特許第6574624号(P6574624)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574624
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】ペンホルダ
(51)【国際特許分類】
   B43K 23/00 20060101AFI20190902BHJP
   B43K 23/04 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   B43K23/00 200C
   B43K23/04
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-131479(P2015-131479)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-13329(P2017-13329A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】591218972
【氏名又は名称】株式会社美工
(73)【特許権者】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】細野 明彦
(72)【発明者】
【氏名】新井 圭
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−179578(JP,U)
【文献】 米国特許第04189048(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 23/00
B43K 23/04
A47F 7/00
A47F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方開口箱形のペンスタンド内に挿入して使用されるペンホルダであって、
ペンスタンドの底壁上面に載置される底板ならびに底板の前後縁からそれぞれ上方にのびる正面板および背面板を有している断面略U形のペン収容体を、背面板および正面板の上縁どうしが連結された状態で前後方向に並んで2つ以上備えており、
各ペン収容体における正面板および背面板のうち少なくともいずれか一方の内面に、各ペン収容体に収容される複数本のペンが垂直に立った状態で左右方向に整列するように各ペン収容体内を区画する複数の垂直凸条が形成されている、ペンホルダ。
【請求項2】
全てのペン収容体が、1枚の樹脂シートを成形して得られた成形体を折曲加工することにより形成されている、請求項1記載のペンホルダ。
【請求項3】
各ペン収容体において、正面板の内面の複数の垂直凸条と、背面板の内面の垂直凸条とが、互いに正対するように形成されており、各垂直凸条は、略山形の横断面を有するものであって、各垂直凸条の左右両側面は、ペンの周面形状に沿うように凹弧面となされている、請求項1または2記載のペンホルダ。
【請求項4】
各ペン収容体における正面板および背面板のうち少なくともいずれか一方の内面の下部に、各ペン収容体に収容された複数本の出没式ペンのボディ先端部をそれぞれ支持してボディ先端部から繰り出されたペン先が底板の上面に接するのを防止する複数の支持凸部が形成されている、請求項1〜3のいずれか1つに記載のペンホルダ。
【請求項5】
前記出没式ペンが、ゴム弾性を有する材料からなりかつボディに装着されたグリップを有しており、当該グリップが前記垂直凸条に当接する、請求項記載のペンホルダ。
【請求項6】
各垂直凸条の上端面が、先端下向きの傾斜面となされている、請求項1〜のいずれか1つに記載のペンホルダ。
【請求項7】
全てのペン収容体の正面板および背面板のうち最前位置のペン収容体の正面板を除いたものが、ペンスタンドの深さとほぼ等しい高さを有しており、最前位置のペン収容体の正面板が、ペンスタンドの深さよりも長く、かつ同ペン収容体に収容される複数本のクリップ付きペンのクリップを正面板上部に差し止められるような高さを有している、請求項1〜のいずれか1つに記載のペンホルダ。
【請求項8】
