【実施例】
【0080】
[デバイス例]
【0081】
全てのデバイス例は、高真空(<10
−7Torr)熱蒸着(VTE)によって作製した。アノード電極は、1200Åのインジウム錫オキシド(ITO)である。カソードは、10ÅのLiFとそれに続く1000ÅのAlからなる。全てのデバイスは、作製後直ちに窒素グローブボックス(<1ppmのH
2O及びO
2)中でエポキシ樹脂を用いてシールしたガラス蓋で密封し、吸湿剤をそのパッケージ内に組み込んだ。
【0082】
デバイス例の有機積層部はITO表面から順に、正孔注入層(HIL)として100Åの化合物C;正孔輸送層(HTL)として300Åの4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD);発光層(EML)として、5〜15質量%の式Iの化合物を用いて、ホストとしての化合物D中にドープした本発明の化合物300Å;阻止層(BL)として50Åの化合物D;そして、ETLとして400ÅのAlq(トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)、からなっていた。化合物A及び化合物Bを用いた比較デバイス例を上記デバイス例の方法と同様の方法で作製したが、化合物A及び化合物BをEML中の発光体として用いた。
【0083】
これらのデバイスの結果とこれらのデバイスからのデータを表1にまとめている。ここで用いるように、NPD、Alq、化合物A、化合物B、化合物C、及び化合物Dは以下の構造を有する。
【0084】
【化14】
【0085】
【表27】
【0086】
【表28】
【0087】
表3はデバイスデータのまとめである。発光効率(LE)、外部量子効率(EQE)、及び電力効率(PE)は1000nitsにおいて測定し、一方、寿命(LT
80%)は、そのデバイスが40mA/cm
2の一定電流密度のもとでその初期輝度の80%まで低下するのに要した時間として定義した。
【0088】
DBXピリジン環の4位及び5位のアルキル置換の利点は、表3から明らかである。DBXピリジン環の4位又は5位に置換基をもたない比較例1と比べて、式Iの化合物はより飽和しており(より低いCIEのx座標及びより短いλ
max)、FWHMで測定したその幅広さは同程度である。全ての本発明の化合物において、電圧はより低く、且つLE、PE、及びEQE値は全てがより高い。化合物53、158、175、633、及び643の場合、PEは比較例1の少なくとも2倍ほど高い。
【0089】
DBXピリジン環の4位に炭素1つの置換基(メチル)だけをもつ比較例2(化合物B)と比べると、化合物53、158、174、175、184、185、及び314はCIEのx座標に基づいてより飽和した色を有し、化合物157、158、159、165、174、175、184、185、314、321、及び626は全てがより短いλ
max値をもっている。式Iの化合物のほとんどは、比較例2よりも狭い発光プロファイル(FWHMによって測定して)をもっている。化合物53、158、165、314、321、625、633、及び653は全てが、比較例2よりも低い作動電圧をもっている。式Iの化合物のほとんどは、比較例2よりも大きなLE、PE、及びEQE値をもっている。
【0090】
[その他の物質との組み合わせ]
有機発光デバイス中の具体的な層に有用として本明細書に記載した物質は、そのデバイス中に存在するその他の広範囲にわたる物質と組み合わせて用いることができる。例えば、本明細書に開示した発光ドーパントは、存在してもよい広い範囲のホスト、輸送層、阻止層、注入層、電極、及びその他の層と組み合わせて用いることができる。以下に記載乃至言及した物質は、本明細書に記載した化合物と組み合わせて有用でありうる物質の非制限的な例であり、当業者は組み合わせて有用でありうるその他の物質を特定するために文献を容易に参考にすることができる。
【0091】
〔HIL/HTL〕
【0092】
本発明に用いられる正孔注入/輸送物質は特に限定されず、その化合物が通常、正孔注入/輸送物質として用いられる限り任意の化合物を用いることができる。この物質の例には以下のものが含まれるがそれらに限定されない:
フタロシアニン又はポルフィリン誘導体;芳香族アミン誘導体;インドロカルバゾール誘導体;フルオロ炭化水素を含むポリマー;導電性ドーパントを伴うポリマー;導電性ポリマー、例えば、PEDOT/PSS;ホスホン酸及びシラン誘導体などの化合物から誘導される自己組織化モノマー;金属酸化物誘導体、例えば、MoO
x;p型半導体有機化合物、例えば、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル;金属錯体、及び架橋性化合物。
【0093】
HIL又はHTLに用いられる芳香族アミン誘導体の例には以下の構造のものが含まれるがそれらに限定されない。
【化15】
【0094】
Ar
1〜Ar
9のそれぞれは、芳香族炭化水素環式化合物からなる群、例えば、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン;芳香族ヘテロ環化合物からなる群、例えば、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン、及びセレノフェノジピリジン;及び、前記の芳香族炭化水素環式基及び前記の芳香族ヘテロ環式基から選択された同じ種類又は異なる種類の基である2〜10の環状構造単位からなり、互いに直接又は少なくとも1つの酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位、及び脂肪族環式基を介して結合された基、から選択される。式中、各Arは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される置換基でさらに置換されている。
【0095】
一つの側面では、Ar
1〜Ar
9は以下のものからなる群から独立に選択される。
【化16】
【0096】
kは1〜20の整数であり;X
1〜X
8はC(CHも含めて)又はNであり;Ar
1は上で定義したものと同じ基を有する。
【0097】
HIL又はHTLに用いる金属錯体の例には以下の一般式のものが含まれるがそれらに限定されない。
【化17】
【0098】
Mは40より大きな原子量を有する金属であり;(Y
1−Y
2)は二座配位子であり、Y
1及びY
2は独立に、C、N、O、P、及びSから選択され;Lは補助配位子であり;mは1からその金属に結合しうる配位子の最大数までの整数値であり;m+nはその金属に結合しうる配位子の最大数である。
【0099】
一つの側面では、(Y
1−Y
2)は2−フェニルピリジン誘導体である。
【0100】
別の側面では、(Y
1−Y
2)はカルベン配位子である。
【0101】
別の側面では、Mは、Ir、Pt、Os、及びZnから選択される。
【0102】
さらなる側面では、この金属錯体は、溶液中でFc
+/Fcカップルに対して約0.6V未満の最小酸化電位を有する。
【0103】
〔ホスト〕
【0104】
本発明の有機ELデバイスの発光層は、発光物質として少なくとも金属錯体を含むことが好ましく、その金属錯体をドーパント物質として用いるホスト物質を含んでいてもよい。ホスト物質の例は特に限定されず、ホストの三重項エネルギーがドーパントの三重項エネルギーよりも大きい限り、任意の金属錯体又は有機化合物を用いることができる。
【0105】
ホストとして用いられる金属錯体の例は、以下の一般式を有することが好ましい。
【化18】
【0106】
Mは金属であり;(Y
3−Y
4)は二座配位子であって、Y
3及びY
4は独立にC、N、O、P、及びSから選択され;Lは補助配位子であり;mは1からその金属に結合しうる配位子の最大数までの整数値であり;且つ、m+nはその金属に結合しうる配位子の最大数である。
【0107】
一つの側面では、金属錯体は、
【化19】
である。
【0108】
(O−N)は二座配位子であり、金属をO及びN原子に配位させる。
【0109】
別の側面では、MはIr及びPtから選択される。
【0110】
さらなる側面では、(Y
3−Y
4)はカルベン配位子である。
【0111】
ホストとして用いられる有機化合物の例は、以下のものからなる群から選択される:芳香族炭化水素環状化合物、例えば、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン;芳香族ヘテロ環状化合物からなる群、例えば、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン、及びセレノフェノジピリジン;並びに、前記の芳香族炭化水素環状基及び前記の芳香族ヘテロ環状基から選択される同じか又は異なる種類の基であり、且つ酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位、及び脂肪族環状基のうちの少なくとも1つを介して又は直接、互いに結合されている2〜10の環状構造単位からなる群。ここで各基は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される置換基でさらに置換されている。
【0112】
一つの側面では、ホスト化合物はその分子内に以下の基のうちの少なくとも1つを含む:
【化20】
【0113】
R
1〜R
