特許第6574627号(P6574627)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6574627乾式掃除及び湿式掃除のための床掃除機並びに自立走行式の床掃除機の動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574627
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】乾式掃除及び湿式掃除のための床掃除機並びに自立走行式の床掃除機の動作方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20190902BHJP
   A47L 11/24 20060101ALI20190902BHJP
   A47L 11/30 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   A47L9/28 E
   A47L11/24
   A47L11/30
   A47L9/28 L
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-144225(P2015-144225)
(22)【出願日】2015年7月21日
(65)【公開番号】特開2016-36725(P2016-36725A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2018年5月21日
(31)【優先権主張番号】10 2014 111 217.2
(32)【優先日】2014年8月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】592022394
【氏名又は名称】フォルヴェルク・ウント・ツェーオー、インターホールディング・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】VORWERK & COMPAGNIE INTERHOLDING GESELLSHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】ローレンツ・ヒレン
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・メグレ
(72)【発明者】
【氏名】ジェニー・シェッフェル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・フォン・デア・ヘイデン
(72)【発明者】
【氏名】ナズィル・エイドモハムマディ
(72)【発明者】
【氏名】ザブリナ・ホフマン
【審査官】 高田 基史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−113488(JP,A)
【文献】 実開昭48−011668(JP,U)
【文献】 特表2007−513659(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0820740(KR,B1)
【文献】 国際公開第2014/105220(WO,A1)
【文献】 特表2008−529752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/22−9/32
A47L 11/24
A47L 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自立走行式の床掃除機(20)の動作のための方法であって、前記床掃除機(20)が、センサ(29)により得られたデータから計算された走行方針に基づく1又は複数の所定のアルゴリズムに従い、第1の作業ステップにおいて、掃除対象の床(1、2、3、4、5、6、6’、7)上の第1の作業経路(11、12、13、14、15、16、16’、17)を走行しつつ、第1の掃除ユニット(22、26)により第1の掃除工程を実行する動作方法において、
前記第1の作業ステップ中、前記掃除対象の床(1、2、3、4、5、6、6’、7)の複数の領域が、少なくとも第2の作業ステップにおいて第2の掃除ユニット(21、23、24)により掃除される領域か、又は、第2の掃除ユニット(21、23、24)による掃除を省かれる領域かを決定されることを特徴とする動作方法。
【請求項2】
