(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基材フィルムと前記第1の(メタ)アクリル系粘着剤層との間及び前記基材フィルムと前記第2の(メタ)アクリル系粘着剤層との間の少なくとも一方に配置された、遮光層をさらに備える、請求項1又は2に記載の両面粘着テープ。
前記基材フィルムと前記第1の(メタ)アクリル系粘着剤層との間及び前記基材フィルムと前記第2の(メタ)アクリル系粘着剤層との間の少なくとも一方に配置された、光反射層をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
前記黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムに含まれる顔料が、カーボンブラック、アニリンブラック、チタンブラック、無機顔料ヘマタイト又はペリレンブラックを含む、請求項5に記載の両面粘着テープ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バックライトモジュールを有する液晶表示装置用途において、両面粘着テープは、液晶表示モジュールの表示部の外周部分の貼り合わせに用いられている。このような貼り合わせに染色や印刷によって着色された特許文献1の両面粘着テープを使用すると、光漏れしたり、液晶に表示ムラが生じたりする場合がある。
【0006】
この原因について本願発明者らが検討した結果、バックライトモジュールの高輝度化に伴い、両面粘着テープにピンホールや、部分的に遮光が弱くなる抜けが生じたりする場合があり、その結果、液晶表示装置などにおいて、光漏れしたり、液晶に表示ムラが生じたりしていることを見出した。
【0007】
本発明の目的は、高い遮光性と高い粘着性との双方を高いレベルで両立することができる両面粘着テープを提供すること、並びに該両面粘着テープを備える液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の広い局面によれば、黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムである基材フィルムと、前記基材フィルムの第1の表面側に配置されている、第1の(メタ)アクリル系粘着剤層と、前記基材フィルムの前記第1の表面側とは反対の第2の表面側に配置されている、第2の(メタ)アクリル系粘着剤層とを備え、前記基材フィルムの厚みが、12μm以上、50μm以下であり、前記基材フィルムの光学濃度が、4.0以上であり、前記基材フィルムの比重が、1.38g/cm
3以上、1.50g/cm
3以下である、両面粘着テープが提供される。
【0009】
本発明に係る両面粘着テープのある特定の局面では、面積1mm
2あたりに存在する、直径が10μm以上のピンホールの個数が、0個である。
【0010】
本発明に係る両面粘着テープのある特定の局面では、前記基材フィルムと前記第1の(メタ)アクリル系粘着剤層との間及び前記基材フィルムと前記第2の(メタ)アクリル系粘着剤層との間の少なくとも一方に配置された、遮光層をさらに備える。
【0011】
本発明に係る両面粘着テープのある特定の局面では、前記基材フィルムと前記第1の(メタ)アクリル系粘着剤層との間及び前記基材フィルムと前記第2の(メタ)アクリル系粘着剤層との間の少なくとも一方に配置された、光反射層をさらに備える。
【0012】
本発明に係る両面粘着テープのある特定の局面では、前記黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムが、顔料を含む。好ましくは、前記黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムに含まれる顔料が、カーボンブラック、アニリンブラック、チタンブラック、無機顔料ヘマタイト又はペリレンブラックを含む。
【0013】
本発明に係る両面粘着テープのある特定の局面では、前記第1の(メタ)アクリル系粘着剤層及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層がそれぞれ、顔料を含む。好ましくは、前記第1の(メタ)アクリル系粘着剤層及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層に含まれる顔料がそれぞれ、カーボンブラック、アニリンブラック、チタンブラック、無機顔料ヘマタイト又はペリレンブラックを含む。
【0014】
本発明に係る両面粘着テープのある特定の局面では、厚みが、20μm以上、80μm以下である。
【0015】
本発明に係る両面粘着テープのある特定の局面では、前記両面粘着テープは液晶表示装置に用いられる。
【0016】
