【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、本発明は、歯清掃器具を提供し、この歯清掃器具は、ハンドルと、噴射状動作流体をユーザの歯へ送出させるための流体送出システムと、ユーザの歯に接触するための手段であって、器具をユーザの歯に沿って移動させる際にハンドルに対して移動可能である、手段と、ハンドルに対する接触手段の移動に伴って変化する出力を提供するためのセンサと、センサからの出力に応じてユーザの歯へ少なくとも1噴射の動作流体を送出させることを作動させるための制御回路と、を備え、制御回路が、センサからの出力の時間変化に応じてユーザの歯への送出パラメータを調整するように構成されている。
【0006】
一形態において、接触手段は、流体送出システムの一部を備える。例えば、接触手段は、ユーザの歯へ噴射状動作流体を送出させるためのノズルを備え得る。第2態様において、接触手段は、流体送出システムから離間している。接触手段は、器具をユーザの歯に沿って移動させる際にハンドルに対して移動可能である、好ましくは同様にノズルに対して移動可能である接触部材を備える。接触部材は、好ましくは、プローブ、指体または針体のような細長い部材の形態にある。接触部材は、ノズルに隣接して位置し得る。
【0007】
接触部材の長手方向軸は、ハンドルの長手方向軸にほぼ直交して位置合わせされ得る。ノズルは、ノズル軸に沿って延在し、このノズル軸は、ノズルの先端に位置する流体出口を通過する。ノズル軸は、接触部材の長手方向軸にほぼ平行に位置合わせされ得る、または、ノズルは、接触部材の長手方向軸に対して角度付けされ得る。例えば、ノズルは、接触部材の長手方向軸に対して鋭角で、例えば45°未満の角度で、角度付けされ得る。ノズルは、例えば伸縮性材料もしくはゴムのような比較的可撓性を有する材料から、または、ステンレス鋼のような比較的硬質の材料から、形成され得る。
【0008】
接触手段は、器具の使用中に接触手段をユーザの歯に沿って移動させる際に、特に接触手段が歯間間隙内に入った後で歯の側面に係合するときに、接触手段の先端が接触手段の基部に対して移動し得るまたは反り得る態様で、ハンドルに対して移動可能であり得る。例えば、接触手段の少なくとも一部は、曲がるように構成され得る。接触手段の少なくとも一部は、弾性材料から形成され得る。例えば、接触手段の先端は、伸縮性材料またはゴムのような比較的可撓性を有する材料から形成され得る一方、接触手段の基部は、プラスチックまたは金属材料のような比較的固い材料から形成され得る。このように接触手段が反ることにより、センサからの出力は、変化され得、この変化に応じて、制御回路は、ユーザの歯へ噴射状動作流体を送出させることを作動させ得、間隙内に位置する物質を除去する。
【0009】
あるいは、接触手段は、ノズル軸にほぼ平行に延在する方向でハンドルに対して移動可能であり得る。接触手段は、好ましくは、器具の使用中に接触手段をユーザの歯に当接付勢させるような方向でハンドルに対して移動させるために偏位されている。接触手段をユーザの歯に沿って移動させるときに接触手段が歯間間隙内に入る際、このように接触手段がハンドルに対して移動することにより、センサからの出力は、変化させられ、この変化に応じて、制御回路は、ユーザの歯へ噴射状動作流体を送出させることを作動させ、間隙内に位置する物質を除去する。この形態において、接触手段は、好ましくは、プラスチック材料またはステンレス鋼のような比較的硬質な材料から形成されている。
【0010】
センサは、ハンドルに対する接触手段の移動を直接検出するように構成され得る。例えば、センサは、接触手段に隣接して位置し得る。接触手段は、基部と、ユーザの歯に係合するための先端と、を備え得、センサは、接触手段の基部に隣接して位置し得る。センサは、センサと接触手段の基部との間の相対位置に応じて変化する出力を生じさせるように構成され得る。
【0011】
センサは、接触手段に接続されているまたは接触手段と共に移動可能である構成部材の移動を検出するように構成され得る。例えば、腕体は、接触手段に接続され得、センサは、ハンドルに対する腕体の移動を検出するように構成され得る。腕体は、器具の使用中にユーザの歯に接触手段を当接付勢する方向でハンドルに対して移動するように偏位され得る。例えば、腕体は、腕体に係合する弾性部材によってその方向で移動するように付勢され得る。あるいは、腕体は、腕体の弛緩が接触手段をユーザの歯に当接付勢させるような態様で弾性変形され得る。あるいは、接触手段は、例えば接触手段から外方に延在する弾性環状フランジなどの弾性手段によって器具の本体に固定され得、この弾性手段は、接触手段をユーザの歯に当接付勢する。フランジは、同様に、接触手段と本体との間のシールを形成し得、このシールは、放出した動作流体または他の材料が接触手段の周囲から器具の本体内へ進入することを抑制する。
【0012】
腕体は、複数の様々な方法のうちの1つにおいてハンドルに対して移動可能であり得る。例えば、腕体は、ハンドルに対してスライド可能、回転可能または他の方法で平行移動可能であり得る。あるいは、腕体は、伸長可能または拡大可能であり得る。腕体は、好ましくは、軸回りに回動可能である。この軸は、好ましくは、ハンドルの長手方向軸にほぼ直交する。軸は、好ましくは、接触手段の長手方向軸に対して角度付けされており、より好ましくは、接触手段の長手方向軸にほぼ直交する。
【0013】
