特許第6574858号(P6574858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6574858レンズ遮蔽機構、方法及びヘッドマウントディスプレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574858
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】レンズ遮蔽機構、方法及びヘッドマウントディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20190902BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   H04N5/64 511A
   G02B27/02 Z
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-568329(P2017-568329)
(86)(22)【出願日】2016年5月25日
(65)【公表番号】特表2018-523401(P2018-523401A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】CN2016083321
(87)【国際公開番号】WO2017016299
(87)【国際公開日】20170202
【審査請求日】2018年2月23日
(31)【優先権主張番号】201510458892.4
(32)【優先日】2015年7月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515132700
【氏名又は名称】チンタオ ゴーアテック テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO GOERTEK TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(72)【発明者】
【氏名】リー,ユーシェン
【審査官】 西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第02696754(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第103309123(CN,A)
【文献】 特開平08−106064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
G02B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽するためのレンズ遮蔽機構であって、
一定の幅を有する一組の遮蔽シートを含み、
前記一組の遮蔽シートが、互いに接続された第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートを含み、
前記第1遮蔽シートが前記レンズの左右両側に、該レンズに固定的に接続して設けられており、
前記第2遮蔽シートが前記第1遮蔽シートの左右両側に設けられると共に、前記第2遮蔽シートが、前記フロントハウジングに対して左右に移動可能に、前記フロントハウジングに取り付けられており、
前記レンズの左右に移動する距離が一定の距離より小さい場合、前記第1遮蔽シートを連行して移動させる一方、前記第2遮蔽シートが動かず、前記第1遮蔽シートによって、前記レンズの左右への移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽し、前記レンズが左右へ一定の距離移動すると、前記第1遮蔽シートが前記第2遮蔽シートを連れて位置をずらして広げさせ、前記第1遮蔽シートと前記第2遮蔽シートとの両方によって、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽する、
ことを特徴とするレンズ遮蔽機構。
【請求項2】
前記レンズの上部と下部に、前記第1遮蔽シートと前記レンズとの固定接続を実現するための、前記第1遮蔽シートを貫通する二つの突起柱がそれぞれ設けられており、
前記第2遮蔽シートの上部と下部に、前記突起柱と嵌合する二つの規制孔がそれぞれ設けられて、前記突起柱が前記規制孔内に係合すると共に、前記規制孔内を左右に摺動可能であり、
前記フロントハウジングに係止部材が設けられ、前記第2遮蔽シートの上部及び下部の中間位置に前記係止部材と係合する凹溝が設けられており、前記第2遮蔽シートが前記凹溝と前記係止部材との係合によって前記フロントハウジングへの取り付けを実現し、
前記レンズの左右に移動する距離が前記規制孔の長さより小さい場合、前記レンズ上の前記突起柱が前記規制孔内を摺動する一方、前記第2遮蔽シートは動かず、前記第1遮蔽シートによって、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽し、
前記レンズが左右に移動し、前記突起柱を引き連れて前記規制孔の限界位置まで移動させた場合、前記突起柱が前記第2遮蔽シートを引き連れて、前記凹溝の長さ範囲内で前記フロントハウジング上の係止部材に対して引き続き左右に移動させ、前記第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートが位置をずらして広がることで、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽する、