7は独立に、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、それがアリール又はヘテロアリールである場合には、それは上述したAr類と同様の定義を有する。
【0114】
kは0〜20の整数である。
【0115】
X
1〜X
8はC(CHも含めて)又はNから選択される。
【0116】
〔HBL〕
【0117】
正孔阻止層(HBL)は、発光層を離れる正孔及び/又は励起子の数を減らすために用いることができる。デバイスにおけるそのような阻止層の存在は、阻止層をもたない類似のデバイスと比較して実質的に高い効率をもたらしうる。また、阻止層は、OLEDの所望の領域に発光を閉じ込めるために用いることもできる。
【0118】
一つの側面では、HBLに用いられる化合物は、上述したホストして用いられるものと同じ分子を含む。
【0119】
別の側面では、HBLに用いられる化合物は、その分子中に以下の基のうち少なくとも1つを含む:
【化21】
【0120】
kは0〜20の整数であり;Lは補助配位子であり、mは1〜3の整数である。
【0121】
〔ETL〕
【0122】
電子輸送層(ETL)は、電子を輸送できる物質を含むことができる。電子輸送層はその本来的性質(非ドープ)であるか、あるいはドープされていてもよい。ドーピングは導電性を高めるために用いることができる。ETL物質の例は特に限定されず、それらが電子を輸送するために通常用いられる限り、任意の金属錯体又は有機化合物を用いることができる。
【0123】
一つの側面では、ETLに用いられる化合物は、その分子内に以下の基のうち少なくとも1つを含む。
【化22】
【0124】
R
1は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、それは上述したAr類と同様の定義を有する。
【0125】
Ar
1〜Ar
3は上述したAr類と同様の定義を有する。
【0126】
kは0〜20の整数である。
【0127】
X
1〜X
8はC(CHも含めて)又はNから選択される。
【0128】
別の側面では、ETLに用いられる金属錯体には以下の一般式のものが含まれるがこれらには限定されない。
【化23】
【0129】
(O−N)又は(N−N)は二座配位子であり、金属をO,N、又はN,N原子に配位させ;Lは補助配位子であり;mは、1からその金属に結合できる配位子の最大数までの整数値である。
【0130】
OLEDデバイスの各層に用いられる任意の上述した化合物においては、その水素原子は部分的に又は完全に重水素化されていることができる。
【0131】
本明細書に開示した物質に加えて、及び/又はそれと組み合わせて、多くの正孔注入物質、正孔輸送物質、ホスト物質、ドーパント物質、励起子/正孔阻止層物質、電子輸送及び電子注入物質をOLEDに用いてもよい。本明細書に開示した物質と組み合わせてOLEDに用いてもよい物質の非限定的な例を、以下の表3に挙げている。表3は、非限定的な物質群、各群についての錯体の非限定的な例、及びその物質を開示している参考文献を列挙している。
【0132】
【表29】
【0133】
【表30】
【0134】
【表31】
【0135】
【表32】
【0136】
【表33】
【0137】
【表34】
【0138】
【表35】
【0139】
【表36】
【0140】
【表37】
【0141】
【表38】
【0142】
【表39】
【0143】
【表40】
【0144】
【表41】
【0145】
【表42】
【0146】
【表43】
【0147】
【表44】
【0148】
【表45】
【0149】
【表46】
【0150】
【表47】
【0151】
【表48】
【0152】
【表49】
【0153】
【表50】
【0154】
【表51】
【0155】
[合成実施例]
本明細書を通じて用いた化学的略号は以下のとおりである。Cyはシクロへキシル、dbaはジベンジリデンアセトン、EtOAcは酢酸エチル、DMEはジメトキシエタン、dppeは1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、THFはテトラヒドロフラン、DCMはジクロロメタン、S−Phosはジシクロヘキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィンである。
【0156】
【化24】
【0157】
〔5−クロロ−2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ピリジンの合成〕
ジメトキシエタン(75 mL)及び水(75 mL)に、ジベンゾ[b,d]フラン−4−イルボロン酸(9.5 g, 44.8 mmol)、2,5−ジクロロピリジン(7.0 g, 47.0 mmol)、Pd(PPh
3)
4(2.6 g, 2.2 mmol)、及び炭酸カリウム(18.6 g, 134 mmol)を添加した。反応混合物を窒素で脱ガスし、その後、夜通し加熱して還流させた。EtOAc及び水を添加し、有機層を分離し、水層を3×50mLのジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、粗生成物を、ジクロロメタンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて11.7gの粗生成物を得た。この生成物を、ヘキサンから結晶化させて9.5g(76%)の5−クロロ−2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ピリジンを白色針状晶として得た。その生成物はGC/MSで確認した。
【0158】
【化25】
【0159】
〔2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−5−(1−プロペン−2−イル)ピリジンの合成〕
5−クロロ−2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ピリジン(9.5 g, 34.0 mmol)、ジシクロヘキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(1.1 g, 2.7 mmol)、及び三塩基性リン酸カリウム一水和物(23.5 g, 102 mmol)をトルエン(200 mL)及び水(20 mL)に添加し、その反応混合物を窒素で脱ガスした。Pd
2(dba)
3(0.622 g, 0.679 mmol)及び4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−プロペン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(7.7 mL, 40.8 mmol)を添加し、反応混合物を夜通し加熱し還流させた。EtOAc及び水を添加し、有機層を分離し、水層を3×50mLのジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、12.7gの琥珀色オイルを得た。この粗生成物を、9/1(v/v)のヘキサン/EtOAcを用いてシリカ上でのクロマトグラフィーにかけて、7.5g(77%)の2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−5−(1−プロペン−2−イル)ピリジンを白色固体として得た。この生成物はGC/MSで確認し、さらに精製することなく用いた。
【0160】
【化26】
【0161】
〔2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−5−イソプロピルピリジンの合成〕
2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−5−(1−プロペン−2−イル)ピリジン(7.5 g, 26.3 mmol)を、EtOH(150 mL)の入った水素化瓶に添加した。その反応混合物を、10分間窒素をバブリングすることによって脱ガスした。Pd/C(0.28 g, 2.63 mmol)及びPt/C(0.26 g, 1.3 mmol)をその反応混合物に添加した。この反応混合物をParr水素化器に1時間置いた。密にパッキングしたセライト(登録商標)床を通して反応混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗って7.5g(99%)の所望する生成物を得た。この生成物はGC/MS及びNMRで確認した。
【0162】
【化27】
【0163】
〔5−クロロ−2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ピリジンの合成〕
ジメトキシエタン(200 mL)及び水(200 mL)に、ジベンゾ[b,d]フラン−4−イルボロン酸(25 g, 118 mmol)、2,4−ジクロロピリジン(19.2 g, 130 mmol)、Pd(PPh
3)