走行手段(27)と、床(1、2、3、4、5、6、6’、7)の乾式掃除のための第1の掃除ユニット(22、26)と、前記床(1、2、3、4、5、6、6’、7)の複数の領域(2、3、4、6、7)の湿式掃除のための第2の掃除ユニット(21、23、24)と、制御装置とを具備する自立走行式の床掃除機(20)であって、前記制御装置は、前記床掃除機(20)が、第1の作業ステップにおいて、センサ(29)により得られたデータから計算された走行方針に基づく1又は複数の所定のアルゴリズムに従い、掃除対象の床(1、2、3、4、5、6、6’、7)上の第1の作業経路(11、12、13、14、15、16、16’、17)を走行しつつ、第1の掃除ユニット(22、26)を用いて第1の掃除工程を実行するように構成されている、前記床掃除機(20)において、
前記第1の作業ステップ中、前記掃除対象の床(1、2、3、4、5、6、6’、7)の複数の領域が、少なくとも第2の作業ステップにおいて第2の掃除ユニット(21、23、24)により掃除される領域か、又は、第2の掃除ユニット(21、23、24)による掃除を省かれる領域かを決定されることを特徴とする床掃除機。
【請求項3】
前記第1及び第2の掃除ユニット(21、22、23、24、26)がそれぞれ、前記床掃除機の異なる走行方向である互いに反対の走行方向において稼働状態とされることを特徴とする請求項2に記載の床掃除機。
【請求項4】
前記第1の掃除ユニットが、ブラシ(26)を含む機械的掃除機構と、床掃除機(20)の第1の走行方向(A)において前記機械的掃除機構の後方に設けられた吸引ダクト(22)とを具備し、かつ、前記第2の掃除ユニットが、掃除対象の床に適用された水分を吸引するための吸引ノズル(21)を具備し、前記吸引ノズル(21)が、前記第1の走行方向(A)に対して反対の前記床掃除機(20)の第2の走行方向(B)において前記機械的掃除機構の後方かつ前記走行手段(27)の後方に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の床掃除機。
【請求項5】
前記床掃除機(20)が、センサ要素(29)により得られたデータから計算した走行方針に基づく1又は複数の所定のアルゴリズムに従い、掃除対象の前記床(1、2、3、4、5、6、6’、7)上の作業経路(11、12、13、14、15、16、16’、17)を走行するために、前記センサ要素(29)と連係する制御装置(28)を具備することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の床掃除機。
【請求項6】
前記吸引ノズル(21)が、前記第2の走行方向(B)に関して、前記床掃除機(20)の後尾に配置されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の床掃除機。
【請求項7】
吸引ダクト(22)と加水ユニット(23)が、走行手段を構成する駆動輪(27)と回転駆動されるブラシ(26)の間に配置されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の床掃除機。
【請求項8】
前記床掃除機(20)が、真水タンク(24)と、塵と汚水のための蓄積容器(25)とを具備することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の床掃除機。
【請求項9】
前記第1の掃除ユニット(22、26)及び/又は前記第2の掃除ユニット(21、23、24)が、稼働位置から非稼働位置に鉛直方向に変位可能であることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の床掃除機。
【請求項10】
制御装置を具備する自立走行式の床掃除機(20)であって、前記制御装置は、前記床掃除機(20)が、第1の作業ステップにおいて、センサ(29)により得られたデータから計算された走行方針に基づく1又は複数の所定のアルゴリズムに従い、掃除対象の床(1、2、3、4、5、6、6’、7)上の第1の作業経路(11、12、13、14、15、16、16’、17)を走行しつつ、第1の掃除ユニット(22、26)を用いて第1の掃除工程を実行するように構成されている、前記床掃除機(20)において、
前記第1の作業ステップ中、前記掃除対象の床(1、2、3、4、5、6、6’、7)の複数の領域が、少なくとも第2の作業ステップにおいて第2の掃除ユニット(21、23、24)により掃除される領域か、又は、第2の掃除ユニット(21、23、24)による掃除を省かれる領域かを決定されることを特徴とする床掃除機。
【請求項11】
