【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置は、
複数のノード装置により無線リング型ネットワークを構成する無線リング型ネットワークシステム用のノード装置において、
予め定められたトリガ条件の成立によりトリガされて、ノード間通信状態確認要求をブロードキャスト送信する状態確認要求送信手段と、
前記ノード間通信状態確認要求を受信し、受信した前記ノード間通信状態確認要求の送信元及び受信先の各ノード装置の識別情報と前記ノード間通信状態確認要求の受信状態情報とを含むノード間通信状態通知をブロードキャスト送信する通信状態送信手段と、
前記ノード間通信状態通知を受信し、前記無線リング型ネットワークを構成する各ノード装置間について受信した前記ノード間通信状態通知の前記受信状態情報に基づいて、前記複数のノード装置による無線リング型ネットワークの通信ルートを最適化する最適化手段と、
前記最適化手段が最適化した最新の前記通信ルートを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された通信ルートで他のノード装置とのデータ送受信を行うデータ送受信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置によれば、予め定められたトリガ条件が成立すると、状態確認要求送信手段によって他のノード装置に、ノード間通信状態確認要求がブロードキャスト送信される。
【0010】
そして、他のノード装置からのノード間通信状態確認要求を受信すると、通信状態送信手段によって他のノード装置に、受信したノード間通信状態確認要求の送信元及び受信先の各ノード装置の識別情報と、通信状態確認要求の受信状態情報とを含むノード間通信状態通知がブロードキャスト送信される。
【0011】
さらに、他のノード装置からのノード間通信状態通知を受信すると、無線リング型ネットワークを構成する各ノード装置間について受信したノード間通信状態通知の受信状態情報に基づいて、複数のノード装置による無線リング型ネットワークの通信ルートが最適化手段により最適化される。
【0012】
したがって、あるノード装置間において通信障害が起こると、双方のノード装置が、相手方からのノード間通信状態確認要求を受信できず対応するノード間通信状態通知を送信しなくなるか、あるいは、相手方から受信したノード間通信状態確認要求が受信強度不足であることを示す受信状態情報を含むノード間通信状態通知を他のノード装置にブロードキャスト送信することになる。
【0013】
このため、最適化手段によって、ノード装置間に通信障害が起こった区間がノード間通信状態通知の受信状態情報から認識され、これに基づいて、通信障害が起こった区間を使用しないように、無線リング型ネットワークの通信ルートが最適化される。
【0014】
そして、データ送受信手段によって、無線リング型ネットワーク上での他のノード装置とのデータ送受信が、常に、記憶手段に記憶されている、最適化手段によって最適化された最新の通信ルートを用いて行われる。
【0015】
ここで、ノード間通信状態通知の受信状態情報は、送信元のノード装置と受信先のノード装置との間で行われる通信の状態を双方向について表していると見倣すことができる。したがって、各ノード装置は、他の各ノード装置から受信したノード間通信状態通知の受信状態情報によって、無線リング型ネットワークを構成する各ノード装置間の通信状態を、フルコネクトネットワークの全ての区間について把握することになる。このため、各ノード装置の最適化手段がそれぞれ最適化した通信ルートは同じルートとなる。
【0016】
したがって、通信障害が複数の区間で起こってもリング型ネットワーク構成を維持することができる。
【0017】
なお、第1参考例の無線リング型ネットワークシステムは、
複数のノード装置により無線リング型ネットワークを構成する無線リング型ネットワークシステムにおいて、
前記各ノード装置は、
予め定められたトリガ条件の成立によりトリガされて、ノード間通信状態確認要求をブロードキャスト送信する状態確認要求送信手段と、
前記ノード間通信状態確認要求を受信し、受信した前記ノード間通信状態確認要求の送信元及び受信先の各ノード装置の識別情報と前記ノード間通信状態確認要求の受信状態情報とを含むノード間通信状態通知をブロードキャスト送信する通信状態送信手段と、
を備えており、
前記複数のノード装置のうち1つのノード装置は、
前記ノード間通信状態通知を受信し、前記無線リング型ネットワークを構成する各ノード装置間について受信した前記ノード間通信状態通知の前記受信状態情報に基づいて、前記複数のノード装置による無線リング型ネットワークの通信ルートを最適化する最適化手段と、
前記最適化手段が前記通信ルートを最適化すると該最適化した通信ルートをブロードキャスト送信する最適化ルート送信手段と、
を備えており、
前記各ノード装置は、さらに、
前記最適化手段が最適化した最新の前記通信ルートを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された通信ルートで他のノード装置とのデータ送受信を行うデータ送受信手段と、
を備えている、
ことを特徴とする。
【0018】
第1参考例の無線リング型ネットワークシステムによれば、予め定められたトリガ条件が成立すると、各ノード装置の状態確認要求送信手段によって他のノード装置に、ノード間通信状態確認要求がブロードキャスト送信される。
【0019】
また、他のノード装置からのノード間通信状態確認要求を受信すると、各ノード装置の通信状態送信手段によって他のノード装置に、受信したノード間通信状態確認要求の送信元及び受信先の各ノード装置の識別情報と、通信状態確認要求の受信状態情報とを含むノード間通信状態通知がブロードキャスト送信される。
【0020】
さらに、1つのノード装置において、他のノード装置からのノード間通信状態通知を受信すると、無線リング型ネットワークを構成する各ノード装置間について受信したノード間通信状態通知の受信状態情報に基づいて、複数のノード装置による無線リング型ネットワークの通信ルートが最適化手段により最適化される。
