(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
架台部材に設置された前記物品を、隙間なく前に詰めるための一連の動作がプログラムされていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物品保管・搬送装置。
請求項1乃至7のいずれかに記載の物品保管・搬送装置と、人工照明とを有し、栽培トレイを前記物品として複数の栽培トレイを一定期間に渡って設置されると共に、前記栽培トレイを移動させる機能を備えたことを特徴とする作物栽培装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の作物栽培装置で使用されるコンベア装置は、公知のベルトコンベアや、チェーンコンベア、あるいはローラコンベアである。
これらのコンベア装置は、いずれも、パレットを載置する全ての部材が走行するものであり、動作する部材が大がかりなものとならざるを得ない。
ベルトコンベアを例に説明すると、例えば100台のパレットがベルトコンベアに載置される。即ち全てのパレットの下には、コンベアベルトがある。
そしてベルトコンベアは、コンベアベルトを走行させてパレットを搬送するから、全てのパレットの下が動くこととなる。
【0006】
チェーンコンベアやローラコンベアについても同様であり、全てのパレットの下にチェーンやローラがあり、これらのパレットが全て動く。
即ち作物栽培装置では、苗が植えられたパレットを載置する導入エリアから、成長した作物を採取する収穫エリアに至る間に、コンベアベルト、チェーン、ローラ等が敷きつめられている。従来の作物栽培装置は、これらがいずれも動力によって動く様に構成されている。そのため従来技術の作物栽培装置は、駆動する範囲が著しく広く、大がかりである。
そのため従来技術の作物栽培装置は、製作コストが高いという問題がある。また同様の理由により、消費電力も多い。
【0007】
また従来技術の作物栽培装置は、動く部材が大きく、且つ数が多い。そのため、磨耗粉や、油が飛散し、作物に付着する懸念がある上に、点検に多くの労力を要するという不満がある。
即ち作物栽培装置に使用されるコンベア装置は、動作速度が極めて遅いものであるが長時間動作する。そのため定期的に点検する必要がある。しかしその一方、作物栽培装置ではスペースを有効利用するために、コンベア装置が密に配置されている。そのため、作業者が点検するための十分なスペースを確保しにくく、点検作業が困難である。
【0008】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、駆動する部分が小さく、且つ駆動する部材の個数も少ない物品保管・搬送装置を開発することを課題とするものである。また、本発明は、この様な構成を有する作物栽培装置を開発することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための本発明の第1の様相は、複数の規格化された物品が留め置かれると共に前記物品を移動させる機能を備えた物品保管・搬送装置において、複数の物品を載置する架台部材と、前記物品を移動させる物品移動装置を有し、架台部材は、前記物品の移動方向に延び、その上に前記物品が載置される2列以上の凸条部材を有し、物品移動装置は、動力によって回転する走行輪と、物品を保持する保持部材と、当該保持部材を昇降させる昇降部材とを有し、物品移動装置は、凸条部材の間に配されていて走行輪を回転することにより凸条部材の間を直線移動可能であり、昇降部材を降下した際には保持部材が凸条部材の上端よりも下に沈み、昇降部材を上昇した際には保持部材が凸条部材の上端よりも上に突出し、物品移動装置を前記物品の下に移動した後に昇降部材を上昇させて保持部材で前記物品をすくい上げ、走行輪を回転させて物品移動装置を移動し、昇降部材を降下させて前記物品を架台部材の他の位置に移動させることが可能であ
り、昇降部材を構成する昇降機構は、モータと連動して回転する歯車と、一対のラックと、従動部材とを備えており、前記ラックは、上面側に前記歯車と係合する歯形が形成され、係合する前記歯車の回転軸と直交する方向に長さを有し、且つ、前記歯車の回転に伴って前記ラック自身の長手方向に沿って水平方向に直線移動するものであり、一対の前記ラックは、間隔を空けて平行に配置されており、一方及び他方の前記ラックの間に前記モータが位置しており、前記モータは、一方及び他方の前記ラックと係合する前記歯車を回転させるものであり、前記従動部材は、一対の前記ラックの上に載置されて前記保持部材の下面側に接するものであり、一対の前記ラックの前記直線移動に伴って載置位置が変更されて昇降し、前記従動部材の昇降に伴って前記保持部材が昇降する
ものであり、本体ケースを有し、当該本体ケースの中に前記昇降機構と、前記走行輪を回転させる回転機構が内蔵され、
前記保持部材は、前記本体ケースよりも一回り大きい専有面積を有し、前記保持部材は水を通過させない素材で作られており、前記物品と当接する当接面と、当該当接面の辺部に設けられた傾斜面と、傾斜面に繋がる垂直面を有し、前記本体ケースが保持部材の傘下にすっぽりと覆われることを特徴とする物品保管・搬送装置である。
【0010】
本様相において、規格化された物品とは、大きさや形状が統一された物品であり、例えば、縦横の長さが一定又は所定範囲内の物品である。具体的には、段ボール等の箱体や、パレット等(パレット上に他の様々な形状の物品が載置されている場合を含む)を指す。
本様相の物品保管・搬送装置では、物品は、2列以上の凸条部材に載置され、常時は凸条部材の上で停止している。そして必要に応じて物品移動装置で物品を移動させる。即ち本様相の物品保管・搬送装置は、物品移動装置を有している。そして本様相で採用する物品移動装置は、動力によって回転する走行輪を有していて自走する。
また物品移動装置は、保持部材を昇降させる昇降部材を有している。
