特許第6574686号(P6574686)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6574686コルゲートチューブ保持具、及び、保持具付きコルゲートチューブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574686
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】コルゲートチューブ保持具、及び、保持具付きコルゲートチューブ
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20190902BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   H02G3/04 018
   H02G3/04 068
   H02G3/30
【請求項の数】5
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-225851(P2015-225851)
(22)【出願日】2015年11月18日
(65)【公開番号】特開2017-99053(P2017-99053A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚本 真史
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−5217(JP,A)
【文献】 特開平9−130941(JP,A)
【文献】 特開2015−23615(JP,A)
【文献】 特開2008−154343(JP,A)
【文献】 特開2010−154667(JP,A)
【文献】 特開2010−283935(JP,A)
【文献】 特開2002−225648(JP,A)
【文献】 特開2016−27770(JP,A)
【文献】 特開2016−144363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H02G 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コルゲートチューブを保持するための保持具であって、
コルゲートチューブを収容する空間を画成可能な複数の保持部材と、
前記空間の軸線方向に延びる第1板部、及び、前記第1板部に交差する方向に前記第1板部から突出する第2板部、を有する保持片と、を備え、
前記複数の保持部材は、
前記保持片の前記第1板部が繋がり且つ前記保持片が前記空間に向けて突出するように設けられた第1保持部材、前記第1保持部材を挟むようにヒンジ部を介して前記第1保持部材と繋がった第2保持部材及び第3保持部材、並びに、前記第2保持部材及び前記第3保持部材を相対移動不能に固定可能な第4保持部材、を含み、
前記第2保持部材、前記第3保持部材及び前記第4保持部材の少なくとも一つは、
コルゲートチューブを前記空間の軸線方向に移動不能に保持可能な保持構造を有する、
コルゲートチューブ保持具。
【請求項2】
請求項1に記載のコルゲートチューブ保持具において、
前記第4保持部材が、
前記第2保持部材及び前記第3保持部材を前記空間の内側に向けて押圧する、
コルゲートチューブ保持具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコルゲートチューブ保持具において、
前記第1保持部材、前記第2保持部材、前記第3保持部材及び前記第4保持部材のうちの少なくとも1つが、
前記保持片に沿って前記軸線方向に延びる開口部を有する、
コルゲートチューブ保持具。
【請求項4】
コルゲートチューブと、前記コルゲートチューブを保持するための保持具と、を備えた保持具付きコルゲートチューブであって、
前記保持具は、
前記コルゲートチューブを収容する空間を画成可能な複数の保持部材と、
前記空間の軸線方向に延びる第1板部、前記第1板部に交差する方向に前記第1板部から突出する第2板部、及び、前記第1板部が延びる方向に沿って前記第1板部からの距離が徐々に大きくなる傾斜面を有するように前記第1板部から突出する傾斜突起部、を有する保持片と、を備え、
前記コルゲートチューブは、
該コルゲートチューブの長さ方向に沿ったスリットと、
該コルゲートチューブの端部において前記スリットが前記傾斜突起部の傾斜面に対応する形状を有するように広がったスリット拡大部と、を備え、
前記複数の保持部材は、
前記保持片の前記第1板部が繋がり且つ前記保持片が前記空間に向けて突出するように設けられた第1保持部材、前記第1保持部材を挟むようにヒンジ部を介して前記第1保持部材と繋がった第2保持部材及び第3保持部材、並びに、前記第2保持部材及び前記第3保持部材を相対移動不能に固定可能な第4保持部材、を含み、
前記第2保持部材、前記第3保持部材及び前記第4保持部材の少なくとも一つは、
前記コルゲートチューブを前記空間の軸線方向に移動不能に保持可能な保持構造を有する、
と共に、
前記コルゲートチューブの前記スリット拡大部に前記保持片の前記傾斜突起部が挟まれた状態にて、前記コルゲートチューブが前記保持具に保持される、
保持具付きコルゲートチューブ。
【請求項5】
請求項4に記載の保持具付きコルゲートチューブにおいて、
前記第4保持部材が、
前記第2保持部材及び前記第3保持部材を前記空間の内側に向けて押圧する、
保持具付きコルゲートチューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コルゲートチューブ保持具、及び、コルゲートチューブ保持具がコルゲートチューブに取り付けられた保持具付きコルゲートチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コルゲートチューブを保持する保持具(「プロテクタ」ともいう。)が提案されている。この種の保持具は、一般に、コルゲートチューブの外周面の凹部と保持具の内壁面に設けた凸部とを係合させることにより、コルゲートチューブを保持具から外れないように(抜けないように)保持している。ところが、コルゲートチューブに外力が及んだ場合等において、コルゲートチューブのスリットの両端面がオフセットすると、コルゲートチューブのチューブ径が小さくなり(細くなり)、保持具からコルゲートチューブが外れる(抜ける)虞がある。このようなコルゲートチューブの外れ(以下「コルゲートチューブ抜け」という。)は、出来る限り確実に防止されることが望ましい。
【0003】
例えば、従来の保持具の一つ(以下「従来保持具」という。)は、コルゲートチューブ抜けを防ぐため、保持具の内壁面からコルゲートチューブに向かって突出する薄板状の突起を設け、この突起をコルゲートチューブのスリットに挿入するようになっている。この突起によってスリットの両端面のオフセットが抑制され、コルゲートチューブ抜けが防止されることになる(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−99976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来保持具では、突起が保持具の内壁面に設けられているため、内壁面に設けられたコルゲートチューブ係止用の凸部とコルゲートチューブとの干渉を避けながら、突起をコルゲートチューブのスリットに挿入する必要がある。そのため、従来保持具をコルゲートチューブに取り付ける作業が煩雑となると考えられる。このような煩雑さは、同作業の効率を低下させる原因となり得る。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コルゲートチューブへの容易な取り付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立可能なコルゲートチューブ保持具、及び、コルゲートチューブとコルゲートチューブ保持具との容易な組み付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立可能な保持具付きコルゲートチューブ、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係るコルゲートチューブ保持具は、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1)
コルゲートチューブを保持するための保持具であって、
コルゲートチューブを収容する空間を画成可能な複数の保持部材と、
