(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検索部は、前記他のカラオケ装置の機種を示す機種識別情報に基づいて、同一のローカルエリアネットワーク内に接続されている前記他のカラオケ装置のうち、同じ機種の他のカラオケ装置のみを検索することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0013】
すなわち、他のカラオケ装置とローカルエリアネットワークを介して通信可能なカラオケ装置において、当該カラオケ装置が備える各種項目の設定を行う設定部と、同一のローカルエリアネットワーク内に接続されている前記他のカラオケ装置を検索する検索部と、検索された前記他のカラオケ装置に対して、前記設定部で設定された設定情報を送信する送信部とを有することを特徴とするカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、複数のカラオケ装置に対する各項目の設定を容易に行うことができる。
【0014】
また、前記検索部は、前記他のカラオケ装置の機種を示す機種識別情報に基づいて、同一のローカルエリアネットワーク内に接続されている前記他のカラオケ装置のうち、同じ機種の他のカラオケ装置のみを検索することを特徴とするカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、機種が同じカラオケ装置に対する各項目の設定を容易に行うことができる。
【0015】
また、前記他のカラオケ装置から設定情報を受信した場合、当該設定情報に基づいて設定の更新を行う設定更新部を有することを特徴とするカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、他のカラオケ装置からの設定情報に基づいて、自己の設定情報を更新できる。
【0016】
また、上記のカラオケ装置及び他のカラオケ装置と、前記カラオケ装置及び前記他のカラオケ装置とルータを介して通信可能なサーバとを有することを特徴とするカラオケシステムが明らかとなる。このようなカラオケシステムによれば、複数のカラオケ装置に対する各項目の設定を容易に行うことができる。
【0017】
<実施形態>
図1〜
図6を参照して、実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0018】
==カラオケシステム==
図1に示すように、カラオケシステム1は、複数のカラオケ装置、複数のルータ(ルータR
1〜ルータR
n)及びサーバ100を備える。
【0019】
複数のカラオケ装置は、たとえば店舗毎に一つのルータに接続されている。
図1では、ルータR
1に対し、複数のカラオケ装置K
1〜K
nが接続されている。各ルータとサーバ100とはネットワークNを介して通信可能となっている。すなわち、各カラオケ装置は、ルータを介してサーバ100と通信可能となっている。ネットワークNは、たとえば公衆電話回線網やインターネット回線である。また、各カラオケ装置は、他のカラオケ装置とローカルエリアネットワーク(LAN)により通信可能に接続されている。
【0020】
サーバ100は、各カラオケ装置の開局を行うための開局用サーバ100a、及び楽曲等のカラオケに関するデータを配信する配信用サーバ100bを含んで構成されている。各カラオケ装置が開局された後、配信用サーバ100bからカラオケ装置にカラオケを行うための楽曲データが送信され、カラオケ装置が楽曲を演奏することにより、利用者はカラオケ歌唱が可能となる。
【0021】
==カラオケ装置==
(ハードウェア構成)
カラオケ装置は、カラオケ演奏及び歌唱者が歌唱を行うための装置である。開局作業を行うことにより、各カラオケ装置は、ネットワークNでインターネット回線を使用する場合には、サーバ100との間でバーチャルプライベートネットワーク(VPN)が構築される。本実施形態に係る各カラオケ装置は,同様の構成であるため、以下ではカラオケ装置K
1を例に説明を行う。
【0022】
図2は、カラオケ装置K
1の構成を示す図である。
図2に示すように、カラオケ装置K
1は、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0023】
カラオケ本体10は、選択された楽曲の演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された歌唱音声信号の処理といった、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。
