(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574851
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】商品ディスプレイセキュリティシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G08B 13/14 20060101AFI20190902BHJP
A47F 7/02 20060101ALI20190902BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20190902BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
G08B13/14
A47F7/02 A
E05B49/00 J
E05B65/00 E
【請求項の数】24
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-553046(P2017-553046)
(86)(22)【出願日】2015年12月21日
(65)【公表番号】特表2018-505019(P2018-505019A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】US2015067034
(87)【国際公開番号】WO2016109281
(87)【国際公開日】20160707
【審査請求日】2017年9月13日
(31)【優先権主張番号】62/197,777
(32)【優先日】2015年7月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/097,264
(32)【優先日】2014年12月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508078086
【氏名又は名称】インビュー・セキュリティ・プロダクツ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】INVUE SECURITY PRODUCTS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】グラント,ジェフリー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス,ジョナソン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】フォーセット,クリストファー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ボンバー,カレン・ベラム
(72)【発明者】
【氏名】マッキニー,ラリー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン,ウィリアム・エム
【審査官】
寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0225733(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0232531(US,A1)
【文献】
国際公開第2012/155989(WO,A1)
【文献】
特開2008−021321(JP,A)
【文献】
特表2009−521748(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102436686(CN,A)
【文献】
特表2010−534286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00−8/02
E05B 1/00−85/28
G08B13/00−15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売店内に配置され、各々に固有のシリアル番号がプログラムされた複数の商品セキュリティデバイスと、
各々が複数の前記シリアル番号を記憶する複数の電子キーと
を備え、
1以上の前記電子キーが複数の前記シリアル番号の複数の組み合わせを記憶するものであり、
少なくとも1つの前記電子キーに、前記小売店内にある複数の商品セキュリティデバイスのロックとロック解除と警戒設定と警戒解除とのうちの少なくともいずれかを行う権限が付与され、
前記複数の電子キーのうちの少なくとも1つは、複数の商品セキュリティデバイスのいずれかと通信し、当該電子キーに記憶されているシリアル番号と前記商品セキュリティデバイスのシリアル番号との一致に応じて、前記商品セキュリティデバイスのロックとロック解除と警戒設定と警戒解除とのうちの少なくともいずれかを行うものである、商品セキュリティシステム。
【請求項2】
前記複数の商品セキュリティデバイスの各々は少なくとも1つのセキュリティコードを記憶し、
前記複数の電子キーの各々は少なくとも1つのセキュリティコードを記憶するものである、請求項1に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項3】
各電子キーは、前記複数の商品セキュリティデバイスのうちの1つと通信し、前記セキュリティコードが一致するかどうかを判断するものであり、
各電子キーは、前記セキュリティコードが一致したときに、前記複数の商品セキュリティデバイスのロックとロック解除と警戒設定と警戒解除とのうちの少なくともいずれかを行うものである、請求項2に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項4】
前記商品セキュリティデバイスごとに、及び前記電子キーごとに少なくとも1つの前記セキュリティコードを生成するプログラミングステーションを更に備えた請求項2に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項5】
前記プログラミングステーションは前記複数の電子キーの各々と通信し、前記プログラミングステーションは前記複数の電子キーのうちの1つに権限を付与するためのコードを受け付けるキーパッドを備えている、請求項4に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項6】
前記複数の電子キーの各々が、当該電子キーの起動の日時と、当該電子キーのユーザと、当該電子キーのシリアル番号と、前記小売店内の売り場の数と、当該電子キーの起動回数と、当該電子キーの起動により生じたイベントとのうちの少なくともいずれかを記憶するものである、請求項1に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項7】
前記複数の電子キーの各々を充電する充電ステーションを更に備え、前記充電ステーションは、前記複数の電子キーを収容し、前記複数の電子キーと電気的に接続する複数のポートを備えている、請求項1に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項8】
前記複数の電子キーのうちの少なくとも1つに、前記小売店内の少なくとも1つの別の電子キーとは異なる1以上の商品セキュリティデバイスのロックとロック解除と警戒設定と警戒解除とのうちの少なくともいずれかを行う権限が付与される、請求項1に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項9】
各々に固有のシリアル番号がプログラムされた複数の商品セキュリティデバイスを小売店内に設けるステップと、
複数の前記シリアル番号を複数の電子キーに割り当てるステップであって、前記複数の電子キーのうちの1以上に前記シリアル番号の複数の組み合わせが割り当てられる、ステップと、
前記複数の電子キーに、各電子キーに割り当てられた複数の前記シリアル番号をプログラムするステップと、
前記複数の電子キーのうちの1つを介して前記複数の商品セキュリティデバイスのうちの1つとの通信を開始し、当該電子キーの複数の前記シリアル番号のうちの1つと前記商品セキュリティデバイスのシリアル番号との一致に応じて、前記商品セキュリティデバイスのロックとロック解除と警戒設定と警戒解除とのうちの少なくともいずれかを行うステップと