前記空間の軸線方向に延びる第1板部、及び、前記第1板部に交差する方向に前記第1板部から突出する第2板部、を有する保持片と、を備え、
前記複数の保持部材は、
前記保持片の前記第1板部が繋がり且つ前記保持片が前記空間に向けて突出するように設けられた第1保持部材、前記第1保持部材を挟むようにヒンジ部を介して前記第1保持部材と繋がった第2保持部材及び第3保持部材、並びに、前記第2保持部材及び前記第3保持部材を相対移動不能に固定可能な第4保持部材、を含み、
前記第2保持部材、前記第3保持部材及び前記第4保持部材の少なくとも一つは、
コルゲートチューブを前記空間の軸線方向に移動不能に保持可能な保持構造を有する、
コルゲートチューブ保持具であること。
(2)
上記(1)に記載のコルゲートチューブ保持具において、
前記第4保持部材が、
前記第2保持部材及び前記第3保持部材を前記空間の内側に向けて押圧する、
コルゲートチューブ保持具であること。
(3)
上記(1)又は上記(2)に記載のコルゲートチューブ保持具において、
前記第1保持部材、前記第2保持部材、前記第3保持部材及び前記第4保持部材のうちの少なくとも1つが、
前記保持片に沿って前記軸線方向に延びる開口部を有する、
コルゲートチューブ保持具であること。
【0008】
上記(1)の構成のコルゲートチューブ保持具(以下、単に「保持具」ともいう。)によれば、第1保持部材の保持片にコルゲートチューブを取り付けた後、第2保持部材及び第3保持部材をヒンジ部を中心に回転移動させると共に、第4保持部材によって第2保持部材及び第3保持部材を相対移動不能に固定することができる。そのため、従来保持具のような干渉を考慮することなく、保持具をコルゲートチューブに取り付けられる。よって、従来保持具に比べ、保持具をコルゲートチューブに取り付ける作業を容易にできる。
【0009】
更に、第4保持部材によって第2保持部材及び第3保持部材を固定することによってコルゲートチューブを保持部材が画成する空間(以下「収容空間」という。)に収容すれば、第2保持部材、第3保持部材及び第4保持部材の少なくとも一つが有する保持構造により、コルゲートチューブが保持される。よって、従来保持具と同様、保持片によってコルゲートチューブ抜けを防ぎつつ、コルゲートチューブを保持できる。
【0010】
したがって、本構成のコルゲートチューブ保持具は、コルゲートチューブへの容易な取り付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立できる。
【0011】
加えて、本構成のコルゲートチューブ保持具は、保持片の位置を調整することによってコルゲートチューブのスリット位置(開口方向)を任意に調整できる。これにより、例えば、保持具を車両等に固定した際にコルゲートチューブのスリットが上向きに開口しない(例えば、横向き又は下向きに開口する)ようにすれば、異物がスリットを通じてコルゲートチューブ内に入ることを防止できる。
【0012】
上記(2)の構成のコルゲートチューブ保持具によれば、第4保持部材を第2保持部材及び第3保持部材に取り付けるとき、第4保持部材が第2保持部材及び第3保持部材を押圧することになる。そのため、第4保持部材を第2保持部材及び第3保持部材に取り付ける工程が、第2保持部材及び第3保持部材をヒンジ部を中心に回転移動させる工程を兼ねることになる。よって、コルゲートチューブに保持具を取り付ける作業が更に容易になる。
【0013】
上記(3)の構成のコルゲートチューブ保持具によれば、開口部を通じて保持具の内側を視認可能となる。よって、開口部を通じてコルゲートチューブの有無(ひいては、コルゲートチューブの保持具内への挿入量)を確認できる。よって、コルゲートチューブ抜けをより確実に防止できる。
【0014】
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係る保持具付きコルゲートチューブは、下記(4)及び(5)を特徴としている。
(4)
コルゲートチューブと、前記コルゲートチューブを保持するための保持具と、を備えた保持具付きコルゲートチューブであって、
前記保持具は、
前記コルゲートチューブを収容する空間を画成可能な複数の保持部材と、
前記空間の軸線方向に延びる第1板部、前記第1板部に交差する方向に前記第1板部から突出する第2板部、及び、前記第1板部が延びる方向に沿って前記第1板部からの距離が徐々に大きくなる傾斜面を有するように前記第1板部から突出する傾斜突起部、を有する保持片と、を備え、
前記コルゲートチューブは、
該コルゲートチューブの長さ方向に沿ったスリットと、
該コルゲートチューブの端部において前記スリットが前記傾斜突起部の傾斜面に対応する形状を有するように広がったスリット拡大部と、を備え、
前記複数の保持部材は、
前記保持片の前記第1板部が繋がり且つ前記保持片が前記空間に向けて突出するように設けられた第1保持部材、前記第1保持部材を挟むようにヒンジ部を介して前記第1保持部材と繋がった第2保持部材及び第3保持部材、並びに、前記第2保持部材及び前記第3保持部材を相対移動不能に固定可能な第4保持部材、を含み、
前記第2保持部材、前記第3保持部材及び前記第4保持部材の少なくとも一つは、
前記コルゲートチューブを前記空間の軸線方向に移動不能に保持可能な保持構造を有する、
と共に、
前記コルゲートチューブの前記スリット拡大部に前記保持片の前記傾斜突起部が挟まれた状態にて、前記コルゲートチューブが前記保持具に保持される、
保持具付きコルゲートチューブ。
(5)
上記(4)に記載の保持具付きコルゲートチューブにおいて、
前記第4保持部材が、
前記第2保持部材及び前記第3保持部材を前記空間の内側に向けて押圧する、
保持具付きコルゲートチューブ。
【0015】
上記(4)の構成の保持具付きコルゲートチューブによれば、第1保持部材の保持片にコルゲートチューブを取り付けた後、第2保持部材及び第3保持部材をヒンジ部を中心に回転移動させると共に、第4保持部材によって第2保持部材及び第3保持部材を相対移動不能に固定することができる。そのため、従来保持具のような干渉を考慮することなく、保持具をコルゲートチューブに取り付けられる。更に、このとき、コルゲートチューブのスリット拡大部に保持具の傾斜突起部を挿入するように取り付けを行えば、コルゲートチューブが傾斜突起部の斜面に案内されるため、取り付けが容易になる。よって、従来保持具を用いた保持具付きコルゲートチューブに比べ、保持具をコルゲートチューブに取り付ける作業を容易にできる。
【0016】
更に、第4保持部材によって第2保持部材及び第3保持部材を固定することによってコルゲートチューブを収容空間に収容すれば、第2保持部材、第3保持部材及び第4保持部材の少なくとも一つが有する保持構造により、コルゲートチューブが保持される。よって、従来保持具を用いた保持具付きコルゲートチューブと同様、保持片によってコルゲートチューブ抜けを防ぎつつ、コルゲートチューブを保持できる。
【0017】
したがって、本構成の保持具付きコルゲートチューブは、コルゲートチューブと保持具との容易な組み付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立できる。
【0018】
加えて、本構成のコルゲートチューブ保持具は、保持片の位置を調整することによってコルゲートチューブのスリット位置(開口方向)を任意に調整できる。これにより、例えば、保持具を車両等に固定した際にコルゲートチューブのスリットが上向きに開口しない(例えば、横向き又は下向きに開口する)ようにすれば、異物がスリットを通じてコルゲートチューブ内に入ることを防止できる。
【0019】
上記(5)の構成の保持具付きコルゲートチューブによれば、第4保持部材を第2保持部材及び第3保持部材に取り付けるとき、第4保持部材が第2保持部材及び第3保持部材を押圧することになる。そのため、第4保持部材を第2保持部材及び第3保持部材に取り付ける工程が、第2保持部材及び第3保持部材をヒンジ部を中心に回転移動させる工程を兼ねることになる。よって、コルゲートチューブに保持具を取り付ける作業が更に容易になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コルゲートチューブへの容易な取り付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立可能なコルゲートチューブ保持具を提供できる。