4(4.1 g, 3.5 mmol)、及び炭酸カリウム(48.9 g, 354 mmol)を添加した。反応混合物を窒素で脱ガスし、その後、夜通し加熱して還流させた。EtOAc及び水を添加し、有機層を分離し、水層を3×50mLのジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、粗生成物を、ジクロロメタンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて33.4gの粗生成物を得た。この生成物を、ヘキサンから結晶化させて27.0g(82%)の4−クロロ−2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ピリジンを白色針状晶として得た。その生成物はGC/MS及びNMRで確認した。
【0164】
【化28】
【0165】
〔2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−(1−プロペン−2−イル)ピリジンの合成〕
4−クロロ−2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ピリジン(24.0 g, 86.0 mmol)、ジシクロヘキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(2.8 g, 6.9 mmol)、及び三塩基性リン酸カリウム一水和物(59.3 g, 257 mmol)をトルエン(400 mL)及び水(40 mL)に添加し、その反応混合物を脱ガスした。Pd
2(dba)
3(1.6 g, 1.7 mmol)及び4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−プロペン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(19.4 mL, 103 mmol)を添加し、反応混合物を夜通し加熱し還流させた。EtOAc及び水を添加し、有機層を分離し、水層を3×50mLのジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、33.0gの琥珀色オイルを得た。この粗生成物を、9/1(v/v)のDCM/EtOAcを用いてシリカ上でのクロマトグラフィーにかけて、23.5g(96%)の2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−(1−プロペン−2−イル)ピリジンを白色固体として得た。この生成物はGC/MSで確認し、さらに精製することなく用いた。
【0166】
【化29】
【0167】
〔2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピルピリジンの合成〕
2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−(1−プロペン−2−イル)ピリジン(8.0 g, 28 mmol)を、EtOH(150 mL)の入った水素化瓶に添加した。その反応混合物を、10分間N
2をバブリングすることによって脱ガスした。Pd/C(0.60 g, 5.6 mmol)及びPt/C(0.55 g, 2.8 mmol)をその反応混合物に添加した。この反応混合物をParr水素化器に1時間置いた。密にパッキングしたセライト(登録商標)床を通して反応混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗った。粗生成物を、9/1(v/v)のヘキサン/EtOAcを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、7.2g(96%)の2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピルピリジンを得た。この生成物はGC/MS及びNMRで確認した。
【0168】
【化30】
【0169】
〔5−ブロモ−2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−メチルピリジンの合成〕
フラスコに、ジメトキシエタン(450 mL)及び水(100 mL)と一緒に、2,5−ジブロモ−4−メチルピリジン(30 g, 118 mmol)、ジベンゾ[b,d]フラン−4−イルボロン酸(25 g, 118 mmol)、Pd(PPh
3)
4(1.4 g, 1.18 mmol)、及びK
2CO
3(49 g, 354 mmol)を添加し、窒素を用いて脱ガスした。反応混合物を15時間加熱して還流させ、その後、室温まで冷やした。EtOAc及び水を添加し、有機層を分離し、水層を3×50mLのジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、粗生成物を、ジクロロメタンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて29.7gの粗生成物を得た。この生成物を、ヘキサンから結晶化させて28.8g(72%)の純粋な生成物を得た。その生成物はNMR及びHPLC(99.3%純度)によって確認した。
【0170】
【化31】
【0171】
〔2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4,5−ジメチルピリジンの合成〕
5−ブロモ−2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−メチルピリジン(28.7 g, 85 mmol)、ジシクロヘキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(1.394 g, 3.39 mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(58.6 g, 255 mmol)をトルエン(500 mL)及び水(50 mL)に添加し、20分間脱ガスした。トリメチルボロキシン(14.83 mL, 106 mmol)及びPd
2(dba)
3(0.777 g, 0.849 mmol)を添加し、反応混合物を夜通し加熱し還流させた。冷やした後、有機層を分離し、水層を3×50mLのEtOAcで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。この粗生成物を、8/2(v/v)のジクロロメタン/EtOAc(ヘキサン中)を用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、19.2gの灰色固体を得て、これをヘキサンから再結晶して16.8g(83%)の生成物を白色針状晶として得た。生成物はNMR及びHPLC(99.97%純度)によって確認した。
【0172】
【化32】
【0173】
〔2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−5−イソブチル−4−メチルピリジンの合成〕
5−ブロモ−2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−メチルピリジン(13.0 g, 38.3 mmol)、イソブチルボロン酸(11.7 g, 115 mmol)、ジシクロヘキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.63 g, 1.53 mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(22.1 g, 96 mmol)を水(10 mL)及びトルエン(210 mL)に添加した。この系を窒素で20分間脱ガスし、次にPd
2(dba)
3(0.35 g, 0.38 mmol)を添加し、次にこの系を夜通し加熱し還流させた。室温まで冷やした後、反応混合物をシリカゲルの小さな詰め物を通して濾過し、ジクロロメタンで溶出させた。濾液を濃縮し、次にヘキサンから結晶化させて2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−5−イソブチル−4−メチルピリジン(9.0g、74%)を得た。
【0174】
【化33】
【0175】
〔5−クロロ−2−フェニルピリジンの合成〕
2,5−ジクロロピリジン(30 g, 203 mmol)、フェニルボロン酸(24.72 g, 203 mmol)、及び炭酸カリウム(84 g, 608 mmol)を、ジメトキシエタン(500 mL)及び水(100 mL)に添加した。この反応混合物を窒素で20分間脱ガスし、Pd(PPh
3)
4(2.3 g, 2.0 mmol)を添加し、反応混合物を18時間還流させておいた。反応物を室温まで冷やし、水層を除去し、ジクロロメタンを減圧下でロータリーエバポレーターによって乾燥するまで濃縮した。残留物をDMCに溶かし、シリカゲルの詰め物を通過させ、DCMで溶出させた。溶媒を除去し、粗生成物を40/60(v/v)のDCM/ヘキサンから50/50(v/v)のDCM/ヘキサンを用いてシリカ上でのクロマトグラフィーにかけて、28g(73%)の生成物を白色固体として得た(HPLC純度:99.7%)。
【0176】
【化34】
【0177】
〔5−エチル−2−フェニルピリジンの合成〕
5−クロロ−2−フェニルピリジン(16 g, 84 mmol)及びNi(dppe)Cl