を含む、盗難に遭いやすい商品アイテムを保護する方法。
【請求項10】
複数の前記商品セキュリティデバイスと、関連する複数のシリアル番号とを複数のゾーンのうちの1つに割り当てるステップと、
前記複数のゾーンのうちの1つ以上を前記複数の電子キーの各々に割り当てるステップと
を更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上のセキュリティコードを与えるステップを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の電子キーのうちの1つと前記複数の商品セキュリティデバイスのうちの1つとの間の通信を開始し、前記セキュリティコードが一致するかどうかを判断するステップを更に含み、
各電子キーは、前記セキュリティコードが一致したときに、前記複数の商品セキュリティデバイスのロックとロック解除と警戒設定と警戒解除とのうちの少なくともいずれかを行うものである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
与えるステップは、プログラミングステーションで少なくとも1つのセキュリティコードを生成するステップを含むものである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の電子キーのうちの少なくとも1つを起動するために前記プログラミングステーションが権限付与コードを受け付けるステップを更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の電子キーの各々に、当該電子キーの起動の日時と、当該電子キーのユーザと、当該電子キーのシリアル番号と、前記小売店内の売り場の数と、当該電子キーの起動回数と、当該電子キーの起動により生じたイベントとのうちの少なくともいずれかを記憶するステップを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項16】
複数の前記シリアル番号を前記複数の電子キーに割り当てるステップの前に、前記複数の電子キーのうちの1つを用いて前記複数の商品セキュリティデバイスから複数の前記シリアル番号の各々を取得するステップを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の電子キーのうちの1つに、前記複数の商品セキュリティデバイスのロックとロック解除と警戒設定と警戒解除とのうちの少なくともいずれかを行う権限を付与するために、プログラミングステーションを用いて当該電子キーと通信するステップを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の商品セキュリティデバイスとの通信に関するデータを前記複数の電子キーの各々に保存するステップと、
前記複数の電子キーが前記プログラミングステーションへ前記データを送るステップと
を更に含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プログラミングステーションが遠隔の場所又はデバイスに前記データを送るステップを更に含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の電子キーのうちの1つと通信し、当該電子キーに、前記複数の商品セキュリティ装置のロックとロック解除と警戒設定と警戒解除とのうちの少なくともいずれかを行う権限を付与するプログラミングステーションを更に備える請求項1に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項21】
前記複数の電子キーの各々は、前記複数の商品セキュリティデバイスとの通信に関するデータを保存し、
前記複数の電子キーの各々は、前記データを遠隔の場所又はデバイスに送るために前記プログラミングステーションと通信する、請求項20に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項22】
前記複数の電子キーのうちの1つは、前記複数の商品セキュリティデバイスの各々から複数の前記シリアル番号を取得する、請求項1に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項23】
前記複数の商品セキュリティデバイスの各々と前記複数の電子キーの各々とは、少なくとも1つのセキュリティコードを保存し、
前記電子キーのうちの少なくとも1つは、当該電子キーに保存されているシリアル番号及びセキュリティコードと前記商品セキュリティデバイスのシリアル番号及びセキュリティコードとの一致に応じて、当該商品セキュリティデバイスのロックとロック解除と警戒設定と警戒解除との少なくともいずれかを行う、請求項1に記載の商品セキュリティシステム。
【請求項24】
各商品セキュリティデバイスは、前記商品セキュリティデバイスの製造者によりシリアル番号がプログラムされる、請求項1に記載の商品セキュリティシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広く、商品アイテムを盗難から守るための商品ディスプレイセキュリティシステム及び方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年12月29日出願の米国仮特許出願第62/097,264号及び2015年7月28日出願の米国仮特許出願第62/197,777号の出願日の利益を主張するものであり、それらの特許出願の開示内容は、引用することにより、その全体が本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0003】
小売業者は、比較的小さく、かつ比較的高額の商品アイテムを、一般的に「セーファー(safer)」と呼ばれるセキュリティパッケージング内の、ディスプレイフック又はディスプレイ取付具等のセキュリティデバイス上か、又はディスプレイ表面上に陳列することが一般的である。セキュリティデバイス又はセーファーは、潜在的購入者がある商品アイテムを購入するかどうかを決めるときにそのアイテムを吟味できるように、そのアイテムを陳列するものである。しかし、アイテムが小さいサイズかつ比較的高額であることにより、そのアイテムは万引き犯の格好のターゲットとなる。場合によっては、万引き犯は、セキュリティデバイスからそのアイテムを取り外そうとするか、又は、陳列エリアから、セキュリティデバイスを商品とともに持ち去ろうとする。商品アイテムは、購入可能性からユーザがそのアイテムを試すことができるようにするために、ディスプレイスタンドを用いて固定される場合もある。場合によっては、セキュリティデバイスは、鍵によって操作されるロック、例えば、機械式ロックを用いてディスプレイ支持体に固定される。あるいは、セキュリティデバイスは、そのセキュリティデバイスの警戒設定(arm)及び警戒解除(disarm)をするために、電子キーによって操作されるロックを用いて、ディスプレイ支持体に固定される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、盗難に遭いやすい商品アイテムを保護するための商品セキュリティシステム及び方法に関する。1つの例において、商品セキュリティシステムは、小売店内にある複数の商品セキュリティデバイスを含み、各商品セキュリティデバイスは、少なくとも1つのシリアル番号を有する。また、セキュリティシステムは、複数の電子キーを含み、各電子キーは、シリアル番号のうちの少なくとも1つを記憶する。電子キーのうちの少なくとも1つに、小売店内の1つ以上の商品セキュリティデバイスをロックし、ロック解除し、警戒設定し、及び/又は警戒解除するための権限が付与される。電子キーのうちの1つは、商品セキュリティデバイスと通信し、電子キーに記憶されるシリアル番号が商品セキュリティデバイスのシリアル番号と一致するのに応じて、商品セキュリティデバイスをロックし、ロック解除し、警戒設定し、及び/又は警戒解除する。
【0005】