【0021】
ここで、あるノード装置間において通信障害が起こると、双方のノード装置が、相手方からのノード間通信状態確認要求を受信できず対応するノード間通信状態通知を送信しなくなるか、あるいは、相手方から受信したノード間通信状態確認要求が受信強度不足であることを示す受信状態情報を含むノード間通信状態通知を他のノード装置にブロードキャスト送信することになる。
【0022】
このため、最適化手段によって、ノード装置間に通信障害が起こった区間がノード間通信状態通知の受信状態情報から認識され、これに基づいて、通信障害が起こった区間を使用しないように、無線リング型ネットワークの通信ルートが最適化される。
【0023】
最適化手段により最適化された通信ルートは、最適化ルート送信手段により、1つのノード装置から他のノード装置にブロードキャスト送信される。
【0024】
また、最適化された通信ルートを受信すると、あるいは、自身に設けられた最適化手段により通信ルートが最適化されると、各ノード装置の記憶手段に記憶されている通信ルートが、最新の最適化された通信ルートに更新される。
【0025】
そして、各ノード装置のデータ送受信手段によって、無線リング型ネットワーク上での他のノード装置とのデータ送受信が、常に、記憶手段に記憶されている、最適化手段によって最適化された最新の通信ルートを用いて行われる。
【0026】
したがって、通信障害が複数の区間で起こってもリング型ネットワーク構成を維持することができる。
【0027】
さらに、請求項2に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置は、請求項1に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置において、前記最適化手段は、前記受信したノード間通信状態通知の前記受信状態情報に基づいて、他の2つ以上のノード装置との通信が確保できないノード装置を除外するように前記無線リング型ネットワークの通信ルートを最適化することを特徴とする。
【0028】
また、第2参考例の無線リング型ネットワークシステムは、第1参考例の無線リング型ネットワークシステムにおいて、前記最適化手段は、前記受信したノード間通信状態通知の前記受信状態情報に基づいて、他の2つ以上のノード装置との通信が確保できないノード装置を除外するように前記無線リング型ネットワークの通信ルートを最適化することを特徴とする。
【0029】
あるノード装置について、通信障害により他のノード装置と通信可能な区間が「0」又は「1」まで減少すると、そのノード装置を含めたネットワークをリング型に構成することができなくなる。
【0030】
そこで、請求項2に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置によれば、請求項1に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置において、1つのノード装置において、最適化手段により、他の2つ以上のノード装置との通信が確保できないノード装置を除外するように無線リング型ネットワークの通信ルートが最適化される。
【0031】
このため、通信障害により他の2つ以上のノード装置との通信が確保できないノード装置が発生してもリング型ネットワーク構成を維持することができる。
【0032】
なお、第2参考例の無線リング型ネットワークシステムによれば、第1参考例の無線リング型ネットワークシステムにおいて、請求項2に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置と同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、請求項3に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置は、請求項1又は2に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置において、前記記憶手段に記憶された通信ルートの通信障害を検出する障害検出手段をさらに備えており、該障害検出手段による通信障害の検出により前記トリガ条件が成立することを特徴とする。
【0034】
さらに、第3参考例の無線リング型ネットワークシステムは、第1又は第2参考例の無線リング型ネットワークシステムにおいて、前記各ノード装置は、前記記憶手段に記憶された通信ルートの通信障害を検出する障害検出手段をさらに備えており、該障害検出手段による通信障害の検出により前記トリガ条件が成立することを特徴とする。
【0035】
請求項3に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置によれば、請求項1又は2に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置において、無線リング型ネットワークの通信ルート上に存在する区間において、2つのノード装置間に通信障害が起こると、各ノード装置の障害検出手段によってその通信障害が検出されてトリガ条件が成立し、各ノード装置の状態確認要求送信手段によって、ノード間通信状態確認要求が他のノード装置にブロードキャスト送信される。
【0036】
このため、データ送受信に使用中の通信ルート上で通信障害が発生した際に、トリガ条件が成立するようなイベントを別途発生させなくても、通信障害の区間を利用しないルートへの通信ルートの最適化を実行させることができる。
【0037】
なお、第3参考例の無線リング型ネットワークシステムによれば、第1又は第2参考例の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置用ノード装置において、請求項3に記載した本発明の無線リング型ネットワークシステム用ノード装置と同様の効果を得ることができる。