示される感圧接着シート(感圧接着剤層と基材とを含むが、剥離ライナーは含まない。)の総厚さは特に限定されず、凡そ2〜1000μm(例えば5〜500μm、好適には10〜300μm、典型的には15〜100μm)の範囲とすることが適当である。総厚さが制限された感圧接着シートは、該感圧接着シートが適用される製品の小型化、軽量化、省資源化等の点で有利なものとなり得る。
【0035】
ここに開示される感圧接着剤層は、典型的には、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により簡単に被着体に接着する性質を有する材料(感圧接着剤)から構成された層をいう。ここでいう感圧接着剤は、「C. A. Dahlquist, “Adhesion : Fundamental and Practice”, McLaren & Sons, (1966) P. 143」に定義されているとおり、一般的に、複素引張弾性率E(1Hz)<10dyne/cmを満たす性質を有する材料(典型的には、25℃において上記性質を有する材料)である。
【0036】
ここに開示される感圧接着剤層は、水系、溶剤型、ホットメルト型、活性エネルギー線硬化型等の感圧接着剤組成物から形成された感圧接着剤層であり得る。水系感圧接着剤組成物とは、水を主成分とする溶媒(水系溶媒)中に感圧接着剤(感圧接着剤層形成成分)を含む形態の感圧接着剤組成物のことをいい、典型的には、水分散型感圧接着剤組成物(感圧接着剤の少なくとも一部が水に分散した形態の組成物)等と称されるものが含まれる。また、溶剤型感圧接着剤組成物とは、有機溶媒中に感圧接着剤を含む形態の感圧接着剤組成物のことをいう。環境負荷低減の観点からは水系感圧接着剤組成物が好ましく、感圧接着特性等の観点からは溶剤型感圧接着剤組成物が好ましく用いられる。
【0037】
ここに開示される感圧接着剤層は、感圧接着剤の分野において公知のアクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、フッ素系ポリマー等の1種または2種以上をベースポリマーとして含むものであり得る。接着特性(例えば剥離強度や耐反撥性)や分子設計等の観点から、アクリル系ポリマーを好ましく採用し得る。換言すると、感圧接着剤層は、アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含むアクリル系感圧接着剤層であることが好ましい。なお、感圧接着剤の「ベースポリマー」とは、該感圧接着剤に含まれるポリマー成分の主成分(典型的には、50重量%を超えて含まれる成分)をいう。
【0038】
上記アクリル系ポリマーとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとして含み、該主モノマーと共重合性を有する副モノマーをさらに含み得るモノマー原料の重合物が好ましい。ここで主モノマーとは、上記モノマー原料におけるモノマー組成の50重量%超を占める成分をいう。
【0039】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば下記式(1)で表される化合物を好ましく使用することができる。
CH=C(R)COOR (1)
ここで、上記式(1)中のRは水素原子またはメチル基である。また、Rは炭素原子数1〜20の鎖状アルキル基(以下、このような炭素原子数の範囲を「C1−20」と表すことがある。)である。感圧接着剤の貯蔵弾性率等の観点から、RがC1−12(例えばC2−10、典型的にはC4−8)の鎖状アルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。上記RがC1−20の鎖状アルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましいアルキル(メタ)アクリレートとして、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
【0040】
主モノマーであるアルキル(メタ)アクリレートと共重合性を有する副モノマーは、アクリル系ポリマーに架橋点を導入したり、アクリル系ポリマーの凝集力を高めたりするために役立ち得る。副モノマーとして、例えばカルボキシ基含有モノマー、水酸基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマー等の官能基含有モノマーの1種または2種以上を使用することができる。副モノマーはまた、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、スチレン等の芳香族ビニル化合物、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー等であり得る。例えば、凝集力向上の観点から、上記副モノマーとしてカルボキシ基含有モノマー、水酸基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが好ましい。カルボキシ基含有モノマーの好適例としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。水酸基含有モノマーの好適例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレートや4−ヒドロキシブチルアクリレートが挙げられる。
【0041】
上記副モノマーの量は、アクリル系ポリマーの全モノマー成分中の0.5重量%以上とすることが適当であり、好ましくは1重量%以上である。また、副モノマーの量は、全モノマー成分中の30重量%以下が適当であり、好ましくは10重量%以下(例えば5重量%以下)である。アクリル系ポリマーにカルボキシ基含有モノマーが共重合されている場合、接着力と凝集力との両立の観点から、カルボキシ基含有モノマーの含有量は、アクリル系ポリマーの合成に使用する全モノマー成分中、凡そ0.1〜10重量%(例えば0.2〜8重量%、典型的には0.5〜5重量%)の範囲内であることが好ましい。アクリル系ポリマーに水酸基含有モノマーが共重合されている場合、接着力と凝集力との両立の観点から、水酸基含有モノマーの含有量は、アクリル系ポリマーの合成に使用する全モノマー成分中、凡そ0.001〜10重量%(例えば0.01〜5重量%、典型的には0.02〜2重量%)の範囲内であることが好ましい。また、上記副モノマーとして酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマーが共重合されている場合には、上記ビニルエステル系モノマーの含有量は、アクリル系ポリマーの合成に使用する全モノマー成分中、凡そ30重量%以下(典型的には0.01〜30重量%、例えば0.1〜10重量%)とすることが好ましい。
【0042】
アクリル系ポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。例えば、適当な重合溶媒(トルエン、酢酸エチル、水等)中にモノマー混合物を溶解または分散させ、アゾ系重合開始剤や過酸化物系開始剤等の重合開始剤を用いて重合操作を行うことにより、所望のアクリル系ポリマーを得ることができる。
【0043】