こと特徴とする請求項1に記載のレンズ遮蔽機構。
【請求項3】
前記第1遮蔽シートと前記レンズとが一体的に形成されていること特徴とする請求項1に記載のレンズ遮蔽機構。
【請求項4】
前記遮蔽シートの材質が金属又はプラスチックであること特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ遮蔽機構。
【請求項5】
ヘッドマウントディスプレイであって、
前記ヘッドマウントディスプレイのレンズに、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズ遮蔽機構が取り付けられていること特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
【請求項6】
レンズの位置移動により露出した領域を遮蔽するためのレンズ遮蔽方法であって、
一定の幅を有する、互いに接続された第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートを含む一組の遮蔽シートを利用し前記第1遮蔽シートを前記レンズの左右両側に、該レンズと固定的に接続して設け、前記第2遮蔽シートを前記第1遮蔽シートの左右両側に設けると共に、前記第2遮蔽シートをフロントハウジングに対して左右に移動可能に、前記フロントハウジングに取り付けており、
前記レンズの左右に移動する距離が一定の距離より小さい場合、前記第1遮蔽シートを連行して移動させる一方、前記第2遮蔽シートが動かず、前記第1遮蔽シートによって、前記レンズの左右への移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽し、
前記レンズが左右へ一定の距離移動すると、前記第1遮蔽シートが前記第2遮蔽シートを連れて位置をずらして広げさせ、前記第1遮蔽シートと前記第2遮蔽シートとの両方によって、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽する、
こと特徴とするレンズ遮蔽方法。
【請求項7】
前記レンズの上部と下部に、前記第1遮蔽シートと前記レンズとの固定接続を実現するための、前記第1遮蔽シートを貫通する二つの突起柱がそれぞれ設けられており、
前記第2遮蔽シートの上部と下部に、前記突起柱と嵌合する二つの規制孔がそれぞれ設けられて、前記突起柱が前記規制孔内に係合すると共に、前記規制孔内を左右に摺動可能であり、
前記フロントハウジングに係止部材が設けられ、前記第2遮蔽シートの上部及び下部の中間位置に前記係止部材と係合する凹溝が設けられており、前記第2遮蔽シートが前記凹溝と前記係止部材との係合によって前記フロントハウジングへの取り付けを実現し、
前記レンズの左右に移動する距離が前記規制孔の長さより小さい場合、前記レンズ上の前記突起柱が前記規制孔内を摺動する一方、前記第2遮蔽シートが動かず、前記第1遮蔽シートによって、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽し、
前記レンズが左右に移動し、前記突起柱を引き連れて前記規制孔の限界位置まで移動させた場合、前記突起柱が前記第2遮蔽シートを引き連れて、前記凹溝の長さ範囲内で前記フロントハウジング上の前記係止部材に対して引き続き左右に移動させ、前記第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートが位置をずらして広がることで、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽する、
こと特徴とする請求項6に記載のレンズ遮蔽方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽機構の技術分野に関し、特に、レンズ遮蔽機構、方法及びヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、各ユーザの瞳孔間距離は全く同じではないので、着用可能なディスプレイ及びその他のディスプレイ製品(例えばヘッドマウントディスプレイ)では、ユーザの使用をより容易にし、ユーザの個人的な要求を満たすようにするため、レンズの位置を異なるユーザの瞳孔間距離に合わせて調整しなければならない。図1は、従来技術におけるヘッドマウントディスプレイを示す模式図である。図1において、11がヘッドマウントディスプレイのフロントハウジングであり、12がレンズである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような従来のヘッドマウントディスプレイにおいては、レンズ12が瞳孔間距離を調整するために左右に移動する時、レンズ12の位置が変化することで製品の内部構造が露出し、この露出した領域が現れることによって、異物が、露出した領域を通して製品の内部に侵入し、製品の性能及び寿命に影響を与えると共に、製品の美観効果に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
