(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記二次元炭素ナノ構造物前駆体は、酸素の含量が0.01原子%未満0原子%以上であるか、あるいは酸素の含量が40原子%を超え、80原子%以下である二次元炭素ナノ構造物であることを特徴とする請求項1に記載のハードマスク用組成物。
前記二次元炭素ナノ構造物のラマン分光分析によって求められる、Gモードピークに対する2Dモードピークの強度比が、0.01以上であることを特徴とする請求項1に記載のハードマスク用組成物。
前記二次元炭素ナノ構造物前駆体のラマン分光分析によって求められる、Gモードピークに対するDモードピークの強度比が、2以下であることを特徴とする請求項1に記載のハードマスク用組成物。
前記二次元炭素ナノ構造物前駆体のラマン分光分析によって求められる、Gモードピークに対する2Dモードピークの強度比が、0.01以上であることを特徴とする請求項1に記載のハードマスク用組成物。
前記溶媒が、水、メタノール、イソプロパノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルスルホキシド、キシレン、アニリン、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、γ−ブチロラクトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、O−ジクロロベンゼン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン、亜硝酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トルエン、ヘキサン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、ヒドロキシメチルセルロース及びヘプタンのうちから選択された一つ以上からなる群から選択された一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載のハードマスク用組成物。
前記被エッチング膜上部に前記ハードマスクを形成する段階が、二次元炭素ナノ構造物前駆体及び溶媒を前記被エッチング膜上部にコーティングした後、コーティングされた結果物を、酸化または還元して実施される段階、
前記二次元炭素ナノ構造物前駆体を酸化または還元し、二次元炭素ナノ構造物に変化させてから、それを前記被エッチング膜上部にコーティングする段階、または
前記二次元炭素ナノ構造物前駆体を前記被エッチング膜上部にコーティングしながら、酸化または還元が同時に進められる段階であることを特徴とする請求項13に記載のパターンの形成方法。
前記酸化する段階が、酸、酸化剤、UV(ultraviolet)、オゾン、IR(infrared)、熱処理、プラズマのうちから選択された一つ以上を利用して実施されることを特徴とする請求項16に記載のパターンの形成方法。
前記ハードマスク・パターンの二次元炭素ナノ構造物は、二次元ナノ結晶質炭素が積層されてなる構造体であることを特徴とする請求項13に記載のパターンの形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、一具現例による、ハードマスク組成物、及びそれを利用したパターンの形成方法について詳細に説明する。
【0034】
0.01ないし40原子%の酸素を含む二次元炭素ナノ構造物、または前記二次元炭素ナノ構造物の前駆体;及び溶媒;を含むハードマスク組成物が提供される。
【0035】
本明細書において、「二次元炭素ナノ構造物」は、複数個の炭素原子が、互いに共有結合で連結され、一平面上に配列される多環式芳香族分子を形成する炭素構造体が、単一原子層のシート構造を形成したり、あるいは小さいフィルム断片であるプレート状の炭素構造体が、複数個相互連結され、一平面上に配列されたネックワーク構造を形成したりするものであるが、それらの組み合わせも可能である。共有結合で連結された炭素原子は、基本反復単位として、6原子環を形成するが、5員環及び/または7員環をさらに含むことも可能である。炭素構造体は、シート構造及び/またはネックワーク構造がいくつか互いに積層された複数層からなってもよく、平均厚が約100nm以下、例えば、約10nm以下であり、具体的には、0.01ないし10nmである。他の一具現例によれば、炭素構造体の厚みは、0.01ないし100nmとすることができる。
【0036】
一具現例による二次元炭素ナノ構造物は、完全なC=C/C−C共役構造体というよりは、炭素以外の酸素原子が一部混在する。そして、二次元炭素ナノ構造物の末端には、カルボキシル基、ヒドロキシ基、エポキシ基、カルボニル基などが存在することができる。
【0037】
二次元炭素ナノ構造物において、酸素の含量は、例えば、6.5ないし19.9原子%であり、具体的には、10.33ないし14.28原子%である。二次元炭素ナノ構造物での酸素含量は、例えば、XPS(X-ray photoelectron spectroscopy)分析を介して確認可能である。
【0038】
該二次元炭素ナノ構造物において、酸素の含量が0.01原子%未満であるならば、ハードマスク組成物から形成されたハードマスクの耐エッチング性が低下し、40原子%を超えれば、エッチング工程で、脱気(degassing)が起きてしまう。
【0039】
該二次元炭素ナノ構造物は、前述の酸素含量を有しており、親水性を有し、他層に対する結合力が向上し、溶媒分散性が向上され、ハードマスク組成物製造が容易である。そして、酸素原子を含む官能基の高い結合解離エネルギー(bond dissociation energy)によって、エッチングガスに対する耐エッチング性を向上させることができる。
【0040】
一具現例による二次元炭素ナノ構造物は、ラマン分析スペクトルにおいて、1,340ないし1,350cm
−1ほど、約1,580cm
−1、約2,700cm
−1でピークを示す。このピークは、二次元炭素ナノ構造物の厚み、結晶性及び電荷ドーピング状態に係わる情報を与える。約1,580cm
−1で示されるピークは、「Gモード」というピークであり、それは、炭素−炭素結合のストレッチングに該当する振動モードに起因し、「G−モード」のエネルギーは、二次元炭素ナノ構造物にドーピングされた余剰電荷の密度によって決定される。そして、約2,700cm
−1で示されるピークは、「2Dモード」というピークであり、二次元炭素ナノ構造物の厚みを評価するときに有用である。1,340〜1,350cm
−1から出るピークは、「Dモード」というピークであり、SP
2結晶構造に欠陥があるときに示されるピークであり、試料のエッジ近辺でやや試料に欠陥が多い場合に主に観察される。そして、Gピーク強度に対するDピーク強度の比(D/G強度比)は、二次元炭素ナノ構造物の結晶の無秩序度に係わる情報を与える。
【0041】
該二次元炭素ナノ構造物のラマン分光分析によって求められるGモードピークに対するDモードピークの強度比(I
D/I
G)は、2以下である。例えば、0.001ないし2.0である。二次元炭素ナノ構造物前駆体のラマン分光分析によって求められるGモードピークに対するDモードピークの強度比(I
D/I
G)は、2以下である。例えば、0.001ないし2.0である。例えば、前記強度比は、0.001ないし1.0である。
【0042】
二次元炭素ナノ構造物のラマン分光分析によって求められるGモードピークに対する2Dモードピークの強度比(I
2D/I
G)が0.01以上である。例えば、0.01ないし1であり、具体的には、0.05ないし0.5である。
【0043】
二次元炭素ナノ構造物前駆体のラマン分光分析によって求められるGモードピークに対する2Dモードピークの強度比(I2D/IG)が0.01以上である。例えば、0.01ないし1で、具体的には、0.05ないし0.5である。