別の実施形態において、盗難に遭いやすい商品アイテムを保護するための方法が提供される。本方法は、小売店内に複数の商品セキュリティデバイスを配置することを含み、各商品セキュリティデバイスは、少なくとも1つのシリアル番号を有する。また、本方法は、複数の電子キーのうちの少なくとも1つに、小売店内の少なくとも1つの他の電子キーとは異なる1つ以上の商品セキュリティデバイスと通信する権限を付与することと、複数の電子キーのそれぞれにシリアル番号のうちの1つ以上をプログラムすることとを含む。さらに、本方法は、電子キーのうちの1つを介して、商品セキュリティデバイスのうちの1つとの通信を開始し、電子キーのシリアル番号が商品セキュリティデバイスのシリアル番号と一致するのに応じて、商品セキュリティデバイスをロックし、ロック解除し、警戒設定し、及び/又は警戒解除することを含む。
【0006】
1つの実施形態によれば、商品セキュリティデバイスは、小売店内にある複数の商品セキュリティデバイスを含み、各商品セキュリティデバイスは、少なくとも1つのシリアル番号を有する。また、セキュリティシステムは複数の電子キーを含み、各電子キーは、複数のシリアル番号を記憶する。電子キーのうちの1つは、商品セキュリティデバイスのうちの1つと通信し、電子キーに記憶されるシリアル番号のうちの1つが商品セキュリティデバイスのシリアル番号と一致するのに応じて、商品セキュリティデバイスをロックし、ロック解除し、警戒設定し、及び/又は警戒解除する。
【0007】
別の実施形態において、盗難に遭いやすい商品アイテムを保護するための方法が提供される。本方法は、1つ以上のシリアル番号を小売店内にある複数の商品セキュリティデバイスに記憶することと、シリアル番号のうちの1つ以上を第1の複数の電子キーに記憶することとを含む。本方法は、シリアル番号のうちの1つ以上を第2の複数の電子キーに記憶することを更に含み、第1の複数の電子キーに記憶されるシリアル番号は、第2の複数の電子キーとは異なる。さらに、本方法は、電子キーのうちの1つを介して商品セキュリティデバイスのうちの1つと通信し、電子キーのシリアル番号のうちの1つが商品セキュリティデバイスのシリアル番号と一致するのに応じて、商品セキュリティデバイスをロックし、ロック解除し、警戒設定し、及び/又は警戒解除することを含む。
【0008】
別の実施形態において、商品セキュリティシステムは、小売店内にある複数の商品セキュリティデバイスを含み、各商品セキュリティデバイスは、少なくとも1つのセキュリティコードと、少なくとも1つのシリアル番号とを記憶する。また、セキュリティシステムは複数の電子キーを含み、各電子キーは、少なくとも1つのセキュリティコードと、シリアル番号のうちの少なくとも1つとを記憶する。電子キーはそれぞれ、電子キーのうちの1つの電子キーのシリアル番号が商品セキュリティデバイスのうちの1つの商品セキュリティデバイスのシリアル番号と一致したときに、小売店内の商品セキュリティデバイスのうちの1つ以上をロックし、ロック解除し、警戒設定し、及び/又は警戒解除するための権限が付与される。さらに、電子キーは、商品セキュリティデバイスと通信し、電子キーのセキュリティコードが商品セキュリティデバイスのセキュリティコードと一致するのに応じて、商品セキュリティデバイスをロックし、ロック解除し、警戒設定し、及び/又は警戒解除する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の1つの実施形態による商品セキュリティシステムを示す図である。
【
図2】本発明の別の実施形態による商品セキュリティシステムを示す図である。
【
図3】1つの実施形態による、クラウドを介して遠隔デバイスと通信するキーを示す図である。
【
図4】1つの実施形態による、異なる権限付与レベルを有する複数のキーを示す図である。
【
図5】1つの実施形態による電子キーの平面図である。
【
図6.7】
図6は、
図5に示した電子キーの斜視図である。
図7は、別の実施形態による電子キーの平面図である。
【
図8.9.10】
図8は、
図7に示した電子キーの斜視図である。
図9は、別の実施形態による電子キーの平面図である。
図10は、
図9に示した電子キーの斜視図である。
【
図11】1つの実施形態による商品セキュリティデバイスの斜視図である。
【
図12】1つの実施形態による電子キーの斜視図である。
【
図14.15】
図14は、1つの実施形態による、ロック位置及びロック解除位置にある商品セキュリティデバイスの斜視図である。
図15は、別の実施形態による、ロック位置及びロック解除位置にある商品セキュリティデバイスの斜視図である。
【
図16】1つの実施形態による、充電ステーションの平面図である。
【
図18】1つの実施形態による商品セキュリティシステムを示す図である。
【
図19】1つの実施形態による、コンピューティングデバイスと通信する電子キーを示す図である。
【
図20】別の実施形態による、電子キーの上方斜視図及び下方斜視図である。
【
図22】1つの実施形態による、プログラミング又は権限付与ステーションの平面図である。
【
図23】
図22に示したプログラミング又は権限付与ステーションの斜視図である。
【
図24】
図22に示したプログラミング又は権限付与ステーションの別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
種々の図を通して同じ参照符号が同じ要素を表す添付の図面を参照して、商品ディスプレイセキュリティシステムの1つ以上の実施形態を示す。本明細書において図示及び説明する実施形態において、本システムは、電子キーと、商品セキュリティデバイスとを含む。電子キーとともに使用するのに適している商品セキュリティデバイスは、限定されないが、商品アイテムのための、セキュリティディスプレイ(例えば、警報スタンド)、セキュリティ取付具(例えば、ロッキングフック、棚、キャビネット等)又はセキュリティパッケージング(例えば、商品保持具)を含む。しかし、電子キー(本明細書において、プログラマブルキー又は広くキーとも呼ばれる)は、任意のセキュリティデバイス又はロッキングデバイスとともに使用可能とすることができる。ここで、任意のセキュリティデバイス又はロッキングデバイスは、機械式及び/又は電子式のロック機構を操作するためにキーから伝達される電力を利用するものであり、及び/又は、ロック機構の操作とアラーム回路の警戒設定(arm)又は警戒解除(disarm)との少なくとも一方を許可するためにキーから送られるデータを利用するものである。言い換えると、電子キーは、そのキーからデバイスに送られる電力、及び/又はキーからデバイスに送られるデータを必要とする任意のセキュリティデバイス又はロッキングデバイスとともに使用可能である。セキュリティデバイス及びロッキングデバイスの更なる例は、限定されないが、ドアロック、引き出しロック又は棚ロック、及び権限が付与されていない人がアイテムに接近するか、アイテムを安全な場所又は位置から持ち去るか、又は取り外すのを防ぐ任意のデバイスを含む。以下の説明は、小売店において使用するためのシステムに関連するが、そのシステムは、病院、レストラン等の他の事業のためにも適していることを理解されたい。幾つかの実施形態において、商品セキュリティデバイス及び電子キーは、「Electronic Key for Merchandise Security Device」と題する、2011年8月31日出願の米国特許出願第13/222,225号に開示される商品セキュリティデバイス及び電子キーに類似する。この米国特許出願の開示内容は、引用することにより、その全体が本明細書の一部をなすものとする。
【0011】
図1に、システム10の1つの実施形態を示す。この実施形態において、本システムは広く、電子キー12と、1つ以上の商品セキュリティデバイス14と、プログラミングステーション又は権限付与ステーション16と、充電ステーション18とを含む。
