(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
蓄電池(61)の第1段及び蓄電池(62)の第2段はそれぞれ直列に接続された、いくつかの電気化学蓄電池(611、621)を備え、前記第1制御装置は、第1段の蓄電池のそれぞれについての端子間の電位差を測定するために設けられ、前記第2制御装置は、第2段の蓄電池のそれぞれについての端子間の電位差を測定するために設けられ、第1デジタルシーケンスの前記論理レベルの少なくとも1つは、第1段の前記蓄電池の1つの、1つの端子における電位により定義される
請求項1記載の蓄電池システム(1)。
前記第1及び第2の制御装置は、放電電流を第1段及び第2段にそれぞれ選択的に加えるために設けられ、前記第1制御装置は、処理装置を有し、第1及び第2の制御装置の前記処理装置は、それらの個々の段に、個々の入力インターフェイスで受けるデジタルシーケンスに基づいて、放電電流の適用又は中断を選択的に制御するために設けられる
請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の蓄電池システム(1)。
前記第1制御装置又は前記第2制御装置の出力インターフェイスに、ガルバニック絶縁回路(51、52)により接続された制御回路(5)を備え、制御回路は、前記第1又は第2の制御装置から受け、電位差の値を含むデジタルシーケンスを復号するために設けられる
請求項8記載の蓄電池システム(1)。
制御回路(5)は、制御装置の入力インターフェイスに、ガルバニック絶縁回路により接続され、制御回路は、その段のこの制御装置による放電電流の適用又は中断を制御するデジタルシーケンスを生成するために設けられる
請求項9記載の蓄電池システム(1)。
第1制御装置(31)の第1出力インターフェイスに供給される第1デジタルシーケンスの論理レベルは、この第1出力インターフェイスに高インピーダンス状態を加えることにより定義される
請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の蓄電池システム(1)。
第2制御装置(32)の前記復号部(305)は、入力インターフェイス(321)で受ける第1デジタルシーケンスを少なくとも1つの電位しきい値と比較して、第1制御装置により測定された電位差を復号するために設けられ、前記第2制御装置は、入力インターフェイスで受けるデジタルシーケンスの少なくとも1つの電位により前記電位しきい値の値を変更するために設けられる
請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の蓄電池システム(1)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の第1実施の形態に係る蓄電池システム1を概略的に示す。
図2は、本発明の第2実施の形態に係る蓄電池システム1を概略的に示す。
【0023】
これらの実施の形態に係るシステム1は、例えば、電気自動車を駆動するために提供されても良い。システム1は、直列に接続された電気化学蓄電池段4を含む電池2を備える。電池2は、例えば、要求される電圧及び用いられる蓄電池の種類に応じて直列に接続される20〜100個の蓄電池を典型的に含む、多数の段4を備える。段4は、電力電気接続(power electrical connection)71により直列に接続される。各段4は、それに属する制御装置を有する。各制御装置は、入力インターフェイス及び出力インターフェイスを有する。制御装置は、それらが属する段の端子間の電位差を測定するために設けられる。制御装置3は、また、段階的に通信するために、特に、測定した電位差の値を通信するために設けられる。
【0024】
図1の実施の形態では、制御装置3は、例えば、入力インターフェイス301及び出力インターファイス302を含む、スレーブ(slave)制御装置である。制御装置35は、入力インターフェイス351及び出力インターファイス352を含む、マスター(master)制御装置である。そのような構造は、例えば、スレーブ制御装置3とマスター制御装置35との間のガルバニック絶縁を除外して、制御装置35が制御装置3に指令を伝達することを可能にする。
【0025】
図2の実施の形態では、制御装置3は全て、入力インターフェイス301及び出力インターファイス302を含むスレーブ制御装置である。遠隔中心装置5は、制御装置3により形成された通信デイジーチェインの端部に、ガルバニック絶縁装置51、52を介して接続される。中心装置5は、典型的には、制御装置3により測定された電位差の値を検索し、指令をこれらの制御装置3に供給する。
