(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
半結晶質ポリマー、グルタミドベースの化合物、ポリアミドおよびそれらの混合物から選択されるa)(i)以外の少なくとも1種の油ゲル化剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性分散物。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」という表現は、1つまたはそれ以上を意味し、したがって、個々の成分、ならびに混合物/組み合わせを含む。
【0022】
また、本明細書で使用される場合、「the」、「a」または「an」という用語は、複数ならびに単数を包含するものとして理解され、かつ反対に明示されない限り、「1つのみ」に限定されるべきではない。したがって、例えば、「界面活性剤」の使用は、少なくとも1種の界面活性剤を意味するように意図される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「含んでなる」という用語(およびその文法上の変形)は、「有する」または「含む」という包括的な意味で使用されるが、「のみからなる」という排除的な意味では使用されない。
【0024】
「ケラチン質基体」には、本明細書で使用される場合、限定されないが、皮膚、唇、頭皮ならびに毛髪およびまつ毛などのケラチン繊維が含まれる。
【0025】
「ワックス」は、本明細書で使用される場合、天然または合成であって、以下に開示される範囲の融点を有する炭化水素材料を意味する。ポリマーおよびコポリマーは、この定義において含まれる。本明細書で使用されるワックスは、カルボン酸および脂肪族アルコールから誘導されるものなどのワックスエステル、ワックスアルコールおよび炭化水素を含むいくつかの成分から構成される材料を含んでもよい。
【0026】
「ゲル状化」または「ゲル化」という用語、あるいはこれらの用語の変形は、本発明による、液体またはクリーム状あるいは実に固体粘調度を導き得る媒体の構成化、またはさらに一般には濃厚化を意味する。
【0027】
「フィルム形成体」または「フィルム形成剤」は、本明細書で使用される場合、例えば、フィルム形成体を含む溶媒が、エバポレーション、基体中に吸収および/または基体上で分散された後、それが適用された基体上にフィルムを残すポリマーまたは樹脂を意味する。これらの用語は、また、それ自体で、または補助フィルム形成剤の存在下で、支持体、特にケラチン基体に接着する連続または非連続フィルムを形成することが可能なポリマーを指してもよい。
【0028】
「揮発性」は、本明細書で使用される場合、約100℃未満のフラッシュ点を有することを意味する。
【0029】
「非揮発性」は、本明細書で使用される場合、約100℃より高いフラッシュ点を有することを意味する。
【0030】
「置換」は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの置換基を含んでなることを意味する。置換基の非限定的な例には、酸素原子および窒素原子などの原子、ならびにアシロキシアルキル基、カルボン酸基、アミンまたはアミノ基、アシルアミノ基、アミド基、ハロゲン含有基、エステル基、チオール基、スルホン酸基、チオ硫酸基、シロキサン基およびポリシロキサン基などの官能基が含まれる。置換基は、さらに置換されてもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、「それらの塩および誘導体」という句は、それらが参照する化合物と同一官能性構造を含んでなる全ての塩および誘導体、ならびに同様の特性を有するものを意味するように意図される。
【0032】
「有機化合物」および「有機構造を有する」という用語は、炭素原子および水素原子、ならびに任意選択的に、単独で、もしくは組み合わせで、S、O、NまたはPなどのヘテロ原子を含有する化合物を意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「基体上へ組成物を適用する」という用語およびこの句の変形は、いずれかの方法で、基体、例えば皮膚または毛髪などのケラチン基体を、本発明の組成物の少なくとも1種と接触させることを意味するように意図される。
【0034】
本明細書で使用される場合、「から形成する」は、化学反応から得られることを意味し、「化学反応」には、自然発生的化学反応および誘導された化学反応が含まれる。本明細書で使用される場合、「から形成する」という句は無制限であり、かつ組成物の成分は、記載された成分に限定されない。
【0035】
「安定性」という用語は、本明細書で使用される場合、組成物が相分離および/または結晶化を示さないことを意味する。
【0036】
「処理」という用語(およびその文法上の変形)は、本明細書で使用される場合、水性分散物および分散物を含有する組成物の、基体の表面上への適用を指す。
【0037】
「成形」という用語(およびその文法上の変形)は、本明細書で使用される場合、特定の配列、形状または配置で毛髪などのケラチン繊維をスタイリングまたは配置すること、あるいはケラチン繊維または他の基体の湾曲を変更すること、あるいは異なる配列、形状または配置にケラチン繊維または他の基体を再配置することを含む。
【0038】
本発明の組成物および方法は、本明細書に記載される本発明の本質的な要素および限定、ならびに本明細書に記載されるか、または別に有用ないずれかの追加的または任意選択の成分、構成要素もしくは限定を含んでなることができるか、それらからなることができるか、またはそれらから本質的になることができる。
【0039】
一実施形態において、本発明は、
A.
(a)約20μm〜約70μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有し、かつ水性分散物の全重量に基づく重量で、
(i)スチレン−エチレン/ブチレンジブロックコポリマー、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマー、およびそれらの混合物から選択される、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる、約0.1重量%〜約15重量%の油ゲル化剤と、
(ii)35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックスを含んでなる、約10重量%〜約60重量%の脂肪物質と、
(iii)任意選択的に、a)(i)以外の油ゲル化剤、着色剤、日焼け止め剤、35℃以下の融点を有するワックス、芳香油、乳化ポリマー、シリカ、タルク、粘土およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加成分と
を含んでなる粒子、
(b)
(i)少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(ii)少なくとも1種のイオン性界面活性剤と
を含んでなる界面活性剤混合物、ならびに
(c)水
を含んでなる水性分散物と、
B.水、揮発性有機溶媒、非揮発性有機溶媒、シリコーン、非シリコーン油およびそれらの混合物を含んでなる担体と、
C.任意選択的に、液体脂質/油、ワックス、フィルム形成ポリマー、レオロジー変性剤、湿潤剤および保湿剤、乳化剤、構成化剤、噴射剤、界面活性剤、光沢剤、コンディショニング剤、化粧品的、皮膚科学的および薬学的活性剤、ビタミン、植物抽出物およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の補助成分と
を含有する組成物に関する。
【0040】
一実施形態において、本発明は、
A.
(a)約20μm〜約70μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有し、かつ水性分散物の全重量に基づく重量で、
(i)スチレン−エチレン/ブチレンジブロックコポリマー、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマー、およびそれらの混合物から選択される、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる、約0.1重量%〜約15重量%の油ゲル化剤と、
(ii)少なくとも1種の油を含んでなる脂肪物質と、
(iii)任意選択的に、a)(i)以外の油ゲル化剤、着色剤、日焼け止め剤、35℃以下の融点を有するワックス、芳香油、乳化ポリマー、シリカ、タルク、粘土およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加成分と
を含んでなる粒子、
(b)
(i)少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(ii)少なくとも1種のイオン性界面活性剤と
を含んでなる界面活性剤混合物、ならびに
(c)水
を含んでなる水性分散物と、
B.水、揮発性有機溶媒、非揮発性有機溶媒、シリコーン、非シリコーン油およびそれらの混合物を含んでなる担体と、
C.任意選択的に、液体脂質/油、ワックス、フィルム形成ポリマー、レオロジー変性剤、湿潤剤および保湿剤、乳化剤、構成化剤、噴射剤、界面活性剤、光沢剤、コンディショニング剤、化粧品的、皮膚科学的および薬学的活性剤、ビタミン、植物抽出物およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の補助成分と
を含有する組成物に関する。
【0041】
一実施形態において、本発明は、
A.
(a)約20μm〜約70μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有し、かつ水性分散物の全重量に基づく重量で、
(i)スチレン−エチレン/ブチレンジブロックコポリマー、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマー、およびそれらの混合物から選択される、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる、約0.1重量%〜約15重量%の油ゲル化剤と、
(ii)35℃より高い融点を有するワックスおよび少なくとも1種の油を含んでなる脂肪物質と、
(iii)任意選択的に、a)(i)以外の油ゲル化剤、着色剤、日焼け止め剤、35℃以下の融点を有するワックス、芳香油、乳化ポリマー、シリカ、タルク、粘土およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加成分と
を含んでなる粒子、
(b)
(i)少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(ii)少なくとも1種のイオン性界面活性剤と
を含んでなる界面活性剤混合物、ならびに
(c)水
を含んでなる水性分散物と、
B.水、揮発性有機溶媒、非揮発性有機溶媒、シリコーン、非シリコーン油およびそれらの混合物を含んでなる担体と、
C.任意選択的に、液体脂質/油、ワックス、フィルム形成ポリマー、レオロジー変性剤、湿潤剤および保湿剤、乳化剤、構成化剤、噴射剤、界面活性剤、光沢剤、コンディショニング剤、化粧品的、皮膚科学的および薬学的活性剤、ビタミン、植物抽出物およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の補助成分と
を含有する組成物に関する。
【0042】
一実施形態において、本発明は、
(a)約20μm〜約70μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有し、かつ水性分散物の全重量に基づく重量で、
(i)スチレン−エチレン/ブチレンジブロックコポリマー、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマー、およびそれらの混合物から選択される、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる、約0.1重量%〜約15重量%の油ゲル化剤と、
(ii)蜜蝋、水素化ミリスチルオリーブエステル、水素化ステアリルオリーブエステル、VP/エイコセンコポリマー、ジトリメチロイルプロパンテトラステアレートおよびC30〜45アルキルジメチルシリルプロピルシルセスキオキサンおよびその混合物から選択される、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックスから選択される、約10重量%〜約60重量%の脂肪物質と、
(iii)任意選択的に、a)(i)以外の油ゲル化剤、着色剤、日焼け止め剤、35℃以下の融点を有するワックス、乳化ポリマー、芳香油、シリカ、タルク、粘土およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加成分と
を含んでなる粒子、
(b)
(i)PEG−30 グリセリルステアレート、ソルビタンパルミテート、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン、ビス−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16ジメチコン、ビス−PEG/PPG−20/5 PEG/PPG−20/5ジメチコン、PEG/PPG−25/4ジメチコン、ビス−(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコン、ビス−PEG/PPG−14/14ジメチコンおよびそれらの混合から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(ii)少なくとも1種のイオン性界面活性剤と
を含んでなる、約1重量%〜約5重量%の界面活性剤混合物、ならびに
(c)水
を含んでなる水性分散物に関する。
【0043】
一実施形態において、上記分散物中のイオン性界面活性剤は、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメソスルフェート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメソスルフェート、ジナトリウムステアロイルグルタメートおよびナトリウムステアロイルグルタメートならびにそれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤である。
【0044】
一実施形態において、上記分散態中のイオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリドおよびそれらの混合物から選択されるカチオン性界面活性剤である。
【0045】
一実施形態において、上記組成物は、任意選択的に、液体脂質/油、ワックス、フィルム形成ポリマー、レオロジー変性剤、湿潤剤および保湿剤、乳化剤、構成化剤、噴射剤、界面活性剤、光沢剤、コンディショニング剤、化粧品的、皮膚科学的および薬学的活性剤、ビタミン、植物抽出物およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の補助成分を含有することが可能である。
【0046】
特定の実施形態において、上記水性分散物は、半結晶質ポリマー、グルタミドベースの化合物、ポリアミドおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤以外の油ゲル化剤をさらに含んでなる。
【0047】
本発明の水性分散物の粒子は、熱活性化されてもよい。したがって、本発明は、ケラチン質基体などの基体をコーティングする方法であって、基体上に、上記水性分散物、または水性分散物および担体を含有する組成物のいずれか1種を適用するステップと、基体に熱を適用するステップとが関与する方法にも関する。
【0048】
好ましい実施形態において、本発明は、毛髪を成形する方法であって、毛髪上に、上記水性分散物、または水性分散物および担体を含有する組成物のいずれか1種を適用するステップと、基体に熱を適用するステップと、任意選択的に、毛髪を成形するための毛髪成形手段を使用するステップとが関与する方法にも関する。
【0049】
一実施形態において、本発明は、油っぽい皮膚、毛髪または頭皮を処理するため、および皮膚、毛髪または頭皮のメークアップもしくはケアのための組成物に関する。
【0050】
一実施形態において、本発明は、上記水性分散物および上記担体のいずれか1種を含有する組成物であって、水性分散物を構成する粒子が、1μm〜約100μm、例えば、約10μm〜約80μm、または約20μm〜約80μm、または約40μm〜約65μm、または約45μm〜約65μm、または1μm〜約20μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有するような水性分散物が、本明細書に記載のプロセスまたはプロトコルのいずれか1つによって得られる組成物にも関する。
【0051】
驚くべきことに、そして予想外であることに、非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤の組み合わせを利用する界面活性剤混合物を使用すること、そして乳化プロセスに続くことによって、制御されたまたは較正された方法で、本開示の水性分散物の粒子を調製することができることが発見された。その結果、融合または凝塊形成が最小限である微細分散物の粒子を得ることができる。そのうえ、本開示の水性分散物の粒子は、それらの形状に関して均一であり得る。
【0052】
驚くべきことに、そして予想外なことに、本開示の水性分散物は、ワックスおよび/または油の存在に一般に起因する望ましくない特性である他着性または粘着性が減少または最小化していることが見出された。
【0053】
さらにまた、本開示の水性分散物を、ゲル、ムース、ローション、クリーム、ペースト、軟膏、スプレーおよびフォームなどの様々なガレヌス形態の組成物に調合することができる。本開示の水性分散物がこれらのガレヌス形態の1種に添加された場合、粒子は組成物に均一に残存し、かつ微細に分散し、そして上記組成物は貯蔵の間でさえも安定性があり、かつ粒子の凝塊形成または沈殿を示さないことが見出された。また驚くべきことに、そして予想外なことに、組成物も、ワックスおよび/または油の存在に一般に起因する望ましくない製品特性である他着性または粘着性が減少または最小化していることが見出された。
【0054】
基体の表面上にフィルムまたはコーティングを形成するために、本開示の水性分散物および水性分散物を含有する組成物を様々な基体上へ適用することができる。驚くべきことに、そして予想外なことに、基体の表面上のフィルムまたはコーティングは、他着性または粘着性がないか、もしくは最小であり、加えて、フィルムまたはコーティングは、薄く、かつ均一であり、かつ脆性ではなく、すなわち、容易に破壊されないことが見出された。
【0055】
また、本開示の水性分散物および水性分散物を含有する組成物はまた、ワックスおよび/または油の存在にかかわらず、基体上にクリーンで自然な感触を付与した。例えば、本開示の水性分散物を含有する組成物が毛髪などのケラチン質基体上に適用された場合、毛髪上に形成されたフィルムまたはコーティングは脆性ではなく、かつ毛髪を望ましくなく固めないか、または毛髪繊維が一緒にのり付け、もしくは定着されることを引き起こさなかった。その代わりに、毛髪に自然な感触があり、すなわち、フィルムまたはコーティングが重くなく、かつ/もしくは厚くなかった。
【0056】
驚くべきことに、そして予想外であることに、毛髪のような曲がり易い又は曲げることができる基体の場合、上述の膜またはコーティングを有する基体が熱に暴露される場合、より良好かつ長時間持続する接着性(または耐久性)および再成形性などの基体への追加的な利点が達成されることも見出された。コーティングされた基体は、本開示の水性分散物または水性分散物を含有する組成物の再適用を必要とせずに再加熱される場合、さらなる再形成および再配置が施され得ることも見出された。
【0057】
そのうえ、水性分散物および水性分散物を含有する組成物は基体上へコーティングまたは膜を与えるが、上記分散物および組成物は、水または従来のクレンジング剤による洗浄によって、基体から容易に除去され得る。
【0058】
いずれかの特定の理論に拘束されることは望まないが、基体を加熱しながら、基体上へ水性分散物を適用する時に、粒子は溶融または軟化し、それによって、膜またはコーティングが基体上に再配置され、かつ/または基体により良好にかつより長く接着する。
【0059】
また本開示の水性分散物および組成物は、化粧、スキンケアおよびサンケア製品などの皮膚、唇、爪およびまつ毛用の化粧品用途において、特に、基体上で形成される膜またはコーティングの結果として、これらの製品において有利な成分がこれらの基体上でより長期間残存する場合に有用である。
【0060】
水性分散物
本開示の水性分散物は、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤と、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックス、少なくとも1種の油、およびそれらの混合物から選択される脂肪物質とを含んでなる粒子を含有する。
【0061】
「脂肪物質」という用語は、通常の温度(25℃)および周囲圧力(760mmHg)において水中に不溶性(5%未満、好ましくは1%未満、実により好ましくは0.1%未満の溶解性)である有機化合物を意味する。それらは、それらの構造において、少なくとも6個の炭素原子または少なくとも2個のシロキサン基の配列を含んでなる少なくとも1個の炭化水素鎖を示す。加えて、脂肪物質は、一般に、同一温度および圧力条件下で、有機溶媒、例えば、クロロホルム、ジクロルメタン、四塩化炭素、エタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、液体石油ゼリーまたはデカメチルシクロペンタシロキサン中に可溶性である。本発明の脂肪物質は、いずれの塩化または非塩化カルボン酸基(COOHまたはCOO−)も含有しない。
【0062】
本発明で使用される場合、「脂肪相」という用語は、油または油もしくはワックスの混合物またはワックスおよび油の混合を意味する。
【0063】
油ゲル化剤
本発明の少なくとも1種の油ゲル化剤は、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる。
【0064】
スチレン系ブロックコポリマー:
本発明の目的に関して、「ポリマー」という用語は、少なくとも2個の繰り返し単位、好ましくは少なくとも3個の繰り返し単位、特に少なくとも10個の繰り返し単位を含んでなる化合物を意味するように意図される。
【0065】
本発明のスチレン系ブロックコポリマーは、好ましくは、脂肪相または脂肪物質を含有する混合物中に可溶性であるか、または分散性である、炭化水素をベースとするブロックコポリマーである。本開示において、脂肪物質は、油およびワックスから選択される。スチレン系ブロックコポリマーは、脂肪相または脂肪物質を含有する混合物を濃厚化またはゲル化することが可能である。
【0066】
好ましくは、スチレン系ブロックコポリマーは、結晶形を有さないポリマーを意味する非晶質ポリマーである。そのような化合物は、フィルム形成性を有し、すなわち、皮膚に適用される時にフィルムを形成することができる。
【0067】
好ましくは、スチレン系ブロックコポリマーは、少なくとも1種のスチレンモノマーから得られる。
【0068】
スチレン系ブロックコポリマーは、特に、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、放射状または星形コポリマー、あるいはそれらの混合物であってよい。
【0069】
そのようなスチレン系ブロックコポリマーは、米国特許出願公開第A−2002/005562号明細書および米国特許第A−5221534号明細書に記載されている。
【0070】
コポリマーは、そのガラス転移温度が、好ましくは20℃未満、好ましくは0℃以下、好ましくは−20℃以下、より好ましくは−40℃以下の少なくとも1つのブロックを含有してもよい。上記ブロックのガラス転移温度は、−150℃〜20℃であり、特に−100℃〜0℃であってよい。
【0071】
本発明による組成物に存在するスチレン系ブロックコポリマーは、オレフィンの重合によって形成された非晶質コポリマーである。オレフィンは、特に、エラストマーエチレン系不飽和モノマーであってよい。
【0072】
記載されてもよいオレフィンの例としては、エチレン系カーバイドモノマー、特に1つまたは2つのエチレン不飽和を含有し、かつ2〜5個の炭素原子を含有するもの、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレンまたはペンタジエンが含まれる。
【0073】
有利に、スチレン系ブロックコポリマーは、スチレンの、およびオレフィンの非晶質ブロックコポリマーである。
【0074】