【0044】
前述のGモードピークに対するDモードピークの強度比、及びGモードピークに対する2Dモードピークの強度比が、上記の範囲であるとき、該二次元炭素ナノ構造物の結晶性が高く、欠陥密度(defect density)が低く、結合エネルギーが高くなることにより、そこから形成されたハードマスクの耐エッチング性が優秀である。
【0045】
該二次元炭素ナノ構造物は、CuKαを利用したX線回折実験を行い、X線分析を実施した結果、(002)結晶面ピークを有する二次元層状構造として構成される。(002)結晶面ピークは、20ないし27゜の範囲で示される。
【0046】
二次元炭素ナノ構造物は、X線回折分析によって求められる層間間隔(d−spacing)は、0.3nmないし0.7nmであり、例えば、0.334nmないし0.478nmである。そして、X線回折分析によって求められる結晶の平均粒径は、1nm以上、例えば、23.7Åないし43.9Åである。前述の範囲を満足するとき、耐エッチング性にすぐれるハードマスク組成物を得ることができる。
【0047】
二次元炭素ナノ構造物は、単層または多層の二次元ナノ結晶質炭素が積層されてなる。
【0048】
一具現例による二次元炭素ナノ構造物は、既存の非晶質炭素膜に比べ、sp
2炭素の含量がsp
3炭素に比べて多く、多数の酸素を含んでいる。sp
2炭素結合は、芳香族構造体の結合であり、sp
2炭素結合の結合エネルギーは、sp
3炭素結合の場合に比べて大きい。
【0049】
sp
3構造は、正四面体構造を有するダイヤモンドの三次元的結合構造であり、sp
2構造は、黒鉛の二次元的結合構造であり、炭素対水素比(C/H ratio)が増大し、エッチングに対する耐性を確保することができる。
【0050】
二次元炭素ナノ構造物のsp
2炭素分率が、sp
3炭素分率に比べ、1倍以上、例えば、1.0ないし10であり、具体的には、1.88ないし3.42である。
【0051】
sp
2炭素原子結合構造は、C1s XPS分析上30原子%以上、例えば、39.7ないし62.5原子%である。このような混合比のため、二次元炭素ナノ構造物を構成する炭素−炭素結合エネルギーが大きく、結合切断(breakage)が困難になる。従って、このような二次元炭素ナノ構造物を含んだハードマスク組成物を利用すれば、エッチング工程時に、耐エッチング特性が改善される。そして、隣接した層とハードマスクとの結着力にすぐれる。
【0052】
既存の非晶質炭素を利用して得られたハードマスクは、sp
2がメインの炭素原子結合構造を主に含んでおり、耐エッチング性にはすぐれるが、透明性が低く、整列(alignment)時に問題が発生し、蒸着工程時に、パーティクル(particle)が多く生ずるという問題があり、sp
3炭素原子結合構造を有するダイヤモンド類似炭素(diamond-like carbon)を利用したハードマスクが開発された。しかし、該ハードマスクも、低い耐エッチング性のため、工程適用に限界があった。
【0053】
一具現例による二次元炭素ナノ構造物は、透明性が良好であり、非常に優秀な耐エッチング性を有する。
【0054】
一具現例による二次元炭素ナノ構造物は、XRD分析を介して、C軸(層の垂直方向)に結晶性を有しており、結晶の平均径が1nm以上である。該結晶の平均径は、例えば、1.0Å以上、例えば、1.0Åないし1,000Åであり、具体的には、23.7Åないし43.9Åである。このような結晶の粒径範囲を有するとき、耐エッチング性にすぐれるハードマスクを製造することができる。
【0055】
一具現例によるハードマスク組成物において、溶媒は、二次元炭素ナノ構造物、または炭素ナノ構造物前駆体を分散させるものであるならば、全て使用可能である。例えば、水、アルコール系溶媒及び有機溶媒のうちから選択された一つ以上を有することができる。
【0056】
アルコール系溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどがあり、有機溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、キシレン、アニリン、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、O−ジクロロベンゼン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン、亜硝酸ブチル(butyl nitrite)、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トルエン、ヘキサン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、ヒドロキシメチルセルロース及びヘプタンのうちから選択された一つ以上が使用可能である。
【0057】
溶媒の含量は、二次元炭素ナノ構造物、または二次元炭素ナノ構造物前駆体100重量部を基準にして、100ないし100,000重量部である。溶媒の含量が上記の範囲であるとき、ハードマスク組成物の粘度が適切であり、成膜性にすぐれる。
【0058】
二次元炭素ナノ構造物の前駆体は、例えば、i)剥離された黒鉛(exfoliated graphite)から得た膨脹黒鉛、またはii)酸処理された黒鉛を酸化させて得た生成物を挙げることができる。
【0059】
以下、一具現例によるハードマスク組成物を利用して、ハードマスクを製造する方法について説明すれば、次の通りである。
【0060】
図1は、一具現例によって、被エッチング膜上部に、ハードマスク組成物を製造する過程について説明するための図面である。
【0061】
一具現例によるハードマスク組成物は、0.01ないし40原子%の酸素を含む二次元炭素ナノ構造物、または二次元炭素ナノ構造物の前駆体;及び溶媒;を含む。
【0062】
まず、ハードマスク組成物が、0.01ないし40原子%の酸素を含む二次元炭素ナノ構造物を含む場合について説明する。
【0063】
図1を参照すれば、オペレーションS100において、0.01ないし40原子%の酸素を含む二次元炭素ナノ構造物及び溶媒を含むハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングし、0.01ないし40原子%の酸素を含む二次元炭素ナノ構造物を含むハードマスクを製造することができる。
【0064】
オペレーションS110において、ハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングする過程中、またはコーティング後に、熱処理を施すことができる。このような熱処理段階は、被エッチング膜の材料などによって異なり、例えば、常温(20〜25℃)ないし1,500℃の範囲である。
【0065】
熱処理は、不活性ガス雰囲気及び真空で実施される。
【0066】
熱処理過程の熱源としては、誘導加熱(induction heating)、放射熱、レーザ、赤外線、マイクロウェーブ、プラズマ、紫外線、表面プラズモン加熱(surface Plasmon heating)などを使用することができる。
【0067】
不活性雰囲気は、窒素ガス及び/またはアルゴンガスなどを混合して使用することができる。
【0068】
オペレーションS120において、熱処理段階を経て、溶媒を除去することができる。次に、オペレーションS130において、溶媒が除去された結果物を、100ないし400℃でベーキングする過程を経て、オペレーションS140において、400ないし1,000℃で熱処理する段階をさらに経ることができる。
【0069】
前述の熱処理及びベーキング温度が上記の範囲であるとき、耐エッチング性にすぐれるハードマスクを製造することができる。
【0070】
熱処理及びベーキングを行う段階において、昇温速度は、1ないし1,000℃/minである。このような昇温速度範囲であるとき、急激な温度変化によって蒸着された膜が損傷される心配がなく、工程効率にすぐれる。