2(0.891 g, 1.687 mmol)を300mLのTHFに添加し、反応混合物を、窒素を用いて20分間脱ガスし、その後、0℃に冷やした。エチルマグネシウムブロマイド(169 mL, 169 mmol)を60分間かけて滴下して添加し、その反応混合物をさらに3時間撹拌し、その後、夜通し室温に温めた。反応混合物を0℃に再度冷やし、250mLの水を用いて失活させ、EtOAcで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。粗製物質を95/5のヘキサン/EtOAcを用いてシリカ上でのクロマトグラフィーにかけて、2.9g(19%)の5−エチル−2−フェニルピリジンを白色固体として得た。
【0178】
【化35】
【0179】
〔2−フェニル−5−(1−プロペン−2−イル)ピリジンの合成〕
1Lの丸底フラスコに、5−クロロ−2−フェニルピリジン(10.15 g, 53.5 mmol)、ジシクロヘキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(1.8 g, 4.3 mmol)、三塩基性リン酸カリウム一水和物(37.0 g, 161 mmol)をトルエン(200 mL)及び水(20 mL)とともに添加した。この反応混合物を20分間窒素で脱ガスした。4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−プロペン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(12.07 mL, 64.2 mmol)及びPd
2(dba)
3(0.980 g, 1.070 mmol)を添加し、反応混合物を18時間還流させた。水層を除去し、有機層を乾燥するまで濃縮させた。粗生成物をヘキサン中0〜20%EtOAcを用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにかけて、11gの所望する生成物を得た(HPLC純度:95%)。生成物はGC/MSによって確認した。
【0180】
【化36】
【0181】
〔2−フェニル−5−イソプロピルピリジンの合成〕
2−フェニル−5−(1−プロペン−2−イル)ピリジン(11 g, 56.3 mmol)を、EtOH(150 mL)を入れた水素化瓶に添加した。この反応混合物を、10分間、N
2でバブリングすることによって脱ガスした。Pd/C(0.60 g, 5.63 mmol)及びPt/C(0.55 g, 2.82 mmol)をその反応混合物に添加した。この反応混合物をParr水素化器に1.5時間置いた。密にパッキングしたセライト(登録商標)床を通して反応混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗った。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、GC/MSで完全な転化を確認した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーのためにセライト(登録商標)上に吸着させた。この粗生成物を、ヘキサン中10%EtOAcを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、6g(54%)の2−フェニル−5−イソプロピルピリジン(HPLC純度:100%)を得た。この生成物はGC/MSで確認した。
【0182】
【化37】
【0183】
〔4−クロロ−2−フェニルピリジンの合成〕
1Lの丸底フラスコに2,4−ジクロロピリジン(30 g, 203 mmol)、フェニルボロン酸(24.7 g, 203 mmol)、炭酸カリウム(84 g, 608 mmol)、Pd(PPh
3)
4(2.3 g, 2.0 mmol)、ジメトキシエタン(500 mL)、及び水(150 mL)を添加した。この混合物を脱ガスし、20時間加熱し還流させた。冷却後、水層をEtOAcで抽出した。有機部分を一緒にし、カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中5%EtOAcからヘキサン中10%EtOAc)にかけて、34g(88%)の4−クロロ−2−フェニルピリジンを得た。生成物はGC/MS及びNMRによって確認した。
【0184】
【化38】
【0185】
〔2−フェニル−4−(1−プロペン−2−イル)ピリジンの合成〕
4−クロロ−2−フェニルピリジン(14 g, 73.8 mmol)及びリン酸カリウム(51.0 g, 221mmol)を、300mLのトルエン及び30mLの水に溶かした。反応物を20分間窒素でパージし、次に、4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−プロペン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(16.65 mL, 89 mmol)、Pd
2(dba)
3(1.35 g, 1.48 mmol)及びS−Phos(2.42 g, 5.91 mmol)を添加した。反応物を18時間還流させた。冷却後、100mLの水を添加し、分離し、水層を100mLの酢酸エチルで2度抽出した。有機層をシリカゲルの詰め物を通過させ、DCMで溶出した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中5%EtOAcからヘキサン中10%EtOAc)にかけて、13.5g(90%)の2−フェニル−4−(1−プロペン−2−イル)ピリジンを得た。
【0186】
【化39】
【0187】
〔2−フェニル−4−イソプロピルピリジンの合成〕
2−フェニル−4−(1−プロペン−2−イル)ピリジン(13.5 g, 69.1 mmol)を、EtOH(150 mL)を入れた水素化瓶に添加した。この反応混合物を、10分間、N
2でバブリングすることによって脱ガスした。Pd/C(0.736 g, 6.9 mmol)及びPt/C(0.674 g, 3.5 mmol)をその反応混合物に添加した。この反応混合物をParr水素化器に2時間置いた。密にパッキングしたセライト(登録商標)床を通して反応混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗った。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、GC/MSで完全な転化を確認した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーのためにセライトに吸着させた。この粗生成物を、ヘキサン中10%EtOAcを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、10g(75%)の2−フェニル−4−イソプロピルピリジン(HPLC純度:99.8%)を得た。この生成物はGC/MSで確認した。
【0188】
【化40】
【0189】
〔5−メチル−2−フェニルピリジンの合成〕
2−ブロモ−5−メチルピリジン(30 g, 174 mmol)、フェニルボロン酸(25.5 g, 209 mmol)、ジシクロヘキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(2.86 g, 6. 98 mmol)、及び三塩基性リン酸カリウム一水和物(120 g, 523 mmol)を、トルエン(600 mL)及び水(60 mL)に添加した。反応混合物を、窒素を用いて20分間脱ガスした。Pd
2(dba)
3(3.19 g, 3.49 mmol)を添加し、反応混合物を18時間還流させた。冷却後、有機層を分離し、水層を3×50mLのジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を75/25(v/v)のヘキサン/EtOAcを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけ、次にクーゲルロール装置で蒸留して(150℃、100 mbar)、26g(88%)の5−メチル−2−フェニルピリジンを白色固体として得た。生成物はNMR及びGC/MSによって確認した。HPLC純度:99.2%。
【0190】
【化41】
【0191】
〔4−メチル−2−フェニルピリジンの合成〕
1Lの丸底フラスコに、2−クロロ−4−メチルピリジン(25 g, 196 mmol)、フェニルボロン酸(23.9 g, 196 mmol)、炭酸カリウム(81 g, 588 mmol)、Pd(PPh
3)
4(2.3 g, 1.9 mmol)、ジメトキシエタン(500 mL)、及び水(150 mL)を入れた。この反応混合物を、窒素を用いて脱ガスし、22時間加熱し還流させた。冷却後、水層をEtOAcで抽出した。有機部分を一緒にして、カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中5%EtOAcからヘキサン中10%EtOAc)にかけて、28g(78%)の4−メチル−2−フェニルピリジンを得た。生成物はNMR及びGC/MSによって確認した。
【0192】
【化42】
【0193】
〔4−エチル−2−フェニルピリジンの合成〕
無水THF(150 mL)中の4−メチル−2−フェニルピリジン(8 g, 47.3 mmol)に、−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(LDA)(30.7 mL, 61.5 mmol)を滴下して添加した。その暗色溶液を−78℃で3時間撹拌し、次にCH