【0026】
図3は、直列に接続された2つの段41、42における、制御装置接続体の第1の例を示す。電池2の負端子と正端子との間の直列接続において、段41は、例えば、指数(index)がNであり、段42は指数がN+1である。段41の負端子における電位はV
n−1で示され、段41の正端子における電位はV
nで示され、段42の負端子における電位に等しく、段42の正端子における電位はV
n+1で示される。複数の段の端子間の平均電位差がVcelに等しいと仮定すると(各段の公称電圧は同一であると仮定される)、電位V
n−1は(n−1)×Vcelにおおよそ等しい。
【0027】
第1制御装置31は、段41に属し、段41に電気的に接続される。第1制御装置31は、電位V
n、V
n−1により電力を供給される。第2制御装置32は、段42に属し、段42に電気的に接続される。第2制御装置32は、電位V
n+1、V
nにより電力を供給される。
【0028】
図3に示す例では、通信は制御装置32から制御装置31へと行われる。制御装置31は入力インターフェイス311及び出力インターフェイス312を有する。制御装置32は入力インターフェイス321及び出力インターフェイス322を有する。出力インターフェイス322は、電位レベル変換部33を介して入力インターフェイス311に接続される。入力インターフェイス321は、指数N+2の段の制御装置の出力インターフェイスに接続される。出力インターフェイス312は、指数N−1の段の制御装置の入力インターフェイスに接続される。
【0029】
制御装置32は、段42の端子間の電位差を測定し、この電位差を(任意には、しきい値との比較によるシングルビット符号化を用いて)デジタル化し、(M
n+1で示される)デジタル化した電位差を、それぞれV
n+1、V
nに等しい、少なくとも2つの論理レベルを含むデジタルシーケンスの形態で、例えば、出力部に電位V
n+1又はV
nを加えるスイッチにより、出力部322に加える。デジタルシーケンスは、電位レベル変換部33の入力部に加えられる。変換部33の出力部は、入力インターフェイス311に接続される。変換部33の基準端子は、電位V
n−1に接続される。変換部33は、その入力部に加えられるデジタルシーケンスの論理レベルを制御装置31の供給電位(supply potential)間の論理レベルに変換するために設けられる。変換部33の入力部上のデジタルシーケンスは、それぞれV
n+1、V
nに等しい2つの論理レベルを有し、変換部33は、入力部311にV
nとV
n−1との間の2つの論理レベルを有するデジタルシーケンスを加える。
【0030】
ここでは、変換部33は、その基準端子とその入力部との間に分圧部を形成する。変換部33は、例えば、出力部322と入力部311との間に接続された抵抗331を有し、入力部311とこの変換部33の基準端子との間に接続された抵抗332を有する。例えば、もしも抵抗331、332が同じ抵抗値を有するならば、入力部311に加えられるデジタルシーケンスはそれぞれ(V
n−1+(V
n+1−V
n−1)/2)及び(V
n−1+(V
n−V
n−1)/2)に等しい2つの論理レベルを有する。もちろん、例えば、抵抗332の抵抗値の2倍の抵抗値を有する抵抗331を用いて、他の分圧比が用いられても良い。
【0031】
制御装置31は、段41の端子間の電位差を測定し、(M
nで示される)この電位差を(任意には、しきい値との比較によるシングルビット符号化を用いて)デジタル化する。その上、制御装置31は、
段42の電位差Mn+1を読むために、入力部311で受けるデジタルシーケンスを復号する。加えて、制御装置31は、入力部311で受けるデジタルシーケンスの論理レベルを測定する。入力部311で受けるデジタルシーケンス上で測定される論理レベルに基づいて、制御装置31は、段42の端子間の電位差を、特に、変換部33の変換ルール(conversion law)の知識に基づいて、推定する。推定された電位差はE
n+1で示される。もしも、制御装置31が2つの論理レベルNL1
n+1、NL2
n+1を測定するならば、もしも、変換部33が同一の抵抗331、332を用いて分圧部を形成するならば、E
n+1は次の関係式により得られる。
E
n+1=|NL1
n+1−NL2
n+1|×2
【0032】
電位差E
n+1の推定は、このように、段42の端子間の電位の測定冗長性を確実にする。この冗長性は、デイジーチェインの方法で値M
