【実施例】
【0048】
図1〜3を用いて、本発明の一実施形態に係る支管接続口7及び該支管接続口7を備えた雨水ます1の主な構成を説明する。
図1には、本実施形態に係る支管接続口7及び該支管接続口7を備えた雨水ます1の上方から見た斜視図が示されている。
図2には、
図1に示された支管接続口7及び該支管接続口7を備えた雨水ます1を分解した態様を示す斜視図が示されている。そして、
図3には、
図1に示される本実施形態の支管接続口7及び該支管接続口7を備えた雨水ます1をA−A断面で切り取った断面図が示されている。
【0049】
図1〜3を参照して理解されるように、本実施形態の雨水ます1は、円筒形の立上り部3と、立上り部3の下部に接続される泥溜め部4とからなるます本体2と、泥溜め部4の中に着脱自在に収容されるバケット5と、立上り部3と泥溜め部4との接続部分に固定されるバケットガイド6と、そして立上り部3の側壁に取り付けられた2つの支管接続口7を備えており、これらの部品の成形性、取り扱いの容易性等を考慮して、塩化ビニール樹脂からできている。
【0050】
立上り部3は、雨水ます1の高さを調節するため、任意の高さ(長さ)に切断することが可能であり、規格化された汎用の円管を使用することができる。このため、本実施形態の雨水ます1は、施工現場において、設置環境に合わせて様々な深さの設置場所へ設置することができる。
【0051】
立上り部3の下には、後述するバケットガイド6を挟み込んで専用の泥溜め部4が接続される。泥溜め部4は有底の筒状体であり、泥溜め部4の上部には立上り部3の下端部を受け入れるため、立上り部3の外径と略同じ大きさの内径を有する受け口40が形成されている。このため、本実施形態の泥溜め部4は、雨水ます1の専用の部品であるが、立上り部3の規格に対応した数の受け口40を有する泥溜め部4を準備すれば足りるので、製作しなければならない泥溜め部4の種類の数を抑えることができる。
【0052】
泥溜め部4の中に収容されるバケット5は有底の筒状体であり、バケット5に滞留させた雨水を泥溜め部4へ排出させるために泥溜め部4の内径より小さな外径を有しており、泥溜め部4との間に隙間が形成されている。また、
図2に示されているように、本実施形態のバケット5は、上部点検口20からの出し入れを容易にするため、バケット5の上端部に一体的に形成された把手50を含んでいる。
【0053】
また、バケット5の開口位置(上部開口縁の高さ)は、
図3に示されているように、雨水流入側の支管接続口7に位置する領域(
図3の向かって左側)と、雨水流出側の支管接続口7に位置する領域(
図3の向かって右側)のそれぞれの開口位置(上部開口縁)の高さが異なっている。別言すると、本実施形態では、雨水流入口側のバケット5の開口位置(上部開口縁)は、雨水流出口側のバケット5の開口位置(上部開口縁)よりも低く設定されている。
【0054】
上述のように、雨水流入口側のバケット5の開口位置(上部開口縁)を雨水流出口側のバケット5の開口位置(上部開口縁)よりも低くすると、雨水流入側の支管接続口7において、内部側の支管接続口部品70にフランジを設けた場合においても、該フランジとバケット5の開口位置(上部開口縁)との干渉を回避できるので、内部側の支管接続口部品70の取り付けが容易になると共に、多様な形状や大きさのフランジを有する内部側の支管接続口部品70であっても、その取り付けを許容できる。また、雨水流入口に面するバケット5の開口位置(上部開口縁)を低くし、流入した雨水が衝突する側のバケット5の開口位置(上部開口縁)を高くしたことで、雨水がよりスムーズにバケット5内へ導かれるという効果も奏する。
【0055】
把手50は下向きコの字形状を有しており、把手50の縦部材に着脱自在に取り付けられるフィルター支持部51と、フィルター支持部51に交換可能に取り付けられる、金網でできたドーム状のフィルター52を含んでいる。把手50の2つの付け根の間に位置するバケット5の開口位置(上部開口縁)には、外方へ略水平方向に突出した半円弧状のフランジが形成されているので(
図2)、フィルター支持部51を、把手50の上部から下方へ向けてスライドさせて挿入する時、該フランジはストッパーとして機能し、フィルター支持部51の下端部がバケット5上部のフランジへ当接することにより、フィルター支持部51及びフィルター52を把手50の所定の位置へ正確に固定する。
