特許第6574778号(P6574778)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574778
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】燃料電池用の流れ案内板
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/026 20160101AFI20190902BHJP
   H01M 8/0254 20160101ALI20190902BHJP
   H01M 8/0208 20160101ALI20190902BHJP
   H01M 8/021 20160101ALI20190902BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20190902BHJP
   H01M 8/0267 20160101ALN20190902BHJP
【FI】
   H01M8/026
   H01M8/0254
   H01M8/0208
   H01M8/021
   !H01M8/10 101
   !H01M8/0267
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-544502(P2016-544502)
(86)(22)【出願日】2015年1月6日
(65)【公表番号】特表2017-501554(P2017-501554A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】FR2015050012
(87)【国際公開番号】WO2015104491
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2017年12月11日
(31)【優先権主張番号】1450062
(32)【優先日】2014年1月7日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】510132347
【氏名又は名称】コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ポワロ−クロヴェジェ ジャン−フィリップ
【審査官】 前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−032578(JP,A)
【文献】 特開2004−146145(JP,A)
【文献】 特開2005−085578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/026
H01M 8/0208
H01M 8/021
H01M 8/0254
H01M 8/0267
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池用の流れ案内板あって、
起伏を有する伝導シートを備え、
前記起伏は、
前記シートの対向する第1及び第2の面流路の交替を規定し、前記第1の面二つの連続する流路前記第2の面流路制限している壁によって分離されており、前記第1及び第2の面の前記流路は一つかつ同じ長手方向に沿って延びており、
前記第1の面の第1のグループの前記流路前記第2の面の前記流路のそれぞれの第1の端部において、前記流路にアクセスするためのそれぞれのオリフィス規定し、
前記第1の面の前記流路第2のグループと前記第2の面の前記流路の第2の端部のそれぞれにおいて、前記流路にアクセスするためのそれぞれのオリフィス規定し、
前記第1のグループのそれぞれの前記流路の前記第2の端部と前記第2のグループのそれぞれの前記流路の前記第1の端部とにおいて、他方の端部に対する流れ制限部を規定し、前記第1の面第1のグループの流路前記第2のグループの流路の交替を備え
前記シートの一方の面の形状は、前記シートの他方の面の形状の補完である、
流れ案内板
【請求項2】
前記流れ制限部それぞれは、少なくとも前記第2の面の前記流路深さの3/4のところまで延びている請求項1に記載の流れ案内板
【請求項3】
前記流れ制限部それぞれは、前記第2の面前記流路底部のところまで延びている壁を備えている請求項1、又は2に記載の流れ案内板
【請求項4】
前記第1の面の前記流路及び第2の面の前記流路は、中間部において一つかつ同一の断面を有している請求項1〜3のいずれか1項に記載の流れ案内板
【請求項5】
前記シートが、
前記第2の面の前記流路の前記第1の端部の前記オリフィス間延びており、かつ、前記第1の面の前記第1のグループの前記流路の前記オリフィス間に延びている第1の平坦部