本発明の広い局面によれば、液晶表示装置本体と、前記液晶表示装置本体において、部材を貼り合わせている、本発明に従って構成される両面粘着テープとを備える、液晶表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る両面粘着テープは、黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムである基材フィルムと、基材フィルムの第1の表面側に配置されている、第1の(メタ)アクリル系粘着剤層と、基材フィルムの第1の表面側とは反対の第2の表面側に配置されている、第2の(メタ)アクリル系粘着剤層とを備え、基材フィルムの厚みが、12μm以上、50μm以下であり、基材フィルムの光学濃度が、4.0以上であり、基材フィルムの比重が、1.38g/cm
3以上、1.50g/cm
3以下であるので、高い遮光性と高い粘着性との双方を高いレベルで両立することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0020】
[両面粘着テープ]
図1は、本発明の一実施形態に係る両面粘着テープを示す模式的正面断面図である。
図1に示すように、両面粘着テープ1は、基材フィルム2と、第1及び第2の遮光層5,6と、第1及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層3,4とを備える。
【0021】
基材フィルム2は、第1の表面2a及び第2の表面2bを有する。第1の表面2aと、第2の表面2bとは、互いに対向している。第1の表面2a上に、第1の遮光層5及び第1の(メタ)アクリル系粘着剤層3がこの順に配置され、積層されている。第2の表面2b上に、第2の遮光層6及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層4がこの順に配置され、積層されている。
【0022】
基材フィルム2の第1の表面2aは、第1の遮光層5に接している。第1の遮光層5は、基材フィルム2と第1の(メタ)アクリル系粘着剤層3との間に配置されている。第1の表面2aは、第1の(メタ)アクリル系粘着剤層3が配置される側の表面である。
【0023】
基材フィルム2の第2の表面2bは、第2の遮光層6に接している。第2の遮光層6は、基材フィルム2と第2の(メタ)アクリル系粘着剤層4との間に配置されている。第2の表面2bは、第2の(メタ)アクリル系粘着剤層4が配置される側の表面である。
【0024】
基材フィルム2は、黒色のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)である。基材フィルム2の厚みは、12μm以上、50μm以下である。基材フィルム2の光学濃度は、4.0以上、6.0以下である。基材フィルムの比重は、1.38g/cm
3以上、1.50g/cm
3以下である。基材フィルム2が、上記の構成を備えるため、両面粘着テープ1は遮光性に優れている。
【0025】
第1及び第2の(メタ)アクリル粘着剤層3,4はそれぞれ、(メタ)アクリル重合体により構成されている。第1及び第2の(メタ)アクリル粘着剤層3,4は、同じ材料により構成されていることが好ましいが、異なる材料によって構成されていてもよい。
【0026】
第1及び第2の遮光層5,6はそれぞれ、黒色の印刷層である。第1及び第2の遮光層5,6を設けることにより、両面粘着テープ1の遮光性をより一層高めることができる。第1及び第2の遮光層5,6が設けられているため、両面粘着テープ1の遮光性がより一層高められている。
【0027】
両面粘着テープ1では、基材フィルム2の両面に第1及び第2の遮光層5,6が設けられている。なお、本発明においては、基材フィルムの一方側の表面にのみ遮光層が設けられていてもよく、いずれの表面にも遮光層が設けられていなくてもよい。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係る両面粘着テープの変形例を示す模式的断面図である。
図2に示すように、変形例の両面粘着テープ1Aでは、基材フィルム2Aの第1の表面2a上に、第1の遮光層5A及び第1の(メタ)アクリル系粘着剤層3Aがこの順に配置され、積層されている。第2の表面2b上に、光反射層7及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層4Aがこの順に配置され、積層されている。
【0029】
変形例に示すように、本発明においては、基材フィルム2Aと第2の(メタ)アクリル系粘着剤層4Aとの間に、光反射層7を設けてもよい。光反射層は、基材フィルムの一方の表面側のみに設けてもよく、両側の表面側に設けてもよい。また、基材フィルムと(メタ)アクリル系粘着剤層との間に、遮光層及び光反射層の双方を設けてもよい。
【0030】
両面粘着テープ1や、両面粘着テープ1Aなどの本発明に係る両面粘着テープは、上記の構成を備えているため、高い遮光性と、高い粘着性の双方を高いレベルで両立することができる。特に、本発明に係る両面粘着テープは、高い遮光性を有するため、ピンホールや、部分的に遮光が弱くなる抜けの発生を抑制することができる。そのため、本発明に係る両面粘着テープを、バックライトモジュールを有する液晶表示装置において、液晶表示モジュールの表示部の外周部分の貼り合わせに用いた場合、光漏れや液晶の表示ムラが生じ難い。
【0031】
光漏れや液晶の表示ムラをより一層抑制する観点から、両面粘着テープは、面積1mm