前記クリップ付きペンのクリップが、クリップの長さ中間部とボディとの連結部を支点として揺動可能に設けられているとともに、クリップの後端部とボディとの間に弾発体が配設されており、当該弾発体の反発力により、クリップが差し止められている正面板上部に、クリップの前端部が弾性的に接触させられ、クリップの後端部をボディ側へ押圧することにより、クリップの前端部が前記正面板上部から離間させられる、請求項記載のペンホルダ。
【請求項9】
ペンホルダが、背面板および正面板の上縁どうしが連結された前後2つのペン収容体からなり、前ペン収容体が、その背面板の左右側縁からそれぞれ前方に向かってのびかつ先端縁がペンスタンドの前壁内面に当接させられる前向き左右側板を有しており、後ペン収容体が、その正面板の左右側縁からそれぞれ後方に向かってのびかつ先端縁がペンスタンドの後壁内面に当接させられる後向き左右側板を有している、請求項1〜のいずれか1つに記載のペンホルダ。
【請求項10】
前向き左右側板の前後幅が、前ペン収容体の底板の前後幅よりも大きいものとなされ、後向き左右側板の前後幅が、後ペン収容体の底板の前後幅よりも大きいものとなされている、請求項記載のペンホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ペンスタンドに立てられる複数本のペンを整列させるために用いられるペンホルダに関する。
この明細書において、「ペン」とは、ボールペン、サインペン、万年筆、マーカー、筆ペン、蛍光ペン、シャープペンシル、およびこれらに類する他の筆記具を指すものとし、また、「ペンスタンド」とは、上記ペンを立てるための上方開口箱形の容器であって、店舗等において什器として用いられるペンスタンドの他、オフィスや家庭の卓上等で用いられるペンスタンドが含まれることとする。
また、この明細書において、図2,7の左を「前」、同右を「後」といい、「左右」は、前から見た場合の左右をいうものとする。
【背景技術】
【0002】
一般に、店舗でボールペン・サインペン等のペンを陳列する場合、上方開口箱形のペンスタンドが広く用いられている。また、ノック式ボールペンのような出没式ペンの場合、ペン先が引っ込んだ状態のボディの先端部を下向きにして、ペンスタンドに立てられるようになっている(例えば下記特許文献1参照)。
また、インクカラーや芯径等が異なる多種類のペンを並べて陳列する場合、上方開口箱形のペンスタンドをひな壇状に複数列設けたペン陳列台が用いられることも多い。ペン陳列台の各列のペンスタンドは、例えば、インクカラーや芯径ごとに5〜10本程度ずつペンが立てられるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−119394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ペンスタンドを使用してペンを陳列する場合、ペンスタンドに立てられた複数本のペンがきれいに並ばず、特に、立てられたペンの本数が減ってくると、ペンの向きや角度がバラバラになって美観が損なわれ、陳列状態が悪くなるという問題があった。
さらに、ノック式ボールペンのような出没式ペンでは、消費者がペン先を繰り出した状態のままペンスタンドに戻すことも少なくなく、その場合、ペン先がペンスタンドの底壁上面に当たって痛むことがあり、また、ペン先から漏れたインクがペンスタンドの底壁上面等に付着して汚すという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、ペンスタンドに複数本のペンを常に整列した状態で立てておくことができるペンホルダを提供することにある。
また、この発明の更なる目的は、ノック式ボールペンのような出没式ペンをペンスタンドに立てる場合に、繰り出されたペン先が痛んだり、ペン先から漏れたインクによってペンスタンド内が汚れたりするのを確実に防止しうるペンホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の目的を達成するため、以下の態様からなる。
【0007】
1)上方開口箱形のペンスタンド内に挿入して使用されるペンホルダであって、