そこで、本発明は、レンズの位置移動によりフロントハウジングから露出した領域から異物が機体の内部に侵入して、製品の性能、寿命及び美観効果に影響するという課題を解決するために、レンズ遮蔽機構、レンズ遮蔽方法及び上記レンズ遮蔽機構を含むヘッドマウントディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明によれば、レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽するためのレンズ遮蔽機構が提供されている。
【0006】
この遮蔽機構は、一定の幅を有する一組の遮蔽シートを含み、前記一組の遮蔽シートがレンズの左右両側に、該レンズと固定的に接続して設けられており、レンズが左右に移動する時、前記一組の遮蔽シートを引き連れて移動させ、前記一組の遮蔽シートによって、レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽する。
【0007】
また、前記一組の遮蔽シートが、第1遮蔽シートを含み、前記第1遮蔽シートが前記レンズの左右両側に、該レンズに固定的に接続して設けられており、前記レンズが左右に移動する時、前記第1遮蔽シートを引き連れて移動させ、前記第1遮蔽シートによって、前記レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽してもよい。
【0008】
さらに、前記一組の遮蔽シートが、互いに接続された第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートを含み、前記第1遮蔽シートが前記レンズの左右両側に、該レンズに固定的に接続して設けられており、前記第2遮蔽シートが前記第1遮蔽シートの左右両側に設けられると共に、前記第2遮蔽シートが前記フロントハウジングに対して左右に移動可能に、前記フロントハウジングに取り付けられており、前記レンズの左右に移動する距離が一定の距離より小さい場合、前記第1遮蔽シートを連行して移動させる一方、前記第2遮蔽シートが動かず、前記第1遮蔽シートによって、前記レンズの左右への移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽し、前記レンズが左右へ一定距離移動すると、前記第1遮蔽シートが前記第2遮蔽シートを引き連れて位置をずらして広げることが可能となり、前記第1遮蔽シートと前記第2遮蔽シートとの両方によって、前記レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽してもよい。
【0009】
さらにまた、前記レンズの上部と下部に、前記第1遮蔽シートと前記レンズとの固定接続を実現するための、前記第1遮蔽シートを貫通する二つの突起柱がそれぞれ設けられており、前記第2遮蔽シートの上部と下部に、前記突起柱と嵌合する二つの規制孔がそれぞれ設けられており、前記突起柱が、前記規制孔内に係合すると共に、前記規制孔内を左右に摺動可能であり、前記フロントハウジングに係止部材が設けられており、前記第2遮蔽シートの上部及び下部の中間位置に、前記係止部材と係合する凹溝が設けられており、前記第2遮蔽シートが前記凹溝と前記係止部材との係合によって前記フロントハウジングへの取り付けを実現し、前記レンズの左右に移動する距離が前記規制孔の長さより小さい場合、前記レンズ上の前記突起柱が前記規制孔内を摺動する一方、前記第2遮蔽シートは動かず、前記第1遮蔽シートによって、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽し、前記レンズが左右に移動し、前記突起柱を引き連れて前記規制孔の限界位置まで移動させた場合、前記突起柱が前記第2遮蔽シートを引き連れて、前記凹溝の長さ範囲内で前記フロントハウジング上の係止部材に対して引き続き左右に移動させ、前記第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートが位置をずらして広がることで、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽してもよい。
【0010】
また、前記第1遮蔽シートと前記レンズとが一体的に形成されてもよい。
さらに、前記遮蔽シートの材質が金属又はプラスチックであってもよい。
【0011】
また、本発明によるヘッドマウントディスプレイは、ヘッドマウントディスプレイのレンズに、本発明による上記レンズ遮蔽機構が取り付けられている。
【0012】
そして、本発明によるレンズの位置移動により露出した領域を遮蔽するためのレンズ遮蔽方法は、一定の幅を有する一組の遮蔽シートを利用し、前記一組の遮蔽シートを前記レンズの左右両側に、該レンズと固定的に接続して設けることで、前記レンズが左右に移動する時、前記一組の遮蔽シートを引き連れて移動させ、前記一組の遮蔽シートによって、前記レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽することを含む。
【0013】
また、前記一組の遮蔽シートが第1遮蔽シートを含み、前記第1遮蔽シートを前記レンズの左右両側に、該レンズと固定的に接続して設けることで、前記レンズが左右に移動する時、前記第1遮蔽シートを引き連れて移動させ、前記第1遮蔽シートによって、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽してもよい。
【0014】
さらに、前記一組の遮蔽シートが、互いに接続された第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートを含み、前記第1遮蔽シートを前記レンズの左右両側に、該レンズと固定的に接続して設け、前記第2遮蔽シートを前記第1遮蔽シートの左右両側に設けると共に、前記第2遮蔽シートを前記フロントハウジングに対して左右に移動可能に、前記フロントハウジングに取り付け、前記レンズの左右に移動する距離が一定の距離より小さい場合、前記第1遮蔽シートを連行して移動させる一方、前記第2遮蔽シートが動かず、前記第1遮蔽シートによって、前記レンズの左右への移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽し、前記レンズが左右へ一定距離移動すると、前記第1遮蔽シートが前記第2遮蔽シートを引き連れて位置をずらして広げることが可能となり、前記第1遮蔽シートと前記第2遮蔽シートとの両方によって、前記レンズの左右移動により前記フロントハウジングから露出した領域を遮蔽してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な効果としては、本発明によるレンズ遮蔽機構及びレンズ遮蔽方法が、一定の幅を有する一組の遮蔽シートを用いて、この一組の遮蔽シートをレンズの左右両側に設け、レンズが瞳孔間距離を調整するために左右に移動する時、この一組の遮蔽シートによって、レンズの左右移動により露出した領域を遮蔽することができる。これにより、異物がハウジングに侵入して、製品の性能、寿命及び美観効果に影響することが防止される。そして、本発明に用いられた遮蔽シートは、その占める体積が小さくて、大型で高価な遮蔽機構に比べるとコストが安い。なお、本発明では、このようなレンズ遮蔽機構を用いたヘッドマウントディスプレイがさらに提供されており、このヘッドマウントディスプレイは、上記レンズ遮蔽機構を含んでいるため、構造が簡単で遮蔽効果が良好であり、コストが安いという有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術のヘッドマウントディスプレイの模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態によるレンズ遮蔽機構の全体構造を示す模式図である。
図3】本発明の第2の実施形態によるレンズ遮蔽機構の分解構造を示す模式図である。
図4図3に示すレンズ遮蔽機構における第1遮蔽シートとレンズとの接続構造を示す模式図である。
図5図3に示すレンズ遮蔽機構における第2遮蔽シートとフロントハウジングとの接続構造を示す模式図である。
図6図3に示すレンズ遮蔽機構におけるフロントハウジングの正面図である。
図7】本発明によるレンズ遮蔽機構が遮蔽シートを一枚用いて遮蔽する場合と、二枚の遮蔽シートの位置をずらして広げる方式を用いて遮蔽する場合との結果を示す模式図である。
図8】本発明の第2の実施形態によるレンズ遮蔽機構のレンズが移動していない初期状態を示す模式図であり、(a)は背面図、(b)は正面図である。
図9】本発明の第2の実施形態によるレンズ遮蔽機構のレンズが右へ第1移動位置まで移動した場合を示す模式図であり、(a)は背面図、(b)は正面図である。
図10】本発明の第2の実施形態によるレンズ遮蔽機構のレンズが右へ第2移動位置まで移動した場合を示す模式図であり、(a)は背面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の主たる思想は、瞳孔間距離を調整するためにレンズを左右に移動する時にフロントハウジングから露出した領域が現れるため、異物等がハウジングに侵入して、製品の寿命、性能及び美観に影響を与える可能性があるという従来技術に存在する問題に対して、本発明は、一組の遮蔽シートを遮蔽機構に用いることにより、レンズが位置を移動時に露出した領域を遮蔽するものである。
【0018】
図2は、本発明の第1の実施形態によるレンズ遮蔽機構の全体構造を示す模式図である。本発明の第1の実施形態によるレンズ遮蔽機構は、レンズ22の左右移動によりフロントハウジング21から露出した領域を遮蔽するために用いられ、遮蔽機構が一定の幅を有する一組の遮蔽シート23を含み、一組の遮蔽シート23がレンズ22の左右両側に、レンズ22と固定的に接続して設けられており、レンズ22が左右に移動する時、一組の遮蔽シート23を引き連れて移動させ、一組の遮蔽シート23によって、レンズ22の左右移動によりフロントハウジング21から露出した領域を遮蔽するようになっている。
【0019】
