特許第6574883号(P6574883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574883
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】表示装置および表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20190902BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20190902BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20190902BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20190902BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20190902BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   G09F9/00 348Z
   G09F9/00 348A
   G09F9/00 338
   G09F9/00 350Z
   G09F9/00 362
   G09F9/30 330
   G02F1/1345
   G02F1/1333
   B60R11/02 C
   B60K35/00 Z
【請求項の数】16
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-151263(P2018-151263)
(22)【出願日】2018年8月10日
(62)【分割の表示】特願2018-527987(P2018-527987)の分割
【原出願日】2017年12月22日
(65)【公開番号】特開2019-113822(P2019-113822A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2018年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】512225287
【氏名又は名称】堺ディスプレイプロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 克彦
【審査官】 石本 努
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−69980(JP,A)
【文献】 特表2000−502471(JP,A)
【文献】 特開2016−134548(JP,A)
【文献】 特開2006−146214(JP,A)
【文献】 特開平8−248436(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3149814(JP,U)
【文献】 特開2004−354792(JP,A)
【文献】 特開2001−110488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K35/00−37/06
B60R1/00−1/04
1/08−1/12
9/00−11/06
G02F1/133−1/1334
1/1339−1/1368
G09F9/00−9/46
H01L27/32
51/50
H05B33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を駆動する複数の駆動素子を備えると共に、前記複数の駆動素子に電気的に接続された第1端子群を縁部の少なくとも一部に備える表示パネルと、
前記表示パネルが載置されるべき表面を有し、前記表面に複数の配線を備える支持部材と、
直線状または屈曲した形状の棒状材を用いて前記表示パネルの縁部に沿って設けられる保持部材と、を備え、
前記保持部材は、前記表示パネルと連結されるコネクタを含み、前記表示パネルを所定の位置に保持すべく前記表面に接着されており、
前記第1端子群を構成する各端子が、前記コネクタを介して前記支持部材の前記複数の配線のそれぞれに電気的に接続されている、表示装置。
【請求項2】
前記支持部材が車両の窓ガラスによって構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルと前記支持部材の前記表面との間に、粘着性の材料を用いて形成された弱粘着層が設けられている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記コネクタを構成すべく前記表示パネルを向く側面に形成された溝を有し、
前記コネクタは、前記第1端子群を構成する各端子に対向すべく配置されていて前記溝の内部に露出する複数の接触子を備え、
前記表示パネルの縁部の少なくとも一部が前記溝に挿入されており、
前記第1端子群を構成する各端子が前記溝の内部において前記複数の接触子のそれぞれと接続されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の接触子のそれぞれが板状材を用いて形成されており、
前記複数の接触子は、前記溝の内部において一方の内壁に配置され、対向する内壁に向って湾曲している、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記支持部材は、前記複数の配線に接続された第2端子群を前記表面にさらに備え、
前記第2端子群を構成する各端子は、前記複数の接触子それぞれにおける前記保持部材からの露出部分に接続されている、請求項4または5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の接触子と前記第2端子群との接続部が、樹脂の固化物または有機膜もしくは無機膜によって覆われている、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記コネクタに備えられた前記複数の接触子と前記第2端子群とが、異方性導電フィルムを用いて接続されている、請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルは、前記保持部材が設けられる縁部に露出し、外観的特徴または電気的特性が周囲と異なる識別体を有し、
前記保持部材は、前記表示パネルにおいて前記識別体が設けられている縁部が挿入される凹部を有すると共に、前記凹部の内部に通じていて前記表示パネルの縁部が前記コネクタに適切に連結されたときに前記識別体を露出させる開口を有している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記配線は、前記支持部材と別個の基材に形成されており、前記基材が前記支持部材の前記表面に接着されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルは、前記支持部材に向けられるべき表面に画素形成領域によって生じる段差を有し、
前記段差の高さに応じた厚さを有する補助部材が、前記支持部材と前記表示パネルとの間において前記画素形成領域の周囲に設けられている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
画素および前記画素を駆動する複数の駆動素子ならびに前記複数の駆動素子に電気的に接続された第1端子群を含む表示パネルを形成し、
前記表示パネルが載置されるべき表面を有する支持部材の前記表面に複数の配線を形成し、
直線状または屈曲した形状を有する棒状材に、複数の接触子を配置することによって前記棒状材の一部にコネクタを形成し、
前記棒状材を前記支持部材の前記表面に接着することによって、前記表示パネルを前記表面に保持する保持部材を設け、
前記表示パネルを前記支持部材の前記表面に載置し、
前記コネクタを介して、前記第1端子群を構成する各端子を前記支持部材の前記複数の配線のそれぞれに電気的に接続する、
ことを含む、表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記支持部材の前記表面に前記複数の配線に接続された第2端子群を形成することをさらに含み、
前記表示パネルの縁部の少なくとも一部を前記コネクタに連結し、かつ、前記第2端子群を構成する各端子と前記複数の接触子のそれぞれとを接続することによって、前記第1端子群の前記各端子を前記複数の配線のそれぞれに電気的に接続する、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記コネクタを構成する前記複数の接触子と前記第2端子群とを異方性導電フィルムを用いて接続する、請求項13に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記棒状材における前記支持部材に向けられるべき面に突起または凹みを設け、
前記支持部材の前記表面における前記突起または凹みに対応する位置に凹みまたは突起を設け、
前記棒状材に設けられた前記突起または凹みと、前記支持部材に設けられた前記凹みまたは突起とを結合させることによって前記表面上での前記保持部材の位置決めを行う、
ことをさらに含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記表示パネルの形成において、外観的特徴または電気的特性が周囲と異なる識別体を前記表示パネルの縁部に露出させて設け、
前記表示パネルにおける前記識別体を有する縁部が挿入される凹部、および、前記凹部の内部に通じていて前記表示パネルの縁部が前記コネクタに適切に連結されたときに前記識別体を露出させる開口を前記棒状材に形成し、
前記開口の内部に露出すべき前記識別体を用いて、前記表示パネルの縁部と前記コネクタとの連結の適切性を確かめることをさらに含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機EL表示装置および液晶表示装置などの平面型の表示装置には、薄型化の要求に応えるべく、樹脂フィルムまたは薄いガラス板をベース材に用いて形成された表示パネルが用いられている。樹脂フィルムなどの極薄い素材がベース材として用いられた薄型の表示パネルは、多くの表示装置において、その用途に適した保形性または機械的強度の付与のために任意の支持体の表面に貼り付けられている。たとえば、特許文献1には、ガラス板に貼り付けられた画像表示パネルを有するデジタルサイネージが開示されている。特許文献1では、画像表示パネルの表示面が、光硬化性樹脂を含む層を介して窓ガラスに貼り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−97650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などによって構成される接着剤を用いて支持体に貼り合わされた表示パネルを支持体から取り外すのは極めて困難である。そのため、たとえば表示パネルおよび支持体のいずれか一方に欠陥が生じた場合に、正常に機能を維持する他方を継続して利用すること、または他の装置で再利用することは困難であると考えられる。また、特許文献1に開示の貼り付け方法では、表示パネルをガラス板の所定の位置に正確に貼り付けることは困難である。さらに、表示パネルへの画像信号などの伝達手段を別途準備する必要がある。
【0005】