【0021】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、第1実施形態に係るコルゲートチューブ保持具を説明する概略図であって、図1(a)から図1(d)は同保持具にコルゲートチューブが保持される様子を説明する概略図である。
図2図2は、第1実施形態に係る保持具の斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る保持具の正面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る保持具にコルゲートチューブを取り付ける工程を示す図であって、図4(a)から図4(c)は保持具の正面図である。
図5図5は、第1実施形態の変形例に係る保持具の斜視図である。
図6図6は、第2実施形態に係るコルゲートチューブ保持具の斜視図である。
図7図7は、第2実施形態に係る保持具の軸線と直交する方向における断面図である。
図8図8は、第2実施形態に係る保持具へコルゲートチューブを取り付ける工程を示す図であって、図8(a)から図8(c)は保持具の軸線と直交する方向における断面図である。
図9図9は、第2実施形態の変形例に係る保持具の斜視図である。
図10図10は、第3実施形態に係る保持具付きコルゲートチューブに用いられる保持具の概略図である。
図11図11は、第3実施形態に係る保持具付きコルゲートチューブに用いられるコルゲートチューブの概略図である。
図12図12は、図10に示すコルゲートチューブに図11に示す保持具の保持片が取り付けられた様子を説明する概略図である。
図13図13は、第4実施形態に係る保持具付きコルゲートチューブに用いられる保持具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るコルゲートチューブ保持具及び保持具付きコルゲートチューブの実施の形態について説明する。
【0024】
なお、後述する第1実施形態および第2実施形態がコルゲートチューブ保持具に係る実施形態であり、第3実施形態および第4実施形態が保持具付きコルゲートチューブに係る実施形態である。
【0025】
<第1実施形態>
図1(a)〜図1(d)に示すように、第1実施形態に係るコルゲートチューブ保持具(以下「保持具100」という。)は、第1保持部材110、第2保持部材120、第3保持部材130、第4保持部材140、及び、保持片150、を有している。保持具100は、コルゲートチューブ10を保持するための保持具である。コルゲートチューブ10は、円筒状の形状を有している。
【0026】
なお、保持具100は、例えば、車両用のワイヤハーネスを製造する際に用いられ得る。具体的には、ワイヤハーネスを構成する電線等を必要に応じてコルゲートチューブ10の中空部に挿通した後、そのコルゲートチューブ10を保持具100によって保持するように、用いられ得る。保持具100は、ワイヤハーネスを車両の所定箇所に固定するため等に用いられる。
【0027】
コルゲートチューブ10は、周方向の一か所において軸線方向に延びるスリット11を有している。コルゲートチューブ10は、周方向に延びる複数の凹部12と凸部13とが軸線方向に交互に形成された蛇腹形状を有している。これにより、コルゲートチューブ10は、その内周面に、外周面の凸部13に対応する位置に周方向に延びる凹部14を有し、外周面の凹部12に対応する位置に周方向に延びる凸部15を有している。コルゲートチューブ10は、軟質な合成樹脂等から成形されている。
【0028】
図2及び図3に示すように、第1保持部材110は、電線保持部材160の端部に設けられている。電線保持部材160は、正面部161、底面部162、及び、底面部162の両側縁から上方へ延在された側面部163を有している。
【0029】
第1保持部材110は、その左右両側に、第2保持部材120及び第3保持部材130を有している。第2保持部材120及び第3保持部材130は、第1保持部材110を挟むようにヒンジ部121,131を介して第1保持部材110と繋げられている。これにより、第2保持部材120及び第3保持部材130は、第1保持部材110に対してヒンジ部121,131を中心に回動可能とされている。
【0030】
第4保持部材140は、第1保持部材110に対して第2保持部材120及び第3保持部材130が上方へ立ち上げられた状態(図1(c)の状態)にて、第2保持部材120及び第3保持部材130に組み付けられる。このように第4保持部材140を組み付けることにより、コルゲートチューブ10を収容するための収容空間Sが画成される。コルゲートチューブ10は、その端部が収容空間Sに収容されて保持される。なお、コルゲートチューブ10に挿通された電線は、電線保持部材160に収容される。
【0031】
第2保持部材120及び第3保持部材130は、その内周面から収容空間Sに向けて突出する複数のリブ(凸部)122,132を有している。リブ122,132は、コルゲートチューブ10の外周面に形成された凹部12に対応するように、凹部12のピッチと同一または凹部12のピッチの整数倍の間隔をあけて配置されている。リブ122,132の内縁部は、コルゲートチューブ10の外周面の凹部12における曲率半径と略同一の曲率半径の円弧状に形成されている。また、第2保持部材120及び第3保持部材130の外面側には、係止片123,133が形成されている。
【0032】
第1保持部材110は、収容空間Sの内側に向けて突出する保持片150を有している。保持片150は、第1板部151及び第2板部152を有している。第1板部151は、軸線方向に延びる平板状に形成されている。第2板部152は、第1板部151に交差する方向に(図2においては左右方向に)第1板部151から突出している。更に、保持片150には、電線保持部材160の正面部161に隣接する一端に、位置決め片153が形成されている。
【0033】
第4保持部材140は、正面部141、上面部142及び側面部143を有している。側面部143は、上面部142の両側縁から下方へ延在されている。第4保持部材140の側面部143の外面側には、係止爪144,145が形成されている。係止爪144,145は、第2保持部材120及び第3保持部材130に対して第4保持部材140を組み付けるように装着する際、第2保持部材120及び第3保持部材130に形成された係止片123,133を係止する。そして、係止片123,133に対して係止爪144,145が係止することにより、第2保持部材120及び第3保持部材130が相対移動不能に固定された状態に維持される。
【0034】
次いで、保持具100によってコルゲートチューブ10を保持するための各工程について説明する。
【0035】
図1(a)に示すように、第2保持部材120及び第3保持部材130と第4保持部材140とが分離し、第1保持部材110から第2保持部材120及び第3保持部材130が離れた状態にて、図1(b)及び図4(a)に示すように、コルゲートチューブ10を軸線方向(図1(b)の矢印A方向)へスライドさせ、コルゲートチューブ10のスリット11に第1板部151を挿入し且つコルゲートチューブ10の内側に第2板部152を配置するように、保持片150にコルゲートチューブ10を取り付ける。このとき、第2保持部材120及び第3保持部材130が第1保持部材110から離れた状態とされているので、コルゲートチューブ10は、第2保持部材120及び第3保持部材130(特に、リブ122,132)に干渉することなく保持片150へ取り付けられる。更に、コルゲートチューブ10は、その端部が保持片150の位置決め片153に当接され、軸線方向において位置決めされる。
【0036】
図1(c)及び図4(b)に示すように、第2保持部材120及び第3保持部材130を、ヒンジ部121,131を中心に上向き(図4(b)の矢印B方向へ)回転移動させ、上方へ立設する位置に配置させる。これにより、第1保持部材110に取り付けたコルゲートチューブ10の外周側の凹部12に第2保持部材120及び第3保持部材130のリブ122,132が入り込む。これにより、コルゲートチューブ10は、リブ122,132によって軸線方向に移動不能に係止される。
【0037】