このように、図2に示すレンズ遮蔽機構を利用することによって、レンズ22が左右に移動する時に、レンズ22の左右移動により露出した領域を一組の遮蔽シート23で遮蔽することができ、異物がハウジングに侵入して、製品の性能、寿命及び美観に影響する可能性があるという問題が解決される。また、本発明の第1の実施形態による遮蔽機構は、その占める体積が小さく、且つ、遮蔽領域が大きくて構造が簡単であり、実現し易いという利点を有する。以下、第1の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態において、一組の遮蔽シートが第1遮蔽シートを含み、第1遮蔽シートをレンズの左右両側に、該レンズと固定的に接続して設けることで、レンズが左右に移動する時、第1遮蔽シートを引き連れて移動させ、第1遮蔽シートによって、レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽する。即ち、第1の実施形態において、一組の遮蔽シートが第1遮蔽シートを二枚含んでもよく、二枚の第1遮蔽シートがそれぞれ二つのレンズ(左レンズと右レンズ)に接続されている。これにより、左右レンズのいずれもが移動して瞳孔間距離を調整することができると共に、露出した領域が遮蔽されないことによる性能、寿命及び美観に影響するという問題の発生を防止することができる。しかし、この場合、第1遮蔽シートのサイズが比較的に大きく、さらに、ヘッドマウントディスプレイ等の比較的に小型で精巧な製品のハウジングのサイズもそれに応じて大きくなり、ヘッドマウントディスプレイ等の製品の小型化が妨げられるという欠点がある。
【0021】
なお、本第1の実施形態において、一組の遮蔽シートが第1遮蔽シートを一枚だけ含むものであってもよい。即ち、第1遮蔽シートを二つのレンズのうち一つのレンズの左右両側に取り付けて固定し、これにより、レンズが左右に移動した場合に露出する領域を適切に遮蔽するために、ユーザが遮蔽シートの取り付けられたレンズを左右に移動して瞳孔間距離を調整するとよい。このように設ければ、一枚の第1遮蔽シートを節約することができ、コストがさらに安くなる。
【0022】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態によるレンズ遮蔽機構の分解構造を示す模式図である。第2の実施形態において、一組の遮蔽シートが、互いに接続された第1遮蔽シート34及び第2遮蔽シート35を含む。
【0023】
ここで、第1遮蔽シート34は、レンズ32の左右両側に、レンズ32と固定的に接続して設けられている。
【0024】
また、第2遮蔽シート35は、第1遮蔽シート34の左右両側に設けられると共に、第2遮蔽シート35がフロントハウジング31に対して左右に移動可能に、フロントハウジング31に取り付けられている。
【0025】
第1遮蔽シート34は、レンズ32が左右へ一定距離移動すると、第2遮蔽シート35を引き連れて移動して位置をずらし、広げることが可能となる。これにより、第1遮蔽シート34と第2遮蔽シート35との両方によって、レンズ32の左右移動によりフロントハウジング31から露出した領域を遮蔽することができる。
【0026】
第2の実施形態において、一組の遮蔽シートが二枚の第1遮蔽シート34と二枚の第2遮蔽シート35を含んでもよい。この場合、二枚の第1遮蔽シート34がそれぞれ二つのレンズ32(左レンズと右レンズ)に接続されており、二枚の第2遮蔽シート35がそれぞれ二枚の上記第1遮蔽シート34に接続されている。これにより、左右レンズのいずれも、移動して瞳孔間距離を調整することができ、動きのバランスが保証されると共に、露出した領域が遮蔽されないことによる性能、寿命及び美観に影響を及ぼすという問題も生じない。
【0027】
なお、第1の実施形態と同様に、一組の遮蔽シートが第1遮蔽シート34と第2遮蔽シート35をそれぞれ一枚しか含まなくてもよい。即ち、一枚の第1遮蔽シート34を二つのレンズのうち一つのレンズの左右両側に取り付けて固定して、一枚の第2遮蔽シート35を前記一枚の第1遮蔽シート34に接続する。この場合、レンズが左右に移動したときに露出する領域を適切に遮蔽するためには、ユーザは遮蔽シートの取り付けられたレンズを左右に移動して瞳孔間距離を調整することになる。このように設ければ、コストをさらに安くすることができる。
【0028】
図4は、図3に示すレンズ遮蔽機構における第1遮蔽シートとレンズとの接続構造を示す模式図であり、図5は、図3に示すレンズ遮蔽機構における第2遮蔽シートとフロントハウジングとの接続構造を示す模式図である。以下、図4及び図5を参照して、第2の実施形態におけるレンズ遮蔽機構についてさらに詳細に説明を行う。
【0029】
図4及び図5に示すように、第2の実施形態において、レンズ42の上部と下部には、第1遮蔽シート44とレンズ42との固定接続を実現するための、第1遮蔽シート44を貫通する二つの突起柱4201がそれぞれ設けられている。
【0030】
第2遮蔽シート55の上部と下部には、突起柱4201と嵌合する二つの規制孔5501がそれぞれ設けられており、突起柱4201が規制孔5501内に係合しており、規制孔5501内を左右に摺動可能である。
【0031】
フロントハウジング51には、係止部材5101が設けられており、第2遮蔽シート55の上部及び下部の中間位置には、係止部材5101と係合する凹溝5502が設けられており、第2遮蔽シート55が、凹溝5502と係止部材5101との係合によってフロントハウジング51との接続を実現している。
【0032】
レンズ42の左右に移動する距離が規制孔5501の長さより小さい場合には、レンズ42上の突起柱4201が規制孔5501内を摺動する一方、第2遮蔽シート55は動かず、第1遮蔽シート44によって、レンズ42の左右移動によりフロントハウジング51から露出した領域を遮蔽する。
【0033】