図2に、商品セキュリティデバイスのネットワークの一部であるシステム10の一実施形態を示す。幾つかの実施形態によれば、ネットワークは、複数の電子キーと商品セキュリティデバイスとの間の通信を可能にする。ネットワークはクラウドベースとすることができ、電子キー及び/又は商品セキュリティデバイスからデータを受信し、及び/又は電子キー及び/又は商品セキュリティデバイスにデータを送るためのクラウド22を含むことができる。クラウド22は、データをレビューし、解析することができる1以上の遠隔位置又はデバイス26(例えば、タブレット又はコンピュータ)へのデータ転送を容易にすることができる。ネットワークは、複数のノード20を含むメッシュネットワークとすることができ、複数のノードは、互いに、1つ以上の電子キー12と、及び/又は1つ以上の商品セキュリティデバイス14と通信するように構成される。ノード20及び/又はセキュリティデバイス14は、1つ以上のゾーン内に設けることができる。ゲートウェイ24を利用して、1つ以上のノード20とクラウド22との間の通信を可能にすることができる。幾つかの実施形態において、ネットワーク内の全ての通信は、無線周波数信号(例えば、サブGHz ISMバンド又は2.4GHz)を介する等のワイヤレスであるが、他のタイプのワイヤレス通信が可能な場合もある。
【0012】
幾つかの実施形態において、各電子キー12は、種々のタイプのデータを記憶するように構成される。例えば、各キー12は、1つ以上の商品セキュリティデバイス14のシリアル番号、キーの起動のデータ及び時間、キーのユーザ、キーのシリアル番号、小売店内の売り場数、キー起動回数、起動のタイプ(例えば、「単なる」起動、データのみを転送する起動、電力を伝達する起動、データを転送し、電力を伝達する起動)、及び/又は種々のイベント(例えば、商品セキュリティデバイスがロックされたか、ロック解除されたか、警戒設定(arm)されたか、又は警戒解除(disarm)された)を記憶することができる。例えば、
図3に、電子キー12のユーザの素性が遠隔場所又はデバイス26に送られる場合があることを示す。この情報は、キー12の各起動時に、又はプログラミング若しくは権限付与ステーション16との通信時等の任意の他の所望の時間において、遠隔場所又はデバイス26に送ることができる。したがって、データ転送は、実施形態によって、リアルタイムに、又は自動的に行うことができる。場合によっては、プログラミングステーション16は、データを記憶し、そのデータを遠隔場所又はデバイス26に転送するように構成することができる。権限を付与された人員が、このデータを用いて、店員の行動(associate activity)を検査及び監視すること、キー12の電池寿命を判断すること、商品セキュリティデバイス14を検査すること(例えば、セキュリティデバイスがロックされるか、又は警戒設定されるのを確実にすること)等のような、種々の措置を講じることができる。さらに、そのような情報は、プログラミングステーション16から等の要求に応じて、要求され、取得される場合がある。
【0013】
場合によっては、データは、電子キー12の電池解析を含むことができる。例えば、電池解析は、キーが充電ステーション18に配置された時点の電子キー12の電池電圧と、満充電に達するのにかかった時間とを監視することを含むことができる。これらの値を用いて、放電の深さを判断することができる。電池解析は、その寿命の終わりに近づきつつある電池を示すことができる。小売業者又は他の権限を付与された人員が、この情報を用いて、キーを取り替えること、電池膨張及びハウジング故障を防ぐためにキーを無効にすること等の種々の措置を講じることができる。
【0014】
1つの実施形態において、電子キー12は、商品セキュリティデバイス14(例えば、セキュリティ取付具)からデータを取得するように構成される。例えば、商品セキュリティデバイス14は、以前の電子キー12との過去の通信に関する種々のデータ(例えば、キー識別情報、通信時刻等)を記憶することができ、後続の電子キーが同じ商品セキュリティデバイスと通信するときに、そのデータがその電子キーに送られる。したがって、商品セキュリティデバイス14は、そのようなデータを記憶するためのメモリを含むことができる。場合によっては、商品セキュリティデバイス14は、データを受信し、記憶するための電源を含み、その一方で、他の場合には、商品セキュリティデバイスがデータを記憶できるようにするために、電子キー12から与えられる電力が使用される。電子キー12は、その際、遠隔場所又はデバイス26等における収集及びレビューのためにデータを送ることができる。場合によっては、電子キー12とプログラミング又は権限付与ステーション16との間の通信によって、電子キーからデータを引き出し、遠隔場所又はデバイス26等に通信できるようにすることも可能である。他の場合には、電子キー12は、商品セキュリティデバイス14(例えば、セキュリティディスプレイ)から、商品セキュリティデバイスの識別情報、ディスプレイ上の商品アイテムのタイプ、商品アイテムの識別情報、及び/又はセキュリティデバイス及び/又は商品アイテムのシステム健全性等のデータを取得するように構成することができる。電子キー12は、データを記憶し、プログラミング又は権限付与ステーション16との通信時に遠隔場所又はデバイス26にデータを与えることができる。したがって、電子キー12は、有線接続又は複雑なワイヤレスネットワーク又はシステムを必要とすることなく、商品セキュリティデバイス14から種々のタイプのデータを取得するための有用なリソースとすることができる。
【0015】
場合によっては、各電子キー12には、特定の場所、売り場、又は商品セキュリティデバイスに対する権限が付与される場合がある。例えば、
図4に示すように、経営者が全てのゾーン、場所、売り場又は商品セキュリティデバイス(番号1〜6として示される)に対する権限を有することができる一方で、第1の店員は、2つのゾーン、場所、売り場又は商品セキュリティデバイス(番号4及び5として示される)に対する権限のみを有することができ、第2の店員は、1つのゾーン、場所、売り場又は商品セキュリティデバイス(番号6として示される)に対する権限のみを有することができる。したがって、小売店又は他の施設は、同じ小売店内の異なる店員に対する権限の範囲を制限することができる。異なる権限レベルに対応するために、各キー12は、各ゾーン、場所、売り場、又は商品セキュリティデバイスに関連付けられるコードを記憶するように構成することができる。例えば、各ゾーンは、複数の商品セキュリティデバイス14を含むことができ、小売店は、複数のゾーン(例えば、電子機器に関するゾーン、宝石類に関するゾーン等)を有することができる。
【0016】
種々の技法を用いて、まず、電子キー12をプログラムすることができる。例えば、電子キー12を、最初に、権限を付与された各商品セキュリティデバイス14に提示(present)することができる。電子キー12は、セキュリティデバイス14又はクラウド22との通信時に、各セキュリティデバイスと組み合わされることになる。プログラミングステーション16は、電子キー12にコードを与えることができ、その後、キー又はクラウド22は、権限を付与されたそのセキュリティデバイス14のそれぞれにコードを送ることができる。各キー12は、一度しかプログラミングされる必要がない場合がある。幾つかの実施形態において、プログラミングステーション16は各ゾーン内に位置することができ、キー12は、権限を付与された各プログラミングステーションからコードを受信することができる。その後、所定の期間の後に、プログラミングステーション16又は充電ステーション18において、各キー12を「リフレッシュ」することが必要な場合もある。他の実施形態において、電子キー12は、クラウド22を介して直接プログラムされる場合がある。
【0017】
別の実施形態において、各電子キー12は、1つ以上の商品セキュリティデバイス14のためのセキュリティコード及びシリアル番号を含むことができる。例えば、キー12は、セキュリティコード及びシリアル番号が互いに一致する商品セキュリティデバイス14のみを、警戒設定するか、警戒解除するか、ロックするか、又はロック解除することができる。1つの例において、各シリアル番号はある商品セキュリティデバイス14に固有のものであり、製造時に、又は小売業者によってプログラム(又はセット)することができる。この技法によれば、キー12をプログラムし、特定の商品セキュリティデバイス14及び/又はゾーンにキーを割り当てる際の融通性を高めることができる。1つの実施形態において、設定電子キー12’’を用いて、特定の商品セキュリティデバイス14及びシリアル番号を最初にマッピングすることができる。この関連で、設定キー12’’を用いて、各キー12と通信し、各商品セキュリティデバイス14のシリアル番号を取得することができる。また、設定キー12’’は、セキュリティデバイス14の場所を取得することもできるか、又は設定キーのユーザが、商品セキュリティデバイスごとの説明(例えば、SN#123=商品セキュリティデバイス#1)を与えることができる。設定キー12’’は、全ての情報を蓄積するタブレット又は他のコンピューティングデバイス26と通信することができ(例えば、