前記第2の面の前記流路の前記第2の端部の前記オリフィス間延びており、かつ、前記第1の面の前記第1のグループの前記流路の前記オリフィス間に延びている第2の平坦部、をさらに備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載の流れ案内板
【請求項6】
前記第1の平坦部、第1及び第2の通過開口備え、
前記第2の平坦部、第3及び第4の通過開口備える請求項に記載の流れ案内板
【請求項7】
前記第1及び第2の面の前記流路は、前記第1及び第2の平坦部対して、一つかつ同じ深さを有している請求項5、又は6に記載の流れ案内板
【請求項8】
前記シートが前記流れ案内板の中間面に垂直な軸に対して軸対称である請求項1〜7のいずれか1項に記載の流れ案内板
【請求項9】
前記シートが合金鋼、チタン合金、アルミニウム合金、ニッケル合金、又はタンタル合金のシートである請求項1〜8のいずれか1項に記載の流れ案内板
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の流れ案内板である第1〜第3の案内板
第1〜第3の膜電極一体構造あって、それぞれの前記膜電極一体構造が陽子交換膜と、前記陽子交換膜のそれぞれの面に形成されたカソード及びアノードとを備えた第1〜第3の膜電極一体構造と、
第1及び第2のガス拡散層、を備え、
前記第1の案内板は、前記第1及び第2の膜電極一体構造間に配置されたバイポーラ板形成し、
前記第1のガス拡散層は、前記第1の案内板の前記第1の面の前記流路を覆い、かつ、当該第1の面と前記第2の膜電極一体構造のアノードと接触し、
前記第2及び第3の案内板、前記第2及び第3の膜電極一体構造間に挿入されたバイポーラ板を形成し、かつ、それらの間で流れ回路57の境界を定め、
前記第2の案内板前記第1の面は、前記第3の案内板前記第2の面と接触し、
前記第2のガス拡散層は、前記第3の案内板前記第1の面の前記流路を覆い、かつ、当該第1の面及び前記第3の膜電極一体構造アノードに接触する燃料電池。
【請求項11】
前記第1〜第3の案内板は請求項3に記載の流れ案内板であり、
前記第1の案内板の前記流れ制限部、前記第1のガス拡散層と接触し、
前記第3の案内板の前記流れ制限部は、前記第2のガス拡散層と接触する請求項10に記載の燃料電池。
【請求項12】
前記第1〜第3の案内板には、前記流れ回路と接続する開口が通り抜けている請求項10、又は11に記載の燃料電池。
【請求項13】
前記第1〜第3の案内板は、同じ幾何構造を有している請求項10〜12のいずれか1項に記載の燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池に関し、特に陽子交換膜の交替(alternation)とバイポーラ板とを有する燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、将来、大規模生産されるモータ車両のため、または、多数のアプリケーションのための電源供給システムとして、期待されている。燃料電池は、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する電気化学装置である。水素分子又はメタノールのような燃料が、燃料電池の燃料として用いられている。
【0003】
水素分子の場合、後者は酸化され、燃料電池の電極でイオン化される。そして、酸化剤が燃料電池の他方の電極で減少する。化学反応は、カソードで水を生産し、酸素は減少して、陽子と反応する。燃料電池の大きな長所は、電力を生成する場所における大気汚染物質の放出を避けることできる点である。
【0004】
PEM燃料電池として知られている陽子交換膜燃料電池は、低温で動作し、特に小型化に対して有利な特性を示す。それぞれのセルは、陽子のみを通過させ、電子を通過させない電解質膜を有している。膜は、MEAとして知られる膜電極一体構造を形成するため、第1面上のアノードと、第2面上のカソードを有している。
【0005】
アノードにおいて、水素分子は膜を通過する陽子を生産するためにイオン化される。この反応で生産された電子は流れ板に移動して、その後、電流を形成するためにセルの外部の電気回路に流れる。カソードにおいて、酸素が減少し、水を形成するために陽子と反応する。
【0006】
燃料電池は、例えば、金属で形成されて積層されたバイポーラ板として知られるいくつかの板を有することもできる。膜は、二つのバイポーラ板の間に位置する。バイポーラ板は膜に向かう又は膜からの反応物質と生成物質とをガイドし、冷却液をガイドし、異なる区画に分けるための流路とオリフィスとを備えることができる。バイポーラ板は、また、アノードで生成された電子の収電器を形成するための導電体である。バイポーラ板は、また、電気接触性のために必要な積層の固定の歪みを伝える機械的な役割を有している。ガス拡散層は、電極とバイポーラ板の間に挿入され、バイポーラ板と接触している。