2あたりに存在する、直径が10μm以上のピンホールの個数が、0個であることが好ましい。なお、上記ピンホールの個数は、光源に高輝度LEDを用い、暗室で60000ルクスの光を5秒間以上照射したときに、両面粘着テープの面積1mm
2あたりに存在する、直径が10μm以上のピンホールの個数である。
【0032】
また、本発明に係る両面粘着テープは、高い遮光性と、高い粘着性の双方を高いレベルで両立することができるため、液晶表示装置に用いることができる。特に、ピンホールや抜けの発生を抑制することができるので、液晶表示モジュールの表示部の外周とバックライトモジュールとを貼り合わせる用途に好適に用いることができる。
【0033】
以下、本発明の両面粘着テープを構成する材料の詳細を説明する。
【0034】
(基材フィルム)
基材フィルムは、黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムである。上記黒色のポリエチレンフタレートフィルムは、顔料を含むことが好ましい。
【0035】
顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、チタンブラック、無機顔料ヘマタイト及びペリレンブラック等が挙げられる。顔料は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0036】
上記黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムは、例えば、透明のポリエチレンテレートフィルムと顔料とを混練することにより作製することができる。
【0037】
上記混練方法としては、特に限定されないが、例えば、プラストミルなどの二軸スクリュー混練機、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールなどの混練装置を用いて、加熱下において混練する方法などが挙げられる。
【0038】
基材フィルムの厚みは、12μm以上、50μm以下である。基材フィルムの厚みが、上記下限以上及び上記上限以下である場合、両面粘着テープの遮光性を高めることができる。
【0039】
両面粘着テープのより一層の薄型化を図りつつ、遮光性を高める観点から、基材フィルムの厚みは、12μm以上であることが好ましく、38μm以下であることが好ましい。
【0040】
基材フィルムの光学濃度は、4.0以上である。基材フィルムの光学濃度が、上記下限以上である場合、両面粘着テープの遮光性と粘着性とを高いレベルで両立させることができる。上記光学濃度の上限は特に限定されない。
【0041】
両面粘着テープの遮光性と粘着性を高いレベルで両立させる観点から、基材フィルムの光学濃度は、4.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。
【0042】
なお、光学濃度は、例えば、エックスライト社製、商品名:透過濃度計361Tにより測定することができる。
【0043】
基材フィルムの比重は、1.38g/cm
3以上、1.50g/cm
3以下である。基材フィルムの比重が、上記下限以上及び上記上限以下である場合、両面粘着テープの遮光性と粘着性を高いレベルで両立させることができる。
【0044】
両面粘着テープの遮光性と粘着性を高いレベルで両立させる観点から、基材フィルムの比重は、1.40g/cm
3以上であることが好ましく、1.45g/cm
3以下であることが好ましい。
【0045】
また、基材フィルムの光透過率に関しては、波長380〜780nmの可視光領域における平均透過率が0.01%以下であることが好ましく、0.001%以下であることがより好ましい。
【0046】
基材フィルムは、表面がコロナ処理や易接着コートされている基材フィルムであることが好ましい。
【0047】
また、基材フィルムは、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤を含んでいてもよい。
【0048】
(第1及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層)
第1及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層はそれぞれ、(メタ)アクリル系粘着剤により構成されている。第1の(メタ)アクリル系粘着剤層に含まれる(メタ)アクリル系粘着剤と、第2の(メタ)アクリル系粘着剤層に含まれる(メタ)アクリル系粘着剤とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0049】
(メタ)アクリル重合体;
上記第1及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層はそれぞれ、(メタ)アクリル重合体を含む。該(メタ)アクリル重合体には(メタ)アクリル共重合体が含まれる。
【0050】