本発明は、表示パネルまたはその支持体を当該表示装置または別の表示装置において容易に再利用することができ、しかも、表示パネルに対する信号伝達手段を表示装置の美観を損ねずに備えた表示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、そのように構成要素の再利用が容易で、表示パネルを適正な位置に備え、しかも、表示パネルに対する信号伝達手段を表示装置の美観を損ねずに備える表示装置を容易に製造することができる、表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態の表示装置は、画素を駆動する複数の駆動素子を備えると共に、前記複数の駆動素子に電気的に接続された第1端子群を縁部の少なくとも一部に備える表示パネルと、前記表示パネルが載置されるべき表面を有し、前記表面に複数の配線および前記複数の配線に接続された第2端子群を備える支持部材と、直線状または屈曲した形状の棒状材を用いて前記表示パネルの縁部に沿って設けられる保持部材と、を備え、前記保持部材は、前記第1端子群を構成する各端子に対向すべくそれぞれ配置された複数の接触子を備えるコネクタを含み、前記表示パネルを前記支持部材の前記表面における所定の位置に保持すべく前記表面に接着されており、前記複数の接触子のそれぞれは、前記第2端子群を構成する各端子に接続されており、前記表示パネルの縁部の少なくとも一部が前記コネクタに連結されると共に、前記第1端子群を構成する各端子が、前記複数の接触子のそれぞれを介して前記支持部材の前記複数の配線のそれぞれに電気的に接続されている。
【0007】
本発明の他の実施形態の表示装置の製造方法は、画素および前記画素を駆動する複数の駆動素子ならびに前記複数の駆動素子に電気的に接続された第1端子群を含む表示パネルを形成し、前記表示パネルが載置されるべき表面を有する支持部材の前記表面に複数の配線および前記複数の配線に接続された第2端子群を形成し、直線状または屈曲した形状を有する棒状材に、前記第1端子群を構成する各端子の配置と対応する配置で、複数の接触子を配置することによって前記棒状材の一部にコネクタを形成し、前記棒状材を前記支持部材の前記表面に接着することによって、前記表示パネルを前記表面に保持する保持部材を設け、前記第2端子群を構成する各端子と前記複数の接触子のそれぞれとを接続し、前記表示パネルの縁部の少なくとも一部を前記コネクタに連結することによって、前記第1端子群を構成する各端子を前記複数の接触子のそれぞれに接続し、前記表示パネルを前記支持部材の前記表面に載置する、ことを含んでいる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、表示パネルまたは支持部材を当該表示装置または別の表示装置において容易に再利用することができ、しかも、表示パネルに対する信号伝達手段を表示装置の美観を損ねずに備えることができる。また、本発明の他の実施形態によれば、構成要素の再利用が容易で、表示パネルを適正な位置に備え、しかも、表示パネルに対する信号伝達手段を表示装置の美観を損ねずに備える表示装置を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1の表示装置の一例を示す正面図である。
図2図1の表示装置を図1における下方から見た底面図である。
図3図1のIII−III線での断面図である。
図4図3のIV部の拡大図である。
図5A】実施形態1の表示装置における保持部材の例を単体で示す正面図である。
図5B図5Aの保持部材の背面図である。
図6図1のVI−VI線での断面の一部の拡大図である。
図7】実施形態1の表示装置における保持部材の別例を示す断面図である。
図8図1の表示装置における識別体の周囲の拡大図である。
図9】実施形態1の表示装置において支持部材と別個の基材に形成された配線の一例を示す図である。
図10】実施形態1の表示装置の他の例を示す、図1における下方から見た底面図である。
図11】実施形態1の表示装置における支持部材が自動車のフロントガラスによって構成されている例を示す図である。
図12】実施形態1の表示装置に用いられる表示パネルの構造の一例を拡大して模式的に示す断面図である。
図13】本発明の実施形態2の表示装置の製造方法の一例を示す図である。
図14】実施形態2の表示装置の製造方法における保持部材の接触子と第2端子群との接続工程の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者は、支持体の表面に固定された表示パネルを有する表示装置において、一部の構成要素に欠陥が生じた場合などに、欠陥の無い表示パネルまたは支持体の再利用を可能にする構造について鋭意検討を重ねた。そして、表示パネルを支持体の所定の位置に保持し得る部材を介して表示パネルが支持体に固定される構造を用いることによって、表示パネルを支持体の表面に適切に固定することができ、かつ、必要に応じて表示パネルを支持体から容易に取り外すことができることを見出した。すなわち、表示パネルは、接着剤などを用いて支持体に接着されることなく、表示パネルを支持体上に保持すべく形成された保持部材と係合し、その保持部材が支持体に接着される。表示パネルにおける支持体に対する相対的な動きは保持部材によって制限されるため、表示パネルは支持体の表面の所定の位置に固定される。そして、表示パネルを支持体から取り外すときには、互いに接着されないで単に係合している保持部材と表示パネルとを分離することによって、容易に表示パネルを支持体から取り外すことができる。
【0011】
さらに、本発明者は、支持体上に保持される表示パネルに印加される駆動信号などを伝達する配線を支持体上に設けることによって、表示装置の美観を向上させ得ることを見出した。すなわち、従来、このような配線としては、FPC(Flexible Printed Circuit)などが主に用いられているが、本発明者は、このFPCなどの配線によって表示装置の美観が損ねられるのを防止するという課題と、その解決策とを見出したのである。従来の表示装置では、この配線を構成するFPCなどは、その端部において、表示パネル、または駆動信号を生成するドライバなどに接続される。しかし、FPCなどは、その中間部分を固定されることなく宙に浮かせた状態で、しかも、張力が加わらないように、主に表示装置を見る人に向って撓んだ状態で用いられる。従来のテレビ受像機やスマートフォンなどでは、このようなFPCなどの配線は、筐体などで覆われるため表示装置を見る人の目に触れることはない。しかし、支持体からの取り外しの容易性などへの配慮から筐体などが設けられない場合、表示パネルの周囲において宙に浮いた多数の配線、または並列する多数の配線を備えるFPCは、表示装置を見る人の目に付き易く、従って表示装置の美観を損ねるおそれがある。たとえば振動が加わった場合などに揺れ動く配線は目障りである。特に車室内などの比較的狭い空間に表示装置が配置され、その近傍から表示画面が注視される場合、このような搖動し得る配線は表示装置の外観上の品位を貶めかねない。
【0012】
これに対して、本発明者は、支持体上に配線を設けると共に、表示パネルと連結し得るコネクタを前述の保持部材に設け、表示パネルと保持部材とを係合させることによって表示パネルと支持体上の配線とをコネクタを介して接続させることを見出した。そうすることで、ドライバなどとの電気的な接続およびその分離も含めて表示パネルの交換が容易になると共に、搖動し得ない配線を、表示装置を見る人の目から見て表示画面よりも奥まった位置に整然と備えることができる。その結果、ユーザーにすっきりとした印象を与えることができ、従来では、表示パネルの周囲の配線によって低下されるおそれのあった表示装置の美観を向上させることができる。
【0013】
以下、図面を参照し、本発明における実施形態の表示装置および表示装置の製造方法を説明する。なお、以下に説明される実施形態における各構成要素の材質、形状、および、それらの相対的な位置関係などは、あくまで例示に過ぎない。本発明の表示装置および表示装置の製造方法は、これらによって限定的に解釈されるものではない。
【0014】
[表示装置]
図1には、実施形態1の表示装置1の正面図が示され、図2には、図1における下方から見た表示パネル3の周囲の底面図が示されている。また、図3には、図1のIII−III線における断面図が示され、図4には、図3におけるIV部の拡大図が示されている。表示装置1は、画素3aを駆動する複数の駆動素子39を備えると共に、複数の駆動素子39に電気的に接続された第1端子群31を縁部の少なくとも一部に備える表示パネル3と、表示パネル3が載置されるべき表面5aを有し、表面5aに複数の配線51および複数の配線51に接続された第2端子群52を備える支持部材5と、屈曲した形状の棒状材を用いて表示パネル3の縁部に沿って設けられる保持部材4と、を備えている。図1の例では、保持部材4は、コの字状に屈曲した形状の棒状材を用いて形成された、一辺に不連続部を有する枠体である。表示パネル3は、その縁部の一部において保持部材4と係合している。保持部材4は、表示パネル3を支持部材5の表面5aにおける所定の位置に保持すべく表面5aに接着されている。
【0015】
図4に示されるように、保持部材4は、第1端子群31を構成する各端子に対向すべくそれぞれ配置された複数の接触子21を備えるコネクタ2を含んでおり、複数の接触子21のそれぞれは、第2端子群52を構成する各端子に接続されている。そして、表示パネル3の縁部の少なくとも一部(図1の例では上側の縁部)がコネクタ2に連結されると共に、第1端子群31を構成する各端子が、複数の接触子21のそれぞれを介して支持部材5の複数の配線51のそれぞれに電気的に接続されている。なお、図1図3および図4において符号7を付された領域は、後述する被覆部材7を示している。
【0016】
本実施形態では、表示パネル3は、その縁部において保持部材4と係合しており、保持部材4によって支持部材5の表面5aの所定の位置に保持されている。しかし、表示パネル3自身は支持部材5に接着されていない。従って、コネクタ2から表示パネル3を抜き取ると共に、係合しているに過ぎない表示パネル3と保持部材4とを分離するだけで、表示パネル3を容易に支持部材5から取り外すことができる。従って、支持部材5に欠陥が生じた場合には、表示パネル3を取り外して他の支持部材と組み合わせることによって、表示パネル3を容易に再利用することができる。また、表示パネル3が破損したときは、表示パネル3を取り外し、他の表示パネルを載置することによって支持部材5を再利用することができる。
【0017】
また、表示パネル3の駆動素子39と接続された第1端子群31は、コネクタ2の接触子21および第2端子群52を介して配線51に接続されている。従って、ドライバ(図示せず)などに接続された導電線(図示せず)を配線51に接続することによって、駆動素子39に駆動信号などを印加することができる。すなわち、FPCなどにより構成される従来の配線を宙に浮かせた状態で配置する必要はない。図示されないドライバなどに接続された導電線と配線51との接続は、配線51における任意の位置で行うことが可能であり、表示パネル3から離れた位置(たとえば配線51における表示パネル3に対する遠位端)で行うことも可能である。従って、表示パネル3からドライバなどに向って延びるFPCなどの配線によって表示装置1の美観が損ねられることを防ぐことができる。
【0018】