腕体は、好ましくは、器具の使用中に腕体がハンドルに対して移動するまたは接触手段をユーザの歯に当接付勢させる際に腕体が変形しない、曲がらないまたは捩れないような剛性を有する。腕体は、好ましくは、金属材料及びプラスチック材料のうちの一方から形成されている。しかしながら、腕体を使用して接触手段をユーザの歯に向けて偏位させる場合、腕体は、より可撓性を有する材料から形成されてハンドルに対して移動自在であり得る。
【0014】
腕体は、好ましくは、弾性部材によってハンドルに対して移動するために偏位されている。弾性部材は、腕体が接続される構成部材に係合し得る。弾性部材は、好ましくは、腕体に力をかけ、この力は、ユーザにとって不快である歯に過剰な力をかけることなく、腕体をユーザの歯に押し付ける際に弾性部材の偏位力に抗して接触手段が移動することを可能とするのに十分な大きさである。
【0015】
弾性部材は、本体と腕体との間に位置し得、それにより、器具の使用中に接触手段をユーザの歯に当接付勢させる方向で、腕体を付勢して軸回りに移動させる。弾性部材は、バネまたは別の伸縮性素子の形態にあり得る。弾性部材は、腕体に直接係合し得る、または、弾性部材は、器具のうち腕体に接続されて腕体と共に移動可能である構成部材に係合し得る。このような構成部材は、ハンドルに対して移動するために腕体を支持するための支持体となり得る。
【0016】
センサは、ハンドルに対する腕体の移動に伴って変化する出力を提供するように構成され得る。センサは、運動検出器の形態にあり得る。センサは、接触手段または腕体の運動を直接検出するように構成され得る。例えば、センサは、接触手段または腕体から反射した可視光または赤外光のような光を受信するためのカメラまたは光センサのような光検出器の形態であり得る。あるいは、腕体の少なくとも一部は、磁性材料から形成され得、センサは、センサが受けた磁界における変化から腕体のその磁性部分の移動を検出するように構成されている。例えば、センサは、ホール効果センサであり得る。
【0017】
あるいは、センサは、腕体と共に移動可能である構成部材の運動を検出するように構成され得る。その構成部材は、光反射構成部材または光放射構成部材を備え得る。あるいは、構成部材は、腕体に接続された変形可能部材を備え得、センサは、その変形可能部材の変形を検出するように構成され得る。例えば、変形可能部材は、腕体に接続された伸縮性棒体の形態にあり得、センサは、変形可能部材の歪と共に変化する信号を出力するための歪ゲージの形態にあり得る。
【0018】
好ましくは、構成部材は、磁石を備え、センサは、好ましくは、磁石がセンサに対して移動する際にセンサが受ける磁界における変化から磁石の移動を検出するように構成されている。磁石は、例えば腕体の自由端部になど、腕体に直接接続され得る。あるいは、組み立てを容易にするため、磁石は、それ自体が腕体に接続されたまたは腕体によって担持されている構成部材に接続され得る。センサが接触手段の基部の移動を検出するように構成されている場合、磁石は、接触手段の基部に接続され得る。あるいは、接触手段の基部は、磁気材料から形成され得る。
【0019】
器具は、好ましくは、ヘッドと、ヘッドとハンドルとの間に延在するステムと、を備える。ヘッドは、好ましくは、接触手段を備える。例えば、ノズルまたは接触部材は、ヘッドに隣接して位置し得る。センサは、磁石の移動を検出するために器具内の利便性のある場所に位置し得る。例えば、センサは、ヘッド内に位置し得る。あるいは、センサは、器具のハンドル内に位置してセンサを制御回路に接続することを容易にし得、この制御回路は、好ましくは、器具のハンドル内に位置する。磁石は、好ましくは、ステム内に位置する。このため、腕体は、ステムとヘッドとの間に延在する。
【0020】
制御回路に給電するためのバッテリは、好ましくは、器具のハンドル内に位置する。バッテリは、好ましくは、充電式バッテリである。
【0021】
器具が接触部材及びノズルを備えている場合、接触部材及びノズルは、好ましくは、ヘッドから好ましくはヘッドの共通側から外方に突出する。接触部材は、好ましくは、ノズルを越えてヘッドから外方に突出する。接触部材は、ノズルから間隔をあけ得る。例えば、接触部材は、ノズルに隣接してまたはノズルのそばに位置し得、それにより、接触部材が歯間間隙内に入ると、ノズルは、歯間間隙に近接近して位置し得る。ノズル軸が接触部材の長手方向軸に対して角度付けされている場合、ノズルは、接触部材に対して角度付けされ得、それにより、噴射状動作流体を接触部材の先端の前方にまたは一側に直接向ける。このため、ノズルは、接触部材がそこへ入るようにまたはそこから出るように移動した歯間間隙内に噴射状動作流体を直接放出し得る。
【0022】
接触部材は、ハンドルの長手方向軸に沿ってまたは平行に延在する方向でノズルから間隔をあけ得る。接触部材は、ヘッドを中心としてまたはヘッドの一端部にもしくは一端部に向けて、位置し得る。ノズルは、ヘッドの他端部にまたは他端部に向けて位置し得る。あるいは、ノズルは、ヘッドを中心として位置し得、接触部材は、ヘッドの一側にまたは一側に向けて位置し得る。さらなる代替として、接触部材の一部は、ノズルの孔部内に位置し、動作流体は、この孔部を通してノズルから放出される。この場合において、センサは、孔部内でのノズルに対する接触部材の移動を検出するように構成され得る。例えば、センサは、接触部材の基部に隣接してヘッド内に位置し得、接触部材または接触部材に接続された構成部材のセンサに向かうかつ/またはセンサから離間する移動を検出する。接触部材は、ノズルと同軸であり得る。