上記(メタ)アクリル重合体は、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、他の共重合可能な重合性モノマーとを含む混合モノマーを共重合して得られた(メタ)アクリル共重合体であることが好ましい。上記(メタ)アクリル共重合体を構成する全モノマー(混合モノマー)100重量%中、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの含有量は好ましくは90重量%以上、好ましくは99.5重量%以下である。
【0051】
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、特に限定されないが、アルキル基の炭素数が1〜12の1級又は2級のアルキルアルコールと、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0052】
上記共重合可能な他の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等の官能性モノマーが挙げられる。上記共重合可能な他の重合性モノマーは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0053】
上記混合モノマーを共重合させて上記(メタ)アクリル共重合体を得るには、例えば、上記混合モノマーを、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させる。上記混合モノマーをラジカル反応させる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられる。重合方法としては、例えば、溶液重合法(沸点重合法又は定温重合法)、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、およびUV重合法等が挙げられる。
【0054】
上記重合開始剤としては特に限定されず、有機過酸化物、及びアゾ化合物、光重合開始剤等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、及びt−ブチルパーオキシラウレート、等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、及びアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。上記光重合開始剤として、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン等が挙げられる。上記重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】
架橋剤;
第1及び第2の(メタ)アクリル粘着剤層ではそれぞれ、架橋剤により、上記(メタ)アクリル共重合体の架橋が進行されていることが好ましい。
【0056】
上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤、多官能アクリレートなどが挙げられる。上記架橋剤は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0057】
粘着付与樹脂;
第1及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層はそれぞれ、粘着付与樹脂をさらに含んでいてもよい。
【0058】
上記粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体及び脂環式系共重合体等の石油系樹脂;クマロン−インデン系樹脂;テルペン系樹脂;テルペンフェノール系樹脂;重合ロジン等のロジン系樹脂;フェノール系樹脂;キシレン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、水素添加された樹脂であってもよい。上記粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0059】
顔料;
第1及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層は、それぞれ、顔料を含んでいてもよい。顔料の含有により、両面粘着テープの遮光性をより一層高めることができる。
【0060】
顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、チタンブラック、無機顔料ヘマタイト及びペリレンブラック等が挙げられる。顔料は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0061】
両面粘着テープの遮光性と粘着性を高いレベルで両立させる観点から、(メタ)アクリル系重合体100重量部に対する顔料の含有量は、1重量部以上であることが好ましく、20重量部以下であることが好ましい。
【0062】
その他;
第1及び第2の(メタ)アクリル系粘着剤層は、さらに、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じて他の充てん剤、酸化防止剤又は紫外線吸収剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
【0063】
(第1及び第2の遮光層)