さらに、保持部材4がコネクタ2を含んでいるため、表示パネル3と保持部材4との係合と共に、第1端子群31を介して駆動素子39と接触子21とを電気的に接続することができる。すなわち、事前に保持部材4が支持部材5に接着され、さらに、接触子21が第2端子群52に接続されている場合、表示パネル3と保持部材4との係合と共に、駆動素子39と配線51とを電気的に接続することができる。さらに、配線51とドライバとが事前に接続されている場合は、表示パネル3と保持部材4との係合と共に、駆動素子39とドライバとを電気的に接続することができる。表示パネル3を支持部材5から取り外すときも、保持部材4と表示パネル3との分離と、駆動素子39とドライバとの電気的な接続の解除とを同時に行うことができる。すなわち、ドライバなどとの電気的な接続およびその解除も含めて、表示パネル3または支持部材5を容易に交換することができる。しかも、コネクタ2を介した接続は、はんだなどを用いる場合と異なり、温度変化に伴う金属間化合物の肥大化などによる接続部での強度劣化が原理的に生じないため、表示パネルとドライバとの接続信頼性が向上すると考えられる。
【0019】
表示パネル3は、図1図4の例では矩形の正面形状を有し、支持部材5に向けられる面(第1面3f)と反対の第2面3sに画素形成領域3cを有している。画素形成領域3cにおいて、マトリクス状の配置で複数の画素3aが形成されており、画素3aは、第1端子群31に接続された駆動素子39を備えている。なお、図1では複数の画素3aは模式的に描かれているに過ぎず、表示パネル3の画面サイズおよび解像度に応じて図1よりも遥かに多くの画素3aが形成され得る。また、各画素3aは複数の駆動素子39を有し得る。表示パネル3としては、有機EL表示パネルまたは液晶表示パネルが例示される。なお、図2などの断面図では、表示パネル3が有機EL表示パネルである場合を例に、画素形成領域3cが、表示パネル3の表面(たとえば図2において第2面3s)から突出するように示されている。しかし、表示パネル3が液晶表示パネルである場合、画素形成領域3cは、表示パネル3の表面においてその周囲の部分よりも突出していなくてもよい。
【0020】
表示パネル3は、第2面3sにおいて画素形成領域3cに占められていない余白部分を有している。図1の例では、表示パネル3は、矩形の正面形状の一辺(図1における上辺)の近傍に、この一辺に沿った長手方向を有する余白部分を有しており、この余白部分の長手方向に沿って、第1端子群31を構成する複数の端子が配列されている。第1端子群31を構成する各端子は、たとえば、その配列方向において、50μm以上、300μm以下程度の幅を有し、100μm以上、600μm以下程度のピッチで配列され得る。また、第1端子群31を構成する各端子は、たとえば、5μm以上、30μm以下の厚さを有し得る。しかし、第1端子群31を構成する各端子の幅、配列ピッチ、および厚さは、これらに限定されない。第1端子群31を構成する各端子は、銅もしくはニッケルなどの遮光性の金属、または、酸化インジウムスズ(ITO)もしくは酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)などの透光性の導電性材料を用いて形成され、さらに、これらの材料で形成された導体パターン上に金めっき膜による被覆層を有していることが好ましい。自然酸化膜の形成が無く、コネクタ2への脱着を行っても良好な電気的接続が維持されるからである。
【0021】
なお、図2図4ならびに以下の説明で参照する各断面図および底面図では、第1および第2の端子群31、52などの見易さのために各構成要素が表示パネル3の厚さ方向において適宜強調して描かれている。そのため、表示パネル3と支持部材5との間に空間が生じている。しかし、第2端子群52の各端子群の実際の厚さは、後述するように数μm程度であり、また、表示パネル3と支持部材5との間におけるコネクタ2の介在部の厚さも数mm程度であるため、表示パネル3は第1面3fの大半において支持部材5と接触していてもよい。また、表示パネル3と支持部材5との間が任意の層状物で埋められていてもよい。たとえば、粘着性の材料を用いて形成される弱粘着層(図示せず)が表示パネル3と支持部材5との間に設けられていてもよい。このような弱粘着層を設けることによって、表示パネル3と支持部材5とを隙間なく密着させることができ、また、表示パネル3を支持部材5から取り外すときには、弱粘着層は単に密着しているだけであるため、容易に表面5aから表示パネル3を剥離することができる。このような弱粘着層は、たとえば、アクリル系、シリコーン系またはウレタン系の樹脂を単独で、または複数組み合わせて主成分として含む粘着剤から構成される。
【0022】
支持部材5は、表示パネル3を適切に支持し得るものであれば、その形状や材料について特に限定されない。支持部材5は、好ましくは、配線51を十分な密着強度で直接形成され得る表面5aを構成し得る材料を用いて形成される。しかし、後述するように、配線51は別個の基材50(図9参照)に形成されたうえで表面5aに接着されてもよい。従って、支持部材5は、必ずしも表面5aに配線51を直接形成し得るものでなくてもよい。支持部材5は、ガラス、金属、および合成樹脂などの任意の材料を用いて形成され得る。また、支持部材5は、各種機器の筐体、住居の窓、ショーウィンドウもしくは展示用ケースなどに用いられているガラス板であってもよい。また、支持部材5は、乗り物、たとえば自動車または電車などの車両の窓ガラスによって構成されていてもよく、その場合、表面5aは、たとえば自動車のフロントガラスなどにおいて車室に向けられる面である。また、表面5は、平面であってもよく、任意の曲率で湾曲する曲面であってもよい。
【0023】
支持部材5が自動車のフロントガラスである場合、配線51は、自動車の前後方向に垂直な平面へのフロントガラスの投影像において上部20%以内となる領域に設けられるのが好ましい。また、配線51が、後述する銅などの遮光性の金属材料で形成されている場合は、複数の配線51それぞれの間には遮光性の部材が無いように、すなわち、複数の配線51それぞれの間にフロントガラスが露出していることが好ましい。そうすることによって、運転時の前方の視界が十分に確保でき、安全な運行に寄与することができる。なお、「フロントガラスが露出している」は、フロントガラスが車室内の人に視認され得る状態にあり、その結果、車室内の人にとってフロントガラスを通して前方が透過して見える状態にあることを意味している。従って、フロントガラスを物理的に覆うものが全くない状態に加えて、たとえば、配線51の間において(または配線51と共に)フロントガラスが透明な樹脂に覆われている状態も「フロントガラスが露出している」に含まれる。このように配線51の間においてフロントガラスが樹脂で覆われることによって、配線51とフロントガラスとの界面からの水分の浸入が防がれると共に、フロントガラスが外部からの機械的ストレスから保護される。さらに、配線51によるフロントガラスの表面上の凹凸も少なくなり得る。
【0024】
配線51および第2端子群52の材料としては、銀などを含む導電性ペースト、銅、チタン、アルミニウム、ITO、またはIZOなどが例示される。第2端子群52は、さらに、前述した第1端子群31と同様に、これらの材料で形成された導体パターン上に金めっき膜による被覆層を有していることが好ましい。接触子21との良好な電気的接続が維持されるからである。支持部材5がガラスなどの透光性の材料で形成されている場合、少なくとも配線51は、光の透過を妨げないようにITOおよびIZOなどの光を透し得る材料で形成されるのが好ましい。配線51および第2端子群52は、たとえば、1μm以上、300μm以下程度の厚さに形成されるが、配線51および第2端子群52の厚さはこの範囲の厚さに限定されない。
【0025】
第2端子群52は、好ましくは、表示パネル3が表面5aの所定の位置に配置されたときに第1端子群31と相対する位置に形成される。そうすることによって、コネクタ2の構造および接触子21の形状をシンプルにすることができる。図1に示される例では、第2端子群52を構成する複数の端子は、第1端子群31を構成する各端子の配列ピッチと同じピッチで一列に配列されている。
【0026】
複数の配線51のそれぞれは並行しており、第2端子群52から支持部材5の縁部に向って延びている。図1の例では、配線51は、第2端子群52から、第2端子群52の配列方向と直交する向きに表示パネル3の外方に向って延び、ほぼ直角の屈曲部を経て、支持部材5における第2端子群52の配列方向と直交する方向の縁部に向って延びている。図示されていないが、配線51は、好ましくは、第2端子群52に対する遠位端において、図示されないドライバに接続されている導電線との接続部を有していてもよい。そのような接続部が表示パネル3を見る人の目に付き難いように表示パネル3から遠ざけるという観点では、配線51は、第2端子群52から、支持部材5の縁部に向って、特に支持部材5における表示パネル3から離れた縁部に向って延びていることが好ましい。一方、配線51の導体抵抗が比較的高い場合は、配線51は、支持部材5における表示パネル3の近傍の縁部に向かって延びていることが好ましいこともある。その場合、表示パネル3は支持部材5の縁部に載置されるのが好ましく、支持部材5が表面5aにおいて矩形の形状を有している場合、表示パネル3は、支持部材5の表面5aにおけるコーナー部に載置されるのが好ましい。支持部材5のコーナー部への表示パネル3の載置は、画像の非表示時に表示パネル3自体が人の目に付き難いという点でも好ましい。なお、複数の配線51それぞれの経路は、図1の例に限定されない。また、配線51は、ポリエステルまたはポリエチレンテレフタレレート(PET)などから形成される保護フィルムによって覆われていてもよい。
【0027】
接着剤81は、保持部材4を安定して支持部材5に接合できる接着強度を発現し得るものであれば、特に限定されない。任意のエポキシ系接着剤もしくはアクリル系接着剤、または、光学透明接着剤(OCA)もしくは光学透明樹脂(OCR)などと呼ばれる、フィルム状またはペースト状のアクリル系、シリコーン系、またはウレタン系などの任意の接着剤が用いられ得る。
【0028】
保持部材4は、表示パネル3の縁部と係合し、かつ、支持部材5の表面5aに接着剤81を用いて接着されている。保持部材4は、表示パネル3の縁部の一部または全部に設けられる。図1の例では、保持部材4は、矩形の正面形状を有する表示パネル3の三辺に沿って設けられており、コの字状の正面形状を有している。図1および図2に示されるように、保持部材4は、コの字状の形状の各辺における表示パネル3に向けられる面(内側の壁面)に凹部4dを備えている。凹部4dに表示パネル3の縁部が挿入されると共に、凹部4dにおいて、表示パネル3の縁部と保持部材4とが係合している。表示パネル3は、図1におけるX方向(表示パネル3の長手方向)における正負両方向、および、Y方向(表示パネル3の短辺方向)のうちの+Y方向、ならびに、支持部材5から離間する方向(+Z方向)への動きを保持部材4によって制限される。従って表示パネル3は、保持部材4によって支持部材5の表面5aの所定の位置に保持される。なお、表示パネル3の−Y方向への動きは、使用時に+Y方向を重力方向に向けることによって制限し得るし、表示パネル3に対するコネクタ2の保持力、または、前述した図示しない弱粘着層の粘着力などによって制限することができる。
【0029】