その後、図1(d)及び図4(c)に示すように、第4保持部材140を下向き(図4(c)の矢印C方向へ)に移動させて第2保持部材120及び第3保持部材130に装着し、第4保持部材140の係止爪144,145を第2保持部材120及び第3保持部材130の係止片123,133に係止させる。これにより、第2保持部材120及び第3保持部材130は、第4保持部材140の側面部143によって回動が規制される。よって、コルゲートチューブ10は、その端部が、第1保持部材110の内側の収容空間Sに収容され、且つ、第2保持部材120及び第3保持部材130のリブ122,132によって軸線方向に移動不能に保持されることになる。
【0038】
以上に説明したように、第1実施形態に係る保持具100によれば、第1保持部材110の保持片150にコルゲートチューブ10を取り付けた後、第2保持部材120及び第3保持部材130をヒンジ部121,131を中心に回転移動させると共に、第4保持部材140によって第2保持部材120及び第3保持部材130を固定する。これにより、第2保持部材120及び第3保持部材130のリブ122,132との干渉を考慮することなく、保持片150をコルゲートチューブ10に取り付けられる。更に、第4保持部材140によって第2保持部材120及び第3保持部材130を固定することによってコルゲートチューブ10を収容空間Sに収容すれば、第2保持部材120及び第3保持部材130のリブ122,132により、コルゲートチューブ10が保持される。よって、コルゲートチューブ10への保持具100の容易な取り付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立できる。
【0039】
更に、保持片150の位置を調整することにより、保持具100に装着した状態でのコルゲートチューブ10のスリット11の位置(開口方向)を任意に調整できる。例えば、保持具100を車両等に固定した際にコルゲートチューブ10のスリット11が上向きに開口しない(例えば、横向き又は下向きに開口する)ようにすれば、異物がスリット11を通じてコルゲートチューブ10内に入ることを防止できる。
【0040】
<第1実施形態の変形例>
次いで、第1実施形態に係る保持具100の変形例について説明する。
【0041】
図5に示すように、変形例に係る保持具100Aでは、第4保持部材140の上面部142に、開口部146が設けられる。開口部146は、第1保持部材110に形成された保持片150に沿って軸線方向に延在されている。
【0042】
保持具100Aによれば、第4保持部材140に開口部146を設けたので、開口部146を通じて保持具100Aの内側が視認可能となる。開口部146は保持片150に沿って軸線方向に延びるように設けられているため、開口部146を通じてコルゲートチューブ10の有無(ひいては、コルゲートチューブ10の保持具100A内への挿入量)を確認できる。よって、コルゲートチューブ抜けをより確実に防止できる。
【0043】
なお、開口部146は、第4保持部材140に限らず、第1保持部材110、第2保持部材120、又は、第3保持部材130に設けても良い。
【0044】
<第2実施形態>
次いで、第2実施形態について説明する。
図6は、第2実施形態に係るコルゲートチューブ保持具の斜視図である。図7は、第2実施形態に係るコルゲートチューブ保持具の軸線と直交する方向の断面図である。図8は、第2実施形態に係るコルゲートチューブ保持具へコルゲートチューブを装着する際の工程を示す図であって、図8(a)から図8(c)は、それぞれコルゲートチューブ保持具の軸線と直交する方向の断面図である。
【0045】
図6及び図7に示すように、第2実施形態に係る保持具200は、第1保持部材210、第2保持部材220、第3保持部材230、第4保持部材240、及び、保持片250、を有している。
【0046】
第1保持部材210は、正面部211,底面部212、底面部212の左右両側で上方へ延在する側面部213A,213Bとを有している。第1保持部材210は、底面部212から各側面部213A,213Bにわたって窓部214A,214Bを有している。更に、第1保持部材210は、その左右両側に、第2保持部材220及び第3保持部材230を有している。第2保持部材220及び第3保持部材230は、窓部214A,214B内に配置されている。第2保持部材220及び第3保持部材230は、その上端がヒンジ部221,231によって窓部214A,214Bの上縁に連結されている。これにより、第2保持部材220及び第3保持部材230は、第1保持部材210に対してヒンジ部221,231を中心に回動可能とされている。
【0047】
第4保持部材240は、第2保持部材220及び第3保持部材230に組み付けられる。このように第4保持部材240を組み付けることにより、コルゲートチューブ10を収容するための収容空間Sが画成される。コルゲートチューブ10は、その端部が保持部材210の収容空間Sに収容されて保持される。
【0048】
第2保持部材220及び第3保持部材230は、その内周面から収容空間Sに向けて突出する複数のリブ(凸部)222,232を有している。リブ222,232は、コルゲートチューブ10の外周面に形成された凹部12に対応するように、凹部12のピッチと同一または凹部12のピッチの整数倍の間隔をあけて配置されている。リブ222,232は、その内縁部が、コルゲートチューブ10の外周面の凹部12における曲率半径と略同一の曲率半径の円弧状に形成されている。また、第2保持部材220及び第3保持部材230の外面側には、係止片223,233が形成されている。
【0049】
第2保持部材220及び第3保持部材230は、それぞれ下方側へ向かって次第に外側へ傾けられている。これにより、第2保持部材220及び第3保持部材230のリブ222,232は、収容空間Sから外れた位置に配置されている。
【0050】
第1保持部材210は、収容空間Sの内側に向けて突出する保持片250を有している。保持片250は、第1板部251及び第2板部252を有している。第1板部251は、軸線方向に延びる平板状に形成されている。第2板部252は、第1板部251に交差する方向に(図6においては左右方向に)第1板部251から突出している。更に、保持片250には、正面部211と反対側の一端に、位置決め片253が形成されている。
【0051】
第4保持部材240は、正面部241、上面部242、側面部243を有している。側面部243は、上面部242の両側縁から下方へ延在されている。第4保持部材240の側面部243の外面側には、係止爪244,245が形成されている。係止爪244,245は、第2保持部材220及び第3保持部材230に対して第4保持部材240を組み付けるように装着する際、第2保持部材220及び第3保持部材230に形成された係止片223,233を係止する。そして、係止片223,233に対して係止爪244,245が係止することで、第2保持部材220及び第3保持部材230が相対移動不能に固定された状態に維持される。
【0052】
次いで、保持具200によってコルゲートチューブ10を保持するための各工程について説明する。
【0053】
図7に示すように、第2保持部材220及び第3保持部材230と第4保持部材240とが分離し、第1保持部材210から第2保持部材220及び第3保持部材230が離れた状態にて、図8(a)に示すように、コルゲートチューブ10を軸線方向へスライドさせ、コルゲートチューブ10のスリット11に第1板部251を挿入し且つコルゲートチューブ10の内側に第2板部252を配置するように、保持片250にコルゲートチューブ10を取り付ける。このとき、第2保持部材220及び第3保持部材230が第1保持部材210から(換言すると、収容空間Sから)離れた状態とされているので、コルゲートチューブ10は、第2保持部材220及び第3保持部材230に干渉することなく保持片150へ取り付けられる。更に、コルゲートチューブ10は、その端部が保持片250の位置決め片253に当接され、軸線方向において位置決めされる。
【0054】
図8(b)に示すように、保持片250にコルゲートチューブ10が取り付けられた第1保持部材210、第2保持部材220及び第3保持部材230に対して上方側から下方(図8(b)の矢印D方向)へ向かって第4保持部材240を移動させる。そして、図8(c)に示すように、第4保持部材240をさらに下方(図8(c)の矢印D方向)へ移動させると、第2保持部材220及び第3保持部材230は、第4保持部材240の側面部243によって収容空間Sの内側に向けてそれぞれ押圧される。これにより、第2保持部材220及び第3保持部材230は、ヒンジ部221,231を中心にそれぞれ内側(図8(c)の矢印E方向)へ回転移動する。そして、第2保持部材220及び第3保持部材230のリブ222,232が収容空間Sの内側へ突出され、第1保持部材210に取り付けたコルゲートチューブ10の外周側の凹部12にリブ222,232が入り込む。これにより、コルゲートチューブ10は、リブ222,232によって軸線方向に移動不能に係止される。
