特許第6574614号(P6574614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574614
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】三次元造形装置および三次元造形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/218 20170101AFI20190902BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20190902BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20190902BHJP
【FI】
   B29C64/218
   B33Y30/00
   B33Y10/00
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-111535(P2015-111535)
(22)【出願日】2015年6月1日
(65)【公開番号】特開2016-221870(P2016-221870A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087000
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 淳一
(72)【発明者】
【氏名】杉山 裕一
【審査官】 田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−144870(JP,A)
【文献】 特表平7−507508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/218
B33Y 10/00
B33Y 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元造形物の断面形状に基づいて造形槽に形成された粉末材料よりなる粉末層にバインダーを吐出することにより、前記粉末材料を硬化して三次元造形物を作製する三次元造形装置において、
昇降可能で上面が平板である積層ステージを備えた造形槽と、
前記造形槽に粉末材料を供給する供給手段と、
前記造形槽上を前記造形槽に対して相対的に移動可能であり、前記積層ステージ上に前記供給手段により前記粉末材料が供給されると、前記粉末材料を前記積層ステージ上に敷きつめて所定の厚さの未圧縮粉末層を形成するローラーと、
前記造形槽上を前記造形槽に対して相対的に移動可能であり、前記積層ステージの前記上面と平行して対向する平面を備えた押圧部材と
を有し、
前記供給手段により前記積層ステージ上に前記粉末材料を供給された前記造形槽上において前記ローラーを前記造形槽に対して相対的に移動させ、前記ローラーにより前記粉末材料を前記積層ステージ上に敷きつめて前記積層ステージ上面に所定の厚さの前記未圧縮粉末層を形成した後に、前記押圧部材を前記造形槽に対して相対的に移動させ、その後に前記積層ステージを上昇させて、前記押圧部材を前記未圧縮粉末層に当接させて圧縮して粉末層を形成する
ことを特徴とする三次元造形装置。
【請求項2】
三次元造形物の断面形状に基づいて造形槽に形成された粉末材料よりなる粉末層にバインダーを吐出することにより、前記粉末材料を硬化して三次元造形物を作製する三次元造形方法において、
昇降可能で上面が平板である積層ステージを備えた造形槽に粉末材料を供給する第1の工程と、
前記第1の工程により前記積層ステージ上に前記粉末材料を供給された前記造形槽上において、前記造形槽に対してローラーを相対的に移動させ、前記ローラーにより前記粉末材料を前記積層ステージ上に敷きつめて、前記積層ステージ上面に所定の厚さの未圧縮粉末層を形成する第2の工程と、
前記第2の工程により前記積層ステージ上面に所定の厚さの前記未圧縮粉末層を形成された前記造形槽に対して押圧部材を相対的に移動させ、その後に前記積層ステージを上昇させて、前記押圧部材を前記未圧縮粉末層に当接させて圧縮して粉末層を形成する第3の工程と
有することを特徴とする三次元造形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元造形装置および三次元造形方法に関し、さらに詳細には、粉体を原料として三次元造形物を作製する三次元造形装置および三次元造形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、三次元造形物を作製する手法として、石膏パウダー(石膏粉末)や樹脂パウダー(樹脂粉末)などの粉体を原料として三次元造形物を作製する粉末固着積層方式(バインダージェッティング方式)が知られている。
【0003】
この粉末固着積層方式による三次元造形装置とは、インクジェットヘッドから液体結合剤であるバインダーを各種の粉末に噴射し、当該粉末を一層ずつ固めて三次元造形物を作製するというものである。
【0004】
より詳細には、粉末固着積層方式による三次元造形装置では、まず、三次元造形物を造形する造形槽に粉末材料を敷き詰めて所定の厚さの粉末層を形成する。
【0005】
次に、この粉末層に対して、三次元造形物の断面形状の所定の解像度を有する画像データに基づいて、吐出ヘッド(インクジェットヘッド)から粉末材料を硬化するバインダーを吐出して、粉末層に当該画像データに基づく断面形状を形成する。