保持部材4は、図1の例では、全体として矩形の形状を有する枠体であり、その矩形の全体形状の任意の一辺(図1の例では上辺)にコネクタ2を含んでいる。また保持部材4は、前述したように一部に不連続部を有している。保持部材4におけるコネクタ2と不連続部との相対的な位置関係は任意であるが、図1の例のように、保持部材4においてコネクタ2を含む一辺の対辺となるべき部分が不連続部であることが好ましい。このように不連続部を設けることによって、後述するように、表示パネル3を不連続部から枠状の保持部材4の内部へと挿入し、表示パネル3の縁部をコネクタ2に連結する際に、互いに接続されない接触子21と第1端子群31の各端子とが無用に擦れ合わされることを防ぐことができる。従って、コネクタ2への表示パネル3の着脱が繰り返される場合でも、第1端子群31の各端子、およびコネクタ2の接触子21の摩耗を抑制することができ、適正な接続状態を維持させることができる。
【0030】
保持部材4は、図1の例と異なり、矩形の形状を有する表示パネル3の二辺または一辺の縁部だけに設けられてもよく、従って、直線状の棒状材で形成されていてもよい。保持部材4は、支持部材5の表面5aにおける表示パネル3の少なくとも一方向への動きを制限するものであればよい。さらに、保持部材4は、その内側の壁面、特に、接触子21が配置されていない部分(非コネクタ部41)の内側の壁面に、前述した凹部4dを必ずしも備えていなくてもよい。たとえば、保持部材4は、その内側の壁面に、表示パネル3の端面および第2面3sに当接すべく段差部を有していてもよい。また、非コネクタ部41における内側の壁面は凹凸の無い平面であってもよく、その場合、表示パネル3は、その内側の壁面との間の摩擦力によって支持部材5から離間する方向の動きを制限されてもよい。
【0031】
保持部材4は、表示パネル3を保持することができる任意の材料で形成される。たとえば、エポキシ樹脂や汎用プラスチックなどの合成樹脂、天然ゴムなどの天然樹脂、およびゴムスポンジなどが、保持部材4の材料として例示される。保持部材4は、表示パネル3との係合の容易性、または、支持部材5への載置の容易性などの点では、可撓性および/または適度な弾性を有する材料で形成されることが好ましい。また、保持部材4は、表示装置1を見る人の目に付き難いという点で、透光性の材料、たとえば透明シリコーンゴムなどを用いて形成されるのが好ましい。しかし、保持部材4においてコネクタ2を構成する部分には、複数の接触子21それぞれを確実に所定の位置に保持し得るという点で、適度な剛性と絶縁性とを有する合成樹脂が好ましい。また、後述するようにコネクタ2の接触子21と第2端子群52との接続時にコネクタ2が加熱される場合は、少なくとも150℃以上の耐熱性を有する材料が好ましい。ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、および液晶ポリマーなどの合成樹脂が、保持部材4においてコネクタ2を構成する部分(後述するハウジング部)についての好適な材料として例示される。
【0032】
図1図4図5Aおよび図5Bを参照して、保持部材4、特に、保持部材4に含まれるコネクタ2について、さらに説明する。図5Aは、図1に示される保持部材4を単体で示す正面図であり、図5Bは、図5Aに示される保持部材4の背面図である。保持部材4は、一列に配列された複数の接触子21を備えるコネクタ2と、接触子21が配置されていない非コネクタ部41とを含んでいる。なお、コネクタ2と非コネクタ部41との境界は、必ずしも明確に存在しないが、保持部材4のうちの、接触子21の保持、および表示パネル3との連結状態の保持に寄与している部分がコネクタ2である。従って、表示パネル3との嵌合性によってコネクタ2の占める領域は変動する、たとえば、図5Aに示される保持部材4においてコの字状の形状の上辺全体がコネクタ2である場合もあり、その上辺のうちの複数の接触子21が連なって配列されている部分だけがコネクタ2である場合もある。
【0033】
保持部材4は、支持部材5の表面5aに向けられる底面4f、表示パネル3に向けられる側面4g、およびコネクタ2を構成すべく側面4gに形成された溝23を有している。溝23は、前述した保持部材4の凹部4dと連続的に形成されていてもよい。複数の接触子21は、溝23の内部および保持部材4の底面4fに露出しており、第2端子群52を構成する各端子が保持部材4の底面4fにおいて複数の接触子21のそれぞれと接続されている。そして、表示パネル3の縁部の少なくとも一部(図1における上側の縁部)が溝23に挿入されている。具体的には、表示パネル3における第1端子群31が配置されている縁部が溝23に挿入されている。その結果、第1端子群31を構成する各端子が、溝23の内部において複数の接触子21のそれぞれと接続されると共に、接触子21を介して第2端子群52と電気的に接続されている。
【0034】
コネクタ2は、複数の接触子21を所定のピッチで、かつ互いに絶縁された状態で保持すると共に、溝23を形成しているハウジング部22を含んでいる。図4などに示される例では、複数の接触子21のそれぞれは、短冊状の板状材を用いて形成されており、ハウジング部22において溝23に通じるように形成された挿入孔内に圧入されている。接触子21は、溝23の内部から、その挿入孔を通って保持部材4の外部へと延び、さらに保持部材4の外側の壁面に沿って底面4fへと延びている。
【0035】
また、複数の接触子21のそれぞれは、溝23の内部において溝23の一方の内壁に沿って配置されており、溝23において対向する内壁に向って湾曲している。図4では、表示パネル3がコネクタ2に連結されているため、接触子21は僅かに撓んでいるだけであるが、表示パネル3がコネクタ2に連結されていない状態では、接触子21における溝23に露出している部分は、図4に示される状態よりも大きく湾曲している。すなわち、板状材を用いて形成され、さらに、湾曲している接触子21は、板ばね状の形状を有し、板ばねとしての機能を有し得る。従って、コネクタ2に表示パネル3が挿入されることによって、接触子21において板ばね状に湾曲して溝23の内部に露出している部分が第1端子群31の各端子に押されると、接触子21はその復元力によって第1端子群31の各端子を押し返す。すなわち、第1端子群31の各端子と接触子21とが、十分な接圧で接触する。たとえば、車室内などの振動が加わり得る環境下でも確実に接触状態が維持され、通電の瞬断などが防止される。さらに、必要な接圧を長期にわたって維持し得ると考えられる。また、接触子21の湾曲形状によって、ハウンジグ部22から接触子21が抜けることも防止されると考えられる。
【0036】
複数の接触子21は、溝23の内部において、表示パネル3の第1端子群31を構成する各端子の配列ピッチとほぼ同じピッチで配列されている。また、複数の接触子21は、保持部材4の底面4fにおいて、支持部材5の第2端子群52の配列ピッチとほぼ同じピッチで配列されている。溝23の内部および底面4fにおいて複数の接触子23の配列ピッチは異なっていてもよいが、好ましくは、複数の接触子21は、溝23の内部および底面4fにおいてほぼ同じピッチで配列される。
【0037】
接触子21は、必要とされる導電性を有する任意の材料を用いて形成され得る。前述の板ばね状の作用をもたらすという点では、適度なばね性を有する材料が、接触子21の材料として好ましい。たとえば、接触子21の材料としては、導電性の面から、銅、銅合金またはニッケルなどが例示され、板ばねとしての機能の面から、ステンレス鋼などが例示される。なお、対錆性、耐腐食性の観点からは接触子21の表面は金めっきされていることが好ましい。
【0038】
コネクタ2が備える複数の接触子21のそれぞれと第2端子群52は、任意の導電性材料を用いて接続され得る。たとえばエポキシ系の導電性接着剤、または、はんだなどが用いられてもよい。しかし、複数の接触子21、および第2端子群52を構成する各端子は、前述したように、数十μmのピッチで設けられる。従って、図6に示されるように、複数の接触子21と第2端子群52とを接続する接続手段82には、好ましくは異方性導電フィルム(ACF)が用いられる。図6には、図1のVI−VI線での断面の一部である接触子21と第2端子群52との接続部が拡大して示されている。なお、図6では、図1に示されている被覆部材7は、第2端子群52などの見易さのために省略されている。
【0039】
ACFは、たとえばエポキシ樹脂、または、透明なアクリル樹脂もしくはシリコーン樹脂などによって構成される熱硬化性樹脂部82aと、熱硬化性樹脂部82aに混合された導電性粒子82bとを含んでいる。加熱および加圧されることによって熱硬化性樹脂部82aが一旦軟化後に本硬化し、導電性粒子82bと共に接続手段82を構成する。導電性粒子82bは、図示されていないが、ニッケルおよび金などによって導電性粒子82bの中心部を構成する金属層と、金属層を覆う絶縁層とを含んでいる。接触子21と第2端子群52との間に挟みこまれた状態でACFが加熱および加圧されることによって、導電性粒子82bにおいて絶縁層が破壊され、金属層同士、または、金属層と接触子21もしくは第2端子群52の各端子とが接触し、接触子21と第2端子群52との間に図6におけるZ方向の導電経路が形成される。一方、接触子21および第2端子群52の各端子に対向していない熱硬化性樹脂部82a内の導電性粒子82bには十分な圧力が加わらないため、その絶遠層が維持される。従って、図6のX方向における複数の接触子21および第2端子群52の各端子の絶縁性は維持される。その結果、狭ピッチで配列された複数の接触子21それぞれと第2端子群52の各端子とが適切に電気的に接続される。
【0040】
図1図4に示される例では、コネクタ2の複数の接触子21、および、接触子21と第2端子群52の各端子との接続部が保持部材4の外部に露出している。本実施形態の表示装置1では、図1および図4に示されるように、この保持部材4の外部に露出する複数の接触子21、および、複数の接触子21と第2端子群52との接続部が、被覆部材7によって覆われている。被覆部材7を設けることによって、保持部材4の外部に露出する接触子21および第2端子群52と、外部の導電物との接触による短絡不良を防ぐことができる。また、結露などによる短絡不良も防止され得る。被覆部材7は、たとえば、接触子21および第2端子群52の上に塗布などによって供給された、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、またはシリコーン樹脂などの固化物である。また、被覆部材7は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、もしくはシリコーン樹脂を用いて成膜された有機膜、または、アルミニウムもしくは窒化ケイ素を用いて成膜された無機膜であってもよい。
【0041】
図7には、コネクタ2の他の例が、図4に相当する断面図で示されている。図7の例では、接触子21は、溝23から、保持部材4の外側に露出することなく、ハウジング部22内を底面4fに向って延びている。従って、接触子21への外部の導電物の接触などによる短絡不良が防がれる。また、第2端子群52と接触子21との接続部も保持部材4の外部に露出していない。従って、図4に示される被覆部材7は設けられていない。なお、第2端子群52が保持部材4の外部に露出する場合は、図示されていないが、前述した配線51の被覆のために設けられ得る保護フィルムによって第2端子群52の露出部が覆われてもよい。図7に例示されるコネクタ2は、たとえば、インサート成型などによって形成され得る。
【0042】
