【0019】
本発明における(a)N−アシルアミノ酸またはその塩により表面処理された粉体としては、市販品を使用することもできる。好ましい市販品としては、例えば、NAI−T−300、NAI−Z−300、NAI−PFC407、NAI−レッドR516PS 、NAI−イエローLL−100P、NAI−ブラックBL−100P、NAI−タルクJA−46RなどのNAI処理粉体(三好化成製)、ASL−1 TiO
2 MT−500SA、ASL−1 MZ−500、ASL−レッドR516PS 、ASL−イエローLL−100P、ASL−ブラックBL−100P、などのASL処理粉体、ASI TiO
2 MT−500SA、ASI MZ−500、ASI−レッドR516PS 、ASI−イエローLL−100P、ASI−ブラックBL−100P、ASI−タルクJA46RなどのASI処理粉体、LL−TiO
2 MT−500SA、LL−MZ−500、LL−レッドR516PS 、LL−イエローLL−100P、LL−ブラックBL−100P、LL−タルクJA46RなどのLL処理粉体(大東化成工業製)などが挙げられる。
【実施例】
【0027】
以下に実施例を挙げ、本発明についてさらに説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0028】
<実施例1〜16および比較例1〜5:日焼け止め化粧料>
下記表1〜3に示す組成および以下に示す製造方法により、日焼け止め化粧料を調製し、「塗布時の透明性」、「塗布時の使用感」、「化粧持ち」、「洗浄性」の項目について、以下に示す評価方法および判定基準により評価し、その結果をあわせて表1〜3に示した。表中の数値は質量%である。
【0029】
【表1】
【表2】
【表3】
【0030】
注1: KF−6028P(信越化学工業製)
注2: KF−6104(信越化学工業製)
注3: NIKKOL SS−10V(日本サーファクタント工業製)
注4: サラコス HS−6C(日清オイリオ製)
注5: CRODESTA 6−IS(クローダジャパン製)
注6: CRODESTA 4−IS(クローダジャパン製)
注7: コスモール 43V(日清オイリオ製)
注8: コスモール 41V(日清オイリオ製)
注9: コスモール 182V(日清オイリオ製)
注10: サーフホープ SE COSME C−2101(三菱化学フーズ製)
注11: STR−100C−LP(堺化学工業製)
注12: FINEX−50−LPT(堺化学工業製)
注13: NAI−T−300(三好化成製)
注14: NAI−Z−300(三好化成製)
注15: KF−6017(信越化学工業製)
注16: KF−6038(信越化学工業製)
注17: ABIL EM90(TH. GOLDSCHMIDT AG製)
注18: KSG−210(信越化学製)
注19: FZ2233(東レ・ダウコーニング製)
注20: ASL−1 TiO
2 MT−500SA(大東化成工業製)
注21: ASL−1 MZ−500(大東化成工業製)
注22: ASI TiO
2 MT−500SA(大東化成工業製)
注23: ASI MZ−500(大東化成工業製)
【0031】
[製造方法]
油性成分、分散剤(本発明の成分(b)に該当)、紫外線散乱剤(本発明の成分(a)に該当)を予め混合し粉砕したのち、乳化剤と抗酸化剤を添加し均一に分散し油相成分とした。次いで、水性成分、保湿剤、防腐剤を均一混合した水相成分を前記の油相成分に徐添し、ホモミキサーなどの乳化機で均一分散することにより、日焼け止め化粧料を得た。
【0032】
[評価方法および判定基準]
a.塗布時の透明性
(評価方法)
10名のパネルによる実使用性試験を行った。評価は、下記のスコアに基づいて採点され、そのスコア平均値を評価値として下記評価基準により評価した。
(スコア)
1点: 白い
2点: やや白い
3点: 普通
4点: やや透明
5点: 透明
(評価基準)
◎: 3.5点以上
○: 3.0点以上〜3.5点未満
△: 2.5点以上〜3.0点未満
×: 2.5点未満
【0033】
b.塗布時の使用感
(評価方法)
10名のパネルによる実使用性試験を行った。評価は、下記のスコアに基づいて採点され、そのスコア平均値を評価値として下記評価基準により評価した。
(スコア)
1点: 伸びが悪い
2点: 伸びがやや悪い
3点: 普通
4点: 伸びがやや良い
5点: 伸びが良い
(評価基準)
◎: 3.5点以上
○: 3.0点以上〜3.5点未満
△: 2.5点以上〜3.0点未満
×: 2.5点未満
【0034】
c.化粧持ち
(評価方法)
10名のパネルによる実使用性試験を行った。評価は、下記のスコアに基づいて採点され、そのスコア平均値を評価値として下記評価基準により評価した。
(スコア)
1点: 悪い
2点: やや悪い
3点: 普通
4点: やや良い
5点: 良い
(評価基準)
◎: 3.5点以上
○: 3.0点以上〜3.5点未満
△: 2.5点以上〜3.0点未満
×: 2.5点未満
【0035】
d.洗浄性
(評価方法)