【0007】
電子の伝導はバイポーラ板を通して実行され、イオンの伝導は膜を通して取得される。
【0008】
バイポーラ板は、反応物質を電子の反応性表面に連続して供給し、消耗する。電極での反応物質の分布は、表面全体を通して可能な限り一様になるべきである。バイポーラ板は、反応物質の分布を与えるための流路のネットワークを有している。流路のネットワークは、アノードの流体に捧げられ、カソードの流体に捧げられる。アノードとカソードの流路のネットワークは、燃料と酸化剤の直接の燃焼を防ぐため、燃料電池の内部では決して連絡しない。反応性物質と非反応性物質は流通のネットワークの出口までの流れによるエントレインメント(entrainment)によって放出される。遭遇した構造の大半は、バイポーラ板は、可能な限り生成された熱を放出するため、冷却流体が通り抜ける流路を備えている。
【0009】
流路における反応物質の循環の形は主に3つに区別される。
サーペンタイン(serpentine)チャネル:1つ以上のチャネルは、活性表面全体を通して数回行ったり来たりする。
平行チャネル:平行かつ横断するチャネルの束は活性表面中を通る。
インターデジタル(interdigital)チャネルは、平行で遮断されたチャネルの束は活性表面中を通る。
それぞれのチャネルは、流体の入り口側、又は流体の出口側のいずれにおいても遮断されている。チャネルに入った液体は、隣接するチャネルに合流し、引き続き隣接するチャネルの流体の出口に到達するために、ガス拡散層を局所的に通過することを強いられる。特許文献1(US2011/236783)は、そのような循環の形成に用いられる燃料電池の例を記述している。
【0010】
流路は、真っすぐでもよく、わずかに波状であってもよい。
【0011】
バイポーラ板に最も共通に用いられている材料は、炭素重合体複合材料とエンボス加工された金属である。
【0012】
エンボス加工された金属は、燃料電池の軽量化と小型化に有利に働く解決策となることを証明する。バイポーラ板は、例えば、ステンレス鋼製の金属シートが使用される。流路はエンボス加工によって得られる。アノード流路を規定するエンボス加工された第1のシートにより形成された第1の流れ板と、カソード流路を規定するエンボス加工された第2のシートにより形成された第2の流れ板とが最も頻繁に使用される。これらの流れ板の二つのシートは、バイポーラ板を形成するため、背中合わせに溶接されて、組み立てられる。冷却液の流路は、シート間の空間に配置される。
【0013】
炭素重合体複合材料は、より厚い板を型で作ることで流路を設計することによって、より大きな柔軟性を可能にする。
【0014】
特許文献2(仏特許2973583号)は、2つのバイポーラ板のうちの1つにおいて冷却液の流路の除去を提供する。シート金属からなるバイポーラ板を用いると、冷却液の流路を持っていないバイポーラ板は、一つのエンボス加工されたシートを有しており、それは、燃料電池を軽量化する。カソード流路は、シートの第1の面を形成し、一方、アノード流路は、シートの他方の面を形成する。
【0015】
アノード面はカソード面の反対であるため、これらの流路の設計は、密接に関係している。それにもかかわらず、流路のパターンは、異なるセル間の供給の不均衡を発生させないため、一枚のシートを有するバイポーラ板の流れを二つのシートを有するバイポーラ板の流れと同様になるよう保証しなければならない。さらに、一つの同じシートが、単一シートを有するバイポーラ板に対して区別なく、使用できること、又は二つのシートを有するバイポーラ板を形成できることが望ましい。
【0016】
追加の設計の制約は、反応物質の流れの圧力低下に関連する。このような圧力低下は、アノードとカソードにおいて、一つかつ同じオーダーの大きさを有しているべきである。この制約は燃料と酸化剤の流路のそれぞれの断面に効果がある。この制約は、単一シートを有するバイポーラ板の設計を複雑にしている。
【0017】
燃料として水素分子を用いると、同じオーダーの大きさの圧力低下を得るため、アノード流路における通過断面をカソード流路における通過断面よりも小さくすべきである。これは、水素分子は、カソードにおいて循環する酸化剤よりも粘性が低く、その流量が低くなるためである。
【0018】
セル内の水素分子の分子流量はI/Fに等しくなる。Iは、生成された電流であり、Fはファラデー定数である。消費された空気の分子流量は、部分的に、1.2*I/Fに等しくなる。