n+1及びE
n+1を伝達するために、又は、(2値又は偏差値の)信頼度指標(reliability indicator)と一緒に値M
n+1を中央装置又はマスター制御装置に伝達するために、用いられることができる。
【0033】
制御装置31は、デジタル化された電位差M
n、復号された電位差M
n+1、推定された電位差E
n+1、又は、測定された電位差M
n+1の信頼度指標を出力部312に選択的に加える。
【0034】
図4は、制御装置31、32として用いられることができる、制御装置30の例の概略図である。制御装置30は、測定回路部303を介して、段の端子間に加えられる電位V
1、V
0間の差異を測定する。制御装置30は、アナログ/デジタル変換部304を有する。測定回路部303は、アナログ/デジタル変換部304の入力部に測定された電位差を加える。アナログ/デジタル変換部304は、処理部306の入力部に測定された電位差を加える。制御装置30は、これらの電位V
1、V
0により電力を供給される。
【0035】
制御装置30は、入力インターフェイス301及び出力インターフェイス302を有する。インターフェイス301は、隣の制御装置により測定された、又は、他の制御装置から生じて隣の測定装置により反映された、電位測定値を含むデジタルシーケンスを受ける。制御装置30は、復号部305を備える。入力インターフェイス301はデジタルシーケンスを受け、それを復号部305の入力部に加える。復号部305はデジタルシーケンスを復号し、電位差測定値を処理部306に加える。
【0036】
その上、入力インターフェイス301は、受けたデジタルシーケンスの論理レベルの電位を、アナログ/デジタル変換部304の入力部に加える。アナログ/デジタル変換部304は、デジタルシーケンスのこれらの論理レベルのデジタル値を供給する。制御装置31を参照して前に説明したように、これらの論理レベルの間の差異に基づいて、処理部306は、デジタルシーケンスを生成した段の電位差を推定する。処理部306は、復号された電位差測定値の信頼度を、それと推定された電位差とを比較することにより、これらの値の間の偏差がしきい値より小さいか確認することにより、又は、これらの値の間の偏差を単純に計算することにより、決定することもできる。
【0037】
処理部306は、出力インターフェイス302を介して伝達されるべき情報、例えば、回路303により測定され、変換部304によりデジタル化された電位差、入力インターフェイス301に加えられた論理レベルに基づいて処理部306により推定された電位差、復号部305により復号された電位差、復号された電位差の信頼度指標、又は、復号された電位差と推定された電位差との間の偏差値を制御する。
【0038】
出力インターフェイス302は、それぞれV
n、V
n−1に等しい、少なくとも2つの論理レベルを含むデジタルシーケンスの形態の選択された情報、すなわち、この制御装置30の供給電位を伝達する。
【0039】
そのような制御装置30に基づくシステム1は、測定された電位差レベルについての他の制御装置による証明を有し、異なる制御装置の間のガルバニック絶縁問題を有さない、測定された電位差レベルの段階的な通信を可能にする。
【0040】
制御装置30は、例えば、マイクロコントローラの形態で提供されることができる。
【0041】
図5は、直列に接続された、(それぞれ指数N、N+1で特定される)2つの段41、42における制御装置の接続体の第2例を示す。電位は
図3と同じ参照記号で特定される。第1制御装置31は段41に属し、段41に電気的に接続される。第1制御装置31は電位V
n、V
n−1により電力を供給される。第2制
御装置32は段42に属し、段42に電気的に接続される。第2制御装置32は電位V
n+1、V
nにより電力を供給される。
【0042】
図5に示す例では、通信は、制御装置31から制御装置32へと行われる。制御装置31は入力インターフェイス311及び出力インターフェイス312を有する。制御装置32は入力インターフェイス321及び出力インターフェイス322を有する。出力インターフェイス312は、電位レベル変換部34を介して入力インターフェイス321に接続される。入力インターフェイス311は、指数N−1の段の制御装置の出力インターフェイスに接続される。出力インターフェイス322は、指数N+2の段の制御装置の入力インターフェイスに接続される。
【0043】
制御装置31は、段41の端子間の電位差を測定し、この電位差を(任意には、しきい値との比較によるシングルビット符号化を用いて)デジタル化し、(M