【0056】
立上り部3と泥溜め部4との間には、リング状のバケットガイド6が取り付けられる。
図4を参照して理解されるように、バケットガイド6は、立上り部3や泥溜め部4から独立した別個の部品として構成されており、バケット5を泥溜め部4の中へ装着する時、バケット5を泥溜め部4の中の所定の位置に案内するための案内部60と、バケットガイド6をます本体2へ固定するための掛かり部61と、案内部60と掛かり部61とを相互に連結する連結部62とを含んでいる。
【0057】
図4には、バケットガイド6の上面図及び側面図が示されている。バケットガイドの6の案内部60は、バケット5の外部側壁を囲むことができるように配置されており、バケット5の外部側壁とスライド可能に当接するガイド面63を有している。ガイド面63は、泥溜め部4の中へバケット5を装着した時、バケット5の外部側壁と略平行に配置された円筒状の面または線状面であってよく、或いは下方へ向かうほどバケット5の外部側壁に近づくように(下方へ向かうほど縮径するように)傾斜した面であってもよい。
【0058】
本実施形態では、案内部60のガイド面63は、バケット5を泥溜め部4の中の所定の位置に案内するために、下方へ向かうほどバケット5の外部側壁に近づくように(下方へ向かうほど縮径するように)傾斜した第1のガイド面64と、バケット5を泥溜め部4の中の所定の位置に保持するために、バケット5の外部側壁と略平行に配置された円筒状の第2のガイド面65とを含んでいる。また、図示しないが、第2のガイド面65は、第1のガイド面64と同様に、バケット5を挿入する方向へ従って縮径する傾斜面を有していてもよい。この場合は、バケット5は挿入し易くなり、また取り外しも容易になる。
【0059】
バケットガイド6の案内部60は、泥溜め部4の中へ装着したバケット5をその外側から拘束できる形状であればよいので、
図2,4に示されているように、ます本体2の周方向に延びたリング状である他、周方向への変形に対する柔軟性を付与するため、例えば周方向に延びたリング状のバケットガイドの一部に切り込み(スリット)を設けたり、或いは、例えばます本体2の放射方向に延びた複数の舌部から構成することもできる(図示せず)。案内部60が複数の舌部で構成されている場合、バケット5を少なくとも三方向から支持できれば拘束することができるので、この場合、舌部は周方向に120°の間隔を開けてます本体2の周方向に均等に並ぶように配置されることが好ましい。
【0060】
このため、バケットガイド6を介してバケット5を泥溜め部4の中へ装着すると、バケット5の外部側壁が案内部60のガイド面63によってスライド可能に案内されるので、バケット5は、バケット5の中心軸Xと雨水ます1の中心軸Yとが一致するように案内され、そして、バケット5の外部側壁と泥溜め部4の内部側壁との間に所定の隙間を安定して形成させることができる(
図3参照)。
【0061】
バケットガイド6の掛かり部61は、連結部62から外方向へ突出したフランジ形状を有しており、立上り部3と泥溜め部4を接続する時、立上り部3と泥溜め部4の間に挟み込まれることによって、バケットガイド6全体をます本体2の内部に固定する役目を果たしている。
【0062】
掛かり部61は、立上り部3と泥溜め部4の接続部に簡単に挟み込むことができる形状であればフランジ形状に限定されるものではないが、本来(バケットガイド6を取り付けていない時)の立上り部3と泥溜め部4との接続(接触)面積を出来るだけ減少させないようにするために、立上り部3側壁の下端面および/または泥溜め部4側壁の上端面と当接可能又は挟み込み可能なフランジ形状とすることが有利である(
図3参照)。
【0063】
また、本実施形態の雨水ます1のように、立上り部3側壁が差し口として機能し、泥溜め部4側壁の上部が、差し口としての立上り部3を受け入れるための受け口40として機能する場合、掛かり部61は、立上り部3の差し口の端面と、立上り部3の差し口の端面が当接する、泥溜め部4の受け口40の段部と当接可能又は挟み込み可能なフランジ形状であればよい。図示しないが、逆に立上り部3側壁が受け口として機能し、泥溜め部4側壁の上部が、受け口としての立上り部3の受け口へ挿入される差し口として機能する場合、掛かり部61は、泥溜め部4の差し口の端面と、泥溜め部4の差し口の端面が当接する、立上り部3の受け口の段部と当接可能又は挟み込み可能なフランジ形状であればよい。