【0055】
そして、第4保持部材240の係止爪244,245を第2保持部材220及び第3保持部材230の係止片223,233に係止させると、第2保持部材220及び第3保持部材230は、第4保持部材240の側面部243によって回動が規制される。よって、コルゲートチューブ10は、その端部が収容空間Sに収容され、且つ、第2保持部材220及び第3保持部材230のリブ222,232によって軸線方向に移動不能に保持される。
【0056】
以上に説明したように、第2実施形態に係る保持具200によれば、第1保持部材210の保持片250にコルゲートチューブ10を取り付けた後、第2保持部材220及び第3保持部材230をヒンジ部221,231を中心に回転移動させると共に、第4保持部材240によって第2保持部材220及び第3保持部材230を固定する。これにより、第2保持部材220及び第3保持部材230のリブ222,232との干渉を考慮することなく、保持片250をコルゲートチューブ10に取り付けられる。更に、第4保持部材240によって第2保持部材220及び第3保持部材230を固定することによってコルゲートチューブ10を収容空間Sに収容すれば、第2保持部材220及び第3保持部材230のリブ222,232により、コルゲートチューブ10が保持される。よって、コルゲートチューブ10への保持具100の容易な取り付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立できる。
【0057】
更に、第4保持部材240を第2保持部材220及び第3保持部材230に取り付ける工程が、第2保持部材220及び第3保持部材230をヒンジ部221,231を中心に移動(回動)させる工程を兼ねることになる。よって、コルゲートチューブ10に保持具200を取り付ける作業が更に容易になる。
【0058】
また、保持片250の位置を調整することにより、保持具200に装着した状態でのコルゲートチューブ10のスリット11の位置(開口方向)を任意に調整できる。例えば、保持具200を車両等に固定した際にコルゲートチューブ10のスリット11が上向きに開口しない(例えば、横向き又は下向きに開口する)ようにすれば、異物がスリット11を通じてコルゲートチューブ10内に入ることを防止できる。
【0059】
<第2実施形態の変形例>
次いで、第2実施形態に係る保持具200の変形例について説明する。
【0060】
図9に示すように、変形例に係る保持具200Aでは、第4保持部材240の上面部242に、開口部246を有している。開口部246は、第1保持部材210に形成された保持片250に沿って軸線方向に延在されている。
【0061】
保持具200Aによれば、第4保持部材240に開口部246を設けたので、開口部246を通じて保持具200Aの内側が視認可能となる。開口部246は、保持片250に沿って軸線方向に延びるように設けられているため、開口部246を通じてコルゲートチューブ10の有無(ひいては、コルゲートチューブ10の保持具200A内への挿入量)を確認できる。よって、コルゲートチューブ抜けをより確実に防止できる。
【0062】
なお、開口部246は、第4保持部材240に限らず、第1保持部材210、第2保持部材220、又は、第3保持部材230に設けても良い。
【0063】
<第3実施形態>
次いで、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、コルゲートチューブ保持具(以下「保持具300」という。)と、コルゲートチューブ(以下「コルゲートチューブ30」という。)と、を備えた保持具付きコルゲートチューブに係る実施形態である。
【0064】
図10に示すように、保持具300は、主として第1保持部材310に設けられる保持片350の形態において、第1実施形態の保持具100と相違する。
【0065】
具体的には、図10に示すように、保持具100と同様、保持具300は、第1保持部材310、第2保持部材320、第3保持部材330、第4保持部材340、及び、保持片350、を有している。
【0066】
第1保持部材310は、電線保持部材360の端部に設けられている。電線保持部材360は、正面部361、底面部362、及び、底面部362の両側縁から上方へ延在された側面部363を有している。
【0067】
第1保持部材310は、その左右両側に、第2保持部材320及び第3保持部材330を有している。第2保持部材320及び第3保持部材330は、第1保持部材310を挟むようにヒンジ部321,331を介して第1保持部材310と繋げられている。これにより、第2保持部材320及び第3保持部材330は、第1保持部材310に対してヒンジ部321,331を中心に回動可能とされている。
【0068】
第4保持部材340は、第1保持部材310に対して第2保持部材320及び第3保持部材330が上方へ立ち上げられた状態(図1(c)を参照。)にて、第2保持部材320及び第3保持部材330に組み付けられる。このように第4保持部材340を組み付けることにより、コルゲートチューブ30を収容するための収容空間Sが画成される。コルゲートチューブ30は、その端部が収容空間Sに収容されて保持される。なお、コルゲートチューブ30に挿通された電線は、電線保持部材360に収容される。
【0069】
第2保持部材320及び第3保持部材330は、その内周面から収容空間Sに向けて突出する複数のリブ(凸部)322,332を有している。リブ322,332は、コルゲートチューブ30の外周面に形成された凹部32に対応するように、凹部32のピッチと同一または凹部32のピッチの整数倍の間隔をあけて配置されている。リブ322,332の内縁部は、コルゲートチューブ30の外周面の凹部32における曲率半径と略同一の曲率半径の円弧状に形成されている。また、第2保持部材320及び第3保持部材330の外面側には、係止片323,333が形成されている。
【0070】
第1保持部材310は、収容空間Sの内側に向けて突出する保持片350を有している。保持片350は、第1板部351、第2板部352、位置決め片353、及び、傾斜突起部354を有している。第1板部351は、軸線方向に延びる平板状に形成されている。第2板部352は、第1板部351に交差する方向に(図9においては左右方向に)第1板部351から突出している。第2板部352は、第1板部351が延びる方向(軸線方向)に沿って第1板部351からの突出量が徐々に大きくなる形状(換言すると、略三角形の形状)を有するように第1板部351から突出している。位置決め片353は、電線保持部材360の正面部361に隣接する一端に形成されている。
【0071】
なお、第2板部352は、必ずしも上述した形状(略三角形の形状)を有する必要はなく、第1実施形態の保持片130の第2板部152と同様の形状(略長方形の形状)を有してもよい。
【0072】
傾斜突起部354は、第1板部351が延びる方向(軸線方向)に沿って第1板部351からの距離が徐々に大きくなる傾斜面を有するように第1板部351から突出している。換言すると、傾斜突起部354は、略三角形のくさび状の形状を有している。別の言い方をすると、傾斜突起部354は、第1保持部材310の正面部から離れる向き(即ち、コルゲートチューブ30が挿入される向き)において徐々に突出量が増える傾斜面を有している。
【0073】
なお、図10において、傾斜突起部354は第1板部351の右側にのみ示されているが、第1板部351の左側にも同様の形状の傾斜突起部354が設けられている。
【0074】
本例において、保持片350は、第1実施形態に係る保持具100と同様、コルゲートチューブ30の位置決め片353を有している。しかし、コルゲートチューブ30の位置決めに求められる精度によっては、必ずしも位置決め片353を設ける必要はない。これは、傾斜突起部354の傾斜面が、位置決め片と同等の機能を有するためである。但し、位置決め片353が無い場合には位置決め片353を設ける場合に比べて位置決めの精度が下がる可能性があるため、高精度での位置決めが求められる際には位置決め片353を設けることが好ましい。
【0075】
図11に示すように、コルゲートチューブ30は、端部(図11の右方の端部)において、スリット31の幅が広がったスリット拡大部36を有する点において、第1実施形態のコルゲートチューブ10と相違する。