第1及び第2の遮光層はそれぞれ、例えば、黒色の印刷層である。上記印刷層は、インク組成物により形成することができる。上記インク組成物は、黒色材料を含み、必要に応じてバインダーや溶剤を含んでいてもよい。第1及び第2の遮光層は、それぞれ、基材フィルム上に、インク組成物を塗布し、乾燥することにより形成することができる。なお、本発明において、第1及び第2の遮光層は設けなくともよい。
【0064】
(第1及び第2の光反射層)
第1及び第2の光反射層はそれぞれ、例えば、白色又は銀色の印刷層である。上記印刷層は、インク組成物により形成することができる。上記インク組成物は、白色材料又は銀色材料を含み、必要に応じてバインダーや溶剤を含んでいてもよい。第1及び第2の光反射層は、それぞれ、基材フィルム上に、インク組成物を塗布し、乾燥することにより形成することができる。なお、本発明において、第1及び第2の光反射層は設けなくともよい。
【0065】
(両面粘着テープの他の詳細)
本発明の両面粘着テープの製造方法として、例えば、以下のような方法が挙げられる。
【0066】
まず、(メタ)アクリル重合体及び架橋剤に、必要に応じて粘着付与樹脂等を加え、また溶剤を加えて粘着剤の溶液を調製する。この粘着剤の溶液を基材フィルムの両側の表面に塗布する。溶液中の溶剤を乾燥除去するとともに、(メタ)アクリル重合体の架橋を進行させ粘着剤層を形成する。次に、形成された粘着剤層の上に離型フィルムをその離型処理面が粘着剤層に対向した状態に重ね合わせる。この結果、離型フィルム/粘着剤層/基材フィルム/粘着剤層/離型フィルムの積層構造を有する両面粘着テープが得られる。なお、遮光層や光反射層を設ける場合は、まず、基材フィルム上に上述した方法により、遮光層又は光反射層を形成し、その上に上記の方法で粘着剤層を形成すればよい。
【0067】
上記粘着剤の溶液を作製するための溶剤としては、特に限定されず、酢酸エチル、トルエン、ジメチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。
【0068】
上記溶剤の乾燥方法としては、IRヒータやオーブンなどの乾燥炉に入れて乾燥させる方法が挙げられる。乾燥は、常圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。
【0069】
本発明の両面粘着テープの厚みは、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、好ましくは80μm以下、より好ましくは60μm以下である。
【0070】
本発明の粘着テープの形状は特に限定されず、長方形、額縁状、円形、楕円形、及び円環状等が挙げられる。
【0071】
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶表示装置本体と、該液晶表示装置本体において、部材を貼り合わせている上記両面粘着テープとを備える。上記両面粘着テープは、例えば、対向する2つの部材の貼り合わせに用いることができる。上記両面粘着テープは、表示部の外周部において部材の貼り合わせに用いることができる。
【0072】
本発明の液晶表示装置を構成する両面粘着テープは、上記の構成を備えているため、高い遮光性と、高い粘着性の双方を高いレベルで両立することができる。特に、本発明の両面粘着テープは、高い遮光性を有するため、ピンホールや、部分的に遮光が弱くなる抜けの発生を抑制することができる。そのため、本発明の液晶表示装置は、光漏れや液晶の表示ムラが生じ難い。従って、本発明の液晶表示装置は、信頼性に優れている。
【0073】
以下、本発明について、具体的な実施例に基づき、更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0074】
(
参考例1)
(メタ)アクリル系粘着剤の調製;
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備える反応装置に、ブチルアクリレート(BA)62重量部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)35重量部、アクリル酸(AAc)3重量部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部を混合した混合モノマーと、溶剤としての酢酸エチル100重量部とを含む反応液を仕込み、窒素ガスを用いて30分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した。
【0075】
その後、装置内を窒素ガスで置換し、反応液を攪拌しながらオイルバスにて反応液が還流温度になるまで昇温した。反応液が還流温度に到達した時点で、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部をシクロヘキサン1.35重量部に溶解させた重合開始剤溶液を7時間かけて反応液に加え、混合モノマーを共重合させた。重合完了後に得られたアクリル共重合体溶液に、架橋剤としてのコロネート(日本ポリウレタン社製「L−55」)1.5重量部及び粘着付与樹脂としてのロジン変性樹脂(荒川化学社製)30重量部を加えて攪拌し、(メタ)アクリル系粘着剤溶液を調製した。