ここに開示されるアクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、粘着力と凝集力とをバランスよく両立する観点から、10×10以上100×10以下の範囲にあることが好ましい。Mwが20×10以上70×10以下(例えば30×10以上50×10以下)のアクリル系ポリマーによると、より良好な結果が実現され得る。なお、この明細書においてMwとは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られた標準ポリスチレン換算の値をいう。
【0044】
感圧接着剤組成物は、凝集力を高める観点から架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤の種類は特に制限されず、従来公知の架橋剤の1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。架橋剤の好適例としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が挙げられる。架橋剤の使用量は特に制限されず、例えば、アクリル系ポリマー100重量部に対して凡そ10重量部以下(例えば凡そ0.005〜10重量部、好ましくは凡そ0.01〜5重量部)の範囲から選択することができる。
【0045】
ここに開示される感圧接着剤層は、粘着付与剤を含む組成であり得る。粘着付与剤としては、特に制限されないが、例えば、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂等の各種粘着付与樹脂を用いることができる。このような粘着付与樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0046】
粘着付与樹脂の軟化点(軟化温度)は、凡そ60℃以上(好ましくは凡そ80℃以上、典型的には100℃以上)であることが好ましい。これにより、接着力のより高い粘着シートが実現され得る。粘着付与樹脂の軟化点の上限は特に制限されず、凡そ180℃以下(例えば凡そ140℃以下)とすることができる。なお、ここでいう粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K5902:2006およびJIS K2207:2006のいずれかに規定する軟化点試験方法(環球法)によって測定された値として定義される。
【0047】
粘着付与剤の使用量は特に制限されず、目的とする粘着性能(接着力等)に応じて適宜設定することができる。例えば、固形分基準で、ベースポリマー(好適にはアクリル系ポリマー)100重量部に対して、粘着付与剤を凡そ10〜100重量部(より好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは30〜60重量部)の割合で使用することが好ましい。
【0048】
上記感圧接着剤組成物は、必要に応じて、レベリング剤、架橋助剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の、感圧接着剤組成物の分野において一般的な各種の添加剤を含有するものであり得る。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用すればよい。
【0049】
ここに開示される感圧接着剤層は、接着性表面に所定形状の凹部が設けられるように形成すればよく、そのこと以外は特に限定されない。例えば、スクリーン印刷やコンピュータ制御による描画、掻取法、押出法等の方法を適宜採用して、上記凹部が接着性表面に形成された感圧接着剤層を形成することができる。あるいはまた、従来公知の方法で感圧接着剤層の形成を完了する前後に、波状の凸部を有するローラ等の凸部形成手段を用いて接着性表面に凹部を形成する方法や、剥離ライナーの表面に波状の凸条を形成し、この凸条を利用して接着性表面に凹部を形成する方法等により、上記凹部を形成してもよい。
【0050】
好ましい一態様では、上記感圧接着剤層の形成方法として掻取法が採用される。掻取法によると、迅速にかつ精度よく所定形状の凹部を形成することができる。上記掻取法は、具体的には次のようにして行われる。すなわち、連続的に走行する支持体の剥離性表面のほぼ全面に、グラビア塗工法等の公知の塗工法により感圧接着剤組成物を均一に付与する。次いで、該感圧接着剤組成物を掻き取り具を用いて部分的に除去した後、硬化(典型的には乾燥)させる。これにより、表面に凹部が形成された感圧接着剤層が得られる。さらに、上記で得た支持体上の感圧接着剤層をシート状基材の表面に転写することにより、表面に凹部を有する感圧接着剤層がシート状基材に支持された感圧接着シートを得ることができる。あるいは、上記方法における支持体としてシート状基材を使用し、該シート状基材に付与した感圧接着剤組成物を部分的に除去した後、該感圧接着剤組成物を硬化(典型的には乾燥)させる方法を採用してもよい。
【0051】
掻き取り具としては、多数の掻き部を有する櫛状の掻き取り具を用いることが好ましい。これにより、接着性表面にストライプ状の凹部のパターンを形成することができる。好ましい一態様では、掻き取り具を支持体の走行方向に直交する方向に一定速度で往復動させる。これにより、感圧接着シートの接着性表面に波状の凹部を好適に形成することができる。この方法によると、支持体の送り速度、掻き取り具の掻き部の数や往復動速度等を調節することにより、所望のパターン(典型的には所望の波状パターン)を形成することができる。
【0052】
上記の各種方法により形成される凹部の断面形状は特に限定されない。例えば、長方形状や正方形状、台形状、三角形状、半円状等の形状であり得る。必要な接着面積を確保しつつ、良好な空気等抜け性を得る観点から、凹部の断面形状は矩形状であることが好ましい。
【0053】
上記凹部の深さは特に限定されず、必要な空気等抜け性と感圧接着剤層の厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。上記凹部は感圧接着剤層上に形成されていてもよい。その場合、上記凹部は感圧接着剤層を貫通しないため、該凹部の最低部に感圧接着剤(層)が存在する。また、感圧接着シート全体において感圧接着剤層のない部分が存在しないものとなり得る。この構成は、凹部形成箇所における感圧接着剤を厳密に除去しなくてもよい点で効率的であり、実用上好ましい。また、上記の構成により感圧接着シートを非通気性とすることもできる。
【0054】
感圧接着シートがシート状基材を備える場合には、上記凹部は感圧接着剤層を貫通していてもよい。その場合、感圧接着剤層を貫通した部分は、シート状基材において感圧接着剤非配置部となり得る。換言すると、感圧接着剤層が積層される側のシート状基材表面は、感圧接着剤配置部と感圧接着剤非配置部とを有する。この感圧接着剤非配置部は、接着性表面における凹部と同様の形状、すなわち波状に延びる形状、となり得る。この構成によると、凹部の深さは感圧接着剤層の厚さと概ね一致するので、空気等抜け性に特に優れる。
【0055】
ここに開示される感圧接着剤層の厚さは特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。通常は、乾燥効率等の生産性や接着特性等の観点から、0.5〜200μm程度とすることが適当であり、2〜200μm(例えば5〜100μm、典型的には10〜50μm)程度とすることが好ましい。感圧接着剤層の厚さを制限することは、感圧接着シートの薄膜化、小型化、軽量化、省資源化等の点で有利である。また、ここに開示される技術によると、厚さが制限された感圧接着剤層を有する構成においても、凹部の深さは該感圧接着剤層の厚さと同等とすることが可能であるので、そのように構成した場合には、より優れた空気等抜け性が得られる。ここに開示される技術が、基材の両面に感圧接着剤層を備える両面接着性シートの形態で実施される場合、各感圧接着剤層の厚さは同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0056】