【0076】
具体的には、コルゲートチューブ30は、周方向の一か所において軸線方向(長さ方向)に延びるスリット31を有している。コルゲートチューブ30は、周方向に延びる複数の凹部32と凸部33とが軸線方向に交互に形成された蛇腹形状を有している。これにより、コルゲートチューブ30は、その内周面に、外周面の凸部33に対応する位置に周方向に延びる凹部34を有し、外周面の凹部32に対応する位置に周方向に延びる凸部35を有している。
【0077】
コルゲートチューブ30の端部に形成されたスリット拡大部36は、保持片350の傾斜突起部354の傾斜面に対応するように広がった形状を有する。スリット拡大部36は、例えば、第1実施形態のコルゲートチューブ10からスリット拡大部36に相当する部分を切り取ることによって形成されてもよく、スリット拡大部36を最初から有するようにコルゲートチューブ30を製造することによって形成されてもよい。図11から理解されるように、スリット拡大部36は、スリット31を中心としてスリット31の幅方向に広がる切欠き部、とも表現し得る。
【0078】
図12に示すように、コルゲートチューブ30と保持具300とが組み付けられるとき、スリット拡大部36に保持片350の傾斜突起部354が挟まれるように、傾斜突起部354がスリット拡大部36に挿入される。このとき、スリット拡大部36の両端面と、傾斜突起部354の傾斜面と、は互いに当接することになる(詳細は後述される。)。
【0079】
第4保持部材340は、正面部341、上面部342及び側面部343を有している。側面部343は、上面部342の両側縁から下方へ延在されている。第4保持部材340の側面部343の外面側には、係止爪344,345が形成されている。係止爪344,345は、第2保持部材320及び第3保持部材330に対して第4保持部材340を組み付けるように装着する際、第2保持部材320及び第3保持部材330に形成された係止片323,333を係止する。そして、係止片323,333に対して係止爪344,345が係止することにより、第2保持部材320及び第3保持部材330が相対移動不能に固定された状態に維持される。
【0080】
次いで、保持具300によってコルゲートチューブ30を保持するための各工程について説明する。
【0081】
図10に示すように、第2保持部材320及び第3保持部材330と第4保持部材340とが分離し、第1保持部材310から第2保持部材320及び第3保持部材330が離れた状態にて、コルゲートチューブ30を軸線方向へスライドさせ、コルゲートチューブ30のスリット31に第1板部351を挿入し且つコルゲートチューブ30の内側に第2板部352を配置するように、保持片350にコルゲートチューブ30を取り付ける。このとき、コルゲートチューブ30は、傾斜突起部354の傾斜面に案内され、スリット拡大部36の両端面と傾斜突起部354の傾斜面とが当接するまで挿入される。なお、このとき、コルゲートチューブ30の端部が保持片350の位置決め片353に当接され、コルゲートチューブ30が軸線方向において位置決めされる。このとき、第2保持部材320及び第3保持部材330が第1保持部材310から離れた状態とされているので、コルゲートチューブ30は、第2保持部材320及び第3保持部材330(特に、リブ322,332)に干渉することなく保持片350へ取り付けられる。
【0082】
次いで、第1実施形態に係る保持具100と同様、第2保持部材320及び第3保持部材330を、ヒンジ部321,331を中心に上向き回転移動させ、上方へ立設する位置に配置させる。これにより、第1保持部材310に取り付けたコルゲートチューブ30の外周側の凹部32に第2保持部材320及び第3保持部材330のリブ322,332が入り込む。これにより、コルゲートチューブ30は、リブ322,332によって軸線方向に移動不能に係止される。
【0083】
次いで、第4保持部材340を第2保持部材320及び第3保持部材330に装着し、第4保持部材340の係止爪344,345を第2保持部材320及び第3保持部材330の係止片323,333に係止させる。これにより、第2保持部材320及び第3保持部材330は、第4保持部材340の側面部343によって回動が規制される。よって、コルゲートチューブ30は、その端部が、第1保持部材310の内側の収容空間Sに収容され、且つ、第2保持部材320及び第3保持部材330のリブ322,332によって軸線方向に移動不能に保持されることになる。
【0084】
その結果、本実施形態に係る保持具付きコルゲートチューブが得られる。なお、この保持具付きコルゲートチューブは、例えば、図1(d)に示すような外観を有している。
【0085】
以上に説明したように、第3実施形態に係る保持具300によれば、第1保持部材310の保持片350にコルゲートチューブ30を取り付けた後、第2保持部材320及び第3保持部材330をヒンジ部321,331を中心に回転移動させると共に、第4保持部材340によって第2保持部材320及び第3保持部材330を固定する。これにより、第2保持部材320及び第3保持部材330のリブ322,332との干渉を考慮することなく、保持片350をコルゲートチューブ30に取り付けられる。
【0086】
更に、このとき、コルゲートチューブ30のスリット拡大部36に保持具300の傾斜突起部354を挿入するように取り付けを行えば、コルゲートチューブ30が傾斜突起部354の傾斜面に案内されるため、取り付けが容易になる。
【0087】
更に、第4保持部材340によって第2保持部材320及び第3保持部材330を固定することによってコルゲートチューブ30を収容空間Sに収容すれば、第2保持部材320及び第3保持部材330のリブ322,332により、コルゲートチューブ30が保持される。よって、コルゲートチューブ30への保持具300の容易な取り付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立できる。
【0088】
よって、コルゲートチューブ30への保持具300の容易な取り付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立できる。
【0089】
ところで、第3実施形態に係る保持具付きコルゲートチューブに用いられる保持具300について、第1実施形態の変形例と同様、第4保持部材340の上面部342に、保持片350の傾斜突起部354に沿って延在する開口部を設けてもよい。これにより、開口部を通じてコルゲートチューブ30の有無(ひいては、コルゲートチューブ30の保持具300内への挿入量)を確認できる。よって、コルゲートチューブ抜けをより確実に防止できる。
【0090】
<第4実施形態>
次いで、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、コルゲートチューブ保持具(以下「保持具400」という。)と、コルゲートチューブ(第3実施形態と同様のコルゲートチューブ30)と、を備えた保持具付きコルゲートチューブに係る実施形態である。
【0091】
図13に示すように、保持具400は、主として第1保持部材410に設けられる保持片450の形態において、第2実施形態の保持具200と相違する。
【0092】
具体的には、図13に示すように、保持具200と同様、保持具400は、第1保持部材410、第2保持部材420、第3保持部材430、第4保持部材440、及び、保持片450、を有している。
【0093】
第1保持部材410は、正面部411,底面部412、底面部412の左右両側で上方へ延在する側面部413A,413Bとを有している。第1保持部材410は、底面部412から各側面部413A,413Bにわたって窓部414A,414Bを有している。更に、第1保持部材410は、その左右両側に、第2保持部材420及び第3保持部材430を有している。第2保持部材420及び第3保持部材430は、窓部414A,414B内に配置されている。第2保持部材420及び第3保持部材430は、その上端がヒンジ部421,431によって窓部414A,414Bの上縁に連結されている。これにより、第2保持部材420及び第3保持部材430は、第1保持部材410に対してヒンジ部421,431を中心に回動可能とされている。
【0094】