前記第1の作業ステップにおいて乾式掃除が行われ、前記第2の作業ステップにおいて湿式掃除が行われ、前記第2の作業ステップでは、前記第1の作業ステップ中に決定された領域(2、3、6、7)のみが掃除されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記塵の蓄積容器(25)が、乾式掃除において塵の蓄積容器として用いられ、かつ、湿式掃除において汚水の蓄積容器として用いられることを特徴とする請求項1又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の作業ステップにおいて、ベースステーション(9)にて蓄積容器(25)を空にするとともに、前記真水タンク(24)を充填することを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の作業ステップにおいて乾式掃除が行われ、前記第2の作業ステップにおいて湿式掃除が行われ、前記第2の作業ステップでは、前記第1の作業ステップ中に決定された領域(2、3、6、7)のみが掃除されることを特徴とする、自立走行式の請求項10に記載の床掃除機。
【請求項15】
前記塵の蓄積容器(25)が、乾式掃除において塵の蓄積容器として用いられ、かつ、湿式掃除において汚水の蓄積容器として用いられることを特徴とする、自立走行式の請求項10又は14に記載の床掃除機。
【請求項16】
前記第2の作業ステップにおいて、ベースステーション(9)にて蓄積容器(25)を空にするとともに、前記真水タンク(24)を充填することを特徴とする、自立走行式の請求項10又は15に記載の床掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立走行式の床掃除機の動作のための方法であって、床掃除機が、センサにより得られたデータから計算された走行方針に基づく1又は複数の所定のアルゴリズムに従い、第1の作業ステップにおいて、掃除対象の床上の第1の作業経路を走行し、第1の掃除ユニットにより第1の掃除工程を実行する動作方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、その方法を実行するように構成された制御装置を具備する自立走行式の床掃除機に関する。
【背景技術】
【0003】
自立走行式の床掃除機は公知の技術であり、このような装置は例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
このような掃除ロボットは、駆動ユニットと、周囲を検知するためのセンサと、駆動のための走行命令を処理しかつ生成するための演算ユニットとを有する。その演算ユニットは、プログラム可能又はプログラムに従って動作する制御装置であり、掃除対象の部屋内の方向制御を行うことができる。掃除ロボットの部屋内での方向制御、マップ作成、及び掃除対象の床上の作業経路の構築のための方法は、特許文献2〜7により知られている。公知の方向制御方法、障害物の検知のための方法又は掃除対象の床の表面特性の検知及び走行経路の構築のための方法により、第1の作業ステップにおいて第1の掃除ユニットにより第1の掃除工程が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102 42 257 A1号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第2 471 426 A2号公報
【特許文献3】独国特許出願公開第10 2010 000 174 A1号公報
【特許文献4】独国特許出願公開第10 2009 059 217 A1号公報
【特許文献5】独国特許出願公開第10 2010 015 941 A1号公報
【特許文献6】独国特許出願公開第10 2010 016 553 A1号公報
【特許文献7】独国特許出願公開第10 2008 014 912 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術においてさらに、2つの互いに異なる床掃除機を、2つの時間的に連続する作業ステップで用いることが知られている。第1の掃除機を用いて、第1の作業ステップにおいて乾式掃除が行われ、その場合、吸引装置を用いて掃除される床から塵が吸引される。その後、第2の掃除機を用いて、第2の作業ステップにおいて湿式掃除が行われ、その間、床は濡らされ、モップを掛けられ、残った水分が拭き取られる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、先ず上述した方法を改良し有用な装置を提供することである。
【0008】
この目的は、請求の範囲で特定される本発明により達成される。
【0009】