図3及び
図19を参照)、その通信は、有線通信又はワイヤレス通信を介して行うことができる。したがって、タブレット又はコンピューティングデバイス26は、各シリアル番号を商品セキュリティデバイス14とマッピングすることができ、場合によっては、シリアル番号及び対応する電子キー12を含む場合もある。その際、個々の電子キー12は、権限を付与された商品セキュリティデバイス14のための特定のシリアル番号を割り当てることができる(例えば、ユーザ1はシリアル番号1、2、3を含み、ユーザ2は、シリアル番号1、4、5を含む)。電子キー12はそれぞれ、プログラミングステーション16を用いて、同じセキュリティコードをプログラムされる場合がある。幾つかの実施形態において、設定プロセスは、商品セキュリティデバイス14のプラノグラム(planogram)とともに使用される場合がある。プラノグラムは、小売店又は他の施設内の商品セキュリティデバイス14のレイアウトを表すことができる。例えば、設定キーが各商品セキュリティデバイスと通信するとき、設定キー12’’を用いて、プラノグラム上でシリアル番号を特定の商品セキュリティデバイス14にマッピングすることができる。設定キー12’’は、シリアル番号をプラノグラムに追加するために、有線接続等を介してタブレット又は他のコンピューティングデバイス26と通信することができる(例えば、
図19を参照)。プラノグラムを管理するために、このプラノグラムは遠隔場所又はデバイスにアップロードすることができる。上記のように、特定のシリアル番号が、権限を付与されたユーザに割り当てられる場合がある。
【0018】
商品セキュリティデバイス14を警戒設定するか、警戒解除するか、ロックするか、又はロック解除するために、電子キー12は、特定の商品セキュリティデバイスと通信し、セキュリティコード及びシリアル番号が一致するかどうかを判断することができる。コードが一致した場合は、電子キー12は、商品セキュリティデバイス14を警戒設定するか、警戒解除するか、ロックするか、又はロック解除する。電子キー12をリフレッシュした場合、及び/又はユーザがプログラミング又は権限付与ステーション16を介して電子キーを要求した場合、そのユーザに適した権限レベル(例えば、特定のゾーン、売り場、及び/又は商品セキュリティデバイス)をキーに対してリアルタイムにプログラムすることができるため、任意の利用可能な電子キーを使用することができる。
【0019】
1つの実施形態において、商品ディスプレイセキュリティシステム10は、電子キー12と、キーによって操作される商品セキュリティデバイス14とを備えている。本システムは、オプションとして、キー12に対してセキュリティコードをプログラムするプログラミングステーション16を更に備えていてもよい。このセキュリティコードは、本明細書においてセキュリティ警戒解除コード(Security Disarm Code, SDC)と呼ばれる場合もある。プログラミングステーション16に加えて、本システムは、オプションとして、キー12内に設けられた電源を最初に充電し、及び/又は後に再充電する充電ステーション18を更に備えていてもよい。例えば、キー12及び商品セキュリティデバイス14はそれぞれ、それぞれの永久メモリの中に同じSDCをプログラムされる場合がある。キー12には、従来の、又は長寿命の電池等の使い捨ての(すなわち、非充電式の)電源が設けられる場合があるか、又は代替的には、キーに、従来のキャパシタ又は充電式電池等の、何度も使用できる(すなわち、充電式の)電源が設けられる場合がある。いずれにしても、電源は、所望により、永久、半永久(すなわち、交換式)又は充電式とすることができる。後者の場合、キー12内に設けられた電源を最初に充電し、及び/又は後に再充電するために、充電ステーション18が設けられる。さらに、キー12及び/又は商品セキュリティデバイス14に、一時メモリのみが設けられる場合があり、その場合、SDCは、所定の時間間隔でプログラム(又は再プログラム)されなければならない。この場合、キー12にSDCを最初にプログラムし、及び/又は後に再プログラムするために、プログラミングステーション16が設けられる。後に説明するように、キー12は、商品セキュリティデバイス14にSDCを最初にプログラムし、及び/又は後に再プログラムするように動作可能な場合がある。その際、キー12は、後に説明するように、デバイスに電力及び/又はデータを送ることによって、商品セキュリティデバイス14を操作するように更に動作可能である。
【0020】
図1及び
図2に示したシステムの例示的な実施形態において、電子キー12は、プログラミングステーション16により、固有のSDCをプログラムされるように構成される。幾つかの実施形態において、キー12は、プログラミングステーション16に提示され、例えば、キーの外側に設けられたコントロールボタン28を押下するか、又は別の方法で作動させることによって、その間の通信が開始される。プログラミングステーション16とキー12との間の通信は、例えば、1つ以上の電気的コンタクトによって直接、又は例えば、ワイヤレス通信によって間接的に行うことができる。また、限定されないが、光伝送、音響伝送又は磁気誘導を含む、プログラミングステーション16とキー12との間でデータを転送することができる任意の形式のワイヤレス通信が可能である。本明細書において図示及び説明される幾つかの実施形態において、プログラミングステーション16とキー12との間の通信は、ワイヤレス光伝送によって、より詳細には、プログラミングステーション及びキー内に設けられた赤外線(IR)送受信機を協働させることによって行われる。幾つかの実施形態において、プログラミングステーション16は、「PROGRAMMING STATION FOR A SECURITY SYSTEM FOR PROTECTING MERCHANDISE」と題する米国特許第7,737,844号に開示されるプログラミングステーションと同様に機能することができる。この米国特許の開示は、引用することにより、その全体が本明細書の一部をなすものとする。本発明の幾つかの実施形態を説明するために、プログラミングステーションが少なくとも、SDCを生成するか、又はSDCを与えられるための論理制御回路と、SDCを記憶するためのメモリと、キーにSDCをプログラムするために本明細書において説明されたように電子キー12とやりとりするのに適した通信システムとを備えることで十分である。
【0021】
1つの実施形態による商品セキュリティシステム10の利用可能な特徴は、電子キー12がタイムアウト機能を含むことができるということである。より詳細には、キー12が商品セキュリティデバイス14にデータ及び/又は電力を送る能力は、所定時間の後に停止することができる。一例として、電子キー12は、キーがプログラムされたか、又は最後にリフレッシュされた時刻から、約6時間〜約24時間後に動作を停止することができる。このようにして、権限を付与された店員は通常、各交代勤務の開始時に自分に割り当てられたキー12をプログラム又はリフレッシュしなければならない。さらに、充電ステーション18は、キーが充電ポート30に置かれるか又は係合しているときに、電子キー12の動作を停止するように構成することができる(例えば、
図1を参照)。このようにして、充電ステーション18は、権限を付与された店員に利用可能なものとすることができる。1つの実施形態において、店員が権限付与コードを入力し、キーの使用を許可すると、電子キー12に権限を付与することができる。例えば、店員は、充電ステーション18と通信するキーパッドにおいてコードを入力することができる。正しいコードを入力すると、充電ステーション18は、店員によって使用するためにどのキー12が権限を付与されたかを示すことができる(例えば、可聴及び/又は可視インジケータによる)。場合によっては、タイムアウト時間は、ユーザによって、事前に決めることができるか、又はカスタマイズすることができる。例えば、小売店の経営者が、電子キー12のうちの1つ以上のための特定の時間を入力することができる。「アクティブ」であるこれらの電子キー12を、クラウドベースネットワーク内の通信を介して監視することができる。他の実施形態において、電子キー12は、イベントに応じて、タイムアウトするか、又は別の方法で無効にすることができる。例えば、電子キー12は、キーが置き忘れられるか若しくは盗まれたことに応じて、又はキーが使用するための権限を付与されていない小売店に持ち込まれたことに応じて無効にすることができる。このような無効化は、クラウド22を介して電子キー12に送られるコマンドを介して行うことができる。