【0071】
次に、ハードマスク組成物が、二次元炭素ナノ構造物の前駆体を含む場合について説明する。
【0072】
二次元炭素ナノ構造物の前駆体は、i)酸素の含量が0.01原子%未満であるか、あるいは酸素フリー(oxygen free)二次元炭素ナノ構造物とすることができる。
【0073】
一具現例による二次元炭素ナノ構造物の前駆体は、例えば、剥離された黒鉛から得た膨脹黒鉛(expanded graphite)とすることができる。二次元炭素ナノ構造物の前駆体として、膨脹黒鉛を利用する場合、二次元炭素ナノ構造物を構成する各炭素層の自己凝集が抑制され、二次元炭素ナノ構造物を含んだハードマスク組成物において、分散剤、界面活性剤のような添加剤を使用せずとも、二次元炭素ナノ構造物が等しく分散され、そこから形成されたハードマスクは、耐エッチング性にすぐれるだけではなく、被エッチング膜パターン形成後、不要なハードマスク・パターンを除去する過程が非常に容易であり、残炭のような残留物がない。
【0074】
他の一具現例による二次元炭素ナノ構造物の前駆体は、膨脹黒鉛に対して、溶媒を利用した液状剥離工程を実施して得られた炭素層からなる構造体とすることができる。
【0075】
炭素層は、1層ないし300層ほどに至る多様な層数を有するものが可能であり、例えば、1層ないし60層、1層ないし15層、または1層ないし10層を有することが可能である。
【0076】
図2は、一具現例によって、被エッチング膜上部に、ハードマスク組成物を製造する過程を示したものである。
【0077】
図2を参照すれば、オペレーションS200及びオペレーションS210において、一具現例によるハードマスクは、前述の二次元炭素ナノ構造物の前駆体及び溶媒を含むハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングした後(S200)、コーティングされた結果物を酸化または還元する段階を経て製造される。
【0078】
コーティングされた結果物を、酸化または還元する段階は、コーティングされた生成物でもって、目的とする酸素含量を有する二次元炭素ナノ構造物を含むハードマスクを得ることができるように制御される。
【0079】
オペレーションS220において、熱処理段階は、コーティングされた生成物を酸化または還元する段階を介して実施される。熱処理段階は、被エッチング膜材料によって変化するが、熱処理段階の温度は、常温(20ないし25℃)ないし1,500℃で実施される。熱処理段階は、不活性ガス雰囲気及び/または真空で実施される。熱処理段階の熱源としては、誘導加熱(induction heating)、放射熱、レーザ、赤外線、マイクロウェーブ、プラズマ、紫外線、表面プラズモン加熱(surface Plasmon heating)などを使用することができる。そして、前記不活性雰囲気は、窒素ガス及び/またはアルゴンガスなどを混合して使用することができる。
【0080】
オペレーションS230において、前記熱処理段階を経て、溶媒を除去することができる。次に、オペレーションS240において、溶媒が除去された結果物を、100ないし400℃でベーキングする過程を経て、オペレーションS250において、400ないし1,000℃で熱処理する段階をさらに経ることができる。
【0081】
前述の熱処理及びベーキングの温度が前記範囲であるとき、耐エッチング性にすぐれるハードマスクを製造することができる。
【0082】
前記熱処理及びベーキングを行う段階において、昇温速度は、1ないし1,000℃/minである。かような昇温速度の範囲であるとき、急激な温度変化によって蒸着された幕が損傷される心配なしに、工程効率にすぐれる。
【0083】
図3は、一具現例によって、被エッチング膜上部に、ハードマスク組成物を製造する過程を示したものである。
【0084】
図3を参照すれば、オペレーションS300及びS310において、一具現例によるハードマスクは、前述の二次元炭素ナノ構造物の前駆体及び溶媒を含むハードマスク組成物を、酸化または還元した後(S300)、酸化または還元された結果物を、被エッチング膜上部にコーティングする段階を経て製造される(S310)。
【0085】
コーティングされた結果物を、酸化または還元する段階は、コーティングされた生成物でもって、目的とする酸素含量を有する二次元炭素ナノ構造物を含むハードマスクを得ることができるように制御される。
【0086】
オペレーションS320において、熱処理段階は、コーティングされた生成物を酸化または還元する段階を介して実施される。熱処理段階は、被エッチング膜材料によって変化するが、熱処理段階の温度は、常温(20ないし25℃)ないし1,500℃で実施される。熱処理段階は、不活性ガス雰囲気及び/または真空で実施される。熱処理段階の熱源としては、誘導加熱(induction heating)、放射熱、レーザ、赤外線、マイクロウェーブ、プラズマ、紫外線、表面プラズモン加熱(surface Plasmon heating)などを使用することができる。そして前、記不活性雰囲気、は窒素ガス及び/またはアルゴンガスなどを混合して使用することができる。
【0087】
オペレーションS330において、前記熱処理段階を経て、溶媒を除去することができる。次に、オペレーションS340において、溶媒が除去された結果物を、100ないし400℃でベーキングする過程を経て、オペレーションS350において、400ないし1,000℃で熱処理する段階をさらに経ることができる。
【0088】
前述の熱処理及びベーキングの温度が、前記範囲であるとき、耐エッチング性にすぐれるハードマスクを製造することができる。
【0089】
前記熱処理及びベーキングする段階において、昇温速度は、1ないし1,000℃/minである。かような昇温速度の範囲であるとき、急激な温度変化によって蒸着された膜が損傷される心配なく、工程効率にすぐれる。
【0090】
図4は、一具現例によって、被エッチング膜上に、ハードマスク組成物を製造する過程を示したものである。
【0091】
一具現例によるハードマスクは、前述の二次元炭素ナノ構造物の前駆体及び溶媒を含むハードマスク組成物を酸化または還元した後(S400)、酸化または還元された結果物を、被エッチング膜上部にコーティングする段階を経て製造される(S410)。
【0092】
コーティングされた結果物を酸化または還元する段階は、コーティングされた生成物でもって、目的とする酸素含量を有する二次元炭素ナノ構造物を含むハードマスクを得ることができるように制御される。
【0093】
オペレーションS410において、熱処理段階は、ハードマスク組成物を被エッチング膜上部にコーティングした後に実施される。熱処理段階は、被エッチング膜材料によって変化するが、熱処理段階の温度は、常温(20ないし25℃)ないし1,500℃で実施される。熱処理段階は、不活性ガス雰囲気及び/または真空で実施される。熱処理段階の熱源としては、誘導加熱(induction heating)、放射熱、レーザ、赤外線、マイクロウェーブ、プラズマ、紫外線、表面プラズモン加熱(surface Plasmon heating)などを使用することができる。そして、前記不活性雰囲気、は窒素ガス及び/またはアルゴンガスなどを混合して使用することができる。
【0094】
オペレーションS420において、前記熱処理段階を経て溶媒を除去することができる。次に、オペレーションS430において、溶媒が除去された結果物を、100ないし400℃でベーキングする過程を経て、オペレーションS440において、400ないし1,000℃で熱処理する段階をさらに経ることができる。
【0095】
前述の熱処理及びベーキングの温度が前記範囲であるとき、耐エッチング性にすぐれるハードマスクを製造することができる。
【0096】