図4および図7に示されるコネクタの構造は、保持部材4が含み得るコネクタ2の単なる例に過ぎず、コネクタ2の構造は、これらの図面に示される構造に限定されない。たとえば、接触子21は、溝23において表示パネル3の第1面3fに対向する内壁に沿って配置されていてもよい。その場合、表示パネル3の第1面3fに、図示されないスルーホール導体を介して駆動素子39(図1参照)に電気的に接続された第1端子群31が形成される。また、接触子21は、保持部材4の底面4fから溝23に至るまでに二手に分岐し、溝23において対向する内壁それぞれに沿って露出していてもよい。なお、図7において、図4と同様の構成要素には、図4に付された符号と同じ符号が付され、重複となる説明は省略される。
【0043】
再度、図2を参照すると、表示パネル3における支持部材5に向けられるべき表面(第1面3f)に、光の伝搬に関して所定の機能を有する光学的機能層61が形成されている。光学的機能層61としては、紫外線吸収層、および赤外線反射層が例示される。表示パネル3の第1面3fには、紫外線吸収層および赤外線反射層のいずれかまたは両方が形成されていてもよい。前述したように、支持部材5は、自動車のフロントガラスなどであってもよく、その場合、表示パネル3の第1面3fは、支持部材5を透過した日光に照らされる。しかし、たとえば赤外線反射層を第1面3fに設けることによって、日光の照射による表示パネル3の温度上昇を抑制することができ、従って表示パネル3の劣化を防ぐことができる。光学的機能層61が赤外線反射層を含んでいる場合、光学的機能層61は、互いに異なる屈折率を有する材料が交互に積層された多層体を含んでいてもよい。異なる屈折率を有する材料、たとえば、酸化チタン(TiO2)と二酸化ケイ素(SiO2)、または、硫化亜鉛(ZnS)とフッ化マグネシウム(MgF2)などでそれぞれ形成される層は、各層の界面における赤外線領域の反射光同士が互いに強め合うような厚さで形成される。
【0044】
また、表示パネル3が有機EL表示パネルである場合、表示パネル3内の有機素子(図示せず)は日光に含まれる紫外線によってストレスを受けるおそれがある。しかし、光学的機能層61として紫外線吸収層を設けることによって、紫外線による有機素子へのストレスを軽減することができる。紫外線吸収層は、紫外線吸収剤が添加された樹脂、たとえば、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂などによって形成される。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン誘導体、サリチル酸エステル誘導体、トリアゾール誘導体またはアクリル誘導体などが例示される。
【0045】
図2において二点鎖線で示されているように、支持部材5における表面5aと反対の面に、赤外線反射層および/または紫外線吸収層を含む光学的機能層61aが設けられてもよい。光学的機能層61aが支持部材5に設けられると、欠陥などが生じて表示パネル3が交換される場合でも光学的機能層61aを継続して使用することができる。一方、表示パネル3に光学的機能層61が設けられると、光学的機能層61の機能劣化が表示パネル3の経時的劣化と共に進行する場合に、表示パネル3を交換することによって光学的機能層61も交換することができる。なお、表示パネル3および支持部材5それぞれに光学的機能層61、61aが設けられてもよい。
【0046】
図2の例では、さらに、表示パネル3の画素形成領域3cの表面に機械的ストレスに対する保護膜62が形成されている。画素形成領域3cの表面は、表示装置1を見る人などの方に向って露出しており、そのため、外来物の衝突または汚損時の拭き取り作業などによって機械的ストレスを受け易い。保護膜62は、このような機械的ストレスから表示パネル3、特に画素形成領域3c内の画素を保護する。保護膜62としては、たとえば、SiO2膜またはフッ素膜などの無機膜、ならびにポリエステルまたはポリエチレンテレフタレレート(PET)などから形成される有機樹脂フィルムが例示される。
【0047】
再度図1を参照すると、表示装置1は、コネクタ2(図3参照)への表示パネル3の連結を確実にするための識別体3dを表示パネル3に備えている。図1の例では、表示パネル3は、コの字状の保持部材4の不連続部から保持部材4の内部に挿入され、コネクタ2に連結される。その連結が適切に行われたか否かが、識別体3dを用いて確認され得る。図8には、識別体3dの周囲の拡大図が、コネクタ2と表示パネル3との連結においてその適切性の確認に用いられる二つのプローブPと共に示されている。図8に示されるように、表示パネル3は、保持部材4が設けられる縁部に露出する識別体3dを有している。識別体3dは、外観的特徴または電気的特性が識別体3dの周囲と異なる、所定の面積を有する部分である。たとえば、識別体3dは、表示パネル3の第2面3s(図2参照)において絶縁性を有する領域に設けられた導電性パッドである。また、識別体3dは、表示パネル3の第2面3sに設けられた、周囲と色彩を異ならされたマーキングであってもよい。なお、識別体3dの形状は、図8に示される円形に限定されない。図8の例では、識別体3dは二つの導電性パッドによって構成されており、識別体3dと同様に表示パネル3に設けられた導体パターン3bによって二つの導電性パッドが互いに電気的に接続されている。
【0048】
一方、保持部材4は、前述したように凹部4dを有している。凹部4dには、表示パネル3において識別体3dが設けられている縁部が挿入される。保持部材4は、さらに、凹部4dの内部に通じる開口4eを有している。開口4eは、表示パネル3の識別体3dに対応する位置に設けられる。すなわち、保持部材4は、表示パネル3の縁部がコネクタ2に適切に連結されたときに識別体3dを露出させる位置に開口4eを有している。図8の例では、二つの識別体3dと対応する二つの開口4eが設けられている。このように識別体3dと開口4eとが設けられることによって、コネクタ2に表示パネル3が適切に連結されているか否かを確認することができる。
【0049】
たとえば、コネクタ2への表示パネル3の連結の際に、図8に示されるように、2本のプローブPが、表示パネル3に当接するように開口4e内に挿入され、2本のプローブの間の導通性が試験される。表示パネル3が適切にコネクタ2に連結されている場合、2本のプローブPそれぞれが導電性の識別体3dに接触することによって2本のプローブP同士が導通するため、連結の適切性を確認することができる。識別体3dが、その周囲の部分と、色彩などの外観上の特徴について異なる場合も、識別体3dの外観的特徴が開口4eの内部に露出しているか否かをチェックすることによって、連結の適切性を確認することができる。識別体3dおよび開口4eは、表示パネル3がコネクタ2への正規の連結方向に対して傾いて挿入された場合でもその不適切な状態を検出し易い点で、図8の例の様に、少なくとも二つ設けられることが好ましい。しかし、識別体3dおよび開口4eは一つだけでもよい。たとえば、識別体3dとして導電性パッドが一つだけ設けられても、少なくとも2本のプローブPを接触する面積が確保されていれば、連結に関する大半の正否を判別することができると考えられる。
【0050】
図1図4の例では、配線51および第2端子群52は、支持部材5の表面5aに直接形成されている。しかし、前述したように、支持部材5は、自動車の窓ガラスなど、表示パネル3に対して非常に大きな部材によって構成されることがあり、その場合、そのような大型の支持部材5に配線51などを形成することは容易でないことがある。従って、配線51および第2端子群52は、図9に示されるように支持部材5と別個の基材50に形成され、基材50が支持部材5の表面5aに接着されてもよい。そうすることで、支持部材5に形成するよりも容易に配線51などを形成することができることがある。配線51および第2端子群52は、たとえば、基材50に積層された銅などからなる金属箔をエッチングなどでパターニングすることによって形成される。配線51などは、基材50に適切なマスキングを施したうえで、無電解めっき、スパッタリング、または蒸着などを行うことによって形成されてもよい。
【0051】
基材50は、任意の絶縁性材料を用いて形成された板状体または膜状体などであり、たとえば、主にエポキシ樹脂によって形成される基板、またはポリイミドフィルムなどであってもよい。支持部材5が自動車のフロントガラスのようにガラス板である場合、透光性が維持されるように、基材50は透明ポリイミドフィルムであることが好ましい。基材50は、たとえば、接着剤を用いて支持部材5に接着される。この接着剤としては任意の接着剤が用いられ得るが、支持部材5および基材50が透光性を有している場合、前述したOCAなどが、この接着剤として好ましい。
【0052】
図1図4に示される例では、表示パネル3は、表示装置1を見る人に向けられる面(第2面3s)に画素形成領域3cを有している。すなわち、表示パネル3が有機EL表示装置である場合、これらの図面に例示される表示パネル3はトップエミッション型の有機EL表示パネルである。しかし、表示パネル3は、ボトムエミッション型の有機EL表示パネルであってもよく、図10には、その一例が図2と同様の底面図で示されている。
【0053】
図10に示されるように、表示パネル3は、支持部材5に向けられる表面(第1面3f)に画素形成領域3cを有している。そして、第1面3f(具体的には画素形成領域3cの表面)に、光学的機能層61が形成されている、図10に示される光学的機能層61として、図2を参照して前述した光学的機能層61と同様に、たとえば、紫外線吸収層および赤外線反射層のいずれかまたは両方が形成されていてもよい。図10の例では、画素形成領域3cは、支持部材5に面している。従って、支持部材5が自動車のフロントガラスなどである場合、画素形成領域3c内の有機素子(図示せず)は、図2の例と異なり、表示パネル3を構成する基板3eを通さずに紫外線および赤外線を含む日光に照らされる。そのため、図10の例において表示パネル3の第1面3fに光学的機能層61を設けることは、特に有益である。なお、図10の例のように、表示パネル3がボトムエミッション型の有機EL表示パネルの場合にも、表示パネル3の第1面3fに設けられる光学的機能層61に加えて、または、光学的機能層61の代わりに、支持部材5に光学的機能層61aが形成されてもよい。また、図示されていないが、表示パネル3の第2面3sに、機械的ストレスに対する保護膜が形成されてもよい。
【0054】
図10の例では、表示パネル3は、支持部材5に向けられるべき表面(第1面3f)に画素形成領域3cによって生じる段差を有している。図10の例では、この段差の高さに応じた厚さを有する補助部材9が、支持部材5と表示パネル3との間において画素形成領域3cの周囲に設けられている。補助部材9によって、表示パネル3が安定して支持部材5の表面5a上に保持される。また、表示パネル3から光が放射される第2面3sが支持部材5の表面5aとほぼ平行に位置付けられる。
【0055】
補助部材9は、画素形成領域3cの周囲全周にわたって連続的に設けられてもよく、矩形の正面形状を有する画素形成領域3cの辺それぞれに沿った帯状の形状で不連続に設けられてもよい。或いは、柱状の形状を有する任意の数の補助部材9が、画素形成領域3cの周囲に規則的にもしくはランダムに点在していてもよい。補助部材9の厚さは、画素形成領域3cによる段差の高さにほぼ相当する厚さであってもよく、この段差に相当する厚さよりも厚くてもよい。また補助部材9は任意の材料で形成され得るが、好ましくは、補助部材9は、保持部材4を形成する材料と同じ材料、少なくともほぼ同じ熱膨張率を有する材料で形成される。そうすることで、周囲温度が変化する際に表示パネル3に加わり得るストレスを少なくすることができる。