少なくとも1種のスチレンブロックと、ブタジエン、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびイソプレンまたはそれらの混合物から選択される単位を含んでなる少なくとも1種のブロックとを含んでなるブロックコポリマーは、特に好ましい。1つの好ましい実施形態によると、スチレン系ブロックコポリマーは、モノマーの重合後に残余のエチレン系不飽和を減少させるために水素化される。
【0075】
特に、スチレン系ブロックコポリマーは、任意選択的に水素化された、スチレンブロックとエチレン/C3〜C4アルキレンブロックを含有するコポリマーである。
【0076】
1つの好ましい実施形態によると、本発明による少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤は、好ましくは水素化され、好ましくは、スチレン−エチレン/プロピレンコポリマー、スチレン−エチレンブタジエンコポリマーおよびスチレン−エチレン/ブチレンコポリマーから選択される少なくとも1種のジブロックコポリマーを含んでなる。ジブロックコポリマーは、特に、Kraton Polymers社からKraton(登録商標)Gl 701 Eの名称で販売されている。
【0077】
別の好ましい実施形態によると、本発明による少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤は、好ましくは水素化され、好ましくは、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン/ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマーおよびスチレン−ブタジエン−スチレンコポリマーから選択される少なくとも1種のトリブロックコポリマーを含んでなる。トリブロックコポリマーは、特に、Kraton Polymers社からKraton(登録商標)G1650、Kraton(登録商標)G1652、Kraton(登録商標)G1657、Kraton(登録商標)Dl 101、Kraton(登録商標)Dl 102およびKraton(登録商標)Dl 160の名称で販売されている。
【0078】
本発明の一実施形態において、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーは、スチレン−エチレン/ブチレンジブロックコポリマー、スチレン−エチレン/プロピレンジブロックコポリマーおよびそれらの混合物から選択されるジブロックコポリマーである。
【0079】
本発明の別の実施形態において、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーは、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマーである。
【0080】
本発明の1つの好ましい実施形態において、特に、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマーの、およびスチレン−エチレン/ブチレンジブロックコポリマーの混合物、特に、Kraton Polymers社からKraton(登録商標)G1657MまたはKraton(登録商標)G1657MSの名称で販売されている製品を使用することが可能である。
【0081】
本発明の別の好ましい実施形態において、スチレン−ブチレン/エチレン−スチレン水素化トリブロックコポリマーの、およびエチレン−プロピレン−スチレン水素化星形ポリマーの混合物を使用することが可能である。そのような混合物は、おそらく特にイソドデカンまたは別の油中に存在する。そのような混合物は、例えば、Penreco社からVersagel(登録商標)M5960およびVersagel(登録商標)M5670の商標名で販売されている。
【0082】
本発明の特に好ましい実施形態において、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマーおよびスチレン−エチレン/ブチレンジブロックコポリマーの混合物が使用される。好ましくは、混合物の全重量に基づき、混合物中のトリブロックコポリマーのパーセント量は、ジブロックコポリマーのパーセント量よりも高い。例えば、混合物は、70重量%のトリブロックコポリマーおよび30重量%のジブロックコポリマーを含有することができる。そのような混合物は、Kraton Polymers社からKraton(登録商標)G1657MまたはKraton(登録商標)G1657MSの商標名で販売されている、INCI名水素化スチレン/ブタジエンコポリマーによって入手可能である。
【0083】
本発明によるスチレン系ブロックコポリマーの含有量は、水性分散物の全重量に基づき、その間の全範囲および部分範囲を含めて、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約8重量%、さらにより好ましくは約1重量%〜約5重量%の範囲であってよい。
【0084】
スチレン系ブロックコポリマーは、一般に、硬質および軟質領域から構成される。本開示の粒子を形成するために、ワックスおよび/または油などの他の材料とブレンドされる場合、驚くべきことに、かつ予想外なことに、そのような粒子を含有する組成物が、毛髪にクリーンで自然の触覚を提供しながら、可撓性および強靭性の増加の利益を提供したことが見出された。加えて、ワックス単独と比較して、毛髪への形状記憶、ボディ、弾力および運動の改善を得ることができる。
【0085】
本発明の少なくとも1種の油ゲル化剤も、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤以外の少なくとも1種の追加の油ゲル化剤を含んでなることができる。追加の油ゲル化剤は、半結晶質ポリマー、グルタミドベースの化合物、ポリアミドおよびそれらの混合物から選択されてもよい。
【0086】
半結晶質ポリマー:
本発明の目的に関して、「半結晶質ポリマー」は、結晶化可能な部分および非晶質部分を含んでなり、かつ特に溶融(固体−液体転移)の相温度の一次可逆変化を有するポリマーを意味する。結晶化可能な部分は、主鎖中の側鎖(またはペンダント鎖)あるいはブロックのいずれかである。
【0087】
半結晶質ポリマーの結晶化可能な部分が、ポリマー主鎖のブロックである場合、この結晶化可能なブロックは、非晶質ブロックのものとは異なる化学的性質を有し、この場合、半結晶質ポリマーは、例えば、ジブロック、トリブロックまたはマルチブロック型のブロックコポリマーである。結晶化可能な部分が、主鎖上のペンダント鎖である場合、半結晶質ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーであってよい。
【0088】
本発明による半結晶質ポリマーは、室温(25℃)および周囲圧力(760mmHg)において固体である。
【0089】
好ましくは、半結晶質ポリマーは、有機構造を有し、30度以上、かつ好ましくは150℃未満の融点を有する。より好ましくは、半結晶質ポリマーの融点は、100℃未満、例えば、70℃未満である。
【0090】
融点値は、示差走査熱量計(DSC)を使用して測定された融点に対応する。(考慮中の融点は、サーモグラムの最大吸熱ピークの温度に対応する点である)。
【0091】
本発明による半結晶質ポリマーは、好ましくは、本発明の水性分散物および組成物と接触することが意図されるケラチン質支持体、特に、皮膚または毛髪または頭皮の温度より高い融点を有する。
【0092】
本発明によると、半結晶質ポリマーは、それらの融点より高い温度において、脂肪相または上記脂肪物質を含有する混合物中に、特に少なくとも1重量%まで、有利に可溶性または分散可能である。
【0093】
本発明の意味の範囲内において、「結晶化可能な鎖またはブロック」という表現は、それが単独である場合、温度が融点より高いか、または低いかに従って、可逆的に非晶状態から結晶状態へと変化する鎖またはブロックを意味するものとして理解される。本発明の意味の範囲内において、「鎖」という表現は、ポリマーの主鎖に対してペンダントまたは横方向への原子の群である。ブロックは、主鎖に属する原子の群であり、この群は、ポリマーの繰り返し単位の1つを構成する。
【0094】
好ましくは、半結晶質ポリマーのポリマー主鎖は、それらの融点より高い温度において脂肪物質を含有する脂肪相または混合物において溶解性である。
【0095】
好ましくは、半結晶質ポリマーの結晶化可能なブロックまたは鎖は、それぞれのポリマーの全重量の少なくとも30%、なお良好には少なくとも40%を表す。結晶化可能な側鎖を含有する半結晶質ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーである。結晶化可能なブロックを含有する本発明の半結晶質ポリマーは、ブロックまたはマルチブロックコポリマーである。それらは、反応性二重結合(またはエチレン系結合)を含有するモノマー重合あるいは重縮合によって得られてもよい。本発明のポリマーが結晶化可能な側鎖を有するポリマーである場合、これらの側鎖は、有利にランダムか、または統計学的形態にある。
【0096】
好ましくは、本発明の半結晶質ポリマーは合成由来である。
【0097】
1つの好ましい実施形態によると、半結晶質ポリマーは、結晶化可能な疎水性側鎖を有する1つまたはそれ以上のモノマーの重合から得られる単位を含んでなるホモポリマーおよびコポリマー;主鎖に少なくとも1つの結晶化可能なブロックを有するポリマー;脂肪族または芳香族または脂肪族/芳香族ポリエステル型の重縮合物;ならびにメタロセン触媒作用によって調製されたエチレンおよびプロピレンのコポリマーから選択される。
【0098】
A)結晶化可能な側鎖を含有する半結晶質ポリマー
ポリマーおよびコポリマーは、特に好ましくは、結晶化可能な側鎖を有する半結晶質ポリマーから選択される。特に、米国特許第A−5156911号明細書および国際公開第A−01/19333号パンフレットに定義されるものが参照されてよい。
【0099】
それらは、結晶化可能な疎水性の側鎖を有する1個またはそれ以上のモノマーの重合から得られる50重量%〜100重量%の単位を含んでなるホモポリマーまたはコポリマーである。
【0100】
これらのホモポリマーまたはコポリマーは、それらがいかに記載の状態に適合するということを条件として、いずれかの性質のものであり、特に、それらの融点(mp)より高い温度まで加熱することによって、脂肪相において可溶性または分散可能であるという特徴を有する。それらは、
−重合に対して反応性またはエチレン系二重結合を有する、すなわち、ビニル、(メタ)アクリルまたはアリル基を有する1種またはそれ以上のモノマーの重合、特にラジカル重合から、
−共反応性基(カルボン酸、スルホン酸、アルコール、アミンまたはイソシアネート)を有する1種またはそれ以上のモノマー、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルまたはポリウレタンの重縮合から
得ることができる。
【0101】
一般に、本発明による半結晶質ポリマーの結晶化可能な単位(鎖またはブロック)は、半結晶質ポリマーを製造するために使用される結晶化可能なブロックまたは鎖を含有するモノマーから誘導される。これらのポリマーは、好ましくは、式X:
【化1】
(式中、
−Mはポリマー主鎖の原子を表し、Cは結晶化可能な基を表し、かつSはスペーサーを表す。
−「−S−C」結晶化可能な鎖は、飽和または不飽和C12〜C40、好ましくはC12〜C28、好ましくはC14〜C24炭化水素ベースのアルキル鎖を含んでなる、任意選択的にフッ素化またはペルフッ素化された炭化水素ベースの脂肪族または芳香族鎖である。
−「C」は、直鎖または分枝鎖または環式である基(CH2)nを表し、nは12〜40の範囲の整数である。好ましくは、「C」は直鎖の基である。好ましくは、「S」および「C」は異なる。)によって表され得る結晶化可能な鎖を含有する少なくとも1種のモノマーの重合から得られるホモポリマーおよびコポリマーから特に選択される。
【0102】
結晶化可能な鎖が炭化水素ベースの脂肪族鎖である場合、それらは、少なくとも12個の炭素原子および40個以下の炭素原子、なお良好には24以下の炭素原子を含有する炭化水素ベースのアルキル鎖を含んでなる。それらは、特に、少なくとも12個の炭素原子を含有する脂肪族鎖またはアルキル鎖であり、かつそれらは、好ましくはC
12〜C
40、好ましくはC
12〜C
28、好ましくはC
14〜C
24、好ましくはC
16〜C
22アルキル鎖である。
【0103】
好ましくは、結晶化可能な鎖は、C
16〜C
22炭化水素ベースの脂肪族鎖である。
【0104】
それらがフルオロアルキルまたはペルフルオロアルキルである場合、それらは、少なくとも11個の炭素原子を含んでなり、そのうちの少なくとも6個の炭素原子がフッ素化されている。
【0105】
好ましくは、結晶化可能な側鎖を有する半結晶質ポリマーは、上記で定義されたアルキル基、特に、C
14〜C
24アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートまたはアルキル(メタ)アクリルアミドホモポリマー、これらのモノマーと、好ましくは(メタ)アクリル酸とは性質が異なる親水性モノマー、例えば、N−ビニルピロリドンまたはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのコポリマー、およびそれらの混合物である。
【0106】
有利には、結晶化可能な側鎖を含有する半結晶質ポリマーは、5000〜1000000、好ましくは10000〜800000、好ましくは15000〜500000、より好ましくは100000〜200000の範囲の重量平均分子量Mpを有する。
【0107】
本発明の1つの特定の実施形態によると、ポリマーは、次式:
【化2】
(式中、R
1はHまたはCH
3であり、RはC
10〜C
30アルキル基を表し、かつXはOを表す)によって表され得る飽和C
10〜C
30アルキル(メタ)アクリレートから選択される結晶化可能な側鎖を有する少なくとも1種のモノマーの重合から得られるホモポリマーまたはコポリマーから選択され得る。
【0108】
本発明のより特定の実施形態によると、ポリマーは、飽和C
10〜C
30アルキル(メタ)アクリレートから選択される結晶化可能な側鎖を有するモノマーの重合から誘導される。
【0109】
本発明による組成物中で使用され得る半結晶質ポリマーの東低の例として、「Intelimer(登録商標)polymers」,Landec IP22(Rev.4−97)のカタログに記載されるLandec社からのIntelimer(登録商標)製品が記載されてよい。これらのポリマーは室温(25℃)で固体状態である。それらは、結晶化可能な側鎖を有し、かつ上記式Xを有する。それらは、本発明による組成物に含まれ得る半結晶質ポリマーとして特に適切であるポリ(C
10〜C
30)アルキルアクリレートである。
【0110】
本発明で使用され得る半結晶質ポリマーは、特に、米国特許第A−5156911号明細書に記載されるものなどの少なくとも1つの結晶化可能な側鎖を有するホモポリマーまたはコポリマーおよびそれらの混合物である。
【0111】
本発明の好ましい実施形態において、半結晶質ポリマーは、Air Products and Chemicals社またはLandec社からIntelimer(登録商標)IPA 13−1の名称で販売される製品などのポリステアリルアクリレート、およびINCI名ポリC10〜C30アルキルアクリレートで既知であり、かつAir Products and Chemicals社またはLandec社からIntelimer(登録商標)IPA 13−6の商標名で販売されるポリマーから選択される。
【0112】
B)ポリマー主鎖中に少なくとも1つの結晶化可能なブロックを有するポリマー
これらのポリマーは、特に、その1つが結晶化可能である、異なる化学的性質を有する少なくとも2つのブロックからなるブロックコポリマーである。
【0113】
主鎖中に少なくとも1つの結晶化可能なブロックを有するポリマーは、オレフィンの、または結晶化可能な鎖を含有するシクロオレフィンのブロックコポリマーから選択され得る。
【0114】
主鎖中に少なくとも1つの結晶化可能なブロックを有するポリマーは、少なくとも1つの結晶化可能なブロックを含有するコポリマーから選択され得、残りのコポリマーは(室温で)非晶質である。これらのコポリマーは、化学的性質が異なる2つの結晶化可能なブロックを追加的に示すことができる。
【0115】
C)脂肪族または芳香族または脂肪族/芳香族ポリエステル型の重縮合物
ポリエステル重縮合物は、脂肪族ポリエステルから選択され得る。それらの分子量は、好ましくは200g/モル以上で且つ10000g/モル以下、より好ましくは300g/モル以上で且つ5000g/モル以下、好ましくは500g/モル以上で且つ2000g/モル以下である。
【0116】
ポリエステル重縮合物は、特にポリカプロラクトンから選択される。特に、ポリカプロラクトンはe−カプロラクトンホモポリマーから選択され得る。ホモ重合は、ジオール、特に、2〜10個の炭素原子を有するジオール、例えば、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオールまたはネオペンチルグリコールによって開始され得る。
【0117】
重縮合物、例えば、特に、Solvay社からの様々な融点および分子量を有するCAP A(登録商標)、またはUnion Carbide社からのPCL−300およびPCL−700の商標名で販売されるものが使用され得る。CAP A(R) 2125(融点は35〜45℃であり、かつ分子量は1250である)が特に使用されてよい。
【0118】
D)メタロセン触媒作用によって調製されたエチレンおよびプロピレンのコポリマー
本発明の組成物の半結晶質ポリマーは、米国特許出願公開第2007/0031361号明細書に記載のものなどのメタロセン触媒作用によって得られるポリマーであってもよい。
【0119】
これらのポリマーは、メタロセン触媒作用によって、すなわち、低圧で、かつメタロセン触媒の存在下における重合によって調製されたエチレンおよびプロピレンのコポリマーである。
【0120】
メタロセン触媒作用によって調製されたエチレンおよびプロピレンのコポリマーは、未変性であるか、または「極性」変性(すなわち、それらが極性基を含有するように変性)されていてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態において、メタロセン触媒作用によって調製されたエチレンおよび/またはプロピレンの極性変性コポリマーは、それらが親水性を有するように変性されたポリマーである。記載され得る例としては、無水マレイン酸、アクリレート、メタクリレート、ポリビニルピロリドン(PVP)などの親水基の存在によって変性されたエチレンおよび/またはプロピレンホモポリマーまたはコポリマーが含まれる。
【0122】
記載され得る例としては、Clariant社から販売される無水マレイン酸(PPMA)によって変性されたポリプロピレンポリマー、またはClariant社からLicoCareの名称で販売されるものなどのポリプロピレン−エチレン−無水マレイン酸コポリマー、例えば、LicoCare PP207 LP3349、LicoCare CM401 LP3345、LicoCare CA301 LP3346およびLicoCare CA302 LP3347が含まれる。
【0123】
グルタミドをベースとする化合物:
本発明のグルタミドをベースとする化合物は、一種の有機ゲル化剤を含んでなることが知られている。好ましくは、本発明のグルタミドをベースとする化合物は、ポリマーではない。
【0124】
本発明によると、「有機ゲル化剤」は、その分子が、それらの間で、液体脂肪相または脂肪物質を含有する混合物のゲル化の原因となり得る3次元高分子ネットワークの形成を有する分子の自己凝集を導く少なくとも1つの物理的相互作用を確立することが可能である有機化合物を含んでなるものとして定義される。
【0125】
有機ゲル化剤は、親油性ゲル化剤と呼ばれてもよい。
【0126】
本発明のグルタミドをベースとする化合物は、室温(20℃)および気圧において固体または液体であってよい。
【0127】
好ましくは、グルタミドをベースとする化合物は、ポリマーではなく、アシル基が直鎖C8〜C22アルキル鎖を含んでなるジ(C2〜C6)アルキルN−アシルグルタミドから特に選択される直鎖アルキル鎖を有する低分子量ジアルキルN−アシルグルタミド、好ましくは、例えば、ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミド(またはジブチルラウロイルグルタミド)、および/またはアシル基が分枝鎖Cg〜C22アルキル鎖を含んでなるジ(C2〜C6)アルキルN−アシルグルタミドから特に選択される分枝アルキル鎖を有する低分子量ジアルキルN−アシルグルタミド、好ましくは、例えば、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド(またはジブチルエチルヘキサノイルグルタミド)、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0128】
好ましくは、非ポリマーの使用されてもよいグルタミドをベースとする化合物は、アシル基が直鎖C8〜C22アルキル鎖を含んでなる(C2〜C6)ジアルキルN−アシルグルタミドから特に選択される直鎖アルキル鎖を有する少なくとも1種の低分子量ジアルキルN−アシルグルタミド、例えば、ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミド(ジブチルラウロイルグルタミド)と、アシル基が分枝鎖C8〜C22アルキル鎖を含んでなる(C2〜C6)ジアルキルN−アシルグルタミドから特に選択される分枝アルキル鎖を有する少なくとも1種の低分子量ジアルキルN−アシルグルタミド、例えば、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド(ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド)と、好ましくは、これらの2種のグルタミドをベースとする化合物と水素結合を形成することが可能な溶媒との組み合わせである。
【0129】
好ましい実施形態によると、本発明における使用のために適切なグルタミドをベースとする化合物は、GP−1という商標名で既知の、味の素社から販売されるジブチルラウロイルグルタミドである。
【0130】
ポリアミド:
本発明のポリアミドは、炭化水素をベースとするポリアミド、シリコーンポリアミドおよびそれらの混合物から選択されてよい。
【0131】
本発明の目的に関して、「ポリアミド」という用語は、少なくとも2個の繰り返しアミド単位、好ましくは少なくとも3個の繰り返しアミド単位、さらに良好には10個の繰り返しアミド単位を含有する化合物を意味する。
【0132】
a)炭化水素をベースとするポリアミド
「炭化水素をベースとするポリアミド」という用語は、炭素および水素原子、ならびに任意選択的に酸素および窒素原子から本質的に形成されるか、またはそれらから構成され、かついずれかのケイ素またはフッ素原資を含有しないポリアミドを意味する。これは、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミンおよび/またはアミド基を含有してもよい。
【0133】
本発明の目的に関して、「官能化された鎖」という用語は、ヒドロキシル、エーテル、エステル、オキシアルキレンおよびポリオキシアルキレン基から特に選択される1つまたはそれ以上の官能基または試薬を含んでなるアルキル鎖を意味する。
【0134】
有利には、本発明のポリアミドは、100000g/モル未満(特に1000〜100000g/モルの範囲)、特に50000g/モル未満(特に1000〜50000g/モルの範囲)、より特に1000〜30000g/モル、好ましくは2000〜20000g/モル、より良好には2000〜10000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する。
【0135】
このポリアミドは、特に25℃で、水中で不溶性である。
【0136】
本発明の第1の実施形態によると、使用されるポリアミドは、式(I)
【化3】
(式中、Xは、基−N(R
1)
2または基−OR
1を表し、R
1は、同一であっても、または異なってもよい直鎖または分枝鎖C
8〜C
22アルキル基であり、R
2はC
28〜C
42二酸ダイマー残基であり、R
3はエチレンジアミン基であり、かつnは2〜5である)のポリアミド、ならびにそれらの混合物である。
【0137】
特定の様式によると、使用されるポリアミドは、式(Ia)
【化4】
(式中、Xは、基−N(R
1)
2を表し、R
1は、同一であっても、または異なってもよい直鎖または分枝鎖C
8〜C
22アルキル基であり、R
2はC
28〜C
42二酸ダイマー残基であり、R
3はエチレンジアミン基であり、かつnは2〜5である)のアミド末端ポリアミド、ならびにそれらの混合物である。
【0138】
式(Ib)
【化5】
(式中、Xは、基−OR
1を表し、R
1は、同一であっても、または異なってもよい直鎖または分枝鎖C
8〜C
22アルキル基、好ましくはC