【0019】
実際には、過大評価要因(overvaluation factor)によって、セル内に導入される燃料と酸化剤の流量は、消費される流量よりも常時大きくなる。水素分子では、過大評価要因は、一般に、1〜2.5の範囲となる。空気では、出口での酸素の十分な量を保証するために、過大評価要因は、一般に、1.2〜3の範囲となる。したがって、電流Iを与えるため、水素分子の分子流量に対する空気の分子流量の比率は、少なくとも2であり、一般的には3〜5の範囲となる。
【0020】
湿った水素分子の粘性は温度と湿度の値に依存し、8*10−6〜13*10−6Pa・sのオーダーである。湿った空気の粘性は、12*10−6〜21*10−6Pa・sである。
【0021】
あるバイポーラ板の流路が水素側と空気側で同一であると、水素分子の圧力低下に対する空気の圧力低下の比率は、2〜10の範囲となる。圧力バランスの低下のバランスをとるために、空気の流路の通過断面に対して、水素分子の流路の通過断面を2〜10の比率で減少することが望ましい。
【0022】
関連する短所とともに、圧力降下における不均衡を減少するためのいくつかの代替が知られている。
カソード流路の幅を増加すること、工業的に生産可能な最も狭い幅を有するアノード流路を生産すること。この矛盾は燃料電池における電子伝導の最善の有効性を研究しており、それは一般に流路の幅を可能な限り小さくすることによって得られる。
アノードにおいてカソードよりも少ない流路を生産すること。流路を分ける歯の幅と同様に、二つのアノード流路間の距離が増加する。この構造はアノード流路の深さを減少することで、カソードからの電子伝導が大きな影響を受けるような一枚のシートを有するバイポーラ板には適していない。
この構造は、アノードとカソードの流路が自動的に一つかつ同じ深さを有し、それゆえこの深さの減少に影響を受ける一枚のシートを有するバイポーラ板は適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は一つ以上の短所を克服することを目的とする。本発明は、特に、単一の流れ坂を有するバイポーラ板と二つの流れ板を有するバイポーラ板とに対して、これらの二つのタイプのバイポーラ板でのアノードとカソードの流れの不均衡なしで、同一のシートを使用することを可能にし、一方アノード流路とカソード流路間での圧力低下の均一性を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、付随する請求項に定義されるように、燃料電池用の流れ案内板に関するものである。本発明は、また付随する請求項に定義されるように、燃料電池に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の他の特徴と長所は、いかなる限定なしで、付随する図面を参照した以下の記載から明らかになるであろう。
図1図1は、燃料電池の一例を示す分解斜視図である。
図2図2は、燃料電池流れ板のための金属シートの第1の実施形態のアノード側における流路の斜視図である。
図3図3は、アノード側における図2の金属シートの上面図である。
図4図4は、流路の第1の端部における図2の金属シートの断面図である。
図5図5は、中間部における図2の金属シートの断面図である。
図6図6は、流路の第2の端部における図2の金属シートの断面図である。
図7図7は、図2の金属シートから形成された異なるバイポーラ板を含む燃料電池の断面図である。
図8図8は、図7の燃料電池の長手部分における異なる図を示している。
図9図9は、図7の燃料電池の長手部分における異なる図を示している。
図10図10は、図7の燃料電池の長手部分における異なる図を示している。
図11図11は、図7の燃料電池の長手部分における異なる図を示している。
図12図12は、流路の第1の端部における第2の実施形態の金属シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、燃料電池4のセル1の積層を模式的な分解斜視図である。燃料電池4は、重ね合わされたいくつかのセル1を備えている。セル1は、陽子交換膜又はポリマー電解質膜を有するタイプである。
【0027】
燃料電池4は、燃料40の源を有している。この例での燃料40の源は、水素分子をそれぞれのセル1の入り口に供給する。燃料電池4はまた、酸化剤42の源を有している。この例での酸化剤42の源は、それぞれのセル1の入り口に、空気を供給し、空気の酸素は、酸化剤として使用される。それぞれのセル1は、脱出路を有している。また、それぞれのセル1は、冷却回路を提示する。