【0056】
図示されていないが、表示パネル3を構成する表示素子、特に有機EL表示パネルにおいて発光層を形成する有機素子は、水分との接触によって劣化が進行し易いため、表示パネル3と支持部材4との間への水分の浸入を防ぐ手段が表示装置1にさらに設けられていてもよい。たとえば、表示パネル3と保持部材4とのすきまが、前述した被覆部材7と同様の樹脂の固化物、有機膜または無機膜によって覆われていてもよい。また、表示パネル3における保持部材4と係合していない縁部(図1における下側の縁部)と支持部材5とのすきまが、同様に、樹脂の固化物、有機膜または無機膜によって覆われていてもよい。なお、このように、表示パネル3と、保持部材4および支持部材5とのすきまが覆われても、表示パネル3の周縁部だけが覆われるだけなので、その被覆物を適切な溶剤を用いて溶解させるなどの方法によって、表示パネル3を必要に応じて支持部材5から取り外すことができる。少なくとも、表示パネル3が全面的に支持部材5に接着されている場合と比べて容易に表示パネル3を支持部材5から取り外すことができる。
【0057】
このように、表示パネル3と保持部材4および支持部材5とのすきまを覆うことによって、表示パネル3と支持部材5との間の空間がほぼ密封される。しかし、その密封の前から表示パネル3と支持部材5との間に存在している空気にも水分が含まれている。その水分に表示パネル3の第1面3fが晒されることを防ぐために、表示装置1の外部から表示パネル3と支持部材5との間の空間に通じる貫通孔が保持部材4に設けられ、さらに、その貫通孔を塞ぐ閉塞部材が備えられてもよい。その場合、表示パネル3と支持部材5との間の空間がほぼ密封された後、貫通孔を通じてその空間の空気が吸い出され、それによりその空間内の水分が減らされる。そうすることで、表示パネル3の劣化を抑制することができる。閉塞部材としては、たとえば、天然ゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、またはシリコーンゴムなどの各種のゴムによって形成され、貫通孔への圧入によって通常は閉塞されている通気路を備えるゴム栓が例示される。空気が排出されるときは、中空針などの細身の管材が通気路に挿入され、ポンプなどを用いて空気が排出される。閉塞部材は、貫通孔の内部に配置され、貫通孔の内壁に設けられた段差部分に当接することによって貫通孔を閉塞する逆止弁であってもよい。
【0058】
図11には、本実施形態において、支持部材5が自動車のフロントガラスである例が示されている。すなわち、表示パネル3は、保持部材4によって、支持部材5であるフロントガラスの車室に面する表面上に保持されている。表示パネル3には、ナビゲーションシステムによる画像が表示されている。なお、表示パネル3は、支持部材5であるフロントガラスの任意の位置に保持され得る。たとえばフロントガラスの全幅に相当する横幅を有する表示パネル3が、フロントガラスの上縁部付近や下縁部付近に車幅方向の全体に渡って保持されていてもよい。上縁部付近の場合は、前述したように自動車の前後方向に垂直な平面へのフロントガラスの投影像において上部20%以内の範囲に保持されることが好ましく、下縁部付近の場合は下端から150mm以内の範囲に保持されることが好ましい。そうすることで、前方の十分な視界が確保され、安全な運行に寄与することができる。
【0059】
図11の例では、フロントガラス(支持部材5)に形成された配線51は、屈曲部を経ることなくフロントガラスの上縁に向って延びている。車室の天井部における内装と自動車のルーフとの間には駆動信号を生成するドライバDが配置されており、配線51は、フロントガラスの上縁において、ドライバDに接続された導電線Wと接続されている。このように表示装置1を自動車の車室内に設けた場合、表示パネル3とドライバDとを接続する配線51を、自動車の振動によって搖動しない状態で、しかも、フロントガラスの表面に沿って配置することができる。車室内の人にすっきりとした印象を与えることができると考えられる。
【0060】
図12には、本実施形態において表示パネル3として用いられる、トップエミッション型の有機EL表示パネルの断面構造の一例が示されている。図12に示されるように、表示パネル3は、基板3eと、基板3eの上に形成された複数の表示素子30とを備えている。基板3eは、たとえばポリイミド樹脂、好ましくは透明ポリイミド樹脂を用いて形成された樹脂フィルム、またはガラス板などである。各表示素子30は、前述した駆動素子39として機能する薄膜トランジスタ(TFT)と、TFTに接続された第1電極33と、第1電極33上に蒸着された有機材料によって形成されていて光を発する有機層34と、有機層34の上に形成された第2電極35と、を有している。各表示素子30は、SiO2などを用いて形成されたバンク36によって分離されている。第1電極33およびバンク36は、TFTを覆う平坦化膜32の上に形成されている。TFT、第1および第2の電極33、35、有機層34、バンク36および平坦化膜32は、これらについての一般的な構造及び材料を有し得るため、その詳しい説明は省略される。
【0061】
図12に示される例において表示パネル3は、表示素子30と基板3eとの間に第1バリア膜37を備え、表示素子30の上には第2バリア膜38を備えている。第1バリア膜37および第2バリア膜38は、非透湿性の材料を用いて形成され、その水蒸気透過度は、たとえば、1×10-4g/m2/日以下である。図12の例では、第1バリア膜37は、二つの窒化ケイ素膜37aと、二つの窒化ケイ素膜37aに挟まれている酸化ケイ素膜37bとを含む多層膜である。また、第2バリア膜38は、二つの窒化ケイ素膜38a、二つの酸化ケイ素膜38b、および有機膜38cを含む5層構造を有している。有機膜38cは、たとえば、エポキシ樹脂などを用いて形成される。酸化ケイ素膜38bおよび有機膜38cは必ずしも形成されなくてもよく、窒化ケイ素膜38aに代えて、成膜速度の速い酸窒化ケイ素膜が設けられていてもよい。第1および第2のバリア膜37、38は、いずれも単層膜であってもよく、図12に示される例の層数以外の層数を有する多層膜であってもよく、窒化ケイ素および酸化ケイ素以外の材料を用いて形成されていてもよい。
【0062】
図示されていないが、表示パネル3は、前述したように、液晶表示パネルであってもよい。表示装置1において表示パネル3として用いられる液晶表示パネルは、画素電極および対向電極、配向膜、偏光板、ならびに液晶層などを含む一般的な液晶表示パネルの構造および材料を有し得るため、その詳しい説明は省略される。
【0063】
[表示装置の製造方法]
つぎに、実施形態2の表示装置の製造方法について、図面を参照して説明する。図13には、前述した説明で参照した図1図4に示される表示装置1を例に、本実施形態の表示装置の製造方法の概要が示されている。本実施形態の表示装置の製造方法は、画素3(図1参照)および画素3を駆動する複数の駆動素子39(図1参照)ならびに複数の駆動素子39に電気的に接続された第1端子群31を含む表示パネル3を形成し、表示パネル3が載置されるべき表面5aを有する支持部材5の表面5aに複数の配線51および複数の配線51に接続された第2端子群52を形成することを含んでいる。本実施形態の表示装置の製造方法は、さらに、直線状または屈曲した形状(図13の例では屈曲した形状)を有する棒状材40に、第1端子群31を構成する各端子の配置と対応する配置で、複数の接触子21を配置することによって棒状材40の一部にコネクタ2を形成し、棒状材40を支持部材5の表面5aに接着することによって、表示パネル3を表面5aに保持する保持部材4を設けることを含んでいる。本実施形態の表示装置の製造方法は、さらに、第2端子群52を構成する各端子と複数の接触子21のそれぞれとを接続し、表示パネル3の縁部の少なくとも一部をコネクタ2に連結することによって、第1端子群31を構成する各端子を複数の接触子21のそれぞれに接続し、表示パネル3を支持部材5の表面5aに載置することを含んでいる。以下、さらに詳細に説明する。
【0064】
まず、表示パネル3の形成について図12および図13を参照して説明する。表示パネル3として、有機EL表示パネルまたは液晶表示パネルなどが形成される。表示パネル3として有機EL表示パネルが形成される場合、たとえば、ポリイミドフィルムまたはガラス板などで構成された基板3eが用意され、基板3eの縁部に複数の接続用端子を含む第1端子群31が形成される。第1端子群31は、前述した通り、表示パネル3における、支持部材5に向けられるべき面(第1面3f)および第1面3fの反対面(第2面3s)のいずれに形成されてもよい。駆動素子39が形成される面と異なる面に第1端子群31が形成される場合、第1端子群31の形成に加えて、基板3eを貫通し、第1端子群31と駆動素子39とを接続するスルーホール導体(図示せず)が形成される。
【0065】
第1端子群31は、たとえば、第1面3fまたは第2面3sに適切な開口を備えるマスク層を形成したうえで、銅またはニッケルなどの材料を用いて、スパッタリング法、蒸着法またはめっき法などによって形成される。好ましくは、第1端子群31の表面には、めっきなどによって金の被覆層がさらに形成される。図示されないスルーホール導体が形成される場合は、フォトリソグラフィと組み合わせたエッチングや、CO2レーザー光もしくはYAGレーザー光の照射などによって基板3eに形成された貫通孔をスパッタリング法、蒸着法、またはめっき法などを用いて銅またはニッケルなどで充填することによって形成される。
【0066】
基板3eに、さらに、駆動素子39として機能する複数のTFT、および有機層34などを含む有機EL表示素子(表示素子30)が形成される。TFTは、少なくともそのゲート端子が第1端子群31を構成する端子のいずれかと電気的に接続されるように形成される。有機層34は、バンク36に囲まれた第1電極33上に形成される。さらに有機層34の上に第2電極35を形成することによって複数の画素3aが形成される。また、好ましくは、基板3eと表示素子30との間に、非透湿性の材料を用いて第1バリア膜37(図12の例では、酸化ケイ素膜37bおよび酸化ケイ素膜37bの上下両側における各窒化ケイ素膜37a)が形成される。窒化ケイ素膜37aおよび酸化ケイ素膜37bは、たとえば、プラズマ励起化学気相成長(PECVD)法やスパッタリング法などによって形成される。
【0067】
表示素子30の形成後、好ましくは、表示素子30の上に、非透湿性の材料を用いて第2バリア膜38が形成される。図12の例では、表示素子30の上に、順に、窒化ケイ素膜38a、酸化ケイ素膜38b、さらに有機膜38cが形成され、再度、酸化ケイ素膜38bおよび窒化ケイ素膜38aが形成されている。窒化ケイ素膜38aおよび酸化ケイ素膜38bは、たとえば、PECVD法またはスパッタリング法などによって形成される。有機膜38cは、たとえば、インクジェットプリンタを用いてアクリル樹脂やエポキシ樹脂を印刷することによって形成される。
【0068】
駆動素子39を構成するTFT、第1および第2の電極33、35ならびに有機層34は、周知の方法を含む任意の方法で形成され得るため、その詳細な説明は省略する。また、表示パネル3として液晶表示パネルが形成される場合も、液晶表示素子を構成する各電極や配向膜、偏光板ならびに液晶層は周知の方法を含む任意の方法で形成され得る。従って、その詳細な説明は省略する。
【0069】