16〜C
22アルキル基であり、R
2はC
28〜C
42二酸ダイマー残基であり、R
3はエチレンジアミン基であり、かつnは2〜5である)の少なくとも1つの追加的なポリアミドも使用されてよい。
【0139】
Xが基−OR
1を表し、R
1が、同一であっても、または異なってもよい直鎖または分枝鎖C
8〜C
22アルキル基、好ましくはC
16〜C
22アルキル基であり、R
2がC
28〜C
42二酸ダイマー残基であり、R
3がエチレンジアミン基であり、かつnが2〜5である式(Ib)のポリアミド化合物の例として、そのINCI名がエチレンジアミン/ステアリルダイマージリノレートコポリマーであるArizona Chemical社からUniclear 80およびUniclear 100またはUniclear 80 V、Uniclear 100 VおよびUniclear 100 VGの名称で販売される市販の製品が記載されてよい。それらはそれぞれ、鉱物油中80%活性材料を含有するゲルの形態、および100%活性材料の形態で販売されている。それらは88〜94℃の軟化点を有する。これらの市販の製品は、約6000g/モルの重量平均分子量を有するエチレンジアミンと結合されたC
36二酸のコポリマーの混合物である。末端エステル基は、セチルアルコール、ステアリルアルコールまたはそれらの混合物(セチルステアリルアルコールとしても知られる)による残りの酸末端基のエステル化から得られる。
【0140】
米国特許出願公開第2009/0280076号明細書に記載されるものなどのアミド末端ポリアミド化合物、特にXが基−N(R
1)
2を表し、R
1が、同一であっても、または異なってもよい直鎖または分枝鎖C
8〜C
22アルキル基、好ましくはC
8〜C
20アルキル基、好ましくはC
14〜C
20アルキル基、より好ましくはC
14〜C
18アルキル基、より良好にはC
18アルキル基であり、R
2がC
28〜C
42二酸ダイマー残基、好ましくはジリノール酸ダイマー残基であり、R
3がエチレンジアミン基であり、かつnが2〜5、好ましくは3〜4である式(Ia)のアミド末端ポリアミド化合物の例として、そのINCI名がビスージオクタデシルアミドダイマージリノール酸/エチレンジアミンコポリマーである式(Ia)の化合物が記載されてよい。
【0141】
使用されてもよいアミド末端ポリアミドの具体例として、ジイソステアリルマレエートとの組み合わせであり、かつそのINCI名がジイソステアリルマレエート(および)ビスージオクタデシルアミドダイマージリノール酸/エチレンジアミンコポリマーである、高級アルコール工業社から販売される化合物のHaimalate PAMが記載されてもよい。
【0142】
炭化水素をベースとするポリアミドの他の例は、ポリアルキレンオキシ(polyakyleneoxy)ポリアミド、アミド末端ポリアミドおよびビス−ステアリルエチレンジアミン/ネオペンチルグリコール/ステアリル水素化ダイマージリノレートコポリマーである。
【0143】
b)シリコーンポリアミド
本発明のシリコーンポリアミドは、好ましくは、室温(25℃)および気圧(760mmHg)において固体である。
【0144】
シリコーンポリアミドは、より特に、式(III)または(IV)
【化6】
[式中、
−R
4、R
5、R
6およびR
7は、同一であっても、または異なっていてもよく、
−それらの鎖中に1個またはそれ以上の酸素、硫黄および/または窒素原子を含有している可能性があり、かつフッ素原子によって部分的に、または完全に置換されている可能性のある、直鎖、分枝鎖または環式、飽和または不飽和のC
1〜C
40炭化水素ベースの基、
−任意選択的に1個またはそれ以上のC
1〜C
4アルキル基によって置換されたC
6〜C
10アリール基、
−1個またはそれ以上の酸素、硫黄および/または窒素原子を含有する可能性があるポリオルガノシロキサン鎖
から選択される基を表し、
−基Xは、同一であっても、または異なっていてもよく、その鎖中に1個またはそれ以上の酸素および/または窒素原子を含有している可能性のある直鎖または分枝鎖C
1〜C
30アルキレンジイル基を表し、
−Yは、1個またはそれ以上の酸素、硫黄および/または窒素原子を含んでなり得、かつ/または置換基として以下の原子または原子の群:フッ素、ヒドロキシル、C
3〜C
8シクロアルキル、C
1〜C
40アルキル、C
5〜C
10アリール、任意選択的に1〜3個のC
1〜C
3アルキルによって置換されたフェニル、C
1〜C
3ヒドロキシアルキルおよびC
1〜C
6アミノアルキル基の1つを有し得る、飽和または不飽和C
1〜C
50直鎖または分枝鎖アルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレンまたはアリールアルキレン二価基であるか、あるいは
−Yは、次式
【化7】
(式中、
−Tは、任意選択的にポリオルガノシロキサン鎖によって置換され、かつO、NおよびSから選択される1個またはそれ以上の原子を含有する可能性がある、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和のC
3〜C
24三価または四価の炭化水素ベースの基を表すか、あるいはTは、N、PおよびAlから選択される三価原子を表し、かつ
−R
8は、ポリマーの別の鎖と連結される可能性があり得る1つまたはそれ以上のエステル、アミド、ウレタン、チオカバーメート、尿素、チオ尿素および/またはスルホンアミド基を含んでなる可能性がある、直鎖または分枝鎖C
1〜C
50アルキル基またはポリオルガノシロキサン鎖を表す)に相当する基を表し、
−nは、2〜500、好ましくは2〜200の範囲の整数であり、かつmは、1〜1000、好ましくは1〜700、さらに良好には6〜200の範囲の整数である]の少なくとも1つの単位を含んでなるポリマーであってよい。
【0145】
ポリマーは、異なる長さの式(III)または(IV)の同一または異なる単位を含んでなってもよい。
【0146】
本発明の一実施形態の変形によると、式(III)または(IV)の単位および炭化水素をベースとするポリアミド単位を含んでなるコポリマーが使用されてもよい。この場合、ポリアミド−シリコーン単位は、炭化水素ベースのポリアミドの末端に位置し得る。
【0147】
そのようなシリコーンポリアミドの例として、Dow Corning社からDC 2−8179(DP 100)およびDC 2−8178(DP 15)の名称で販売され、そのINCI名がナイロン−611/ジメチコンコポリマーである化合物が記載されてもよい。
【0148】
好ましい実施形態によると、本発明のポリアミドは、INCI名の化合物、CrodaからOLEOCRAFT MP−30の商標名で販売されるポリアルキレンオキシポリアミド、Arizona ChemicalからSYLVACLEAR A2614の商標名で販売されるアミド末端ポリアミド、CrodaからOLEAOCRAFT LP−20の商標名で販売されるビス−ステアリルエチレンジアミン/ネオペンチルグリコール/ステアリル水素化ダイマージリノレートコポリマー、CrodaからUniclear 100 VGまたはOLEOCRAFT LP−10−PA−(MV)の商標名で販売されるエチレンジアミン/ステアリルダイマージリノレートコポリマーおよびそれらの混合物から選択することができる。
【0149】
特定の実施形態において、少なくとも1種の追加的な油ゲル化剤は、C10〜C30アルキルアクリレート、ジブチルラウロイルグルタミドを含んでなるグルタミドをベースとする化合物、ポリアルキレンオキシポリアミド、アミド末端ポリアミド、ビス−ステアリルエチレンジアミン/ネオペンチルグリコール/ステアリル水素化ダイマージリノレートコポリマー、エチレンジアミン/ステアリルダイマージリノレートコポリマーおよびそれらの混合物から選択される。
【0150】
ワックス
本開示の分散物粒子中に存在することができる少なくとも1種のワックスは、35℃より高い融点、例えば35℃より高く約250℃まで、または例えば40℃より高く約100℃までの融点を有する。35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックスは、固体/液体状態の可逆変化を有するものとして定義される。固体状態のワックスの融点は、その液体状態の氷点と同じであり、かつ物質の純度および周囲圧力などの要素に依存する。融点は、いずれかの一定圧力において固体およびその液体が平衡にある温度である。固体ワックスは、ワックスの融点付近の温度で軟化を開始する。温度を増加させると、特定の温度になるまで、ワックスは軟化/溶融し続けて、ワックスは標準気圧で完全に液体になる。実際の融点値が考慮中に材料のために与えられるのは、この段階である。熱が除去されると、液化したワックス材料は、材料が固体状態に戻るまで凝固を開始する。ワックス材料を液体状態(溶融)にすることによって、油などの他の材料と混和させて、顕微鏡的に均一な混合物を形成することが可能となる。しかしながら、混合物の温度が室温になると、混合物中の他の材料とのワックスの再結晶が得られ得る。
【0151】
本開示の水性分散物のワックスおよび粒子の融点は、示差走査熱量測定、Banc Kofflerデバイス、融点装置およびスリップメルティングポイント測定などの既知の方法または装置によって決定されてもよい。
【0152】
ワックスの融点は、ピークの吸熱性熱流が示差走査熱量測定走査で生じる温度として定義されてもよい。
【0153】
本開示の粒子に存在し、かつ35℃より高い融点を有し得るワックスは、室温で固体または半固体であるワックスから選択される。
【0154】
本開示の粒子に存在し得るワックスは、約0.001MPa(メガPa)〜約15MPa、または例えば約1MPa〜約12MPa、または例えば約3MPa〜約10MPaの範囲の硬度値を有するワックスから選択される。
【0155】
ワックスの硬度は、針貫通、あるいはジュロメーターまたはテクスチュロメーターの使用などのいずれかの既知の方法または装置で決定されてよい。
【0156】
天然ワックスには、動物、野菜/植物、鉱物または石油由来ワックスが含まれる。それらは、典型的に、脂肪酸と長鎖アルコールとのエステルである。ワックスエステルは、様々なカルボン酸と様々な脂肪族アルコールとから誘導される。本開示の粒子を構成し得るワックスは、固体脂質としても知られている。
【0157】
好ましいワックスの例には、限定されないが、蜜蝋、水素化アルキルオリーブエステル(商標名phytowax oliveで商業的に入手可能)、カルナウバワックス、カンデリラワックス、オーリクリーワックス(ouricoury wax)、漆蝋、コルクファイバーワックスまたはサトウキビワックス、ライスワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、亜炭ワックス、微結晶ワックス、セレシンまたはオゾケライト、パーム核グリセリド/水素化パームグリセリド、ならびに水素化油、例えば、水素化ヒマシ油またはホホバ油、サトウキビ、レタモ、ヤマモモ、米糠、大豆、キャスター、エスパルト、漆蝋、ヒドロキシオクタコサニルヒドロキシステアレート、チャイニーズワックス、セチルパルミテート、ラノリン、セラックおよび鯨蝋;合成ワックス、例えば、炭化水素型のものおよびエチレンの重合または共重合から得られるポリエチレンワックス、およびFischer−Tropsch(登録商標)ワックス、または他の脂肪酸のエステル、例えば、オクタコサニルステアレート、35℃より高い温度で固体であるグリセリド、シリコーンワックス、例えば、10〜45個の炭素原子の範囲のアルキルまたはアルコキシ鎖を有するアルキル−またはアルコキシジメチコン、30℃で固体であり、かつそのエステル鎖が少なくとも10個の炭素原子を含んでなるポリ(ジ)メチルシロキサンエステル、あるいはHetereneによってHEST(登録商標)2T−4Sの名称で販売または製造されるジ(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラステアレート、ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0158】
ワックスまたは固体脂質の他の例には、不飽和脂肪酸を含有するものを含むC20〜40ジ−およびトリグリセリド、C20〜40脂肪族アルコール、C2〜40脂肪族アミン、ならびにそれらの化合物およびステロールが含まれる。
【0159】
以下の表に、融点が35℃より高く、かつ本開示による使用のために適切である限定されないワックスを記載する。
【0163】
35℃より高い融点を有する特に好ましいワックスは、様々な供給元から商業的に入手可能である蜜蝋、Phytowax Olive 18 L 57の商品名でSophimから商業的に入手可能である水素化ステアリルオリーブエステル、Phytowax Olive 14 L 48の商品名でSophimから商業的に入手可能である水素化ミリスチルオリーブエステル、Antaron(登録商標)V 220またはGanex(登録商標)V 220Fの商品名でISPから商業的に入手可能であるVP/エイコセンコポリマー、ならびにHEST 2T−4Sの商品名でHetereneから商業的に入手可能であるジトリメチロイルプロパンテトラステアレートである。
【0164】
35℃より高い融点を有する他の特に好ましいワックスは、DOW CORNING SW−8005 C30 Resin WaxとしてDow Corning社から商業的に入手可能なシルセスキオキサン樹脂ワックス、例えば、C30〜45アルキルジメチルシリルプロピルシルセスキオキサン、ならびに例えば国際公開第2005/100444号パンフレットに記載されるものを含むシリコーンワックスである。
【0165】
本開示の粒子中に存在し得るワックスは、35℃より高い融点を有するか、または約40℃〜約100℃、または例えば約40℃〜約80℃の範囲であってもよい。本開示の粒子中に存在し得るワックスは、軟質ワックおよび硬質ワックスから選択されてもよい。軟質ワックスは、約70℃未満の融点、好ましくは約60℃未満の融点を有するワックスとして定義されてよい。硬のワックスは、約70℃以上の融点、好ましくは約60℃以上の融点を有するワックスとして定義されてよい。
【0166】
一実施形態に従って、本開示による軟質ワックスには、限定されないが、パラフィンワックス、ステアリルアルコール、オゾケライト、合成蜜蝋、蜜蝋、カンデリラワックス、PVP/エイコセンコポリマー、水素化ホホバワックス、パームバター、ウルシワックス、ポリグリセリル蜜蝋、トリコンタニル/PVP、シリコニル蜜蝋、ステアリルステアレート、セレシンワックス、水素化ミリスチルオリーブエステル(例えば、phytowax olive 14 L 48)、水素化ステアリルオリーブエステル(例えば、phytowax olive 18 L 57)、Koster K82P、オレンジピールワックス、ペンタエリスリトールジステアレート、テオブロマ・グランディフローラム(Theobroma Grandiflorum)シードバター、シリコーン樹脂ワックス、ポリメチルアルキルジメチルシロキサン、ペンタエリスリチルテトラステアレート、テトラコンタニルステアレート、脂肪酸ワックス、ベヘニルアルコール、アルキルジメチコンワックス、ステアリルベンゾエート、ベリーワックス(Berry wax)、コスターワックス、シリコニルカンデリラワックス、ジトリメチロールプロパンテトラステアレート、Clariant Licowax KST 1、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジトリメチロールプロパンテトラベヘネート、ベヘニルメタクリレート greffe PDMS、ホホバエステル、ワックスオリーブ(Waxolive)、インホリーブ(inholive)、phytowax ricin 16 L 64、水素化マカダミアシード油、合成ワックス、ジオクタデシルカルボネート、モンタンワックス、レモンピール抽出物、ジトリメチロイルプロパンテトラステアレートおよびC30〜45アルキルジメチルシリルプロピルシルセスキオキサンが含まれる。
【0167】
一実施形態に従って、本開示に従う硬質ワックスには、限定されないが、カルナウバワックス、微結晶ワックス、ポリエチレンワックス、水素化ヒマシ油、ワックスAC 540、ヒドロキシオクタコサニルヒドロキシステアレート、水素化キャスターワックス、ワックスAC 400、米糠ワックス、C20〜40アルキルステアレート、アルコールポリエチレンワックス、オクタンジオエート、ヒマワリシードワックス、fischer−tropschワックス、チャイニーズインセクトワックス、セラックワックス、ベネヒルフマレート、合成ワックス、betsawax RX−13750、phytowax ricin 22 L 73およびベジタブルワックスが含まれる。
【0168】
35℃より高い融点を有するワックスは、本開示の水性分散物の全重量に基づき、それらの間の全ての範囲および部分範囲を含めて、約10重量%〜約60重量%、または好ましくは約15重量%〜約50重量%、例えば、約20重量%〜約40重量%、または例えば、約20重量%〜約30重量%の範囲の量で利用され得る。
【0169】
油
「非シリコーン油」という用語は、いずれかのケイ素原子(Si)を含有しない油を意味し、かつ「シリコーン油」という用語は、少なくとも1個のケイ素原子を含有する油を意味する。
【0170】
本開示の油は、C
6〜C
16炭化水素、16個より多い炭素原子を含有する炭化水素、特に鉱物または合成由来の16個より多い炭素原子を有する直鎖または分枝鎖炭化水素、動物由来の非シリコーン油、トリグリセリド型の植物油、合成トリグリセリド、フルオロ油、液体脂肪アルコール、液体脂肪酸および/またはトリグリセリド以外の液体脂肪アルコールエステル、および植物ワックス、シリコーン油、ならびにそれらの混合物から選択されてもよい。
【0171】
脂肪アルコール、エステルおよび酸は、より特には、任意選択的に特に1個またはそれ以上のヒドロキシル基(特に1〜4個)によって置換された、6〜30個、より良好には8〜30個の炭素原子を含んでなる、少なくとも1つの直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和の炭化水素をベースとする基を有する。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1〜3個の共役または非共役炭素−炭素二重結合を含んでなってもよい。
【0172】
C
6〜C
16炭化水素に関して、それらは、直鎖、分岐鎖または任意選択的に環式であり、かつ好ましくはアルカンである。
【0173】
記載され得る動物由来の炭化水素ベースの油は、ペルヒドロスクアレン(perhydrosqualene)である。
【0174】
植物または合成由来のトリグリセリド油は、好ましくは、6〜30個の炭素原子を含有する液体脂肪酸トリグリセリド、例えば、ヘプタノン酸またはオクタノン酸トリグリセリド、あるいは例えば、ひまわり油、コーン油、大豆油、マロー油、グレープシード油、セサミシード油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ油、キャスター油、アボカド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Dubois社から販売されるもの、またはDynamit Nobel社からMiglyol(登録商標)810、812および818の名称で販売されるもの、ホホバ油およびシアバター油から選択される。
【0175】
16個より多い炭素原子を有する鉱物または合成由来の直鎖または分枝鎖炭化水素は、好ましくは、液体パラフィン、石油ゼリー、液体石油ゼリー、ポリデセンまたは水素化ポリイソブテン、例えば、Parleam(登録商標)から選択される。フルオロ油は、BNFL Fluorochemicals社からFlutec(登録商標)PC1およびFlutec(登録商標)PC3の名称で販売されるペルフルオロメチルシクロペンタンおよびペルフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン;ペルフルオロ−1,2−ジメチルシクロブタン;ペルフルオロアルカン、例えば、3M社からPF 5050(登録商標)およびPF 5060(登録商標)の名称で販売されるドデカフルオロペンタンおよびテトラデカフルオロヘキサン、またはAtochem社からForalkyl(登録商標)の名称で販売されるブロモペルフルオロオクチル;ノナフルオロメトキシブタンおよびノナフルオロエトキシイソブタン;ペルフルオロモルホリン誘導体、例えば、3M社からPF 5052(登録商標)の名称で販売される4−トリフルオロメチルペルフルオロモルホリンから選択されてよい。
【0176】
本発明の実施のために適切な液体脂肪アルコールは、特に、6〜30個の炭素原子、好ましくは8〜30個の炭素原子を含んでなる飽和または不飽和、直鎖または分枝鎖アルコールから選択される。例えば、オクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコールまたはリノレイルアルコールが記載されてもよい。
【0177】
液体脂肪酸に関して、特に、6〜30個の炭素原子、好ましくは9〜30個の炭素原子を含んでなる飽和または不飽和カルボン酸が記載されてよく、好ましくは、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびイソステアリン酸から選択される。これらの酸は、塩の形態ではなく、すなわち、存在する場合、組成物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機または鉱物アルカリ試薬を含有し得ない。
【0178】
上記トリグリセリドとは有利に異なる脂肪酸および/または脂肪アルコールの液体エステルに関して、エステルの全炭素量が6以上、より有利には10以上である、飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖C
1〜C
26脂肪族一塩基酸または多酸の、および飽和または不飽和、直鎖または分枝鎖C
1〜C
26脂肪族モノアルコールまたはポリアルコールの液体エステルが特に記載されてもよい。
【0179】
この変形によるエステルは、モノ−、ジ−、トリ−およびテトラエステル、ポリエステル、ならびにそれらの混合物から選択されてもよい。
【0180】
これらのエステルは、例えば、オレエート、ラウレート、パルミテート、ミリステート、ベヘネート、ココエート、ステアレート、リノレエート、リノレネート、カプレート、アラキドネーロ、あるいはそれらの混合物、例えば特に、オレエート/パルミテート、オレエート/ステアレートまたはパルミテート/ステアレート混合エステルであることができる。
【0181】
モノエステルの中でも、イソセチルステアレート;イソデシルネオペンタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、2−エチルヘキシルイソノナノエート、エチルおよびイソプロプルパルミテート、アルキルミリステート、例えば、イソプロプル、エチル、ミリステートが記載されてもよい。
【0182】
さらにこの変形に関して、C
4〜C
22ジカルボン酸またはトリカルボン酸およびC
1〜C
22アルコールのエステル、ならびにモノ−、ジ−またはトリカルボン酸およびC
2〜C
26ジ−、トリ−、テトラ−またはペンタヒドロキシアルコールのエステルも使用されてよい。
【0183】
特に、ジエチルセバケート、ジイソプロピルセバケート、ジイソプロピルアジペート、ジ−n−プロピルアジペート、ジオクチルアジペート、ジイソステアリルアジペート、ジオクチルマレエート、グリセリルウンデシレネート、オクチルドデシルステアロイルステアレート、ペンタエリスリチルモノリシノレート、ペンタエリスリチルテトライソノナノエート、ペンタエリスリチルテトラペラルゴネート、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、ペンタエリスリチルテトラオクタノエート、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジカプレート、トリデシルエルケート、トリイソプロプルシトレート、トリイソステアリルシトレート、グリセリルトリラクテート、グリセリルトリオクタノエート、トリオクチルドデシルシトレート、トリオレイルシトレート、プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート、およびポリエチレングリコールジステアレートが記載されてもよい。
【0184】
上記のエステルの中でも、エチル、イソプロプル、ミリスチル、セチルまたはステアリルパルミテート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルデシルパルミテート、アルキルミリステート、例えば、イソプロプル、ブチル、セチルまたは2−オクチルデシルミリステート、ヘキシルステアレート、ブチルステアレート、イソブチルステアレート、ジオクチルマレート、ヘキシルラウレート、2−ヘキシルデシルラウレート、イソノニルイソノナノエートまたはセチルオクタノエートを使用することが好ましい。