図3はカラオケ本体10のハードウェア構成例を示す図である。カラオケ本体10は、制御部11、通信部12、記憶部13、音響処理部14、表示処理部15及び操作部16を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0024】
制御部11は、CPU11aおよびメモリ11bを備える。CPU11aは、メモリ11bに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。メモリ11bは、CPU11aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶装置である。
【0025】
通信部12は、ルータR
1を介してカラオケ本体10を通信回線に接続するためのインタフェースを提供する。また、通信部12は、LANを介して他のカラオケ装置と通信可能に接続するためのインタフェースを提供する。
【0026】
記憶部13は、カラオケ演奏を行うための楽曲データ等、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。また、本実施形態において、記憶部13は、カラオケ装置を識別するための固有の番号である機械番号、及びカラオケ装置の機種を示す機種識別情報を記憶している。
【0027】
音響処理部14は、制御部11の制御に基づき、カラオケ楽曲に対する演奏の制御およびマイク40を通じて入力された音声信号の処理を行う。
【0028】
表示処理部15は、制御部11の制御に基づき、表示装置30における各種表示に関する処理を行う。たとえば、表示処理部15は、カラオケ演奏時における背景映像に歌詞テロップや各種アイコンが重ねられた映像を表示装置30に表示させる制御を行う。
【0029】
操作部16は、パネルスイッチおよびリモコン受信回路などからなり、歌唱者によるカラオケ装置1のパネルスイッチあるいはリモコン装置50の操作に応じて予約信号、演奏中止信号などの操作信号を制御部11に対して出力する。制御部11は、操作部16からの操作信号を検出し、対応する処理を実行する。
【0030】
スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は歌唱者の音声(歌唱音声)をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。歌唱者はリモコン装置50を用いてカラオケ装置1の起動、楽曲の予約等を行うことができる。リモコン装置50のディスプレイには各種操作の指示入力を行うためのアイコンが表示される。
【0031】
(ソフトウェア構成)
図4はカラオケ本体10のソフトウェア構成例を示す図である。カラオケ本体10は、設定部10a、検索部10b及び送信処理部10cを備える。設定部10a、検索部10b及び送信処理部10cは、CPU11aがメモリ11bに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
【0032】
設定部10aは、カラオケ装置K
1が備える各種項目の設定を行う。各種項目は、カラオケ装置K
1で実施する各種機能を項目化したものである。具体的には、伴奏、BGM、エコーレベル等のボリュームに関する項目、曲間におけるBGMやBGVに関する設定、歌詞テロップサイズやジャケット写真、カロリーの表示等のカラオケ歌唱に伴う項目である。
【0033】
具体例として、設定部10aは、表示装置30又はリモコン装置50のディスプレイに項目設定画面を表示させる。係員は、カラオケ店舗の環境等に応じ、当該画面上で各種項目の設定を入力する。たとえば、「ミュージック音量」の項目において、音量の範囲が「0〜127」の値である場合、係員は任意の値(たとえば16)を入力する。設定部10aは、設定された各項目の情報を設定情報として記憶部13に記憶させる。
【0034】
検索部10bは、同一のローカルエリアネットワーク内に接続されている他のカラオケ装置を検索する。本実施形態において、同一のローカルエリアネットワーク内とは、ルータR
1に接続されているLANの範囲内である。
【0035】
具体的には、検索部10bは、サブネット内のプライベートアドレス全てにPINGコマンドを送信する。検索部10bは、返答が返ってきたプライベートアドレスが割り振られた他のカラオケ装置に対して、機械番号の問い合わせを行い、返答された機械番号をプライベートアドレスに紐づけて、記憶部13に接続装置リストとして記憶する。
【0036】
検索部10bは、サブネット内の全てのカラオケ装置に対する検索が終了した後、表示処理部15を制御し、記憶部13に記憶した接続装置リストの内容を表示装置30等に表示させる。