nで示される)デジタル化された電位差を、それぞれV
n、V
n−1に等しい、少なくとも2つの論理レベルを含むデジタルシーケンスの形態で、例えば、出力部に電位V
n+1又はV
nを加えるスイッチにより、出力部312に加える。デジタルシーケンスは、電位レベル変換部34の入力部に加えられる。変換部34の出力部は、入力インターフェイス321に接続される。変換部34の基準端子は、電位V
n+1に接続される。変換部34は、その入力部に加えられるデジタルシーケンスの論理レベルを、制御装置32の供給電位間の論理レベルに変換するために設けられる。変換部34の入力部上のデジタルシーケンスは、それぞれV
n、V
n−1に等しい2つの論理レベルを有し、変換部34は、入力部321にV
nとV
n+1との間の2つの論理レベルを有するデジタルシーケンスを加える。
【0044】
ここでは、変換部34は、その基準端子とその入力部との間に分圧部を形成する。変換部34は、例えば、この変換部34の基準端子と入力部321との間に接続された抵抗341を有し、入力部321と出力部312との間に接続された抵抗342を有する。例えば、もしも抵抗341、342が同じ抵抗値を有するならば、入力部321に加えられるデジタルシーケンスはそれぞれ(V
n+1−(V
n+1−V
n−1)/2)及び(V
n−1−(V
n+1−V
n)/2)に等しい2つの論理レベルを有する。もちろん、例えば、抵抗341の抵抗値の2倍の抵抗値を有する抵抗342を用いて、他の分圧比が用いられても良い。
【0045】
制御装置32は、段42の端子間の電位差を測定し、(M
n+1で示される)この電位差を(任意には、しきい値との比較によるシングルビット符号化を用いて)デジタル化する。その上、制御装置32は、段41の電位差V
nを読むために、入力部321で受けたデジタルシーケンスを復号する。加えて、制御装置32は、入力部321で受けたデジタルシーケンスの論理レベルを測定する。入力部321で受けるデジタルシーケンス上で測定される論理レベルに基づいて、制御装置32は、段41の端子間の電位差を、特に、変換部34の変換ルールの知識に基づいて、推定する。推定された電位差はE
nで示される。もしも、制御装置32が2つの論理レベルNL1
n、NL2
nを測定するならば、もしも、変換部34が同一の抵抗341、342を用いて分圧部を形成するならば、E
nは次の関係式により得られる。
E
n=|NL1
n−NL2
n|×2
【0046】
電位差E
nの推定は、このように、段41の端子間の電位の測定冗長性を確実にする。この冗長性は、デイジーチェインの方法で値M
n及びE
nを伝達するために、又は、(2値又は偏差値の)信頼度指標と一緒に値M
nを中央装置又はマスター制御装置に伝達するために、用いられることができる。
【0047】
制御装置32は、デジタル化された電位差M
n+1、復号された電位差M
n、推定された電位差E
n、又は、測定された電位差M
nの信頼度指標を出力部322に選択的に加える。
【0048】
図5の制御装置31、32は、
図4を参照して説明した制御装置30の構造を有していても良い。
【0049】
用いられる制御装置は、制御装置の間の上り通信及び制御装置の間の下り通信の両方を実行することもできる。この目的のために、各制御装置は2つの入力インターフェイス(第1インターフェイスは上位の指数の制御装置の出力インターフェイスと通信することが予定され、第2インターフェイスは下位の指数の制御装置の出力インターフェイスと通信することが予定される)及び2つの出力インターフェイス(第1インターフェイスは上位の指数の制御装置の入力インターフェイスと通信することが予定され、第2インターフェイスは下位の指数の制御装置の入力インターフェイスと通信することが予定される)を含んでも良い。
【0050】
制御装置30の供給電位と、それが伝達するデジタルシーケンスの論理レベルとの間のひずみ(distortion)を避けるために、抵抗331、332、341、342は、それらを流れる電流を制限するために、有利には、例えば、10kΩ〜1MΩの比較的大きな抵抗値を有する。論理レベルから推定された電位は、このように、かなりの正確さを維持する。比較的大きな値は、推定された電位差の正確さを増強し、比較的小さな値は、熱雑音耐性を増強し、入力フィルタを含む必要性を限定する。
【0051】
直列接続の端部に配置された制御装置に関しては、その段における電位差測定の冗長性は、追加の制御装置により、任意に得られることができる。そのような配置例が