【0185】
組成物は、液体脂肪エステルとして、C
6〜C
30、好ましくは、C
12〜C
22脂肪酸の糖エステルおよびジエステルを含んでなってもよい。「糖」という用語は、アルデヒドまたはケトン官能性の有無にかかわらず、いくつかのアルコール官能性を有し、かつ少なくとも4個の炭素原子を含んでなる、酸素を有する炭化水素ベースの化合物を意味することが思い出される。これらの糖は単糖類、少糖類または多糖類であることが可能である。
【0186】
脂肪酸の糖エステルは、上記の糖、および直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和C
6〜C
30、好ましくはC
12〜C
22脂肪酸のエステルまたはエステルの混合物を含んでなる群から特に選択されてよい。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1〜3個の共役または非共役炭素−炭素二重結合を含んでなってもよい。
【0187】
記載されてもよい例は、メチルグルコースジオレエートである、Amerchol社からGlucate(登録商標)DOの名称で販売される製品である。
【0188】
本発明の粉末組成物において使用されてもよいシリコーン油は、揮発性または非揮発性、環式、直鎖または分枝鎖シリコーンであり、有機基によって変性されていないか、または変性されており、25℃において5×10
−6〜2.5m
2/秒、好ましくは、1×10
−5〜1m
2/秒の粘度を有する。
【0189】
好ましくは、シリコーンは、液体ポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、ならびにアミノ基およびアルコキシ基から選択される少なくとも1つの官能基を含んでなる液体オルガノ変性ポリシロキサンから選択される。
【0190】
オルガノポリシロキサンは、Walter Noll’s Chemistry and Technology of Silicones (1968), Academic Pressにより詳細に定義されている。それらは揮発性であっても、非揮発性であってもよい。
【0191】
それらが揮発性である場合、シリコーンは、より特に、60℃〜260℃の沸点を有するものから選択され、なおより特には、(i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含有する環式ポリジアルキルシロキサンから選択される。これらは、例えば、特にVolatile Silicone(登録商標)7207の名称でUnion Carbideから、またはSilbione(登録商標)70045 V2の名称でRhodiaから販売されるオクタメチルシクロテトラシロキサン、Volatile Silicone(登録商標)7158の名称でUnion Carbideから、およびSilbione(登録商標)70045 V5の名称でRhodiaから販売されるデカメチルシクロペンタシロキサン、ならびにそれらの混合物である。
【0192】
Union Carbide社から販売されるVolatile Silicone(登録商標)FZ 3109などのジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロポリマーも記載されてよい。
【0193】
環式ポリジアルキルシロキサンと有機ケイ素化合物との混合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラ(トリメチルシリル)ペンタエリスリトールとの混合物(50/50)およびオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ−1,1’−ビス(2,2,2’,2’,3,3’−ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物が記載されてもよい。
【0194】
(ii)2〜9個のケイ素原子を含有し、かつ25℃において5×10
−6m2/秒以下の粘度を有する、直鎖揮発性ポリジアルキルシロキサン。一例は、特に、Toray Silicone社からSH 200の名称で販売されるデカメチルテトラシロキサンである。
【0195】
非揮発性ポリジアルキルシロキサンが使用されてもよく、中でも、主に、トリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンが記載されてもよい。シリコーンの粘度は、ASTMスタンダード445 Appendix Cに従って、25℃において測定される。
【0196】
限定するように暗示するものではないが、これらのポリジアルキルシロキサンの中でも、次の市販品が記載されてよい。
−例えば、オイル70047V500000などのRhodiaから販売される47および70047シリーズのSilbione(登録商標)オイルまたはMirasil(登録商標)オイル、
−Rhodiaから販売されるMirasil(登録商標)シリーズのオイル、
−60000mm2/秒の粘度を有するDC200などのDow Corning社からの200シリーズのオイル、
−General ElectricからのViscasil(登録商標)オイルおよびGeneral ElectricからのSFシリーズ(SF96、SF18)の特定のオイル。
【0197】
Rhodia社からのシリーズ48のオイルなどのジメチコノール(CTFA)の名称で既知のジメチルシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサンも記載されてよい。
【0198】
液体脂肪物質は、液体石油ゼリー、C
6〜C
16アルカン、重縮合物、植物、鉱物または合成由来の非シリコーン油、液体脂肪アルコール、液体脂肪酸、ならびに脂肪酸および/または脂肪アルコールの液体エステル、あるいはそれらの混合物から有利に選択される。
【0199】
本発明で使用するための好ましい液体脂肪物質は、供給源SonnebornからKaydol(登録商標)Heavy White Mineral Oilの商標名で、または供給源Exxonmobil ChemicalからPrimol(商標)352の商標名で、またはSonnebornからBlandolの商標名で、またはArmedsaからAemoil M−302CGの商標名で、またはExxonmobil ChemicalからMarcol 82の商標名で市販品として入手可能であり得る鉱物油(パラフィン)である。
【0200】
特定の実施形態において、本発明の粒子を構成し得る適切な油は非揮発性油であり、限定されないが、植物油および天然油(スイートアーモンド油、マカダミア油、グレープシード油、オリーブ油、アルガン油、トコフェロールまたはビタミンE、シアバター油、トコフェロールまたはビタミンE油);合成油(例えば、ペルヒドロスクアレン);脂肪酸または脂肪酸エステル(例えば、Innospecから商業的に入手可能な商標名Finsolv(登録商標)TN、またはEvonik Goldschmidtから商業的に入手可能なTegosoft(登録商標)TNで販売されるC
12〜C
15アルキルベンゾエート、オクチルパルミテート、イソプロピルラノレート、トコフェリルアセテートなどのエステル、およびカプリン酸/カプリル酸トリグリセリドを含むトリグリセリド)、オキシエチレン化またはオキシプロピレン化脂肪酸エステルおよびエーテル、またはフルオロ油およびポリアルキレンを含む不揮発性の油である。
【0201】
他の適切な油には、例えばシリコーン油、あるいは室温で液体またはペーストである、直鎖または環式シリコーン鎖を有する不揮発性のポリメチルシロキサン(PDMS)、特に、シクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコン)、例えば、シクロヘキサシロキサン;ペンダントまたはシリコーン鎖の末端にあり、2〜24個の炭素原子を含有するアルキル、アルコキシまたはフェニル基を含んでなるポリジメチル−シロキサン;フェニルシリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニル−シロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチル−ジフェニルトリシロキサンまたは2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、およびポリメチルフェニルシロキサン、それらの混合物が含まれる。他のシリコーン油としては、非揮発性シリコーン油、例えば、300cst以上の粘度値を有するジメチコン流体、およびトリメチルペンタフェニルトリシロキサンとしても知られる、Dow CorningからDow Corning(登録商標)555の商標名で市販品として入手可能なペンタフェニルジメチコンが挙げられる。
【0202】
他の適切な油としては、限定されないが、上記されたものなどの非揮発性炭化水素ベースの油およびエステルが挙げられる。
【0203】
本発明で使用するために適切な油は、上記された油のいずれか1種の混合物、特に、芳香または香気または快適な臭気を付与することが可能なそれらの油であってもよい。そのような混合物は、芳香油または香気油またはアロマ油と呼ばれてもよい。
【0204】
本発明の芳香油は、精油、アロマ成分、例えば、セージ、カミツレ、クローブ、メリッサバルム、ミント、シナモンツリーリーブ、ライムブロッサム、トショウ、バチバー、オリバナム、ガルバナム、ラドバナム、ベルガモット、シトロネロール、レモン、マンダリン、オレンジおよびラバンジンの精油を含有してもよい。
【0205】
特定の実施形態において、本開示の粒子を構成する油は、C
6〜C
16アルカン、植物、鉱物または合成由来の非シリコーン油、液体脂肪アルコール、液体脂肪酸、脂肪酸の液体エステル、脂肪アルコールの液体エステル、シリコーン油、芳香油、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0206】
他の実施形態において、本開示の粒子を構成する油は、芳香油、または芳香油の混合物である。
【0207】
なお他の実施形態において、本開示の粒子を構成する油は、本開示の粒子の融点が35℃超であるように選択される。
【0208】
本開示の粒子を構成し得る油は、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤および少なくとも1種の本開示の油の全重量に基づき、その間の全範囲および部分範囲を含めて、約85重量%〜約99.9重量%、例えば、約85重量%〜約99重量%、または例えば約90重量%〜約98重量%の範囲の量で利用されてよい。
【0209】
スチレン系ブロックコポリマー/ワックス/油の組み合わせ
本発明の粒子は、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤と、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックス、少なくとも1種の油およびそれらの混合物から選択される脂肪物質とを含んでなる。
【0210】
本発明の一実施形態において、粒子は、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤と、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックスから選択される脂肪物質とを含んでなる。
【0211】
好ましくは、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックス対少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーの重量比は、約100:1〜約1:100、例えば、約20:1〜約1:20、または例えば約10:1〜約1:10の範囲である。
【0212】
一実施形態において、油ゲル化剤およびワックスの全重量に基づく全重量で、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤は約5重量%〜約15重量%の量で存在し、かつ少なくとも1種のワックスは約85重量%〜約95重量%の量で存在する。
【0213】
特に好ましい実施形態において、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックス対少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーの重量比は、約11.5:1である。
【0214】
別の実施形態において、粒子は、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤と、少なくとも1種の油から選択される脂肪物質とから構成される。
【0215】
一実施形態において、少なくとも1種の油対少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーの重量比は、約100:1〜約1:100、例えば、約20:1〜約1:20、または例えば約10:1〜約1:10の範囲である。
【0216】
別の実施形態において、少なくとも1種の油が、スチレン系ブロックコポリマーおよび少なくとも1種の油の全重量に基づき、約85重量%〜約99.9重量%の量で存在する場合、少なくとも1種の油対少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーの重量比は約5:1〜約1000:1である。
【0217】
本発明のなお別の実施形態において、粒子は、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤と、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックスおよび少なくとも1種の油を含んでなる脂肪物質とから構成される。
【0218】
特定の実施形態において、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックス、少なくとも1種の油および少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーは、それぞれ、スチレン系ブロックコポリマー、ワックスおよび油の全重量に基づく全重量で、その間の全範囲および部分範囲を含めて、約0.1重量%〜約99.8重量%の量で存在する。
【0219】
特定の実施形態において、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックスの量は、少なくとも1種の油の全量および少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーの量以上である。
【0220】
一実施形態において、少なくとも1種の油が非揮発性油を含んでなる場合、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックス対少なくとも1種の油対少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーの重量比は、11.5:1:0.5である。
【0221】
別の実施形態において、少なくとも1種の油が芳香油を含んでなる場合、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックス対少なくとも1種の油対少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーの重量比は、11.5:1:1.5である。
【0222】
粒子
水性分散物の粒子は、1μm以上から約100μmまでの範囲でピークを有する体積基準の粒径分布を有する。
【0223】
特定の好ましい実施形態において、粒子は、約30μm〜約70μm、または例えば約40μm〜約65μm、または例えば約45μm〜約65μm、または例えば約1μm〜約20μmの範囲でピークを有する体積基準の粒径分布を有する。
【0224】
好ましい実施形態において、水性分散物を構成する粒子は、約20μm〜約70μmの範囲でピークを有する体積基準の粒径分布を有する。
【0225】
特に好ましい実施形態において、水性分散物を構成する粒子は、約45μm〜約65μm、好ましくは約45μm〜約55μmの範囲でピークを有する体積基準の粒径分布を有する。いくつかの実施形態において、水性分散物を構成する粒子は、約50μmでピークを有する体積基準の粒径分布を有する。
【0226】
他の実施形態において、水性分散物を構成する粒子は、1μm〜約20μmの範囲でピークを有する体積基準の粒径分布を有する。
【0227】
本明細書で使用される場合、「体積基準の粒径分布」という用語は、個体群のパーセンテージが、示された直径において粒子の体積に基づき決定される、分散物の粒径分布を指す。そのような分布は、レーザー回折または類似の方法によって測定される。
【0228】
「ピーク」という用語は、体積基準の粒径分布に関して本明細書で使用される場合、粒子の最大体積が存在する粒径を指す。
【0229】
したがって、本開示の水性分散物における体積基準の粒径分布は、1μm〜約100μmの範囲の体積基準の粒径分布のピークで、1μm〜約500μm、または1μm〜約250μm、または1μm〜約150μmの範囲であってよい。
【0230】
本開示の粒子は、好ましくは、固体形態または半固体形態にある。
【0231】
本開示の水性分散物の粒子は、それらの形状に関して実質的に均一であることが可能である。「実質的」という用語は、これに関して使用される場合、本開示の水性分散物の粒子の50%以上が、同一球状、楕円形または卵形の形状であり、かつ同一粒径であることを意味する。「実質的」という用語は、球状粒子の形状に関して使用される場合、粒子が実質的に等方性形状であり、すなわち、それは相対的に規則的な形態を有することを意味してもよい。
【0232】
したがって、粒子断面図の最長対最短垂直軸の長さの比率は、約1:1、または約1.5:1、または約2:1、または約3:1であることができる。さらに、粒子が球状形状を有する場合、対称性の線は必要とされない。さらに粒子は、粒子の全体的なサイズと比較した場合にスケール的に小さい線または凹部または凸部などの表面テクスチャリングを有し、かつなお実質的に球状または楕円形または卵形であってよい。
【0233】
本開示の粒子の粒径、粒径分布および形状は、米国特許出願公開第2006/0292095号明細書に記載される方法などのいずれかの既知の方法、例えば、レーザー回折、超音波減衰(音響分光法)、フォト相互相関分光法、粒度分布および像分析(光学顕微鏡法)によって評価されてよい。
【0234】
本開示の粒子は、35℃より高い融点、例えば35℃より高く約250℃まで、または例えば35℃より高く約130℃まで、または例えば35℃より高く約120℃まで、または例えば約40℃〜約100℃、または例えば約40℃〜約65℃の融点を有する。
【0235】
本開示の粒子は、硬度および/または融点および/または形状および/または径に関して異なる特性を有し得る。
【0236】
追加成分
粒子は、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤以外の上記油ゲル化剤、着色剤、日焼け止め剤、揮発性溶媒、35℃以下の融点を有するワックス、乳化ポリマー、シリカ、タルク、粘土、セラミドおよびそれらの混合物などの追加的な成分をさらに含んでなることができる。粒子の物理的特性を改善/変性するため、そして/または粒子が、ワックスから得られる利点に加えて他の利点を提供するように、水性分散物の製造時間の間に、これらの追加的な成分を添加することができる。
【0237】
本発明の水性分散物の粒子は、追加的に、少なくとも1種の着色剤を含んでなってもよい。少なくとも1種の着色剤は、好ましくは顔料および染料から選択される。
【0238】
「着色剤」は、本明細書で使用される場合、基体に色を提供するか、または上記基体上に色を付着させるか、もしくは前記基体の色を明るくする/ハイライトすることのいずれかによって前記基体の色を変化/変更するいずれかの成分を意味する。
【0239】
好ましい実施形態において、少なくとも1種の着色剤は、顔料または染料であってよい。
【0240】
「顔料」は、本明細書で使用される場合、非水溶性のいずれかの種類の粒子着色剤(白または黒を含むいずれもの着色剤)を指すことができる。顔料は、本質的に、有機、無機または両方の組み合わせであることができる。顔料組成物中の顔料の混合物によって、様々な色合いを製造することができる。
【0241】
代表的な顔料としては、白色、着色、無機、有機、ポリマー、非ポリマー、コーティングおよび非コーティング顔料が含まれる。鉱物顔料の代表的な例としては、任意選択的に表面処理された二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物および第二鉄ブルーが含まれる。有機顔料の代表的な例としては、カーボンブラック、D&C型の顔料およびコチニール深紅色に基づくレーク、バリウムが含まれる。
【0242】
有機顔料の中でも、カーボンブラック、およびカルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウムまたはストロンチウム塩などのラッカーが記載されてもよい。
【0243】
本発明の染料としては、限定されないが、水溶性または脂溶性染料が含まれる。
【0244】
水溶性染料の中でも、ポンソーのジナトリウム塩、アリザリングリーンのジナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランサスのトリナトリウム塩、タルトラジンのジナトリウム塩、ローダミンのモノナトリウム塩、フクシンのジナトリウム塩およびキサントフィルならびにそれらの混合物などの化粧品分野で一般である染料が記載されてもよい。
【0245】
また代表的な染料として、限定されないが、ハロ酸染料、アゾ直接染料、メチン直接染料、カルボニル直接染料、アジン直接染料、ニトロ(ヘテロ)アリール直接染料などの直接染料、特にニトロベンゼン染料およびトリ(ヘテロ)アリールメタン直接染料、トリ(ヘテロ)アリールメタン染料、ポルフィリン染料、フタロシアニン直接染料、アントラキノン染料ならびにそれらの付加塩が、単独で、または混合物として含まれる。使用されてよい代表的な直接染料としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性のものが含まれる。
【0246】
種々の実施形態において、アゾ染料は、2個の窒素原子が同時に環に関与しない−N=N−官能性を含んでなる。しかしながら、配列−N=N−の2個の窒素原子のうちの1個は、環に関与するように除外されない。
【0247】
メチン系統群の染料は、例えば、2個の原子が同時に環に関与しない>C=C<および−N=C<から選択される少なくとも1つの配列を含んでなる化合物である。しかしながら、配列の窒素または炭素原子の1個が環に関与し得ることは指摘される。より特に、この系統群の染料は、真のメチン型(1個またはそれ以上の上記配列−C=C−を含んでなる);アゾメチン型(少なくとも1個またはそれ以上の配列−C=N−を含んでなる)、例えば、アザカルボシアニンおよびそれらの異性体、ジアザカルボシアニンおよびそれらの異性体、ならびにテトラアザカルボシアニン;モノおよびジアリールメタン型;インドアミン(またはジフェニルアミン)型;インドフェノール型;あるいはインドアニリン型の化合物から誘導される。
【0248】
記載されてもよいカルボニル系統群の染料に関して、例としては、アクリドン、ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンズアントロン、アントラントロン、ピラントロン、ピラゾール−アントロン、ピリミジノアントロン、フラバントロン、インダントロン、フラボン、(イソ)ビオラントロン、イソインドリノン、ベンズイミド−アゾロン、イソキノリノン、アントラピリドン、ピラゾロ−キナゾロン、ペリノン、キナクリドン、キノフタロン、インジゴイド、チオインジゴ、ナフタリミド、アントラピリミジン、ジケトピロロピロールおよびクマリン染料から選択される染料が含まれる。
【0249】
アジン系統群の染料に関して、例えば、アジン、キサンテン、チオキサンテン、フルオリンジン、アクリジン、(ジ)オキサジン、(ジ)チアジンおよびピロニン染料が記載されてもよい。
【0250】
ニトロ(ヘテロ)芳香族染料は、より特に、ニトロベンゼンまたはニトロピリジン直接染料である。
【0251】
ポルフィリンまたはフタロシアニン型染料に関して、1種またはそれ以上の金属または金属イオン、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛およびケイ素を任意選択的に含んでなる、カチオン性または非カチオン性化合物を使用することが可能である。記載されてもよい特に適切な合成直接染料の例としては、ニトロベンゼン染料;アゾ直接染料;メチン直接染料;アゾメチン直接染料、より特に、ジアザカルボシアニンおよびその異性体、ならびにテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン);キノン直接染料、特にアントラキノン、ナフトキノンまたはベンゾキノン染料;アジン直接染料;キサンテン直接染料;トリアリールメタン直接染料;インドアミン直接染料;インジゴイド直接染料;フタロシアニンおよびポルフィリン直接染料が、単独で、または混合物として含まれる。