第1の作業ステップにおいて、第1の作業経路を走行する。このステップにおいて、自立走行式の床掃除機は、掃除対象の床全体を走行可能であることが好適である。特に、搭載されたセンサ要素を用いて床掃除機が、第1の作業ステップ中に床の表面特性を決定する。そのようにして得られたデータから、制御装置が、第2の作業ステップ中に掃除されるべき掃除対象の床の領域を決定可能である。第2の作業ステップ中、第1の掃除ユニットとは異なる第2の掃除ユニットが使用され、第1の作業ステップとは異なる第2の作業ステップを実行する。
好適には、第1の作業ステップ中、例えばブラシと吸引ダクトである機械的掃除機構が用いられる乾式掃除が行われる。ブラシにより塵粒子が床から機械的に除去される。吸引ダクトにより除去された塵粒子が塵の蓄積容器に吸引される。好適には、第2の作業ステップ中、湿式掃除が行われる。2つの掃除工程は同じ床掃除機により実行され、この床掃除機は2つの掃除ユニットを有している。第1の掃除ユニットにより例えば乾式掃除工程である第1の掃除工程が実行され、そして第2の掃除ユニットにより例えば湿式掃除工程である第2の掃除工程が実行される。好適には、湿式掃除工程は、加水ユニットを用いて掃除対象表面上に真水を適用する拭き掃除工程である。拭き掃除ユニットにより掃除対象の床に対し機械的に作用できることが好適である。水分は、吸引ノズルにより吸引される。汚水は、汚水の蓄積容器に送られる。好適な実施形態では、床掃除機が、第1の作業ステップの完了後にベースステーションへ行き、そこで真水タンクに真水を充填されるとともに塵の蓄積容器が空にされる。塵の蓄積容器は、第2の作業ステップ中は汚水タンクとして使用することができる。
第1の作業ステップ中、第2の作業ステップのための準備として、掃除ロボットにより走行される床のマッピングが実行される。床は、センサの補助により、異なるカテゴリに分類される。それらのカテゴリは、「湿式掃除対象」と「湿式掃除非対象」を少なくとも含む。しかしながら、床をさらに多くのカテゴリに分類してもよい。例えば、多様なタイプの湿式掃除や、さらに洗浄剤を使用することなどである。異なるタイプの床を区別するために、従来技術において公知の方法を用いてもよい。
制御装置の記憶手段の内部には、例えばマップ形式、座標形式又はポリゴン外郭線形式による方向制御データが記憶されている。方向制御データは、第1の掃除工程に加えて第2の掃除工程が実行されるべき区切られた領域、又は、第2の掃除工程を実行すべきでない区切られた領域を特徴付けるものである。掃除対象の床は、互いに接している複数の掃除対象の部屋の床を含んでもよい。部屋全体の床又は部屋全体の床の一部をカテゴリに分類してもよい。例えば部屋の床がカーペットで覆われていると床掃除機が検知したとき、部屋全体に例えば「湿式掃除非対象」のカテゴリを割り当てられてもよい。しかしながら、別の場合には床掃除機が、「湿式掃除対象」のカテゴリを割り当てられた床でカーペットを検知し、そしてそのカーペットが占めている床領域の面に「湿式掃除非対象」のカテゴリを割り当ててもよい。第2の作業ステップ中には、それらの部屋は、少なくとも「湿式掃除対象」のカテゴリが割り当てられた部分領域のみが走行される。「湿式掃除非対象」の領域は第2の作業ステップを省かれる。
【0010】
本発明はさらに、走行手段と、床の乾式掃除のための第1の掃除ユニットとを有する床掃除機の改良に関する。
【0011】
この装置の実際的価値を高めるために、床掃除機が、床の湿式掃除のための第2の掃除ユニットを有するように構成される。本発明の装置は、異なる必要性に応じた掃除ユニットを有する。「吸引掃除」と「拭き掃除」の機能を単一の装置で行うことができる。2つの掃除ユニットが床掃除機に設けられることにより、それらは、異なる走行方向においてその機能を発揮する。従って、例えば、吸引掃除モードでは前方に向かって床の作業を行い、続いて拭き掃除モードでは後方に向かって掃除を行う。その場合、掃除対象の床の乾式走行において収集された上記の知見を用いることができる。乾式掃除で得られた、水拭き対象の床の空間的配置に関する知見は、適切な走行方針を規定するために用いることができる。
本発明の好適な実施形態では、第2の掃除ユニットの吸引ノズルが、床掃除機の走行方向において床掃除機の後尾に配置されている。このことは、拭き掃除された床が、床掃除機の駆動輪やブラシ機構によりその上を走行されないという利点がある。床掃除機のブラシは、拭き掃除機能を実行することもできる。