表示パネル3の形成の際に、好ましくは、前述した識別体3dが、表示パネル3の支持部材5に向けられる面と反対の面(第2面3s)において表示パネル3の縁部に露出するように設けられる。識別体3dは、少なくとも2か所以上に設けられることが好ましい。識別体3dは、外観的特徴または電気的特性をその周囲の部分と異ならせることによって形成される。たとえば、絶縁性を有する表示パネル3の第2面3sに、識別体3dとして導電性パッドが形成されてもよい。この場合、図13に示されるように、導体パターン3bによって互いに電気的に接続された少なくとも二つの導電性パッドが識別体3dとして形成されてもよい。また、任意の色のインクの塗布によって、識別体3dを設ける部分の色彩を周囲と異ならせることによって識別体3dが設けられてもよい。
【0070】
表示パネル3の形成は、ガラス板などで構成されるダミー板(図示せず)上で行われてもよく、表示パネル3は、その完成後にダミー板と分離されてもよい。そして、表示パネル3におけるダミー板から剥離された面には、銅箔またはPETフィルムなどにより構成される補強膜(図示せず)が貼り付けられてもよい。その場合、この補強膜の貼り付けの前に、好ましくは、先に参照した図2における光学的機能層61が形成される。
【0071】
光学的機能層61として、たとえば、赤外線反射機能または紫外線吸収機能を有する光学的機能膜が用意され、この膜が、前述したOCAなどの光学透明接着剤を用いて表示パネル3に接着されてもよい。しかし、光学的機能層61は、表示パネル3に直接形成されてもよい。たとえば、スパッタリング法、真空蒸着法、または、PECVD法などが用いられる。好ましくは、これらの方法のいずれかを用いて、前述したフッ化マグネシウムなどを含む多層膜などを成膜することによって、光学的機能層61が形成される。なお、先に参照した図10の例に示される光学的機能層61は、表示パネル3が支持部材5の表面5aに載置される前の任意の工程で、スパッタリング法、真空蒸着法、またはPECVD法などを用いて形成され得る。
【0072】
また、図2の例に示される保護膜62は、表示素子30の形成後の任意の時点で、好ましくは表示パネル3が支持部材5に載置される前に形成される。保護膜62の形成は、たとえば、フッ素樹脂のコーティング、または、PECVD、塗布もしくはスパッタリングなどによるSiO2を含む膜の形成などによって行われる。保護膜62は、別途形成された膜の貼付によって形成されてもよい。
【0073】
表示パネル3が載置されるべき表面5aを有する支持部材5が用意され、配線51および第2端子群52が表面5aに形成される。ガラス、金属、および合成樹脂などの任意の材料が、支持部材5に用いられ得る。支持部材5は、これらの材料を任意の方法で加工することによって用意されてもよく、既存の物品が支持部材5として用意されてもよい。前述したように、たとえば、各種機器の筐体、住居の窓もしくは展示用ケースなどに用いられるガラス板、または、自動車のフロントガラスなどが支持部材5として用意されてもよい。
【0074】
配線51および第2端子群52は、たとえば、銀などを含む導電性ペーストを用いたスクリーン印刷およびその後の100℃〜200℃程度の雰囲気中での5〜15分程度の焼成および乾燥、または、銅、チタン、アルミニウム、ITOもしくはIZOなどを用いたスパッタリングもしくは蒸着などによって形成される。好ましくは、配線51と、第2端子群52の下地層は、同時に、かつ、一体的に形成され、さらに第2端子群52の下地層の上(表面)にはめっきによる金の被覆層が形成される。また、先に参照した図9に示される別個の基材50に、金属箔のエッチングまたは無電解めっきなどで配線51が形成され、基材50が、好ましくはOCAなどを用いて支持部材5に接着されてもよい。
【0075】
図13には示されていないが、先に参照した図2に二点鎖線で示される光学的機能層61aは、支持部材5の用意において形成されてもよく、配線51などの形成後に形成されてもよく、表示パネル3の支持部材5への載置の後に形成されてもよい。光学的機能層61aは、たとえば、先に説明された光学的機能層61の形成方法と同じ方法で形成され得る。
【0076】
直線状または屈曲した形状を有する棒状材40が、合成樹脂または天然樹脂などの材料を用いて、適切に製作された金型を用いた成型加工もしくはプレス加工、または切削加工などを行うことによって用意される。棒状材40には、好ましくは、凹部4d、前述した溝23(図4参照)、および、接触子21が圧入される複数の挿入孔(図示せず)が設けられる。複数の挿入孔は、第1端子群31の端子と対応する配置で、さらに、第2端子群52の端子と対応する配置で形成される。図13に示されるように表示パネル3に識別体3dが設けられる場合は、さらに、棒状材40において表示パネル3の縁部がコネクタ2に適切に連結されたときに識別体3dを露出させる位置に、凹部4dの内部に通じる開口4eが形成される。また、銅板、銅合金板またはステンレス鋼板などに対して適切な金型を用いた打ち抜き加工および折り曲げ加工を行うことによって、板状の形状、好ましくは板ばね状に湾曲した形状を有する複数の接触子21が用意される。そして、たとえば、複数の接触子21が、棒状材40に設けられた複数の挿入孔に圧入されることによって、複数の接触子21と、複数の接触子21を保持するハウジング部22とを含み、溝23を有するコネクタ2が形成される。なお、コネクタ2は、適切な成型金型内に並列状態の複数の接触子21を配置して行われるインサート成型などのように、接触子21の圧入以外の方法で形成されてもよい。
【0077】
そして、棒状材40を支持部材5の表面5aに接着することによって保持部材4が設けられる。保持部材4は、図13の例では、全体として枠状の平面形状における一辺にコネクタ2を含み、コネクタ2が含まれる一辺の対辺の位置に不連続部を有するコの字状の形状を有している。コの字状の保持部材4は、表示パネル3の適正な載置位置を囲むような位置に配置される。また、棒状材40は、底面4fに露出する複数の接触子21のそれぞれと、支持部材5における第2端子群52の各端子とが対向するように配置される。図示されていないが、棒状材40における支持部材5に向けられる面に、一つ、好ましくは二つ以上の突起もしくは凹みが設けられ、支持部材5の表面5aにおける、この突起もしくは凹みに対応する位置に凹みまたは突起が形成されてもよい。そして、この一対、好ましくは二対以上の突起および凹みを結合させることによって保持部材4の位置決めが行われてもよい。保持部材4は、図13では、接着剤81を用いて支持部材5の表面5aに接着される。必要な場合は、接着剤81の硬化のために加熱処理が行われる。接着剤81は、保持部材4の接合面および表面5aのいずれかまたは両方に塗布されてもよく、図13に示されるように、枠状のシートの形態に成型されたうえで、保持部材4と支持部材5との間に置かれてもよい。
【0078】
支持部材5の第2端子群52を構成する各端子と複数の接触子21のそれぞれとが接続される。図14には、ACFを用いた、第2端子群52を構成する各端子と複数の接触子21のそれぞれとの接続工程の一例が示されている。この接続は、図14に示されるようなACFを用いた方法に限定されない。しかし、狭ピッチで配置されている接触子21を、短絡不良を抑制しながら、対向する第2端子群52の各端子と適切に接続し得るという点で、ACFを用いる方法は好ましい。図14に示されるように、複数の接触子21と第2端子群52との間に、両者の接続手段82としてACFが配置される。複数の接触子21と第2端子群52は、ACFを挟んだ状態で互いに向かって加圧されると共に加熱される。たとえば、2MPa〜4MPa程度の圧力、および、170℃〜200℃程度の温度で5秒〜15秒程度、加圧および加熱が行われる。
【0079】
図14では、図示されないステージ上に置かれた支持部材5に向かって、ヒーターブロックHによってコネクタ2のハウジング部22または保持部材4全体が押圧される。ヒーターブロックHは、複数の接触子21および第2端子群52における各端子の配列方向の全長よりも長い幅Whを有していることが好ましい。コネクタ2と支持部材5との間でACFが加圧されることによって、ACFの厚さ方向において、隣接する導電性粒子82b同士、および/または、導電性粒子82bと、接触子21もしくは第2端子群52の各端子とが接触する。その結果、互いに対向する複数の接触子21のそれぞれと第2端子群52の各端子が電気的に接続される。一方、複数の接触子21の配列方向では、接触子21同士、第2端子群52の各端子同士、および、接触子21と第2端子群52の各端子とは接続されない。
【0080】
熱硬化性樹脂部82aは、加熱されることによって一旦軟化し、複数の接触子21の配列方向において隣接する接触子21の間および第2端子群52の各端子間に入り込み、その後硬化する。互いに対向する接触子21と第2端子群52の各端子との電気的な接続状態が維持されると共に、接触子21の配列方向における絶縁性が確保される。なお、ヒーターブロックHの代わりに、ヒーター付きの加圧ローラー(図示せず)が用いられ、複数の接触子21のそれぞれおよび第2端子群52を構成する各端子が、複数の接触子21の配列方向において順に加圧および加熱されてもよい。
【0081】
図13に示されるように、表示パネル3が、第1端子群31が形成されている縁部をコネクタ2に向けて、コの字状の保持部材4の不連続部から保持部材4の内部へと挿入される。具体的には、表示パネル3の縁部が保持部材4の凹部4dに挿入され、凹部4dに沿って表示パネル3がコネクタ2に向けて動かされる。図13に示されるように、識別体3dが表示パネル3に設けられている場合は、表示パネル3における識別体3dを有する縁部が凹部4dに挿入される。そして、矩形状の表示パネル3の三つの辺が、保持部材4におけるコの字状の形状の内側を向く壁面と当接すると共に係合し、最終的に、表示パネル3における第1端子群31を備える縁部がコネクタ2に連結される。その結果、第1端子群31を構成する各端子と複数の接触子21のそれぞれとが接続される。また、表示パネル3は、この連結の完了時の位置において支持部材5の表面5aに載置される。
【0082】
表示パネル3に識別体3dが設けられている場合、好ましくは、識別体3dを用いて、表示パネル3とコネクタ2との連結の適切性が確かめられる。その結果、連結の不十分な不良品の流出を防ぐことができる。前述したように、開口4eは、表示パネル3の縁部がコネクタ2に適切に連結されたときに識別体3dを露出させる位置に形成されている。従って、連結が適切な場合に開口4e内に露出すべき識別体3dを用いて、表示パネル3とコネクタ2との連結の適切性を確認することができる。たとえば、図13の例のように、識別体3dとして、電気的に接続された少なくとも二つの導体パターンが形成されている場合、先に参照した図8に示されるように、開口4eを通じて識別体3dそれぞれにプローブPを接触させる。そして、二つのプローブPの間の導通性を試験することによって連結の適切性を電気的に確かめることができる。また、周囲の部分との色彩を異ならせることなどによって、外観的特徴が周囲の部分と異なる識別体3dが設けられている場合、開口4eを通じて目視または自動光学検査装置(AOI)などを用いて識別体3dを観察し、連結の適切性を視覚的に確かめてもよい。このような構成とすることによって、極めて簡便に連結の適切性を確かめることができる。
【0083】