図6に示される。制御装置30は、電池2の正端子に接続された、段4の端子に接続される。追加の制御装置36は、電池2の正端子の電位を基準として有するDC/DC変換部37により、電力を供給される。変換部37は、制御装置36に他の供給電位を加える。制御装置36は、前に説明した変換部34を介して制御装置30の出力インターフェイス302に接続される入力インターフェイス361を有する。そのような配置は、制御装置36及び制御装置30に同じ構造が用いられることを可能にする。
【0052】
制御装置30の復号部305は、典型的には、受けた電位レベルをしきい値と比較することにより、受けたデジタルシーケンスにおける2つの論理レベルを区別する。もしも、受けた信号がこのしきい値よりも大きなレベルを有しているならば、復号部305は、それに第1のデジタル値、例えば、1を割り当てる。もしも、受けた信号がこのしきい値よりも小さな値を有しているならば、復号部305は、それに第2のデジタル値、例えば、0を割り当てる。復号誤りのリスクを限定するために、しきい値は有利には、入力インターフェイス上で期待される電位の間の中央値に設定される。
【0053】
制御装置30は、それが接続される段により電力を供給されるので、この制御装置30の供給電位は、この段の電荷(charge)、経時変化又は内部抵抗により、又は、この段により供給される電流により、変化する。結果として、生成され、他の制御装置30に加えられるデジタル信号の電位レベルは変化する。有利には、各制御装置30は、その復号部305のしきい値を適合させる。しきい値は、制御装置30が他の制御装置30からデジタルシーケンスを受ける初期化ステップの間に、受けたデジタルシーケンスの電位レベルの間の中央値としてしきい値を設定することにより、適合されることができる。しきい値は更に、特定の数のサンプル上のこれらの電位レベルの間の平均値に調整されることができる。
【0054】
より良い干渉耐性を確保するために、受けた信号は上側のしきい値及び下側のしきい値を比較されることができ、もしも、受けた信号が上側のしきい値を越えるならば、第1のデジタル値が受けた信号に由来され、もしも、受けた信号が下側のしきい値よりも小さいならば、第2のデジタル値が受けた信号に由来される。上側のしきい値の値、下側のしきい値の値は、例えば、初期化シーケンスの間に受けたデジタルシーケンスの電位により適合されることができる。
【0055】
図7は、
図3の制御装置の接続体の変形例を示す。この例では、変換部33は、制御装置の間の通信に用いられる周波数にバンド幅を限定するフィルタを含む。ここでは、フィルタはRCタイプであり、容量333は抵抗332と並列に接続される。
【0056】
図8は、
図5の制御装置の接続体の変形例を示す。この例では、変換部34は、制御装置の間の通信に用いられる周波数にバンド幅を限定するフィルタを含む。ここでは、フィルタはRCタイプであり、容量343は入力部321と電位V
nとの間に接続される。
【0057】
前に説明したように、電位変換部33に関して、デジタルシーケンスの論理レベルの不確かさを限定するルールが設定されることができる。もしも、抵抗331の値がR331として定義され、抵抗332の値がR332として定義されるならば、すなわち、
a=R331/R332
である。
【0058】
例えば、
図3の制御装置31により制御装置32へと伝達されるデジタル信号の電位が制御装置32の供給電位の間にあるためには、次の関係が証明されなくてはならない。
0≦(V
n+1−V
n−1)/(1+a)≦(V
n−V
n−1)
【0059】
kが、一方の充電された段の最大電位差と、他方の放電された段の最小電位差との間の比率であるときに、もしもk<aであるならば、前の不等式は証明される。
【0060】
いったん比率aが設定されると、抵抗R331、R332の桁(orders of magnitude)は、決定されたままで維持される。これらの値は、例えば、アナログ/デジタル変換部304の入力インピーダンスにより、及び/又は、変換部33の好ましいバンド幅により、設定されることができる。
【0061】
前に説明したように、電位変換部34に関して、デジタルシーケンスの論理レベルの不確かさを限定するルールが設定されることができる。もしも、抵抗341の値がR341として定義され、抵抗342の値がR342として定義されるならば、すなわち、
b=R342/R341
である。
【0062】
例えば、
図5の制御装置32により制御装置31へと伝達されるデジタル信号の電位が制御装置31の供給電位の間にあるためには、次の関係が証明されなくてはならない。