3I(4.1 mL, 66.2 mmol)を滴下して添加した。この反応混合物をゆっくり室温まで夜通しで温めた。塩化アンモニウム溶液及びEtOAcを添加し、その反応物を分液ロートに移した。層分離させ、水層をEtOAcで2回洗い、合わせた有機層を水で一回洗った。溶媒の除去後、その粗生成物を9/1(v/v)のヘキサン/EtOAcを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、5.5g(63.5%)の4−エチル−2−フェニルピリジンを得た。HPLC純度:99.0%。
【0194】
【化43】
【0195】
〔4−メチル−2−フェニルピリジンの塩素架橋ダイマーの合成〕
4−メチル−2−フェニルピリジン(7 g, 41 mmol)及び塩化イリジウム(III)水和物(4.86 g, 13.79 mmol)を、2−エトキシエタノール(90 mL)及び水(30 mL)とともに窒素雰囲気下で500mLの丸底フラスコに、入れた。得られた反応混合物を130℃で18時間還流させた。生じた沈殿物を濾過し、メタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。得られた生成物を乾燥させて、7.5g(90%)の所望する生成物を得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0196】
【化44】
【0197】
〔5−メチル−2−フェニルピリジン塩素架橋ダイマーの合成〕
5−メチル−2−フェニルピリジン(12 g, 70.9 mmol)及び塩化イリジウム(III)水和物(7.1 g, 20.3 mmol)を、2−エトキシエタノール(100 mL)及び水(33.3 mL)とともに窒素雰囲気下で500mLの丸底フラスコに入れた。得られた反応混合物を130℃で18時間還流させた。生じた沈殿物を濾過し、メタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。得られた生成物を乾燥させて、11.0g(96%)の所望する生成物を得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0198】
【化45】
【0199】
〔2−フェニル−5−イソプロピルピリジン塩素架橋ダイマーの合成〕
5−イソプロピル−2−フェニルピリジン(6.0 g, 30.4 mmol)及び塩化イリジウム(III)水和物(3.6 g, 10.1 mmol)を、2−エトキシエタノール(100 mL)及び水(33.3 mL)とともに窒素雰囲気下で500mLの丸底フラスコに入れた。得られた反応混合物を130℃で18時間還流させた。生じた沈殿物を濾過し、メタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。得られた生成物を乾燥させて、7g(100%)の所望する生成物を得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0200】
【化46】
【0201】
〔2−フェニル−4−イソプロピルピリジン塩素架橋ダイマーの合成〕
4−イソプロピル−2−フェニルピリジン(8.0 g, 40.6 mmol)及び塩化イリジウム(III)水和物(7.4 g, 20.3 mmol)を、2−エトキシエタノール(90 mL)及び水(30 mL)とともに窒素雰囲気下で500mLの丸底フラスコに入れた。得られた反応混合物を130℃で18時間還流させた。生じた沈殿物を濾過し、メタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。得られた生成物を乾燥させて、6.1g(95%)の所望する生成物を得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0202】
【化47】
【0203】
〔4−エチル−2−フェニルピリジン塩素架橋ダイマーの合成〕
4−イソプロピル−2−フェニルピリジン(5.5 g, 30.0 mmol)及び塩化イリジウム(III)水和物(5.8 g, 16.5 mmol)を、2−エトキシエタノール(90 mL)及び水(30 mL)とともに窒素雰囲気下で500mLの丸底フラスコに入れた。得られた反応混合物を130℃で18時間還流させた。生じた沈殿物を濾過し、メタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。得られた生成物を乾燥させて、6.5g(72%)の所望する生成物を得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0204】
【化48】
【0205】
〔5−エチル−2−フェニルピリジン塩素架橋ダイマーの合成〕
5−エチル−2−フェニルピリジン(2.9 g, 15.7 mmol)及び塩化イリジウム(III)水和物(1.8 g, 5.2 mmol)を、2−エトキシエタノール(60 mL)及び水(20 mL)とともに窒素雰囲気下で500mLの丸底フラスコに入れた。得られた反応混合物を130℃で18時間還流させた。生じた沈殿物を濾過し、メタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。得られた生成物を乾燥させて、2.45g(89.3%)の所望する生成物を得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0206】
【化49】
【0207】
〔5−メチル−2−フェニルピリジンイリジウム トリフルオロメタンスルホン酸塩の合成〕
上記イリジウムダイマー(11 g, 9.8 mmol)を600mLのジクロロメタンに懸濁させた。別のフラスコに、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(5.3 g, 20.5 mmol)をMeOH(300 mL)中に溶かし、先のジクロロメタン溶液に、連続撹拌しながら室温においてゆっくり添加した。その反応混合物を夜通し暗所で撹拌した。反応混合物を、密に詰めたセライト(登録商標)床を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して15g(100%)の生成物を褐色がかった緑色固体として得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0208】
【化50】
【0209】
〔4−メチル−2−フェニルピリジンイリジウム トリフルオロメタンスルホン酸塩の合成〕
上記イリジウムダイマー(7.5 g, 6.6 mmol)を600mLのジクロロメタンに溶かした。別のフラスコに、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(3.5 g, 13.8 mmol)をMeOH(300 mL)中に溶かし、先のジクロロメタン溶液に、連続撹拌しながら室温においてゆっくり添加した。その反応混合物を夜通し暗所で撹拌した。反応混合物を、密に詰めたセライト(登録商標)床を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して10g(100%)の生成物を褐色がかった緑色固体として得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0210】
【化51】
【0211】
〔2−フェニル−5−イソプロピルピリジンイリジウム トリフルオロメタンスルホン酸塩の合成〕
上記イリジウムダイマー(5.3 g, 4.3 mmol)を500mLのジクロロメタンに溶かした。別のフラスコに、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(2.3 g, 8.9 mmol)をMeOH(250 mL)中に溶かし、先のジクロロメタン溶液に、連続撹拌しながら室温においてゆっくり添加した。その反応混合物を夜通し暗所で撹拌した。反応混合物を、密に詰めたセライト(登録商標)床を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して6.9g(100%)の生成物を褐色固体として得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0212】
【化52】
【0213】
〔2−フェニル−4−イソプロピルピリジンイリジウム トリフルオロメタンスルホン酸塩の合成〕
上記イリジウムダイマー(6.2 g, 4.94 mmol)を500mLのジクロロメタンに溶かした。別のフラスコに、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(2.7 g, 10.4 mmol)をMeOH(250 mL)中に溶かし、先のジクロロメタン溶液に、連続撹拌しながら室温においてゆっくり添加した。その反応混合物を夜通し暗所で撹拌した。反応混合物を、密に詰めたセライト(登録商標)床を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して7.8g(100%)の生成物を褐色がかった緑色固体として得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0214】
