【課題を解決するための手段】
【0024】
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにて採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載及び図面に明らかにされた発明思想に基づいて認識され得るものであることが理解されるべきである。
【0025】
(1) 所定の薬剤を含有すると共に、微細気泡が分散、含有せしめられて
なる、液状若しくはゲル状の薬剤組成物であって、該微細気泡が、ナ
ノサイズの気泡径とすることによって、表面張力による高い内圧が付
与され且つマイナスに帯電せしめられてなる、超微細な気泡であるこ
とを特徴とする患部浸透亢進性薬剤組成物。
(2) 前記超微細気泡が、10nm〜1000nmの範囲の気泡径を有し
ている前記態様(1)に記載の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(3) 前記超微細気泡が、前記薬剤組成物中に、1×10
6 〜2×10
8 個
/mlの割合において分散、含有せしめられている前記態様(1)又
は前記態様(2)に記載の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(4) 前記薬剤組成物が、前記超微細気泡を含有する溶液と、前記薬剤又
はそれを含有する液状若しくはゲル状の予備組成物とを混合して、得
られる混合物である前記態様(1)乃至前記態様(3)の何れか1つ
に記載の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(5) 筒状の外周面に設けた気体透過面に、高分子樹脂フィルムにクレー
ズを生成してなる通気性フィルムを配して、該通気性フィルムによる
気体透過量の制御下において、所定の加圧気体が放出せしめられるよ
うにした筒状の気体透過部と、該筒状の気体透過部の筒内に加圧状態
の気体を供給する送気手段と、該筒状の気体透過部の外周径より大き
な内周径を有する、両端が開放状態にある筒状ケーシングと、該筒状
ケーシング内に該筒状の気体透過部を収容、配置することによって形
成される間隙にて与えられる流体流路に、所定の流体を流通せしめる
流通手段とを含んで構成される超微細気泡生成装置を用い、該流体流
路を流通せしめられる流体によって、前記気体透過部の気体透過面か
ら放出される気体にて形成される気泡が、その形成初期段階において
せん断されて、微細化されることにより、前記ナノサイズの気泡径を
有する超微細気泡が生成せしめられる前記態様(1)乃至前記態様(
4)の何れか1つに記載の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(6) 前記薬剤組成物が、溶解性外殻中に内包されてなるカプセル状の投
与剤として構成されて、患部に適用せしめられる前記態様(1)乃至
前記態様(5)の何れか1つに記載の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(7) 前記薬剤組成物が、噴霧によってミスト化されて、不織布、織布、
編地、和紙等の繊維状吸着材に吸収せしめられ、患部に適用される前
記態様(1)乃至前記態様(6)の何れか1つに記載の患部浸透亢進
性薬剤組成物。
(8) 前記薬剤組成物が噴霧によってミスト化されて、患部に対して直接
に適用される前記態様(1)乃至前記態様(6)の何れか1つに記載
の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(9) 前記超微細気泡による浸透亢進作用を利用して、前記薬剤が、虫歯
等の患部における標的深層部に至るまで浸透せしめられる医療用薬剤
組成物である前記態様(1)乃至前記態様(8)の何れか1つに記載
の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(10) 前記薬剤組成物は、歯髄の損傷又は部分喪失時に投与されて、そ
の投与部位において、歯髄細胞から象牙芽細胞を分化させることによ
り歯髄及び/又は象牙質を形成する、歯髄の損傷又は部分喪失時に用