本様相においては、物品移動装置を自走させて所望の物品の下に移動し、その後に昇降部材を上昇させ、凸条部材に載置されている物品を保持部材ですくい上げ、その結果、物品は、凸条部材を離れる。
そして物品移動装置の走行輪を回転させて物品移動装置を移動し、所定の位置で昇降部材を降下させて物品を架台部材の他の位置に移動させる。
【0011】
好ましくは、上下方向に移動するリフターを備え、リフターには、前記架台部材の前記凸条部材を延長する2列以上の短凸条部材が設けられ、保持部材に前記物品を載置した状態で走行輪を回転させて物品移動装置を移動し、物品移動装置をリフターに進入させると共に物品移動装置を短凸条部材の間に配置し、昇降部材を降下させて前記物品を短凸条部材に受け渡すことが可能である。
【0012】
この好ましい様相の物品保管・搬送装置では、上下方向に移動するリフターを備え、リフターに、架台部材の凸条部材と同様の短凸条部材が設けられている。そして、架台部材上において、物品を移動させるのと同様の方策によって物品を凸条部材側から短凸条部材側に受け渡すことが可能である。
【0013】
好ましくは、前記架台部材は、高さ方向に複数階に渡って設けられ、上下方向に移動するリフターを備え、走行輪を回転させて物品移動装置を移動し、物品移動装置をリフターに進入させ、リフターを昇降してリフターを他の階に移動させ、走行輪を回転させて物品移動装置を移動して物品移動装置を他の階の架台部材に移動させることができる。
【0014】
この好ましい様相によると、リフターを利用して物品移動装置を異なる階に移動させることができる。そのため本様相によると、複数の階の物品を一つ物品移動装置で移動させることができる。
【0015】
好ましくは、保持部材は水を通過させない素材で作られており、前記物品と当接する当接面と、当該当接面の辺部に設けられた傾斜面とを有し、昇降部材を構成する昇降機構と、走行輪を回転させる回転機構が保持部材の傘下にある。
【0016】
この好ましい様相の物品保管・搬送装置では、昇降部材を構成する昇降機構と、走行輪を回転させる回転機構が保持部材の傘下にある。また保持部材は水を通過させない素材で作られており、物品と当接する当接面と、当該当接面の辺部に設けられた傾斜面とを有している。
そのため物品に水等が供給されて当該水が垂れても、機構部分を濡らすことはない。
また
制御装置を有し、当該制御装置には順送り動作を自動的に実行するプログラムが格納されており、前記順送り動作は、一対の凸条部材上にあって先に搬入した全ての物品を、所定距離だけ移動させるものであることが望ましい。
【0017】
上記した様相と関連する様相は、昇降部材を構成する昇降機構は、ラックと、ラックに設けられた傾斜面と、傾斜面に当接する従動部材によって構成されている。
【0018】
この関連する様相で採用する昇降機構は、昇降機構が、ラックと、ラックに設けられた傾斜面と、傾斜面に当接する従動部材によって構成されている。そのためラックを例えば水平に直線移動させると、従動部材が傾斜面に沿って移動し、従動部材と共に保持部材を昇降させることができる。そして、従動部材が傾斜面の下方側にあるときには、物品移動装置の全高が低くなる。そのため本様相で採用する昇降機構は、架台部材を複数階に積み重ねる構成に適する。
【0019】
物品移動装置は、電池と受信機とを有し、無線によって操作されることが望ましい。
【0020】
架台部材に設置された前記物品を、隙間なく前に詰めるための一連の動作がプログラムされていることが望ましい。
【0021】
上下方向に移動するリフターを備え、架台部材に設置された前記物品の内、先頭の物品をリフターに移動させるための一連の動作がプログラムされていることが望ましい。
【0022】
本発明の第2の様相は、上記の物品搬送装置と、人工照明とを有し、栽培トレイを前記物品として複数の栽培トレイを一定期間に渡って設置されると共に、前記栽培トレイを移動させる機能を備えたことを特徴とする作物栽培装置である。
【0023】
本様相では、物品として栽培トレイを保管・搬送することができる。また、保管中に栽培トレイに人工照明によって光を照射し、栽培トレイ上の植物を生育することができる。さらに、植物の生育が進んだ栽培トレイを移動させて、搬出することができる。
【0024】
本発明の第3の様相は、複数の栽培トレイが一定期間に渡って設置されると共に前記栽培トレイを移動させる機能を備えた作物栽培装置において、複数の栽培トレイを載置する架台部材と、栽培トレイを移動させるトレイ移動装置を有し、架台部材は、栽培トレイの移動方向に延び、その上に栽培トレイが載置される2列以上の凸条部材を有し、トレイ移動装置は、動力によって回転する走行輪と、栽培トレイを保持する保持部材と、当該保持部材を昇降させる昇降部材とを有し、トレイ移動装置は、凸条部材の間に配されていて走行輪を回転することにより凸条部材の間を直線移動可能であり、昇降部材を降下した際には保持部材が凸条部材の上端よりも下に沈み、昇降部材を上昇した際には保持部材が凸条部材の上端よりも上に突出し、トレイ移動装置を栽培トレイの下に移動した後に昇降部材を上昇させて保持部材で栽培トレイをすくい上げ、走行輪を回転させてトレイ移動装置を移動し、昇降部材を降下させて栽培トレイを架台部材の他の位置に移動させることが可能であ
り、昇降部材を構成する昇降機構は、モータと連動して回転する歯車と、一対のラックと、従動部材とを備えており、前記ラックは、上面側に前記歯車と係合する歯形が形成され、係合する前記歯車の回転軸と直交する方向に長さを有し、且つ、前記歯車の回転に伴って前記ラック自身の長手方向に沿って水平方向に直線移動するものであり、一対の前記ラックは、間隔を空けて平行に配置されており、一方及び他方の前記ラックの間に前記モータが位置しており、前記モータは、一方及び他方の前記ラックと係合する前記歯車を回転させるものであり、前記従動部材は、一対の前記ラックの上に載置されて前記保持部材の下面側に接するものであり、一対の前記ラックの前記直線移動に伴って載置位置が変更されて昇降し、前記従動部材の昇降に伴って前記保持部材が昇降する