【化53】
【0215】
〔4−エチル−2−フェニルピリジンイリジウム トリフルオロメタンスルホン酸塩の合成〕
上記イリジウムダイマー(6.8 g, 5.7 mmol)を500mLのジクロロメタンに溶かした。別のフラスコに、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(3.2 g, 12.5 mmol)をMeOH(250 mL)中に溶かし、先のジクロロメタン溶液に、連続撹拌しながら室温においてゆっくり添加した。その反応混合物を夜通し暗所で撹拌した。反応混合物を、密に詰めたセライト(登録商標)床を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して5.5g(63%)の生成物を褐色がかった緑色固体として得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0216】
【化54】
【0217】
〔5−エチル−2−フェニルピリジンイリジウム トリフルオロメタンスルホン酸塩の合成〕
上記イリジウムダイマー(2.8 g, 2.4 mmol)を500mLのジクロロメタンに懸濁させた。別のフラスコに、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(1.3 g, 4.91 mmol)をMeOH(250 mL)中に溶かし、先のジクロロメタン溶液に、連続撹拌しながら室温においてゆっくり添加した。その反応混合物を夜通し暗所で撹拌した。反応混合物を、密に詰めたセライト(登録商標)床を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して3.6g(100%)の生成物を褐色がかった緑色固体として得た。この生成物はさらに精製することなく用いた。
【0218】
【化55】
【0219】
〔化合物53の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(3.5 g, 4.9 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−5−イソプロピルピリジン(3.5 g, 12.18 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。セライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。粗生成物を1/1(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、1.3g(33%)の化合物53を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.5%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0220】
【化56】
【0221】
〔化合物157の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.5 g, 3.50 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4,5−ジメチルピリジン(2.5 g, 9.15 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を24時間還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。溶媒をその体積の半分になるまで除去し、イソプロパノールを添加して生成物を沈殿させ、減圧下でジクロロメタンを除去した。濾過した物質をイソプロパノール及びヘキサンで洗い、LC/MSによればfac−及びmer−異性体の混合物を得た。この混合物をDMSO中でRayonet中、350nmでfac−異性体に異性化させた。粗生成物を1/1のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、1.4g(52%)の化合物157を黄色固体として得た。この生成物はHPLC(98.7%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0222】
【化57】
【0223】
〔化合物158の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.5 g, 3.37 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4,5−ジメチルピリジン(2.5 g, 9.15 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。溶媒をその体積の半分になるまで除去し、イソプロパノールを添加して生成物を沈殿させ、減圧下でジクロロメタンを除去した。濾過した物質をイソプロパノール及びヘキサンで洗い、乾燥させて2.7g(100%)の化合物158を黄色固体として得た。この生成物はHPLC(99.4%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0224】
【化58】
【0225】
〔化合物159の合成〕
EtOH(30 mL)及びMeOH(30 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(3.0 g, 4.04 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4,5−ジメチルピリジン(3.0 g, 10.98 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。所望の生成物の溶解度は非常に低かった。多量の溶媒をその生成物を溶出させるために用いた。粗生成物を1/1(v/v)のジクロロメタン/ヘキサン、後に4/1のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにかけて、0.3gの生成物を黄色固体として得た。この生成物はHPLC(99.9%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0226】
【化59】
【0227】
〔化合物165の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.5 g, 3.25 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4,5−ジメチルピリジン(2.5 g, 9.15 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。溶媒をその体積の半分になるまで除去し、イソプロパノールを添加して生成物を沈殿させ、減圧下でジクロロメタンを除去した。濾過した物質をイソプロパノール及びヘキサンで洗い、乾燥させた。粗生成物を、1/1(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにかけて、1.2g(43%)の化合物165を黄色固体として得た。この生成物はHPLC(99.4%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0228】
【化60】
【0229】
〔化合物174の合成〕
EtOH(50 mL)及びMeOH(50 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(3.6 g, 4.68 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4,5−ジメチルピリジン(3.6 g, 13.17 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。粗生成物を1/1(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにかけて、0.8gの生成物を黄色固体として得た。この生成物はHPLC(98.6%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0230】
【化61】
【0231】
〔化合物175の合成〕
EtOH(30 mL)及びMeOH(30 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.5 g, 3.25 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4,5−ジメチルピリジン(2.66 g, 9.74 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。粗生成物を2/3(v/v)のTHF/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにかけて、0.8gの生成物をHPLCによって得た。その生成物を、1/3のDCM/ヘキサン溶液からDCMをゆっくり蒸発させることによって再結晶させて0.6g(22%)を黄色結晶性固体として得た。この生成物はHPLC(99.4%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0232】