いられる歯科医療用薬剤組成物であって、前記薬剤として、MMP類
、BMP類、bFGF、G−CSF、CXCL14、MCP1、SD
F−1、PDGF、GM−CSF、HGF、BDNF、及びNPYの
うちの少なくとも何れか一つを有効成分として含有する前記態様(1
)乃至前記態様(9)の何れか1つに記載の患部浸透亢進性薬剤組成
物。
(11) 前記薬剤組成物は、歯科治療において、無菌化、消炎鎮痛、或い
は象牙質、歯髄若しくは歯周組織の再生を促進させる歯科医療用薬剤
組成物であって、前記薬剤として、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水
素、ホルマリンクレゾール、ホルマリングアヤコール、フェノール、
フェノールカンフル、パラクロロフェノールカンフル、クレサチン、
グアヤコール、クレゾール、ヨードチンキ、EDTA製剤、水酸化カ
ルシウム、テトラサイクリン塩酸塩、アンピシリン、イミペネム、パ
ニペネム、バンコマイシン、クロラムフェニコール、PBSS、PB
SC、オフロキサシン、レボフロキサシン、メトロニダゾール、セフ
ァクロル、シプロフロキサン、ミノサイクリン、イミダゾール、カテ
プシンK阻害薬、BMP類、bFGF、G−CSF、CXCL14、
MCP1、SDF−1、PDGF、GM−CSF、HGF、BDNF
、及びNPYのうちの少なくとも何れか一つを含む前記態様(1)乃
至前記態様(9)の何れか1つに記載の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(12) 前記薬剤組成物は、歯科治療において、無菌化、消炎鎮痛、或い
は歯周再生を促進させる歯周疾患用薬剤組成物であって、前記薬剤と
して、ヨードチンキ、EDTA製剤、テトラサイクリン塩酸塩、アン
ピシリン、イミペネム、パニペネム、バンコマイシン、クロラムフェ
ニコール、PBSS、PBSC、オフロキサシン、レボフロキサシン
、メトロニダゾール、セファクロル、シプロフロキサン、ミノサイク
リン、イミダゾール、カテプシンK阻害薬、BMP類、bFGF、G
−CSF、CXCL14、MCP1、SDF−1、PDGF、GM−
CSF、HGF、BDNF、NPY、及びエムドゲインのうちの少な
くとも何れか一つを含む前記態様(1)乃至前記態様(9)の何れか
1つに記載の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(13) 前記薬剤組成物は、歯科治療において、知覚過敏を消褪させる歯
科医療用薬剤組成物であって、前記薬剤として、硝酸カリウム、シュ
ウ酸、フッ化ジアミン銀製剤、コーパル樹脂、フッ化ナトリウム、塩
化亜鉛、水溶性アルミニウム化合物、水溶性カルシウム化合物、BM
P類、及びbFGFのうちの少なくとも何れかを一つ含む前記態様(
1)乃至前記態様(9)の何れか1つに記載の患部浸透亢進性薬剤組
成物。
(14) 前記薬剤組成物は、歯科治療において、無菌化、炎症鎮痛、歯再
石灰化、或いは歯周組織再生を促進させる口腔ケア用及びインプラン
トケア用薬剤組成物であって、前記薬剤として、ベンザルコニウム、
グルクロン酸ヘキシジン、ラクロイルサルコシンNa、イソプロピル
メチルフェノール、ε−アミノカプロン酸、次亜塩素酸ナトリウム、
テトラサイクリン塩酸塩、アンピシリン、イミペネム、パニペネム、
バンコマイシン、クロラムフェニコール、PBSS、PBSC、オフ
ロキサシン、レボフロキサシン、メトロニダゾール、セファクロル、
シプロフロキサン、ミノサイクリン、イミダゾール、カテプシンK阻
害薬、BMP類、bFGF、G−CSF、CXCL14、MCP1、
SDF−1、PDGF、GM−CSF、HGF、BDNF、及びNP
Yのうちの少なくとも何れか一つを含む前記態様(1)乃至前記態様
(9)の何れか1つに記載の患部浸透亢進性薬剤組成物。
(15) 前記薬剤組成物は、歯科或いは医科治療において、無菌化、消毒
、炎症鎮痛、粘膜若しくは皮膚保護、又はその他の目的をもって、経
皮的若しくは経粘膜的に用いられる前記態様(1)乃至前記態様(9
)の何れか1つに記載の患部浸透亢進性薬剤組成物。