前記熱処理及びベーキングする段階において、昇温速度は、1ないし1,000℃/minである。かような昇温速度の範囲であるとき、急激な温度変化によって蒸着された膜が損傷される心配なしに、工程効率にすぐれる。
【0097】
前述のように、もし二次元炭素ナノ構造物の前駆体が、40原子%を超える酸素を含む二次元炭素ナノ構造物である場合、i)ハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングした後、コーティングされた結果物を還元する段階、ii)ハードマスク組成物を還元した後、それを被エッチング膜上部にコーティングする段階、あるいはiii)ハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングしながら、還元が同時に進められる段階によって、ハードマスクを形成することができる。上記の40原子%を超える酸素を含む二次元炭素ナノ構造物は、例えば、60ないし80原子%の酸素を含んでもよい。
【0098】
前述のように、もし二次元炭素ナノ構造物の前駆体が0.01原子%未満の酸素を含む場合、i)ハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングした後、コーティングされた結果物を酸化する段階、ii)ハードマスク組成物を酸化した後、それを被エッチング膜上部にコーティングする段階、あるいはiii)ハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングしながら、酸化が同時に進められる段階によって、ハードマスクを製造することができる。
【0099】
還元する段階は、化学的還元、熱処理による還元、または電気化学的還元によって行われる。
【0100】
化学的還元は、還元剤を利用して実施される。また、熱処理による還元は、100ないし1,500℃の熱処理によって行われる。
【0101】
還元剤の非制限的な例として、アンモニアボラン(ammonia-borane)、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルヒドラジン、硫酸、塩酸、ヨード化水素、臭化水素、硫化水素、ヒドロキノン、水素、酢酸からなる群から選択された一つ以上を有することができる。
【0102】
還元剤として、アンモニアボランを使用する場合、酸素含量及びsp
2結合ネットワークを調節したハードマスク組成物を製造し、i)ハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングした後、コーティングされた結果物を還元する段階、ii)ハードマスク組成物を還元した後、それを被エッチング膜上部にコーティングする段階、またはiii)ハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングしながら、還元が同時に進められる段階によってハードマスクを製造することができる。
【0103】
化学的還元は、二次元炭素ナノ構造物の前駆体を還元した後、還元された結果物から還元剤を除去する工程を経ることができる。このような還元剤の除去は、還元された結果物に、ナトリウム、カリウムなどの残留物が残っている場合、エッチング工程で、脱気(degassing)が起こるからである。
【0104】
しかし、還元剤としてアンモニアボランを使用する場合には、アンモニアボランは、低温で比較的容易に分解され、還元剤除去工程を経ずとも、還元された結果物に残留物がほぼ残らない。従って、還元された結果物から還元剤を除去する工程が不要になる。
【0105】
一具現例によって、還元剤として、アンモニアボランを使用する場合、還元された結果物において、ナトリウム、カリウムなどの残留物の含量は、5原子%以下、例えば、0.000001ないし5原子%である。このとき、残留物の含量は、X線光電子分光法(XPS)によって確認可能である。
【0106】
還元剤として、アンモニアボランを利用する場合、二次元炭素ナノ構造物前駆体を含むハードマスク組成物を還元した後、そのように還元された結果物を被エッチング膜上部にコーティングし、ハードマスクを製造することができる。
【0107】
他の一具現例によれば、還元剤としてアンモニアボランを利用する場合、二次元炭素ナノ構造物前駆体を含むハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングしながら、還元を同時に進め、ハードマスクを製造することができる。
【0108】
ハードマスク製造過程において、還元過程を経た後、熱処理を介してハードマスク中に含有された二次元炭素ナノ構造物の酸素含量及びsp
2結合ネットワークを調節することができる。このとき、熱処理は、選択的に実施する。
【0109】
熱処理は、ハードマスクが形成される基材の材質によって異なるが、例えば、60ないし400℃、例えば、80ないし400℃の範囲で実施する。このような温度範囲で熱処理を実施すれば、工程の効率性の低下なしに、耐エッチング性及び機械的強度にすぐれ、エッチング工程後に除去が容易なハードマスクを製造することができる。
【0110】
酸化する段階は、酸、酸化剤、UV(ultraviolet)、オゾン、IR(infrared)、熱処理、プラズマのうちから選択された一つ以上を利用して実施される。
【0111】
酸としては、例えば、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、フッ酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、m−クロロベンゾ酸、及びその混合物を利用することができる。そして、酸化剤は、例えば、過マンガン酸カリウム、過塩素酸カリウム、過硫酸アムモニウム、及びその混合物を利用することができる。
【0112】
他の一具現例による二次元炭素ナノ構造物前駆体、またはそこから得られた二次元炭素ナノ構造物を利用して、ハードマスクを製造する過程について、さらに具体的に説明する。
【0113】
第一に、黒鉛に層間挿入物を挿入(intercalation)し、剥離された黒鉛を得て、そこから二次元炭素ナノ構造物前駆体である膨脹黒鉛を得て、二次元炭素ナノ構造物前駆体を含む組成物を得ることができる。
【0114】
膨脹黒鉛は、剥離された黒鉛に、超音波またはマイクロ波を印加するか、あるいは剥離された黒鉛をミリングする過程によって得ることができる。ここで、剥離された黒鉛をミリングする過程は、ボールミル、モノプラナミルなどを利用することができる。
【0115】
前述の膨脹黒鉛を溶媒に分散する液状剥離工程を、選択的に実施することができる。そのような液状剥離工程を経れば、1ないし数十層の炭素層(例えば、20層ないし70層の炭素層)からなる二次元炭素ナノ構造物前駆体を得ることができる。
【0116】
層間挿入物は、硫酸、クロム酸、カリウム、ナトリウムのようなイオン、またはイオン含有化合物のうちから選択された一つ以上を使用することができる。
【0117】
液状剥離工程において、溶媒としては、N−メチルピロリドン、エタノールのような溶媒、水などを使用し、分散時に超音波を利用することができる。溶媒に分散する過程は、例えば、0.5ないし30時間実施する。
【0118】
一具現例によって剥離された黒鉛に超音波を印加し、膨脹黒鉛を得る場合、超音波は、20ないし60kHzの振動数範囲で印加される。
【0119】
他の一具現例によって、剥離された黒鉛にマイクロ波を印加し、膨脹黒鉛を得る場合、マイクロ波は、50ないし1,500Wの出力、2.45ないし60GHzの振動数を有する。マイクロ波を印加する時間は、マイクロ波の振動数によって異なるが、例えば、10ないし30分間マイクロ波を印加する。
【0120】