【0023】
接触手段は、好ましくは、ヘッドに対して移動可能である。接触手段は、好ましくは、ヘッドから離間するように延在する方向でヘッドに対して移動するために偏位されている。
【0024】
接触手段は、好ましくは、ヘッドに対して遠位位置と近位位置との間で移動可能である。接触手段は、好ましくは、遠位位置に向けて移動するために偏位されている。制御回路は、好ましくは、接触手段の遠位位置に向かうまたは遠位位置からの移動に応じて、ユーザの歯への動作流体の送出を作動させるように構成されている。
【0025】
制御回路は、センサからの出力、例えばセンサからの出力の大きななどに応じて、ユーザの歯へ少なくとも1噴射の動作流体を送出させることを作動させるように構成されている。好ましくは、制御回路は、センサからの出力の変化率に応じて、ユーザの歯へ動作流体を送出させることを作動させるように構成されている。センサからの出力は、好ましくは、電圧の形態にある。
【0026】
好ましい形態において、制御回路は、あらかじめ定めた時間間隔でセンサからの出力を抽出するように構成されており、一連の抽出センサ出力Sを提供する。例えば、あらかじめ定めた時間間隔は、5msから25msの範囲に、好ましい形態において10msであり得る。抽出センサ出力Sの変化率Srは、逐次的な抽出センサ出力S間の差から計算される。好ましい形態において、Srは、10ms毎に計算される。
【0027】
制御回路は、n個の直近の値Srの平均値を計算することによって、センサ出力の平均変化率Saを判断するようにさらに構成されている。整数nは、好ましくは、5から40の範囲に、好ましい形態において、10である。このため、この値Saは、同様に、10ms毎に計算される。値Saから、100msの期間にわたって接触手段が遠位位置に向けて移動しているか遠位位置から離間移動しているか、またはハンドルに対して比較的静止した位置、例えば遠位位置にあるままであるか、判断し得る。
【0028】
制御回路は、好ましくは、値Saに応じて、ユーザの歯へ動作流体を送出させることを作動させるように構成されている。制御回路は、値Saの時間変化に応じて、ユーザの歯へ動作流体を送出させることを作動させるように構成され得る。例えば、第1自動モードにおいて、制御回路は、(i)値Saがあらかじめ設定された第1閾値を超えて上昇したまたは第1閾値未満に落ち込んだときに(これは接触手段がその遠位位置に向けて移動することを示す)、及び、(ii)値Saがその後あらかじめ設定された第2閾値を超えて上昇したまたは第2閾値未満に落ち込んだときに(これは接触手段が歯間間隙内に位置するまたはその近位位置に向けて歯間間隙から離間移動していることを示す)、ユーザの歯へ動作流体を送出させることを作動させるように構成されている。
【0029】
接触手段が遠位位置から離間移動することに応じてユーザの歯へ動作流体を送出させることを作動させることに関連する利点は、例えば清掃動作の終わりにおいて器具がユーザの歯から離間移動すると、動作流体がノズルから放出されないこと、である。
【0030】
上述のように、制御回路は、センサからの出力の時間変化、好ましくはセンサからの出力の変化率の時間変化に応じて、ユーザの歯への送出パラメータを調整するように構成されている。例えば、値Saがあらかじめ設定された期間にわたってあらかじめ設定された第2閾値未満に落ち込まないまたは第2閾値を超えて上昇しない場合、これは、係合手段が比較的大きな歯間間隙内に位置している、または、係合手段がユーザの歯に対してほぼ静止した位置で保持されている、ことを示し得る。別の例として、あらかじめ設定された期間にわたって、値Saがあらかじめ定めた範囲間、例えばあらかじめ設定された第1及び第2閾値間のままであることは、同様に、係合手段が比較的大きな歯間間隙内に位置している、または、係合手段がユーザの歯に対してほぼ静止した位置で保持されている、ことを示し得る。
【0031】
これに応じて、制御回路は、ユーザの歯への送出パラメータを調整し得、例えば、送出中にユーザの歯へ送出される流体の体積を調整する、好ましくは増加させる。これは、各噴射内の動作流体の体積、各噴射内の動作流体の圧力及び送出中の噴射数のうちの少なくとも1つを変化させる、好ましくは増加させることによって、達成され得る。
【0032】
このあらかじめ設定された期間が経過すると、制御回路は、あらかじめ設定された期間が経過するとすぐに、そのため、係合手段が歯間間隙から外へ移動し始める可能性のある前に、自動的にユーザの歯へ動作流体を送出させることを作動させるように構成され得る。これにより、器具の動作モード数を増加させ得る。器具は、第1自動モードで使用され、器具をユーザの歯にわたって移動させて係合手段がユーザの歯間の歯間間隙内にまたは歯間間隙から外へ移動する際に、噴射状動作流体を自動的に生成し得る。第1自動モードにおいて、器具は、ユーザが選択した歯間間隙内に係合手段が位置している状態で、器具を静止して保持することに応じて第2自動モードに入り得、動作流体の送出を変化させる。
【0033】
例えば、器具を第1自動モードで使用すると、動作流体の送出それぞれは、比較的小さな体積の動作流体かつ/または、比較的少ない噴射数の動作流体を備え得、これにより、動作流体を節約することが可能となり得る。一方、器具を第2自動モードで使用すると、動作流体の送出それぞれは、比較的大きな体積の動作流体かつ/または比較的大きな噴射数の動作流体を備え得る。これにより、器具を第2自動モードにあるときに、選択した歯間間隙内に位置する物質を除去し得る可能性を改善し得る。このあらかじめ設定された期間の継続時間は、好ましくは、少なくとも1秒である。