0≦(V
n+1−V
n)×R342/(R341+R342)−(V
n−V
n-1)×R341/(R341+R342)≦(V
n+1−V
n)
【0063】
kが、一方の充電された段の最大電位差と、他方の放電された段の最小電位差との間の比率であるときに、もしもk<bであるならば、前の不等式は証明される。
【0064】
いったん比率a又はbが設定されると、抵抗R341、R342の桁は、決定されたままで維持される。これらの値は、例えば、アナログ/デジタル変換部304の入力インピーダンスにより、及び/又は、変換部34の好ましいバンド幅により、設定されることができる。
【0065】
各制御装置は、例えば、その段の端子間に放電電流を加えるために、中央装置又はマスター装置から受けた指令を実行することができる。そのような放電電流は、例えば、複数の段の電荷平衡(charge balancing)を実行するために、提供されても良い。
【0066】
図9は、その段のバランシング放電(balancing discharge)を実行するために設けられた制御装置30の第1変形例を示す。制御装置30は、処理部306からの指令により選択的に電力を供給される抵抗307を備える。ここでは、抵抗307は、制御装置30に接続された段の放電を実行するために、電位V
0に接続される。
【0067】
図10は、制御装置30の第2変形例を示す。制御装置30は、一方では、マイクロコントローラと、マイクロコントローラの処理部306により制御されるトランジスタ308と、電位V
0と電位V
1との間でトランジスタ308と直列に接続される抵抗307とを備える。ここでは、トランジスタ308はnMOSタイプであり、2状態モード(two-state mode)で制御される。そのような制御装置30は、比較的に大きな放電電流が加えられることができる。
【0068】
変形例によると、制御装置30は、第1及び第2の論理レベルの供給電位及び第3の論理レベルの高インピーダンス状態を加えるために設けられることができる。
図3の例では、出力部322が高インピーダンス状態にあるときに、電位V
n−1が入力部311に加えられる。入力部311に加えられる電位は、そのとき、段41、42の電位差とは独立である。制御装置30の第1及び第2の供給電位は、例えば、1を符号化し(encode a 1)、高インピーダンス状態は0を符号化することができる。電位差を推定し、それをデジタルシーケンス中の符号化された電位差と比較するために、第1及び第2の供給電位は他の制御装置により用いられることができる。
【0069】
図4の例では、出力部312が高インピーダンス状態にあるときに、電位V
n+1が入力部321に加えられる。入力部321に加えられる電位はこのように安定しており、制御装置30のアナログ/デジタル変換部の全範囲が用いられることを可能にする。制御装置30の第1及び第2の供給電位は、例えば、0を符号化し、高インピーダンス状態は1を符号化することができる。電位差を推定し、それをデジタルシーケンス中の符号化された電位差と比較するために、第1及び第2の供給電位は他の制御装置により用いられることができる。
【0070】
通信及び冗長情報は、このように相関を失わされることができる。
【0071】
図11は、蓄電池システムの他の例の概略図である。ここでは、この例は下り通信に対応するが、それは同様の方法で上り通信として実行されても良い。システム1のコストを削減するために、直列のいくつかの段を備え、安全の観点で重要な、各段の端子間の電位差を測定する能力を維持する同じモジュールによって、各制御装置は共用される。図示するように、システム1は、直列に接続された2つのモジュール61、62を備える。モジュール61、62は更に図示されていない他のモジュールとも直列に接続される。モジュール61は直列に接続された、複数の蓄電池611を備える。モジュール62は直列に接続された、複数の蓄電池621を備える。図示されたモジュール61、62の各段は、単一の蓄電池を備えるが、各段は、もちろん、並列に接続された複数の蓄電池を備えることもできる。単純化のために、モジュール61、62は、直列に接続された、同数mの蓄電池を備える。
【0072】
第1制御装置31は、モジュール61に属し、モジュール61に電気的に接続される。いろいろな電位V
N〜V
N+mが制御装置31の測定入力部に加えられる。いろいろな電位V
N+1〜V
N+mは更にアナログレベルマルチプレクサ314の入力部に加えられる。電位V