【0022】
1つの実施形態において、種々の措置を講じるために、遠隔地からコマンドを与えることができる。例えば、盗難が発生した場合、商品セキュリティデバイス14の全て又は一部をロックし、及び/又は警戒設定するために、遠隔場所又はデバイス26(例えば、タブレット又はコンピュータ)からコマンドを与えることができる。同様に、電子キー12の全て又は一部の動作を停止するために、遠隔場所又はデバイス26からコマンドを与えることができる。したがって、システム10は、電子キー12、商品セキュリティデバイス14及び本システム内の他の構成要素の集中セキュリティ及び制御のための技法を提供する。
【0023】
図5及び
図6に、電子キー12の1つの実施形態を示す。電子キー12は、商品セキュリティデバイスとの通信を開始する等のために、キーを起動するためのコントロールボタン28を含むことができる。さらに、電子キー12は、1つ以上の可視インジケータも含むことができる。この関連で、キー12は、商品セキュリティデバイス14とのキーの通信の状態を表示する1つ以上の状態インジケータ32を含むことができる。状態インジケータ32は、ユーザが、キー12と商品セキュリティデバイス14との通信が行われている時点及び完了した時点がわかるように案内することができる。状態インジケータ32は、通信が許可されている(例えば、ロック解除されるか、又は警戒解除される)か、許可されていない(例えば、誤ったゾーン又は売り場)か、又は正常に行われなかったかに応じて異なる場合がある。また、状態インジケータ32は、上記で述べたように、キーがタイムアウト機構を含む場合のように、キー12に残存している、権限付与された使用時間の長さを示すこともできる。また、電子キー12は、キーに残存している電源の視覚的インジケーションを与える1つ以上の他のインジケータ34を含むこともできる。これらの他のインジケータ34は、キー12のプログラミング状態を示すため等の、任意の他の所望の目的のために使用することもできる。例えば、電子キー12が最初にプログラムされている間に、インジケータ34を起動することができる。代替の実施形態では、種々のタイプ及び構成のインジケータが利用される場合があるため、図示された状態インジケータ32、34は例示にすぎないことを理解されたい。
【0024】
図7〜
図10に、電子キー12の更なる実施形態を示す。これらの例において、電子キー12は取外し可能な部分36を含む。
図7、
図8において、取外し可能な部分36により、電子キー12を再充電する等のために、入力電源ポート38にアクセスできるようになる。取外し可能な部分36は、入力電源ポート38を露出させるために、電子キー12に対してスライドするように構成することができる。入力ポート38は、充電ステーション18に関連付けられるコネクタ等の、対応するコネクタを収容し、電気的に接続するように構成することができる。例えば、電子キー12は、充電するために充電ステーション18内にドッキングするように構成することができる(例えば、
図1を参照)。
図9、
図10に示すように、取外し可能な部分36は、電子キー12から完全に取り外されるように構成することもでき、ツール部分40を備えたものとすることができるという点で多目的とすることができる。例えば、ツール部分40は、ねじ回し等のように、種々のコネクタの分離を容易にするために使用することができる。電子キー12は穴部42を備えていてもよい。この穴部42は、取外し可能な部分36を不使用時に収容するためのものである。
【0025】
図20、
図21に、電子キー12’の更なる実施形態を示す。この実施形態において、電子キー12’は、後に更に詳細に述べるように、プログラミング又は権限付与ステーション16’及び/又は充電ステーション18’との位置合わせを容易にするための1つ以上の位置合わせ機構15を有する。さらに、電子キー12’は、データ転送及び/又は電力伝達のためにプログラミング又は権限付与ステーション16’及び/又は充電ステーション18’上の対応するポートと着脱可能に係合するように構成することができる入力ポート17(例えば、マイクロUSBポート)を有する。とりわけ、
図20に示す例において、電子キー12’上の入力ポート17は側面上にある一方、電子キーの両面上に一対の位置合わせ機構15が設けられる。
図21に示す実施形態では、単一の位置合わせ機構15が設けられる。入力ポート17は、側面において、一端にあるトランスファポートと、他端にあるキーチェーンリング穴部との間に設けることができる。電子キー12’の側面に入力ポート17を配置することによって、プログラミング又は権限付与ステーション16’及び/又は充電ステーション18’への、より安全で、安定した取り付けを提供することができる。上記で述べたような、一連の状態インジケータ32、34、例えば、発光ダイオード(LED)が、電子キー12’の外側に、その動作状態を示すために設けることができる。
【0026】
図1に示しているように、プログラミングステーション16は、SDCを生成する論理制御回路と、SDCを記憶するメモリと、SDCをキーに送る(例えば、ワイヤレス)ための通信システムとを収容するハウジングを備えている。使用時に、論理制御回路はSDCを生成する。SDCは、所定の(すなわち、「工場プリセットの」)セキュリティコード、手動で入力されるセキュリティコード、又は論理制御回路によってランダムに生成されるセキュリティコードとすることができる。後者の場合、論理制御回路は、固有のSDCを生成するための乱数発生器を更に備える。プログラミングステーション16の動作状態を示すために、ハウジングの外側に一連の可視インジケータ、例えば、発光ダイオード(LED)を設けることができる。プログラミングステーション16に、権限を付与されていない人によるプログラミングステーションの使用を防ぐためのアクセス機構が更に設けられる場合がある。例えば、プログラミングステーションはキーパッド44を含むことができる。権限を付与されたユーザは、プログラミングステーション16がキー12に送られるSDCを生成できるようにするコードを、キーパッド44で入力することができる。
【0027】
特定の実施形態において、プログラミングステーション16の論理制御回路は、一般に「ハンドシェーク通信プロトコル」と呼ばれる、キー内の論理制御回路との電子的なデータ交換を行う。ハンドシェーク通信プロトコルは、キー12が過去にプログラムされていない権限付与キー(例えば、「新しい」キー)であるかどうか、又はSDCをリフレッシュするために後の時点でプログラミングステーション16に提示される権限付与キーであるかどうかを判断する。ハンドシェーク通信プロトコルが失敗した場合、プログラミングステーション16は、SDCを取得しようとする、権限のないデバイスにSDCを与えない。ハンドシェーク通信プロトコルが成功すると、プログラミングステーション16は、キー12によりSDCを送信できるようにする。当業者には容易に明らかになるように、SDCは、限定されないが、所望により、ワイヤレス、電気的コンタクト、又は電気機械、電磁若しくは磁気導体を含む、任意の適切な手段によって、プログラミングステーション16からキー12に送ることができる。さらに、他の場合には、プログラミングステーション16は、最初にいかなるハンドシェーク通信プロトコルも用いることなく、単に、SDCを電子キー12に与えることができる。
【0028】