ものであり、トレイ移動装置は、本体ケースを有し、当該本体ケースの中に前記昇降機構と、前記走行輪を回転させる回転機構が内蔵され、前記保持部材は、前記本体ケースよりも一回り大きい専有面積を有し、前記保持部材は水を通過させない素材で作られており、前記物品と当接する当接面と、当該当接面の辺部に設けられた傾斜面と、傾斜面に繋がる垂直面を有し、前記本体ケースが保持部材の傘下にすっぽりと覆われ、トレイ移動装置は、制御装置を有し、当該制御装置には順送り動作を自動的に実行するプログラムが格納されており、前記順送り動作は、一対の凸条部材上にあって先に搬入した全ての物品を、所定距離だけ移動させるものであることを特徴とする作物栽培装置である。
【0025】
本様相の作物栽培装置では、栽培トレイは、2列以上の凸条部材に載置され、常時は凸条部材の上で停止している。そして必要に応じてトレイ移動装置で栽培トレイを移動させる。即ち本様相の作物栽培装置は、トレイ移動装置を有している。そして本様相で採用するトレイ移動装置は、動力によって回転する走行輪を有していて自走する。
またトレイ移動装置は、保持部材を昇降させる昇降部材を有している。
本様相においては、トレイ移動装置を自走させて所望の栽培トレイの下に移動し、その後に昇降部材を上昇させ、凸条部材に載置されている栽培トレイを保持部材ですくい上げ、その結果、栽培トレイは、凸条部材を離れる。
そしてトレイ移動装置の走行輪を回転させてトレイ移動装置を移動し、所定の位置で昇降部材を降下させて栽培トレイを架台部材の他の位置に移動させる。
【0026】
架台部材は、高さ方向に複数階に渡って設けられ、上下方向に移動するリフターを備え、トレイ移動装置をリフターに乗せて他の階に移動させるための一連の動作がプログラムされていることが望ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の物品保管・搬送装置、並びに、作物栽培装置は、物品又は栽培トレイを移動させるために動作する部材が小さく、かつその数が少ない。そのため本発明の物品保管・搬送装置、並びに、作物栽培装置は、製造コストが低く、且つメンテナンスも容易である。さらに本発明の物品保管・搬送装置、並びに、作物栽培装置は、磨耗粉等の発生が少なく、衛生的である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施形態では、物品保管・搬送装置として作物栽培装置1を挙げて説明する。
本実施形態の作物栽培装置1は、
図1〜
図3の様に、72セットの架台部材2と、6台の搬入用リフター3と、6台の搬出用リフター5を有する。また作物栽培装置1は、18台のトレイ移動装置6を有する。
【0030】
各構成部材のレイアウトは、
図1に示す様に、中央に72セットの架台部材2があり、その一端側に6台の搬入用リフター3が設けられている。また架台部材2の他端側に6台の搬出用リフター5が設けられている。トレイ移動装置6は、架台部材2の中にあって、後記する様に架台部材2の中を走行する。
栽培トレイ8は、架台部材2の上に載置される。
【0031】
架台部材2は、一対の凸条部材10a、10bが一定の距離を空けて平行に設けられたものである。
図4に示す様に、各架台部材2は、支持体4に固定されている。支持体4は、複数の直立する支柱4aと、水平姿勢で支柱4aに固定された支持板4bとで構成された構造体である。
【0032】
2つの凸条部材10a、10bが一組となって、複数組の架台部材2が支持体4に固定されている。各凸条部材10a、10bは、支持体4の支持板4b上に配置され、支持板4b上から突出する部材であり、トレイ移動装置6が走行する空間28を確保でき、且つその上に栽培トレイ8(規格化された物品)を載置することができる距離を空けて平行に設けられたものである。従って凸条部材10a、10bの間隔は、トレイ移動装置6の幅よりも広く、栽培トレイ8の全長よりも短い。
【0033】
支持板4bの代わりに、格子状の支持体(図示せず)を採用することもできる。すなわち、横方向の複数の支持梁と、隣接する横方向の支持梁同士を連結する複数の縦方向の支持梁とで格子状の支持体を構成する。この支持体上に凸条部材10a、10bを固定する。
【0034】
凸条部材10a、10bは、具体的には長尺の溝型鋼又はC型鋼であり、
図4の姿勢を基準として、上面板11と、下面板12と、接続板13を有し、この三者によって3面が囲まれ、残る一面が開放された断面形状が凹状の鋼材である。また、凸条部材10a、10bは、断面形状が凹状以外に様々な形状のものを採用することができる。例えば、断面がL字形や、I字形のものでも差し支えなく使用できる。すなわち、凸条部材10a、10bは、空間28を構成することができる断面形状を呈していれば、例示した以外のどのような断面形状を呈するものであってもよい。
【0035】
一セットの架台部材2は、2本の凸条部材10a、10bによって構成されている。そして、各凸条部材10a、10bは、凹部同士が互いに向き合う様に配置されている。
凸条部材10a、10bは栽培トレイ8の移動方向に延びている。
凸条部材10a、10bには、一定間隔で切り欠き15が設けられている。切り欠き15の配置間隔は、栽培トレイ8の間隔よりもやや広い。
切り欠き15は、トレイ移動装置6の停止位置を特定するための印であり、栽培トレイ8の載置場所に対応している。切り欠き15は、搬入用リフター3側から搬出用リフター5側にかけて等間隔に設けられている。本実施形態では栽培トレイ8の載置場所は、搬入用リフター3側から数えて最初の切り欠き15の位置が第1設置位置であり、その次が第2設置位置であり、以下、搬出用リフター5に至るまで、40程度の設置位置(切り欠き15)がある。