レンズ42が突起柱4201を伴って左右に移動し、突起柱4201を規制孔5501の限界位置まで移動させた場合、突起柱4201は第2遮蔽シート55を引き連れて移動する。突起柱4201が第2遮蔽シート55を凹溝5502の長さ範囲内でフロントハウジング51上の係止部材5101に対して引き続き左右に移動させると、第1遮蔽シート44と第2遮蔽シート55とが位置をずらして広がることで、レンズ42の左右移動によりフロントハウジング51から露出した領域を遮蔽する。
【0034】
具体的には、第2の実施形態において、一般的に、ヘッドマウントディスプレイ等のディスプレイ製品は、左レンズと右レンズの二つのレンズ42を有し、動く時のバランスを保つために、レンズ42毎に4つの突起柱4201が設けられている。そのうちの二つの突起柱4201はレンズ42の上部に設けられ、もう二つの突起柱4201はレンズ42の下部に設けられており、いずれの突起柱4201も第1遮蔽シート44を貫通して、第2遮蔽シート55の対応する規制孔5501内に係合している。これにより、レンズ42が右へ移動する時(ここでは、レンズが右へ移動する場合を例に説明するが、レンズが左へ移動する時も、その原理は同じであることが理解できる。)、突起柱4201がレンズ42の移動につれて規制孔5501内を右へ摺動することで、第1遮蔽シート44によって、レンズ42の右への移動によりフロントハウジング51から露出した領域を遮蔽する。
【0035】
レンズ42の右への移動により、突起柱4201を規制孔5501の右境界線まで移動させた場合、仮にレンズ42をさらに右へ移動させると、突起柱4201が規制孔5501を引き連れて移動することで、第2遮蔽シート55の凹溝5502が係止部材5101に対して右へ移動することになる。その結果、レンズ42の右への移動中にフロントハウジング51から露出した領域を遮蔽するように、第1遮蔽シート44と第2遮蔽シート55とが位置をずらして広がる。なお、この場合、第2遮蔽シート55の右へ移動する距離は、凹溝5502の長さに制限される。即ち、レンズ42が右へ引き続き移動する距離は、凹溝5502の長さによって決まることになる。
【0036】
図6は、図3に示すレンズ遮蔽機構におけるフロントハウジングの正面図である。図6に示すフロントハウジングの正面図から分かるように、レンズは、中間位置にあり、左右に移動して行う瞳孔間距離の調整がされていない初期状態である。図6からは、フロントハウジング61、レンズ62、レンズ62の左右両側に設けられた第1遮蔽シート64、及び、第1遮蔽シート64の左右両側に設けられた第2遮蔽シート65が見える。本発明の第2の実施形態で言うフロントハウジングとは、ヘッドマウントディスプレイ等のレンズ付きのディスプレイ製品の、ユーザの目に向かうハウジング、即ち、ユーザの目に最も近いハウジングを指す。
【0037】
また、実際の応用においては、レンズが左右に移動する経路とよりよく合致するために、規制孔と凹溝の長さを合理的に設計しなければならず、瞳孔間距離を調整する際に露出領域が遮蔽されることが実現できる限り、遮蔽シートのサイズ(即ち遮蔽シートの幅)は短い方が好ましい。これは、遮蔽シートのサイズが、ヘッドマウントディスプレイのような製品のハウジングのサイズに影響を及ぼすからである。現在、ヘッドマウントディスプレイが小型化、軽量化していく傾向にあるため、本発明では、第2の実施形態のような第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートの位置をずらして広げるという設計で遮蔽シートのサイズを小さくすることが好ましい。以下、遮蔽シートの枚数とサイズとの関係について、図7を参照して、具体的に説明する。
【0038】
図7は、本発明の一実施例によるレンズ遮蔽機構に遮蔽シートを一枚用いて遮蔽する場合と、二枚の遮蔽シートの位置をずらして広げる方式を用いて遮蔽する場合とを比較した結果の模式図である。図7に示すように、図7は、左、中、右の3つの小さな図に分割されている。左の小さな図は、レンズが瞳孔間距離調整を行っていない時の初期状態を示し、真中の小さな図は、レンズが右へ一定の距離だけ移動して第1移動位置にある場合を示し、右の小さな図は、レンズが引き続き右へ一定の距離だけ移動して第2移動位置にある場合を模式的に示している。
【0039】
図7の三つの小さな図の下の一行目の内容は、第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートが位置をずらして広がるように協働する場合、同じ距離を移動する(本実施例ではレンズが右又は左へ5mm移動できるように設計する)ために必要なサイズ、及びフロントハウジング71、第1遮蔽シート74、第2遮蔽シート75の位置関係を模式的に表している。
【0040】
図7の三つの小さな図の下の二行目の内容は、遮蔽シート76を一枚のみ用いて遮蔽する場合、同じ距離を移動するために必要なサイズ及び位置関係を模式的に表している。
【0041】
図7に示すように、仮に前者と後者のいずれの場合も、レンズの大きさ(レンズの長さ)が共に同じく24.6mmであるとすると、レンズが右へ移動して(ここで、レンズが右へ移動するのを例に説明するが、レンズが左へ移動する時も、その原理は同じであることが理解できる。)瞳孔間距離調整を行う時に、第1移動位置まで移動した後(レンズが右へ2.5mm移動した後)、さらに、第2移動位置まで移動する(レンズが右へ5mm移動する)場合、第1遮蔽シート74と第2遮蔽シート75とが互いに協働する前者の案を用いると、39.6mmのサイズを設計すれば、露出領域を適切に遮蔽するという要求を満たすことができる。一方、同じ大きさの領域を遮蔽するために、レンズが遮蔽シート76のみを用いる後者の場合、露出領域を適切に遮蔽するという要求を満たすためには44.6mmの大きさに設計することが必要である。