【0064】
このように、本実施形態の雨水ます1では、バケットガイド6を、立上り部3や泥溜め部4とは別個の独立した部品として構成し、立上り部3と泥溜め部4の間に挟み込むことによってます本体2の内部に固定できるようにしたので、立上り部3にバケットガイド6を設ける必要がなくなり、汎用の円管であっても、雨水ます1の立上り部3として利用し、泥溜め部4の上部に接続することができる。
【0065】
バケットガイド6の案内部60は、案内部60上部に異物が堆積しないように、可能な限りバケット5の上部縁部付近に当接できるように配置されることが好ましい。一方、バケットガイド6の掛かり部61は、一般にバケット5の高さよりも低い位置に存在する、泥溜め部4と立上り部3の接続部分に固定されるので、案内部60と掛かり部61とは高さ方向に離間して配置される場合が多い。
【0066】
このため、バケットガイド6の連結部62は、離間した案内部60と掛かり部61とを相互に連結する役目を果たしており、本実施形態では、取付け後のバケットガイド6のガタツキ防止を考慮して、立上り部3の内周面に摺接できる円筒形状を有している。そして、バケットガイド6の案内部60および連結部62は一体となって、断面視において下向きにコの字の断面形状または下向きにUの字の断面形状を形成しており、案内部60および連結部62の断面係数も増大するので、バケットガイド6全体の剛性を高めることができる。
【0067】
なお、連結部62は、離間した案内部60と掛かり部61とを相互に連結できるものであれば円筒形状などに限定されるものではなく、例えば、案内部60と掛かり部61を複数個所において部分的に連結する、梯子状に配置された棒状部材などであってもよい。さらに、案内部60と掛かり部61とが近接している場合は、連結部62を省略して、案内部60と掛かり部61とを直接連結させてもよい。
【0068】
図2,3を参照して理解されるように、本実施形態の泥溜め部4は有底の筒状体であって、泥溜め部4の側壁に複数の透水孔41を有している。図示しないが、透水孔41は複数のスリット又は透水孔41とスリットとの組み合わせたものへ置き換えてもよい。そして本実施形態の雨水ます1では、バケット5は、バケット5を泥溜め部4の中へ装着した時、泥溜め部4の透水孔41の中で、最も高い位置の透水孔41の上端よりも高い位置に配置される複数の貫通孔53を有している(
図3参照)。また、図示しないが、貫通孔53も、複数の貫通スリット又は貫通孔53と貫通スリットとの組み合わせたものへ置き換えてもよい。
【0069】
本実施形態の雨水ます1では、雨水ます1の下部には、バケット5を囲むように、側壁に複数の透水孔41が設けられた有底筒状の泥溜め部4が設けられており、泥溜め部4の中にはバケット5が着脱自在に装着される。支管接続口7を通して流入した泥、枯葉等の異物を含む雨水はバケット5内へ流入するが、バケット5の下部領域には貫通孔53が設けられていないので、バケット5内へ流入した雨水等はバケット5内の下部領域において一旦滞留し、雨水等に含まれる異物はバケット5内の下部領域に堆積する。そしてバケット5内に雨水等が溜ってくると、バケット5内に滞留した雨水等の上澄み液のみがバケット5の上部領域に設けられた貫通孔53を通してバケット5の外部へ排出され、バケット5の外部へ排出された雨水等の上澄み液は、次いで泥溜め部4に設けられ透水孔41を通して泥溜め部4の外部へ排水される。
【0070】
このため、上述のように泥溜め部4の側壁に複数の透水孔41を設け、バケットには、泥溜め部4の透水孔41よりも高い位置に複数の貫通孔53を設けると、雨水ます1は浸透ますとしても機能し、そして雨水等に含まれる異物はバケット5内の下部領域に残留することになるため、異物が雨水ますから、雨水ます1の外部に敷き詰めた砕石槽(図示せず)へ向けて流出することがなくなり、前記砕石槽の目詰まりを防止することができる。
【0071】
また、泥溜め部4の中に装着されるバケット5は、上述のように着脱自在であるため、堆積した異物を除去する際も、バケット5をます本体2の点検口20から抜き出して、バケット5内の異物を廃棄するといった極めて簡単な作業で済ませることができるので、雨水ます1のメンテナンス性が向上する。
【0072】