第4保持部材440は、第2保持部材420及び第3保持部材430に組み付けられる。このように第4保持部材440を組み付けることにより、コルゲートチューブ30を収容するための収容空間Sが画成される。コルゲートチューブ30は、その端部が第1保持部材410の収容空間Sに収容されて保持される。
【0095】
第2保持部材420及び第3保持部材430は、その内周面から収容空間Sに向けて突出する複数のリブ(凸部)422,432を有している。リブ422,432は、コルゲートチューブ30の外周面に形成された凹部32に対応するように、凹部32のピッチと同一または凹部32のピッチの整数倍の間隔をあけて配置されている。リブ422,432は、その内縁部が、コルゲートチューブ30の外周面の凹部32における曲率半径と略同一の曲率半径の円弧状に形成されている。また、第2保持部材420及び第3保持部材430の外面側には、係止片423,433が形成されている。
【0096】
第2保持部材420及び第3保持部材430は、それぞれ下方側へ向かって次第に外側へ傾けられている。これにより、第2保持部材420及び第3保持部材430のリブ422,432は、収容空間Sから外れた位置に配置されている。
【0097】
第1保持部材410は、収容空間Sの内側に向けて突出する保持片450を有している。保持片450は、第1板部451、第2板部452、及び、傾斜突起部453を有している。第1板部451は、軸線方向に延びる平板状に形成されている。第2板部452は、第1板部451に交差する方向に(図13においては左右方向に)第1板部451から突出している。第2板部452は、第1板部451が延びる方向(軸線方向)に沿って第1板部451からの突出量が徐々に大きくなる形状(換言すると、略三角形の形状)を有するように第1板部451から突出している。更に、保持片450には、正面部411と反対側の一端に、位置決め片(図示省略)が形成されている。
【0098】
なお、第2板部452は、必ずしも上述した形状(略三角形の形状)を有する必要はなく、第2実施形態の保持片250の第2板部252と同様の形状(略長方形の形状)を有してもよい。
【0099】
傾斜突起部453は、第1板部451が延びる方向(軸線方向)に沿って第1板部451からの距離が徐々に大きくなる傾斜面を有するように第1板部451から突出している。換言すると、傾斜突起部453は、略三角形のくさび状の形状を有している。別の言い方をすると、傾斜突起部453は、第1保持部材410の正面部から離れる向き(即ち、コルゲートチューブ30が挿入される向き)において徐々に突出量が増える傾斜面を有している。
【0100】
なお、図13において、傾斜突起部453は第1板部451の右側にのみ示されているが、第1板部451の左側にも同様の形状の傾斜突起部453が設けられている。
【0101】
本例において、保持片450は、第2実施形態に係る保持具200と同様、コルゲートチューブ30の位置決め片(図示省略)を有している。しかし、コルゲートチューブ30の位置決めに求められる精度によっては、必ずしも位置決め片を設ける必要はない。これは、傾斜突起部453の傾斜面が、位置決め片と同等の機能を有するためである。但し、位置決め片が無い場合には位置決め片を設ける場合に比べて位置決めの精度が下がる可能性があるため、高精度での位置決めが求められる際には位置決め片を設けることが好ましい。
【0102】
第4保持部材440は、正面部441、上面部442、側面部443を有している。側面部443は、上面部442の両側縁から下方へ延在されている。第4保持部材440の側面部443の外面側には、係止爪444,445が形成されている。係止爪444,445は、第2保持部材420及び第3保持部材430に対して第4保持部材440を組み付けるように装着する際、第2保持部材420及び第3保持部材430に形成された係止片423,433を係止する。そして、係止片423,433に対して係止爪444,445が係止することで、第2保持部材420及び第3保持部材430が相対移動不能に固定された状態に維持される。
【0103】
コルゲートチューブ30の形状等については、第3実施形態と同様であるため、記載を省略する(図11及び図12を参照。)。
【0104】
次いで、保持具400によってコルゲートチューブ30を保持するための各工程について説明する。
【0105】
図13に示すように、第2保持部材420及び第3保持部材430と第4保持部材440とが分離し、第1保持部材410から第2保持部材420及び第3保持部材430が離れた状態にて、コルゲートチューブ30を軸線方向へスライドさせ、コルゲートチューブ30のスリット31に第1板部451を挿入し且つコルゲートチューブ30の内側に第2板部452を配置するように、保持片450にコルゲートチューブ30を取り付ける。このとき、コルゲートチューブ30は、傾斜突起部453の傾斜面に案内され、スリット拡大部36の両端面と傾斜突起部453の傾斜面とが当接するまで挿入される。なお、このとき、コルゲートチューブ30の端部が保持片450の位置決め片に当接され、コルゲートチューブ30が軸線方向において位置決めされる。このとき、第2保持部材420及び第3保持部材430が第1保持部材410から(換言すると、収容空間Sから)離れた状態とされているので、コルゲートチューブ30は、第2保持部材420及び第3保持部材430に干渉することなく保持片150へ取り付けられる。
【0106】
次いで、第2実施形態に係る保持具200と同様、保持片450にコルゲートチューブ30が取り付けられた第1保持部材410、第2保持部材420及び第3保持部材430に対して上方側から下方へ向かって第4保持部材440を移動させる。そして、第4保持部材440をさらに下方へ移動させると、第2保持部材420及び第3保持部材430は、第4保持部材440の側面部443によって収容空間Sの内側に向けてそれぞれ押圧される。これにより、第2保持部材420及び第3保持部材430は、ヒンジ部421,431を中心にそれぞれ内側へ回転移動する。そして、第2保持部材420及び第3保持部材430のリブ422,432が収容空間Sの内側へ突出され、第1保持部材410に取り付けたコルゲートチューブ30の外周側の凹部32にリブ422,432が入り込む。これにより、コルゲートチューブ30は、リブ422,432によって軸線方向に移動不能に係止される。
【0107】
次いで、第4保持部材440の係止爪444,445を第2保持部材420及び第3保持部材430の係止片423,433に係止させると、第2保持部材420及び第3保持部材430は、第4保持部材440の側面部443によって回動が規制される。よって、コルゲートチューブ30は、その端部が収容空間Sに収容され、且つ、第2保持部材420及び第3保持部材430のリブ422,432によって軸線方向に移動不能に保持される。
【0108】
その結果、本実施形態に係る保持具付きコルゲートチューブが得られる。なお、この保持具付きコルゲートチューブは、例えば、図8(c)に示すような断面形状を有している。
【0109】
以上に説明したように、第2実施形態に係る保持具400によれば、第1保持部材410の保持片450にコルゲートチューブ30を取り付けた後、第2保持部材420及び第3保持部材430をヒンジ部421,431を中心に回転移動させると共に、第4保持部材440によって第2保持部材420及び第3保持部材430を固定する。これにより、第2保持部材420及び第3保持部材430のリブ422,432との干渉を考慮することなく、保持片450をコルゲートチューブ30に取り付けられる。
【0110】
更に、このとき、コルゲートチューブ30のスリット拡大部36に保持具400の傾斜突起部453を挿入するように取り付けを行えば、コルゲートチューブ30が傾斜突起部453の傾斜面に案内されるため、取り付けが容易になる。
【0111】
更に、第4保持部材440を第2保持部材420及び第3保持部材430に取り付ける工程が、第2保持部材420及び第3保持部材430をヒンジ部421,431を中心に移動(回動)させる工程を兼ねることになる。よって、コルゲートチューブ30に保持具400を取り付ける作業が更に容易になる。
【0112】
更に、第4保持部材440によって第2保持部材420及び第3保持部材430を固定することによってコルゲートチューブ30を収容空間Sに収容すれば、第2保持部材420及び第3保持部材430のリブ422,432により、コルゲートチューブ30が保持される。よって、コルゲートチューブ30への保持具100の容易な取り付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立できる。