【0034】
センサからの出力の時間変化があらかじめ定めた期間にわたってあらかじめ設定された第1及び第2閾値間にあるままである場合、ノズルからの動作流体の放出は、ユーザの歯への動作流体の送出における体積のようなパラメータにおける変化とは無関係に提供され得る。第2態様において、本発明は、歯清掃器具を提供し、この歯清掃器具は、ハンドルと、噴射状動作流体をユーザの歯へ送出させるための流体送出システムと、ユーザの歯に接触するための接触手段であって、器具をユーザの歯に沿って移動させる際にハンドルに対して移動可能である、接触手段と、ハンドルに対する接触手段の移動に伴って変化する出力を提供するためのセンサと、あらかじめ定めた期間を経過すると、少なくとも1噴射の動作流体をユーザの歯へ自動的に送出させることを作動させるための制御回路であって、この期間においてセンサからの出力の時間変化があらかじめ設定された第1及び第2閾値間にあるままである、制御回路と、を備える。
【0035】
上述のように、腕体は、好ましくは、回動軸回りに移動可能である。このため、接触手段がヘッドに対してその遠位位置及び近位位置間で移動する際、接触手段は、好ましくは、好ましくは腕体の回動軸に位置する中心を有する円弧状である湾曲経路に沿って移動する。接触手段の先端が回動軸回りに角度方向で移動する範囲は、好ましくは、1°から5°の範囲にある。好ましい形態において、接触手段の先端は、接触手段が遠位位置から近位位置まで移動する際に、約2.5°の角度だけ回動軸回りに移動する。このため、接触手段は、接触手段の長手方向軸を含む平面内でかつその平面内に位置する湾曲経路または円状経路移動するために偏位されるとみなされ得る。接触手段がその遠位位置にあると、接触手段の長手方向軸は、好ましくは、ハンドルの長手方向軸に対して90°の角度で位置合わせされている。
【0036】
器具の使用中に接触手段がユーザの歯に沿って移動することを容易にするため、ヘッドは、好ましくは、ユーザの歯に係合するための手段を備え、接触手段は、接触手段がその遠位位置及び近位位置間で移動する際に係合手段に対して移動可能である。ユーザの快適性のため、係合手段は、弾性または伸縮性材料から形成され得る。係合手段は、ほぼ平坦な上面、湾曲状上面または段状上面を有し得る。例えば、係合手段は、凹状上面を有し得る。接触手段がヘッドに対してその遠位位置にあると、接触手段の先端は、好ましくは、係合手段の少なくとも一部を越えて外方へ突出し、それにより、接触手段をユーザの歯に押し付けると、接触手段は、遠位位置から離間して近位位置に向けて移動する。
【0037】
器具は、ユーザの歯にある間隙間を清掃するための専用の歯間清掃器具の形態にあり得る。接触手段をユーザの歯に沿って移動させる際、接触手段が隣接する歯間の間隙内に入ることは、センサに対する磁石の移動の結果として生じるセンサからの出力の変化を介して検出される。このような器具において、係合手段は、単一の弾性部材を備え得る。弾性部材は、接触手段を囲み得る。あるいは、係合手段は、複数の弾性部材を備え得る。弾性部材は、ヘッドの両側または両端部に位置し得る、または、接触手段の周りに配設され得る。例えば、弾性部材は、接触手段の周囲に配設され得る。弾性部材は、伸縮性材料から形成され得る。
【0038】
あるいは、器具は、歯ブラシの形態にあり得、この歯ブラシは、噴射状動作流体を歯間間隙内へ放射することを介して歯間清掃を改善するさらなる機能を有する。器具が歯ブラシの形態にあると、係合手段は、好ましくは、複数の毛または複数の毛房を備える。毛または毛房は、好ましくは、接触手段の周りに配設されている、または、接触手段の周囲に配設され得る。毛房は、好ましくは、ノズルの周りに配設されているが、ノズルは、例えば毛房列の一側に対して、外側に位置し得る。この場合において、ノズルは、毛がノズルから放射された噴射状動作流体それぞれの経路から間隔をあけるように毛房列の側方へ噴射状動作流体を放出するように、または、隣接する毛房間に噴射状動作流体を放出させるように、構成され得る。
【0039】
毛は、ヘッドの静止セクションに取り付けられ得、このセクションは、ハンドルに対して移動可能ではない。あるいはまたはさらに、複数の毛は、ヘッドの移動可能セクションに取り付けられ得、このセクションは、ハンドルに対して移動可能である。好ましい形態において、器具は、毛支持体及び毛支持体に備え付けられた複数の毛を備えるブラシユニットを備えており、毛支持体は、ハンドルに対して移動可能である。接触部材は、好ましくは、ブラシユニットから離間するように延在する方向でブラシユニットに対して移動するように偏位されている。
【0040】
接触手段をブラシユニットに対して移動させることに加え、ブラシユニットは、好ましくは、接触手段に対して移動可能である。このため、ブラシユニットを接触手段に対して移動させて毛の端部がユーザの歯の表面上を清掃することをできるようにすることは、接触手段がハンドルに対して移動して噴射状動作流体をユーザの歯へ送出させることとは無関係であり得る。これにより、毛をハンドルに対して移動させた結果としてユーザの歯へ動作流体を送出させる誤ったまたは望まない作動を防止し得る。
【0041】