【0037】
図5は、表示装置30における表示画面の一例である。表示装置30には、接続装置リストとして、機械番号、設定情報を反映するかしないかを選択する選択ボタン、実際に反映されたかどうかを示す領域(
図5における「結果」)、決定ボタンが表示される。係員は、他のカラオケ装置毎に設定情報を反映するかしないかを選択できる。最後に係員が決定ボタンを押下することで選択内容が決定される。
【0038】
なお、各カラオケ装置におけるプライベートアドレスの取得は、たとえば先行文献1に記載された方法により行うことが可能である。
【0039】
まず、ルータ登録処理として、工場出荷時に予めルータに設定されているプライベートアドレスに含まれるユニークなネットワークアドレスを開局サーバに登録する。次に、開局処理として、ルータに接続されているカラオケ装置のプライベートアドレスを開局サーバに登録する。カラオケ装置のプライベートアドレスは、ルータのDHCP機能によってカラオケ装置毎に割り当てられる。そして、カラオケ装置は取得したプライベートアドレスを記憶部に記憶する。本実施形態に係るカラオケ装置K
1〜カラオケ装置K
nそれぞれは、記憶部13にプライベートアドレスが記憶されている。
【0040】
送信処理部10cは、通信部12を介し、検索された他のカラオケ装置に対して、設定部10aで設定された設定情報を送信する。送信処理部10c及び通信部12は、「送信部」の一例である。
【0041】
具体例として、送信処理部10cは、通信部12を介し、接続装置リスト中で選択されたカラオケ装置(
図5の例では、カラオケ装置K
2、カラオケ装置K
3)に対し、カラオケ装置K
1で設定した設定情報を送信する。
【0042】
設定情報を受信した各カラオケ装置は、その情報に従って設定の更新を行い、設定が完了した場合にはカラオケ装置K
1に対し、完了した旨の信号を送信する。一方、何らかの原因により設定が完了しなかった場合、各カラオケ装置は、カラオケ装置K
1に対しエラー信号を送信する。
【0043】
カラオケ装置K
1は、設定情報を送信した各カラオケ装置からの設定完了信号またはエラー信号に基づいて、表示装置30に表示している接続装置リストの「結果」を更新する。
図5の例では、カラオケ装置K
2は、設定の更新が完了し、カラオケ装置K
3は設定できなかった旨(エラー)が表示されている。
【0044】
なお、上記例では、カラオケ装置毎に設定情報の反映を選択しているが、これに限られない。同じLAN内に接続されているカラオケ装置は通常は同じ店舗等に存在するため、一律の設定となっていることが望まれる場合もありうる。従って、送信処理部10cは、検索したカラオケ装置全てに対して自動的に設定情報を送信することでもよい。
【0045】
==カラオケシステムの動作について==
次に、
図6を参照して本実施形態におけるカラオケ装置K
1を含むカラオケシステム1の動作の具体例について述べる。
図6は、カラオケシステム1の動作例を示すフローチャートである。カラオケ装置K
1〜カラオケ装置K
nそれぞれは、記憶部13にプライベートアドレスが記憶されている。
【0046】
カラオケ装置K
1における設定部10aは、カラオケ装置K
1が備える各種項目の設定を行う(項目の設定。ステップ10)。
【0047】
設定部10aは、設定された各項目の情報を設定情報として記憶部13に記憶させる(設定情報の記憶。ステップ11)。
【0048】
検索部10bは、同一のローカルエリアネットワーク内に接続されている他のカラオケ装置K
2〜カラオケ装置K
nを検索する(他のカラオケ装置の検索。ステップ12)。
【0049】
送信処理部10cは、通信部12を介し、ステップ12で検索された他のカラオケ装置K
2〜カラオケ装置K
nに対して、設定部10aで設定された設定情報を送信する(設定情報の送信。ステップ13)
【0050】
設定情報を受信した他のカラオケ装置K
2〜カラオケ装置K
nは、その情報に従って設定を更新する(設定の更新。ステップ14)。
【0051】
他のカラオケ装置K
2〜カラオケ装置K
nは、ステップ14における更新が完了した場合、カラオケ装置K
1に対し、完了した旨の信号を送信する(完了信号の送信。ステップ15)。なお、何らかの原因により設定が完了しなかった場合は、エラー信号を送信する(フローでは記載を省略している)。
【0052】
このように、本実施形態に係るカラオケ装置によれば、任意のカラオケ装置(本実施形態に係るカラオケ装置K