ペンスタンドの底壁上面に載置される底板ならびに底板の前後縁からそれぞれ上方にのびる正面板および背面板を有している断面略U形のペン収容体を、1つ、または、背面板および正面板の上縁どうしが連結された状態で前後方向に並んで2つ以上備えており、
各ペン収容体における正面板および背面板のうち少なくともいずれか一方の内面に、各ペン収容体に収容される複数本のペンが垂直に立った状態で左右方向に整列するように各ペン収容体内を区画する複数の垂直凸条が形成されている、ペンホルダ。
【0008】
2)1つのペン収容体、または、背面板および正面板の上縁どうしが連結された状態で前後方向に並んだ2つ以上のペン収容体が、1枚の樹脂シートを成形して得られた成形体を折曲加工することにより形成されている、上記1)のペンホルダ。
【0009】
3)各ペン収容体における正面板および背面板のうち少なくともいずれか一方の内面の下部に、各ペン収容体に収容された複数本の出没式ペンのボディ先端部をそれぞれ支持してボディ先端部から繰り出されたペン先が底板の上面に接するのを防止する複数の支持凸部が形成されている、上記1)または2)のペンホルダ。
【0010】
4)前記出没式ペンが、ゴム弾性を有する材料からなりかつボディに装着されたグリップを有しており、当該グリップが前記垂直凸条に当接する、上記3)のペンホルダ。
【0011】
5)各垂直凸条の上端面が、先端下向きの傾斜面となされている、上記1)〜4)のいずれか1つのペンホルダ。
【0012】
6)1つのペン収容体の正面板、または、背面板および正面板の上縁どうしが連結された状態で前後方向に並んだ2つ以上のペン収容体のうち最前位置のペン収容体の正面板が、同ペン収容体に収容される複数本のクリップ付きペンのクリップを正面板上部に差し止められるような高さを有している、上記1)〜5)のいずれか1つのペンホルダ。
【0013】
7)前記クリップ付きペンのクリップが、クリップの長さ中間部とボディとの連結部を支点として揺動可能に設けられているとともに、クリップの後端部とボディとの間に弾発体が配設されており、当該弾発体の反発力により、クリップが差し止められている正面板上部に、クリップの前端部が弾性的に接触させられ、クリップの後端部をボディ側へ押圧することにより、クリップの前端部が前記正面板上部から離間させられる、上記6)のペンホルダ。
【0014】
8)ペンホルダが、背面板および正面板の上縁どうしが連結された前後2つのペン収容体からなり、前ペン収容体が、その背面板の左右側縁からそれぞれ前方に向かってのびかつ先端縁がペンスタンドの前壁内面に当接させられる前向き左右側板を有しており、後ペン収容体が、その正面板の左右側縁からそれぞれ後方に向かってのびかつ先端縁がペンスタンドの後壁内面に当接させられる後向き左右側板を有している、上記1)〜7)のいずれか1つのペンホルダ。
【0015】
9)前向き左右側板の前後幅が、前ペン収容体の底板の前後幅よりも大きいものとなされ、後向き左右側板の前後幅が、後ペン収容体の底板の前後幅よりも大きいものとなされている、上記8)のペンホルダ。
【発明の効果】
【0016】
上記1)のペンホルダにあっては、これをペンスタンド内に挿入配置しておけば、ペンホルダの各ペン収容体に収容される複数本のペンが、正面板および/または背面板の内面に形成された複数の垂直凸条によって、垂直に立った状態で左右方向に整列させられる。この整列作用は、ペンスタンドに立てられたペンの本数が減った状態でも、同様に奏されるものである。
したがって、上記1)のペンホルダによれば、ペンスタンドに複数本のペンを常に整列した状態で立てておくことができ、例えば、ペンスタンドが什器として使用される場合においても、特別な手間を要することなく、美しい陳列状態を維持することができる。
【0017】
上記2)のペンホルダによれば、1つまたは2つ以上のペン収容体が、1枚の樹脂シートを成形して得られた成形体を折曲加工することにより形成されているので、その製造が容易であって、コストが抑えられ、また、軽量で取扱性に優れたものとなる。
【0018】
上記3)のペンホルダによれば、支持凸部によって、出没式ペンのボディ先端部から繰り出されたペン先が底板の上面に接するのが防止されるため、ペン先が痛むことがなく、また、ペン先から漏れたインクが、各ペン収容体の底板上面等、ひいてはペンスタンドの底壁上面等に付着して同面が汚れるのが効果的に防止される。