毛支持体は、ハンドルに対して平行移動、回転、回動または振動し得る。例えば、毛支持体は、接触部材がその遠位位置にあるときに、接触部材の周りで、好ましくは接触部材の長手方向軸回りで、軌道を描くように構成され得る。ブラシユニットは、好ましくは、接触部材の周りに少なくとも部分的に延在している。例えば、毛支持体は、例えばC字状など、湾曲状すなわち部分環状であり得、それにより、接触部材の周りに部分的に延在する。あるいは、毛支持体は、環状形状であるか接触手段を囲むように形付けられ得る。例えば、毛支持体は、開口部を備え得、接触手段は、この開口部を通って突出する。
【0042】
器具は、好ましくは、毛支持体の移動を駆動させるための駆動ユニットと、駆動体によって生じた回転運動を毛支持体の運動に変換するための伝達ユニットと、を有する。駆動ユニットは、好ましくは、器具のハンドル内に位置する。駆動ユニットは、好ましくは、バッテリによって給電されるモータと、1組の歯車と、を備える。駆動ユニットは、好ましくは、制御回路によって制御されている。
【0043】
制御回路は、駆動ユニットを制御してセンサからの出力に応じてブラシユニットの移動を調整するように構成され得る。例えば、上述のように、センサからの出力の時間変化があらかじめ定めた期間にわたってあらかじめ設定された第1及び第2閾値間にあるままの場合、制御回路は、ブラシユニットの移動速度または周波数を変化させる、好ましくは増加させるように構成され得る。これにより、比較的大きな歯間間隙内または歯間間隙の周囲からブラシユニットによって物質を除去し得る率を改善し得、係合手段は、この歯間間隙内において、ユーザによって比較的静止して保持されている。
【0044】
第3態様において、本発明は、歯清掃器具を提供し、この歯清掃器具は、ハンドルと、動作流体をユーザの歯へ送出させるための流体送出システムと、毛支持体及び毛支持体に備え付けられた複数の毛を備えるブラシユニットと、ハンドルに対するブラシユニットの移動を駆動させるための駆動ユニットと、ユーザの歯に接触するための接触手段であって、器具をユーザの歯に沿って移動させる際にハンドルに対して移動可能である、接触手段と、ハンドルに対する接触手段の移動に伴って変化する出力を提供するためのセンサと、センサからの出力に応じてユーザの歯へ動作流体を送出させることを作動させるための、かつ、駆動ユニットを制御してセンサからの出力に応じてブラシユニットの移動を調整するための、制御回路と、を備える。
【0045】
制御回路は、ユーザの歯へ動作流体を送出する前、送出している間、または送出した後に、ブラシユニットの移動を調整するように構成され得る。
【0046】
上述のように、センサをハンドル内に、ひいては接触手段から離間して位置させることに替えて、センサは、接触手段に隣接して位置し得る。例えば、センサは、接触手段の基部に隣接して、ヘッド内に位置し得、接触手段がセンサに向けてかつ/またはセンサから離間して移動することを検出するように構成され得る。このため、センサは、センサと接触手段の基部との間の相対位置に応じて変化する信号を出力するように構成され得る。上述のように、センサは、運動検出器の形態であり得る。センサは、接触手段または腕体の運動を直接検出するように構成され得る。例えば、センサは、接触手段から反射した光を受信するためのカメラまたは光センサのような光検出器の形態であり得る。あるいは、接触手段の少なくとも一部は、磁性材料から形成され得、センサは、センサが受ける磁界の変化から接触手段のうちその磁気部分の移動を検出するように構成されている。例えば、センサは、上述のように、ホール効果センサであり得る。あるいは、センサは、接触手段と共に移動可能な構成部材の運動を検出するように構成され得る。その構成部材は、光反射構成部材もしくは光放射構成部材または磁石を備え得る。
【0047】
動作流体は、好ましくは、液状動作流体、好ましくは、水である。
【0048】
流体送出システムは、加圧動作流体源及び弁を備え得る。加圧動作流体源及び弁は、好ましくは、器具のハンドル内に位置する。制御回路は、好ましくは、センサの出力に応じて所定期間にわたって弁を開放するように構成されている。弁は、好ましくは、ユーザの歯へ送出させるために選択した体積を有する噴射状加圧流体が流体源からノズルへ通過することを可能とするのに十分な期間にわたって開放される。この期間は、好ましくは1秒未満、より好ましくは0.5秒未満、さらにより好ましくは0.25秒未満である。
【0049】
動作流体が液状動作流体である場合において、加圧動作流体源は、水圧アキュムレータの形態にあり得る。水圧アキュムレータは、好ましくは、バネ式アキュムレータ及びガス充填式アキュムレータのうちのいずれかである。アキュムレータは、好ましくは、所定圧力下で動作流体を蓄えるための流体チャンバを備える。アキュムレータは、好ましくは、4barから7barの範囲にある圧力で動作流体を蓄えるように構成されている。流体チャンバは、好ましくは、0.1mlから1mlの範囲にある容積を有する。弁は、好ましくは、ソレノイド弁である。流体送出システムは、ソレノイド弁が閉塞位置にあるときに動作流体をアキュムレータへ供給するためのポンプを備え得る。ポンプは、流体入口を通して動作流体を引き込むように構成されている。ポンプは、好ましくは、ピストンポンプの形態にある。あるいは、ポンプは、隔膜ポンプであり得る。
【0050】
代替として、流体送出システムは、流体送出システムの流体入口を通して動作流体を引き込むための、かつ、噴射状動作流体をノズルへ送出するための、ポンプを備え得る。すなわち、流体送出システムには、アキュムレータ及びソレノイド弁が設けられていなくてもよい。ポンプは、ピストンポンプまたは隔膜ポンプのような容積式ポンプの形態にある。