ここに開示される技術における感圧接着シートは、該シートに所定の剛性を付与して貼り付け性等を向上する観点から、感圧接着剤層を支持することが可能なシート状基材をさらに備えることが好ましい。
【0057】
上記シート状基材としては、例えば、樹脂シート、紙、布、ゴムシート、発泡体シート、金属箔、これらの複合体や積層体等を用いることができる。なかでも、貼り付け性やシート外観性(例えばシート外面の見映え)の観点から、樹脂シート層を含むことが好ましい。樹脂シート層を含むことは、寸法安定性、厚さ精度、加工性、引張強度等の観点からも有利である。樹脂シートの好適例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シート;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂シートが挙げられる。樹脂シートのなかでは、ポリエステルシートがより好ましく、そのなかでもPETシートが特に好ましい。シート状基材は、単層構造であってもよく、2層または3層以上の多層構造を有してもよい。
【0058】
好ましい一態様では、シート状基材は、発泡体シートを備える基材(発泡体含有基材)である。これによって、感圧接着シートに衝撃吸収機能が付与される。ここで発泡体シートとは、気泡(気泡構造)を有する部分を備えたシート状構造体をいう。発泡体含有基材は、発泡体シートから構成された単層構造体であってもよく、2層以上の多層構造のうちの少なくとも1層が発泡体シート(発泡体層)で構成された多層構造体であってもよい。発泡体含有基材の構成例としては、発泡体シート(発泡体層)と非発泡体シート(非発泡体層)とが積層された複合基材が挙げられる。非発泡体シート(非発泡体層)とは、発泡体とするための意図的な処理(例えば気泡導入処理)を行っていないシート状構造体をいい、気泡構造を実質的に有しないシートをいう。非発泡体シートの典型例としては、発泡倍率が1.1倍未満(例えば1.05倍未満、典型的には1.01倍未満)の樹脂シート(例えばPET等のポリエステル系樹脂シート)が挙げられる。シート状基材が2層以上の発泡体層を含む場合、それらの発泡体層の材質や構造は、同一であってもよく異なってもよい。また、発泡体シートが発泡体層を含む多層構造を有する場合、各層の間には層間密着性向上の観点から接着層が配置されていてもよい。
【0059】
上記発泡体シートの平均気泡径は特に限定されないが、通常は10μm〜200μmであることが適当であり、好ましくは20μm〜180μmであり、さらに好ましくは30μm〜150μmである。平均気泡径を10μm以上とすることにより、衝撃吸収性が向上する傾向がある。一方、平均気泡径を200μm以下とすることにより、取扱い性や防水性(止水性)が向上する傾向がある。上記平均気泡径は、後述の実施例に記載の方法で測定される。
【0060】
上記発泡体シートの密度(見掛け密度)は、特に限定されないが、通常は0.01g/cm以上とすることが適当であり、好ましくは0.01〜0.7g/cmであり、さらに好ましくは0.02〜0.5g/cmである。密度を0.01g/cm以上とすることにより、発泡体シートの強度(ひいては感圧接着シートの強度)が向上し、耐衝撃性や取扱性が向上する傾向にある。一方、密度を0.7g/cm以下とすることにより、柔軟性が低下し過ぎず、段差追従性が向上する傾向にある。発泡体シートの密度は、後述の実施例に記載の方法で測定される。
【0061】
上記発泡体シートの50%圧縮荷重は特に限定されない。耐衝撃性の観点からは、発泡体シートは0.1N/cm以上の50%圧縮荷重を示すことが適当である。50%圧縮荷重が所定値以上であることにより、例えば発泡体シートが薄厚(例えば100μm程度の厚さ)の場合にも、圧縮された際に十分な抵抗(圧縮された際に押し戻そうとする力)を示し、良好な耐衝撃性を保つことができる。上記50%圧縮荷重は、好ましくは0.2N/cm以上であり、より好ましくは0.5N/cm以上である。また、柔軟性と耐衝撃性とをバランスよく両立する観点から、上記50%圧縮荷重は、8N/cm以下であることが適当であり、好ましくは6N/cm以下であり、より好ましくは3N/cm以下であり、さらにより好ましくは2N/cm以下である。50%圧縮荷重は、JIS K 6767:1999に準拠して測定される。より具体的には、後述の実施例に記載の方法で測定される。
【0062】
ここに開示される発泡シートを構成する発泡体の気泡構造は特に制限されない。気泡構造としては、連続気泡構造、独立気泡構造、半連続半独立気泡構造のいずれであってもよい。衝撃吸収性の観点からは、連続気泡構造、半連続半独立気泡構造が好ましい。
【0063】
発泡体シートの材質は特に制限されない。発泡体シートは、典型的にはポリマー成分(例えば熱可塑性ポリマー)を含む材料から形成され得る。通常は、プラスチック材料の発泡体(プラスチック発泡体)により形成された発泡体シートが好ましい。プラスチック発泡体を形成するためのプラスチック材料(ゴム材料を包含する意味である。)は、特に制限されず、公知のプラスチック材料のなかから適宜選択することができる。プラスチック材料(典型的には熱可塑性ポリマー)は1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、シート状基材や発泡体シートに含まれるポリマー成分の主成分(典型的には、50重量%を超えて含まれる成分)を、以下「ベースポリマー」ということがある。
【0064】
発泡体の具体例としては、ポリエチレン製発泡体、ポリプロピレン製発泡体等のポリオレフィン製樹脂発泡体;ポリエチレンテレフタレート製発泡体、ポリエチレンナフタレート製発泡体、ポリブチレンテレフタレート製発泡体等のポリエステル系樹脂製発泡体;ポリ塩化ビニル製発泡体等のポリ塩化ビニル系樹脂製発泡体;酢酸ビニル系樹脂製発泡体;アクリル系樹脂製発泡体;ポリフェニレンスルフィド樹脂製発泡体;ポリアミド(ナイロン)樹脂製発泡体、全芳香族ポリアミド(アラミド)樹脂製発泡体等のアミド系樹脂製発泡体;ポリイミド系樹脂製発泡体;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製発泡体;ポリスチレン製発泡体等のスチレン系樹脂製発泡体;ポリウレタン樹脂製発泡体等のウレタン系樹脂製発泡体;等が挙げられる。また、発泡体として、ポリクロロプレンゴム製発泡体等のゴム系樹脂製発泡体を用いてもよい。
【0065】
好ましい一態様では、発泡体としてアクリル系樹脂発泡体が用いられる。ここでアクリル系樹脂発泡体とは、アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含む発泡体のことをいう。本明細書におけるアクリル系ポリマーの定義は前述のとおりである。アクリル系ポリマーを構成するアルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素原子数1〜20(好ましくは1〜8、典型的には1〜4)の鎖状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの1種または2種以上が好ましく用いられる。アルキル(メタ)アクリレートの好適例としては、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。主モノマーとしてのアルキル(メタ)アクリレートの量は、アクリル系ポリマーの全モノマー成分中の70重量%以上とすることが適当であり、好ましくは75重量%以上(例えば80重量%以上)である。また、上記アルキル(メタ)アクリレートの量は、全モノマー成分中の98重量%以下が適当であり、好ましくは97重量%以下(例えば96重量%以下)である。