【0028】
それぞれのセル1は、膜電極一体構造110、すなわちMEA110を有している。膜電極一体構造110は、電解質113と、電解質113に取り付けられ、電解質の片側に配置されたカソード112(図1では不図示)、及びアノード111を有している。
【0029】
バイポーラ板は、隣接するMEAのペアの間に配置される。この例での燃料電池4は バイポーラ板51、52の交替を有している。
【0030】
バイポーラ板51は単一の金属シート53で形成された流れ板を有している。バイポーラ板51において、その金属シートの第1の面の起伏は、アノード流路を規定し、その金属シートの第2の面の起伏は、カソード流路を規定する。
【0031】
バイポーラ板52は二つの流れ板53を有している。それぞれの流れ板53は、一つの金属シートを有している。シートは重ね合わされ、溶接54を介して取り付けられている。バイポーラ板52において、流れ板53の一つの面の起伏は、アノード流路を規定し、流れ板53の一つの面の起伏は、カソード流路を規定する。冷却液流路は、流れ板53とバイポーラ板52の金属シート間に置かれている。
【0032】
バイポーラ板52の流れ板53を形成する金属シートは、同一である。バイポーラ板51、52の流れ板53を形成する金属シートは、同一である。したがって、一つかつ同じ設計で、一つかつ同じ製造方法がバイポーラ板51、52の流れ板53を形成する金属シートの製造に用いることができる。金属シートは例えばステンレス鋼により形成されている。
【0033】
セル1の公知の動作において、水素分子は、バイポーラ板とアノード111との間のアノード流管に流入し、空気は、バイポーラ板とカソード112との間のカソード流管に流入する。
【0034】
アノード111において、水素分子は、MEA110を通過する陽子を生成するためイオン化する。この反応で生成された電子は、このアノード111に面するよう配置されたバイポーラ板によって収電される。生成された電子は引き続き、電流を形成するため燃料電池4に接続された充電に適用される。カソード112において、酸素は減少して、水を形成するために陽子と反応する。アノードとカソードにおける反応は、以下の式で与えられる。
H2→2H++2e-:アノード
4H++4e-+O2→2H2O:カソード
【0035】
その動作中において、燃料電池のセルは、通常、そのアノードとカソード間の連続する1Vのオーダーの電圧を発生する。その良好な触媒性能のため、アノード111に使用される触媒材料は有利に白金を含んでいる。
【0036】
図2は、本発明にかかる流れ案内板53の導電シートの一例のアノード側の流路の斜視図である。図3は、板53の上面図である。このような流れ案内板53は、以下に説明するように、異なるタイプのバイポーラ板の形成に使用することができる。
【0037】
板53は、図2に示される第1の面55と第2の面56を有している。流れ案内板53の隆起は、第1の面55と第2の面56における流路の交替(alternation)を規定する。したがって、板53の一つの同じ面の二つの連続する流路は、他方の面の流路の境界のため、壁559によって分離される。面55、56の流路は、一つの同じ方向に沿って延びている。この例では、流路は、実質的に直線である。
【0038】
面55において、アクセスオリフィス551は、流路553の第1のグループに現れる。アクセスオリフィス551は、流路553の第1の端部に位置する。第1の平坦部535は、異なるアクセスオリフィス551間に延びる流れ案内面を形成する。傾斜壁557は、アクセスオリフィス551をその流路553に接続している。流路553の第2の端部において、この流路を遮断する傾斜壁555が存在している。したがって、傾斜壁555は、アクセスオリフィス551に関する流れの制限を形成する。この例において、傾斜壁555は、流路553の上のところまで延びている。
【0039】
面55において、アクセスオリフィス552は、流路554の第2のグループに現れる。面55は、流路553と流路554の交替を提示する。アクセスオリフィス552は、流路554の第2の端部に位置する。第2の平坦部536は、異なるアクセスオリフィス552間に延びる流れ案内面を形成する。傾斜壁558は、アクセスオリフィス552をその流路554に接続している。それぞれの流路554の第1の端部において、この流路を遮断する傾斜壁556が存在している。したがって、傾斜壁556は、アクセスオリフィス552に関する流れの制限を形成する。この例において、傾斜壁556は、流路554の上の所まで延びている。
【0040】