【0051】
上述のように、制御回路は、センサからの出力に応じて単一噴射の動作流体を送出するように構成され得る。しかしながら、制御回路は、センサからの出力に応じて一連噴射の動作流体を送出するように構成され得る。一連内において、連続的な噴射状動作流体間の期間は、好ましくは、ほぼ等しく、好ましくは1msから25msの範囲に、より好ましくは2msから10msの範囲にあり、それにより、一連噴射全体は、単一の歯間間隙へ送出され得る。これにより、連続的な噴射それぞれの間で歯間間隙に対してノズルの先端の位置が若干変化することを可能とし得、そのため、歯間間隙内から物質を除去することを改善する可能性がある。
【0052】
一連内における噴射数は、好ましくは、2から10の範囲にある。一連噴射においてユーザの歯へ送出される動作流体の体積は、好ましくは、0.1mlから1mlの範囲にある。一連噴射内において、噴射状動作流体それぞれは、好ましくは、ほぼ同じであり、これは、好ましくは0.05mlから0.5mlの範囲、より好ましくは0.05mlから0.25mlの範囲にある。
【0053】
器具は、好ましくは、動作流体、好ましくは液状動作流体を蓄えるための流体容器を備え、動作流体は、この流体容器を通して、流体送出システムへ供給される。流体容器は、好ましくは、5mlから50mlの範囲にある容積を有する。例えば、25mlの容積を有する流体容器は、0.25mlの流体容積を有するアキュムレータと組み合わせて使用され、最大100噴射であるまたは最大100連噴射である0.25mlの動作流体をユーザの歯へ送出させることを可能とするのに十分な量の動作流体をアキュムレータに供給し得る。
【0054】
流体容器は、好ましくは、補給可能である。好ましくは、流体容器は、流体ポートを備えており、流体容器には、この流体ポートを通して、ユーザによって動作流体が補充され得る。流体ポートは、流体容器を区切る壁に位置し得る、または、流体ポートは、流体容器から離間して位置し、流体ポートから流体容器まで延在する流体導管によって流体容器と流体連通して配置され得る。
【0055】
器具のハンドルは、流体容器を備え得る。例えば、流体容器は、ハンドルの本体内に完全に収容され得る。あるいは、ハンドルの外壁は、流体容器を少なくとも部分的に区切り得る。外壁の少なくとも一部は、透明であり、ユーザが流体容器内に収容されている動作流体の量を見ることを可能とし得る。このような流体容器を補充するため、流体ポートは、ハンドルの本体にあるカバーを移動させることを通して、または、閉塞体または他の閉塞デバイスを流体ポートから取り除くことを通して、ユーザによって手動で露出され得る。
【0056】
流体容器は、ステム内に収容され得る。上述のように、ステムの外壁は、流体容器を少なくとも部分的に区切り得、その外壁のうちの少なくとも一部は、透明であり、ユーザが流体容器内に収容されている動作流体の量を見ることを可能とし得る。
【0057】
流体容器をステム内に収容することに替えて、流体容器は、ステムに接続され得、それにより、ステムの外方に位置する。これにより、流体容器は、必要に応じて補充や交換のためにステムから取り外されることが可能となる。あるいは、流体容器は、ステムに接続されている外壁によって部分的に区切られ得る。同様に、その外壁のうちの少なくとも一部は、透明であり、ユーザが流体容器内に収容されている動作流体の量を見ることを可能とし得る。
【0058】
流体容器の容積を最小化するためかつ器具の長手方向軸回りにおける比較的均等な重量分布のために、流体容器は、好ましくは、ステムの周りに延在する、または、ステムを囲む。
【0059】
器具は、好ましくは、ハンドルに接続された清掃具を備える。清掃具は、器具の接触手段を備える。清掃具は、好ましくは、ヘッドと、器具のステムと、を備える。
【0060】
清掃具は、好ましくは、ハンドルに取り外し可能に接続されている。これにより、例えば補給可能ではない流体容器を消耗させ始めたときまたは器具の毛及び/もしくはノズルが摩耗し始めたときに、交換することが可能となり得る。同様に、これにより、例えば異なるユーザが使用するために、異なる清掃具をハンドルに接続することが可能となり得る。上述のように、センサは、器具のハンドル内に設けられ得、これにより、センサと制御回路との間の電気的接続を容易にする。あるいは、センサは、例えば清掃具のヘッド内など、取り外し可能な清掃具内に位置し得る。この場合において、清掃具は、センサからの信号出力を制御回路へ伝送するための送信機を備え得、制御回路は、送信機から放射された信号を受信するための受信機を備え得る。信号は、電磁信号であり得る。あるいは、清掃具及びハンドルは、清掃具をハンドルに接続したときに接触する電気接点を備え得、制御回路がセンサからの信号出力を受信することができるようにする。
【0061】
流体容器は、好ましくは、ステムの一部を囲む外壁を備える。ステムのその一部は、好ましくは、器具のハンドルに隣接して位置する。外壁の少なくとも一部は、好ましくは、透明であり、好ましくは、透明プラスチック材料から形成されており、ユーザが流体容器内に収容されている動作流体の量を見ることを可能とし得る。好ましい形態において、外壁は、透明材料から形成された単一成形部品である。
【0062】
流体容器の外壁は、好ましくは、湾曲形状、凹状形状及び小面付形状のうちの1つを有する。外壁は、楕円体状、回転楕円体状及び球状のうちの1つである湾曲を有し得る。