出発物質として使用する黒鉛としては、天然黒鉛(natural graphite)、キッシュ黒鉛(kish graphite)、人造黒鉛(synthetic graphite)、膨脹黒鉛(expandable graphite,expanded graphite)、またはそれらの混合物を使用することができる。
【0121】
そのように得られたハードマスク組成物で、二次元炭素ナノ構造物構造体膜を形成した後、膜を酸化させる過程によって、酸素の含量が0.01ないし40原子%である二次元炭素ナノ構造物を含むハードマスクを得ることができる。この方法によって得られた二次元炭素ナノ構造物は、欠陥がなく、それを利用すれば、耐エッチング性にすぐれるハードマスクを製作することができる。
【0122】
第二に、黒鉛を酸処理して得ることができる。例えば、黒鉛に、酸及び酸化剤を添加して加熱して反応させ、それを室温(20〜25℃)に冷却させ、二次元炭素ナノ構造物前駆体含有混合物を得る。該前駆体含有混合物に、酸化剤を添加して酸化する過程を経て、0.01ないし40原子%の酸素を有する二次元炭素ナノ構造物を得ることができる。
【0123】
上記の二次元炭素ナノ構造物前駆体は、0.01原子%未満の酸素を含むか、あるいは酸素を含まない。
【0124】
酸化段階で使用する酸化剤、酸溶液の濃度及び処理時間を調節し、酸素の含量を調節することができる。
【0125】
酸及び酸化剤の例は、前述の通りである。酸化剤の含量は、例えば、黒鉛100重量部に対して、0.00001ないし30重量部である。
【0126】
第三に、製造過程において、二次元炭素ナノ構造物前駆体の酸化を最大限進め、酸素含量が40原子%を超える二次元炭素ナノ構造物前駆体を含む組成物を得て、該組成物で、二次元炭素ナノ構造物電球体膜を形成する。一例によれば、二次元炭素ナノ構造物前駆体において、酸素含量は、80ないし90原子%とすることができる。そのように形成された膜を還元する過程を経て、0.01ないし40原子%の酸素を含む二次元炭素ナノ構造物を含んだハードマスクを製造することができる。
【0127】
製造過程において、酸化する段階が、酸、酸化剤、UV、オゾン、IR、熱処理、プラズマのうちから選択された一つ以上を利用して実施される。ここで、酸及び酸化剤は、前述のように同一のものを使用することができる。
【0128】
ハードマスク組成物を、被エッチング膜上部にコーティングする過程中、またはコーティング後に、熱処理を実施することができる。ここで、熱処理温度は、熱処理目的によって異なるが、例えば、100ないし1,500℃の範囲である。
【0129】
図5Aないし
図5Eを参照し、一具現例によるハードマスク組成物を利用したパターンの形成方法について説明する。
【0130】
図5Aを参照すれば、基板10上に被エッチング膜11を形成する。被エッチング膜11上部に、0.01ないし40原子%の酸素を含む二次元炭素ナノ構造物、またはその前駆体;及び溶媒;を含むハードマスク組成物を供給し、ハードマスク12を形成する。
【0131】
ハードマスク組成物を供給する過程は、ハードマスク組成物を、スピンコーティング、エアスプレー、電気噴霧(electrospary)、ディップコーティング(dip coating)、スプレーコーティング(spray coating)、ドクターブレード法、バーコーティング(bar coating)のうちから選択された一つによって実施される。
【0132】
一具現例によれば、ハードマスク組成物を供給する段階は、スピンオン・コーティング(spin-on coating)法で塗布されてもよい。このとき、ハードマスク組成物の塗布厚は、限定されるものではないが、例えば、10nmないし10,000nmの厚み、具体的には、10nmないし1,000nmの厚みに塗布されてもよい。
【0133】
基板10としては、特別に制限されるものではなく、例えば、Si基板;ガラス基板;GaN基板;シリカ基板;ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ウラン(U)、バナジウム(V)及びジルコニウム(Zr)のうちから選択された一つ以上を含む基板;高分子基板のうちから選択された一つ以上を使用することができる。基板10は、silicon-on-insulator substrateのようなsemiconductor-on-insulator(SOI) substrateとすることができる。
【0134】
ハードマスク12上部に、フォトレジスト膜13を形成する。
【0135】
図1Bに図示されているように、フォトレジスト膜13を、通常の方法で露光及び現像し、フォトレジストパターン13aを形成する。
【0136】
フォトレジスト膜を露光する段階は、例えば、ArF、KrFまたはEUV(extreme ultraviolet lithography)などを使用して遂行することができる。そして、露光後、200ないし500℃ほどで、熱処理工程を遂行することができる。
【0137】
現像時に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液のような現像液を利用することができる。
【0138】
その後、フォトレジストパターン13aをエッチングマスクにして、ハードマスク12をエッチングし、被エッチング膜11上部に、ハードマスク・パターン12aを形成する(
図1C)。
【0139】
ハードマスク・パターンの厚みは,10nmないし10,000nmである。そのような厚み範囲を有するとき、ハードマスク・パターン12aは、膜均一性にすぐれるだけではなく、耐エッチング性にもすぐれる。
【0140】
エッチングは、例えば、エッチングガスを利用した乾式エッチング法によって行われる。エッチングガスとしては、フッ素含有及び/または塩素含有ガスを利用する。エッチングガスは、非制限的な例としては、CF
4、C
2F
6、C
4F
8、CHF
3、Cl
2及びBCl
3のうちから選択された一つ以上を使用する。
【0141】
一具現例によれば、エッチングガスとして、C
4F
8及びCHF
3の混合ガスを利用し、それらの混合比は、1:10ないし10:1体積比である。
【0142】
被エッチング膜は、複数のパターンで形成されてもよい。複数のパターンは、金属パターン、半導体パターン、絶縁体パターンのように多様なものとすることができる。例えば、半導体集積回路デバイス内の多様なパターンに適用されてもよい。
【0143】
被エッチング膜は、最終的にパターンする材料を含み、例えば、アルミニウム、銅のような金属層;シリコンのような半導体層;または酸化ケイ素、窒化ケイ素のような絶縁層とすることができる。被エッチング膜は、スパッタリング、電子ビーム蒸着、化学気相蒸着、物理気相蒸着などの多様な方法によって形成されてもよい。被エッチング膜は、例えば、化学気相蒸着法などによって形成されてもよい。
【0144】
図5D及び
図5Eに図示されているように,ハードマスク・パターン12aをエッチングマスクにして、被エッチング膜11をエッチングし、所望微細パターンを有する被エッチング膜パターン11aを形成する。
【0145】
一具現例によるハードマスクは、他層の間に挿入されて、ストッパ(stopper)として半導体素子の製造に利用可能である。
【0146】
図5Fは一具現例によるハードマスク組成物を利用して、パターンを形成する方法の一部を示したものである。
【0147】
それを参照すれば、
図5Aで既に説明したように、基板10上に被エッチング膜11を形成し、前記被エッチング膜11上部に、ハードマスク12を形成する。その後、
図5Bですでに説明したように、前記フォトレジスト膜13aを、ハードマスク12上部に形成する。その後、ハードマスク12は、通常の方法で露光及び現像し、被エッチング膜11上部に、フォトレジストパターン13aを形成する。
【0148】
図5Fに示されているように、フォトレジストパターン13aは、ハードマスク・パターン12aが形成された後にも残っている。
【0149】