【0066】
主モノマーであるアルキル(メタ)アクリレートと共重合性を有する副モノマーは、アクリル系ポリマーに架橋点を導入したり、アクリル系ポリマーの凝集力を高めたりするために役立ち得る。副モノマーとして、例えばカルボキシ基含有モノマー、水酸基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマー等の官能基含有モノマーの1種または2種以上を使用することができる。副モノマーはまた、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、スチレン等の芳香族ビニル化合物、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー等であり得る。耐反撥性等の観点から、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが好ましい。上記副モノマーの量は、アクリル系ポリマーの全モノマー成分中の0.5重量%以上とすることが適当であり、好ましくは1重量%以上である。また、副モノマーの量は、全モノマー成分中の30重量%以下が適当であり、好ましくは10重量%以下である。
【0067】
エマルション型の樹脂組成物を使用し、撹拌など機械的に空気等の気体を混入させる発泡方法を採用して発泡体を形成する場合には、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分に、副モノマーとして窒素原子含有モノマーが含まれていることが好ましい。これにより、発泡時には気泡が発生しやすく、また、発泡体形成時(典型的には、上記樹脂組成物の乾燥時)には、上記組成物の粘度が上昇して発泡体内に気泡が保持されやすいという作用が発揮され得る。
【0068】
上記窒素原子含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン等のラクタム環含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、アクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー、N−ビニル−2−ピロリドン等のラクタム環含有モノマーが好ましい。
【0069】
上記窒素原子含有モノマーの量は、アクリル系ポリマーの全モノマー成分中の2重量%以上とすることが適当であり、好ましくは3重量%以上(例えば4重量%以上)である。また、上記窒素原子含有モノマーの量は、全モノマー成分中の30重量%以下が適当であり、好ましくは25重量%以下(例えば20重量%以下)である。
【0070】
アクリル系ポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法、エマルション重合法、塊状重合法、懸濁重合法、活性エネルギー線重合法(例えばUV重合法)等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。例えば、適当な重合溶媒(トルエン、酢酸エチル、水等)中にモノマー混合物を溶解または分散させ、アゾ系重合開始剤や過酸化物系開始剤等の重合開始剤を用いて重合操作を行うことにより、所望のアクリル系ポリマーを得ることができる。起泡性や環境面から、エマルション重合法により得られたアクリル系樹脂発泡体(エマルション型アクリル系樹脂発泡体)が好ましく用いられる。
【0071】
アクリル系樹脂発泡体形成用組成物は、凝集力を高める観点から架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤の種類は特に制限されず、各種架橋剤の1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。架橋剤の好適例としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、金属酸化物系架橋剤が挙げられる。なかでも、オキサゾリン系架橋剤が好ましい。架橋剤の使用量は特に制限されず、アクリル系ポリマー100重量部に対して凡そ10重量部以下(例えば凡そ0.005〜10重量部、好ましくは凡そ0.01〜5重量部)の範囲から選択することが適当である。
【0072】
他の好ましい一態様では、発泡体としてポリオレフィン系樹脂発泡体が用いられる。上記ポリオレフィン系発泡体を構成するプラスチック材料としては、公知または慣用の各種のポリオレフィン系樹脂を特に限定なく用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン触媒系直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。このようなポリオレフィン系樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0073】
ここに開示される技術における発泡体シートの好適例としては、耐衝撃性や防水性等の観点から、ポリエチレン系樹脂の発泡体から実質的に構成されるポリエチレン系発泡体シート、ポリプロピレン系樹脂の発泡体から実質的に構成されるポリプロピレン系発泡体シート等が挙げられる。ここで、ポリエチレン系樹脂とは、エチレンを主モノマー(すなわち、モノマーのなかの主成分)とする樹脂を指し、HDPE、LDPE、LLDPE等のほか、エチレンの共重合割合が50重量%を超えるエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体等を包含し得る。同様に、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンを主モノマーとする樹脂を指す。ここに開示される技術における発泡体シートとしては、ポリプロピレン系発泡体シートを好ましく採用し得る。
【0074】
発泡体シートの発泡方法は、特に限定されず、目的や操作性等に応じて化学的手法、物理的手法等の手法を単独でまたは組み合わせて採用することができる。汚染性等の観点から物理的発泡法が好ましい。具体的には、炭化水素等の低沸点化合物や熱膨張微小球等の発泡剤をシート形成材料中に含有させておき、当該発泡剤から気泡を形成する発泡方法、機械的に空気等の気体を混入させる発泡方法、水等の溶媒の除去を利用した溶媒除去発泡法、超臨界流体を利用した発泡法等が挙げられる。また例えば、発泡体シート形成用ポリマー中に加圧条件下で不活性ガス(例えば二酸化酸素)を注入し、それを減圧することで発泡体シートを形成する方法も好ましく採用され得る。この方法によると、平均気泡径を所定以下に制限しやすく、かつ発泡体シートを低密度化しやすい。
【0075】