【0252】
種々の実施形態において、直接染料としては、限定されないが、少なくとも2種の発色団などの少なくとも1種の発色団を含むカチオン性混合染料などのカチオン性直接染料が含まれる。本明細書で使用される場合、「カチオン性混合染料」は、そのカチオン性電荷が、発色団のおよび/または結合基の不可欠の部分を形成することができる染料、あるいは二者択一的に、そのカチオン性電荷が、発色団上および/または結合基上の置換基を介して存在する染料を意味する。本明細書で使用される場合、「発色団」は、染料から誘導される基、すなわち、事前の酸化またはいずれかの他の化学種との組み合わせを必要としない吸光度である、400〜800ナノメートルの可視領域における少なくとも1つの吸収極大を有する分子の基を意味する。
【0253】
少なくとも1種の発色団は、アクリジン、アクリドン、アントラントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、アジン、アゾ、アゾメチン、ベンズアントロン、ベンズイミダゾール、ベンズイミダゾロン、ベンズインドール、ベンゾキサゾール、ベンゾピラン、ベンゾチアゾール、ベンゾキノン、ビス−アジン、ビス−イソインドリン、カルボキサニリド、クマリン、シアニン、ジアジン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、ジフェニルアミン、ジフェニルメタンおよびジチアジン発色団、フラボノイド、フルオリンジン、ホルマザン、ヒドラゾン、ヒドロキシケトン、インダミン、インダンスロン、インジゴイド、プソイド−インジゴイド、インドフェノール、インドアニリン、イソインドリン、イソインドリン、イソインドリノン、イソビオラントロン、ラクトン、メチン、ナフタリミド、ナフタニリド、ナフトラクタム、ナフトキノン、ニトロ染料、オキサジアゾール、オキサジン、ペリロン、ペリノン、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、フタロシアニン、ポリエン/カロテノイド、ポルフィリン、ピラントロン、ピラゾラントロン、ピラゾロン、ピリミジノアントロン、ピロニン、キナクリドン、キノリン、キノフタロン、スクアラン、スチルベン、テトラゾリウム、サイアジン、チオインジゴ、チオピロニン、トリアリールメタンおよびキサンテンから選択されてよい。
【0254】
本発明の他の適切な染料としては、天然染料が含まれる。天然染料の適切な例としては、キノン染料(ローソン、ジュグロンなど)、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロト−カテコアルデヒド、インジゴ、クルクミン、スピヌロシン、様々な種類のクロロフィルおよびクロロフィリン、オルセイン、ヘマテイン、ヘマトキシリン、ブラジリン、ブラジレイン、紅花染料(カルタミンなど)、フラボノイド(モリン、アピゲニジン、ビャクダン)、アントシアン(アピゲニニジンなど)、カロテノイド、タンニン、好ましくは、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテコアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、アピゲニジン、クロロフィリン、ソルガム、オルセインよびコチニールカルミンを含み、これらに限定されないが記載されてよい。これらの天然染料を含有する抽出液または浸出液、特にヘンナベースの抽出液を使用することも可能である。
【0255】
特定の実施形態において、少なくとも1種の着色剤(c)は、直接染料および天然染料から選択される染料を含んでなる。
【0256】
好ましい実施形態において、着色剤は、頭毛または爪または皮膚の一時的な着色のために一般に使用される少なくとも1種の化合物を含んでなる。
【0257】
他の好ましい実施形態において、着色剤は、セルフタンニング剤(特に、ジヒドロキシアセトン、DHA)などの皮膚を一時的に着色することが可能な少なくとも1種の化合物を含んでなってもよい。
【0258】
本発明の水性分散物の粒子を追加的に含んでなることができる代表的な日焼け止め剤は、有機および無機日焼け止め、またはUVフィルターから選択されてもよい。
【0259】
少なくとも1種の日焼け止め剤の非限定的な例としては、アントラニレート;サリチル誘導体;カンファー誘導体;ベンゾフェノンおよびその誘導体;b,bジフェニルアクリレートおよびその誘導体;トリアジン誘導体;ベンジリデンカンファーおよびその誘導体;ベンゾトリアゾールおよびその誘導体;ベンザルマロネートおよびその誘導体;ベンゾイミダゾールおよびその誘導体;イミダゾリン;ビス−ベンズアゾリル誘導体;pアミノ安息香酸(PABA)誘導体;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)およびその誘導体;ベンゾキサゾール誘導体;スクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン、特に国際公開第93/04665号パンフレットに記載のもの;アルキルスチレンから誘導されたダイマー;4,4−ジアリールブタジエン、ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0260】
鉱物光保護剤の例は、処理されたか、または未処理の金属酸化物の顔料、より好ましくはナノ顔料(一次粒子の平均径が、一般に、5nm〜100nm、好ましくは、10nm〜50nmであるもの)、例えば、酸化チタン(非晶質、あるいはルチルおよび/またはアナターゼフォーム型で結晶化)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムのナノ顔料から選択される。処理されたナノ顔料は、より特には、処理された酸化チタンであってよい。
【0261】
処理されたナノ顔料は、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪族アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄またはアルミニウム塩、金属(チタンまたはアルミニウム)アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲンまたはエラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、ナトリウムヘキサメタホスフェート、アルミナまたはグリセロールなどの化合物によって、1種またはそれ以上の化学、電子、機械化学および/または機械的表面処理を受けた顔料である。
【0262】
二酸化チタンと二酸化セリウムとのシリカコーティング等重量混合物、ならびに二酸化チタンと二酸化亜鉛とのアルミナ、シリカおよびシリコーンコーティング混合物、または二酸化チタンと二酸化亜鉛とのアルミナ、シリカおよびグリセロールコーティング混合物を含む、金属酸化物の混合物、特に二酸化チタンと二酸化セリウムとの混合物を記載することができる。
【0263】
本発明の特に好ましい日焼け止め剤は、オクトクリレン、テレフタリリデンジカンフル誘導体、ベンジリデンカンフル誘導体およびベンゾトリアゾール誘導体、特に、Mexoryl XLの商品名で既知のドロメトリゾールトリシロキサンから選択される。
【0264】
本開示の水性分散物の粒子は、揮発性溶媒をさらに含んでなることもできる。適切な揮発性有機溶媒の代表例には、限定されないが、揮発性炭化水素をベースとする油および揮発性シリコーン油が含まれる。本発明の揮発性溶媒は、芳香油以外である。
【0265】
適切な揮発性炭化水素油としては、限定されないが、8〜16個の炭素原子を有するもの、およびそれらの混合物、特に分枝鎖C8〜CO16アルカン、例えば、C8〜C16イソアルカン(別名イソパラフィン)、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、および、例えば、IsoparまたはPermethylの商標名で販売される油、C8〜C16分枝鎖エステル、例えば、イソヘキシルまたはイソデシルネオペンタノエートおよびそれらの混合物が含まれる。好ましくは、揮発性の炭化水素油は、少なくとも40℃の発火点を有する。イソパラフィンの混合物および他の揮発性の炭化水素をベースとする油、例えば石油蒸留物を使用することもできる。
【0266】
適切な揮発性シリコーン油には、室温で6cSt以下の粘度を有し、2〜7個のケイ素原子を有する直鎖または環式シリコーン油であって、これらのケイ素が1〜10個の炭素原子のアルキルまたはアルコキシ基で任意選択的に置換されているものが含まれる。使用されてもよい揮発性シリコーン油の例には、限定されないが、オクタメチルテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびそれらの混合物が含まれる。好ましくは、揮発性シリコーン油は、少なくとも40℃の発火点を有する。
【0267】
他の適切な揮発性溶媒は、限定されないが、アルコール、揮発性エステルおよび揮発性エーテルを含む、極性の揮発性溶媒から選択されてもよい。一般には、それらは約25℃未満の発火点を有する。
【0268】
いずれかの特定の理論によって拘束されることを望まないが、本開示の水性分散物中の揮発性溶媒の存在は、粒子の成分を軟化するために役立ち、そしてそれらをより柔軟にさせ、それによって、基体上で適用するのがより容易になると考えられる。
【0269】
粒子をさらに含んでなってもよい適切な追加的なワックスは、融点が35℃以下であるそれらのワックスであり、これらのワックスには、限定されないが、Hest 2T−5E−4S、ジトリメチロールプロパンテトララウレート、Koster BK−34、フルオロポリメチルアルキルジメチルシロキサン、ジラウリルアジペートおよびジテトラデシルアジペートの混合物、Astrocaryum MuruMuru Seed Butter、Myrica Pubescens Wax、PEG−70 Mango Glycerides、オキシプロピレネート化ラノリンワックス、水素ココ−グリセリドが含まれる。
【0270】
それにもかかわらず、融点が35℃以下であるワックスは、本開示の粒子の得られる融点が35℃より高いように選択される。
【0271】
本開示の水性分散物の粒子は、乳化ポリマー、すなわち、両親媒性ポリマーを含んでなってもよい。
【0272】
本発明での使用に関して適切である乳化ポリマーの中でも、米国特許第6,464,990号明細書に記載されるものなどのPOE−POPジブロックおよびトリブロックコポリマー、米国特許第6,120,778号明細書に記載されるものなどのポリオキシエチレン化シリコーン界面活性剤、欧州特許第1466588号明細書に記載されるものなどの非架橋疎水性AMPS、PEMULEN TR−1またはTR−2などの両親媒性アクリルポリマーが記載されてよい。
【0273】
シリカ、タルクおよび粘土
本発明の水性分散物の粒子は、サブミクロンサイズからミクロンサイズのシリカ、タルクおよび粘土の粒子をさらに含んでなってもよく、これには、限定されないが、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト、ラポナイト、スメクタイト、カオリンおよびそれらの混合物が含まれる。
【0274】
これらの粘土は、第4級アンモニウム、第3級アミン、アミンアセテート、イミダゾライン、アミンソープ、脂肪族スルフェート、アルキルアリールスルホネート、アミンオキシドおよびそれらの混合物から選択される化合物によって変性することができる。
【0275】
有機親和性粘土としては、クオタニウム(quaternium)−18ベントナイト、ステアラルコニウムベントナイト、またはクオタニウム−18/ベンズアルコニウムベントナイトが記載されてもよい。
【0276】
適切なシリカには、酸水素炎による揮発性ケイ素化合物の高温加水分解によって、微粉シリカを生産することによって得られる発熱性シリカが含まれ得る。このプロセスによって、特に、それらの表面で多数のシラノール基を示す親水性シリカを得ることが可能となる。
【0277】
疎水性基によってシラノール基を置換することが可能であり、次いで、疎水性シリカが得られる。疎水性基は、特に、ヘキサメチルジシラザンの存在下での発熱性シリカの処置によって得られるトリメチルシロキシル基(「シリカシリレート」)、あるいは特に、ポリジメチルシロキサンまたはジメチルジクロロシランの存在下での発熱性シリカの処置によって得られるジメチルシリルオキシルまたはポリジメチルシロキサン基(「シリカジメチルシリレート」)であることが可能である。
【0278】
本開示の様々な実施形態に従って有用であり得るセラミド化合物には、セラミド、グリコセラミド、プソイドセラミドおよびそれらの混合物が含まれる。選択されてもよいセラミドには、限定されないが、DOWNINGによって、Arch.Dermatol,Vol.123,1381−1384(1987),DOWNING in Journal of Lipid Research,Vol.35,page2060(1994)に記載されるもの、または仏国特許第2673179号明細書に記載されるものが含まれる。
【0279】
本開示の様々な実施形態に従って使用され得るさらなる例示的なセラミドには、限定されないが、一般式(I)
【化8】
(式中、
−R
18およびR
19は、独立して、10〜22個の炭素原子を有するアルキル−またはアルケニル基から選択され、
−R
20は、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピル基から選択され、かつ
−nは、例えば、2または3などの1〜6の範囲の数である)
の化合物が含まれる。
【0280】
さらなる実施形態において、セラミド化合物は、米国特許出願公開第20050191251号明細書および米国特許出願公開第20090282623号明細書に記載の式(II)
【化9】
[式中、
−R
1は、飽和または不飽和、直鎖または分枝鎖C
1〜C
50、例えば、C
5〜C
50炭化水素基(この基に関して、酸R
7COOHによって任意選択的にエステル化された1個またはそれ以上のヒドロキシル基によって置換されることが可能であり、R
7は、任意選択的にモノ−またはポリヒドロキシル化された直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和C
1〜C
35炭化水素基であり、基R
7のヒドロキシルに関して、任意選択的にモノ−またはポリヒドロキシル化された直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和C
1〜C
35脂肪酸によってエステル化されることが可能である)、あるいは基R’’−(NR−CO)−R’(Rは水素原子、またはモノ−もしくはポリヒドロキシル化された基から選択される)から選択され、
−R
2は、水素原子、サッカライド型基から選択され、
−R
3は、水素原子、または水酸化もしくは非水酸化、飽和または不飽和、C
1〜C
33炭化水素基から選択され、
−R
4は、水素原子、メチルまたはエチル基、任意選択的に水酸化された直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和C
3〜C
50炭化水素基、あるいは基−CH
2−CHOH−CH
2−O−R
6(R
6はC
10〜C
26炭化水素基を示す)、あるいは基から選択され
−R
8−O−CO−(CH
2)p(R
8はC
1〜C
20炭化水素基から選択され、pは1〜12の範囲の整数である)から選択され、かつ
−R
5は、水素原子、または任意選択的にモノ−もしくはポリヒドロキシル化された直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和C
1〜C
35炭化水素基を表すが、
−ただし、R
3およびR
5が水素を示す場合、またはR
3が水素を示し、かつR
5がメチルを示す場合、R
4は、水素原子またはメチルもしくはエチル基を示さない]
の化合物から選択されてもよい。
【0281】
さらなる実施形態において、本開示に従って有用なセラミド化合物は、一般式(III)
【化10】
(式中、
−R
1は、C
14〜C
30脂肪酸から誘導される直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和アルキル基から選択され、
−R
2は、水素原子、または(グリコシル)
n、(ガラクトシル)
mもしくはスルホガラクトシル基から選択され、nは1〜4の範囲の整数であり、かつmは1〜8の範囲の整数であり、かつ
−R
3は、アルファ位で飽和または不飽和のC
5〜C
26炭化水素をベースとする基から選択され、この基に関して、1個またはそれ以上のC
1〜C
14アルキル基によって置換されることが可能である)
の化合物から選択されてもよい。
【0282】
式(III)の例示的なセラミドは、N−リノレオイルジヒドロスフィンゴシン、N−オレオイルジヒドロスフィンゴシン、N−パルミトイルジヒドロ−スフィンゴシン、N−ステアロイルジヒドロスフィンゴシン、N−ベヘノイルジヒドロスフィンゴシンまたはそれらの混合物である。
【0283】
さらなる実施形態において、本開示に従って有用なセラミド化合物は、一般式(IV)
【化11】
(式中、
−R
11およびR
12は、独立して、10〜22個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基から選択され、
−R
13は、1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシルアルキル基であり、かつ
−nは、2または3などの1〜6の範囲の数である)
の化合物から選択されてもよい。
【0284】
少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つのセラミド化合物は、セチル−PG−ヒドロキシエチルパルミトアミドから選択される。さらなる実施形態において、少なくとも1つのセラミド化合物は、プロパンジアミド、N,N−ジヘキサデシル−N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)、例えば、Quest International Australia Pty.Ltd.からQuestamide HまたはPseudoceramide Hとして市販されるものから選択される。さらなる実施形態において、少なくとも1つのセラミド化合物は、KaoからSOFCARE P100Hとして販売されるセチル−PGヒドロキシルパルマチド/デシルグルコシド/水から選択される。
【0285】
界面活性剤混合物
本開示の界面活性剤混合物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤および少なくとも1種のイオン性界面活性剤を含んでなる。
【0286】
一般には、少なくとも5、例えば約5〜約20、または例えば約5〜約15の親水性親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤が、本発明による使用のために考察される。本発明の組成物で有用な非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、Allured Publishing Corporationによって出版されたMcCutcheon’s“Detergents and Emulsifiers,“North American Edition(1986)、およびMcCutcheon’s“Functional Materials,“North American Edition(1992)に開示されており、これらは両方とも全体として本明細書に参照によって組み込まれる。
【0287】
本発明において有用な非イオン性界面活性剤の例としては、限定されないが、脂肪族アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドのアルコキシル化誘導体が含まれ、そのアルキル鎖は、C
12〜C
50の範囲、好ましくはC
16〜C
40の範囲、より好ましくはC
24〜C
40の範囲であり、かつ約1〜約110のアルキル基を有するものである。アルコキシ基は、C
2〜C
6オキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択され、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびそれらの混合物が好ましいアルコキシドである。アルキル鎖は、直鎖、分枝鎖、飽和または不飽和でもよい。これらのアルコキシル化非イオン性界面活性剤の中でもアルコキシル化アルコールが好ましく、かつエトキシル化アルコールおよびプロポキシル化アルコールがより好ましい。アルコキシル化アルコールは、単独で、またはそれらの混合物で使用されてもよい。アルコキシル化アルコールは、上記で開示されたそのアルコキシル化材料との混合物で使用されてもよい。
【0288】
そのようなエトキシル化脂肪族アルコールの他の代表的な例には、laureth−3(3の平均エトキシル化度を有するラウリルエトキシレート)、laureth−23(23の平均エトキシル化度を有するラウリルエトキシレート)、ceteth−10(10の平均エトキシル化度を有するセチルアルコールエトキシレート)、steareth−10(10の平均エトキシル化度を有するステアリルアルコールエトキシレート)、およびsteareth−2(2の平均エトキシル化度を有するステアリルアルコールエトキシレート)、steareth−100(100の平均エトキシル化度を有するステアリルアルコールエトキシレート)、beheneth−5(5の平均エトキシル化度を有するベヘニルアルコールエトキシレート)、beheneth−10(10の平均エトキシル化度を有するベヘニルアルコールエトキシレート)、ならびに上記の他の誘導体および混合物が含まれる。
【0289】
また、Uniqema,Wilmington,DEからのBrij(登録商標)非イオン性界面活性剤も商業的に入手可能である。典型的に、Brij(登録商標)は、アルコールのアルキル鎖が典型的に直鎖であって、かつ約8〜約22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールと、約1〜約54モルのエチレンオキシドとの縮合生成物であって、例えば、Brij(登録商標)72(すなわち、Steareth−2)およびBrij(登録商標)76(すなわち、Steareth−10)である。
【0290】
非イオン性界面活性剤として、長鎖アルコール、例えば、C
8〜C
30アルコールと、糖またはデンプンポリマーとの縮合生成物であるアルキルグリコシドも本発明において有用である。これらの化合物は、式(S)n−O−R(式中、Sは、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトースなどの糖部分であり、nは約1〜約1000の整数であり、かつRはC
8〜C
30アルキル基である)によって表すことができる。アルキル基を誘導することができる長鎖アルコールの例には、デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコールなどが含まれる。これらの界面活性剤の好ましい例は、Sがグルコース部分であり、RがC
8〜C
20アルキル基であり、かつnが約1〜約9の整数であるアルキルポリグリコシドである。これらの界面活性剤の商業的に入手可能な例には、デシルポリグルコシド(APG(登録商標)325 CSとして入手可能)およびラウリルポリグルコシド(APG(登録商標)600CSおよび625 CSとして入手可能)が含まれ、上記ポリグルコシドAPG(登録商標)はCognis,Ambler,Paから入手可能である。スクロースココエートおよびスクロースラウレートなどのスクロースエステル界面活性剤も本発明において有用である。
【0291】
本発明における使用のために適切な他の非イオン性界面活性剤は、グリセリルエステルおよびポリグリセリルエステルおよびそれらの誘導体であり、限定されないが、グリセリルモノエステル、好ましくは、C
16〜C
22飽和、不飽和、分枝鎖脂肪酸のグリセリルモノエステル、例えば、グリセリルオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノパルミテート、グリセリルモノベヘネートおよびそれらの混合物、ならびにC
16〜C
22飽和、不飽和、分枝鎖脂肪酸のポリグリセリルエステル、例えば、ポリグリセリル−4イソステアレート、ポリグリセリル−3オレエート、ポリグリセリル−2セスキオレート、トリグリセリルジイソステアレート、ジグリセリルモノオレエート、テトラグリセリルモノオレエートおよびそれらの混合物が含まれる。グリセリルエステル誘導体には、限定されないが、グリセリルエステルのポリエチレングリコールエーテル、例えば、PEG−30グリセリルステアレート、PEG−30グリセリルジイソステアレート、PEG−30グリセリルイソステアレート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−30グリセリルオレエートおよびそれらの混合物が含まれる。