Nは、更に、マルチプレクサ314の基準端子に加えられる。第2制御装置32は、モジュール62に属し、モジュール62に電気的に接続される。いろいろな電位V
N+m+1〜V
N+2mが制御装置32の測定入力部に加えられる。いろいろな電位V
N+m〜V
N+2mは更にアナログレベルマルチプレクサ324の入力部に加えられる。電位V
N+mは、更に、マルチプレクサ324の基準端子に加えられる。制御端子(control terminal)に加えられる信号により、アナログマルチプレクサはそれらの出力部に、入力部又は基準端子で受ける電位の1つを選択的に加える。
【0073】
電圧制御装置に対応するレベルを有し、モジュール中の直列のいろいろな蓄電池に関して同一の消費量を有する、安定な供給電圧を有するために、制御装置は、有利には、モジュール全体の端子に接続された電圧調整回路により電力を供給される。例では、制御装置31には電圧調整回路313が提供され、制御装置32には電圧調整回路323が提供される。ここでは、電圧調整回路313、323はステップダウン型の電圧変換部であり、それらの入力部はそれらの個々のモジュールの端子間の電位差により電力を供給される。もしも、電位差(全ての段について実質的に同一であると仮定して)がV
mと定義されるならば、電圧調整回路313、323は有利にはこの電位差V
mでそれらの個々の制御装置に電力を供給する。
【0074】
図11に示す例では、通信は制御装置32から制御装置31へと行われる。制御装置31は、入力インターフェイス311及び出力インターフェイス312を有する。出力インターフェイス312は、マルチプレクサ314の制御入力部に接続される。制御装置32は、入力インターフェイス321及び出力インターフェイス322を有する。出力インターフェイス322は、マルチプレクサ324の制御端子に接続される。マルチプレクサ324の出力部は、電位レベル変換部33を介して入力インターフェイス311に接続される。ここでは、前の例で説明したように、変換部33は、その基準端子とその入力部との間に分圧部を形成する。ここでは、変換部33は、マルチプレクサ324と入力部311との間に接続された抵抗331、及び、入力部311と制御装置31の基準電位V
Nとの間に接続された抵抗332を有する。
【0075】
制御装置32は、指数k(kは1〜mの間にある)の蓄電池の上側の端子の電位、又は、モジュール62のこの蓄電池の端子間の電位差を測定する。測定値はデジタル化され、高い論理レベルを提供するであろうマルチプレクサ324の入力部、又は、低い論理レベルを提供するであろう基準端子を選択するために、デジタルシーケンスは出力部322に加えられる。マルチプレクサ324は、m+1の異なる入力電位を有する。
【0076】
有利には、ある電位(例えば、電位V
N+m〜V
N+m/2)は低い論理レベルを符号化するために用いられ、他の電位(例えば、電位V
N+m/2+1〜V
N+2m)は高い論理レベルを符号化するために用いられる。デジタルしきい値Snは、V
N+m/2〜V
N+2m+1の間に設定される。マルチプレクサ324を介して生成されたデジタルシーケンスは、高状態について異なる電位を用いても良い。同様に、マルチプレクサ314を介して生成されたデジタルシーケンスは、高状態について異なる電位を用いても良い。制御装置31は、このように、蓄電池621の各端子の電位を冗長的に有しても良い。
【0077】
図12は、モジュール62中の直列の3つの蓄電池を用いる簡略化された場合の、デジタルシーケンスの生成の間にマルチプレクサ324の出力部に加えられる電位の例を示す概略図である。電位V
N+m、V
N+m+1は0を符号化し、電位V
N+m+2、V
N+2mは1を符号化する。低いアナログしきい値Sbaは、0を符号化する電位が特定されることを可能にし、高いアナログしきい値Shaは、1を符号化する電位が特定されることを可能にする。適切なアナログしきい値を用いることで、制御装置31は、電位がデジタルシーケンスの所定のビットで用いられる蓄電池621を特定することができる。
【0078】
制御装置31により受けられる電位の展開により、いろいろなしきい値は経時的に適合されても良い。
【0079】
マルチプレクサ324による伝達は、個々の変換部に加えられる2つの出力値を介して行われても良い。第1論理レベルを伝達するために、マルチプレクサ324の第1出力部は、例えば、V
N+m+kを加え、第2出力部はV
N+m+k+1を加えても良い。第2論理レベルを伝達するために、マルチプレクサ324の第1及び第2の出力部はV
N+mを加えても良い。