上記のような発泡方法を採用することにより、発泡体シートは作製される。発泡体シートの形成は、特に制限されず、例えば、機械的に空気等の気体を混入させる発泡方法を採用する場合には、その後、気泡を含む樹脂組成物(例えばエマルション型樹脂組成物)を基材または剥離紙等の上に塗付し、乾燥させることにより発泡体シートを得ることができる。乾燥は、気泡安定性等の観点から、50℃以上125℃未満の予備乾燥工程と、125℃〜200℃の本乾燥工程を含むことが好ましい。あるいは、カレンダや押出機、コンベアベルトキャスティング等を用いて連続的にシート状の発泡体を形成してもよく、発泡体形成材料の混練物をバッチ方式で発泡成形する方法を採用してもよい。発泡体シートの形成にあたっては、表層部分をスライス加工により除去し、所望の厚さ、発泡特性となるよう調整してもよい。
【0076】
上記発泡体シートに含まれ得る熱可塑性ポリマー(例えばポリオレフィン系ポリマー)には、常温ではゴムとしての性質を示し、高温では熱可塑性を示す熱可塑性エラストマーが含まれ得る。柔軟性や追従性の観点から、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレン等のオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体等のスチレン系エラストマー;熱可塑性ポリエステル系エラストマー;熱可塑性ポリウレタン系エラストマー;熱可塑性アクリル系エラストマー;等の熱可塑性エラストマーのうち1種または2種以上を用いることができ、そのなかでも、ガラス転移温度が室温以下(例えば20℃以下)である熱可塑性エラストマーが好ましく用いられる。上記発泡体シートにおける熱可塑性エラストマーの含有割合は、発泡体シート中の熱可塑性ポリマーの凡そ10〜90重量%(例えば20〜80重量%)程度とすることが好ましい。
【0077】
気泡形成ガスの混入性や気泡の安定性の観点から、発泡体シート形成材料(例えばエマルション型アクリル系樹脂組成物)には、起泡剤として、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性剤を用いることができる。界面活性剤として、炭化水素系やフッ素系の界面活性剤を用いてもよい。なかでも、気泡径の微細化や気泡安定性の観点から、アニオン系界面活性剤が好ましく、ステアリン酸アンモニウム等の脂肪酸アンモニウム(典型的には高級脂肪酸アンモニウム)系界面活性剤がより好ましい。上記界面活性剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記界面活性剤の含有量は、発泡体シートのベースポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部(例えば0.5〜8重量部)程度とすることが好ましい。なお、本明細書における起泡剤には、起泡作用を示す剤だけでなく、気泡径を微細化する気泡径調整剤や、整泡剤等の気泡安定剤が含まれるものとする。
【0078】
発泡体シート形成材料が水性分散液(例えばアクリルエマルション)の場合には、上記起泡剤としてシリコーン系化合物を使用することが好ましい。これにより、圧縮後の厚さ回復性(回復の程度や速度)が向上する傾向がある。シリコーン系化合物としては、シロキサン結合が2000以下のシリコーン系化合物が好ましい。シリコーン系化合物として、例えば、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーンレジン等が挙げられる。なかでも、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルが好ましい。シリコーン系化合物として、シリコーン変性ポリマー(例えば、シリコーン変性アクリル系ポリマー、シリコーン変性ウレタン系ポリマー等)を用いてもよい。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。シリコーン系化合物の含有量は、発泡体シートのベースポリマー100重量部に対して、0.01〜5重量部(例えば0.05〜4重量部、典型的には0.1〜3重量部)程度とすることが好ましい。
【0079】
また、気泡安定性、成膜性向上の観点から、発泡体シート形成材料(例えばエマルション型アクリル系樹脂組成物)は、増粘剤を含んでもよい。増粘剤としては、特に制限されず、例えばアクリル酸系増粘剤、ウレタン系増粘剤、ポリビニルアルコール系増粘剤等が挙げられる。なかでも、ポリアクリル酸系増粘剤、ウレタン系増粘剤が好ましい。増粘剤の含有量は、発泡体シートのベースポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部(例えば0.1〜5重量部)程度とすることが好ましい。
【0080】
上記シート状基材として発泡体含有基材を用いる場合には、発泡体シートは、例えば、金属水酸化物(例えば水酸化マグネシウム)等の気泡核剤を含むことが好ましい。これによって、発泡体シート中の平均気泡径の調整が容易となり、所望の衝撃吸収性や柔軟性等が得られやすくなる傾向がある。気泡核剤は、金属酸化物、複合酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩等であってもよい。気泡核剤の含有量は、発泡体シートのベースポリマー100重量部に対して、0.5〜125重量部(例えば1〜120重量部)程度とすることが好ましい。
【0081】
上記シート状基材として発泡体含有基材を用いる場合には、発泡体シートは、気泡形成時における発泡体からのガス成分の透過を抑制する観点から、脂肪酸アミド等のガス透過抑制剤を含むことが好ましい。脂肪酸アミドは、ビスアミド構造を有するものがより好ましい。ガス透過抑制剤は、脂肪酸金属塩であってもよい。ガス透過抑制剤の含有量は、発泡体シートのベースポリマー100重量部に対して0.5〜10重量部(例えば0.7〜8重量部、典型的には1〜6重量部)程度とすることが好ましい。
【0082】
上記シート状基材(例えば発泡体シート)は、シート形成材料に所望の流動性を持たせ柔軟性等の特性を改善する目的で軟化剤を含んでもよい。また、発泡体シートに軟化剤を含ませることにより、シート延伸性や発泡倍率等の特性が好ましく調節され得る。例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系軟化剤や、ステアリン酸モノグリセリド等のエステル系軟化剤、脂肪酸系軟化剤の1種または2種以上を好ましく使用することができる。軟化剤の含有量は、シート状基材(例えば発泡体シート)のベースポリマー100重量部に対して0.5〜50重量部(例えば0.8〜40重量部、典型的には1〜30重量部)程度とすることが好ましい。
【0083】
また、エマルション型アクリル系樹脂発泡体を使用する場合、発泡シートに隣接する金属部材の腐食防止のため、任意の防錆剤を含んでいてもよい。防錆剤として、アゾール環含有化合物が好ましい。アゾール環含有化合物を用いることにより、金属腐食防止性と被着体への密着性とを高いレベルで両立することができる。なかでも、アゾール環がベンゼン環等の芳香環と縮合環を形成している化合物が好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物が特に好ましい。防錆剤の含有量は、発泡体シートのベースポリマー100重量部に対して、0.2〜5重量部(例えば0.3〜2重量部)程度とすることが好ましい。
【0084】
上記シート状基材(例えば樹脂シート)は、所望の意匠性や光学特性を付与するために、各種着色剤(例えば顔料)を含ませて黒色、白色その他の色に着色されていてもよい。黒色系着色剤としてはカーボンブラックが好ましい。また、シート状基材の少なくとも一方の表面(片面または両面)に印刷等により1層または2層以上の着色層(例えば黒色層や白色層)を積層する方法を採用してもよい。