【0019】
上記4)のペンホルダによれば、ペンのボディに装着されたグリップが垂直凸条に当接するため、ペンのボディの損傷を防止することができる。
また、上記4)のペンホルダによれば、ゴム弾性を有する材料からなるグリップによって、ボディと垂直凸条との衝撃が緩和されるため、ボディの内部に収容したインキの移動や、筆記不良の原因となる空気の混入なども抑制することができる。
【0020】
上記5)のペンホルダによれば、各垂直凸条の上端面が先端下向きの傾斜面となされているので、例えばペン収容体に複数本のペンをまとめて収容する際、各ペンの先端部が、垂直凸条の上端面により、垂直凸条によって区画された各ペン収容体内の所要スペースに振り分けられ易くなる。したがって、上記4)のペンホルダによれば、ペンスタンドに多数本のペンを立てる作業が簡単になり、その作業時間も短縮される。
【0021】
上記6)のペンホルダによれば、ペンスタンドにクリップ付きペンが立てられる場合において、ペンスタンドの前壁内面に沿うペン収容体の正面板の上部に、同ペン収容体に収容されたクリップ付きペンのクリップを差し止めることができるので、より見栄えがする美しい状態で、クリップ付きペンを整列させることが可能となる。
【0022】
上記7)のペンホルダによれば、クリップの前端部が弾発体の反発力によって正面板上部に弾性的に接触させられるため、正面板上部にクリップを差し止めた状態が継続しても、クリップの挟持力が低減し難く、また、クリップの後端部を押圧することで、クリップの前端部が開くため、正面板上部に差し込みやすくなる。
【0023】
上記8)のペンホルダによれば、前ペン収容体の前向き左右側板の先端縁がペンスタンドの前壁内面に当接させられるとともに、後ペン収容体の後向き左右側板の先端縁がペンスタンドの後壁内面に当接させられるので、それによって、ペンホルダがペンスタンド内において前後方向にずれるのが阻止され、ペンの整列や保持が支障なく行われる。
【0024】
上記9)のペンホルダによれば、以下のような効果が奏される。即ち、上記8)のペンホルダの場合、前後ペン収容体に収容されるペンの形状等によっては(例えば、前後ペン収容体に収容されるクリップ付きペンのクリップどうしが干渉する場合)、前ペン収容体の正面板や後ペン収容体の背面板が、垂直にならずに、やや外側に広がることがあるが、上記9)のペンホルダのように、前向き左右側板の前後幅が前ペン収容体の底板の前後幅よりも大きいものとなされ、後向き左右側板の前後幅が後ペン収容体の底板の前後幅よりも大きいものとなされていれば、前ペン収容体の正面板や後ペン収容体の背面板が外側に広がるのが許容されるため、様々な形状等のペンを、前後ペン収容体に支障なく収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の実施形態に係るペンホルダの後方斜視図である。
図2図1のII−II線に沿うペンホルダの垂直断面図である。
図3図1のIII−III線に沿うペンホルダの水平断面図である。
図4】上記ペンホルダを構成する樹脂シート成形体の折曲加工前の状態の平面図である。
図5】上記ペンホルダを構成する樹脂シート成形体の折曲加工前の状態の正面図である。
図6】上記ペンホルダを挿入配置したペンスタンドにペンを立てた状態の斜視図である。
図7】上記ペンホルダを挿入配置したペンスタンドにペンを立てた状態の垂直断面図である。
図8】上記ペンホルダを挿入配置したペンスタンドに別のペンを立てた状態の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、この発明の実施形態を、図1〜8を参照して説明する。
以下の実施形態は、この発明を、店舗等においてペン陳列台を構成するペンスタンドに挿入して使用されるペンホルダに適用しており、また、ペンスタンドに立てられるペンとして、ノック式ボールペン等の出没式ペンであって、クリップを備えているものを対象としている。
【0027】
図1〜3に示すように、この実施形態のペンホルダ(1)は、互いに連結された前後2つのペン収容体(2A)(2B)よりなり、後述するように、1枚の樹脂シートを成形して得られた成形体(10)を折曲加工することにより形成されている。