【0006】
その後、断面形状が形成された粉末層上に所定の厚さの新たな粉末層を形成し、この粉末層に、形成した断面形状の次の断面形状を表す画像データに基づいて、吐出ヘッドからバインダーを吐出し、当該新たな粉末層に当該画像データに基づく断面形状を形成する。
【0007】
そして、こうした処理を繰り返し行い、全ての断面形状を表す画像データに基づく断面形状を順次形成することで、三次元造形物を作製することとなる。
【0008】
ここで、従来の三次元造形装置においては、造形槽に粉末材料を供給し、ローラーで所定の厚さとなるように粉末材料を敷き詰めて均一な粉末層を形成した後に粉末層にバインダーを吐出して断面形状を形成していた。
【0009】
しかしながら、粉末材料をローラーで敷き詰めて均一にするだけでは、粉末層を形成する粉末材料が舞い上がるなどして粉末層が安定しないという問題点があった。
【0010】
また、粉末材料をローラーで敷き詰めて均一にするだけでは、粉体同士の間に隙間がある状態となり、作製された三次元造形物が美しい仕上がりとならないという問題点があった。
【0011】
なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明したようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記したような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粉末層を安定させるとともに、粉体同士の間に隙間を生じさせることのないようにした三次元造形装置および三次元造形方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明による三次元造形装置および三次元造形方法は、粉末層にバインダーを吐出する前に、粉末材料よりなる未圧縮粉末層を押圧部材に当接させて一層ごとに圧縮して粉末層を形成するようにしたものである。
【0014】
即ち、本発明は、三次元造形物の断面形状に基づいて造形槽に形成された粉末材料よりなる粉末層にバインダーを吐出することにより、上記粉末材料を硬化して三次元造形物を作製する三次元造形装置において、昇降可能で上面が平板である積層ステージを備えた造形槽と、上記造形槽に粉末材料を供給する供給手段と、上記積層ステージの上記上面と平行して対向する平面を備えた押圧部材とを有し、上記供給手段より供給された粉末材料よりなる未圧縮粉末層を上記積層ステージ上面に形成した後に上記積層ステージを上昇させて、上記未圧縮粉末層を上記押圧部材に当接させて圧縮して粉末層を形成するようにした。
【0015】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記積層ステージ上に上記供給手段より粉末材料が供給されると、上記粉末材料を上記積層ステージ上に敷きつめて所定の厚さの未圧縮粉末層を形成するローラーとを有し、上記ローラーにより敷きつめて所定の厚さに形成された上記未圧縮粉末層に上記押圧部材を当接させて圧縮して粉末層を形成するようにした。
【0016】
また、本発明は、三次元造形物の断面形状に基づいて造形槽に形成された粉末材料よりなる粉末層にバインダーを吐出することにより、上記粉末材料を硬化して三次元造形物を作製する三次元造形方法において、昇降可能で上面が平板である積層ステージを備えた造形槽に粉末材料を供給して未圧縮粉末層を上記積層ステージ上面に形成した後に、上記積層ステージを上昇させて上記未圧縮粉末層を上記積層ステージの上記上面と平行に対向する平面を備えた押圧部材に当接させて圧縮して粉末層を形成するようにした。
【0017】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記積層ステージ上に粉末材料が供給されると、ローラーを用いて上記粉末材料を上記積層ステージ上に敷きつめて所定の厚さの未圧縮粉末層を形成し、上記ローラーにより敷きつめて所定の厚さに形成された上記未圧縮粉末層に上記押圧部材を当接させて圧縮して粉末層を形成するようにした。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上説明したように構成されているので、粉末層を安定させることができるとともに、粉体同士の間に隙間を生じさせることがないという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明による三次元造形装置の概略構成斜視説明図である。
図2図2(a)(b)(c)(d)は、本発明による三次元造形装置において三次元造形物を作製する手順を順次示した概念説明図である。
図3図3(a)(b)(c)(d)は、本発明による三次元造形装置における粉末層の圧縮を説明した概念説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による三次元造形装置および三次元造形方法の実施の形態の一例を詳細に説明することとする。
【0021】
図1には、本発明の実施の形態の一例による三次元造形装置10が示されている。
【0022】
