【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、装置が、液体を保持するための容器と、液体に少なくとも1つの成分を加えるための投与ユニットとを備える、本発明による装置によって達成される。
【0008】
投与ユニットにより、液体、例えば水に、少なくとも1つの成分、例えば塩、好ましくはNaCl、を加えて、所望される水性液を得ることができる。ユーザは、容器を水道水で満たすことができ、この後、容器を望ましい水性液で満たすべく、投与ユニットによって必要な量の成分が水に加えられる。
【0009】
他の種類の塩もしくは他の種類の固体要素のような他の種類の成分または成分が加えられる液体よりも高濃度の塩を含む液体も可能である。成分が加えられるものとしては、水以外の他の種類の液体も可能である。
【0010】
この方法では、所望される特性を有する比較的多量の液体を容易に作ることができ、卵が新しくなる毎にキャビティに加える液体は、比較的少量であることが可能である。別の優位点は、この方法では、同じ特性を有する液体を用いて幾つかの卵が調理されることにある。容器内の大量の液体は、例えば1〜3リットルであるが、各卵に必要な液体は、例えば40〜100ミリリットルと少量である場合もある。
【0011】
本発明による装置の一実施形態は、使用時に、0℃〜100℃間の温度および2.45GHzのマイクロ波周波数で20〜500の間の虚数部ε”を有する誘電率の水性液を提供すべく、投与ユニットにより、水性である液体へ少なくとも1つの成分が加えられることを特徴とする。
【0012】
このような水性液の使用により、卵の良好な調理プロセスが達成され、これにより、卵黄および卵白の双方が望ましい特性を得ることが発見されている。記述した誘電率を有する水性液の優位点は、WO2012002814A1に記載されている。この文書は、本参照により本明細書の開示に含まれる。
【0013】
本発明による装置の別の実施形態は、液体が、NaCl、好ましくは0.1〜0.5MのNaCl、より好ましくは0.17〜0.23MのNaCl、を含む水であることを特徴とする。
【0014】
水は、あらゆる家庭またはレストランで容易に利用可能であり、NaClのような塩も容易に入手することができる。さらに、水と上述の量のNaClとの組合せは、人に無害である。
【0015】
本発明による装置の別の実施形態は、本装置が、少なくとも1つの成分を保持する容器内の成分量を検出するための手段を備えることを特徴とする。
【0016】
容器内の成分量を検出することにより、ユーザは、容器を交換する、または充填し直す必要があるという警告を受けることができる。さらに、装置は、容器が前記成分を充分に含有するまで、卵の調理に使用できないようにする場合もある。
【0017】
本発明による装置の別の実施形態は、本装置が、液体内の成分量を検出するための手段を備えることを特徴とする。
【0018】
液体内の成分量を検出することにより、この量が、例えば所望される閾値より少ない、または多ければ、ユーザは、液体が卵を適切に調理するための望ましい特性を有していないという警告を受けることができる。ユーザは、液体を保持する容器に新鮮な水を再充填する必要がある場合があり、および/またはユーザは、少なくとも1つの成分を保持する容器を交換または再充填する必要がある場合がある。さらに、装置は、液体内の成分量が所望される所定の閾値(予め決められた閾値)より下がる、または上がるまで、卵の調理に使用することを防止されるようにしてもよい。液体内の成分量を検出するための手段は、容器内部に配置される2つの離隔された電極を備えてもよく、これにより、これらの電極間の電流が測定され、液体内のNaClのような成分の量に依存する値を提供する。好ましくは、電気分解を防止するために交流が使用される。また、液体内の成分量を検出するための手段としては、他の種類を用いることもできる。
【0019】
また、液体内の成分量を検出するための手段は、容器内に液体が存在するかどうかを検出するためにも使用可能である。
【0020】
また、本発明は、上述の装置に適する、少なくとも1つの成分を供給するための投与ユニットにも関し、成分は、この投与ユニットによって所望される量で容易に送出されることが可能である。
【0021】
この目的は、本発明による投与ユニットによって達成され、この投与ユニットは、少なくとも1つの成分を保持するための容器と、容器を保持するためのハウジングとを備え、ハウジングは、駆動ユニットを装備し、容器は、供給デバイスおよび開口を装備し、駆動ユニットは、容器から開口を介して成分を供給すべく供給デバイスに着脱可能に連結される。
【0022】
容器がハウジングへ着脱可能に接続されるこのような投与ユニットの優位点の1つは、空の容器を新しい満杯の容器へ容易に交換できることにある。駆動ユニットを有するハウジングは、上述の装置のように装置の一部を形成することができる。容器は、一回限りの使用を意図されることが可能である一方で、ハウジングは、装置の寿命に渡って使用可能である。