【0085】
上記シート状基材(例えば樹脂シート基材や発泡体シート基材)には、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤等の各種添加剤がさらに配合されていてもよい。
【0086】
また、ここに開示されるシート状基材は非通気性であり得る。ここに開示される技術は、感圧接着シートの面方向に空気等抜け性を有することから、シート状基材が非通気性である構成においても、所望の効果を実現することが可能である。このことは、基材の構造や材料に対する自由度が向上する点で有意義である。シート状基材が非通気性である場合、その通気度は通常30秒(/100mL)を超える。また、上記通気度は70秒/100mL以上(例えば100秒/100mL以上)であることが好ましい。
【0087】
ここに開示されるシート状基材は、貼り付け性等の観点から低伸長性であってもよい。具体的には、上記シート状基材は、JIS K 6767:1999に準拠して測定される破断時伸び率が1000%未満であり得る。シート状基材の破断時伸び率は、700%未満(例えば500%未満、典型的には200%未満)であってもよい。
【0088】
感圧接着シートが片面接着性である場合、シート状基材の表面のうち、感圧接着剤層が設けられる面とは反対側の表面(背面)は、平滑に形成されていることが好ましい。ここに開示される技術によると、片面接着性の感圧接着シートを巻回して、シート状基材の背面に感圧接着剤層の表面を当接させる場合に、該背面に凹凸加工等の加工を施すことなく、感圧接着シートの接着性表面に空気等の通ることが可能な凹部を形成することができる。また、上記の平滑表面は感圧接着シートの外面となり得るため、当該平滑表面を有する感圧接着シートを例えば装飾シートや表面保護シートとして使用する場合には、より良好な外観性(意匠性)を与え得る。好ましい一態様では、接着特性や外観性(意匠性)の観点から、シート状基材の背面における算術平均表面粗さは1μm以下(例えば凡そ0.05〜0.75μm、典型的には凡そ0.1〜0.5μm)であり得る。なお、本明細書において算術平均表面粗さは、一般的な表面粗さ測定装置(例えば、Veeco社製の非接触3次元表面形状測定装置、型式「Wyko NT−3300」)を用いて測定することができる。
【0089】
また、片面接着性の感圧接着シートを巻回して、シート状基材の背面に感圧接着剤層の表面を当接させる場合には、該シート状基材の背面(感圧接着剤層が設けられる面とは反対側の面)に、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系等の剥離処理剤による剥離処理が施されていてもよい。剥離処理を施すことにより、感圧接着シートをロール状に巻回した巻回体の巻き戻しを容易にする等の効果が得られる。一方、上記シート状基材の感圧接着剤層側表面には、基材と感圧接着剤層との密着性を高めること等を目的として、コロナ放電処理、下塗り剤の塗付等の従来公知の表面処理が施されていてもよい。
【0090】
シート状基材の厚さは特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。一般的には、上記厚さは、通常は1μm以上(例えば2〜500μm程度)とすることが適当であり、5〜500μm(例えば10〜200μm、典型的には15〜100μm)程度とすることが好ましい。シート状基材の厚さを制限することは、感圧接着シートの薄膜化、小型化、軽量化、省資源化等の点で有利である。
【0091】
シート状基材が発泡体シートを含む場合、発泡体含有基材(例えば発泡体シート基材)の厚さは、感圧接着シートの強度や柔軟性、使用目的等に応じて適宜設定することができる。衝撃吸収性等の観点からは、発泡体含有基材の厚さを30μm以上とすることが適当であり、好ましくは50μm以上、より好ましくは60μm以上(例えば80μm以上)である。感圧接着シートの薄膜化、小型化、軽量化、省資源化等の観点から、通常は、発泡体含有基材の厚さを1mm以下とすることが適当である。ここに開示される発泡体シートを使用することにより、上記厚さが350μm以下(より好ましくは250μm以下、例えば180μm以下)程度でも、優れた衝撃吸収機能を発揮することができる。なお、発泡体含有基材における発泡体シート(発泡体層であり得る。)の厚さも、上述の発泡体含有基材の厚さとして例示した範囲から好ましく選定され得る。
【0092】
ここに開示される技術は、上述の感圧接着シートの接着性表面を保護する剥離ライナーを備える剥離ライナー付き感圧接着シートの形態で実施されてもよい。剥離ライナーとしては、慣用の剥離紙等を使用することができ、特に限定されない。例えば、樹脂シートや紙等のライナー基材の表面に剥離処理層を有する剥離ライナーや、フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン等)やポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)の低接着性材料からなる剥離ライナー等を用いることができる。上記剥離処理層は、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により上記ライナー基材を表面処理して形成されたものであり得る。
【0093】
ここに開示される技術は、剥離ライナーの表面に凹凸加工等の加工を施すことなく、感圧接着シートの接着性表面に空気等の通ることが可能な凹部を形成し得る。したがって、好ましい一態様では、上記剥離ライナーの剥離性表面(感圧接着シートの接着性表面に接する側の面)は、平滑に形成されている。また、良好な接着特性を得る観点から、上記剥離ライナーの剥離性表面における算術平均表面粗さは1μm以下(例えば凡そ0.05〜0.75μm、典型的には凡そ0.1〜0.5μm)であることが好ましい。剥離ライナーの厚さ(総厚さ)は特に限定されないが、剥離作業性や取扱い性、強度等の観点から、10〜500μm(例えば15〜100μm、典型的には20〜40μm)程度とすることが好ましい。
【0094】
なお、本明細書における感圧接着シートの概念には、感圧接着テープ、感圧接着ラベル、感圧接着フィルム等と称され得るものが包含される。また、ここに開示される感圧接着シートは、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。あるいは、さらに種々の形状に加工された形態のシートであってもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、感圧接着シートは長尺状であったが、ここに開示される技術はこれに限定されるものではなく、例えば正方形状や種々の形状に加工された感圧接着シートとすることが可能である。なお、本明細書において「長尺状」は、典型的な帯形状を包含するだけでなく、例えば、後述の枠状や輪状のように長尺状部分が一周してつながったような形状も、長手方向の端部が連結している他は長尺状部分から構成されているといえるため、これを包含するものとする。
【0096】