図4は、平坦部535での板53の断面図である。図5は、流路の中間部での板53の断面図である。図6は、アクセスオリフィス552での板53の断面図である。
【0041】
面56において、流路563は、面55の流路と交互に収納されている。流路563は、その両端にアクセスオリフィス(符号なし)を有している。平坦部535は、流路563の第1の端部のアクセスオリフィス間に延びている。平坦部535は、それゆえ、この第1の端部において、流路563にアクセスするためのオリフィス間の分散路を形成する。平坦部536は、流路563の第2の端部のアクセスオリフィス間に延びている。平坦部536は、それゆえ、この第2の端部において、流路563にアクセスするためのオリフィス間の分散路を形成する。
【0042】
壁559は、二つの面の流路間の分離を提供する。流路563の底部は、それゆえ、流路553又は554の上に位置し、逆の場合も同じである。異なる流路の底部は、案内板53を流れるべき電流を収電するための導電面を形成することを意図している。
【0043】
流路563にアクセスするためのオリフィスは、これらの流路の両端において、一つかつ同じ部分を提示する。流路563の第2の端部のアクセスオリフィス562は、図6に示されている。アクセスオリフィス562は、この例では、流路563の高さの半分に対応する高さを提示する。燃料電池のセルのスタックにおける二つの案内板53の組み立ては、それゆえ、容易になる。
【0044】
板53は、この例では、それに起伏を与えるため、エンボス加工された金属シートで形成されている。面55の形状は、それゆえ、面56の形状の補完(complement)、すなわち反対(negative)である。板53は、例えば、エンボス加工された金属シートにより製造される。
【0045】
この実施例では、流路553、554、及び563は同一の断面を提示する。したがって、これらの流路は、形成されるべきバイポーラ板を流れる電流分布の均一性を最適化するため、それらの形成技術に対応する最小幅を提示する。さらに、二つの面の流路に対する同一断面の使用は、バイポーラ板を形成するための二つの板53の組み立てを容易にする。
【0046】
この実施例では、平坦部535、及び536は、一つかつ同じ高さに位置しており、流路553、554、及び563は、これらの平坦部535、536に対して一つかつ同じ深さを提示する。
【0047】
この実施例では、アクセスオリフィス551は、平坦部535を通じて開口40と接続することを意図している。流路563の第1の端部にアクセスするためのオリフィスは、平坦部535を通じて開口43と接続することを意図している。公知の手法で、開口40、43は、シールを介して他方から分離されることを意図している。アクセスオリフィス552は、平坦部536を通じて開口41と接続することを意図している。流路563の第2の端部にアクセスするためのオリフィス562は、平坦部536を通じて開口42と接続することを意図している。公知の手法で、開口41、42は、シールを介して他方から分離されることを意図している。
【0048】
図7は、上記の案内板53を用いた燃料電池4の一例の断面図である。
【0049】
燃料電池4は膜電極一体構造11、12、13を有している。それぞれの膜電極一体構造は、この例では、アノード111と接触するよう配置されたガス拡散層21を有している。アノード111は、陽子交換膜113に取り付けられている。カソード112は、陽子交換膜113に取り付けられている。ガス拡散層22は、カソード112と接触するように配置されている。
【0050】
燃料電池4は、さらに、図1〜6を参照して詳述された流れ案内板531、532、533を備えている。流れ案内板531は、この例では、それ自体単独で、膜電極一体構造11と膜電極一体構造12との間に配置されたバイポーラ板を形成する。
【0051】
流路563の底壁は、この例では、膜電極一体構造12のガス拡散層21に接触する。流路553、554の底壁は、この例では、膜電極一体構造11のガス拡散層22に接触する。
【0052】
流れ案内板532、533は、この例では、膜電極一体構造12と膜電極一体構造13との間に配置されたバイポーラ板を形成する。流れ案内板532の流路563の底壁は、この例では、流れ案内板533の流路554の底壁566に接触する。流れ回路57は、それゆえ、流れ案内板532の流路554と流れ案内板533の流路563との組み合わせによって、流れ案内板532と流れ案内板533の間に形成される。流れ案内板532は、流れ案内板532と流れ案内板533の電気伝導を実行するための溶接(不図示)を介して、流れ案内板533に取り付けられていてもよい。
【0053】
