特許第6574898号(P6574898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574898
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】複合型陰圧閉鎖治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20190902BHJP
   A61M 39/22 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   A61M27/00
   A61M39/22 100
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-514460(P2018-514460)
(86)(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公表番号】特表2018-530380(P2018-530380A)
(43)【公表日】2018年10月18日
(86)【国際出願番号】CN2017076734
(87)【国際公開番号】WO2017193695
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2018年3月16日
(31)【優先権主張番号】201610313820.5
(32)【優先日】2016年5月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517047695
【氏名又は名称】河南▲フイ▼博医療股▲フェン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李堅崇
(72)【発明者】
【氏名】李▲ミィアォ▼
(72)【発明者】
【氏名】周新欽
【審査官】 田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第201609545(CN,U)
【文献】 特表2015−511150(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104815361(CN,A)
【文献】 特表2010−504112(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0150991(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
A61M 39/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体創面組織(0)を被覆する医療用被覆材(1)と、
前記医療用被覆材(1)を被覆し創面部分を閉鎖するための医療用透明フィルム(3)と、
前記医療用透明フィルム(3)における開口に設置されるドレナージ吸盤(2)と、
ドレナージチューブ(4)を介して前記ドレナージ吸盤(2)の液出口に接続する陰圧ドレナージシステムと、
四方ジョイント(29)が設置される共用輸送チューブ(30)を介して前記ドレナージ吸盤(2)の共用供給ポート(31)にそれぞれ接続する栄養供給システム、酸素供給システム及びオゾンシステムと、
前記陰圧ドレナージシステム、前記栄養供給システム、前記酸素供給システム及び前記オゾンシステムの作動を調節、制御するための主回路基板(14)とを備え
前記陰圧ドレナージシステムは、
前記主回路基板(14)に接続し制御される小型真空ポンプ(8)と、
管路を介して小型真空ポンプのワークポートに連通する陰圧調節弁(7)と、
管路を介して前記陰圧調節弁(7)に連通する第1の三方ジョイント(6)と、
管路を介して前記第1の三方ジョイント(6)の残りの2つのポートにそれぞれ連通する圧力センサ(9)及びドレナージ瓶(5)と、を備え、
前記圧力センサ(9)は、前記主回路基板(14)に接続し制御され、
前記ドレナージ瓶(5)の液入口は、前記ドレナージチューブ(4)を介して前記ドレナージ吸盤(2)の液出口に接続され、
前記栄養供給システムは、
栄養液瓶(18)と、
管路を介して前記栄養液瓶(18)の液出口に連通する液体流量調節弁(19)と、
管路を介して前記液体流量調節弁(19)の液出口に連通する第2の三方ジョイント(20)と、を備え、
前記第2の三方ジョイント(20)の残りの2つのポートのうちの1つは、栄養輸送チューブ(27)を介して前記四方ジョイント(29)の1つのポートに連通され、
前記第2の三方ジョイント(20)の残りの2つのポートのうちのもう1つには、液体流量センサ(21)が設置され、
前記液体流量センサ(21)及び前記液体流量調節弁(19)は、それぞれ前記主回路基板(14)に接続し制御され、
前記酸素供給システムは、
酸素ボンベ(13)と、
前記酸素ボンベ(13)の気体出口に連通する気体流量調節弁(12)と、