【0292】
非イオン性界面活性剤として、ソルビタンエステルも本発明において有用である。C
16〜C
22飽和、不飽和、分枝鎖脂肪酸のソルビタンエステルが好ましい。それらが典型的に製造される方法のため、これらのソルビタンエステルは、通常、モノ−、ジ−、トリ−などのエステルの混合物を含んでなる。適切なソルビタンエステルの代表的な例には、ソルビタンモノオレエート(例えば、SPAN(登録商標)80)、ソルビタンセスキオレート(例えば、Uniqema,Wilmington,Del.からのArlacel(登録商標)83)、ソルビタンモノイソステアレート(例えば、Croda,Inc.,Edison,N.J.からのCRILL(登録商標)6)、ソルビタンステアレート(例えば、SPAN(登録商標)60)、ソルビタントリオレエート(例えば、SPAN(登録商標)85)、ソルビタントリステアレート(例えば、SPAN(登録商標)65)、ソルビタンパルミテート(例えば、SPAN(登録商標)40)およびソルビタンイソステアレートが含まれる。ソルビタンパルミテートおよびソルビタンセスキオレエートが特に本開示のために好ましい。
【0293】
アルコキシ基がC
2〜C
6オキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択されるグリセリルエステル、ソルビタンエステルおよびアルキルポリグリコシドのアルコキシル化誘導体も本発明の使用に関して適切であり、これらの材料のエトキシル化またはプロポキシル化誘導体が好ましい。商業的に入手可能なエトキシル化材料の非限定的な例には、TWEEN(登録商標)(約2〜約20の平均エトキシル化度を有する、C
12〜C
18脂肪酸のエトキシル化ソルビタンモノ−、ジ−および/またはトリ−エステル)が含まれる。
【0294】
好ましい非イオン性界面活性剤は、少なくとも8のHLBが得られるように誘導体化された、C
4〜C
36炭素鎖、好ましくはC
12〜C
18炭素鎖、より好ましくはC
16〜C
18炭素鎖を有する脂肪族アルコール、脂肪酸またはグリセリドから形成されるものである。HLBは、親水基の径および強度と、界面活性剤の親油性基の径と強度との間の釣合いを意味するものとして理解される。そのような誘導体は、エトキシレート、プロポキシレート、ポリグルコシド、ポリグリセリン、ポリラクテート、ポリグリコレート、ポリソルベートおよび当業者に明らかであろう他のものなどのポリマーであることが可能である。そのような誘導体はまた、全HLBが好ましくは8以上である、エトキシレート/プロポキシレート種などの上記の混合ポリマーであってもよい。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、10〜25、より好ましくは、10〜20モルのモル含有量でエトキシレートを含有する。
【0295】
本開示の特に好ましい非イオン性界面活性剤は、グリセリルエステル、PEG−30グリセリルステアレートおよびソルビタンパルミテートなどのソルビタンエステルのポリエチレングリコールエーテルから選択される。
【0296】
他の特に好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化基および/または側鎖を有するシリコーンまたはシロキサンをベースとする乳化ポリマー、例えば、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン(商品名Abil(登録商標)EM90);カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドとの混合物で商業的に入手可能であるビス−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16ジメチコン(商品名Abil(登録商標)Care85);カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドとの混合物で商業的に入手可能であるビス−PEG/PPG−20/5 PEG/PPG−20/5ジメチコンおよびPEG/PPG−25/4ジメチコン(商品名Abil(登録商標)Care XL80);ポリグリセリル−4イソステアレートおよびヘキシルラウレートとの混合物で商業的に入手可能であるセチルPEG/PPG−10/1ジメチコン(商品名Abil(登録商標)WE09);カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドとの混合物で商業的に入手可能であるビス−(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコン(商品名Abil(登録商標)EM120);ジメチコンとの混合物で商業的に入手可能であるビス−PEG/PPG−14/14ジメチコン(商品名Abil(登録商標)EM 97 S)であり、これらは全てEvonik Goldschmidt GmbH社から商業的に入手可能である。
【0297】
典型的に、イオン性界面活性剤は、親油性炭化水素基および極性官能性親水基を含有する。
【0298】
単独で、または混合物として使用されてもよい以下のアニオン性界面活性剤が記載されてよく、特に、以下の化合物の塩、特に、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩、あるいは例えばマグネシウムのアルカリ土類金属の塩が記載されてよい:アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート;アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、a−オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルエーテルスルホサクシネート、アルキルアミドスルホサクシネート;アルキルスルホアセテート;アシルサルコシネート;ならびにアシルグルタメート。これらの全ての化合物のアルキルまたはアシル基は、6〜24個の炭素原子を含んでなり、かつアリール基は、好ましくはフェニルまたはベンジル基を示す。C6〜C24アルキルおよびポリグリコシドカルボン酸のエステル、例えば、アルキルグルコシドシトレート、ポリアルキルグリコシドタータレートおよびポリアルキルグリコシドスルホスクシネート;アルキルスルホスクシナメート、アシルイセチオネートおよびN−アシルタルレート(これらの全ての化合物のアルキルまたはアシル基は、12〜20個の炭素原子を含んでなる)を使用することも可能である。使用されてもよいアニオン性界面活性剤の間で、アシル基が8〜20個の炭素原子を含有するアシルアクチレートも記載されてもよい。アルキル−D−ガラクトシドウロン酸およびそれらの塩、ならびにまたポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルエーテル−カルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキル(C6〜C24)アリールエーテルカルボン酸およびポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸およびそれらの塩、特に、2〜50個のエチレンオキシド基を含んでなるもの、ならびにそれらの混合物も記載されてよい。
【0299】
好ましいアニオン性界面活性剤の中でも、アルキルスルフェート;アルキルエーテルスルフェート、例えば、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、好ましくは2または3モルのエチレンオキシドを含有するもの;アシルグルタメート、例えば、二ナトリウムステアロイルグルタメートおよびナトリウムステアロイルグルタメート;アルキルエーテルカルボキシレート;ならびにそれらの混合物の、特に、ナトリウム、マグネシウムまたはアンモニウムの塩であって、アルキルまたはアシル基が一般に6〜24個の炭素原子、好ましくは8〜16個の炭素原子を含有するものが記載されてよい。
【0300】
カチオン性界面活性剤の中でも、以下のものが記載されてよい。
i)アルキルピリジニウム塩、イミダゾリンのアンモニウム塩、ジ第4級アンモニウム塩、および少なくとも1つのエステル官能基を含有するアンモニウム塩。
ii)以下の一般式を有する第4級アンモニウム塩:
【化12】
(式中、基R1〜R4は、同一であっても異なってもよく、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖脂肪族基、またはアリールもしくはアルキルアリールなどの芳香族基を表し;脂肪族基は、ヘテロ原子(O、N、Sまたはハロゲン)を任意選択的に含んでなってもよく、かつ任意選択的に置換されていてもよい)。
【0301】
脂肪族基は、例えば、C12〜C22アルキル、アルコキシ、C2〜C6ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル、(C12〜C22)アルキルアセテートおよびヒドロキシアルキル基から選択され、1〜30個の炭素原子を含有する。X−は、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、C2〜C6アルキルスルフェートおよびアルキルまたはアルキルアリールスルホネートの群から選択されるアニオンである。
【0302】
iii)次式のイミダゾリンの第4級アンモニウム塩:
【化13】
(式中、
R5は、8〜30個の炭素原子を含有するアルケニルまたはアルキル基、例えば、タローまたはココナッツの脂肪酸誘導体を表し、
R6は、水素原子、C1〜C4アルキル基、あるいは8〜30個の炭素原子を含有するアルケニルまたはアルキル基を表し、
R7は、C1〜C4アルキル基を表し、
R8は、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
X’は、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、C2〜C6アルキルスルフェート、アルキルスルホネートまたはアルキルアリールスルホネートの群から選択されるアニオンである)。
【0303】
R5およびR6は、好ましくは、12〜21個の炭素原子を含有するアルケニルまたはアルキル基の混合物、例えば、タローの脂肪酸誘導体を示し、R7はメチルを示し、かつR8は水素を示す。そのような製品は、例えば、Quaternium−27(CTFA 1997)またはQuaternium−83(CTFA 1997)であり、Witco社からRewoquat(R)W75、W90、W75PGおよびW75HPGの名称で販売される。
iv)次式のジ第4級アンモニウム塩:
【化14】
(式中、
R9は、約16〜30個の炭素原子を含有する脂肪族基を示し、
R10、R11、R12、R13およびR14は、同一であっても異なってもよく、水素および1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基から選択され、かつ
X−は、ハライド、アセテート、ホスフェート、ニトレート、エチルスルフェートおよびメチルスルフェートの群から選択されるアニオンである)。
【0304】
そのようなジ第4級アンモニウム塩は、特に、プロパンタロージアンモニウムジクロリドを含んでなる。
v)次式のものなどの少なくとも1つのエステル官能基を含有する第4級アンモニウム塩:
【化15】
(式中、
R15は、C1〜C6アルキル基およびC1〜C6ヒドロキシアルキルまたはジヒドロキシアルキル基から選択され;
R16は、基R19−CO−、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和C1〜C22炭化水素ベースの基R20、水素原子から選択され;
R18は、基R21−CO、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和C1〜C22炭化水素ベースの基R22、水素原子から選択され;
R17、R19およびR21は、同一であっても異なってもよく、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和C7〜C21炭化水素ベースの基から選択され;
r、nおよびpは、同一であっても異なってもよく、2〜6の範囲の整数であり;
yは、1〜10の範囲の整数であり;
xおよびzは、同一であっても異なってもよく、0〜10の範囲の整数であり;
X−は、単一または錯体の有機または鉱物アニオンであるが;
ただし、合計x+y+zが1〜15であり、xが0である場合、R16はR20を示し、かつzが0である場合、R18はR22を示すことを条件とする)。
【0305】
アルキル基R15は直鎖または分枝鎖であってよく、特に直鎖であってよい。好ましくは、R15は、メチル、エチル、ヒドロキシエチルまたはジヒドロキシプロピル基、特にメチルまたはエチル基を示す。
【0306】
有利には、合計x+y+zは1〜10である。
【0307】
R16が炭化水素をベースとする基R20である場合、それは12〜22個の炭素原子を含有してもよいか、または1〜3個の炭素原子を含有してもよい。
【0308】
R18が炭化水素をベースとする基R22である場合、それは好ましくは1〜3個の炭素原子を含有する。
【0309】
有利には、R17、R19およびR21は、同一であっても異なってもよく、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和C11〜C21炭化水素ベースの基、特に直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和C11〜C21アルキルおよびアルケニル基から選択される。
【0310】
好ましくは、xおよびzは、同一であっても異なってもよく、0または1に等しい。有利には、yは1に等しい。
【0311】
好ましくは、r、nおよびpは、同一であっても異なってもよく、2または3に等しく、特に2に等しい。
【0312】
アニオンX−は、好ましくは、ハライド(クロリド、ブロミドまたはヨージド)あるいはC1〜C4アルキルスルフェート、特にメチルスルフェートである。アニオンX−は、メタンスルホネート、ホスフェート、ニトレート、トシレート、有機酸(アセテートまたはラクテートなど)から誘導されるアニオン、またはエステル官能基を含有するアンモニウムと適合性である他のいずれかのアニオンを表してもよい。
【0313】
界面活性剤は、例えば、ジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムの塩(クロリドまたはメチルスルフェート)およびそれらの混合物であってもよい。アシル基は、好ましくは、14〜18個の炭素原子を含有し、特に植物油、例えば、パーム油またはヒマワリ油から誘導される。化合物がいくつかのアシル基を含有する場合、これらの基は同一であっても異なってもよい。そのような化合物は、例えば、Cognis社からDehyquart(R)、Stepan社からStepanquat(R)、Ceca社からNoxamium(R)およびRewo−Goldschmidt社からRewoquat(R)WE 18の名称で販売される。
【0314】
vi)第4級アンモニウム塩、特に、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチル−ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、クオタニウム−83、ベヘニルアミドプロピル−2,3−ジヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリドおよびパルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド。
【0315】
他の適切なカチオン性界面活性剤は、エステル架橋を含有する脂肪酸鎖を有する第4級アンモニウム化合物であるエステルクエット(esterquat)である。
【0316】
好ましいカチオン性界面活性剤の中でも、セトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘニルPG−トリモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリドおよびそれらの混合物から選択される式(I)の化合物が記載されてよい。
【0317】
他の好ましいカチオン性界面活性剤は、ジベヘノイルエチルジモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルジモニウムクロリド、ジステアロイルエチルジモニウムクロリド、ジタローイルPG−ジモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェートから選択されるエステルクエット、およびそれらの混合物である。
【0318】
いずれか1つの理論によって拘束されることなく、イオン性界面活性剤の存在は、特に、分散物を製造する時点で、本開示の水性分散物の粒子の凝集を減少または最小化すると考えられる。したがって、少なくとも1種のイオン性界面活性剤を含んでなる界面活性剤混合物は、粒子の均一な分散物を促進し、かつ分散物自体の安定化を向上させる分散剤として作用する。
【0319】
本開示のある種の実施形態において、界面活性剤混合物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、少なくとも1種のアニオン界面活性剤を含んでなる少なくとも1種のイオン性界面活性剤とを含有する。
【0320】
他の実施形態において、界面活性剤混合物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含んでなる少なくとも1種のイオン性界面活性剤とを含有する。
【0321】
好ましい実施形態において、界面活性剤混合物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含んでなる少なくとも1種のイオン性界面活性剤とを含有し、界面活性剤混合物はカチオン性界面活性剤を含まない。
【0322】
なお他の好ましい実施形態において、界面活性剤混合物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含んでなる少なくとも1種のイオン性界面活性剤とを含有し、界面活性剤混合物はアニオン性界面活性剤を含まない。
【0323】
当業者は、最良の分散物を得るために種類および%に関して、スチレン系ブロックコポリマー、ワックスおよび/または油、ならびに界面活性剤の間で適合される最良のものを選択するであろう。例えば、シリコーンワックスは、一般に、シリコーンをベースとする界面活性剤とより適合性があることが見出される。
【0324】
ある種の好ましい実施形態において、本開示の界面活性剤混合物は、両性界面活性剤を本質的に含まない。本明細書で使用される場合、「両性界面活性剤を本質的に含まない」という用語は、界面活性剤混合物中に「遊離の両性界面活性剤がない」ことを意味する。「遊離の両性界面活性剤がない」とは、本明細書中、両性界面活性剤が、界面活性剤混合物に単独で個別の成分として添加されないことを意味する。「遊離の両性界面活性剤」には、本明細書で使用される場合、本発明の水性分散物または組成物の製造プロセスの間に添加される原材料または材料中に成分として存在し得る両性界面活性剤が含まれない。また、「遊離の両性界面活性剤」には、本明細書で使用される場合、分散物の粒子が調製された後、追加成分として本発明の組成物に、または水性分散物に添加され得る両性界面活性剤が含まれない。
【0325】
両性界面活性剤には、限定されないが、脂肪族基が、8〜22個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1種の水溶性アニオン基、例えば、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェートまたはホスホネート基を含有する直鎖または分枝鎖である脂肪族第2級または第3級アミン誘導体が含まれ、また(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキル−アミド−(C6〜C8)−アルキル−ベタインまたは(C8〜C20)アルキル−アミド−(C6〜C8)−アルキルスルホベタイン;およびそれらの混合物が記載されてもよい。
【0326】
アミン誘導体の中でも、アンホカルボキシグリシネート化合物およびアンホカルボキシプロピオネート化合物、特に、二ナトリウムココアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジアセテート、二ナトリウムカプリルアンホジアセテート、二ナトリウムカプリロアンホジアセテート、二ナトリウムココアンホジプロピオネート、二ナトリウムラウロアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリロアンホジプロピオネート、ラウロアンホジプロピオン酸およびココアンホジプロピオン酸、(C8〜C20)アルキルベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド(C6〜C8)アルキルベタインおよびアルキルアンホジアセテートが記載されてよい。
【0327】
化粧品、皮膚科学、パーソナルケアおよび薬品分野において、本発明による粒子および/または分散物は、化粧品および/または皮膚科学的および/またはパーソナルケアおよび/または医薬品組成物の調製のための少なくとも1種の活性物質のための溶剤として使用されてもよい。
【0328】
したがって、本発明の主題は、上記の定義されるような少なくともいくつかの粒子および/または少なくとも1種の分散物を含んでなる化粧品または皮膚科学的またはパーソナルケアまたは医薬品組成物などの組成物でもある。
【0329】
水性分散物を得るためのプロセス(分散物プロトコル)
本開示の水性分散物は、少なくとも以下の工程を含んでなるプロセスによって得られてもよい:
−少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤と、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックス、少なくとも1種の油およびそれらの混合物から選択される脂肪物質と、非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤を含んでなる界面活性剤混合物と、水と、任意選択的に、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤以外の油ゲル化剤、着色剤、日焼け止め剤、揮発性溶媒、35℃以下の融点を有するワックス、芳香油、乳化ポリマー、シリカ、タルク、粘土およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加成分とを含有する混合物を、少なくとも1種のワックスの融点より高い乳化温度で乳化するステップ(2種以上のワックスが使用される場合、乳化温度は、より高い、または最高融点を有するワックスの融点より高くなければならない)、
−混合物に、上記工程で使用される混合物の乳化温度より少なくとも5〜10℃高い温度で、粒子の製造を導くプロセスを受けさせるステップ、ならび
−そのようにして得られる分散物を冷却するステップ。
【0330】
プロセスの第1の工程の成分の組み合わせ、および加熱による第2の工程の実行は、ある種の特性(例えば、融点、径および形状)に調整される粒子が得られる制御された方法で本発明による粒子を得るために必要な累積的な条件であることが指摘される。したがって、スチレン系ブロックコポリマー/脂肪物質−界面活性剤−水混合物上で用いられるプロセスの性質は、得られる粒子の特性を決定する。
【0331】
本発明によるプロセスは、必要に応じて、冷却工程の前に混合物の連続相を希釈する工程を含んでもよい。
【0332】
本発明の目的のために、「粒子の製造を導くプロセス」という表現は、剪断型の作用を示すように意図される。この剪断作用は、特定の速度でホモジナイザー/混合機を使用して、スチレン系ブロックコポリマー/脂肪物質−界面活性剤−水混合物を混合することによって完成することができる。
【0333】
したがって、一実施形態において、本開示の水性分散物の粒子は、以下のステップ:
(1)35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックス、少なくとも1種の油およびそれらの混合物から選択された脂肪物質を加熱して、脂肪物質を溶融または軟化させるステップと、
(2)任意選択的に、(1)の脂肪物質と一緒に、少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤以外の油ゲル化剤、着色剤、日焼け止め剤、35℃以下の融点を有するワックス、乳化ポリマー、(1)の少なくとも1種の油以外の芳香油、シリカ、タルク、粘土およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加成分を加熱するステップと、