【0076】
両面粘着テープの作製;
一面が離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。このポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に上記で得られた(メタ)アクリル系粘着剤溶液を乾燥後の厚みが9μmとなるように塗布し、110℃で3分間乾燥させて、上記粘着剤溶液中のアクリル共重合体の架橋を進行させ、ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に粘着剤層を有する積層シートを作製した。同様の要領で上記積層シートをさらにもう1個作製し、合計2個の上記積層シートを得た。
【0077】
次に、基材フィルムとして、カーボンブラック(顔料)1重量%を含むポリエチレンテレフタレートフィルム(FATRA社製、商品名「BO PET film」、厚み36μm、比重1.41g/cm
3)を用意した。上記基材フィルムの一方側の表面に、一方の上記積層シートを粘着剤層面から積層して粘着剤層を基材フィルムに転写及び積層一体化させた。基材フィルムの他方側の表面にもう一方の上記積層シートを粘着剤層面から積層して粘着剤層を基材フィルムに転写及び積層一体化させた。それによって、基材フィルムの両面に厚みが7μmの粘着剤層が設けられた厚み50μmの両面粘着テープを得た。
【0078】
(実施例2
、参考例3,4、実施例5及び参考例6〜9)
粘着剤層の色、基材フィルムの厚み及び粘着剤層の厚みを下記の表1のように設定したこと、並びに遮光層としての印刷層1及び印刷層2を下記の表1に示す厚みで設けたこと以外は
参考例1と同様にして両面粘着テープを得た。
【0079】
なお、黒色の粘着剤層は、重合完了後に得られたアクリル共重合体溶液に、架橋剤と同時に、顔料であるカーボンブラックのスチレン−マレイン酸樹脂分散体(東洋インキ製造社製「マルチラックA−903ブラック」)5重量部を加えて攪拌し、粘着剤溶液を調製したこと以外は、
参考例1と同様の方法で作製した。
【0080】
また、印刷層1は、基材フィルムの一方側の表面に、顔料であるカーボンブラックを含むポリウレタン系樹脂含有黒インキ(大日精化工業社製「ラミックF220墨」)100重量部と、ポリイソシアネート系化合物(大日精化工業社製「ラミックBハードナー」)5重量部とを混合したインク組成物を塗布した組成物を塗布することにより作製した。なお、この場合、粘着剤層は、印刷層1の上に上記と同じ方法にて作製した。さらに印刷層2を設ける場合も印刷層1と同様の方法で基材フィルムの他方側の表面上に作製した。
【0081】
(比較例1〜6)
比較例1〜6では、各層の構成を以下の表1に示すように変更したこと以外は
参考例1と同様にして、両面粘着テープを得た。比較例3〜6では、顔料の含有量が異なる基材フィルムに変更することで、光学濃度を異ならせた。
【0082】
<評価>
得られた両面粘着テープ及び該両面粘着テープを構成する基材フィルムについて、下記の評価を行った。結果を下記の表1に示す。
【0083】
(1)基材フィルムの光学濃度
基材フィルムの光学濃度は、透過濃度計(エックスライト社製、品番:透過濃度計361T)を用いて、OD値を測定することにより求めた。光学濃度を下記の基準で判定した。
【0084】
[光学濃度の判定基準]
○…光学濃度が、4.0以上
×…光学濃度が、4.0未満
【0085】
(2)ピンホール
光源として、高輝度LEDを用いて、暗室で照度60000ルクスの光を5秒間以上照射し、光学顕微鏡(KEYENCE社製、品番:VW6000、倍率:200倍)にて、両面粘着テープの面積1mm
2あたりに存在する、直径が10μm以上のピンホールの個数を求めた。また、両面粘着テープの色が全体に薄いか、黒色ではなく茶色に見えるか(茶抜け)についても、結果を記載した。光学濃度を下記の基準で判定した。
【0086】
[ピンホールの判定基準]
○…ピンホールの個数が、0個
×…ピンホールの個数が、1個以上
【0087】
(3)遮光性(パネル代替評価)
図3に示すように、外側の外形を92mm×54mm、テープ巾を2.0mmにて額縁状(矩形)に打ち抜きした両面粘着テープ51を用意した。この両面粘着テープ51を用いて、バックライトを模したLEDライト52上に4inchサイズ(88mmx51mm)のBEFシート(TBEFIIGMV2(24))53と外形100×63mm、巾5mmに打ち抜きした厚さ0.5mmのタキロン社製PC54とを貼り合わせ、厚さ2.0mm、外形100x66mmのガラス板55を乗せて、パネルの代替とした試験体50を得た。得られた試験体50について、暗室にてライトを点灯させたときに、テープ箇所の光漏れ及び点灯画面に遮光性不足やピンホールに由来する画面のムラや異常がないかを確認した。遮光性を以下の基準で判定した。
【0088】
[遮光性の判定基準]
○…画面異常無し(光もれ、ピンホール無し)
△…画面異常有り(打ち抜きテープにピンホールが存在している場合)
×…画面異常有り(光もれ(遮光性未達)、ピンホール有り)