【0063】
上述のように、器具は、流体ポートを備え得、流体容器には、この流体ポートを通して、動作流体が補充される。流体ポートは、好ましくは、流体容器の外壁に位置している。閉塞体または他の閉塞部材は、流体ポート内に取り外し可能に位置し得、動作流体が流体ポートを通して流体容器から漏洩することを抑制する。好ましい形態において、流体容器は、閉塞部材を備え、この閉塞部材は、閉塞部材によって流体ポートを露出させる開放位置と、閉塞部材が流体ポート内に位置する閉塞位置と、の間で移動するために流体容器に回動可能に接続されている。
【0064】
流体容器の外壁の少なくとも一部は、好ましくは、透明であり、好ましくは、透明プラスチック材料から形成されており、ユーザが流体容器内に収容されている動作流体の量を見ることを可能とし得る。好ましい形態において、外壁は、好ましくは、湾曲形状、凹状形状及び小面付形状のうちの1つを有する。外壁は、楕円体状、回転楕円体状及び球状のうちの1つである湾曲を有し得る。
【0065】
流体容器は、外壁に接続されている内壁を備え得る。内壁は、環状または管状形状であり、ステムの周囲に位置し得、それにより、流体容器をステムに備え付けるとステムとの接続を形成するスリーブを形成する。内壁の両端部は、例えば溶接技術を用いてまたは接着剤を用いて、外壁に結合され得る。あるいは、内壁は、外壁の少なくとも一部と一体とされ得る。好ましい形態において、外壁は、上側セクション及び下側セクションを備える。内壁は、好ましくは、外壁の上側セクションと一体とされており、外壁の下側セクションに結合されている。流体ポートは、好ましくは、外壁の下側セクションに形成されており、この下側セクションは、好ましくは、流体容器の底壁と一体とされている。外壁の上側セクションは、好ましくは、比較的透明な材料から形成されている。外壁の下側セクションは、比較的不透明な材料から形成され得る、または、外壁の上側セクションと同じ比較的透明な材料から形成され得る。
【0066】
内壁は、好ましくは、ステムと締まり嵌めを形成し、清掃具をハンドルから取り外したときに流体容器がステムから不意にスライドすることを防止する。内壁は、好ましくは、ステムの筒状外面と締まり嵌めを形成する。
【0067】
流体送出システムは、好ましくは、清掃具導管システムと、ハンドル導管システムと、を備える。ハンドル導管システムは、好ましくは、流体容器の流体出口ポートから動作流体を受けるための流体入口ポートを備える。流体容器の流体出口ポートは、好ましくは、流体容器の底壁に形成されている。ハンドル導管システムは、ハンドルの流体入口ポート、ポンプ及び流体出口ポート間で動作流体を搬送するための複数の導管を備える。清掃具導管システムは、好ましくは、ハンドル流体出口ポートから噴射状動作流体を受けるための流体入口ポートと、噴射状動作流体をノズルへ搬送するための少なくとも1つの導管と、を備える。
【0068】
ハンドルは、好ましくは、ステムが取り外し可能に接続される栓体を備える。栓体は、ほぼ筒状形状であり、外側筒状面を備えており、この外側筒状面は、好ましくは、ステムの内面と締まり嵌めを形成する。ハンドルの流体出口は、好ましくは、栓体に位置する。ステムは、好ましくは、ユーザによって栓体に押し込まれている。ステムの内面は、好ましくは、ほぼ筒状または管状形状であり、好ましくは、弾性材料から形成され、それにより、ステムを栓体に備え付けた際に生じる径方向力は、ステムを栓体で保持させるように機能する。バネクリップのような弾性部材は、内面を径方内側に付勢するまたは変位させるためにステムの内面の周りに設けられ得る。
【0069】
ハンドルは、流体容器を受けるために栓体の周りに延在する環状座部を備え得る。ハンドルの流体入口ポートは、好ましくは、座部に位置し、それにより、流体容器の流体出口ポートは、流体容器を座部に備え付けると、ハンドルの流体入口ポートに接続する。
【0070】
ステムは、好ましくは、清掃具をハンドルに接続すると、流体容器を座部で保持させるための保持部材を備える。この保持部材は、ステムの外面から外方へ延在するフランジを備え得る。このため、流体容器は、清掃具をハンドルに接続すると、フランジとハンドルとの間で保持され得、流体容器がハンドルから不用意に移動すること、ひいては流体容器の流体出口ポートがハンドルの流体入口ポートから接続解除されることを抑制する。フランジは、好ましくは、環状形状であり、それにより、流体容器の周りに均一に圧力がかかり得る。流体容器は、保持部材を受けるために、好ましくは凹所、より好ましくは環状凹所を備える。凹所は、好ましくは、流体容器の外壁に位置する。
【0071】
流体容器の内壁全体は、流体容器の外壁と共に、比較的硬質なプラスチック材料から形成され得、それにより、流体容器の容積は、一定であり、外壁の内面及び内壁によって画成される。
【0072】
上述のように、器具は、1以上のセンサからの出力に応じてユーザの歯へ動作流体を送出させることを作動させるための制御回路を備え、これらセンサは、接触手段のハンドルに対する移動を検出するように構成されている。例えばハンドルを取り扱っている間に、噴射状動作流体を望まず放出させる危険性を低減するために、器具は、好ましくは、ユーザの歯へ噴射状動作流体を送出させることを抑制する第1動作モードと、ユーザの歯へ噴射状動作流体を送出させることを許可する第2動作モードと、を有し、器具の使用中において、制御回路は、器具の検出した動作パラメータに応じて、第1動作モードと第2動作モードとの間の移行を自動的に生じさせるように構成されている。