その後、前記フォトレジストパターン13aの残りの領域、及びハードマスク・パターン12aをエッチングマスクにして、前記被エッチング膜11をエッチングし、所望の微細パターンを有する被エッチング膜パターン11aを形成する。その後、ハードマスク・パターン12a及びフォトレジストパターン13aの残りの領域は、0
2ashing及び/またはウェットストリッピングによって除去され、基板10上部に、エッチング層パターン11aを有する構造体を形成する(
図5E)。例えば、ウェットストリッピングは、アルコール、アセトン、または硝酸と硫酸との混合物を利用する。
【0150】
以下、
図6Aないし
図6Dを参照し、他の一具現例による、ハードマスク組成物を利用したパターンの形成方法について説明する。
【0151】
図6Aを参照すれば、基板20上に、被エッチング膜21を形成する。基板20としては、シリコン基板を利用する。基板20として、
図5Aの基板10に使用可能なものであるならば、全て使用することができる。
【0152】
被エッチング膜21は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコンニトロオキシド膜、シリコンオキシナイトライド膜(SiON)、炭化シリコン(SiC)膜、またはそれらの誘導体膜からなる。
【0153】
その後、被エッチング膜21上部に、ハードマスク組成物を供給し、ハードマスク22を形成する。言い替えれば、0.01ないし40原子%の二次元炭素ナノ構造物またはその前駆体、及び溶媒を含むハードマスク組成物を、被エッチング膜21上部に提供し、ハードマスク22を形成する。
【0154】
ハードマスク22上部に、反射防止膜30を形成する。ここで、反射防止膜30は、無機反射防止膜、有機反射防止膜、またはそれらの組み合わせによって形成されてもよい。
図6Aないし
図6Cで、反射防止膜30が、無機反射防止膜32及び有機反射防止膜34で構成された場合を例示している。
【0155】
無機反射防止膜32は、例えば、SiON膜などがあり、有機反射防止膜34としては、露光波長に対して、フォトレジストと適する屈折率及び高吸収係数を有する通常の市販用高分子膜を使用することができる。
【0156】
反射防止膜の厚みは、例えば、100nmないし500nmである。
【0157】
反射防止膜30上部に、フォトレジスト膜23を形成する。
【0158】
フォトレジスト膜23を、通常の方法で露光及び現像し、フォトレジストパターン23aを形成する。その後、フォトレジストパターン23aをエッチングマスクにし、反射防止膜30及びハードマスク22を順にエッチングし、被エッチング膜21上部に、ハードマスク・パターン22aを形成する。ハードマスク・パターン22aは、無機反射防止膜パターン32a及び有機反射防止膜パターン34aによって構成される。
【0159】
図6Bには、ハードマスク・パターン22aが形成された後、その上部に、フォトレジストパターン23a及び反射防止膜パターン30aが残っているように図示されているが、場合によっては、ハードマスク・パターン形成のためのエッチング工程時、フォトレジストパターン23a及び反射防止膜パターン30aの一部または全部が除去されもする。
【0160】
図6Cには、フォトレジストパターン23aだけが除去された状態を示している。
【0161】
ハードマスク・パターン22aをエッチングマスクにし、被エッチング膜をエッチングし、所望の被エッチング膜パターン21aを形成する(
図6D)。
【0162】
前述のように、被エッチング膜パターン21を形成した後には、ハードマスク・パターン22aは除去される。一具現例によるハードマスク・パターンは、一般的な除去過程を介する除去が容易であるだけではなく、除去後に残留物がほとんどない。
【0163】
ハードマスク・パターン除去過程は、非制限的な例として、O
2アッシング(ashing)工程及びウェットストリップ(wet strip)工程を利用することができる。ウェットストリップは、例えば、アルコール、アセトン、硝酸と硫酸との混合物などを利用して実施されてもよい。
【0164】
上記の過程によって形成されたハードマスクの二次元炭素ナノ構造物は、z軸方向に、二次元ナノ結晶質炭素が積層されてなる構造体である。そして、二次元炭素ナノ構造物は、100nm以下の厚み、約500nmないし約50μmの長さ及び幅を有することができる。そして、二次元炭素ナノ構造物は、縦横比(最短径に対する最長径の寸法比(ratio of the longest diameter to the shortest diameter))が少なくとも50である。
【0165】
ハードマスクは、酸素の含量が、0.01ないし40原子%である二次元炭素ナノ構造物を含み、sp
2炭素構造の含量が、sp
3炭素構造の含量に比べて多く、乾式エッチングに対する十分な耐性を確保することができる。
【0166】
図7Aないし
図7Dは、具現例によるハードマスク組成物を利用して、パターンを形成する方法を示したものである。
【0167】
図7Aを参照すれば、被エッチング膜61は、基板60上に形成され、ハードマスク62は、被エッチング膜61に形成される。そして、第1フォトレジストパターン63aは、ハードマスク62上部に形成される。
【0168】
前記基板60は、前述の基板10に使用可能なものであるならば、全て使用することができる。
【0169】
その後、前記被エッチング膜61上部に、ハードマスク組成物を供給し、ハードマスク62を形成する。言い替えれば、0.01ないし40原子%の二次元炭素ナノ構造物またはその前駆体、及び溶媒を含むハードマスク組成物を、被エッチング膜61上部に提供し、ハードマスク62を形成する。
【0170】
その後、
図7Bに示されているように、第2フォトレジストパターン63bをハードマスク62上部に形成する。第1フォトレジストパターン63a及び第2フォトレジストパターン63bは、相互に配置される。
【0171】
図7Cに示されているように、ハードマスク62は、第1フォトレジストパターン63a及び第2フォトレジストパターン63bをエッチングマスクとして利用してエッチングされ、ハードマスク・パターン62aを形成する。その後、
図7Dに示されているように、被エッチング膜61はエッチングされ、エッチングパターン61aを形成する。
【0172】
図7C及び
図7Dに第1フォトレジストパターン63a及び第2フォトレジストパターン63bがハードマスク・パターン62aを形成した後ハードマスク・パターン62aに居残ることで現われているもののそれで制限されることを意味することではない。
【0173】
図7C及び
図7Dに示されているように、第1フォトレジストパターン63a及び第2フォトレジストパターン63bの一部領域及び/または全体領域はハードマスク・パターン62a及び/またはエッチングパターン61aを形成する過程中に除去される。
【0174】
図8Aないし
図8Dは、一具現例によって、ハードマスク組成物を利用して、パターンを形成する方法を示したものである。
【0175】
図8Aを参照すれば、
図6Aで説明したように、基板20、被エッチング膜21、ハードマスク層22、反射防止膜30及びフォトレジスト膜23の積層構造が形成される。
【0176】
その後、フォトレジスト膜は、通常の方法で露光及び現像し、フォトレジストパターン23aを形成する。その後、フォトレジストパターン23aをエッチングマスクにし、反射防止膜30をエッチングし、前記被エッチング膜21上部に、反射防止膜パターン30aを形成する。前記反射防止膜パターン30aは、無機反射防止膜パターン32a及び有機反射防止膜パターン34aから構成される。
【0177】
図8Bに示されているように,誘電層60(例えば、シリコンオキサイド)がフォトレジストパターン23a上部にコーティングされる。
【0178】