床掃除機は、2つの互いに反対の方向に走行するように操作されてもよい。床掃除機は、乾式掃除のために第1の方向に操作される。この操作においては、例えばブラシである機械的な掃除機構の後方に、ブラシが機械的に床から除去した塵を吸引するための吸引ダクトが存在する。機械的な掃除機構は、その場合、走行方向において走行手段より前方に配置されている。床掃除機は、吸引ダクトにより吸引された塵を収集する塵の蓄積容器を有することができる。床掃除機は、湿式掃除のために反対方向に操作される。その場合、加水ユニットを、走行方向において機械的掃除機構すなわち拭き掃除機構の前方に配置することができる。走行方向において、ブラシの後方かつ駆動輪の後方に吸引ノズルを有し、その吸引ノズルにより、床の水分を吸引することができる。これは、床面をスライドする吸引ノズルの吸引リップ片の補助により行うことができる。吸引効果を得るために、床掃除機は吸引ファンを有する。第1及び/又は第2の掃除ユニットは、その稼働位置から非稼働位置とするために鉛直方向に移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、7つの部屋の床からなる掃除対象床面であり、点線及び実線により自立走行式の床掃除機の経路が示されそれらに沿って床掃除機は乾式掃除のために走行し、また1つの経路の点線が示されそれに沿って床掃除機はそれに続く湿式掃除局面で走行する。
図2図2は、乾式掃除中床掃除機の構成及び走行方向を概略的に示す。
図3図3は、図1と同様の図であり、床掃除機が湿式掃除局面で引き続き走行する経路のみが点線で示されている。
図4図4は、図2と同様の図であるが、湿式掃除動作の走行方向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
【0014】
図2及び図4は、自立走行式の床掃除機の構成を極めて概略的に示している。床掃除機は、図1及び図3に符号9で示されるベースステーションと共に作業する。ベースステーション9は、床掃除機20のバッテリに充電可能であり、床掃除機20の真水タンク24に真水を充填可能であり、蓄積容器25を空にすることができる。蓄積容器25は、塵の蓄積容器としても汚水の蓄積容器としても使用可能である。
【0015】
自立走行式の床掃除機20は、センサ29と、記憶手段を具備する電気的な制御装置28とを具備する。制御装置28の記憶手段の中に、制御プログラムと、方向制御データとが記憶されている。床掃除機の更なる実施形態において、空間における方向制御機能、掃除対象の床の障害物及び表面特性の認識確率については、関連する従来技術が参照される。特に、特許文献1−7の内容の全ては、本発明の請求の範囲における本願の特徴を含める目的においても、本願に包含されるものとする。
【0016】
図2及び図4に示された装置は、シャーシを推進させる走行手段27を構成する駆動輪を用いて、互いに反対向きのAとBの2つの方向に駆動可能である。走行手段27は、この作業装置を旋回させたり、予め設定された作業経路を走行したりすることもできる。この作業装置は、符号29で示されるフラットなセンサ要素を用いて空間における方向決めを行う。そのセンサ要素とともに制御装置28が連係して動作する。センサ要素29は、床の塵状況を決定し、かつ、記憶手段に記憶することができる。
【0017】
床掃除機20のシャーシの下部領域には、吸引口を有する吸引ノズル21と、例えば電気モータにより回転駆動されるブラシ26と、吸引ダクト22と、加水ユニット23と、上述した走行手段27とが配置されている。さらに、床掃除機20の内部には、吸引流を発生するためのファンユニットが配置されている。
【0018】
図2に示す第1の動作モードにおいて、床掃除機は、第1の走行方向Aに駆動させられる。この動作モードにおいては乾式掃除が行われ、それによりブラシ26によって床から塵粒子が除去される。吸引ダクト22を通してファンによる吸引流が発生し、除去される塵を、塵の蓄積容器25に搬送する。この動作モードにおいて、ブラシ26は走行方向において吸引ダクト22及び走行手段27の前方に配置されている。
【0019】
この最初の作業ステップ中、床掃除機20は、図1に点線と実線で示された作業経路11、12、13、14、15、16、16’、17に沿って床1、2、3、4、5、6、7をもつ7つの部屋を通って走行する。センサ要素29を用いて制御装置28が床面を解析する。
同時に、ブラシ26及び吸引ダクト22を用いて乾式掃除が行われる。その作業は、好適には、システム的に並行して行われる。しかしながら、これらの作業は、非システム的にランダムに行うこともできる。
【0020】
第1の部屋の床面は、例えばセンサによりカーペット敷きの床であると認識されることで、「湿式掃除非対象」のカテゴリが割り当てられる。第2、第3、第4及び第7の部屋の床2、3、4、7は、例えばセンサ機構により合成樹脂の床であると認識されることで、「湿式掃除対象」のカテゴリが割り当てられる。第5の部屋の床5は、例えば比較的繊細な木の床であると認識されることで、「湿式掃除非対象」のカテゴリが割り当てられる。