各試料を肌に塗布し、20分後、石鹸を用いて水洗洗浄を行った。洗浄後の肌について、UVGL−58 Handheld UV Lamp 365nm(UVP,Inc.製)またはマクベス標準光源装置(X−rite社製)のUV光源(F30T8 BLB 365nm)により紫外線を照射して反射光を確認することにより、洗い残しの有無を評価した。
(評価基準)
○: 完全に洗浄できた
△: 洗浄不足あり
×: 洗い落とせない
【0036】
[結果]
表1〜3の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜16は、優れた洗浄性を有するため、石鹸などによる通常の水性洗浄によっても、洗い残しなく容易かつ十分に洗浄、除去することが可能であり、高い化粧持ち効果と高い洗浄性を両立した優れた日焼け止め化粧料であった。一方、イソステアリン酸またはエルカ酸を構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステル以外の界面活性剤を分散剤として使用した比較例1〜5は、洗浄性が低かった。
【0037】
<実施例17〜20および比較例6〜11:ベースメイク化粧料>
下記表4および5に示す組成および以下に示す製造方法により、ファンデーションおよび化粧下地を調製し、「化粧持ち」および「洗浄性」の項目について、上記と同様の評価方法および判定基準により評価し、その結果をあわせて表4および5に示した。表中の数値は質量%である。
【0038】
【表4】
【表5】
【0039】
注1: KF−6028P(信越化学工業製)
注2: KF−6104(信越化学工業製)
注3: NIKKOL SS−10V(日本サーファクタント工業製)
注4: サラコス HS−6C(日清オイリオ製)
注5: CRODESTA 6−IS(クローダジャパン製)
注6: CRODESTA 4−IS(クローダジャパン製)
注7: コスモール 43V(日清オイリオ製)
注8: コスモール 41V(日清オイリオ製)
注9: コスモール 182V(日清オイリオ製)
注10: サーフホープ SE COSME C−2101(三菱化学フーズ製)
注11: STR−100C−LP(堺化学工業製)
注12: FINEX−50−LPT(堺化学工業製)
注13: NAI−T−300(三好化成製)
注14: NAI−Z−300(三好化成製)
注15: KF−6017(信越化学工業製)
注16: KF−6038(信越化学工業製)
注17: ABIL EM90(TH. GOLDSCHMIDT AG製)
注18: KSG−210(信越化学製)
注19: FZ2233(東レ・ダウコーニング製)
注20: ASL−1 TiO
2 MT−500SA(大東化成工業製)
注21: ASL−1 MZ−500(大東化成工業製)
注22: ASI TiO
2 MT−500SA(大東化成工業製)
注23: ASI MZ−500(大東化成工業製)
注24: NAI−PFC407(三好化成製)
【0040】
[製造方法]
(ファンデーション)
油性成分、分散剤(本発明の成分(b)に該当)、無機顔料(本発明の成分(a)に該当)、紫外線散乱剤(本発明の成分(a)に該当)を予め混合し粉砕したのち、乳化剤、抗酸化剤、弾性パウダーを添加し均一に分散し油相成分とした。次いで、水性成分、保湿剤、防腐剤を均一混合した水相成分を前記の油相成分に徐添し、ホモミキサーなどの乳化機で均一分散することにより、ファンデーションを得た。
(化粧下地)
油性成分、分散剤(本発明の成分(b)に該当)、無機顔料(本発明の成分(a)に該当)、紫外線散乱剤(本発明の成分(a)に該当)を予め混合し粉砕したのち、乳化剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、ゲル状組成物、弾性パウダーを添加し均一に分散し油相成分とした。次いで、水性成分、保湿剤、防腐剤を均一混合した水相成分を前記の油相成分に徐添し、ホモミキサーなどの乳化機で均一分散することにより、化粧下地を得た。
【0041】
[結果]
表4および5の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例17〜20は、優れた洗浄性を有するため、石鹸などによる通常の水性洗浄によっても、洗い残しなく容易かつ十分に洗浄、除去することが可能であり、高い化粧持ち効果と高い洗浄性を両立した優れた日焼け止め化粧料であった。一方、粉体成分である着色顔料および紫外線散乱剤の表面処理をシリコーンにより行った比較例6〜11は、洗浄性が低かった。
【0042】
このように、N−アシルアミノ酸またはその塩により表面処理された粉体と、イソステアリン酸またはエルカ酸を構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選択される界面活性剤とを予め混合した後、油相成分に分散させ、さらにこれを水相成分に徐添して乳化させて製造することにより、化粧持ち効果を維持しつつ、洗浄性を向上させた油中水型乳化化粧料が得られることが明らかになった。