図8Cを参照すれば、スペーサ62は、誘電層60をエッチングして形成される。ハードマスク・パターン22bは、フォトレジストパターン23aとスペーサ62とをエッチングマスクとして使用して、ハードマスク層22をエッチングして形成される。
【0179】
図8Dを参照すれば、フォトレジストパターン23a及び反射防止膜パターン30aは、スペーサ62をエッチングマスクとして使用して除去される。次に、第2ハードマスク・パターン22cは、ハードマスク・パターン22bとスペーサとをエッチングマスクとして使用して、エッチングして形成される。
【0180】
その後、前記被エッチング膜21は、スペーサ62及び第2ハードマスク・パターン22cをエッチングマスクとして使用してエッチングされ、第2ハードマスク・パターン22cに対応するようにパターンを形成する。さらに、スペーサ62及び第2ハードマスク・パターン22cは、被エッチング膜21のパターニングを実施した後で除去される。
【0181】
ハードマスク組成物を利用して形成されたパターンは、半導体素子製造工程によって、集積回路デバイスの製造及び設計に利用される。例えば、金属配線、コンタクトまたはバイアスのためのホール、絶縁セクション(例:DT(damascene trench)またはSTI(shallow trench isolation))、キャパシタ構造物のためのトレンチのようなパターン化された材料層構造物の形成時に利用可能である。
【0182】
以下では、具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載された実施例は、具体的な例示または説明のために過ぎず、それらによって制限されるということを意味するものではない。
【実施例】
【0183】
[実施例1]
硫酸(H
2SO
4)50mlに、黒鉛粉末(graphite powder)10gを入れ、80℃で4〜5時間撹拌した。撹拌された混合物を、脱イオン水(deionized water)1lで希釈させ、12時間ほど撹拌を実施した。次に、結果物を濾過し、前処理された黒鉛を得た。
五酸化リン(P
2O
5)を水80mlに溶解させ、硫酸480mlを付加してから、そこに前述の前処理された黒鉛4gを添加した後、過マンガン酸カリウム(KMnO
4)24gを付加した。混合物を撹拌した後、1時間ソニケーション(sonication)を実施し、水(H
2O)600mlを付加した。得られた反応混合物に、過酸化水素(H
2O
2)15mlを付加すると、反応混合物の色が、紫色から薄黄色の系統に変わり、該混合物を撹拌しながらソニケーションを実施した。反応混合物を濾過し、酸化されずに残っている黒鉛を除去した。濾過を介して得られた濾液からマンガン(Mn)を除去するために、濾液に塩酸(HCl)200ml、エタノール200ml、水200mlを付加して撹拌を実施した。撹拌を実施した混合物を遠心分離し、二次元炭素ナノ構造物前駆体を得た。ここで、二次元炭素ナノ構造物前駆体において、酸素含量は、30原子%ほどであった。
上記の過程によって得られた二次元炭素ナノ構造物前駆体0.5gを水1lに分散させ、ハードマスク組成物を得た。ハードマスク組成物を、シリコン酸化物膜が形成されたシリコン基板上にスプレーコーティングしながら、200℃で熱処理を実施した。次に、400℃で1時間ベーキングを実施した後、600℃で1時間真空熱処理を行うことにより、厚みが約200nmである二次元炭素ナノ構造物を含むハードマスクを形成した。
ハードマスク上部に、ArFフォトレジスト(PR)を1,700Åコーティングし、110℃で60秒間プリベーク(pre-bake)を実施した。ASML社の露光装置(XT:1400、NA 0.93)を使用して、露光を実施した後、110℃で60秒間ポストベーク(post-bake)を行った。次に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)2.38wt%水溶液で現像し、フォトレジストパターンを形成した。
フォトレジストパターンをマスクにして、CF
4/CHF
3混合ガスで、乾式エッチングを行った。エッチング条件は、チャンバ圧力20mT、RF power 1,800W、C
4F
8/CHF
3(4/10体積比)、時間120秒である。
乾式エッチングを実施した後、ハードマスク及び有機物に対して、O
2アッシング工程及びウェットストリップ工程を進め、所望の最終パターンであるシリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を得た。
【0184】
[実施例2]
真空熱処理温度が850℃に変化されたことを除いては、実施例1と同一方法によって実施し、θシリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0185】
[実施例3]
真空熱処理温度が400℃に変化されたことを除いては、実施例1と同一方法によって実施し、シリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0186】
[実施例4]
真空熱処理温度が900℃に変化されたことを除いては、実施例1と同一方法によって実施し、シリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0187】
[実施例5]
酸素の含量が約0.01原子%である二次元炭素ナノ構造物を含んだハードマスクを得ることができるように、二次元炭素ナノ構造物前駆体の製造過程を制御したことを除いては、実施例1と同一に実施し、シリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0188】
[実施例6]
酸素の含量が約40原子%である二次元炭素ナノ構造物を含んだハードマスクを得ることができるように、二次元炭素ナノ構造物前駆体の製造過程を制御したことを除いては、実施例1と同一に実施し、シリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0189】
[実施例7]
実施例1によって得たハードマスク組成物の1/2に対し、シリコン酸化物が形成されたシリコン基板上に、一次スプレーコーティングを行いながら、200℃で熱処理を実施した。次に、400℃で1時間ベーキングを実施した後、400℃で1時間、一次真空熱処理を実施した。実施例7で使用された二次元炭素ナノ構造物前駆体において、酸素含量は、30原子%ほどであった。
次に、真空熱処理された結果物上部に、前述のハードマスク組成物の残り1/2に対し、二次スプレーコーティングを行いながら、200℃で熱処理を実施した。次に、400℃で1時間ベーキングを実施した後、400℃で、1時間二次真空熱処理を実施した。そのような二次真空熱処理を経て、厚みが約200nmである二次元炭素ナノ構造物を含むハードマスクを形成した。
【0190】
[実施例8]
実施例1によって得た二次元炭素ナノ構造物前駆体0.5gを水1lに分散させ、そこにアンモニアボラン0.5gを付加して80℃で還元させ、ハードマスク組成物を得た。ハードマスク組成物を、シリコン酸化物が形成されたシリコン基板上に200℃で蒸着し、厚みが約200nmである二次元炭素ナノ構造物を含むハードマスクを形成した。この二次元炭素ナノ構造物において、酸素の含量は、約16原子%であった。
【0191】
[比較例1]
高温非晶質炭素を含んだハードマスクを利用して、シリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を、次のように製造した。
シリコン基板上に形成されたシリコン酸化物膜上部に、炭素源(C
3H
6)を蒸着し、高温非晶質炭素を含むハードマスクを形成した。
上記の蒸着は、約550℃、圧力約0.05mTorr、イオンエネルギー250eVの条件の化学気相蒸着方法によって実施した。