設置位置(切り欠き15)の個数は、作物の栽培に要する日数と一日当たりの予定収穫量との積と同じか、又はそれ以上であってもよい。例えば作物がレタスであれば、苗を植えてから収穫までに、20日を要する。一日に栽培トレイ8を2個ずつ収穫する予定であれば、少なくとも40個の設置位置が必要である。
【0036】
本実施形態では、架台部材2が、平面的に6列、上下方向に12段に設置されている。また上下方向に4個ずつの架台部材2が、一つの架台グループを構成している。即ち、
図2、
図3に示す様に、上から4段の架台部材2が上段グループAを構成し、中間の4段が中段グループBを構成し、下の4段が下段グループCを構成している。従って、本実施形態では、前記した様に架台部材2が6列設けられおり、それぞれが3グループを持っているから、合計で18グループに組分けされている。
【0037】
各架台部材2の上方には、LED等の照明装置20及び給液ノズル21が設けられている。照明装置20は、作物の生育に必要な日照を疑似的に作るものであり、光合成に適する波長の光を発する。
給液ノズル21は、作物の生育に必要な培養液を栽培トレイ8に供給するものである。また架台部材2の近傍には、図示しない排水設備が設けられている。
【0038】
図1に示す様に、搬入用リフター3と、搬出用リフター5は、前記した様に架台部材2の両端に配されている。搬入用リフター3と、搬出用リフター5は、同一の構造を有するものであるから、代表して搬出用リフター5について説明する。
搬出用リフター5は、
図10の様にチェーン22等によって昇降されるゴンドラであり、一対の短凸条部材23a、23bが設けられている。
短凸条部材23a、23bは、前記した架台部材2の凸条部材10a、10bと同様の構造及び配置であり、溝型鋼又はC型鋼で作られていて短凸条部材23a、23bの凹部が互いに向き合う様に配置されている。一対の短凸条部材23a、23bの間には、トレイ移動装置6の幅よりも広い空間45がある。
【0039】
一対の短凸条部材23a、23bは、一定の距離を空けて平行に設けられたものである。短凸条部材23a、23bの間隔は、前記した架台部材2の凸条部材10a、10bの間隔と同一である。従って搬出用リフター5の高さが架台部材2と合致すれば、短凸条部材23a、23bは、架台部材2の凸条部材10a、10bを延長する状態となる。
【0040】
図10は、同一平面内の一対の短凸条部材23a、23bをチェーン22で昇降させる場合の構成を示したが、同一平面内の複数対(例えば二対)の短凸条部材23a、23bを同時に昇降させてもよい。この場合には、水平な載置板(図示せず)上に、複数対の短凸条部材23a、23bを載置し、この載置板をチェーン22に固定する。チェーン22を駆動すると、載置板と共に、複数対の短凸条部材23a、23bが昇降する。このように構成すると、チェーン22及び駆動源を共用することができる。すなわち、複数(例えば2つ)の栽培トレイ8を、同時に昇降させることができる。
【0041】
次にトレイ移動装置6について説明する。トレイ移動装置6は、
図5、
図6の様に本体部30と、保持部材31によって構成されている。
本体部30は、本体ケース33内に、昇降部材35、走行部材36、蓄電池37及び制御装置38が内蔵されたものである。本体ケース33は、
図6の様に、上面が開放され、平面形状が略正方形であって高さの低い箱である。
【0042】
本体ケース33内に内蔵された昇降部材35は、
図6の様に、一対のラック部材40a,40bと、昇降用モータ内蔵ローラ41(MDR)と、従動部材43によって構成されている。
図7に示す様に、ラック部材40a,40bは、ある程度の長さを有する部材であり、長手方向中央であって、上面側にラックの歯形46が形成されている。
また長手方向の両端部に隆起部51が設けられている。隆起部51には、傾斜面47と、傾斜面47に連続する高原部48が形成されている。隆起部51の傾斜面47及び高原部48は、カムとして機能する。
ラック部材40a,40bは、広い間隔を空けて平行に配置されている。
【0043】
昇降用モータ内蔵ローラ41は、円筒形のケース50(ローラ)内にモータと減速機(いずれも図示せず)が内蔵されたものであり、ケース50の両端から回転軸が突出している。そして当該回転軸に歯車52a,52bが取り付けられている。
昇降用モータ内蔵ローラ41は、ラック部材40a,40bによって挟まれた領域にあり、ラック部材40a,40bに対して直交方向姿勢となる様に固定されている。そして昇降用モータ内蔵ローラ41の歯車52a,52bが、ラック部材40a,40bの歯形46と係合している。
【0044】
従動部材43は、枠体であり、内面側にコロ53が4個設けられている。コロ53は、カムフォローとして機能する。
従動部材43は本体ケース33の枠内にあって、ラック部材40a,40b及び昇降用モータ内蔵ローラ41を覆う様に設置されている。
そして
図8(a)、
図8(b)に示す様に、従動部材43の各コロ53が、ラック部材40a,40bの隆起部51上に載置されている。
従動部材43は、単にラック部材40a,40bの上に載せられているだけであり、本体ケース33に対して自由度を持つ。ただし本体ケース33内には、従動部材43の近傍にガイド部材55、56(
図6)が立設されているので、従動部材43は、ガイド部材55、56によって上下方向にガイドされて、本体ケース33に対して昇降方向にのみ移動する。
【0045】
昇降用モータ内蔵ローラ41を駆動させると、昇降用モータ内蔵ローラ41側の歯車52a,52bが回転するので、当該歯車52a,52bと係合するラック部材40a,40bが直線移動する。
そして従動部材43のコロ53が、ラック部材40a,40bの隆起部51上に載置されているから、ラック部材40a,40bを直線移動させることによってコロ53の載置位置が変化し、カムフォローたる各コロ53が上下移動して従動部材43を昇降させる。