【0021】
第6の部屋で床掃除機20は、「湿式掃除対象」のカテゴリが割り当てられる床6のその経路16を認識する。経路の一部16’上で床掃除機20は、「湿式掃除非対象」のカテゴリが割り当てられる床面の一部6’を認識する。例えば、センサ装置がそこにカーペットを検知することによる。
【0022】
全ての作業経路11、12、13、14、15、16、16’、17において乾式掃除が行われた第1の作業ステップの完了後、床掃除機20はベースステーション9に移動する。そこで塵の蓄積容器25を空にし、そして真水タンク24が真水で満たされる。
【0023】
拭き掃除モードには、吸引掃除モードの走行方向とは反対の走行方向が関連付けられるので、床掃除機20は、ここでその走行方向を変える。乾式掃除の際の走行方向Aとは反対方向である図4の矢印Bの方向に走行する。この時点で第2の掃除ユニットが使用可能となり、その掃除ユニットは、第1の作業ステップ中には非稼働だったものである。第1の掃除ユニット、特に吸引ダクト22がこの時点で非稼働となる。駆動輪27と吸引ダクト22の間にある加水ユニット23により、床面が濡らされる。走行方向Bにおいて、加水ユニット23の後ろにブラシ26がある。このブラシは、湿式作業中は非稼働とすることができ、すなわち引き上げられる。しかしながら、ブラシはワイパー装置として働くこともできる。これに替えて、別の機械的な掃除ユニットを設けることもでき、それは、乾式掃除においては非稼働とされ、湿式掃除のために降ろされる。
【0024】
走行方向Bにおいて走行手段27及びブラシ26の後方に水分を吸い取るための吸引ノズル21がある。吸引ノズル21は、床面上をスライドする吸引リップ片を有してもよい。吸引ノズル21には吸引ダクトを接続することができ、それと共にブロアユニットが吸引流を発生することにより、水分を床面から蓄積容器25内に回収できる。この実施形態では、汚水の回収を塵の蓄積容器で行う。従って、蓄積容器25には、2通りの使用形態がある。吸引ノズル21の一部にワイパーユニットが設けられてもよく、それによりブラシ26が拭き取り機能をもつ必要がなくなる。
【0025】
第2の作業ステップ中、床掃除機は図3に示す作業経路12、13、14、16及び17を走行する。この場合、床2、3、4、5、6及び7は完全に湿式で掃除される。部屋から部屋への移行経路は、符号19、19’、19”及び19’”の破線で示されている。
【0026】
第6の部屋でカーペットとして検知された床面6’の領域は、湿式掃除が回避される。湿式掃除モード中、床掃除機20を形成するロボットも、前回の乾式掃除において「湿式掃除対象」として分類された領域のみを標的とする。乾式掃除において「湿式掃除非対象」と分類された床の領域は、床掃除機の走行経路から省かれる。床掃除機は、省かれた領域についてはその周りを通るかその上を通過する。その際、床掃除機は、第3の動作状態である「通過走行モード」に移行し、そのモードでは乾式掃除も湿式掃除も行わない。
【0027】
湿式掃除ユニット21は、進行方向において床掃除機20のハウジングの後尾にて掃除機内に設けられているので、湿式掃除された床面は、掃除の際に、ブラシ26によっても走行手段27によってもその上を通過されない。湿式掃除中に床掃除機20の制御が行われることにより、既に湿式掃除された床面は再び走行されることはない。従って、走行経路19、19’、19”及び19’”は、後で湿式掃除される領域は通り抜けるように、制御装置28による湿式掃除のための作業経路の計算により選択される。但しこれは、湿式掃除対象の床に関してのみ行われる。
【0028】
第2の作業ステップの最後に、床掃除機はベースステーション9に到達し、そこで汚水のタンクを空にする。
【0029】
床掃除機2が互いに異なる掃除ユニットを有し、それらが床掃除機20の異なる走行方向において動作可能であることが、特に好適である。従って、本発明は、吸引用と水拭き用のロボットを1つの装置で提供する。それによりメンテナンスが軽減される。この装置は、シンプルに設計されたベースステーション9と連係することができる。ベースステーション9は、床掃除機20を充填し、かつ、汚水又は塵を廃棄するためのものである。塵と汚水を兼用する蓄積容器25は2回使用されるので、比較的大きく形成されるべきである。これにより、掃除時間を比較的長時間とできる。この装置は、「通過走行モード」で掃除対象の部屋における湿式掃除対象である特定の場所に向かうことが可能である。