ここに開示される感圧接着シートは、上述のように、被着体への貼り付け時において、被着体との間に空気だまり等が発生することを効率よく防止することができる。したがって、手作業による貼り付け(手貼り)や、自動貼り機等を用いての貼り付け(自動貼り)のいずれの貼り付け方法においても、貼り付け性が向上する。例えば、手貼りで貼り付ける場合には、個人の技量への依存度を低減し得るので、貼り付け効率や貼り付け品質の向上、安定化等の利点が得られる。また、自動貼りで貼り付ける場合には、接着面への空気等の混入による貼り付け不良の低減や、貼り直し作業の低減が実現され得る。したがって、手貼り、自動貼りいずれの場合も、貼り付け効率や品質の向上、品質の安定化等を実現することが可能となり、これによって感圧接着シートを使用して構築される物品の生産性や品質も向上する。ここに開示される技術は、より均一な貼り付けを実現し得ることから、自動貼り機を用いて貼り付けられる態様の感圧接着シートとして、特に好適である。
【0097】
また、感圧接着シートと被着体との間には、貼り付け時だけでなく、貼り付け後、時間が経過するにつれて空気だまり等が発生する場合がある。典型的には、感圧接着シートを貼り付けた後に、比較的高温(例えば35℃以上)環境下で保管、使用等された場合に、上述の空気だまり等が接着面に発生し、外観性の低下を引き起こし得る。例えば、夏場の工場内や屋外、電子機器内部等は、上記のような高温状態となりやすい。ここに開示される技術によると、上記のような高温環境に曝される用途に用いられても、上記接着面における空気だまり等の発生を防止し、外観性の低下を長期間にわたって抑制することができる。
【0098】
ここに開示される感圧接着シートは、上述したような特徴を活かして、各種物品の表面に貼り付ける用途に好ましく利用され得る。好ましい一態様では、各種の装飾シートや表面保護シート、フレキソ印刷等の印刷板の固定シート、遮光シート等として利用され得る。例えば、車両の外装や住宅建材等に貼り付けられる装飾シート(典型的には塗装代替シート)として好適である。また、テレビ等の電子機器の内部において、例えばシャーシ外面の平滑性を向上する目的や、各種部材表面のネジ穴等の不均一部分を覆う目的で使用される被覆シートとしても好適である。このような被覆シートを用いることで、被着面における外観ムラの低減や寸法精度の均一化が実現され得る。また、外観性が重視されるバッテリーパックの外装シートとしても好ましく使用され得る。
【0099】
また、ここに開示される感圧接着シートは、薄厚に構成した場合であっても、貼り付け後の外観品質の低下を防ぎつつ、良好な接着特性を維持することが可能である。したがって、薄厚化や軽量化が求められており、かつ省資源化が望ましい用途(例えば携帯電子機器用途)に好ましく適用され得る。具体的には、携帯電子機器(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、ノートパソコン等)の表面保護シート、上記携帯電子機器の液晶表示装置における接合固定用途、上記携帯電子機器の表示部を保護する保護パネル(レンズ)固定用途、携帯電話のキーモジュール部材固定用途等に好ましく適用され得る。上記携帯電子機器に用いられる場合、感圧接着シートは、目的等に応じて、枠状(額縁状)、帯状(ストリップ状)等の形状を有するものであり得る。なお、本明細書において「携帯」とは、単に携帯することが可能であるだけでは十分ではなく、個人(標準的な成人)が相対的に容易に持ち運び可能なレベルの携帯性を有することを意味するものとする。
【0100】
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。
【0101】
<発泡体シート製造例1>
エチルアクリレートとn−ブチルアクリレートとアクリロニトリルとが45:48:7の割合で共重合されたエマルション重合型アクリル系共重合体を含む水性分散液(固形分量55%)100部、シリコーン系化合物(ジメチルシリコーンオイル、数平均分子量7.16×10、重量平均分子量1.71×10、固形分(不揮発分)量100%)1部、脂肪酸アンモニウム系界面活性剤(ステアリン酸アンモニウムの水分散液、固形分量33%)3部、オキサゾリン系架橋剤(商品名「エポクロスWS−500」、日本触媒社製、固形分量39%)2部、およびポリアクリル酸系増粘剤(エチルアクリレート−アクリル酸共重合体、アクリル酸共重合割合20%、固形分量28.7%)0.8部をディスパー(商品名「ロボミックス」、プライミクス社製)で撹拌混合して起泡した。この気泡含有混合物を、片面が剥離処理された厚さ38μmのPETフィルム(商品名「MRF♯38」、三菱樹脂社製)の上に塗付し、70℃で4.5分間、次いで140℃で4.5分間乾燥させ、アクリル系樹脂発泡体シートAを作製した。この発泡体シートAは、厚さ100μm、見掛け密度0.34g/cm、気泡率65.7%、最大気泡径72.5μm、最小気泡径28.5μm、平均気泡径45μmの連続気泡構造を有する発泡体シートであり、その通気度は30秒/100mL以下である。
【0102】
<発泡体シート製造例2>
ポリプロピレン(メルトフローレート(MFR)0.35g/10分)45部、ポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)との混合物55部、水酸化マグネシウム10部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン社製)10部、ステアリン酸モノグリセリド1部、およびラウリン酸ビスアミド1.5部を、二軸混練機(日本製鋼所社製)を用いて200℃で混練した。当該混練物をストランド状に押し出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを単軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、220℃の雰囲気下にて13MPa(注入後は12MPa)の圧力でCOガスをペレット全量に対して5.6%の割合で注入した。COガスを十分飽和させ、発泡に適した温度まで冷却した後、ダイから円筒状に押し出して、当該円筒状発泡物を径方向に沿う一線で切断してシート状に展開して長尺状の発泡体原反を得た。この発泡体原反の平均気泡径は55μm、見掛け密度は0.041g/cmであった。上記ポリオレフィン系エラストマーと軟化剤との混合物としては、ポリオレフィン系エラストマー100部に対して軟化剤を30部配合したものを使用した。この混合物のMFR(230℃)は6g/10分であり、JIS A硬度は79°であった。
【0103】
上記で得た発泡体原反を、特開2013−100459号公報の実施例で使用される連続スライス装置、およびギャップ調整が可能な加熱ロール(誘導発熱ロール)を備える連続処理装置を用いて加工した。具体的には、上記発泡体原反をスリット加工により所定の幅に切断し、連続スライス装置を用いて各表面の低発泡層を1面ずつ剥がしとった。そして、誘導発熱ロールの温度を160℃、ギャップを0.20mmにセットした上記連続処理装置内を通過させて一方の面を熱で溶融処理し、スリット加工を施した。これを20m/分の速度で巻き取って巻回体を得た。次いで、上記巻回体を巻き戻して、誘導発熱ロールの温度を160℃、ギャップを0.10mmにセットした上記連続処理装置内を通過させて、溶融処理されていない他方の面を熱で溶融処理し、スリット加工を施した。これを巻き取って、両面が熱溶融処理されたポリプロピレン(PP)系樹脂発泡体シートBを作製した。この発泡体シートBは、厚さ100μm、見掛け密度0.12g/cm、気泡率88%、最大気泡径90μm、最小気泡径30μm、平均気泡径60μmの連続気泡構造を有する発泡体シートであり、その通気度は133秒/100mLである。