即ち
図8(b)の様に、コロ53が隆起部51の傾斜面47のすそ野部分と接している場合には、コロ53は下の位置にあり、従動部材43は降下している。
一方、
図8(a)の様に、コロ53が隆起部51の高原部48と接している場合には、コロ53は上の位置にあり、従動部材43は上昇している。
昇降用モータ内蔵ローラ41を回転駆動させると、ラック部材40a,40bは直線移動する。また、ラック部材40a,40bの近傍には図示しないリミットスイッチが設置されている。このリミットスイッチによってラック部材40a,40bが特定の位置まで移動したことが検知される。即ち、特定の位置とは、従動部材43が降下している位置又は従動部材43が上昇している位置である。
そして、ラック部材40a、40bがこの特定の位置に移動したことをリミットスイッチが検知すると、昇降用モータ内蔵ローラ41を停止させる。これによって従動部材43の昇降移動を停止させることができる。
又は、ラック部材40a及び/又はラック部材40b等に近接スイッチを設け、従動部材43(コロ53)が、ラック部材40a(40b)上の特定の位置に来たことを検出し、昇降用モータ内蔵ローラ41を停止させてもよい。
例えば、従動部材43が上昇する際(コロ53が傾斜面47を上昇する際)には、近接センサ(図示せず)が従動部材43の相対位置を検出すると、昇降用モータ内蔵ローラ41を停止させる。また、従動部材43が下降する際(コロ53が傾斜面47を下降する際)には、昇降用モータ内蔵ローラ41のモータパルスを図示しないカウンタでカウントする。そして、予め設定されたカウント数になると昇降用モータ内蔵ローラ41を停止させる。
【0046】
走行部材36は、
図9の様に、走行用ギャードモータ60と、車軸61,62及びベルト65a,65b(
図9では、ベルト65bの描写は省略している。)によって構成されている。
走行用ギャードモータ60は、円筒形のケース66内にモータと減速機(いずれも図示せず)が内蔵されたものであり、ケース66の一端から回転軸67が突出している。そして当該回転軸67に歯車68が取り付けられている。
【0047】
本実施形態では、走行部材36は車軸61,62を有し、その一方が駆動側車軸61であり、他方が従動側車軸62である。
各車軸61,62の両端には車輪69が取り付けられている。車軸61,62には、いずれも車輪69の近傍に、プーリ70a,70b(
図9では、プーリ70bの描写は省略している。)が設けられている。また駆動側車軸61には、歯車71が取り付けられている。
【0048】
走行部材36の車軸61,62は、いずれも図示しない軸受を介して本体ケース33に回転可能に支持されている。各車輪69は、いずれも本体ケース33の側面から突出している。
また車軸61,62は、
図6の様にラック部材40a,40bと直交する方向を向く様に配置されている。車軸61,62の間には、相当の間隔が設けられている。
図9に示す様に、走行用ギャードモータ60は、車軸61,62の間の領域内に、車軸61,62と平行に設置されている。そして走行用ギャードモータ60に取り付けられた歯車68が、駆動側車軸61に設けられた歯車71と係合している。
【0049】
また車軸61,62に設けられたプーリ70a,70bには、ベルト65a,65bが懸架されている。
従って、走行用ギャードモータ60を回転駆動させると、その回転力が歯車68,歯車71によって駆動側車軸61に伝動され、両端の車輪69が回転する。さらに駆動側車軸61の回転力がベルト65a,65bによって従動側車軸62に伝動され、従動側車軸62の両端に取り付けられた車輪69が回転する。そのため、走行用ギャードモータ60を回転すると、本体ケース33に設けられた4つの車輪69が同期的に回転する。
走行用ギャードモータ60には、回転数をカウントする機能があり、一定の回転数となったときに走行用ギャードモータ60を停止させることができる。即ち車輪69が一定の回転数だけ回転し、トレイ移動装置6を一定距離だけ走行させた後に、走行を停止させることができる。
又は、モータパルスで走行用ギャードモータ60の回転数をカウントし、トレイ移動装置6が移動するべき距離に相当する回転数未満で走行用ギャードモータ60を減速し、且つ、近接センサで予め設けられた停止用の指標との距離を検知して停止させることもできる。
【0050】
その他、本体ケース33内には、蓄電池37及び制御装置38が内蔵されている。蓄電池37は、公知のリチウム電池等である。蓄電池37は前記した昇降用モータ内蔵ローラ41,及び走行用ギャードモータ60に電力を供給するものである。制御装置38についても蓄電池37の電力の供給を受けて動作する。
また本体ケース33には、蓄電池37を充電するための給電プラグ(図示せず)が設けられている。
さらに本体ケース33には、図示しない位置確認センサーが設けられている。位置確認センサーは、近接センサーである。近接センサーは本体ケース33の側面から外側に向かって光を照射し、その反射光を検知してON・OFF信号を発するものであり、トレイ移動装置6の停止位置を微調整する用途に使用される。
【0051】
制御装置38は、無線通信を行う受信機を内蔵している。また制御装置38には、後記する一連の動作を実行するためのプログラムが格納されている。即ち、後記する移載動作、順送り動作、搬入動作、前詰め動作、搬出動作及び階移行動作を自動的に実行するプログラムが格納されている。
【0052】
本体ケース33の外周に目を移すと、本体ケース33の2辺に、軌道修正コロ72が2個ずつ設けられている。軌道修正コロ72は、回転軸が垂直姿勢となる様に設置されている。
【0053】
保持部材31は、本体ケース33よりも一回り大きい専有面積を有する部材であり、平面視が略正方形である。