【化62】
【0233】
〔化合物184の合成〕
EtOH(30 mL)及びMeOH(30 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(3.0 g, 3.76 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4,5−ジメチルピリジン(3.0 g, 10.98 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。粗生成物を1/1(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにかけて、2.1g(65%)の生成物を黄色固体として得た。この生成物はHPLC(99.8%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0234】
【化63】
【0235】
〔化合物185の合成〕
EtOH(30 mL)及びMeOH(30 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.8 g, 3.51 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4,5−ジメチルピリジン(2.88 g, 10.53 mmol)の混合物を、20時間、N
2下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物を小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。この粗生成物を2/3(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにかけて、2.1g(69%)の生成物を黄色固体として得た。この生成物はHPLC(99.9%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0236】
【化64】
【0237】
〔化合物314の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.5 g, 3.37 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−5−イソブチル−4−メチルピリジン(2.5 g, 7.93 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。溶媒をその体積の半分になるまで除去し、イソプロパノールを添加して生成物を沈殿させ、減圧下でジクロロメタンを除去した。濾過した物質をイソプロパノール及びヘキサンで洗い、乾燥させて、3.0g(100%)の化合物314を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.6%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0238】
【化65】
【0239】
〔化合物321の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.2 g, 2.86 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−5−イソブチル−4−メチルピリジン(2.2 g, 6.98 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。溶媒をその体積の半分になるまで除去し、イソプロパノールを添加して生成物を沈殿させ、減圧下でジクロロメタンを除去した。濾過した物質をイソプロパノール及びヘキサンで洗った。粗生成物を1/1(v/v)ジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにかけて、1.6g(50%)の化合物321を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.0%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0240】
【化66】
【0241】
〔化合物625の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.2 g, 3.08 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピルピリジン(2.2 g, 7.66 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。溶媒をその体積の半分になるまで除去し、イソプロパノールを添加して生成物を沈殿させ、減圧下でジクロロメタンを除去した。濾過した物質をイソプロパノール及びヘキサンで洗い、1.7g(67%)の化合物625を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.8%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0242】
【化67】
【0243】
〔化合物626の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.5 g, 3.37 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピルピリジン(2.5 g, 8.70 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。溶媒をその体積の半分になるまで除去し、イソプロパノールを添加して生成物を沈殿させ、減圧下でジクロロメタンを除去した。濾過した物質をイソプロパノール及びヘキサンで洗い、乾燥させた。この粗生成物を、1/1(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、2.5g(89%)の化合物626を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.4%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0244】
【化68】
【0245】
〔化合物627の合成〕
EtOH(30 mL)及びMeOH(30 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(3.0 g, 4.0 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピルピリジン(3.0 g, 10.4 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。この粗生成物を、1/1(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、2.0g(60%)の化合物627を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.9%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0246】
【化69】
【0247】
〔化合物628の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(3.0 g, 4.0 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピルピリジン(3.0 g, 10.5 mmol)の混合物を、24時間、窒素雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物を小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。この粗生成物を、2/3(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、2.1g(64%)の生成物を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.95%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0248】
【化70】
【0249】
〔化合物633の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.5 g, 3.25 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピルピリジン(2.5 g, 8.70 mmol)の混合物を、20時間、窒素雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。溶媒をその体積の半分になるまで除去し、イソプロパノールを添加して生成物を沈殿させ、減圧下でジクロロメタンを除去した。濾過した物質をイソプロパノール及びヘキサンで洗い、乾燥させた。この粗生成物を、1/1(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、1.6g(59%)の化合物633を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.7%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0250】