【0028】
前後各ペン収容体(2A)(2B)は、底板(21)と、底板(21)の前縁から上方にのびる正面板(22A)(22B)と、底板(21)の後縁から上方にのびる背面板(23)とを有している断面略U形のものである。
2つのペン収容体(2A)(2B)は、前ペン収容体(2A)の背面板(23)の上縁と、後ペン収容体(2B)の正面板(22B)の上縁とが連結されることにより、一体のものとなされている。
底板(21)は、左右方向に長い方形状のものであって、ペン(6)の外径よりもやや大きい前後幅を有しているとともに、各ペン収容体(2A)(2B)に複数本(ここでは5本)のペン(6)を左右方向に並んで収容しうるような長さを有している(図7参照)。
前ペン収容体(2A)の背面板(23)ならびに後ペン収容体(2B)の正面板(22B)および背面板(23)は、同一の略正方形状のものであって、ペンスタンド(51)の深さとほぼ等しい高さを有している(図7参照)。
前ペン収容体(2A)の正面板(22A)は、縦長方形状のものであって、ペンスタンド(51)の深さよりも長く、かつ、前ペン収容体(2A)に収容されるペン(6)のクリップ(63)を正面板(22A)の上部に差し止められるような高さを有している(図6,7参照)。
【0029】
前ペン収容体(2A)は、その背面板(23)の左右側縁からそれぞれ前方に向かってのびる前向き左右側板(24A)を有しており、後ペン収容体(2B)は、その正面板(22B)の左右側縁からそれぞれ後方に向かってのびる後向き左右側板(24B)を有している。
前向き左右側板(24A)は、その前後幅が、前ペン収容体(2A)の底板(21)の前後幅よりも若干(例えば1〜3mm程度)大きいものとなされている。後向き左右側板(24B)も、その前後幅が、後ペン収容体(2B)の底板(21)の前後幅よりも若干(例えば1〜3mm程度)大きいものとなされている。
【0030】
前後各ペン収容体(2A)(2B)における正面板(22A)(22B)および背面板(23)の内面には、複数(ここでは4つ)の垂直凸条(25)が左右方向に等間隔おきに形成されている。正面板(22A)(22B)内面の複数の垂直凸条(25)と、背面板(23)内面の複数の垂直凸条(25)とは、互いに正対するように形成されている。
これらの垂直凸条(25)は、前後各ペン収容体(2A)(2B)に収容される複数本(ここでは5本)のペン(6)が垂直に立った状態で左右方向に整列するように各ペン収容体(2A)(2B)内を区画するものである。
各垂直凸条(25)は、略山形の横断面を有するものであって、その左右両側面は、ペン(6)の周面形状に沿うように凹弧面となされている。
前ペン収容体(2A)の背面板(23)ならびに後ペン収容体(2B)の正面板(22B)および背面板(23)の内面に形成されている垂直凸条(25)は、これらの板(23)(22B)の上縁近傍から下縁近傍まで達する長さを有している。また、前ペン収容体(2A)の正面板(22A)の内面に形成されている垂直凸条(25)も、その他の板(23)(22B)の内面に形成されている垂直凸条(25)と同じ長さを有するものであって、前ペン収容体(2A)の正面板(22A)の下端近傍から高さ中間位置まで達している。
【0031】
前後各ペン収容体(2A)(2B)における正面板(22A)(22B)および背面板(23)の内面の下部に、各ペン収容体(2A)(2B)に収容された複数本(ここでは5本)のペン(6)のボディ(61)先端部をそれぞれ支持してボディ(61)先端部から繰り出されたペン先(62)が底板(21)の上面に接するのを防止する支持凸部(26)が、左右方向に等間隔おきに複数ずつ(ここでは5つずつ)形成されている(図2,3,7参照)。
より具体的に言うと、支持凸部(26)は、前後各ペン収容体(2A)(2B)における正面板(22A)(22B)および背面板(23)それぞれの内面において、左右に隣り合う垂直凸条(25)どうしの間に形成された3つの垂直凹溝部(281)の下端寄り部分、左端の垂直凸条(25)と左側板(24A)(24B)との間に形成された垂直凹溝部(282)の下端寄り部分、および右端の垂直凸条(25)と右側板(24A)(24B)との間に形成された垂直凹溝部(282)の下端寄り部分に、それぞれ設けられている(図2,3参照)。