保持部材31は水を通過させない素材で作られている。保持部材31は略正方形であって、平面視した状態において、面積の大部分を占める平面当接部73と、平面当接部73の各辺から斜め下方向に広がるスカート部75を有している。
そして保持部材31は、本体ケース33の上に載置されている。より詳細には、平面当接部73の下面側に昇降部材35の従動部材43が接し、従動部材43によって保持部材31が支持されている。また保持部材31は、単に本体ケース33の上に載置されているだけであるから、本体ケース33に対して自由度を持ち、従動部材43の昇降に伴って昇降する。
また前記した様に、保持部材31は、本体ケース33よりも一回り大きいので、本体ケース33内に内蔵された昇降部材35の機構部分、走行部材36の機構部分、蓄電池37及び制御装置38等の電気機器は、保持部材31の傘下にすっぽりと覆われる。
【0054】
栽培トレイ8は、
図11に示す様に、樹脂製の箱であり、上面側が開放されている。栽培トレイ8には図示しない水抜き孔等が設けられている。また栽培トレイ8には、図示しない苗保持部材が取り付けられており、この苗保持部材でレタス等の野菜の苗が固定される。
【0055】
上記したトレイ移動装置6は、前記した様に架台部材2の各グループに一個ずつ配備されている。即ちトレイ移動装置6は、個々のグループに属するいずれかの架台部材2にある。より具体的に説明すると、トレイ移動装置6は、
図11、
図12の様に、架台部材2の凸条部材10a、10bの接続板13同士で挟まれた空間28内に設置され、トレイ移動装置6の各車輪69が下面板12の上面に載せられている。
そのため走行用ギャードモータ60を起動して各車輪69を回転させると、トレイ移動装置6は、架台部材2の凸条部材10a、10bで囲まれた細長い空間28を直線移動する。また何らかの理由で、トレイ移動装置6が曲がった方向に移動しようとすると、トレイ移動装置6の本体ケース33の外側に設置された軌道修正コロ72(
図6)が凸条部材10a、10bの接続板13に当たって走行方向を直線方向に修正する。
【0056】
またトレイ移動装置6の昇降部材35が降下した状態においては、
図11の様に保持部材31は、凸条部材10a、10bの上面板11よりも下に沈む。従って、
図11の様に凸条部材10a、10bに栽培トレイ8が載置されていたとしても、トレイ移動装置6の保持部材31が栽培トレイ8に接することはない。そのため栽培トレイ8の底は、凸条部材10a、10bの上面板11と接した状態を維持する。
【0057】
その一方で昇降部材35を上昇させると、
図12の様に保持部材31は、凸条部材10a、10bの上面板11よりも上に上昇する。
従って、
図11の様に凸条部材10a、10bの上面板11に栽培トレイ8が載置されていたならば、トレイ移動装置6の保持部材31によって栽培トレイ8がすくい上げられ、栽培トレイ8は、凸条部材10a、10bの上面板11から離れる。
【0058】
ここで、凸条部材10a、10b上に載置された栽培トレイ8が、仮に自重及び内容物の重量によって撓むことがある。この場合には、栽培トレイ8における凸条部材10a、10bと接する部位にスペーサ(図示せず)を設け、栽培トレイ8の底面を上昇させてもよい。これにより、撓んだ栽培トレイ8の底が、移動してきたトレイ移動装置6(保持部材31)と衝突する事態を回避できる。
【0059】
トレイ移動装置6は、3種類の単独動作を実施することができる。単独動作の一つは降下動作であり、昇降用モータ内蔵ローラ41を回転させて昇降部材35を降下させ、保持部材31を凸条部材10a、10bの上面板11よりも下に沈めることができる。二つ目の単独動作は走行動作であり、走行用ギャードモータ60を起動して車輪69を回転させることができる。三つ目の単独動作は上昇動作であり、昇降用モータ内蔵ローラ41を逆回転させて昇降部材35を上昇させ、保持部材31を凸条部材10の上面板11よりも上に突出させることができる。
またトレイ移動装置6は、前記した3種類の単独動作を連続して実行する移載動作を自動的に行うことができる。移載動作は、トレイ移動装置6の基本動作であり、降下動作と、走行動作と、上昇動作と、走行動作と、降下動作をこの順で行うものである。
降下動作で保持部材31を下ろした状態で走行させ、所定の位置で上昇動作を行って栽培トレイ8をすくいあげ、栽培トレイ8を持ち上げたままで走行動作を実施して栽培トレイ8を移動し、降下動作を実施して栽培トレイ8を下ろすことができる。
【0060】
次に、本実施形態の作物栽培装置1の全体的な動きについて説明する。
本実施形態の作物栽培装置1は、原則として各架台部材2に栽培トレイ8を満載して使用される。
即ち搬入用リフター3及びトレイ移動装置6を使用して栽培トレイ8を各架台部材2に載置する。このとき、トレイ移動装置6は、一連の搬入動作を実行する。
ここで栽培トレイ8を各架台部材2に載置する場合には、搬入用リフター3と、トレイ移動装置6との間で動作タイミングを合わせる必要がある。本実施形態の作物栽培装置1では、搬入用リフター3は有線による信号で動作させる。搬入用リフター3に設けられた各センサー等による動作確認を終えると、図示しない固定側制御装置から、無線信号が発信され、トレイ移動装置6の動作タイミングが図られる。
また栽培トレイ8の各架台部材2への搬入は、一定の期間(例えば一日)をおいて行われる。即ち、二回目以降の栽培トレイ8の各架台部材2への搬入に先立って、一回目に各架台部材2に搬入された栽培トレイ8に対して一連の順送り動作を実行する。
この場合には、トレイ移動装置6の単独動作であり図示しない固定側制御装置から、トレイ移動装置6に対して無線で開始信号が発信され、当該開始信号を契機として一連の順送り動作が実行される。
【0061】
そして、所定の日数が経過し、苗が出荷に適する大きさに育つと、架台部材2から栽培トレイ8が搬出(出庫)される。
即ち搬出用リフター5及びトレイ移動装置6を使用して栽培トレイ8を各架台部材2から搬出(出庫)する。このとき、トレイ移動装置6は、一連の搬出動作が実行される。