(3)少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤を加熱するステップと、
(4)(1)または(2)の脂肪物質と、(3)の油ゲル化剤を混合して、スチレン系ブロックコポリマー油ゲル化剤/脂肪物質ブレンドを形成するステップと、
(5)少なくとも1種の非イオン性界面活性剤および少なくとも1種のイオン性界面活性剤を含んでなる界面活性剤混合物ならびに水を加熱して、界面活性剤/水の組み合わせを形成するステップと、
(6)室温より高い温度で、スチレン系ブロックコポリマー油ゲル化剤/脂肪物質ブレンドと、界面活性剤/水の組み合わせを剪断作用によって混合して、水性分散物を形成するステップと、
(7)(6)の水性分散物を冷却するステップと
によるプロセスによって得られるが、
脂肪物質が、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックスを含んでなる場合、脂肪物質は、少なくとも1種のワックスの融点より高い温度まで加熱される。
【0334】
一実施形態において、上記されたプロセスの脂肪物質は、35℃より高い融点を有する少なくとも1種のワックスを含んでなり、かつ(1)の加熱ステップは、少なくとも1種のワックスの融点より高い温度で行なわれる。
【0335】
一実施形態において、上記されたプロセスの加熱ステップ(3)は、少なくとも約120℃の温度で行われる。
【0336】
一実施形態において、上記されたプロセスの(4)の混合ステップは、少なくとも30分間、または約30分〜約120分間行われる。
【0337】
一実施形態において、上記されたプロセスの(4)の混合ステップは、少なくとも80℃、例えば、約150℃までの温度(乳化温度)で行われる。乳化温度は、好ましくは、40℃より高く、好ましくは、150℃未満であり、より好ましくは、95℃未満である。
【0338】
一実施形態において、上記されたプロセスのステップ(6)の剪断作用は、約3000〜約9000rpm、例えば、約3000rpm、または約4000rpm、または約5000rpm、または約6000rpm、または約7000rpm、または約8000rpm、または約9000rpmの範囲の速度で行われる。他の実施形態において、剪断作用は、9000rpmより高速で行われる。
【0339】
一実施形態において、上記されたプロセスのステップ(6)の剪断作用は、室温より高い温度、例えば、約50℃〜約80℃、または例えば約60℃〜約70℃で行われる。
【0340】
様々な混合速度を使用することによって、1μm〜約100μm、例えば、約20μm〜約70μm、または約40μm〜約65μm、または約45μm〜約65μm、または1μm〜約20μmの範囲のピークを有する様々な体積基準の粒径分布を達成することが可能である。米国特許出願公開第2006/0292095号明細書および米国特許出願公開第2006/0263438号明細書に記載され、かつ参照されるものなどの他の剪断プロセスを使用することも可能である。
【0341】
利用される界面活性剤の種類および量、ならびに/あるいは界面活性剤混合物中の別の界面活性剤に対する界面活性剤の重量比、ならびに/あるいはスチレン系ブロックコポリマーおよび脂肪物質の量および/または種類も、上記されたものなどの様々な粒径の粒子をもたらし得る。
【0342】
特定の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、本開示の界面活性剤混合物の全重量に基づき、その間の全範囲および部分範囲を含めて、約60重量%〜約95重量%、または約65重量%〜約90%重量%、または約70重量%〜約90重量%の量で利用されるであろう。
【0343】
一実施形態において、少なくとも1種のイオン性界面活性剤は、本開示の界面活性剤混合物の全重量に基づき、その間の全範囲および部分範囲を含めて、約5重量%〜約40重量%、好ましくは約5重量%〜約30%重量%、例えば、約5重量%〜約20重量%の量で利用されるであろう。
【0344】
好ましくは、界面活性剤混合物、すなわち、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤および少なくとも1種のイオン性界面活性剤の組み合わせた量は、水性分散物の全重量に基づき、その間の全範囲および部分範囲を含めて、約1.0重量%〜約5重量%、または例えば、約1.5重量%〜約3.5%重量%、または例えば、約1.5重量%〜約3重量%の量で利用されるであろう。
【0345】
したがって、上記のプロセスによって、本開示の分散物は、特定の特性に調整される粒子を含んでなる。さらに、これらの粒子は、揮発性溶媒を含まない。
【0346】
さらにまた、上記のプロセスによって、活性成分、ポリマーおよび上記の他の追加的な成分などの他の成分は、分散物の調製の間に添加されてもよい。
【0347】
分散物
上記のプロセスによって、粒子は、好ましくは、水性および/または水溶性連続相中の分散物として得られる。そのような分散物は、水中油型エマルジョンまたは水中油型分散物として記載されてもよい。
【0348】
本発明による粒子は、有利には、それらが得られる分散物中で凝集せず、そして径および分布指数に関するそれらの粒度分析特性は、その中で有利に保存される。
【0349】
本発明の分散物での使用のために適切である水性および/または水溶性連続相は、好ましくは、脱塩水などの水、または水および水溶性有機溶媒の組み合わせを含んでなる。
【0350】
本発明によって分散物で使用されてもよい水溶性溶媒の中でも、特に、3個以上の炭素原子を含有するモノアルコール、グリコール、グリコールエーテルおよびポリオール、例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、カプリリルグリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールまたはそれらの混合物、C3およびC4ケトン、およびC2〜C4アルデヒド、ならびにそれらの混合物が記載されてよい。
【0351】
本発明の目的のために、「水溶性溶媒」という用語は、室温で液体であり、かつ水混和性(25℃および大気圧で50重量%より高い水中での混和性)である化合物を示すように意図される。
【0352】
組成物
本開示の水性分散物は、様々なガレヌス形態の組成物に調合されてもよい。
【0353】
本開示の水性分散物を含有する組成物は、限定されないが、水、揮発性および不揮発性の有機溶媒、シリコーン、ポリオール、グリコール、グリコールエーテル、非シリコーン油およびそれらの混合物の少なくとも1種を含む担体(または溶媒)を含んでなる。
【0354】
好ましい実施形態において、担体は、化粧品的に、皮膚科学的に、または生理的に容認できる非毒性の担体であり、組成物を、皮膚、唇、毛髪、頭皮、睫毛、眉、爪または体の他のいずれかの皮膚領域などのケラチン基体上へ適用することができる担体である。化粧品的に、皮膚科学的に、または生理的に容認できる担体は、水および/または約1〜15個の炭素原子を含有するものなどの低級モノアルコール、例えば、エタノールおよびイソプロパノールから選択される有機溶媒;グリコールエーテル;約2〜8個の炭素原子を含有するものなどのグリコール、例えば、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコールおよびグリセリンを含むポリオール;炭化水素および非シリコーン油、例えば、イソドデカンおよび鉱油;ジメチコン、シクロメチコンおよびシクロペンタシロキサンなどのシリコーン;ならびにそれらの混合物の1種もしくはそれ以上を含んでなってもよい。
【0355】
有機溶媒が揮発性溶媒である場合、揮発性有機溶媒の量は、一般に、組成物の全重量に基づき、0より多く(例えば、約0.01重量%)〜約99重量%、いくつかの実施形態において、0より多く〜約55重量%、いくつかの実施形態において、0より多く〜約2重量%の範囲である。ある種の実施形態において、揮発性有機溶媒の量は、組成物の全重量に基づき、55重量%を超えない。他の実施形態において、揮発性有機溶媒の量は、組成物の全重量に基づき、5重量%を超えない。なお他の実施形態において、本開示の組成物は、揮発性有機溶媒を実質的に含まない。本明細書で使用される場合、「有機溶媒を本質的に含まない」という用語は、「遊離の有機溶媒がない」ことを意味する。「有機溶媒がない」とは、本明細書中、有機溶媒が、本発明の組成物の製造プロセスの間に単独で個別の成分として添加されないことを意味する。「遊離の有機溶媒剤」には、本明細書で使用される場合、本発明の組成物の製造プロセスの間に添加される原材料または材料中に成分として存在し得る有機溶媒が含まれない。
【0356】
担体は、組成物の全重量に基づき、その間の全範囲および部分範囲を含めて、約70重量%〜約99重量%、または例えば約75重量%〜約95重量%、または例えば約80重量%〜約90重量%の量で利用することができる。
【0357】
本開示の水性分散物は、組成物の全重量に基づき、その間の全範囲および部分範囲を含めて、約1重量%〜約30重量%、好ましくは約2重量%〜約20重量%、より好ましくは約3重量%〜約15重量%、なおより好ましくは約5重量%〜約10重量%の範囲の量で本開示の組成物中に存在してもよい。
【0358】
いくつかの実施形態において、本開示の水性分散物は、組成物の全重量に基づき、その間の全範囲および部分範囲を含めて、約0.5重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、または例えば約1重量%〜約5重量%、または例えば約1重量%〜約3重量%の範囲の量で本開示の組成物中に存在してもよい。
【0359】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物中の油ゲル化剤/脂肪物質の組み合わせを含んでなる脂肪相の量は、最終組成物の全重量に基づき、その間の全範囲および部分範囲を含めて、1重量%未満〜約40重量%、例えば約1重量%〜約40重量%、または例えば約5重量%〜約35重量%、または例えば約10重量%〜約30重量%の範囲である。
【0360】
少なくとも特定の例示的な実施形態において、本発明の粒子は、組成物の担体または溶媒に不溶性であり、したがって、溶媒の蒸発後さえも粒子の形態で残存する。例えば、組成物が、担体としてアルコールを含んでなる実施形態において、粒子は、組成物が基体に適用された時のように、アルコールの蒸発時に粒子の形態で残存し得る。
【0361】
一実施形態において、本発明の粒子を構成し得る少なくとも1種の追加成分は、水性分散物が上記担体を含有する組成物に調合または含まれる場合に、光保護組成物が得られるような日焼け止め剤から選択される。したがって、本発明の別の実施形態は、基体に前記光保護組成物を適用するステップを含んでなる、皮膚または毛髪または頭皮などのケラチン質基体を光保護する方法である。
【0362】
一実施形態において、少なくとも1種の追加成分は、水性分散物が上記担体を含有する組成物に調合または含まれる場合、メークアップまたはカラーリング組成物、例えば、一時的なヘアカラーが得られるような着色剤から選択される。したがって、本発明の別の実施形態は、基体に前記メークアップまたはカラーリング組成物を適用するステップを含んでなる、皮膚または毛髪などのケラチン質基体をカラーリングまたはメークアップする方法である。
【0363】
本発明の別の特定の実施形態は、
(a)1μm〜約70μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有し、かつ
(i)少なくとも1種のスチレン系ブロックコポリマーを含んでなる油ゲル化剤と、
(ii)少なくとも1種の芳香油を含んでなる脂肪物質と
を含んでなる粒子、ならびに
(b)
(i)少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(ii)少なくとも1種のイオン性界面活性剤と、
を含んでなる界面活性剤混合物、ならびに
(c)水
を含んでなる水性分散物である。
【0364】
本開示の粒子が芳香油を含んでなる場合、粒子は、芳香効果を特定の期間にわたって付与することができ、したがって、より長く続く効果であることが可能であるように、徐放性芳香効果を提供することに役立つことが可能である。同時に、芳香油を含んでなるそのような粒子は、上記分散物または上記分散物を含有する組成物と接触した基体に光沢を提供することができる。
【0365】
本発明の他の実施形態は、上記水性分散物のいずれか1種と、水、揮発性有機溶媒、非揮発性有機溶媒、シリコーン、非シリコーン油およびそれらの混合物を含んでなる担体とを含んでなる組成物である。
【0366】
補助剤
本開示の水性分散物および水性分散物を含んでなる組成物は、液体脂質/油、ワックス、フィルム形成ポリマー、レオロジー変性剤、湿潤剤および保湿剤、乳化剤、構成化剤、噴射剤、界面活性剤、光沢剤、コンディショニング剤、化粧品的、皮膚科学的および薬学的活性剤、ビタミン、植物抽出物およびそれらの混合物から選択される補助剤を追加的に含有してもよい。
【0367】
脂質および油は、水性分散物の粒子を構成する脂肪物質と同一であってもよく、またはそれ以外であってもよい。
【0368】
フィルム形成ポリマーとしては、限定されないが、フリーラジカル型または重縮合型の合成ポリマー、天然由来のポリマーおよびそれらの混合物、特にアクリルポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、およびセルロースをベースとするポリマー、例えば、ニトロセルロースが含まれる。
【0369】
代表的なレオロジー変性剤としては、限定されないが、増粘剤が含まれ、かつポリマーであっても、非ポリマーであってもよい。代表的なポリマー増粘剤には、種々の天然ゴムが含まれる。代表的な非ポリマー増粘剤には、オキシエチレン化分子、特に、ポリオールのエトキシル化アルキルまたはアシル誘導体が含まれる。
【0370】
レオロジー変性剤としては、天然由来のポリマーおよび合成ポリマーが含まれ、限定されないが、会合ポリマー、非会合増粘ポリマーおよび水溶性増粘ポリマーが含まれる。それらは、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性ポリマーから選択されてよく、アクリレート−またはアクリルをベースとするポリマー、多糖類、ポリアミノ化合物、ならびに非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性両親媒性ポリマーが含まれる。
【0371】
適切なレオロジー変性剤には、限定されないが、アクリレートコポリマーおよびカルボマー、ならびに、セルロースをベースとする増粘剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオンセルロースエーテル誘導体、四級化セルロース誘導体など)、グアーゴムおよびその誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルグアー、カチオングアー誘導体など)、ゴム、例えば、微生物由来のゴム(例えば、キサンタンガム、スクレログルカンゴムなど)、植物滲出液から誘導されるゴム(例えば、アラビアゴム、ガッティゴム(ghatti gum)、カラヤゴム、トラガカントゴム、カラゲーニンゴム、寒天ゴムおよびイナゴマメゴム)、ペクチン、アルギナートおよびデンプン、アクリル酸またはアクリルアミドプロパンスルホン酸の架橋ホモポリマーが含まれる。
【0372】
本開示のレオロジー変性剤は、利用された量次第で、フィルム形成剤として使用されてもよい。
【0373】
本開示のレオロジー変性剤の適切な例は、(メタ)アクリル酸および/または(C1〜C6)アルキルエステルの架橋コポリマーから、およびアクリル会合ポリマーから選択されてもよい。
【0374】
本開示のレオロジー変性剤の例は、Viscophobe DB−100の商標名で商業的に既知であり、かつThe Dow Chemical Companyから販売されるポリアクリレート−3、Carbopolポリマーの商標名で商業的に既知であり、かつLubrizol Advance Materials,Incから販売されるカルボマー、Pemulen TR−1およびPemulen TR−2ポリマーの商標名で商業的に既知であり、かつLubrizol Advance Materials,Incから販売されるアクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、Fixate G−100ポリマーの商標名で商業的に既知であり、かつLubrizol Advance Materials,Incから販売されるAMP−アクリレート/アリルメタクリレートコポリマー、PVPの商標名で商業的に既知であり、かつInternational Specialty Porductsから販売されるポリビニルピロリドン、ならびにINCI名でアクリレートコポリマーとして既知であり、かつ約30重量%の全固体または活性材料を含んでなる水性分散物としてCarbopol(登録商標)Aqua SF−1の商標名でLubrizolから販売される、わずかに架橋したアルカリ膨潤性アクリレートポリマーなどの水性分散物中アクリレートコポリマーとしても既知である架橋メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーである。
【0375】
レオロジー変性剤は、典型的に、組成物の全重量に基づき、約0.01重量%〜約10重量%、いくつかの実施形態において、約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0376】
湿潤剤および保湿剤の適切な例には、限定されないが、尿素、ヒドロキシエチル尿素、ポリオール、例えば、グリセリンおよびグリコサミノグリカン(GAG)が含まれる。グリコサミノグリカンの適切な例は、ヒアルロン酸またはヒアルロナン(HA)、ヘパラン硫酸(HS)、ヘパリン(HP)、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸(CS)、コンドロイチン4−硫酸またはコンドロイチン硫酸A(CSA)、コンドロイチン6−硫酸またはコンドロイチン硫酸C(CSC)、デルマタン硫酸またはコンドロイチン硫酸B(CSB)およびケラタン硫酸(KS)である。
【0377】
噴射剤の代表的な例には、n−ブタン、イソブタン、プロパン、ジメチルエーテル、C2〜C5ハロゲン化炭化水素、例えば、1,1−ジフルオロエタン、ジフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ヒドロフルオロカーボンおよびそれらの混合物が含まれる。噴射剤の量は、一般に、組成物の全重量に基づき、約1重量%〜約55重量%、いくつかの実施形態において、約1重量%〜約35重量%、いくつかの実施形態において、約1重量%〜約20重量%、いくつかの実施形態において、約2重量%〜約15重量%の範囲である。
【0378】
補助剤として利用される界面活性剤は、上記アニオン性、カチオン性、非イオン性および両性界面活性剤から選択されてもよい。
【0379】
光沢剤は、シリコーン、油、エトキシル化油、脂肪、エステル、トランセスター(transester)、炭化水素、クアッツ(quats)およびそれらの混合物から選択されてもよい。
【0380】
本開示の水性分散物は、真珠光沢剤、不透明剤、芳香剤、金属イオン封鎖剤、軟化剤、泡消し剤、湿潤剤、散布剤、分散剤、可塑剤、鉱物充填剤、コロイド状鉱物、ペプタイザー、保存剤およびpH調整剤から選択される1種または複数の添加剤を追加的に含んでなってもよい。
【0381】
本開示の水性分散物を含んでなる組成物は、水性系、単一または複合エマルジョン(水中油(o/w)、油中水(w/o)、水中シリコーンおよび/またはシリコーン中水型エマルジョン)、例えば、クリームまたはミルクの形態、ゲルまたはクリーム−ゲルの形態、あるいはローション、粉末または固体チューブの形態であってよく、そしてエアゾールとして任意選択的に包装されてもよく、ムースまたはスプレーの形態であってもよい。ムースまたはスプレーは、上記のものなどの噴射剤を含有してもよい。
【0382】
スプレー組成物、特にエアゾールは、典型的に少なくとも1種の揮発性有機化合物(VOC)を含有する。本質的に生態学的な理由および様々な国の政府規制のため、組成物に存在する揮発性有機化合物(VOC)の量を低下させることが求められているか、または必要である。VOCの量を低下させ、低VOCエアゾールデバイスを得るために、有機溶媒、例えば、エタノールおよびジメチルエーテルを水と部分的に置き換える。
【0383】
本開示の組成物がエマルジョンである場合、それらは、一般に、両性、アニオン性、カチオン性および非イオン性乳化剤または界面活性剤の単独または混合物から選択される少なくとも1種の乳化剤/界面活性剤を含有する。
【0384】
本発明のもう1つの実施形態において、主題の組成物は、連続油状相が少なくとも1種のシリコーン油を含んでなる、シリコーン中水(W/Si)または水中シリコーン(Si/W)型エマルジョンとして調製される。シリコーン中水型エマルジョンについては、シリコーン油は、好ましくは、エマルジョンの全重量に基づき、少なくとも5重量%、好ましくは10重量%〜45重量%の範囲の割合で存在する。本発明による油中水型エマルジョンの脂肪相は、エマルジョンの脂肪相の全重量に関して、炭化水素を含んでなる油を好ましくは40重量%まで追加的に含んでなる。
【0385】
W/Siエマルジョンに関して、乳化剤の例としては、一般に、鎖中および端部にポリエトキシ−ポリプロポキシ単位を有するジメチルシロキサン単位の長鎖を有するポリエーテル変性シリコーンが含まれる。例としては、Dow Corning(登録商標)BY 11−030としてDow Corningによって販売されるシクロペンタシロキサンPEG/PPG−18/18ジメチコン、PEG−12ジメチコンおよびPEG/PPG−19/19ジメチコンが含まれる。
【0386】
様々な実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約2〜約9、例えば、約3〜約8、または約4〜約7の範囲のpHを有する。
【0387】
本開示の水性分散物および組成物は、皮膚および毛髪などのケラチン質基体、木材、ガラス、樹脂および金属などの硬質表面、ならびに合成繊維、布および紙などの他の非ケラチン質基体から選択される基体上に適用されてよい。
【0388】
他の実施形態において、処理された基体上への熱などの外部刺激の適用は、処理された基体に付加的な利益を与えるために望ましいか、または必要とされ得る。
【0389】
したがって、特定の実施形態において、基体上に、本開示の水性分散物および担体を適用するステップと、基体を加熱するステップとが関与する、基体をコーティングする方法が提供される。好ましくは、基体に適用される熱は、水性分散物の粒子を構成するワックスなどの脂肪物質の融点より高い温度である。2種以上のワックスがワックスの粒子を構成する場合、基体に適用される熱は、最高融点を有するワックスの融点より高い温度でなければならない。
【0390】
基体に熱または高温を伝達するための手段として、加熱ツールおよび装置/デバイスを使用することができる。加熱ツールは、電流または加熱ランプによって熱を発生することができる。
【0391】
いずれかの特定の理論に拘束されることを望まないが、基体に適用された熱が、水性分散物の粒子を構成する脂肪物質、例えば、ワックスの融点より高い温度である場合、粒子は熱によって活性化され、それらは溶融するか、または液体様になり、温度が低下するか、または基体の冷却時、フィルムまたはコーティングが基体上に形成されると考えられる。
【0392】
「フィルム」、「コート」および「コーティング」という用語は、基体の表面上に適用される水性分散物または水性分散物を含有する組成物に関して、本明細書で使用される場合、基体、特にケラチン質基体に付着した連続または非連続フィルムまたはコーティングであることができる。
【0393】
「非連続」という用語は、本開示の水性分散物または水性分散物を含有する組成物が基体上に適用された時に、製造されたフィルムまたはコーティング中に破断、空隙または中断があることを意味する。
【0394】
理論に拘束されることを望まないが、水性分散物または水性分散物を含有する組成物が基体の表面に延展される時、連続もしくは非連続フィルムまたはコートが基体の表面上で形成されるように、水性分散物中の粒子が基体の表面上で粒子の結合を形成すると考えられる。
【0395】
したがって、特に好ましい実施形態において、本開示の水性分散物を含有する組成物中の粒子は、熱活性化された粒子である。
【0396】
「熱活性化」という用語は、熱が刺激として使用される場合に、本発明の水性分散物の粒子が溶融または軟化可能であることを意味する。
【0397】