【化71】
【0251】
〔化合物643の合成〕
EtOH(30 mL)及びMeOH(30 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.4 g, 3.12 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−エチルピリジン(2.69 g, 9.35 mmol)の混合物を、20時間、窒素雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物を小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。この粗生成物を、2/3(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、1.3g(50%)の生成物を黄色固体として得た。生成物はHPLC(100%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0252】
【化72】
【0253】
〔化合物652の合成〕
EtOH(30 mL)及びMeOH(30 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(3.1 g, 3.9 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピルピリジン(3.1 g, 10.9 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。この粗生成物を、1/1(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、2.1g(62%)の化合物652を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.9%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0254】
【化73】
【0255】
〔化合物653の合成〕
EtOH(30 mL)及びMeOH(30 mL)中のイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(2.4 g, 3.01 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピルピリジン(3.0 g, 9.02 mmol)の混合物を、20時間、窒素雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライト(登録商標)を添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物を小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。この粗生成物を、2/3(v/v)のジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、0.96g(45%)の生成物を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.8%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0256】
【化74】
【0257】
〔2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−エチル−d
3−ピリジンの合成〕
無水THF(250 mL)中の2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−メチルピリジン(15.3 g, 59.0 mmol)に、−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(35.4 mL, 70.8 mmol)を滴下して添加した。その暗色溶液を−78℃で2時間撹拌し、次にCD
3I(4.41 mL, 70.8 mmol)を滴下して添加した。この反応混合物をゆっくり室温まで夜通しで温めた。塩化アンモニウム溶液及びEtOAcを添加し、反応物を分液ロートに移した。層分離させ、水層をEtOAcで2回洗い、合わせた有機層を水で一回洗った。溶媒の除去後、その粗生成物を8/2(v/v)のヘキサン/EtOAc、次に7/3のヘキサン/EtOAcを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、14.5gの生成物を淡黄色固体として得た。ヘキサンから再結晶して、12.9g(79%)の2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−エチル−d
3−ピリジンを得た。HPLC純度:99.4%。
【0258】
【化75】
【0259】
〔2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピル−d
6−ピリジンの合成〕
無水THF(100 mL)中の2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−エチル−d
3−ピリジンを溶かし、−78℃に冷やした。リチウムジイソプロピルアミド(19.0 mL, 38.0 mmol)を滴下して添加し、反応混合物を−78℃で2時間撹拌した。CD
3Iを滴下して添加し、この反応混合物をゆっくり室温まで夜通しで温めた。反応物をMeOH、NH
4Cl(aq.)で失活させ、EtOAcを添加し、その二相混合物を分液ロートに移した。層を分離し、水層をEtOAcで2回洗い、一緒にした有機層を水で洗った。溶媒の除去後、その粗生成物を8/2(v/v)のヘキサン/EtOAcを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、6.4g(86%)の2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピル−d
6−ピリジンを得た。HPLC純度:99.2%。
【0260】
【化76】
【0261】
〔化合物1145の合成〕
EtOH(30 mL)及びMeOH(30 mL)中の上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体(3.5 g, 4.9 mmol)及び2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−d
3−エチルピリジン(3.5 g, 12.7 mmol)の混合物を、20時間、不活性雰囲気下で還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライトを添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶出させた。この粗生成物を、ジクロロメタンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、1.8g(47%)の化合物1145を黄色固体として得た。生成物はHPLC(98.7%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0262】
【化77】
【0263】
〔化合物1146の合成〕
EtOH(25 mL)及びMeOH(25 mL)中で2−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−4−イソプロピル−d
6−ピリジンと上記の適当なイリジウムトリフルオロメタンスルホネート錯体を一緒に混ぜ、16時間加熱し還流させた。反応混合物を室温に冷やし、エタノールで希釈し、セライトを添加し、その混合物を10分間撹拌した。この混合物をフリット上の小さなシリカゲルの詰め物の上で濾過し、エタノール(3〜4回)及びヘキサン(3〜4回)で洗った。濾液は捨てた。そのセライト(登録商標)/シリカの詰め物を次にジクロロメタンで洗い、生成物を溶かした。この粗生成物を、ヘキサン中50〜70%のジクロロメタンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、1.7g(43%)の化合物1146を黄色固体として得た。生成物はHPLC(99.5%純度)及びLC/MSによって確認した。
【0264】
本明細書に記載した様々な態様は例示の目的であり、本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。例えば、本明細書に記載した多くの物質及び構造は、本発明の精神から離れることなく、その他の物質及び構造で置き換えることができる。特許請求の範囲に記載した本発明は、したがって、本明細書に記載した具体的な例及び好ましい態様からの変形を含むことができ、それは当業者には明らかである。本発明が何故機能するのかについての様々な理論は限定することを意図していないことが理解される。