この場合にも搬出用リフター5と、トレイ移動装置6との間で動作タイミングを合わせる必要があり、固定側制御装置からの無線信号によってトレイ移動装置6の動作タイミングが図られる。
【0062】
また栽培トレイ8が搬出された後に、トレイ移動装置6によって前詰め動作が実行される。この場合は、トレイ移動装置6の単独動作であり図示しない固定側制御装置から、トレイ移動装置6に対して無線で開始信号が発信される。そして、当該開始信号を契機として一連の前詰め動作が実行される。
【0063】
以下、各動作の詳細を説明する。
各架台部材2の長さは、育成に要する日数と同一の個数の栽培トレイ8を載置する長さ、あるいはこの整数倍の栽培トレイ8を載置する長さと一致する様に設計されている。
そして搬入用リフター3で、栽培トレイ8を所定の高さに持ち上げ、各架台部材2に毎日所定個数ずつ栽培トレイ8を搬入する。
【0064】
具体的には、
図13(a)に示す様に、搬入用リフター3の短凸条部材23a、23bに苗を植えつけた栽培トレイ8を載置する。続いて搬入用リフター3を上昇させて所望の段の架台部材2の位置まで持ち上げる。そして搬入用リフター3の短凸条部材23a、23bの高さを架台部材2の凸条部材10a、10bの高さに合わせて搬入用リフター3を停止させる。この状態において、架台部材2の凸条部材10a、10bと搬入用リフター3の短凸条部材23a、23bとは略直線状に配置されることとなり(
図13(b))、実質的に搬入用リフター3の短凸条部材23a、23bによって架台部材2の凸条部材10a、10bが延長される。
【0065】
そしてこの状態で、トレイ移動装置6に一連の搬入動作を実行させる。即ち、
図13(b)〜
図13(e)に示す様に、トレイ移動装置6に、架台部材2の凸条部材10a、10bと搬入用リフター3の短凸条部材23a、23bを跨ぐ移載動作を実行させる。
即ちトレイ移動装置6の昇降部材35を降下させる。または図示しないリミットスイッチを確認し、昇降部材35が降下していることを確認する。その状態でトレイ移動装置6を直線走行させて搬入用リフター3側に向かって移動させる。そしてさらにトレイ移動装置6を直線走行させる。その結果、トレイ移動装置6の各車輪69が、架台部材2の凸条部材10a、10bと、搬入用リフター3の短凸条部材23a、23bの境界部分を乗り越え、トレイ移動装置6は、凸条部材10a、10b間の空間28から、搬入用リフター3の短凸条部材23a、23b間の空間45に乗り移る。即ちトレイ移動装置6の昇降部材35は降下した状態であるから、
図11の様に保持部材31は、凸条部材10a、10bの上面板11よりも下に沈んでいる。そのためトレイ移動装置6が搬入用リフター3側に移動しても、保持部材31は搬入用リフター3に載置されている栽培トレイ8の下に移動し、
図13(c)に示す様に、トレイ移動装置6は栽培トレイ8の下にもぐり込む。即ちトレイ移動装置6は、搬入用リフター3の短凸条部材23a、23bに載置された栽培トレイ8の真下の位置に移動する。
【0066】
そしてこの状態で、トレイ移動装置6の昇降部材35を上昇させる(
図13(d))。その結果、トレイ移動装置6の保持部材31が上昇し、栽培トレイ8を下からすくいあげる。そうして栽培トレイ8は短凸条部材23を離れ、中空に持ち上げられる。
その後、トレイ移動装置6の走行用ギャードモータ60を起動して各車輪69を回転させて、トレイ移動装置6を架台部材2側に戻す(
図13(e))。そしてトレイ移動装置6を適切な位置で停止させる。
ここでトレイ移動装置6の停止位置は、当日の搬入予定数によって決定される。即ち当日に栽培トレイ8を2個搬入するのであれば、トレイ移動装置6は、搬入用リフター3側から2個目の停止位置で停止させる。例えば1月1日に、栽培トレイ8を2個搬入する予定であれば、トレイ移動装置6は、搬入用リフター3側から2個目の停止位置で停止させる。
【0067】
即ち、走行用ギャードモータ60の回転数をカウントすると共に、トレイ移動装置6の図示しない位置検知センサーで、切り欠き15(
図4)の位置を確認し、2個目の停止位置でトレイ移動装置6を停止させる。そしてトレイ移動装置6の昇降部材35を降下させる。その結果、トレイ移動装置6の保持部材31が降下し、栽培トレイ8が下がって架台部材2の凸条部材10に載置される。
【0068】
同様の手順によって、予定の2個の栽培トレイ8を架台部材2に載せる(
図13(f))。なお、二個目の栽培トレイ8は、搬入用リフター3側から1個目の停止位置に載置する。
【0069】
翌日は、搬入に先立ってトレイ移動装置6に、順送り動作を実行させる。即ち先に搬入した2個の栽培トレイ8を所定距離だけ移動させる。先の例に従うと、翌1月2日に、栽培トレイ8を2個搬入する予定であれば、先に搬入された栽培トレイ8をそれぞれ2位置ずつ前進させる。
即ちトレイ移動装置6の昇降部材35を降下し、その状態でトレイ移動装置6を直線走行させて搬入用リフター3を栽培トレイ8の真下に移動する。そして、昇降部材35によって保持部材31を上昇させて栽培トレイ8をすくいあげ、その状態でトレイ移動装置6を直線移動させて、栽培トレイ8の2個分だけ搬出用リフター5側に進める。そして昇降部材35を降下させて栽培トレイ8を凸条部材10a、10bの上面板11に下ろす。
【0070】
こうして毎日、数個ずつ栽培トレイ8を搬入する。そして栽培トレイ8の苗に照明装置20(
図4)を照射して苗を育成する。そして所定の日数が経過し、苗が程よく育ったならば、栽培トレイ8を架台部材2から搬出する。その手順を、
図14(a)〜
図14(g)を参照しながら説明する。
具体的には、搬出用リフター5を昇降させて、搬出用リフター5の短凸条部材23の高さを架台部材2の凸条部材10a、10bの高さに合わせて搬出用リフター5を停止させる(