基体は、本開示の水性分散物または水性分散物を含有する組成物によって基体が処理される前または後に加熱または熱に曝露されてもよい。基体、例えば、ケラチン繊維または紡織線維は、加熱または熱に曝露されながら、所望どおりに溶融または成形または配置されてもよい。驚くべきことに、そして予想外であったことに、本発明の水性分散物の粒子を熱活性化することによって、これらの分散物を含有する組成物は、この組成物でコーティングされた基体に、追加的な利益を提供することが可能となることが発見された。
【0398】
驚くべきことに、そして予想外であったことに、本開示の水性分散物の粒子が、1μm〜約70μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有する場合、水性分散物を含有する組成物は、特に、前記組成物でコーティングされた基体上に加熱素子またはツールが適用された場合、前記組成物でコーティングされた基体に良好に付着することが発見された。いずれかの特定の理論に拘束されることを望まないが、本開示の水性分散物の粒子が、1μm〜約100μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有し、かつ熱活性化される場合、粒子は溶融時に基体上でそれほど延展せず、それによって、粒子間の上記結合が維持されると考えられる。結果として、基体上のコーティングまたはフィルムは、他着性または粘着性または脆性ではなく、自然な感覚で基体上に残った。
【0399】
いずれかの特定の理論に拘束されることを望まないが、約20μm〜約70μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有する粒子は、繊維間の結合を形成するためにより有効であり、それによって、繊維が所望の形状に保持されると考えられる。さらに、この径範囲の粒子は、毛髪上にフィルムまたはコーティングを感じることが困難なほど小さい結合を導く。
【0400】
さらにまた、驚くべきことに、そして予想外であったことに、本開示の水性分散物の粒子が、約1μm〜約20μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有する場合、水性分散物を含有する組成物は、異なる特性を有するか、または異なる触感を有する基体にコーティングまたはフィルムを提供したことが発見された。例えば、そのような組成物がマスカラの形態である場合、特に、加熱素子またはツールが、マスカラ製品でコーティングされたまつ毛上に適用された場合、マスカラはまつ毛に鮮明度を与えることができ、かつまつ毛に快適さ、まつ毛の分離および/または長さを提供することができ、まつ毛上での製品の凝集がないか、もしくは最小であり、かつまつ毛への製品の付着を改善することができた。
【0401】
いずれかの特定の理論に拘束されることを望まないが、本開示の水性分散物の粒子が、1μm〜約20μmの範囲のピークを有する体積基準の粒径分布を有する場合、体積基準の粒径分布のピークが20〜70μmの範囲である粒子によって製造されたものと比較して、基体のより大きい被覆が得られると考えられる。より大きい被覆によって、繊維直径の増加の印象がもたらされる(ボリューマイジング(volumizing)/ボディファイング(bodifying))。また、そのような粒子の表面積の増加は、より大きい粒子と比較して、より多くの油制御活性成分を皮脂と接触させることによって油制御能力を有するそのような粒子を含有する組成物を提供することができると考えられる。
【0402】
本開示の水性分散物を含有する組成物は、特に、化粧品、パーソナルケア、皮膚科学的、医薬製品、例えば、ヘアスタイリング、ヘアストレート/リラクシング、ヘアカール/パーマ/ウェーブ、ヘアケアおよびヘア/スキンクレンジング製品、例えば、頭皮トリートメント、シャンプー、コンディショナーおよびボディウォッシュ、サンケアおよびスキンケア/スキントリートメント製品、例えば、保湿剤、ならびにメークアップ製品、例えば、リップスティック、マスカラ、ファンデーションおよびアイシャドーを構成してもよい。
【0403】
少なくとも特定の例示的な実施形態において、組成物は、例えば、毛髪に噴霧または他の方法で適用され得るゲル、クリーム、フォーム、ローション、エマルジョンまたは液体などのいずれかの形態のヘアスタイリング組成物の形態である。様々な実施形態において、組成物は、ゲル、ムースまたはスプレーの形態で提供されてよい。少なくとも特定の実施形態において、組成物は、最初に手に適用し、次いで、手で毛髪に接触することによって毛髪に適用されてもよく、ほかの実施形態においては、組成物は、噴霧などによって直接毛髪に適用されてもよい。組成物は、様々な実施形態において、着けたままにしておくトリートメントとして毛髪に適用されてよい。
【0404】
様々な実施形態において、熱などの外部刺激の適用は、ヘアスタイリングプロセスの一部として望ましくあり得る。例として、組成物が湿った、または乾燥した毛髪に適用される前、間または後に、毛髪はさらに、外部刺激、例えば約25℃〜約250℃の範囲の熱によって処理されてもよい。少なくとも特定の実施形態において、毛髪は、加熱または熱へ暴露される間などの外部刺激への暴露の間に、所望の通りに成形または配置されてもよい。
【0405】
毛髪に熱または高温を供給する手段として、プロフェッショナルおよび消費者向け加熱ツールを使用することができる。毛髪に付与される所望のスタイルまたは形状次第で、これらのツールには、限定されないが、ヒーター、ヘアドライヤー、フラットアイロン、ホットコーム、ホットカーラーセット、スチームポッド、加熱クリンパー、加熱ラッシュカーラー、加熱ワンド/ブラシ、そして、フードドライヤーまたはそれらの組み合わせが含まれる。
【0406】
上記の通り、本開示による組成物は、毛髪への適用の間もしくは後に、毛髪または手などの基体上にフィルムを付与し得る。組成物によって形成されたフィルムは、驚くべきことに、従来のヘアケアおよびスタイリング製品とは異なり、クリーンな感触で、非他粘着性であり得る。また驚くべきことに、組成物は、毛髪に比較的自然でクリーンな感触を残し、なおフレキシブルなコーティングを有し、少量の残渣を残すか、または残渣を残すことなく、毛髪が縮れまたはフレーキングがほとんどないか、全くない状態ではずむ、かつ弾力性となることを可能とするフィルムを毛髪上に付与し得、個々のカール、スタイルコントロール、ボリュームおよび光沢によって比較的高い鮮明度を付与し得、かつ/または比較的長く続く保持およびスタイルメモリーを可能にし得る。さらに、本開示による少なくとも特定の実施形態において、組成物は他着性または粘着性ではない。本明細書に記載の種々の実施形態によるヘア組成物の使用者は、したがって、組成物は知覚可能ではないか、あるいは「見えない」と感じ、それでもなお、効果的に毛髪をスタイリングおよび/または保持すると感じ得る。さらに組成物は、高い、または比較的高い湿度条件でさえも有効なヘアスタイリングおよび/または保持特性を有し得る。本開示による少なくとも特定の実施形態において、組成物は速乾性であり得、それによって、乾燥および/またはスタイリング時間の短縮が可能となり得、さらにスタイリングおよびカール保持の容易さを改善し得る。
【0407】
さらに、上記の通り、種々の実施形態によって調製された組成物は、ヘアスタイルに付与される様々な保持度を変更するために提供され得る。非限定的な例として、非常に短い長さの毛髪に、とげとげの外見を得るために、高レベルのスタイル保持が望まれてよい。あるいは、さらなる非限定的な例として、中間の長さ、またはより長い長さの毛髪のために、流れるような外見を得るため、またはヘアカールを維持するために、軽度から中間レベルのスタイル保持が望まれてもよい。本発明の粒子を構成する成分の重量を変更することによって、そして/あるいは様々な範囲(例えば1μm〜約100μm、または約1μm〜約20μm)のピークを有する体積基準の粒径分布の粒子を利用することによって、高レベルのスタイル保持、中間から高レベルのスタイル保持、中間レベルのスタイル保持、または軽度から中間レベルのスタイル保持を有する組成物を調合することが可能である。
【0408】
少なくとも特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物によって形成されたフィルムは、透明および/または安定であり得る。そのような実施形態において、相分離効果および劇的な凝集が最小化される。
【0409】
加えて、本開示による組成物でスタイリングまたはトリートメントされた毛髪は、同様の条件を受けたが、本開示の組成物によってスタイリングまたはトリートメントされていない毛髪と比較して、少なくとも特定の例示的な実施形態において、疎水性であり得、かつ/または縮れていないように見え得、かつ/または切断する傾向が低くなり得る。
【0410】
しかしながら、本開示による組成物およびフィルム、ならびに組成物またはフィルムが適用された毛髪は、本明細書に記載の特性の1つまたはそれ以上を有さなくてもよく、なお本開示の範囲内であることが意図されることは留意すべきである。
【0411】
また、毛髪のスタイリングの前、間または後のいずれかに、本開示による組成物を毛髪に適用するステップを含んでなる、毛髪をスタイリングするための方法も本明細書に開示される。組成物が毛髪に適用される前、間または後に、熱などの外部刺激によって毛髪を処理することの1つまたはそれ以上のステップも考察される。
【0412】
したがって、いくつかの実施形態において、本開示の水性分散物および化粧品分野で容認される担体を含有する組成物を毛髪上に適用するステップと、毛髪に熱を適用するステップとを含む、毛髪を成形する方法が提供される。前記方法は、追加的に、毛髪成形の手段を使用して毛髪を成形するステップを含み得る。
【0413】
「毛髪を成形する」という用語は、本明細書で使用される場合、毛髪の形状を変化させることも意味し得る。
【0414】
上記の方法によって、毛髪をストレートにする、毛髪をカールさせる、毛髪のカールを再定義する、または毛髪のボリュームを調整するなど、頭上の毛髪を成形/再成形または再配置することが可能となり、また組成物を再適用および/または毛髪の再湿潤を必要とすることなく、所望の限り何回でも上記方法の工程を繰り返すことが可能となる。
【0415】
特に好ましい実施形態において、毛髪を成形するための手段が使用される。前記手段は、加熱ツールの一部でもよく、あるいはブラシまたはくしまたはカール用デバイスなどの別々のデバイスまたはツールでもよい。毛髪を成形するための手段は、指または手を毛髪に通過させることを含んでなってもよい。
【0416】
毛髪を成形するための上記方法の工程は、いずれの順番で行われてもよい。例えば、水性分散物を含有する組成物を最初に毛髪に適用し、続いて毛髪を加熱し、次いで、毛髪を成形するための手段を使用して毛髪を成形してもよい。もう1つの例において、毛髪を最初に加熱し、続いて、毛髪上に組成物を適用し、次いで、毛髪を成形するための手段を使用して毛髪を成形してもよい。なおもう1つの例において、毛髪を成形するための手段を使用して毛髪を最初に成形し、続いて、毛髪上に組成物を適用し、次いで、毛髪を加熱する。他の例において、毛髪を成形するための手段を使用して毛髪を最初に成形し、続いて、毛髪を加熱し、次いで、毛髪上に組成物を適用し、続いて、温度が室温を達成する時に、毛髪の形状を定位置に配置してもよい。
【0417】
本開示の水性分散物を含有する組成物は、油っぽい、またはオイリーな毛髪および皮膚(頭皮を含む)のためのスキンケアまたはトリートメント組成物の形態であってもよい。特に、そのような組成物は、皮膚、頭皮または毛髪上の油っぽい/オイリーな感触または外観を減少または最小化することができる。
【0418】
本開示の水性分散物を含有する組成物は、色をより耐色落ち性または耐洗浄性とさせることによって(すなわち、色はより長く毛髪上に残る)、人工的に着色された毛髪の色を保護するために使用されてもよい。
【0419】
本開示の水性分散物を含有する組成物は、家庭用および工業用製品の形態であってもよい。
【0420】
本発明の組成物は、限定されないが、クリーム、液体、ゲル、クリーム−ゲル、ローション、フォーム、セラム、ペースト、半固体、固体スティック、スティック−ゲルまたは粉末を含む多くのガレヌス形態で提供可能であり、かつムースまたはスプレーの形態であってもよく、そしてエアゾールとして任意選択的に包装されてもよく、通常の方法によって調製される。
【0421】
以上の説明および以下の実施例は両方とも例示的かつ説明的であるのみであり、かつ本開示を限定するものとして解釈されないことは理解される。さらに、本明細書の様々な実施形態の様々な特性および/または特徴は、互いに組み合わされてよいことは理解されるべきである。したがって、本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に多数の変更が加えられ得ること、そして他のアレンジが考案され得ることは理解される。本開示の考察および本明細書に開示される様々な例示的な実施形態の実施によって、他の実施形態は当業者に明らかであろう。
【0422】
他に示されない限り、明細書および請求の範囲において使用される全ての数は、全ての例において、そのような明示の有無にかかわらず、「約」という用語によって修飾されているものとして理解される。「約」という用語は、本明細書において数を修飾する場合、様々な例示的な実施形態において、明示された数の10%以下、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、または例えば、1%以下の差異を示す意味がある。したがって、単なる例として、「約」が10%以下の差異を示す一実施形態において、「約20%」という句は、18%〜22%の範囲を包含するように意図される。「約」が5%以下の差異を示す他の例示的な実施形態において、「約20%」という句は、19%〜21%の範囲を包含するように意図される。それぞれの明示された範囲内のそのような数の全ては、それによって明白に、本開示に含まれることが意図される。
【0423】
明細書および請求の範囲において使用される正確な数値が本開示の追加的な実施形態を形成し、かつ提供された例示的な範囲および値以内に開示されたいずれかの2つの終端、ならびにそれらの特定の終端に狭められることができるいずれの範囲も含むように意図されることも理解されるべきである。本明細書に開示された数値の精度を保証する努力がなされた。しかしながら、いずれの測定数値も、そのそれぞれの測定技術で見出される標準偏差に起因する特定の誤差を生得的に含む可能性がある。
【0424】
本開示の様々な実施形態による組成物は、基体に適用された時、フィルムを形成することは理解されるべきである。しかしながら、本明細書に記載されるフィルムの様々な特性は、フィルムが基体に付着または結合したかどうかにかかわらず、本開示による組成物によって提供されたいずれのフィルムも含むように意図される。
【0425】
分散物および組成物の以下の実施形態は、結果として範囲を限定することなく、本発明を説明するように意図される。パーセントは重量基準で与えられる。
【実施例】
【0426】
実施例I:
上記分散物プロトコルに基づき、以下の通り、本発明の水性分散物および水性分散物を含有する組成物を調製/製造した。
A.水性界面活性剤溶液:
1.容器中で非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤のグラム量を添加することによって、界面活性剤混合物を調製した。
2.水性分散物の最終的な重量(ワックスの重量を含む)が100グラムであるような量で、脱イオン水を添加した。
3.界面活性剤溶液を水浴中、約80℃〜約85℃の範囲内の温度まで加熱した。
【0427】
B.ブロックコポリマー/脂肪物質ブレンド調製:脂肪物質を溶解させ、ポリマーとのブレンドのために適切な温度(一般にKraton SBC材料に関して120℃)まで加熱した。次いで、ポリマーを溶解/溶融脂肪物質に添加し、そして温度を維持しながら、均質な混合物が形成するまで(30〜120分)混合物を混合した。次いで、混合物を乳化温度(80〜85℃)まで冷却する。
【0428】
C.乳化プロセス
1.水性界面活性剤溶液がなお高温(室温より高く、例えば、約65℃〜約70℃)にある時、溶液を約3000〜約9000rpmの範囲の速度でホモジナイザー/混合機(例えば、Silversonホモジナイザー)を使用して混合した。
2.混合しながら、加熱されたブレンド(なお室温より高い温度)を、ホモジナイザーの混合ヘッド付近で界面活性剤溶液に添加した。
3.全ての加熱されたブレンドを添加したら、混合を少なくとも5分間継続した。
4.ホモジナイザーブレードを取り外し、そしてエマルジョン(水性分散物)を混合し、そして室温へわずかに冷却し、ポリマー/ワックスおよび/または油の粒子を形成した。分散物を別の容器に移すか、または水性分散物を含有する組成物が製造される場合、組成物を構成する他の成分をこの段階で組み合わせて、そして水性分散物のアリコートを組成物に添加する。
5.分散物または組成物を室温で貯蔵した。
6.上記プロトコルに続いて、種々の濃度で種々のスチレン系ブロックコポリマーおよび/または脂肪物質(ワックスおよび油)および/または界面活性剤を使用して、本発明の他の水性分散物を調製する。
7.分散物を構成する粒子の粒径は、Shimadzu SALD−7001レーザー回折粒径分析器および1.2の屈折率を有する石英キュベットを用いて、レーザー回折法を使用して、体積基準の粒径分布(「PSD」)を測定することによって決定された。
【0429】
【表4】
【0430】
上記水性分散物中の粒子は、1μm〜約100μmの範囲の体積基準の粒径分布(「PSD」)のピークを有した。
【0431】
実施例II−水性分散物を含有する配合物の実施例
以下の配合物は、例示された配合物の成分の残りに水性分散系Iのアリコートを添加することによって、実施例1の水性分散物から個々に調製された。
【0432】
【表5】
【0433】
【表6】
【0434】
【表7】
【0435】
【表8】
【0436】
実施例III−毛髪上での試験
水性分散物を毛髪材料見本上に適用した。毛髪が他着性または粘着性のいずれでもないことが観察された。
【0437】
上記配合物1を、コーカサスおよびアフリカ民族のヒトモデルの中間から長髪の毛髪で試験した。スタイリストがモデルの毛髪を洗浄し、次いで、彼らが好む方法を用いて、毛髪を加熱スタイリングした。
【0438】
スタイリストは、配合物の使用によって毛髪のスタイリングが容易になること、特に、化学的にストレート化されていない根本付近の毛髪において優れた性能を見出した。また、配合物が非常に容易に適用され、かつ配合物は、自然なレベルの動きのあるクリーンで自然な感触を毛髪に残し、熱によって縮れの制御、優れたスムース化およびストレート化が提供され、かつブロー乾燥プロセスの促進またはスピードアップを提供することも見出された。加えて、スタイリストにより、配合物によって処理または配合物と接触した毛髪は、非常に高い輝きが実証された。
【0439】
これらの試験は、不快な感触を付与し、そして毛髪を不自然にその場にのり付けする材料によって毛髪がコーティングされることなく、効果的な毛髪の成形を実証した。
【0440】
第2の研究において、コーカサスおよびヒスパニック民族のヒトボランティアは、標準的なヘアケア法で、毛髪上で配合物1を試験した。ボランティアは、毛髪の種類および通常のスタイリング手順(すなわち、ドライヤー、フラットアイロンの使用など)によって選択された。ボランティアは、配合物によって毛髪のスタイリングが容易になることと、スタイリング製品に関するベースライン必要要件を見出した。さらに、このスタイリングの容易さは数日持続した。また配合物によって、毛髪の感触が自然であるか、コーティングされていないような感触であり、かつ自然な動きを有することも見出された。付与されたスタイルは、一日を通じて永続的であった。さらに、ボランティアがその後のシャンプーを所望の通り1日またはそれ以上快適に延期することが可能であるように、頭皮において検出可能な皮脂の累積は十分に減少した。
【0441】
これらの発見は、本発明の組成物によって付与されたスタイリング効果は永続的であったことを実証し、分散物粒子が、粒子が毛髪上に残るように毛髪上で結合を形成し、それによって、スタイリングが、最初のスタイリング事象(毛髪上での配合物の適用)を超えてその後の数日間容易に持続することが可能になることを示した。さらに、毛髪上の配合物は、毛髪に、コーティングされていない感触を与え、自然に動いた。また、配合物の成分は油制御効果を与え、それによって、毛髪の洗浄に関する必要性を延期する。
【0442】
毛髪を配合物で処理し、そして処理された毛髪をブロードライヤーを使用して加熱した後、毛髪は容易に所望の形状に構造化されたことも観察された。冷却時、配合物は毛髪に他着性または付着性の感触を与えないことが観察された。さらに、ブロードライヤーまたはフラットアイロンおよびカーラーなどの他の適切なデバイスによる毛髪の再加熱時に、配合物を毛髪に再適用することを必要とせずに、異なる構造に毛髪を再配置/再形成することができた。
【0443】
実施例IV−比較データ
Kraton G1657 Mなどのスチレン系ブロックコポリマーとワックスとの組み合わせから得られるブレンド材料の特性を、ワックス単独を使用して得られた特性と比較した。ブレンド材料中のスチレン系ブロックコポリマーの量が増加した時、毛髪の表面上のブレンド材料のフィルムのモジュラスおよびブレンド材料の粘着性を測定した。
【0444】
粘着性測定
測定器:Texture Technologies TA.XT Plus Texture Analyzer
試料は、厚さ約0.75mmのワックスブレンドの溶融形成ディスクであった。全ての試験に金属ボールプローブが使用された。以下を変更して標準的な粘着試験を使用した:試験後の速度:0.5mm/秒;適用された力:
図1のデータに関しては250g、
図2のデータに関しては100g。
【0445】
モジュラス
測定器:TA Q800 DMA
試料は、薄い(厚さ約0.75mm)のワックスブレンドの溶融形成ディスクから切断された。ストリップは、15mm×5.5mm×0.75mmのおよその寸法(L×W×T)を有した。正確な寸法は、キャリパーを使用して測定された。
【0446】
標準的なひずみスイープ測定を使用して、0.5μm〜50μm転置の範囲におけるワックスブレンドのストリップの複雑なモジュラスを測定した。得られるデータから、主に線形挙動のひずみ範囲が確認できた。各試料に関して報告されたモジュラスは、この線形範囲に由来する。測定を3回繰り返した。報告された値は平均であり、報告されたエラーバーは、これらの測定の標準偏差である。
【0447】
【表9】
【0448】
上記の表中の結果は、ワックス/ポリマーブレンドからのものと比較して、ワックス単独から測定されたモジュラスおよび粘着性値における有意な差異を示す。また、この結果は、
図1のチャートによっても表される。
【0449】
この結果は、ポリマーがワックスと組み合わされた時のモジュラスの増加、およびポリマーの量が増加するとモジュラスが増加したことも示す。同時に、ポリマーがワックスと組み合わされた時に粘着性値は減少し、そしてポリマーの量が増加すると粘着性は減少した。これらの結果はポリマーの組込みによってブレンド材料の剛性が増加し、同時にブレンド材料の粘着性が減少したことを示す。剛性の増加は、分散物が最終組成物に含まれる場合、組成物が毛髪などの基体に適用される時に改善された、持続的な成形効果が得られるように、水性分散物の粒子間のより強い結合を達成することができることを示す。同時に、ブレンド材料の粘着性の減少は、最終組成物が基体にクリーンで自然な感触を付与することができることを示す。
【0450】
他方、蜜蝋単独の比較的より低いモジュラスは、ワックスと毛髪との間の結合が繊維の形状を維持する可能性が低いことを示す。さらに、ワックスの粘着性は毛髪上にあまり自然ではない感触をもたらし、すなわち、毛髪上に残るいずれかの製品と接触していない毛髪は本質的に粘着性ではないため、毛髪の表面上のワックスは容易に感じることができる。
【0451】
実施例V−油皮脂の研究
ワックスの粘着性およびワックスと8%スチレン系コポリマーとを含んでなるブレンド材料の粘着性は、添加された合成油皮脂の関数として測定された。試験は、サロンのボランティアの毛髪上で行なわれた。
【0452】
【表10】
【0453】
上記の表中の結果は、
図2のチャートによっても表される。この結果は、ブロックコポリマーの組み込みによって、一部は重要な物理的特性に及ぼす皮脂の影響を軽減することによって、不潔な感触の開始を延期することができることを示す。ポリマーが存在しない場合、少量の油皮脂のみによって有意に粘着性が増加した。ポリマーが存在する場合、皮脂含有量が増加すると、粘着性がゆっくり増加した。皮脂のレベルがポリマーのレベルに匹敵する場合、(ポリマーが存在しない)ワックスのものに匹敵する速度で粘着性が増加した。これらのデータは、ポリマーの存在が、皮脂の自然な累積によって生じる毛髪上の不潔な感触の開始を遅らせることを示す。
【0454】
上記は本発明の好ましい実施形態を記載し、かつ請求の範囲において明らかである本発明の精神または範囲から逸脱することなく、変更がされてもよいことは理解されるべきである。