【0030】
ブラシ26は、加水ユニット23と吸引ノズル21の間にあるが、乾式掃除における走行方向において吸引ダクト22の前にあるので、ブラシ26は2回同じように使用される。ブラシ26は、湿式掃除及び乾式掃除の双方に使用される。
【0031】
床掃除機は、長方形又はD形の底部を有する。湿式掃除ユニット21、23は、乾式掃除ユニット26、22と同様に、ハウジング幅全体に延在している。
【0032】
乾式掃除ユニット26、22及び湿式掃除ユニット21、23は、鉛直方向に引き上げることができる。それにより、吸引ノズル21とそれに備わる吸引リップ片、吸引ダクト22、加水ユニット23及びブラシ26を鉛直方向に引き上げることができる。これは、適宜のモータ駆動により行われる。鉛直方向への引き上げは「通過走行モード」のために設けられる。
【0033】
上述した構成は、本願における全体的に把握される発明の理解を助けるものでり、本発明は特に、従来技術に対し少なくとも以下の特徴の組合せを個々に独立してさらに付加するものである。
【0034】
方法においては、第1の作業ステップ中に掃除対象の床1、2、3、4、5、6、6’、7の領域が決定され、それらの領域は、少なくとも第2の作業ステップ中に第2の掃除ユニット21、23、24を用いて掃除される領域か、第2の掃除ユニット21、23、24による掃除を省かれる領域かを決定されることを特徴とする。
【0035】
床掃除機においては、床1、2、3、4、5、6、6’、7の領域2、3、4、6の湿式掃除のための第2の掃除ユニット21、23、24を特徴とする。
【0036】
床掃除機においては、第1の掃除ユニットが、特にブラシ26を含む機械的掃除機構と、床掃除機20の第1の走行方向Aにおいてその機械的掃除機構の後方に配置された吸引ダクト22とを有し、第2の掃除ユニットが、掃除対象の床上に撒かれた水分の吸引のための吸引ノズル21を有し、その場合、吸引ノズル21が、床掃除機20の第1の走行方向Aに対して反対の第2の走行方向Bにおいて機械的掃除機構の後方でありかつ走行手段27の後方に配置されていることを特徴とする。
【0037】
床掃除機においては、床掃除機20が、センサ29により得られたデータから計算した走行方針に基づく1又は複数のアルゴリズムに従って掃除対象の床1、2、3、4、5、6、6’、7上の作業経路11、12、13、14、15、16,16’、17を走行するために、センサ要素29と連係する制御装置28を有することを特徴とする。
【0038】
床掃除機においては、吸引ノズル21が、第2の走行方向Bにおいて床掃除機20の後尾に配置されていることを特徴とする。
【0039】
床掃除機においては、吸引ダクト22と加水ユニット23が、走行手段を構成する駆動輪27と特に回転駆動されるブラシ26の間に配置されることを特徴とする。
【0040】
床掃除機においては、床掃除機20が、真水タンク24と、塵と汚水のための蓄積容器25とを有することを特徴とする。
【0041】
床掃除機においては、第1の掃除ユニット22、26及び/又は第2の掃除ユニット21、23、24が、その稼働状態から非稼働状態へと鉛直方向に移動可能である。
【0042】
自立走行式の床掃除機においては、第1の作業ステップ中、作業対象の床1、2、3、4、5、6、6’、7の領域が決定され、その領域は、少なくとも第2の作業ステップ中に第2の掃除ユニット21、23、24を用いて掃除される領域であるか、又は、第2の掃除ユニット21、23、24を用いた掃除を省かれる領域である。
【0043】
方法においては、第1の作業ステップ中に乾式掃除が、そして第2の作業ステップ中に湿式掃除が実行され、その場合、第2の作業ステップ中に、第1の作業ステップ中に決定された領域2、3、6、7のみが掃除されることを特徴とする。
【0044】
方法においては、塵の蓄積容器25が、乾式掃除において塵の蓄積容器として、そして湿式掃除において汚水の蓄積容器として用いられることを特徴とする。
【0045】
方法においては、ベースステーション9にて塵の蓄積容器25を空にしかつ真水タンク24を充填した後、第2の作業ステップが行われることを特徴とする。
【符号の説明】
【0046】
1、2、3、4、5、6、6’、7、8 床面
9 ベースステーション
11、12、13、14、15、16、16’、17、18 作業経路/走行経路
19 移行経路
20 床掃除機
21 吸引ノズル
22 吸引ダクト(塵)
23 加水ユニット
24 真水タンク
25 塵の蓄積容器
26 ブラシ
27 走行手段/駆動輪
28 制御装置
29 センサ要素
A、B 走行方向
図1
図2
図3
図4