ハードマスク上部に、ArFフォトレジスト(PR)を1,700Åコーティングし、110℃で60秒間プリベークを実施した。ASML社の露光装備(XT:1,400、NA 0.93)を使用して、露光を実施した後、110℃で60秒間ポストベークした。次に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)2.38wt%水溶液で現像し、フォトレジストパターンを形成した。
フォトレジストパターンをマスクにして、CF
4/CHF
3混合ガスでドライエッチングを行った。エッチング条件は、チャンバ圧力20mT、RF power 1,800W、C
4F
8/CHF
3混合比4/10体積比、時間120秒である。
乾式エッチングを実施した後、ハードマスク及び有機物に対して、O
2アッシング工程及びウェットストリップ工程を進め、所望の最終パターンであるシリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を得た。
【0192】
[比較例2]
低温非晶質炭素が得られるように、炭素源(C
3H
6)の蒸着条件を300℃に変化させたことを除いては、比較例1と同一に実施し、低温非晶質炭素を含むハードマスクを利用して、シリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を得た。
【0193】
[比較例3]
下記化学式1で表示されるモノマーを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、N−メチルピロリドン及びガンマ−ブチロラクトン(40:20:40(v/v/v))の混合溶媒に溶解させた後、それを濾過してハードマスク組成物を製造した。
【0194】
【化1】
【0195】
上記の過程によって得られたハードマスク組成物を、シリコン酸化物が形成されたシリコン基板上に、スピンオン・コーティング方法によって塗布した後、それを400℃で120秒間熱処理し、SOC(spin-on-carbon)を含むハードマスクを形成した。
ハードマスク上部に、ArFフォトレジスト(PR)を1,700Åコーティングし、110℃で60秒間プリベークを実施した。ASML社の露光装備(XT:1,400、NA 0.93)を使用して露光を実施した後、110℃で60秒間ポストベークした。次に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)2.38wt%水溶液で現像し、フォトレジストパターンを形成した。
フォトレジストパターンをマスクにして、CF
4/CHF
3混合ガスで乾式エッチングを行った。エッチング条件は、チャンバ圧力20mT、RF power 1,800W、C
4F
8/CHF
3(4/10体積比)、時間120秒である。
乾式エッチングを実施した後、ハードマスク及び有機物に対して、O
2アッシング工程及びウェットストリップ工程を進め、所望の最終パターンであるシリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を得た。
【0196】
[比較例4]
酸素の含量が約0.005原子%である二次元炭素ナノ構造物を含んだハードマスクを得ることができるように、二次元炭素ナノ構造物前駆体の製造過程を制御したことを除いては、実施例1と同一に実施し、シリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0197】
[評価例1:X線回折分析(XRD)測定]
実施例1〜3による二次元炭素ナノ構造物及び比較例1の高温非晶質炭素に対するXRD分析を実施した。XRDの分析時、BRUKER AXS社の12KW XRDを利用して、分析条件は、5゜〜80゜範囲で、1分当たり4゜ずつの測定条件下で実施した。
分析結果を
図9に示した。
それを参照すれば、実施例1〜3によって製造された二次元炭素ナノ構造物は、比較例1の非晶質炭素(HT−ACL)と異なり、(002)の結晶面ピークの回折角2θが、25〜27°で示されるということが確認された。実施例1〜3によって製造された二次元炭素ナノ構造物のX線回折分析結果によって、層間間隔(d
002)及び結晶の平均径(La)を得て、それを下記表1に示した。
層間間隔は、下記数式1で表示されるブラッグの法則(Bragg’s law)を利用して求め、結晶の平均径は、シェラー方程式(Scherrer equation)を利用して求めた(数式2)。
数式1:d
002=λ/2sinθ
数式2:D=(0.9λ)/(βcosθ)
【0198】
数式1,2において、λは、X−ray wavelength(1.54Å)であり、βは、ブラッグ角での半値幅(FWHM:full width at half maximum)である。
【0199】
【表1】
【0200】
[評価例2:ラマンスペクトル分析]
実施例1〜3で得られた二次元炭素ナノ構造物及び比較例1によって製造された高温非晶質炭素に対して、ラマン分光分析を実施した。ラマン分光分析結果を
図10に示した。ラマン分光分析は、Renishaw社のRM−1000 Invia機器(514nm、Ar
+ion laser)を利用した。ここで、Dピーク、Gピーク及び2Dピークは、それぞれ約1340〜1,350cm
−1、1,580cm
−1、2,700cm
−1でのものをいう。
図10を参照すれば、実施例1〜3によって得られた二次元炭素ナノ構造物、並びに比較例1によって製造された高温非晶質、及び比較例2によって製造された低温非晶質炭素のGモードピークに対するDモードピークの強度比(I
D/I
G)、及びGモードピークに対する2Dモードピークの強度比(I
2D/I
G)を調査し、下記表2に示した。
【0201】
【表2】
【0202】
表2を参照すれば、実施例1〜3によって製造されたハードマスク組成物は、比較例1のハードマスク組成物と異なる構造を有している。
【0203】
[評価例3:XPS分析]
Quantum 2000(Physical Electronics)装備を使用し、実施例1ないし4によって製造された二次元炭素ナノ構造物に対して、XPS分光試験を行った。
分析結果を下記表3に示した。
【0204】
【表3】
【0205】
a:C=C/C−Cは、C=C結合に該当するピークの強度と、C−C結合に該当するピークの強度との比を示し、それは、sp
2とsp
3との分率比を示す
【0206】
[評価例4:耐エッチング性]
実施例2,3,7,8によって製造されたハードマスクを利用して、乾式エッチングを実施する前後のハードマスク、及びシリコン酸化物膜の厚み差を測定し、エッチング選択比を計算し、耐エッチング性を評価した。
下記表4でエッチング選択比は、シリコン酸化物のエッチング前後の厚み差に対するハードマスクのエッチング前後の厚み差の比を示したものである。
【0207】
【表4】
【0208】
表4に示されているように、実施例2,3,7及び8によれば、比較例1〜3の場合に比べ、エッチング選択比が上昇し、耐エッチング性にすぐれるということが分かった。
【0209】
[評価例5:パターン模様分析]
実施例1〜8及び比較例1〜3によって製造されたハードマスクを利用して、エッチングを実施した後、シリコン酸化物膜パターンが形成されたシリコン基板に係わる断面を、FE−SEM(field emission scanning electron microscope)で観察し、その結果を下記表5に示した。
【0210】
【表5】
【0211】
表5に示されているよう、に実施例1〜8によるハードマスクを利用して形成されたシリコン酸化物パターン形状は、比較例1の場合と異なり、垂直形状であるということが分かった。
【0212】
以上、一具現例について説明したが、それらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、並びに発明の詳細な説明、及び添付した図面の範囲内で、さまざまに変形して実施することが可能であり、それらも、発明の範囲に属するということは言うまでもない。