なお、図13では、表示パネル3は、支持部材5の表面5a上に接着されている保持部材4のコの字の形状の内部に挿入されている。しかし、表示パネル3は、支持部材5に接着される前の保持部材4(棒状材40)に挿入され、支持部材5に接着される前のコネクタ2に連結されてもよい。そして、棒状材40と共に、表示パネル3が支持部材5に載置されてもよい。
【0084】
本実施形態の表示装置の製造方法は、先に参照した図1などに示されるように、複数の接触子21と第2端子群52との接続部に樹脂を供給すること、または有機膜もしくは無機膜を被せることによって、この接続部を被覆部材7で覆うことをさらに含んでいてもよい。図13には、図1などに示される被覆部材7となり得るフィルム状部材71が示されている。フィルム状部材71としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、もしくはシリコーン樹脂を用いて成膜された有機膜、および、アルミニウムの蒸着もしくは窒化ケイ素のスパッタリングなどによって成膜された無機膜などが例示される。これら有機膜または無機膜によって構成されるフィルム状部材71が、接触子21と第2端子群52との接続部を覆うように配置され、加熱されることによって、接触子21と第2端子群52との接続部に密着する。その結果、複数の接触子21と第2端子群52との接続部が被覆部材7によって覆われる。好ましくは、接触子21および第2端子群52の露出部分全てが覆われる。被覆部材7は、複数の接触子21と第2端子群52との接続部にディスペンサなどを用いて未固化の状態のエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などを供給し、これらの樹脂を熱または紫外線などによって固化させることによって設けられてもよい。以上の工程を経ることによって、図1図4に示される表示装置1が完成する。
【0085】
なお、本実施形態の表示装置の製造方法は、前述したように、表示パネル3と保持部材4とのすきま、および/または、保持部材4と係合していない表示パネル3の縁部と支持部材5とのすきまをシリコーン樹脂などで覆うことを含んでいてもよい。また、本実施形態の表示装置の製造方法は、前述したように、保持部材4に貫通孔(図示せず)を設け、貫通孔を通じて表示パネル3と支持部材5との間の空間の空気を保持部材4の外部に吸い出すことを含んでいてもよい。
【0086】
[まとめ]
(1)本発明の一実施形態の表示装置は、画素を駆動する複数の駆動素子を備えると共に、前記複数の駆動素子に電気的に接続された第1端子群を縁部の少なくとも一部に備える表示パネルと、前記表示パネルが載置されるべき表面を有し、前記表面に複数の配線および前記複数の配線に接続された第2端子群を備える支持部材と、直線状または屈曲した形状の棒状材を用いて前記表示パネルの縁部に沿って設けられる保持部材と、を備え、前記保持部材は、前記第1端子群を構成する各端子に対向すべくそれぞれ配置された複数の接触子を備えるコネクタを含み、前記表示パネルを前記支持部材の前記表面における所定の位置に保持すべく前記表面に接着されており、前記複数の接触子のそれぞれは、前記第2端子群を構成する各端子に接続されており、前記表示パネルの縁部の少なくとも一部が前記コネクタに連結されると共に、前記第1端子群を構成する各端子が、前記複数の接触子のそれぞれを介して前記支持部材の前記複数の配線のそれぞれに電気的に接続されている。
【0087】
(1)の構成によれば、表示パネルまたは支持部材を当該表示装置または別の表示装置において容易に再利用することができ、しかも、表示パネルに対する信号伝達手段を表示装置の美観を損ねずに備えることができる。
【0088】
(2)上記(1)の表示装置において、前記支持部材が車両の窓ガラスによって構成されていてもよい。その場合、車両の振動に対しても揺れ動き難く、従って目障りになり難い配線を備えた表示装置を提供することができる。
【0089】
(3)上記(2)の表示装置において、前記支持部材が自動車のフロントガラスによって構成され、前記複数の配線は、前記自動車の前後方向に垂直な平面への前記フロントガラスの投影像において上部20%以内となる領域に設けられていてもよい。その場合、運転時の前方の視界が十分に確保でき安全な運行に寄与することができる。
【0090】
(4)上記(3)の表示装置において、前記複数の配線それぞれの間に前記フロントガラスが露出していてもよい。その場合、複数の配線が遮光性の材料で形成されていても、その間を通じて前方の状況を視認することができる。
【0091】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの表示装置において、前記保持部材は、前記支持部材の前記表面に向けられる底面、前記表示パネルに向けられる側面、および前記コネクタを構成すべく前記側面に形成された溝を有し、前記複数の接触子は、前記溝の内部および前記保持部材の前記底面に露出しており、前記表示パネルの縁部の少なくとも一部が前記溝に挿入されており、前記第1端子群を構成する各端子が前記溝の内部において前記複数の接触子のそれぞれと接続され、前記第2端子群を構成する各端子が前記保持部材の前記底面において前記複数の接触子のそれぞれと接続されていてもよい。その場合、表示パネルを保持部材に係合させるだけで、第1端子群の各端子を支持部材上の配線に電気的に接続することができる。
【0092】
(6)上記(5)の表示装置において、前記複数の接触子のそれぞれが板状材を用いて形成されており、前記複数の接触子は、前記溝の内部において一方の内壁に配置され、対向する内壁に向って湾曲していてもよい。その場合、第1端子群の各端子と接触子とが十分な接圧で接触すると共に、その接触状態が維持される。
【0093】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかの表示装置において、前記表示パネルは、前記保持部材が設けられる縁部に露出し、外観的特徴または電気的特性が周囲と異なる識別体を有し、前記保持部材は、前記表示パネルにおいて前記識別体が設けられている縁部が挿入される凹部を有すると共に、前記凹部の内部に通じていて前記表示パネルの縁部が前記コネクタに適切に連結されたときに前記識別体を露出させる開口を有していてもよい。そうすることで、表示パネルとコネクタとの連結の適切性を確認することができる。
【0094】
(8)上記(7)の表示装置において、前記識別体は、少なくとも二つの導電性パッドによって構成され、前記少なくとも二つの導電性パッドが互いに電気的に接続されていてもよい。その場合、表示パネルとコネクタとの連結の適切性を容易に電気的に確認することができる。
【0095】
(9)上記(1)〜(8)のいずれかの表示装置において、前記配線および前記第2端子群は、前記支持部材と別個の基材に形成されており、前記基材が前記支持部材の前記表面に接着されていてもよい。その場合、配線および第2端子群を、支持部材に形成する場合よりも容易に形成することができる。
【0096】
(10)上記(1)〜(9)のいずれかの表示装置において、前記複数の接触子と前記第2端子群との接続部が、樹脂の固化物または有機膜もしくは無機膜によって覆われていてもよい。その場合、外部の導電物の接触や結露などによる短絡不良が防止される。
【0097】
(11)上記(1)〜(10)のいずれかの表示装置において、前記表示パネルにおける前記支持部材に向けられるべき表面に、紫外線吸収層および赤外線反射層のいずれかまたは両方が形成されていてもよい。その場合、熱および/または紫外線による表示パネルの劣化が抑制される。
【0098】
(12)上記(1)〜(11)のいずれかの表示装置において、前記表示パネルは、前記支持部材に向けられるべき表面に画素形成領域によって生じる段差を有し、前記段差の高さに応じた厚さを有する補助部材が、前記支持部材と前記表示パネルとの間において前記画素形成領域の周囲に設けられていてもよい。その場合、表示パネルが安定して支持部材の上に保持される。
【0099】
(13)本発明の他の実施形態の表示装置の製造方法は、画素および前記画素を駆動する複数の駆動素子ならびに前記複数の駆動素子に電気的に接続された第1端子群を含む表示パネルを形成し、前記表示パネルが載置されるべき表面を有する支持部材の前記表面に複数の配線および前記複数の配線に接続された第2端子群を形成し、直線状または屈曲した形状を有する棒状材に、前記第1端子群を構成する各端子の配置と対応する配置で、複数の接触子を配置することによって前記棒状材の一部にコネクタを形成し、前記棒状材を前記支持部材の前記表面に接着することによって、前記表示パネルを前記表面に保持する保持部材を設け、前記第2端子群を構成する各端子と前記複数の接触子のそれぞれとを接続し、前記表示パネルの縁部の少なくとも一部を前記コネクタに連結することによって、前記第1端子群を構成する各端子を前記複数の接触子のそれぞれに接続し、前記表示パネルを前記支持部材の前記表面に載置する、ことを含んでいる。
【0100】
上記(13)の構成によれば、構成要素の再利用が容易で、表示パネルを適正な位置に備え、しかも、表示パネルに対する信号伝達手段を表示装置の美観を損ねずに備える表示装置を容易に製造することができる。
【0101】
(14)上記(13)の表示装置の製造方法は、前記複数の接触子と前記第2端子群との接続部に樹脂を供給すること、または有機膜もしくは無機膜を被せることによって前記接続部を覆うことをさらに含んでいてもよい。そうすることによって、外部の導電物の接触や結露などによる短絡不良を防ぐことができる。
【0102】
(15)上記(13)または(14)の表示装置の製造方法は、前記表示パネルの形成において、外観的特徴または電気的特性が周囲と異なる識別体を前記表示パネルの縁部に露出させて設け、前記表示パネルにおける前記識別体を有する縁部が挿入される凹部、および、前記凹部の内部に通じていて前記表示パネルの縁部が前記コネクタに適切に連結されたときに前記識別体を露出させる開口を前記棒状材に形成し、前記開口の内部に露出すべき前記識別体を用いて、前記表示パネルの縁部と前記コネクタとの連結の適切性を確かめることをさらに含んでいてもよい。そうすることによって、表示パネルとコネクタとの連結の不十分な不良品の流出を防ぐことができる。
【0103】
(16)上記(15)の表示装置の製造方法において、前記識別体として互いに電気的に接続された少なくとも二つの導電性パッドを形成し、前記開口を通じて前記識別体にプローブを接触させ、前記適切性を電気的に確かめてもよい。そうすることで、表示パネルとコネクタとの連結の不十分な不良品をより確実に検出することができる。
【0104】
(17)上記(15)の表示装置の製造方法において、前記識別体を設ける部分の色彩を周囲と異ならせることによって前記識別体を設け、前記開口を通じて前記識別体を観察し、前記適切性を視覚的に確かめてもよい。そうすることで、極めて簡便に、表示パネルとコネクタとの連結の適切性を確かめることができる。
【符号の説明】
【0105】
1 表示装置
2 コネクタ
21 接触子
23 溝
3 表示パネル
3a 画素
3c 画素形成領域
3d 識別体
31 第1端子群
39 駆動素子(TFT)
4 保持部材
40 棒状材
4d 凹部
4e 開口
4f 底面
4g 側面
5 支持部材
50 基材
51 配線
52 第2端子群
5a 表面
61、61a 光学的機能層
7 被覆部材
82 接続手段(ACF)
9 補助部材
P プローブ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14