幾つかの実施形態において、商品セキュリティデバイス14は「パッシブ(受動型)」デバイスである。本明細書において、パッシブという用語は、セキュリティデバイス14が機械的ロック機構をロックし、及び/又はロック解除するだけの十分な内部電源を有していないことを意味することが意図されている。内部電源のコストがキー12に限定され、1つのそのようなキーが複数のセキュリティデバイスを動作させることができるため、商品セキュリティデバイス14がパッシブ型であるとき、小売業者のコストは著しく削減される。所望により、セキュリティ侵害を受けて、コンタクトスイッチ、近接スイッチ又はリミットスイッチ等のセンサによって作動するアラーム(例えば、圧電可聴アラーム)を起動するだけの十分な電力を有する一時電源(例えば、キャパシタ又は寿命が限られた電池)を商品セキュリティデバイス14に設けることもできる。また、一時電源は、商品セキュリティデバイス14からキー12にデータ、例えばSDCを送り、セキュリティデバイスを認証し、それにより、キーに、セキュリティデバイスに電力を与える権限を付与するのに十分なものとすることもできる。
【0029】
幾つかの実施形態において、商品セキュリティデバイス14は、キー12内に配置される論理制御回路に類似した論理制御回路を更に備えている。この論理制御回路は、キー内の論理制御回路とのハンドシェーク通信プロトコルを、プログラミングステーション16とキーとの間で行われるものと基本的に同じように実行する。基本的に、キー12の論理制御回路と、商品セキュリティデバイス14の論理制御回路とが互いに通信して、商品セキュリティデバイスが、セキュリティコードを有しない権限付与デバイスであるかどうか、又は一致するSDCを有するデバイスであるかどうかを判断する。ハンドシェーク通信プロトコルが失敗した(デバイスが権限を付与されていないか、又はデバイスが一致しないSDCを有する)場合には、キー12は、デバイスにSDCをプログラムせず、結果として、商品セキュリティデバイスは動作しない。商品セキュリティデバイス14が異なるSDCをあらかじめプログラムされていた場合には、そのデバイスはもはやキー12と通信しない。ハンドシェーク通信プロトコルが成功した場合には、デバイスにSDCをプログラムするために、キー12は、キー内に記憶されたSDCを商品セキュリティデバイス14に送信できるようになる。当業者には容易に明らかになるように、SDCは、限定はしないが、所望により、無線周波数、1つ以上の電気的コンタクト、又は電気機械、電磁若しくは磁気導体を含む任意の適切な手段によって、キー12から商品セキュリティデバイス14に送信することができる。さらに、SDCは、電子キー12から商品セキュリティデバイス14への誘導的なデータ転送によって送ることができる。さらに、他の場合には、電子キー12は、最初にいかなるハンドシェーク通信プロトコルも開始することなく、単に、SDCを商品セキュリティデバイス14に与えることができる。
【0030】
1つの実施形態において、ハンドシェーク通信プロトコルが成功し、商品セキュリティデバイス14が、一致するSDCを有する権限付与されたデバイスであるとき、セキュリティデバイスがアラーム回路を含む場合のように、商品セキュリティデバイスを警戒設定又は警戒解除することができる。他の実施形態において、商品セキュリティデバイス14は、SDCコードが一致したときに、警戒設定又は警戒解除することができる。幾つかの実施形態において、ハンドシェーク通信プロトコルが成功し、SDCコードが一致するとき、機械的ロック機構を動作させるために、キー12の論理制御回路は、キーの内部電源からデバイス14に電力を伝達させる。他の実施形態では、SDCコードが一致し、商品セキュリティデバイスに電力が送られるときに、商品セキュリティデバイス14をロックするか、又はロック解除することができる。商品セキュリティデバイス14を警戒設定するか、警戒解除するか、ロックするか、又はロック解除する等の所望の機能を実行するために、種々の情報及びコードが交換される場合があることは理解されたい。例えば、交換されるデータは、商品セキュリティデバイスのシリアル番号のみ、及び/又はSDCを含むことができる。
【0031】
図11に、商品セキュリティデバイス140の1つの実施形態を更に詳細に示す。先に述べたように、商品セキュリティデバイス14は、アラーム回路、及び/又はロックをロック及び/又はロック解除するロック機構を利用する任意のタイプのセキュリティデバイスとすることができる。場合によっては、商品セキュリティデバイス140は、ロック機構を動作させるだけの十分な内部電源を有しないという意味においてパッシブ型デバイスとすることができる。結果として、商品セキュリティデバイス140は、本明細書において図示及び説明される電子キー12のような外部電源から、電力を受け取るか、あるいは、電力及びデータの両方を受け取るように構成することができる。
図11に示す商品セキュリティデバイスの実施形態は、従来のキャビネットロックブラケット105のロッキングアーム104に確実に固定されるキャビネットロックである。これまでに説明したように、キャビネットロック140は、キー12の論理制御回路とのハンドシェーク通信プロトコルを実行し、キーからSDCを受信するための論理制御回路を有するものとすることができる。他の実施形態では、キャビネットロック140は、キー12にSDCを送信してセキュリティデバイスを認証し、それにより、セキュリティデバイスに電力を送る権限をキーに付与するように構成することができる。
【0032】
図12に、誘導的な転送を用いる電子キー120の一実施形態を更に詳細に示す。先に述べたように、キー120は、商品セキュリティデバイス140へのデータ転送及び電力伝達の双方を行うように構成することができる。したがって、プログラマブル電子キー120は、商品セキュリティデバイス140の機械的ロック機構を動作させるだけの十分な内部電源を有するという意味においてアクティブ型デバイスとすることができる。結果として、プログラマブル電子キー120は、キー内に設けられた論理制御回路(例えばデータ)及び電池(例えば電力)等といった、内部の供給源からのデータ転送及び電力伝達の双方を行うように構成することができる。本明細書に示すプログラマブル電子キー120の実施形態は、プログラミングステーションのプログラミングポート46及び充電ステーションの充電ポート30だけではなく、
図11に示したキャビネットロック140のトランスファポート145内に収容される、誘導的な伝送機能を有するキーである。
【0033】
幾つかの実施形態において、電子キー120は、後に説明するように、限定はされないが、論理制御回路、メモリ、通信システム及び電池を含む、キーの内部構成要素を収容する内部空洞又は区画を有するハウジング121を有する。図示しているように、ハウジング121は、超音波溶接などによって組立後に互いに接合される下側部分123及び上側部分124によって構成される。電子キー120は、該キーをキーチェーンリング、ストラップ(lanyard)等につなぐための、一端にある穴部128を更に有する。電子キー120は、商品セキュリティデバイス140にデータ及び/又は電力を送るための、穴部128の反対側にあるハウジング121の端部に位置するトランスファプローブ125を更に備えることができる。トランスファプローブ125は、上記で説明したようにプログラミングステーション16との間でハンドシェーク通信プロトコル及びSDCを送受信し、充電ステーションから電力を受けるように動作可能でもある。
【0034】
図13に最もわかりやすく示すように、内部電池131及び論理制御回路あるいはプリント回路基板(PCB)132が、電子キー120のハウジング121内に設けられる。電池131は、従来の長寿命交換式電池、又は充電ステーション18とともに使用するのに適した充電式電池とすることができる。論理制御回路132は、ハウジング121を貫通してキー120の外側に設けられたコントロールボタン122によって作動するスイッチ133に動作可能に結合されるとともに、電気的に接続される。コントロールボタン122は、スイッチ133とともに、論理制御回路132のある特定の動作、詳細にはデータ及び/又は電力の伝送を制御する。その関連で、論理制御回路132は、データを及び/又は電力を送るために通信システム134に更に動作可能に結合されるとともに、電気的に接続される。1つの実施形態において、通信システム134は、電子キー120とプログラミングステーションとの間、及び該キーと商品セキュリティデバイス140との間でデータを光伝送するためのワイヤレス赤外線(IR)送受信機である。結果として、キー120のトランスファプローブ125には、必要に応じて、キー120とプログラミングステーション60との間、又は該キーと商品セキュリティデバイス140との間の光伝送を出力及び収集するための光学的に透明又は半透明のフィルタ窓135が設けられる場合がある。トランスファプローブ125は、必要に応じて、商品セキュリティデバイス140に電力を伝達し、及び/又は内部電池131を充電するために充電ステーション18から電力を受けるための、誘導コア127及び誘導コア巻線129を更に備えることができる。あるいは、光送受信機134をなくし、プログラマブル電子キー120と商品セキュリティデバイス140との間で、誘導コイル126による磁気誘導を介してデータを送ることができる。