1)で設定した各種項目の設定情報を同一のLAN内(同一のルータ配下)に接続されている他のカラオケ装置に対して一括で送信することができる。そして、他のカラオケ装置は、受信した設定情報に基づいて設定を更新できる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置によれば、複数のカラオケ装置に対する各項目の設定が容易となる。従って、係員が複数のカラオケ装置に対して個別に項目の設定をおこなうといった煩わしい作業を回避できる。
【0053】
<変形例>
たとえば、あるカラオケ店舗に設置されるカラオケ装置は、新機種や旧機種、メーカー違いといったように、機種が異なる場合がある。すなわち、同一サブネット内において、設定情報を設定するカラオケ装置と異なる種類のカラオケ装置が存在する場合がある。カラオケ装置の種類が異なる場合、設定項目も異なるため、あるカラオケ装置での設定をそのまま他のカラオケ装置に適用することができない可能性がある(エラーが生じる一因となる)。
【0054】
そこで、検索部10bは、他のカラオケ装置の機種を示す機種識別情報に基づいて、同一のローカルエリアネットワーク内に接続されている他のカラオケ装置のうち、同じ機種の他のカラオケ装置のみを検索することができる。
【0055】
具体的には、検索部10bは、サブネット内のプライベートアドレス全てにPINGコマンドを送信する。検索部10bは、返答が返ってきたプライベートアドレスが割り振られた他のカラオケ装置に対して、機械番号及び機種識別情報の問い合わせを行う。検索部10bは、返答された機種識別情報が記憶部13に記憶されている機種識別情報と同じものについてのみ、その機械番号をプライベートアドレスに紐づけて、記憶部13に接続装置リストとして記憶する。
【0056】
検索部10bは、サブネット内の全てのカラオケ装置に対する検索が終了した後、表示処理部15を制御し、機種識別情報が共通のカラオケ装置のみを示した接続装置リストを表示装置30等に表示させる。すなわち、同一のLAN内にあるカラオケ装置であっても機種が異なるものについては表示装置30には表示されない。
【0057】
或いは、検索部10bは、返答された機械番号及び機種識別情報をプライベートアドレスに紐づけて、記憶部13に接続装置リストとして記憶する(返答が返ってきた全てのカラオケ装置を一旦記憶する)。
【0058】
そして、検索部10bは、サブネット内の全てのカラオケ装置に対する検索が終了した後、表示処理部15を制御し、記憶部13に記憶した接続装置リストの内容を表示装置30に表示させる際に、同じ機種以外の機種については設定の選択ができないような表示態様(ボタン選択ができない。グレー表示等)とすることも可能である。
【0059】
このようなカラオケ装置によれば、同じ機種のカラオケ装置に対して設定情報を反映させることが可能となる。よって、設定項目が異なる等によって生じるエラー等が生じない。
【0060】
ところで、上記実施形態におけるカラオケ装置K
1は設定情報を送信する側であるが、カラオケ装置K
1が設定情報を受信する側になる可能性もある。たとえばカラオケ装置K
2の設定部10aにおいて各種項目の設定が行われた場合、カラオケ装置K
1は当該設定に基づく設定情報を受信し、設定の更新を行うことも考えられる。従って、カラオケ装置K
1は、他のカラオケ装置から設定情報を受信した場合、当該設定情報に基づいて設定の更新を行う設定更新部を備えてもよい。設定更新部は、更新が完了した場合には設定情報を送信してきたカラオケ装置に対し、完了した旨の信号を送信する。設定更新部を備えることにより、他のカラオケ装置における設定を容易に反映させることができる。なお、上記実施形態において、設定情報を受信したカラオケ装置K
2及びK
3は、その情報に従って設定の更新を行い、設定が完了した場合にはカラオケ装置K
1に対し、完了した旨の信号を送信している。すなわち、カラオケ装置K
2及びK
3は、設定更新部を備えている。
【0061】
上記実施形態は、プログラムが前述した各種の処理をコンピュータ又はマイクロプロセッサに実行させることにより実現可能である。この場合、全ての処理をプログラムとして準備していてもよいし、一部の処理をハードウェアに処理させ残りの処理をプログラムとして準備していてもよい。また、実行可能なプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて、コンピュータにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピュータの可読媒体の例は、磁気記録媒体、CD−ROM等がある。
【0062】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。