【0113】
よって、コルゲートチューブ30への保持具400の容易な取り付け及びコルゲートチューブ抜けの防止を両立できる。
【0114】
ところで、第4実施形態に係る保持具付きコルゲートチューブに用いられる保持具400について、第2実施形態の変形例と同様、第4保持部材440の上面部442に、保持片450の傾斜突起部453に沿って延在する開口部を設けてもよい。これにより、開口部を通じてコルゲートチューブ30の有無(ひいては、コルゲートチューブ30の保持具400内への挿入量)を確認できる。よって、コルゲートチューブ抜けをより確実に防止できる。
【0115】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。即ち、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0116】
例えば、上述した各実施形態では、第1〜第3保持部材と、第4保持部材と、はそれぞれ別体となっている。しかし、第1〜第4保持部材をヒンジ等によって連結した一体構造としてもよい。
【0117】
更に、例えば、コルゲートチューブ10,30を収容空間Sに収容した後、保持片が第1保持部材から分離し、コルゲートチューブ10,30が軸線周りに回転可能であるように構成してもよい。
【0118】
ここで、上述した本発明に係るコルゲートチューブ保持具の実施形態の特徴をそれぞれ以下(1)〜(3)に簡潔に纏めて列記する。
(1)(主に、図1〜4を参照。)
コルゲートチューブ(10)を保持するための保持具(100)であって、
コルゲートチューブを収容する空間(S)を画成可能な複数の保持部材(110,120,130,140)と、
前記空間の軸線方向に延びる第1板部(151)、及び、前記第1板部に交差する方向に前記第1板部から突出する第2板部(152)、を有する保持片(150)と、を備え、
前記複数の保持部材は、
前記保持片の前記第1板部(151)が繋がり且つ前記保持片(150)が前記空間に向けて突出するように設けられた第1保持部材(110)、前記第1保持部材(110)を挟むようにヒンジ部(121,131)を介して前記第1保持部材と繋がった第2保持部材(120)及び第3保持部材(130)、並びに、前記第2保持部材(120)及び前記第3保持部材(130)を相対移動不能に固定可能な第4保持部材(140)、を含み、
前記第2保持部材(120)、前記第3保持部材(130)及び前記第4保持部材(140)の少なくとも一つは、
コルゲートチューブを前記空間の軸線方向に移動不能に保持可能な保持構造(122,132)を有する、
コルゲートチューブ保持具。
(2)(主に、図6〜8を参照。)
上記(1)に記載のコルゲートチューブ保持具において、
前記第4保持部材(240)が、
前記第2保持部材(220)及び前記第3保持部材(230)を前記空間(S)の内側に向けて押圧する、
コルゲートチューブ保持具。
(3)(主に、図5,9を参照。)
上記(1)又は上記(2)に記載のコルゲートチューブ保持具において、
前記第1保持部材(110)、前記第2保持部材(120)、前記第3保持部材(130)及び前記第4保持部材(140)のうちの少なくとも1つが、
前記保持片に沿って前記軸線方向に延びる開口部(146)を有する、
コルゲートチューブ保持具。
【0119】
更に、上述した本発明に係る実施形態(保持具付きコルゲートチューブ)の特徴を、それぞれ以下(4)及び(5)に簡潔に纏めて列記する。
(4)(主に、図10〜12を参照。)
コルゲートチューブ(30)と、前記コルゲートチューブを保持するための保持具(300)と、を備えた保持具付きコルゲートチューブであって、
前記保持具(300)は、
前記コルゲートチューブを収容する空間(S)を画成可能な複数の保持部材(310,320,330,340)と、
前記空間の軸線方向に延びる第1板部(351)、前記第1板部に交差する方向に前記第1板部から突出する第2板部(352)、及び、前記第1板部が延びる方向に沿って前記第1板部からの距離が徐々に大きくなる傾斜面を有するように前記第1板部から突出する傾斜突起部(354)、を有する保持片(350)と、を備え、
前記コルゲートチューブ(30)は、
該コルゲートチューブの長さ方向に沿ったスリット(31)と、
該コルゲートチューブの端部において前記スリットが前記傾斜突起部(354)の傾斜面に対応する形状を有するように広がったスリット拡大部(36)と、を備え、
前記複数の保持部材は、
前記保持片の前記第1板部(351)が繋がり且つ前記保持片(350)が前記空間に向けて突出するように設けられた第1保持部材(310)、前記第1保持部材(310)を挟むようにヒンジ部(321,331)を介して前記第1保持部材と繋がった第2保持部材(320)及び第3保持部材(330)、並びに、前記第2保持部材(320)及び前記第3保持部材(330)を相対移動不能に固定可能な第4保持部材(340)、を含み、
前記第2保持部材(320)、前記第3保持部材(330)及び前記第4保持部材(340)の少なくとも一つは、
前記コルゲートチューブを前記空間の軸線方向に移動不能に保持可能な保持構造(322,332)を有する、
と共に、
前記コルゲートチューブの前記スリット拡大部(36)に前記保持片の前記傾斜突起部(354)が挟まれた状態にて、前記コルゲートチューブ(30)が前記保持具(300)に保持される、
保持具付きコルゲートチューブ。
(5)(主に、図13を参照。)
上記(4)に記載の保持具付きコルゲートチューブにおいて、
前記第4保持部材(440)が、
前記第2保持部材(420)及び前記第3保持部材(430)を前記空間(S)の内側に向けて押圧する、
保持具付きコルゲートチューブ。
【0120】
更に、上述した本発明に係る実施形態の他の特徴(保持具付きコルゲートチューブの製造方法の特徴)を、以下[6]に簡潔に纏めて列記する。
[6](主に、図1〜4を参照。)
コルゲートチューブ(10)とコルゲートチューブ保持具(100)を備えた保持具付きコルゲートチューブの製造方法であって、
前記コルゲートチューブ保持具(100)は、前記コルゲートチューブを収容する空間(S)を画成可能な複数の保持部材(110,120,130,140)と、前記空間の軸線方向に延びる第1板部(151)、及び、前記第1板部に交差する方向に前記第1板部から突出する第2板部(152)、を有する保持片(150)と、を備え、
前記複数の保持部材は、前記保持片の前記第1板部(131)が繋がり且つ前記保持片(150)が前記空間に向けて突出するように設けられた第1保持部材(110)、前記第1保持部材(110)を挟むようにヒンジ部(121,131)を介して前記第1保持部材と繋がった第2保持部材(120)及び第3保持部材(130)、並びに、前記第2保持部材(120)及び前記第3保持部材(130)を相対移動不能に固定可能な第4保持部材(140)、を含み、
前記第2保持部材(120)、前記第3保持部材(130)及び前記第4保持部材(140)の少なくとも一つは、前記コルゲートチューブを前記空間の軸線方向に移動不能に保持可能な保持構造(122,132)を有し、
該製造方法は、
前記コルゲートチューブが前記第2保持部材(120)及び前記第3保持部材(130)に干渉しないように前記第1保持部材(110)から記第2保持部材及び前記第3保持部材が離れた状態にて、前記コルゲートチューブのスリット(11)に前記第1板部(151)を挿入し且つ前記コルゲートチューブの内側に前記第2板部(152)を配置するように、前記保持片に前記コルゲートチューブを取り付ける工程と、
前記第2保持部材(120)及び前記第3保持部材(130)を前記ヒンジ部(121,131)を中心に回転させ、且つ、前記第4保持部材(140)によって前記第2保持部材及び前記第3保持部材を固定する工程と、
前記保持構造(122,132)によって前記コルゲートチューブを保持する工程と、
を含む、
保持具付きコルゲートチューブの製造方法。
【符号の説明】
【0121】
10: コルゲートチューブ
11: スリット
100:コルゲートチューブ保持具(保持具)
110,120,130,140:保持部材
121,131:ヒンジ部
122,132:リブ(保持構造)
150:保持片
151:第1板部
152:第2板部
S: 収容空間(空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13