なお、本実施形態の雨水ます1では、泥溜め部4の透水孔41またはバケット5の貫通孔53のいずれか一方を省略してもよく、或いは透水孔41および貫通孔53の両方を省略してもよい。泥溜め部4の透水孔41を省略した場合、雨水ます1は浸透ますとして機能しなくなるが、通常の雨水ます1として使用することができる。
【0073】
図5には、ます本体2の立上り部3の内壁に取り付けられる本実施形態の支管接続口7のスピゴット70を示す斜視図が示されている。
図6には、
図5に示されたスピゴット70をB−B断面で切り取った断面図(a)及びC−C断面で切り取った断面図(b)が示されている。また、
図7には、ます本体2の立上り部3の外壁に取り付けられる本実施形態の支管接続口7のソケット71を示す斜視図が示されている。
図8には、
図7に示されたソケット71をD−D断面で切り取った断面図(a)及びE−E断面で切り取った断面図(b)が示されている。
【0074】
図1〜3に示されているように、本実施形態の雨水ます1は、外部から雨水ますへ雨水等を流入させるための流入口として、外部から雨水ますへ連通する本実施形態の支管接続口7(
図1〜3の左側)と、雨水ます1から外部へ雨水等を流出させるための流出口として、雨水ますから外部へ連通する本実施形態の支管接続口7(
図1〜3の右側)とが、立上り部3の同じ高さに、水平方向に180°向きを変えて取り付けられている。本実施形態の支管接続口7は、立上り部3の側壁に設けた開口部30に後付けされるので、立上り部3の自由な位置(高さ、方向)に任意の方向に向けて取り付けることができる。なお、立上り部3の開口部30は、施工現場等にて、ホールソー等を用いて立上り部3の側壁をくり貫くことにより、立上り部3の側壁の任意の位置に設けることができる。
【0075】
図2,3に示されているように、本実施形態の支管接続口7は、差し口72を有し、立上り部3側壁の内面に取り付けられるスピゴット70と、スピゴット70の差し口72と嵌合する受け口74を有し、立上り部3側壁の外面に取り付けられるソケット71とから構成されている。
【0076】
本実施形態では、差し口を有する一の支管接続口7部品をスピゴットと呼んでおり、受け口を有する他の支管接続口7部品をソケットと呼んでいる。このため、図示しないが、スピゴット70およびソケット71は、立上り部3側壁の内面、外面に関し、それぞれの取り付け位置を入れ換えることも可能であり、具体的には、差し口72有するスピゴット70を立上り部3側壁の外面に取り付け、受け口74を有するソケット71を立上り部3側壁の内面に取り付けることができる。
【0077】
図5,6を参照してよく理解されるように、スピゴット70は、立上り部3の開口部30を挿通する差し口72と、差し口72外周部に固着されており且つ立上り部3の内側の側壁に沿うように湾曲したスピゴットフランジ73とを有している。また、スピゴット70の差し口72は、差し口72外周部において、スピゴットフランジ73の付根近傍の領域に、スピゴットフランジ73の付根近傍以外の領域の外径よりも拡径されている段付き部76を含んでいる。
【0078】
本実施形態の支管接続口7のスピゴット70およびソケット71は、塩化ビニール樹脂からできている。そのため、拡径されたスピゴット70の差し口72の段付き部76(スピゴットフランジ73の付根近傍の領域)へ有機溶剤からなる接着剤を塗布すると軟化するので、スピゴット70の差し口72と立上り部3の開口部30との間に隙間を生じさせることなく、スピゴット70の差し口72を立上り部3の開口部30へ容易に挿通させて密着させることができる。
【0079】
このため、本実施形態の支管接続口7は、スピゴット70の差し口72の高い挿通性を維持しながら、立上り部3の開口部30との間に生じる芯ズレ(ガタツキ)を防止し、さらに立上り部3の開口部30との間(支管接続口7の取付け部分)からの漏水防止及び止水性向上を図ることができる。また、本実施形態では、段付き部76の過剰な挿通長さを排除し、スピゴット70の差し口72のより高い挿通性を可能にするため、スピゴット70の差し口72の拡径された段付き部76(スピゴットフランジ73の付根近傍の領域)の幅寸法を立上り部3の肉厚と略同じにしている(
図3参照)。この場合、湾曲したソケットフランジ75が、スピゴット70の段付き部76と立上り部3の側壁の双方と当接するので、より支管接続口7の取付け部分の隙間を生じ難くするという効果もある。