図14(a))。この状態において、架台部材2の凸条部材10a、10bと搬出用リフター5の短凸条部材23a、23bとは略直線状に配置されることとなる。そのため、実質的に搬出用リフター5の短凸条部材23a、23bによって架台部材2の凸条部材10a、10bが延長される。
【0071】
そしてトレイ移動装置6に一連の搬出動作を実行させる。具体的には、トレイ移動装置6の昇降部材35を降下させ、その状態でトレイ移動装置6を直線走行させて搬入用リフター3を先頭の栽培トレイ8の真下に移動させる。そして、昇降部材35を上昇させて保持部材31を上昇させ、先頭の栽培トレイ8をすくいあげる。その状態でトレイ移動装置6を直線移動させる。
そしてトレイ移動装置6を搬出用リフター5の中に搬入し、昇降部材35を降下させて先頭の栽培トレイ8を搬出用リフター5の短凸条部材23に載置する(
図14(b))。その後、トレイ移動装置6を搬出用リフター5側から架台部材2側へ退避させる。
そして搬出用リフター5を降下させて栽培トレイ8を地上に搬送し(
図14(c))、レタス等の作物を出荷する。
この動作を繰り返し、数個の栽培トレイ8を地上に搬送する(
図14(d)、(e))。
【0072】
また架台部材2は、
図14(f)に示す様に、先頭の数個分が空きとなるから、トレイ移動装置6によって各栽培トレイ8を前に詰める。即ちトレイ移動装置6に一連の前詰め動作を実行させる。
より具体的には、トレイ移動装置6に移載動作を繰り返し実行させ、現に架台部材2に載置されている全ての栽培トレイ8を2位置ずつ前に詰める(
図14(g))。
即ち列の先頭の栽培トレイ8を搬出用リフター5で持ち上げ、トレイ移動装置6を直線移動させて栽培トレイ8を前詰めする。
これを繰り返して全ての栽培トレイ8を前に詰め、最も上流側(搬入側)の部位を空けて新たな栽培トレイ8を搬入できる様にする。
すなわち、架台部材2上に栽培トレイ8が満載されている場合には、先に搬出動作(出庫動作)を行った後に、搬入動作(入庫動作)を行う。
【0073】
また本実施形態では、トレイ移動装置6に階移行動作を自動的に実行するプログラムが格納されている。このトレイ移動装置6を階移行させるプログラムは、制御装置38よりも上位のコンピュータで実行される。そのため本実施形態の作物栽培装置1では、上下に並んだ複数の架台部材2を一台のトレイ移動装置6が担当する。そして、一台のトレイ移動装置6によって複数の架台部材2に載置された栽培トレイ8を、順に移動させることができる。
より具体的には、一つのグループに属する架台部材2を一台のトレイ移動装置6が担当する。本実施の形態では、縦6列の6グループあるので、六台のトレイ移動装置6が設けられている。
即ち、一つの階の架台部材2aにおける搬送作業を終えると、自動実行プログラムは、トレイ移動装置6を、搬出用リフター5又は搬入用リフター3内に移動させる(
図15(a))。そしてトレイ移動装置6を載置した状態で、搬出用リフター5又は搬入用リフター3を昇降させ(
図15(b))、異なる階の架台部材2bの位置で停止させる。そして走行用ギャードモータ60を起動して各車輪69を回転させることによりトレイ移動装置6を走行させて、新たな階の架台部材2bにトレイ移動装置6を移す。新たな階の架台部材2bにおいては、先と同様の作業を行う。
また、トレイ移動装置6に搭載した蓄電池37のバッテリ残量が減少した際にも、当該プログラムが実行され、トレイ移動装置6は図示しない充電設備に移動し、蓄電池37が充電される。
【0074】
また一日の就業が終わったとき、あるいは一定時間に渡ってトレイ移動装置6が作業を行った際には、トレイ移動装置6は、自ら走行して搬出用リフター5又は搬入用リフター3に乗る。そしてトレイ移動装置6は、所定の階、又は所定の位置に設けられた図示しない充電ステーションに自動的に移動する。
充電ステーションには、充電設備があり、作業者がトレイ移動装置6の給電プラグ(図示せず)を充電設備に接続し、蓄電池37を充電する。
【0075】
本実施形態の作物栽培装置1では、栽培トレイ8が長期間に渡って架台部材2に載置され、その間、栽培トレイ8に培養液が供給され続ける。そのため何らかの理由により、栽培トレイ8から培養液が漏れることがある。漏れ出た培養液は、架台部材2の空間28に落下することとなる。
ここで本実施形態の作物栽培装置1では、保持部材31が傘のごとくに作用し、本体ケース33内の機構や電気回路を濡らすことはない。
即ち本実施形態では、昇降部材35の機構部分、走行部材36の機構部分、蓄電池37及び制御装置38等の電気機器は、保持部材31の傘下にすっぽりと覆われている。そして保持部材31には、平面当接部73の各辺から斜め下方向に広がるスカート部75がある。そのため滴下してきた培養液等は、平面当接部73からスカート部75に沿って流れ落ち、本体ケース33内に浸入しない。
【0076】
以上説明した実施形態では、ラック部材40a,40bの直線運動をカムによって上下運動に変換した。この構成は、トレイ移動装置6の全高を低く抑えることができ、推奨される構成である。
しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、ねじによって保持部材31を昇降させたり、ソレノイド等の機器を使用して保持部材31を昇降させてもよい。
また以上説明した実施形態における架台部材2の数や段数、グループ分けは、あくまでも例示であり、栽培する作物、栽培予定数、装置の設置スペースによって任意に設計される。
【0077】
また、以上説明した実施形態では、物品保管・搬送装置は、作物栽培装置として作物を栽培する栽培トレイを保管及び搬送する場合を説明したが、栽培トレイに限らず、様々な物品(規格化された物品)を保管及び搬送することが可能である。例えば、様々な品物(大きさ及び形状は問わない)が収容された段ボール等の箱体や、様々な品物が載置されたパレットを倉庫に保管したり、搬入・搬出する際にも使用することができる。