この図1に示す三次元造形装置10は、造形ステージ前後移動式の三次元造形装置であって、固定系部材である基台部12と、基台部12内に形成されるXYZ直交座標系におけるX軸方向に延長する溝部14と、溝部14内に配置される造形槽16と、造形槽16と一体的に連接され、X軸方向に移動自在に配置される収容槽18と、基台部12上に立ち上がり形成された一対の支持部20と、支持部20により支持されて、XYZ直交座標系におけるY軸方向に沿って延長して配設された貯留槽支持レール22と、貯留槽支持レール22上のY軸方向の中央部位に配置される下方に開閉自在の開口部24aを備えた貯留槽24と、基台部12上に立ち上がり形成されて溝部14の後方側を覆うように平面部26aを有する一対のローラー支持部26と、ローラー支持部26の前方側に支持されて造形槽16上を相対的にX軸方向の後方側から前方側へ移動することが可能なローラー28と、ローラー支持部26の平面部26aの前方側の面である前面部26bが有するガイドレール26cに支持されてY軸方向に往復移動可能で造形槽16に対してバインダーを吐出する吐出ヘッド30と、ローラー支持部26の平面部26aの下面であって、溝部14の上方側に位置する領域に配置される押圧部材32とを有するように構成されている。
【0023】
ここで、造形槽16と収容槽18との位置関係は、造形槽16に対してX軸方向前方側に収容槽18が配置されている。
【0024】
また、造形槽16の底面は、その上面が平板状に形成され、かつ、昇降軸16cにより上下方向に昇降可能な積層ステージ16aとされている。この積層ステージ16a上に粉末層が積層される。
【0025】
なお、こうした造形槽16と積層ステージ16aとの構成は、従来より公知の技術を適用することが可能であるため、その詳細な説明は省略する。
【0026】
また、吐出ヘッド30は、X軸方向においてローラー28の後方側に位置するように配置されてバインダーを吐出する。
【0027】
また、ローラー支持部26の平面部26aに配置される押圧部材32は、造形槽16が最も後方側に移動し、かつ、造形槽16内部の積層ステージ16aが上昇した際に、造形槽16内部の積層ステージ16a上に形成された粉末層と当接するように配置されている。
【0028】
この押圧部材32が粉末層と当接する面は、平板状に形成されており、粉末層の圧縮の際には、押圧部材32が粉末層と当接する面と積層ステージ16aの上面とが平行して対向する。
【0029】
また、押圧部材32の下面32aの高さ方向における位置としては、造形槽16が押圧部材32の下方側への移動が可能である高さであって、かつ、造形槽16の上端部16bが下面32aの直下となる高さに位置するようにする。
【0030】
なお、上記押圧部材32は、本実施の形態においては、便宜上、平面部26aの下面より突出しているものとして説明するが、これに限られるものではないことは勿論であり、押圧部材32は、少なくとも積層ステージ16aの上面と平行な平面形状体であればよく、平面部26aの下面を用いるなどしてもよいものである。
【0031】
以上の構成において、図2(a)(b)(c)(d)を参照しながら三次元造形装置10による三次元造形物の作製手順について説明すると、はじめに、内部に粉末材料を貯留した貯留槽24の開口部24aと造形槽16とが対向した図1に示す初期状態から、貯留槽24の開口部24aを開いて、造形槽16の積層ステージ16上へ粉末材料を供給する(図2(a)を参照する。)。
【0032】
このとき、図2(a)に示すように、造形槽16内部の積層ステージ16aは造形槽16において上方側の所定の位置に上昇させておく。
【0033】
ここで、所定の位置とは、積層ステージ16aと造形槽16の上端部16bとの間に、少なくとも一層分の造形に用いる粉末材料を供給することが可能となる高さ方向における位置である。
【0034】
次に、図2(b)に示すように、溝部14内において造形槽16および収容槽18をX軸方向の前方側から後方側に移動することにより、ローラー28が造形槽16上を相対的にX軸方向の後方側から前方側へ移動することになり、造形槽16へ供給された粉末材料は造形槽16内に敷きつめられて積層ステージ16a上に所定の厚さの未圧縮粉末層が形成される。
【0035】
次に、図2(c)に示すように、溝部14内において造形槽16および収容槽18はX軸方向の後方側にさらに移動し、造形槽16が平面部26aの下面に配置された押圧部材32の下方側に位置する場所まで移動する。
【0036】
ここで、未圧縮粉末層を形成された積層ステージ16aを一層分の粉末層を形成可能な位置まで上昇させ、未圧縮粉末層を押圧部材32に当接して未圧縮粉末層を圧縮し、一層分の粉末層を形成する。
【0037】
なお、積層ステージ16aにおいて粉末層の形成に用いられなかった余分な粉末材料は、図2(c)に示すように、ローラー28が造形槽16から収容槽18へと相対的にX軸方向の後方側から前方側に移動することにより、溝部14内において造形槽16とともにX軸方向の前方側から後方側に移動する収容槽18に収容される。
【0038】
上記のようにして造形槽16内に未圧縮粉末層を形成した後に未圧縮粉末層を圧縮して一層分の粉末層を形成し、溝部14内において造形槽16をX軸方向における前方側へ移動して、造形槽16を吐出ヘッド30の下方の所定の位置に配置し、積層ステージ16a上の一層分の粉末層に対して吐出ヘッド30から粉末材料を硬化するバインダーを吐出して造形を行う(図2(d)を参照する。)。
【0039】