支持凸部(26)は、正面板(22A)(22B)および背面板(23)の内面に前後に向かい合って形成された対をなすものによって、各ペン(6)のボディ(61)先端部を前後両側から支持しうるように、凹弧状の水平断面を有するものとなされており、その内周面の上部(261)は、先細り状となされたボディ(61)先端部の形状に合わせて上方に広がるテーパ状となされている。支持凸部(26)の内周面の下部(262)は、上部(261)とは逆に、下方に広がるテーパ状となされている。
【0032】
図4,5は、ペンホルダ(1)を構成する樹脂シート成形体(10)の折曲加工前の状態を示したものである。
樹脂シート成形体(10)は、樹脂シートを所要形状に成形してなるものである。樹脂シートとしては、例えばポリプロピレン樹脂やABS樹脂等のシートが用いられ、より好適には、透明または半透明の樹脂シートが用いられる。樹脂シートの成形は、真空成形、圧空成形、プレス成形等によって行われるが、好適には、真空成形によって行われる。
図示の通り、樹脂シート成形体(10)は、前後各ペン収容体部(2A)(2B)を有している。前後ペン収容体部(2A)(2B)は、それぞれ底板部(21)、正面板部(22A)(22B)、背面板部(23)、および左右側板部(24A)(24B)を有しており、前ペン収容体部(2A)の背面板部(23)の上縁(図4,5の右縁)と、後ペン収容体部(2B)の正面板部(22B)の上縁(図4,5の左縁)とが連結されることにより一体化されている。
前後各ペン収容体部(2A)(2B)における正面板部(22A)(22B)および背面板部(23)の内面(図5の上面)には、それぞれ複数の垂直凸条(25)および支持凸部(26)が、樹脂シートを凸状に成形することによって形成されている。
前後各ペン収容体部(2A)(2B)における底板部(21)と正面板部(22A)(22B)および背面板部(23)との境界、前ペン収容体部(2A)における背面板部(23)と左右側板部(24A)との境界、および後ペン収容体部(2B)における正面板部(22B)と左右側板部(24B)との境界には、それぞれ折曲加工を容易にするための折曲用溝部(27)が形成されている。
そして、上記の樹脂シート成形体(10)を、折曲用溝部(27)の箇所でそれぞれ適宜方向に折曲加工することにより、図1〜3に示すペンホルダ(1)が得られる。
【0033】
図6,7は、上記ペンホルダ(1)が挿入配置されたペンスタンド(51)に複数本のペン(6)を立てた状態を示すものである。
図示のものは、左右方向に長い上方開口箱状の複数(ここでは3つ)のペンスタンド(51)が、ひな壇状に連結一体化されて、ペン陳列台(5)を構成しているものである。
図6に示すように、各ペンスタンド(51)には、複数(ここでは2つ)のペンホルダ(1)が左右に並んで挿入配置されている。
図7に示すように、ペンホルダ(1)の前後各ペン収容体(2A)(2B)の底板(21)が、ペンスタンド(51)の底壁(511)上面に載置されている。
また、ペンホルダ(1)の前向き左右側板(24A)の先端縁が、ペンスタンド(51)の前壁(512)内面に当接させられ、ペンホルダ(1)の後向き左右側板(24B)の先端縁が、ペンスタンド(51)の後壁(513)内面に当接させられている。
さらに、ペンスタンド(51)に挿入配置される複数のペンホルダ(1)の左右横幅の総和は、ペンスタンド(51)内の左右横幅(ペンスタンド(51)の左右側壁(514)間の水平距離)にほぼ等しいものとなされている。
以上の構成により、各ペンホルダ(1)は、ペンスタンド(51)内で前後左右にずれることなく、所定位置に保持されるようになっている。
また、ペンホルダ(1)は、その前ペン収容体(2A)の正面板(22A)の上部が、ペンスタンド(51)の開口から上方に突出させられているが、ペンホルダ(1)の残りの部分は、ほぼペンスタンド(51)内に収まっている。