【0042】
ここで、第1移動位置については、前記突起柱4201が規制孔5501内を摺動する状態を示し、第2移動位置については、前記突起柱4201が規制孔5501の境界線まで移動した後、さらに、凹溝5502を引き連れて係止部材5101に対して移動させる状態を示している。
【0043】
遮蔽シート76のみを用いる後者の場合に比べて、第1遮蔽シート74と第2遮蔽シート75とが位置をずらして広がる前者の案を用いる場合は、サイズを5mm節約することができることは明らかである。このように、ヘッドマウントディスプレイの小型化に適応し、製品の競争力を高めるために、ヘッドマウントディスプレイのサイズを比較的小さく設計することができる。なお、本実施例において、レンズの長さ24.6mmとレンズの移動距離5mmとは、一例を示したものであり、本発明の他の実施例において、遮蔽シートの協働するサイズは、レンズのサイズ及びレンズの左右に移動する経路に応じて合理的に設計すべきもので、本実施例の39.6mmに限定されない。
【0044】
なお、本発明の実施例においては、本発明の実施例の遮蔽機構の構造及び効果を異なる方向から説明する複数の図が提供されている。この複数の図では、同じヘッドマウントディスプレイについて2つの方向から説明されているので、図の説明で用いられた「左又は右へ」というような移動方向を理解する際には、その参照物の向きに留意すべきである。例えば、本発明の実施例の図5に示す遮蔽シートが右へ移動することと、図6図7に示す遮蔽シートが右へ移動することとは、文字では同じく右への移動であるが、実際は同じ方向ではなく、反対方向である。図5は、遮蔽シートの背面から、ユーザの目から遠ざかる方向に向かって見ている図であり、図6図7は、フロントハウジング側から見ユーザの目に近づく方向に向かって見ている図である。
【0045】
図8(a)は、本発明の第2の実施形態によるレンズ遮蔽機構のレンズが移動していない初期状態を模式的に示す背面図である。図8(b)は、図8(a)に示すレンズ遮蔽機構のレンズが移動していない初期状態を模式的に示す正面図である。図9(a)は、本発明の第2の実施形態によるレンズ遮蔽機構のレンズが右へ第1移動位置まで移動した場合を模式的に示す背面図である。図9(b)は、図9(a)に示すレンズが右へ第1移動位置まで移動した場合を模式的に示す正面図である。図10(a)は、本発明の第2の実施形態によるレンズ遮蔽機構のレンズが右へ第2移動位置まで移動した場合を模式的に示す背面図である。図10(b)は、図10(a)に示すレンズが右へ第2移動位置まで移動した場合を模式的に示す正面図である。
【0046】
図8図10を参照して、以下に、レンズの移動位置と合わせて、本発明の第2の実施形態のようなレンズ遮蔽機構の動き過程を説明する。図8(a)は、レンズが移動していない初期状態を模式的に示す背面図であり、図8(a)から分かるように、初期状態では、レンズ42が左右に移動せず、突起柱4201が規制孔5501の中間位置に位置している。図8(b)によるフロントハウジングを模式的に示す正面図から、レンズ42、第1遮蔽シート44及び第2遮蔽シート55の位置関係が分かる。
【0047】
ここで、レンズを右へ移動して、瞳孔間距離の調整を開始する。図9(a)に示すように、レンズ42及び第1遮蔽シート44が一定距離移動し、レンズ突起柱4201が第2遮蔽シート55の規制孔5501内を動く。レンズ42は、突起柱4201を引き連れて規制孔5501の最も右の界限位置まで突起柱4201を移動させる。この時、第2遮蔽シート55は動かず、第1遮蔽シート44によって、レンズ42の移動によりフロントハウジングから露出した領域が遮蔽される。図9(b)に示すように、レンズ42が右へ移動し、第1遮蔽シート44が、レンズ42に連れられて右へ移動して(第1遮蔽シートの側壁が引き出されるように見える。)、レンズ42の右への移動により露出した領域を遮蔽する。
【0048】
図10(a)は、レンズが右へ第2移動位置まで移動した場合を模式的に示す背面図である。図9(a)に示すレンズ42が第1移動位置に達した後に引き続き右へ移動するのに伴って、突起柱4201が第2遮蔽シート55を引き連れて右への移動を開始すると、レンズ42、第1遮蔽シート44及び第2遮蔽シート55が一緒に右へ移動する。これにより、第1遮蔽シート44と第2遮蔽シート55とが位置をずらして広がることで、レンズ42の右への移動により露出した領域を遮蔽する。具体的には、図10(b)に示すように、レンズ42が右へ移動して第1遮蔽シート44及び第2遮蔽シート55の露出した側辺は、図9(b)で露出した側辺より大きい。これは、レンズ42の右へ移動する距離が、図9(b)におけるレンズ42の移動距離よりも大きいために、第1遮蔽シート44及び第2遮蔽シート55が位置をずらして広がることで、レンズ42の右への移動により露出した領域を遮蔽することが必要となるからである。
【0049】