管路を介して前記気体流量調節弁(12)に連通する第3の三方ジョイント(11)と、を備え、
前記第3の三方ジョイント(11)の残りの2つのポートのうちの1つは、酸素輸送チューブ(28)を介して前記四方ジョイント(29)の1つの入口に連通され、
前記第3の三方ジョイント(11)の残りの2つのポートのうちのもう1つには、気体流量センサ(10)が設置され、
前記気体流量センサ(10)及び前記気体流量調節弁(12)は、それぞれ前記主回路基板(14)に接続し制御され、
前記オゾンシステムは、
オゾン発生器(22)と、
オゾン流量調節弁(23)を介して前記オゾン発生器(22)の出口に接続する第4の三方ジョイント(24)と、を備え、
前記第4の三方ジョイント(24)の出口は、オゾン輸送チューブ(26)を介して前記四方ジョイント(29)の1つの気体入口に連通されている
ことを特徴とする複合型陰圧閉鎖治療装置。
【請求項2】
前記主回路基板(14)には、操作キー(15)と、ディスプレイ(16)と、電源(17)とがそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の複合型陰圧閉鎖治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器械の技術分野に属し、具体的に、傷口の癒合に用いられる複合型陰圧閉鎖治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1.社会の発展、人々の生活水準の向上に伴い、例えば、糖尿病足、静脈性下腿潰瘍、長期間寝たきりによる圧迫潰瘍、末梢動脈疾患による局所潰瘍、火傷、手術による創面のような、様々な創面がますます多くなる。現在、医学が大きな進歩を遂げているにもかかわらず、創面癒合の治療が未だに挑戦すべきものである。創面が癒合しない病因は、例えば循環因子、栄養因子、神経体液因子などを様々含み、現在、よく使われる創面癒合の治療方法は、主に陰圧閉鎖技術、局所酸素療法、オゾン療法である。
【0003】
2.陰圧ドレナージ技術は、創面において局所の完全閉鎖環境を形成し、継続的に陰圧ドレナージを行うことにより、創面に対して、洗浄、ドレナージを十分に行う役割を果たすことができる。これにより、新生血管及び肉芽組織の形成を促進し、部分的に損傷されたコラーゲンがさらに変性し取り除かれることを防止する。そして、創面に滲出した有害物質を取り除き、傷口及び傷口周縁への更なる滲出を予防または減少させる。また、創面の修復を寄与できる閉鎖且つ湿潤な空間を提供し、上皮細胞の増殖及び遊走を促進して、最終的に創面癒合を促進する目的を達成する。ただし、一部の創面に対して、治療効果は理想ではない。そして、難治性慢性創面は栄養欠乏と関係があると認識され、エネルギー、炭水化物、蛋白質、脂肪、ビタミン、微量元素、ミネラルの代謝がいずれも創面癒合の進行に影響を及ぼすため、栄養補充は、欠いてはいけない補助手段となる。
【0004】
3.酸素療法は、組織に対する酸素供給を増やすことができるため、局所の細胞の増殖を加速させ、組織の修復能力を向上させる。同時に、創面の毛細血管を拡張することができるため、血流抵抗が下降し、血流速度が早くなり、組織の滲出が減少し、腫脹が軽減するようになるので、創面癒合が速くなる。酸素はグラム陰性菌及び陽性菌に対して抑制作用を有するので、局所の感染を防止または抑制することができる。
【0005】
4.オゾン療法は、各種の細菌に対して強い殺菌能力を有するため、これを用いて傷口または創面を洗浄すれば傷口の深部まで染み込んで深部組織における病原菌を殺すことができる。オゾンは、微小循環及び血液レオロジーを改善し、毛細血管の開放を促進することができる。これにより、毛細血管の透過性を改善することで、滲出による浮腫を軽減するようになる。また、毛細血管の血流速度が速くなり、赤血球及び血小板の凝集現象を軽減させ、赤血球の透過が下がるようになる。また、弾性が高くなって血流速度が早くなるので、血液の粘度及び赤血球の凝集性が下がり、組織に対する酸素供給が増加するようになる。これによって、組織の栄養、代謝、修復及び機能を改善することに積極的な役割を果たすようになる。
【0006】
5.局所栄養療法について、早期の陰圧ドレナージ技術において、ドレナージによる創面の栄養成分の流失が、創面癒合に非常に不利となるので、早速栄養素を補充しないと、栄養不良になり、免疫力が低下し、感染を抑制しにくくなる。例えば糖尿病、放射線による損傷または長期的な蛋白流失のような慢性創傷の患者は、よく全身的栄養不良が伴っているため、栄養を補充することはとても重要になる。飲食及び静脈注入を通して栄養を補充するとともに、創面の局所に直接栄養補充を行うことで、傷口の局所の細胞に対して高栄養供給を行い、線維芽細胞の増殖を加速させ、コラーゲン沈着を増加させることにより、創面の快速な癒合を補助する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の4つの方法は、臨床においていずれも単独で応用され、市場にはこれらの方法を併用する治療装置製品が存在しない。