流れ案内板532の流路554の底壁は、この例では、膜電極一体構造12のガス拡散層22に接触する。流れ案内板533の流路563の底壁は、この例では、膜電極一体構造13のガス拡散層21に接触する。
【0054】
同じ幾何構造を提示する流れ案内板531〜533の使用は、バイポーラ板の二つの異なるタイプの形成を可能とし、一方、
これらのバイポーラ板をそれぞれ流れる燃料流量の同一と、
これらのバイポーラ板をそれぞれ流れる酸化剤流量の同一と、
を保証する、ことが分かる。
【0055】
対象物の幾何構造は、通常、対象物の形状によって、又は形態学的特性によって規定される。
【0056】
流れ案内板531の流路563は、例えば空気である酸化剤によって通り抜けられるよう意図されている。流れ案内板531の流路554、553は例えば水素分子である燃料によって通り抜けられるよう意図されている。
【0057】
流れ案内板532の流路563は、酸化剤によって通り抜けられるよう意図されている。流れ案内板533の流路554、553は、燃料によって通り抜けられるよう意図されている。
【0058】
燃料に対する圧力低下は、それゆえ、二つのタイプのバイポーラ板で同一である。酸化剤に対する圧力低下は、それゆえ、二つのタイプのバイポーラ板で同一である。
【0059】
流れ案内板531、533の流路553、554において、それぞれ流れの制限を形成する壁555、556の存在の結果、これらの流路における圧力低下は、流れ案内板531、532の流路563における圧力低下よりも非常に大きくなり(一つかつ同じ流路において、これらは一つかつ同じガスが通り抜けると仮定している。)、これは中間部において流路563、553、554の同一の箇所にかかわらずの場合である。したがって、燃料と酸化剤の流れの圧力低下を均一にすることを可能であり、これは、これらの流路における流体の粘性が異なり、かつ分子流量が異なるにもかかわらずの場合である。さらに、壁555、556の存在は、面56での燃料分布の均一性に悪影響を及ぼさない。
【0060】
酸化剤の流路において、ガスの流れは、一つかつ同一の流路563の入り口と出口の間で実行される。流れは、したがって、平行タイプの例となる。密閉の壁555、556の存在の結果、燃料流路におけるガスの流れは、流路553のアクセスオリフィス551を経由して開始し、その後、オリフィス552(図2の矢印で示されている)の出口に到達する前に、いずれかの側に配置された流路554の一つに到達するために、燃料はガス拡散層21を通過することを強いられる。一つかつ同一のガスと、一つかつ同じ流路について、このような流れはインターデジタルタイプであり、それゆえ、圧力低下をより受ける。
【0061】
板532、533で形成されたバイポーラ板は、冷却液が通り抜けることを意図する流れ回路57を有している。板531で形成されたバイポーラ板を軽量化するため、これは冷却液流れ回路が欠けている。
【0062】
図8〜11は、長手部分を示す図であり、それは、バイポーラ板を流れる流体の異なる流れを図示することを可能にする。点線の流れは酸化剤の流れに対応する。破線の流れは燃料の流れに対応する。実線の流れは、冷却液の流れに対応する。
【0063】
単一の板53を有するバイポーラ板の形成と、二つの板53を有するバイポーラ板の形成を可能にするため、板53の一つかつ同じ幾何構成の使用を可能にするため、後者は、有利に対称軸を提示している。対称軸は、典型的には、板の中間面と垂直になる。
【0064】
図12は、流路の第1の端部における流れ板53の交替形成の断面図である。流れ板53は、壁555、556の幾何構成において、図1〜6の交替形成と異なっている。壁555、556は、それらの流路553、554のそれぞれの上の所まで延びていない(あるいは、挿入された流路563の底部のところまで延びていない)。したがって、流路553における流れの一部は、壁555を乗り越えることによって直接流れ、同様に、流路554を通過する流れの一部は、壁556を乗り越えることによってそれを貫通する。有利には、壁555、556は少なくとも面56の流路563の深さの3/4のところまでは延びている。十分な流の制限を形成することで、壁555、556は、それらのそれぞれの流路を通した十分に高い圧力低下を引き起こし、これらの流路を覆うガス拡散層を通過する流の一部を強制するかもしれない。
【0065】
図示された実施例では、流路は直線形状を示した。もちろん、例えば、長手方向に沿ってうねりがある流路のような他の流路の幾何構成を提供することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12