【0023】
成分供給デバイスを容器と一体化させていることにより、ユーザは、成分供給デバイスを容器内の成分と接触させる必要がなく、これにより、成分の汚染が回避される。
【0024】
本発明による投与ユニットの一実施形態は、供給デバイスが回転可能なフィードスクリュ(供給スクリュ)であることを特徴とする。
【0025】
このようなフィードスクリュにより、成分は、前記回転可能なフィードスクリュの軸方向に容易に移送されることが可能である。
【0026】
本発明による投与ユニットの別の実施形態は、駆動ユニットがペン(pen)を備え、ペンは、ばねの力に対抗して、ペンが成分供給デバイスと連結される第1のポジションからペンが供給デバイスから連結解除される(切り離される)第2のポジションへ、またはこの逆に移動可能であることを特徴とする。
【0027】
このようなペンにより、駆動ユニットと成分供給デバイスとの容易な接続および切り離しが可能である。
【0028】
本発明による投与ユニットの別の実施形態は、ハウジングが、閉鎖位置から開放位置へ旋回可能である旋回可能カバーを装備し、ハウジングは、このカバーをその閉鎖位置からその開放位置へ、かつこの逆へ旋回させることによって、第1の連結ポジションから第2の連結解除ポジションへペンを動かすための手段を備えることを特徴とする。
【0029】
カバーが閉止されている限り、駆動ユニットは、ペンによって成分供給デバイスに接続される。ハウジングから容器を取り出す必要が生じるとすぐに、ユーザは、カバーを開き、これにより、自動的に駆動ユニットが成分供給デバイスから切り離され、成分供給デバイスは、ハウジングから自由に移動されることが可能である。
【0030】
本発明による投与ユニットの別の実施形態は、前記手段が、ペンの軸に対して垂直方向に移動可能なウェッジ(楔状部;wedge)を備え、ウェッジは、少なくともペンの連結解除ポジションにおいて、ペンのフランジに当接していることを特徴とする。
【0031】
このようなウェッジによって、フランジおよびフランジを装備したペンは、ペンの軸方向へ容易に移動されることが可能である。
【0032】
本発明による投与ユニットの別の実施形態は、本投与ユニットが、容器における少なくとも1つの成分の存在を検出するための手段を備えることを特徴とする。
【0033】
容器内の成分量を検出することにより、ユーザは、容器を交換する、または充填し直す必要があるという警告を受けることができる。
【0034】
本発明による投与ユニットの別の実施形態は、前記手段が、容器の反対側に配置される発光器および受光器を備え、前記容器は、少なくとも、発光器と受光器との間の、発光器により発せられる光を通す光路内に存在することを特徴とする。
【0035】
このような発光器および受光器により、容器内の成分量を容器外部から検出することができ、よって、発光器および受光器と成分との物理的接触が防止される。
【0036】
また、本発明は、上述の投与ユニットに適する、少なくとも1つの成分を保持するための容器にも関し、成分は、この容器によって投与ユニットへ容易に提供されることが可能である。
【0037】
この目的は、少なくとも1つの成分を保持するための容器が、容器の開口を介して成分を供給するための成分供給デバイスを装備している、本発明による投与ユニットによって達成される。
【0038】
成分供給デバイスを容器と一体化させていることにより、ユーザは、成分供給デバイスを容器内の成分と接触させる必要がなく、これにより、成分の汚染が回避される。さらに、供給デバイスを用いることにより、液体へ加えられる成分量を容易に制御することができる。
【0039】
供給デバイスとしては、小粒子を含む液体成分または固体成分を移送するためのあらゆる種類のデバイスを使用可能である。
【0040】
本発明による容器の一実施形態は、成分供給デバイスが開口から開口とは反対側に配置される通路まで延び、使用時に、駆動ユニットは、通路の近くで成分供給デバイスに着脱可能に接続可能であることを特徴とする。
【0041】
開口と通路とが反対側に配置されることから、開口から出る成分と通路の近くに配置される駆動ユニットとの物理的接触は、容易に防止される。好ましくは、液体を保持する容器は、成分を容器内の液体に直接加えることができるように開口の下に配置される。
【0042】
本発明による容器の別の実施形態は、成分供給デバイスが回転可能なフィードスクリュであることを特徴とする。
【0043】
このようなフィードスクリュは、比較的安価であり、かつ例えば射出成形によって容易に製造されることが可能である。使い捨て容器の場合、要求される寿命には限りがある。
【0044】
本発明による容器の別の実施形態は、少なくとも1つの成分を保持するための容器が、ポリプロピレンまたはポリスチレン等の食品認可材料で製造されることを特徴とする。
【0045】