【0035】
幾つかの実施形態において、本明細書において説明されるような商品セキュリティデバイス140とともに使用するために使用されるときに特に、電子キー120の重要な態様は、商品セキュリティデバイスの機械的ロック機構を動作させるために、キーが、ユーザによりキーに加えられる物理的な力を必要としないことである。さらに、キー120から機械的ロック機構に物理的な力は加えられない。結果として、キー120は、従来の機械式キー及びロック機構でよく生じるような、ロック内で不注意によって折られる可能性はない。さらに、キー120及び機械的ロック機構はいずれも、従来の機械式キー及びロック機構で同様によく生じるような、過剰な摩耗を受けることはない。さらに、場合によっては、プログラミングステーション、充電ステーション及び/又は商品セキュリティデバイス140のうちのいずれか1つにあるポートに対して電子キー120のトランスファプローブ125の位置を合わせる必要はない。したがって、トランスファプローブ125及びポート上の電気的コンタクトのいかなる摩耗も最小限に抑えることができる。更なる利点として、幾つかの実施形態において、権限を付与された人が、商品セキュリティデバイス140のトランスファポート142に対して特定の向きに電子キー120のトランスファプローブ125を置いた後、デバイスの機械的ロック機構を動作させるために、キーに圧縮力及び/又はねじり力を加える必要はない。
【0036】
図22〜
図24に、プログラミングステーションすなわち権限付与ステーション16’の一実施形態を示す。図示のように、プログラミング又は権限付与ステーション16’は、上記で述べたように、電子キー12’を収容するための幾何学的形状を有する(例えば
図21を参照)。この関連で、プログラミング又は権限付与ステーション16’は、電子キー12’の位置合わせ機構15と位置合わせされ、係合する1以上の位置合わせ機構15’を有することができる。さらに、プログラミング又は権限付与ステーション16’は、電子キー12’の側面を少なくとも部分的に収容するための凹部48を更に有することができる。凹部48は、電子キー12’の形状に対応するために曲面をなすことができるか、又は任意の他の形状にすることができる。プログラミング又は権限付与ステーション16’は、凹部48内に、電子キー12’の入力ポート17と着脱可能に係合するポート30’を含むことができる。位置合わせ機構15、15’は、入力ポート17及びポート30’が互いに位置合わせされ、係合することを確実にするために、互いに位置合わせされるように構成される。このような係合は、電子キー12’とプログラミング又は権限付与ステーション16’との間のデータ通信を可能にすることができ、データ通信は、場合によっては、キーパッド44を用いて権限付与コードを入力すると行うことができる。さらに、プログラミング又は権限付与ステーション16’は、電力及びデータ通信を受信するための1つ以上の入力ポート50(例えば、イーサネットポート)を含むことができる。
【0037】
図1に、充電ステーション18を更に詳細に示す。上記で述べたように、充電ステーション18は、キー12の内部電池131を再充電する。また、場合によっては、充電ステーション18は、キーがプログラミングステーション16によってSDCを再プログラムされるまで、又はユーザが権限付与コードを充電ステーションに与えるまで、キー12のデータ転送及び/又は電力伝達の機能を停止する。いずれにしても、充電ステーション18は、充電ステーションの内部構成要素を収容するためのハウジングを備える。ハウジングの外側には、電子キー12を収容する大きさ及び形状を有する少なくとも1つの、好ましくは複数の充電ポート30が形成される(例えば、
図1を参照)。適切な電力伝達を確実にするために、充電ポート18内にキー12を適切に位置決めし、確実に保持するための機械的又は磁気的手段を設けることができる。
【0038】
図16〜
図18に、充電ステーション18の一実施形態を示す。複数の対応する電子キー12’と係合する複数のポート30が設けられている。
図21に示す電子キー12’は、
図16〜
図18に示す充電ステーション18に適合したものとすることができ、それにより、電子キー12’は、プログラミング又は権限付与ステーション16’とともに説明された入力ポートに類似の、ポート30と係合するための入力ポート17をその側面上に有する。同様に、各ポート30は、電子キー12’の少なくとも側面を収容するためのそれぞれの凹部48内に配置することができる。この構成によれば、より多くの数の電子キー12’を、いつでも充電ステーション18と係合できるようにすることができる。
【0039】
図14、
図15に、商品セキュリティデバイス150の更なる実施形態を示す。この実施形態において、商品セキュリティデバイス150は、「エネルギーハーベスティング(energy harvesting)」を利用するロック機構を備えている。したがって、商品セキュリティデバイス150は、上記で説明したようなパッシブデバイスとすることができる。しかし、この実施形態において、商品セキュリティデバイス150は、蓄積されることになる電力を発生させるための手段を有する。例えば、商品セキュリティデバイス150は、ロック位置とロック解除位置との間で回転するように構成することができ、蓄積されることになる(例えば、キャパシタによる)エネルギーを生成する発電機を有することができる。場合によっては、商品セキュリティデバイス150はベゼルを含むことができ、ベゼルの各回転が、蓄積されることになる電荷を生成することができる。1つの実施形態において、最初に電子キー12を用いて、機械的ロックを解放することができ、その後、商品セキュリティデバイス150をロック解除位置に回転させることができる。その後、商品セキュリティデバイス150を回転させて、ロック位置に戻すことができる。商品セキュリティデバイス150は電源を有しないため、セキュリティデバイスは、蓄積された電力を用いて、種々のセキュリティ機能を実行することができる。例えば、商品セキュリティデバイス150は、蓄積された電力を用いて、1つ以上のノード20にデータをプッシュするか、又は可聴及び/又は可視信号を生成するように構成することができる。1つの例において、商品セキュリティデバイス150は、セキュリティデバイスが不正に変更されたときに救難信号を生成する等のために、蓄積された電力を用いてワイヤレス信号を送信するための内部無線装置を含むことができる。別の例において、商品セキュリティデバイス150は、蓄積された電力により電力が供給される発光ダイオード(LED)を含むことができる。幾つかの実施形態において、エネルギーハーベスティングのための手法は、米国特許出願第13/538,386号に記載の手法と類似のものとすることができる。この米国特許出願の開示内容は、引用することにより、その全体が本明細書の一部をなすものとする。
【0040】
これまで、商品ディスプレイセキュリティシステムの1つ以上の例示的な実施形態を説明してきた。本発明を例示し、当業者が本発明を構成し、使用し、実施できるようにするために、本明細書において商品ディスプレイセキュリティシステムの実施形態を図示及び説明してきた。しかし、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の数多くの変形及び変更を行うことができることは、当業者は容易に理解し、認識されよう。したがって、全てのそのような変形及び変更は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図している。