ペンスタンド(51)にペン(6)を立てる場合、複数本(例えば5〜10本)のペン(6)をこれらのボディ(61)先端部が下向きとなるようにまとめて持ち、ペンスタンド(51)内に予め挿入配置されたペンホルダ(1)の前後ペン収容体(2A)(2B)に上方から挿入していくと、ペン(6)のボディ(61)先端部が垂直凸条(25)の傾斜した上端面(251)に案内されて適宜スペースに振り分けられることにより、前後各ペン収容体(2A)(2B)内に左右方向に整列して収容され、ボディ(61)先端部が支持凸部(26)によって支持されたところで静止する。その後、前ペン収容体(2A)に収容されたペン(6)のクリップ(63)を正面板(22A)の上部に差し止める。こうして、ペンホルダ(1)に、複数本のペン(6)が、前後2列に整列した状態で垂直に立てられ、この整列状態は、ペンホルダ(1)に立てられたペン(6)の本数が減ってもそのまま維持される。
また、ペン(6)のボディ(61)先端部が前後に対をなす支持凸部(26)によって支持された状態において、ボディ(61)先端部から繰り出されたペン先(62)は、両支持凸部(26)どうしの間を通って両支持凸部(26)の下方空間に突出するが、底板(21)の上面には接しないようになっている(図7参照)。したがって、ペン先(62)が痛むことがなく、また、ペン先(62)から漏れたインクが、各ペン収容体(2A)(2B)の底板(21)上面等、ひいてはペンスタンド(51)の底壁(511)上面等に付着して同面が汚れるのが防止される。
【0034】
図8は、上記ペンホルダ(1)を挿入配置したペンスタンド(51)に、別の形態のペン(6X)を立てた状態を示したものである。
図示のペン(6X)は、ボディ(61)内に、ボールペンチップからなるペン先(62)を装着したボールペンレフィル(64)をコイルスプリング(65)(付勢部材)によって後方に付勢して収納してあり、ボディ(61)内に具備した回転カム(66)による出没機構によって、ノック体(67)を押圧することで、ペン先(62)をボディ(61)先端部から出没可能とした出没式のペンである。
【0035】
ボディ(61)の先端側には、熱可塑性エラストマーからなるグリップ(68)が装着されている。
ペンホルダ(1)にペン(6X)を挿入配置すると、グリップ(68)が垂直凸条(25)に当接するようになっている。
グリップ(68)は、弾性変形可能なシリコーンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、塩化ビニル樹脂、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、ポリエチレン樹脂、その他合成ゴム、熱可塑性エラストマー等、ペンのグリップとして一般的に知られている常温でゴム弾性を示す弾性体のなかから適宜選定して用いることができる。
【0036】
また、ボディ(61)の基端側に備えられたクリップ(63X)は、クリップ(63X)の長さ中間部とボディ(61)との連結部(611)を支点として揺動可能に設けられている。クリップ(63X)の後端部(図8の上側の端部)とボディ(61)との間には、コイルスプリング(69)(弾発体)が配設されている。
そして、コイルスプリング(69)の反発力により、クリップ(63X)が差し止められているペンホルダ(1)の正面板(22A)上部に、クリップ(63X)の前端部(図8の下側の端部)が弾性的に接触させられ、また、クリップ(63X)の後端部をボディ(61)側へ押圧することにより、クリップ(63X)の前端部が正面板(22A)上部から離間させられるようになっている。
【0037】
なお、この発明によるペンホルダによって保持されるペンは、特に限定されるものではなく、例えば、ペンがボールペンである場合においても、使用するインキは、剪断減粘性を付与した水性または油性ボールペン用インキ、ニュートン粘性の油性ボールペン用インキなど、特に限定されるものではない。
【0038】
ペンのインキ粘度もまた、特に限定されるものではないが、筆記時のインキ粘度が5000mPa・sを超えると、筆記時のボール回転抵抗が大きくなり、筆感が重くなる傾向がある。そのため、筆記時のインキ粘度は、10〜5000mPa・sが好ましい。より好ましくは、30〜3000mPa・sであり、最も好ましくは、50〜2500mPa・sである。