このような材料により、容器は、例えば上述の装置を用いて卵を調理するためのNaClのパッケージとして使用されることが可能である。
【0046】
本発明による容器の別の実施形態は、少なくとも1つの成分を保持するための容器が、開口を閉じるためのキャップを備えることを特徴とする。
【0047】
キャップにより、容器内部の成分は、容器からこぼれることを防止されるが、より重要な点として、容器の中身の汚染が防止され、かつ湿気から保護される。
【0048】
本発明による容器の別の実施形態は、少なくとも1つの成分を保持する容器が密封されることを特徴とする。
【0049】
容器を、少なくとも1つの成分で充填された後に密封することにより、容器の中身は、汚染が防止され、かつ湿気から保護される。
【0050】
本発明による容器の別の実施形態は、容器内部に配置される少なくとも1つの成分が粉末状であることを特徴とする。
【0051】
粉末状の成分は、回転可能なフィードスクリュのような成分供給デバイスによって容易に移送されることが可能である。
【0052】
本発明による容器の別の実施形態は、少なくとも1つの成分がNaClを含むことを特徴とする。
【0053】
NaClは、例えば水のような液体へ加えられるべく、回転可能なフィードスクリュのような成分供給デバイスによって容易に移送されることが可能な成分である。NaClおよび必要であれば他の成分を、完全に密封されてキャップを外さない限り開かない容器内に保持することにより、成分は、汚染が防止され、かつ湿気から保護される。この方法では、容器の中身が容器の移送および貯蔵中も乾燥状態を保ち、よって、湿気による詰まりに関わる問題が回避される。
【0054】
本発明による容器の別の実施形態は、容器が500グラムから2000グラムまでの間のNaClを保持することを特徴とする。
【0055】
このような量は、容易に運搬可能であり、かつ上述の装置における使用に際して、卵200〜1000個分に適合する。
【0056】
本発明は、卵殻を有する少なくとも1つの卵を装置内で調理するための方法にも関し、前記装置は、ハウジング内の限定された空間内にマイクロ波放射線を提供するためのデバイスを装備したハウジングと、限定された空間内に配置されるホルダとを備え、前記ホルダは、卵殻を有する卵の形に適合される少なくとも1つのキャビティを装備し、前記ホルダは、キャビティ内に卵殻を有する卵を設置できる第1のポジションとホルダ部がキャビティを囲む第2のポジションとの間で互いに対して移動可能である少なくとも1つの第1のホルダ部および第2のホルダ部を備え、前記装置は、キャビティ内に配置される卵の卵殻を少なくとも部分的に包囲すべくキャビティを液体で満たすようにホルダ内に液体を注入するための手段をさらに備え、本方法により、液体は、所望される成分を容易に包含することが可能である。
【0057】
この目的は、装置が、液体を保持するための容器と、投与ユニットと、を備え、投与ユニットによって少なくとも1つの成分が液体に加えられる、本発明による方法によって達成される。
【0058】
この方法では、所望される特性を有する比較的多量の液体を容易に作ることができ、卵が新しくなる毎にキャビティに加える液体は、比較的少量であることが可能である。別の優位点は、この方法では、同じ特性を有する液体を用いて幾つかの卵が調理されることにある。容器内の大量の液体は、例えば1〜3リットルであるが、各卵に必要な液体は、例えば40〜100ミリリットルと少量である場合もある。
【0059】
本発明による方法の一実施形態は、0℃〜100℃間の温度および2.45GHzのマイクロ波周波数で20〜500の間の虚数部ε”を有する誘電率の水性液を提供すべく、投与ユニットにより、水性である液体へ少なくとも1つの成分が加えられることを特徴とする。
【0060】
このような水性液の使用により、卵の良好な調理プロセスが達成され、これにより、卵黄および卵白の双方が望ましい特性を得ることが発見されている。
【0061】
本発明による容器の別の実施形態は、装置が、液体内の成分量を検出するための手段を備え、少なくとも1つの成分は、液体内の成分量が所定の閾値を超える場合に液体へ加えられることを特徴とする。
【0062】
また、NaClの代わりに他の成分、好ましくはNaHCO
3のような人の食用に適し、かつ要求される虚数部ε”を有する誘電率を伴う成分、を用いることも可能である。
【0063】
液体内の成分量を検出することにより、この量が、例えば所望される閾値より少ない、または多ければ、ユーザは、液体が卵を適切に調理するための望ましい特性を有していないという警告を受けることができる。ユーザは、液体を保持する容器に新鮮な水を再充填する必要がある場合があり、および/またはユーザは、少なくとも1つの成分を保持する容器を交換または再充填する必要がある場合がある。さらに、装置は、液体内の成分量が所望される所定の閾値より下がる、または上がるまで、卵の調理に使用することを防止されてもよい。