【0073】
器具の様々な動作パラメータのうちの1つは、器具の動作モード間での移行を生じさせるために検出され得る。例えば、動作パラメータは、
−毛支持体の移動を駆動させるためのモータの作動状態(オンまたはオフ)、
−モータによって引き込まれた電流の大きさ、
−係合手段を介して清掃具にかけた力、係合手段にかけた力またはユーザがハンドルを把持した際にハンドルにかけた力の大きさのような、使用中に器具にかけた負荷の大きさ、
−器具の向き、
−流体容器内の動作流体の体積、
のうちの1つであり得る。
【0074】
制御回路は、好ましくは、器具の検出した動作パラメータが非ゼロ閾値を超えると第1動作モードと第2動作モードとの間の移行を生じさせるように構成されている。
【0075】
センサからの出力に応じてノズルへ動作流体を送出することに加えてまたは替えて、制御回路は、器具へのユーザの動作に応じてユーザの歯へ流体を送出させることを作動させるように構成され得る。そのユーザ動作は、器具のボタンの作動であり得る。
【0076】
例えば、器具は、ユーザによって選択可能でありかつセンサからの出力に応じて噴射状動作流体をユーザの歯へ送出させる「自動」モードすなわち第1流体送出モードを有し得る。そのモードがユーザによって選択可能でない場合、または、ユーザが「手動」モードすなわち第2送出モードを選択した場合、噴射状動作流体は、器具へのユーザの動作に応じて、ユーザの歯へ送出される。
【0077】
清掃具が移動可能な毛支持体を備える場合、検出した動作パラメータは、好ましくは、モータが引き込んで毛支持体を移動させる電流の大きさを備える。駆動ユニット及び伝達ユニットは、好ましくは、ハンドルに対する毛支持体の一定の移動速度を生じさせるように構成されている。ユーザがまず器具を作動させるまたはスイッチオンすると、器具は、ユーザの歯と接触していない傾向がある。その結果、モータが引き込んだ電流は、比較的低く、好ましくは設定した閾値より低く、それにより、器具は、まず作動されたときに第1動作モードにある。
【0078】
毛をユーザの歯に当接付勢させると、毛支持体の運動への抵抗は、毛を歯に押し付ける力に応じて、増加する。毛支持体の一定の移動速度を維持するために、モータは、毛支持体にかけた力に応じて、増加した所定量の電流を引き込む。制御回路は、モータが引き込んだ電流の大きさを検出し、その電流が閾値を超えていると、超えていることは、毛をユーザの歯に当接移動させるのに必要な電流を示しており、制御回路は、第2動作モードへの移行を生じさせる。検出した電流がその閾値より下へ落ち込むと、制御回路は、第1動作モードへ戻る移行を生じさせる。
【0079】
上述のように、接触手段は、好ましくは、近位位置と遠位位置との間で移動可能である。毛をユーザの歯に押し付ける際、毛は、反って、毛の端部と毛支持体との間の直接間隔を低減させ、同時に、接触手段の先端を毛支持体に向けて、そのためその近位位置に向けて移動させる。使用中に毛がどの程度曲がるかに、ひいては毛の剛性に応じて、ヘッドに対する接触手段の移動は、センサから受信した信号変化から検出され得、器具の使用中にヘッドにかけた負荷の指標として使用され得る。これは、特に、毛を静止した毛支持体に備え付けたまたは器具のヘッドに直接備え付けた場合に、有用であり得る。
【0080】
上述のように、清掃具は、好ましくは、ハンドルに取り外し可能に接続されている。これにより、ハンドルに1組の同様の清掃具を設けることが可能となり得、これら清掃具それぞれは、異なる識別子を有する。これにより、同様に、ハンドルに1組の異なる清掃具を設けることが可能となり得る。例えば、1組の清掃具は、ノズル及び移動可能ユニットを有する2以上の第1タイプの清掃具と、静止型ノズル及び移動可能ブラシユニットを有する第2タイプの清掃具と、ノズルを有し毛を有さない第3タイプの清掃具と、移動可能ブラシユニットを有しノズルを有さない第4タイプの清掃具と、から選択され得る。同様に、同じタイプであるが複数の個別の異なる清掃具、例えばそれぞれ異なる硬さを有する毛を有するまたはそれぞれ異なる流体出口サイズを有する第1タイプの清掃具を提供し得る。
【0081】
器具は、好ましくは、器具の上記構成部材のすべてを有する手持型器具である。
【0082】
清掃具は、予備の部品のような独立型品目として、または、既存のハンドルと共に使用するための代替型清掃具として、販売され得る。器具のハンドルは、同様に、例えば器具の予備の部品として、または、異なるユーザが使用するために、清掃具とは別個に提供される。例えば、個別の様々な形状を有するハンドルは、年齢の異なるユーザが使用するために提供され得る。
【0083】
本発明の上記態様のうちの1以上は、同様に、清掃装置または清掃器具にほぼ適用され得る。装置は、表面処理器具であり得る。例えば、装置は、動作表面を清掃するための装置、好ましくは手持型装置の形態にあり得、この装置において、ブラシユニットは、動作表面に係合するように構成されており、ノズルは、清掃中に清掃流体を動作表面に送達させるように構成されている。
【0084】
本発明の第1態様に関連した上述した機能は、本発明の第2及び第3態様それぞれに等しく適用可能であり、その逆も同様である。
【0085】
添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい機能を例としてのみ説明する。