こうして積層ステージ16a上に三次元造形物の一層目についての造形が終了したら、一層目の粉末層上に上記手順に従って二層目を造形し、さらに二層目以降の造形を繰り返すことにより三次元造形物を作製する。
【0040】
なお、本実施の形態において用いるバインダーは、透明のものでも着色されたものでもよい。
【0041】
次に、図3(a)(b)(c)(d)を参照しながら、積層ステージ16a上の未圧縮粉末層の圧縮について詳細に説明する。
【0042】
図3(a)に示す未圧縮粉末層は、ローラー28で敷きつめられた後の状態であり、粉末材料が安定していない状態を示している。
【0043】
次に、図3(b)および図3(c)に示すように、造形槽16を押圧部材32の下方側へ移動し、積層ステージ16aを上昇させる。
【0044】
即ち、未圧縮粉末層に圧力がかかるまで積層ステージ16aを上昇させて、押圧部材32と積層ステージ16aとの間で未圧縮粉末層が圧縮されている。
【0045】
未圧縮粉末層を圧縮することにより、粉末層を形成する粉末材料が一体となる。
【0046】
圧縮が終了すると、図3(d)に示すように、再び前方側へ移動してバインダーの吐出が行われる。
【0047】
このとき、粉末層は圧縮されて粉末材料が一体となっているため、粉末材料が安定せずに舞い上がるなどのおそれがなく、粉体同士の間の隙間がなくなる。
【0048】
なお、未圧縮粉末層を圧縮する際の圧力としては、例えば、9.8Pa(=1kgf/m)程度の力を加えればよいものであるが、粉末層を形成する粉末材料によって任意に設定してよいものである。
【0049】
即ち、本発明による三次元造形装置および三次元造形方法においては、粉末層にバインダーを吐出する前に、粉末材料よりなる未圧縮粉末層を積層ステージ上に形成した後に積層ステージを上昇させて、未圧縮粉末層を平面形状を有する押圧部材に当接させて一層ごとに圧縮して粉末層を形成するようにした。
【0050】
これにより、未圧縮粉末層を形成する粉末材料が圧縮されて安定した粉末層が形成され、粉末材料が安定するため舞い上がるなどのおそれがなくなり、粉体同士の間に隙間がなくなる。
【0051】
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(6)に示すように変形するようにしてもよい。
【0052】
(1)上記した実施の形態においては、積層ステージ16a上の粉末層を押圧部材32と当接させて圧縮するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、単に平面形状を有する面に当接して圧縮するようにしてもよい。
【0053】
(2)上記した実施の形態においては、ローラー支持部26が有する平面部26bの下面に押圧部材32を配置するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ローラー支持部26とは別に、ローラー支持部26の後方側であって、溝部14の上方側の領域に、別途に平面形状体を配設するようにしてもよい。
【0054】
(3)上記した実施の形態においては、押圧部材32の下面32aの高さ方向における位置としては、造形槽16が押圧部材32の下方側への移動が可能である高さであって、かつ、造形槽16の上端部16bが下面32aの直下となる高さに位置するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、積層ステージ16aを上昇させて未圧縮粉末層を押圧部材32に当接させた際に、造形槽16から粉末が溢れ出ることのない高さであれば、押圧部材32の下面32aと造形槽16の上端部16bとの間隙は任意に設定してよい。
【0055】
(4)上記した実施の形態においては、押圧部材32は、ローラー支持部26の平面部26aに配置され、造形槽16が最も後方側に移動し、積層ステージ16aが上昇したときに、積層ステージ16a上に形成された未圧縮粉末層と当接する位置に配置したが、これに限られるものではないことは勿論であり、未圧縮粉末層を圧縮する際に、造形槽16が有する積層ステージ16aの上面と押圧部材32とが対向する位置となるように、押圧部材32と造形槽16とが相対的に移動可能であればよく、どちらかを移動するようにしてもよいし、両方を移動するようにしてもよい。
【0056】
(5)上記した実施の形態においては、造形槽16へ供給された粉末材料はローラー28によって造形槽16内に敷きつめられて積層ステージ16a上に所定の厚さの未圧縮粉末層を形成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ローラー28を用いることなく積層ステージ16a上に未圧縮粉末層を形成するようにしてもよい。
【0057】
(6)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(5)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、粉末固着積層方式の三次元造形装置により三次元造形を行う際に用いて好適である。
【符号の説明】
【0059】
10 三次元造形装置、12 基台部、14 溝部、16 造形槽、18 収容槽、20 支持部、22 貯留槽支持レール、24 貯留槽、24a 開口部、26 ローラー支持部、28 ローラー、30 吐出ヘッド、32 押圧部材
図1
図2
図3