ここで、上記のインキ粘度は、剪断減粘性を付与した水性ボールペン用インキの場合にあっては、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を使用した、20℃、剪断速度384sec−1の条件下におけるインキ粘度を示しており、また、剪断減粘性を付与した油性ボールペン用インキや、ニュートン粘性の油性ボールペン用インキの場合にあっては、ティー・エイ・インスツルメント株式会社製AR−G2(ステンレス製、40mm、2°ローター)を使用した、20℃、剪断速度500sec−1の条件下におけるインキ粘度を示している。
【0039】
剪断減粘性を付与した水性ボールペン用インキを用いた場合、100m当たりのインキ消費量Yを、100mg以上、好ましくは200mg以上とすることで、濃い筆跡および滑らかな筆感が得られる。しかし、その反面、インキ消費量を多くすると、インキ漏れが発生しやすいため、この発明の効果は顕著である。
【0040】
また同様に、油性ボールペン用インキを用いた場合には、100m当たりのインキ消費量Yを、ボール径Xとしたとき、Y≧60X、好ましくはY≧70Xとすることで、濃い筆跡および滑らかな筆感が得られる。
なお、上記100m当たりのインキ消費量は、JIS規格S6054に準じて測定(20℃、筆記角度70度、筆記速度4m/min、自公転、筆記荷重100gf、下敷きステンレス板)したものであり、100m筆記後にインキ残量を測定して計算によって求めたものである。また、こうした試験を計5本行い、その平均値によって求められるものである。
【0041】
また、ボールペンのペン先を構成するボールとしては、たとえばボール径0.3mm〜1.6mmのものを使用することができ、0.7mm以上のボール径の場合には、インキ消費量が多くなるため、好適に用いることができる。
【0042】
この発明のペンホルダは、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更を加えた上で実施することも勿論可能である。
例えば、上記実施形態のペンホルダ(1)は、前後方向に並んだ2つ(または3つ以上)のペン収容体(2A)(2B)で構成されているが、単一のペン収容体で構成されていても構わない。後者の場合、左右側板は、背面板の左右側縁から前方にのびるように設けられる他、正面板の左右側縁から後方にのびるように設けられてもよい。
また、上記実施形態のペンホルダ(1)では、垂直凸条(25)が、正面板(22A)(22B)および背面板(23)の内面に前後に正対するように形成されているが、正面板および背面板のうちいずれか一方の内面のみに垂直凸条を形成するようにしてもよい。あるいは、垂直凸条を、正面板および背面板の内面に、左右方向に所定間隔おきに交互に形成してもよい。
さらに、上記実施形態のペンホルダ(1)では、支持凸部(26)が、正面板(22A)(22B)および背面板(23)の内面の下部に、前後に対をなすように形成されているが、正面板および背面板のうちいずれか一方の内面のみに支持凸部を形成するようにしてもよい。あるいは、支持凸部を、正面板および背面板の内面に、左右方向に所定間隔おきに交互に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
この発明によるペンホルダは、店舗等において什器として用いられるペンスタンド、あるいはオフィス・家庭の卓上等で用いられるペンスタンドに挿入配置して、ペンスタンドに立てられたペンを整列させる目的で好適に用いられる。
【符号の説明】
【0044】
(1):ペンホルダ
(2A):前ペン収容体
(2B):後ペン収容体
(21):底板
(22A)(22B):正面板
(23):背面板
(24A):前向き左右側板
(24B):後向き左右側板
(25):垂直凸条
(251):上端面
(26):支持凸部
(10):樹脂シート成形体
(5):ペン陳列台
(51):ペンスタンド
(6)(6X):ペン
(61):ボディ
(62):ペン先
(63)(63X):クリップ
(68):グリップ
(69):コイルスプリング(弾発体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8