【0080】
スピゴットフランジ73は、スピゴットフランジ73の外郭を形成する棒状の第1の骨部材730と、スピゴットフランジ73をスピゴット70の差し口72へ接合するために、スピゴット70の差し口72の段付き部76を囲むように形成された棒状の第2の骨部材731と、そしてスピゴットフランジ73を補強し、立上り部3との接着面積を増大させるために、第1の骨部材730および第2の骨部材731と接合された面状部材732を含んでいる。また、第1の骨部材730の左右の縦骨部材の内側には、バケット5の把手50の縦部材とスライド可能に当接することにより、点検口20からのバケット5の出し入れを容易にするための把手ガイド溝733が形成されている。
【0081】
スピゴットフランジ73は、全体として立上り部3の内部側壁形状に沿うように凸状に湾曲している。ただし、スピゴットフランジ73は必ずしも完全な面状体である必要はなく、立上り部3の側壁形状に沿って密着させることができるものであれば、本実施形態のように棒状部材730,731と面状部材732とを組み合わせたもの、又は複数の棒状部材を格子状等に組み合わせたものであってもよい。本実施形態のスピゴット70では、棒状部材730,731と面状部材732とを組み合わせることにより、スピゴットフランジ73全体の軽量化と必要な強度保証を両立させている。
【0082】
また、本実施形態において、スピゴット70を立上り部3側壁の外面に取り付ける場合は、スピゴットフランジ73を、全体として立上り部3の外部側壁形状に沿うように凹状に湾曲させればよい。
【0083】
図7,8を参照してよく理解されるように、ソケット71は、スピゴット70の差し口72と嵌合する受け口74と、受け口74外周部に固着されており且つ立上り部3の外側の側壁に沿うように湾曲したソケットフランジ75とを有している。このため、ソケット71の受け口74の内径は、スピゴット70の差し口72の外径と略同じである。また、ソケット71の受け口74の内部には、スピゴット70の差し口72の先端を当接させることにより、接合部のシール性向上およびスピゴット70の差し口72の過度な挿入を防止するためのストッパー710が、受け口74内面から内側へ向けて突出するようにリング状に形成されている。
【0084】
ソケットフランジ75は、立上り部3の外部側壁形状に沿うように凹状に湾曲した板状部材から形成されているが、必ずしも板状、完全な面状である必要はなく、立上り部3の側壁形状に沿って密着させることができるものであれば、スピゴットフランジ73のように、棒状部材と面状部材とを組み合わせたものや、格子状に複数の棒状部材を組み合わせたものであってもよい。
【0085】
また、本実施形態において、ソケット71を立上り部3側壁の内面に取り付ける場合は、ソケットフランジ75を、全体として立上り部3の内部側壁形状に沿うように凸状に湾曲させればよい。
【0086】
図9には、本発明の支管接続口7を備えた他の実施形態に係る雨水ます1aの断面図が示されている。
図9は、
図3と同様に、
図1に示される他の実施形態(
図1においては、本実施形態と共通の外観を有している)の雨水ます1aをA−A断面で切り取った断面図が示されている。
【0087】
図9を
図3と対比して理解されるように、他の実施形態に係る雨水ます1aは、バケット5の把手50に着脱自在に取り付けられる、フィルター52付きのフィルター支持部51(
図3)を、円錐状の形をしたオリフィス54へ置き替えたこと以外は、
図1〜3に示されている本発明の一実施形態に係る雨水ます1と同じ構造を有している。このため、他の実施形態に係る雨水ます1aは、フィルター52の機能以外は本実施形態の雨水ます1と同じ効果を奏することができ、さらに、他の実施形態のオリフィス54も、バケット5の下向きコの字形状を有している把手50の縦部材に着脱自在に取り付けることができる。
【0088】
オリフィス54は、バケット5の把手50への取付け部分から先端へ向けて先細りとなる円錐形状を有しており、先端部分を、鋸またはハンドグラインダー等を用いてオリフィス54の軸に対して垂直に切り取ることにより、任意の大きさのオリフィス孔55を設けることができる。このため、本発明の他の実施形態に係る雨水ます1aでは、雨水ます1aから流出させる雨水等の流量を任意且つ容易に調節することができる。