以上、本発明の第2の実施形態によるレンズ遮蔽機構の動作過程について説明した。上記過程から分かるように、本発明の第2の実施形態のような遮蔽機構は、その占める体積が小さくて、遮蔽領域が設計要件を満たしており、構造が簡単で実現し易いという利点を有する。
【0050】
上記各実施形態においては、第1遮蔽シートとレンズとが一体的に形成されており、このような一体的に形成される構造は、量産に適し、製品の堅牢さも高まる。
【0051】
上記各実施形態において、遮蔽シートの材料は金属又はプラスチックである。金属又はプラスチックの遮蔽シートを用いると、レンズ遮蔽機構のコストを節約することができ、製品の競争力を向上させることができる。
【0052】
なお、本発明の第2の実施形態においては、一組の遮蔽シートが第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートを含むことを一例に説明したが、本発明はこれに限られず、一組の遮蔽シートは、より多くの遮蔽シートを含んでもよく、より多くの遮蔽シートが互いに位置をずらして広がることで、レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽してもよい。この場合、その実現原理は、上記第2の実施形態と同じであり、ここでは繰り返して説明しない。
【0053】
また、本発明では、ヘッドマウントディスプレイがさらに提供されており、ヘッドマウントディスプレイのレンズに、本発明による上記レンズ遮蔽機構が取り付けられている。
【0054】
そして、上記レンズ遮蔽機構に対応して、本発明では、レンズの位置移動により露出した領域を遮蔽するためのレンズ遮蔽方法がさらに提供されている。この遮蔽方法は、一定の幅を有する一組の遮蔽シートをレンズの左右両側に、レンズと固定的に接続して設けることで、レンズが左右に移動する時、一組の遮蔽シートを引き連れて移動させ、この一組の遮蔽シートによって、レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽することを含む。
【0055】
本発明の一実施例においては、前記一組の遮蔽シートが第1遮蔽シートを含み、第1遮蔽シートをレンズの左右両側に、レンズと固定的に接続して設けることで、レンズが左右に移動する時、第1遮蔽シートを引き連れて移動させ、第1遮蔽シートによって、レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽する。
【0056】
本発明の他の実施例においては、一組の遮蔽シートが、互いに接続された第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートを含み、第1遮蔽シートをレンズの左右両側に、レンズと固定的に接続して設け、第2遮蔽シートを第1遮蔽シートの左右両側に設けると共に、第2遮蔽シートをフロントハウジングに対して左右に移動可能に、フロントハウジングに取り付けて、レンズの左右に移動する距離が一定の距離より小さい場合、第1遮蔽シートを連行して移動させる一方、第2遮蔽シートが動かず、第1遮蔽シートによって、レンズの左右への移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽し、レンズが左右へ一定距離移動すると、第1遮蔽シートが第2遮蔽シートを引き連れて位置をずらして広げることが可能となり、第1遮蔽シートと前記第2遮蔽シートとの両方によって、レンズの左右移動によりフロントハウジングから露出した領域を遮蔽する。
【0057】
なお、本発明によるレンズ遮蔽方法は、上記レンズ遮蔽機構に対応しているため、上記各実施例におけるレンズ遮蔽方法の実現手順は、上記レンズ遮蔽機構部分の具体的な説明を参照することができ、ここでは繰り返して説明しない。
【0058】
以上を纏めると、本発明によるレンズ遮蔽機構及びレンズ遮蔽方法は、下記の利点を有する。
(1)レンズが動いて内部構造が露出して、美観に影響を与えることや、外部からの埃の侵入やユーザの指などの挿入により製品の内部構造が損傷して、製品の使用寿命及び美観などに影響を与えることなどの問題が避けられる。
(2)一組の遮蔽シートが第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートを含む場合、第1遮蔽シート及び第2遮蔽シートの協働によって、遮蔽機構の占める体積を小さくし、このレンズ遮蔽機構の装置全体の大きさに対する影響を小さくするか又は殆どないようにすることができる。
(3)本発明によるレンズ遮蔽機構は、実現し易く、製造が容易であり、コストが安い。
【0059】
また、本発明では、ヘッドマウントディスプレイがさらに提供されており、このヘッドマウントディスプレイは、本発明のようなレンズ遮蔽機構を含んでいるため、このヘッドマウントディスプレイも上記利点を有し、ヘッドマウントディスプレイのユーザ体験及び製品の競争力が向上する。
【0060】
以上の説明は、あくまでも本発明の好ましい実施例であり、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神及び原則内になされたいかなる補正、均等的置換、改善等、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
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