【0104】
[発泡体シートの平均気泡径]
発泡体シートの平均気泡径は下記の方法により求めた。具体的には、低真空走査電子顕微鏡(商品名「S−3400N型走査電子顕微鏡」、日立ハイテクサイエンスシステムズ社製)を用いて、発泡体断面の拡大画像を取り込み、画像解析することにより平均気泡径(μm)を求めた。なお解析した気泡数は10〜20個程度である。同様にして、発泡シートの最小気泡径(μm)および最大気泡径(μm)を求めた。
【0105】
[発泡体シートの密度]
発泡体シートの密度(見掛け密度)は、JIS K 7222:1999に記載の方法に準拠して測定した。具体的には、発泡体シートを100mm×100mmのサイズに打抜いて試料を作製し、当該試料の寸法を測定した。また、測定端子の直径が20mmである1/100ダイヤルゲージを用いて試料の厚さを測定した。これらの値から発泡体シート試料の体積を算出した。また、上記試料の重量を最小目盛り0.01g以上の上皿天秤にて測定した。これらの値から発泡体シートの見掛け密度(g/cm)を求めた。
【0106】
[発泡体シートの衝撃吸収率]
上記で得た発泡体シートA,Bについて、20mm×20mmにカットした試験片を用意し、特開2006−47277号公報の実施例1の振り子型衝撃試験機および方法を採用して、温度23℃、衝撃子の重さ28g、振り上げ角度40°の条件で衝撃吸収性試験を行った。そして、各発泡体シートの衝撃吸収率を下記式から求めた。
衝撃吸収率(%)={(F0−F1)/F0}×100
上記式において、F0は支持板のみに衝撃子を衝突させたときの衝撃力であり、F1は支持板と発泡体シート試験片とからなる構造体の支持板上に衝撃子を衝突させたときの衝撃力である。結果を表1に示す。表1に示されるように、発泡体シートA,Bともに良好な衝撃吸収性を示した。
【0107】
[発泡体シートの圧縮荷重(硬さ)]
発泡体シートの50%圧縮荷重(硬さ)は、JIS K 6767:1999に準拠して測定した。具体的には、上記で得た発泡体シートA,Bをそれぞれ100mm×100mmに切り抜き、総厚さが2mm以上になるように積層し、これを測定サンプルとした。室温条件にて、圧縮試験機を用いて上記測定サンプルに対して10mm/分の速度で圧縮を行い、圧縮率が50%に達したところ(初期厚さに対して厚さが50%まで圧縮された時点)で、10秒保持した後の値(反発応力:N/cm)を50%圧縮荷重として記録した。その他の条件(例えば治具や計算方法等)については、JIS K 6767:1999に準じた。結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
<実験例>
(例1〜3)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロートを備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート70部と、2−エチルヘキシルアクリレート30部と、アクリル酸3部と、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.08部と、重合溶媒としてのトルエンとを仕込み、60℃で6時間溶液重合してアクリル系ポリマーのトルエン溶液(粘度28Pa・s、固形分40%)を得た。アクリル系ポリマーのMwは44万であった。上記トルエン溶液に含まれるアクリル系ポリマー100部に対し、粘着付与樹脂としての重合ロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学工業社製、製品名「ペンセルD−125」、軟化点125℃)30部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、製品名「コロネートL」)2部とを添加、混合して、アクリル系感圧接着剤組成物を調製した。
厚さ2μmのPETフィルム基材(商品名「ルミラー」、東レ社製)を用意し、このPET基材のコロナ放電処理面に、上記感圧接着剤組成物を乾燥後の厚さが2μmとなるように塗付し、櫛状の掻き取り具を用いた掻取法を採用して感圧接着剤層に対して波状ストライプの部分的除去を行い、さらにその上に剥離ライナーを積層して100℃で2分間乾燥させた。得られた構造体を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、図1,2に示すような波状ストライプの凹部が感圧接着剤層表面に形成された各例に係る感圧接着シートを得た。各例に係る上記凹部の幅(mm)、凹部の深さ(μm)、凹部の間隔(凹部間の感圧接着剤部分の幅)(mm)、振幅(mm)、ピッチ(mm)を表2に示す。
【0110】
(例4〜6)
感圧接着剤層の厚さ、凹部の深さ、PET基材の厚さを表2に示す内容に変更した他は例2と同様にして各例に係る感圧接着シートを得た。
【0111】
(例7)
片面が剥離処理されたPETフィルム(厚さ38μm)に代えて例5で使用したPETフィルム(厚さ100μm)を用いた他は上記製造例1と同様の方法を採用して、該PETフィルム上にアクリル系発泡体層(厚さ100μm)を形成し、PET層と発泡体層との積層シート状基材を作製した。このシート状基材のPET層側表面にコロナ放電処理を施し、当該コロナ放電処理面に、例5と同様にして感圧接着剤層を形成して、本例に係る感圧接着シートを得た。
【0112】
(例8,9)
シート状基材として、発泡体シートA(例8)または発泡体シートB(例9)を使用した他は例5と同様にして各例に係る感圧接着シートを得た。
【0113】
(例10〜12)
感圧接着剤層表面に凹部を形成しなかった他は例1,7,9とそれぞれ同様にして例10,11,12に係る感圧接着シートを得た。
【0114】
[対SUS180度剥離強度]
各例に係る感圧接着シートにつき、対SUS180度剥離強度を評価した。具体的には、感圧接着シートを幅25mm、長さ100mmのサイズにカットした測定サンプルにつき、23℃、50%RHの環境下にて、上記測定サンプルの接着性表面をステンレス鋼板(SUS304BA板)の表面に、2kgのローラを1往復させて圧着した。これを同環境下に30分間放置した後、万能引張圧縮試験機を使用して、JIS Z 0237:2000に準じて、引張速度300mm/分、剥離角度180度の条件で、剥離強度(N/25mm)を測定した。結果を表2に示す。
【0115】
[空気抜け性の評価]
各例に係る感圧接着シートにつき、被着体の平滑表面に貼り付けた際の空気抜け性を目視で観察した。感圧接着シートと被着体との間に空気だまりが生じなかったものを「○」と評価し、接着面に空気だまりが認められたものを「×」と評価した。また、上記目視評価で「○」と評価されたものにつき、さらに空気抜け速度を次の4段階で評価した。結果を表2に示す。
A:評価サンプルのなかで最も速い空気抜け性を示した。
B:被着体への貼り付け後、接着面における空気はすぐに抜けた。
C:被着体への貼り付け後、接着面における空気は比較的ゆっくりと抜けた。
D:被着体への貼り付け後、空気は抜けたが、その抜け具合はかなり遅かった。
【0116】
【表2】
【0117】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【符号の説明】
【0118】
1 感圧接着シート
1A 接着性表面
10 シート状基材
20 感圧接着剤層
26a,26b,26c,26d 凹部

図1
図2