しかしながら、一部の患者に対して、数種類の方法及び装置を交互に用いて治療する必要があり、数種類の機能単一の製品をそれぞれ使うと、患者の苦痛が増加し、医療スタッフの仕事量も増加するようになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的を実現させる技術案は、複合型陰圧閉鎖治療装置を提供し、人体創面組織を被覆する医療用被覆材と、医療用被覆材を被覆し創面部分を閉鎖するための医療用透明フィルムと、医療用透明フィルムにおける開口に設置されるドレナージ吸盤と、ドレナージチューブを介してドレナージ吸盤の液出口に接続する陰圧ドレナージシステムと、四方ジョイントが設置される共用輸送チューブを介してドレナージ吸盤の共用供給ポートにそれぞれ接続する栄養供給システム、酸素供給システム及びオゾンシステムと、陰圧ドレナージシステム、栄養供給システム酸素供給システム及びオゾンシステムの作動を調節、制御するための主回路基板とを備える。
【0009】
さらに、前記陰圧ドレナージシステムは、主回路基板に接続し制御される小型真空ポンプと、管路を介して小型真空ポンプのワークポートに連通する陰圧調節弁と、管路を介して陰圧調節弁に連通する第1の三方ジョイントと、管路を介して第1の三方ジョイントの残りの2つのポートにそれぞれ連通する圧力センサ及びドレナージ瓶とを備え、前記圧力センサは主回路基板に接続し制御され、前記ドレナージ瓶の液入口はドレナージチューブを介してドレナージ吸盤の液出口に接続されている。
【0010】
さらに、前記栄養供給システムは、栄養液瓶と、管路を介して栄養液瓶の液出口に連通する液体流量調節弁と、管路を介して液体流量調節弁の液出口に連通する第2の三方ジョイントとを備え、前記第2の三方ジョイントの残りの2つのポートのうちの1つは栄養輸送チューブを介して四方ジョイントの1つのポートに連通され、第2の三方ジョイントの残りの2つのポートのうちのもう1つには液体流量センサが設置され、前記液体流量センサ及び液体流量調節弁はそれぞれ主回路基板に接続し制御されている。
【0011】
さらに、前記酸素供給システムは、酸素ボンベと、酸素ボンベの気体出口に連通する気体流量調節弁と、管路を介して気体流量調節弁に連通する第3の三方ジョイントとを備え、前記第3の三方ジョイントの残りの2つのポートのうちの1つは酸素輸送チューブを介して四方ジョイントの1つの入口に連通され、第3の三方ジョイントの残りの2つのポートのうちのもう1つには気体流量センサが設置され、前記気体流量センサ及び気体流量調節弁はそれぞれ主回路基板に接続し制御されている。
【0012】
さらに、前記オゾンシステムは、オゾン発生器と、オゾン流量調節弁を介してオゾン発生器の出口に接続する第4の三方ジョイントとを備え、前記第4の三方ジョイントの出口はオゾン輸送チューブを介して四方ジョイントの1つの気体入口に連通されている。
【0013】
さらに、前記主回路基板には、操作キーと、ディスプレイと、電源とがそれぞれ接続されている。
【0014】
陰圧システムは、創面において陰圧を形成させるものであり、陰圧源(病院の中央陰圧、小型真空ポンプ)が管路を介して陰圧調節弁に接続され、陰圧調節弁が三方ジョイントを介してドレナージ瓶及び圧力センサに接続され、ドレナージ瓶にドレナージチューブが接続され、ドレナージチューブが創面組織を接続するためのドレナージ吸盤に接続されるように構成されている。
【0015】
素供給システムは、創面に純酸素を提供するものであり、酸素源(病院の中央酸素供給、酸素ボンベ)が管路を介して気体流量調節弁に接続され、気体流量調節弁が三方ジョイントを介して気体流量センサ及び酸素輸送チューブに接続され、酸素輸送チューブは三方ジョイントを介して共用輸送チューブに接続され、共用輸送チューブがドレナージ吸盤における共用供給ポートに接続されるように構成されている。
【0016】
オゾンシステムは、創面にオゾンを提供するものであり、オゾン源(オゾン発生器)が管路を介して気体流量調節弁に接続され、気体流量調節弁が三方ジョイントを介して気体流量センサ及びオゾン輸送チューブに接続され、オゾン輸送チューブが三方ジョイントを介して共用輸送チューブに接続され、共用輸送チューブがドレナージ吸盤における共用供給ポートに接続されるように構成されている。
【0017】
養供給システムは、創面に栄養液を提供するものであり、栄養液瓶が液体流量調節弁に接続され、液体流量調節弁が三方ジョイントを介して液体流量センサ及び栄養輸送チューブに接続され、栄養輸送チューブが三方ジョイントを介して共用輸送チューブに接続され、共用輸送チューブがドレナージ吸盤における共用供給ポートに接続されるように構成されている。陰圧システム、酸素供給システム及び栄養供給システムは、いずれも主回路基板により制御されている。液体流量調節弁、液体流量センサ、気体流量調節弁、気体流量センサ、陰圧源(陰圧源が小型真空ポンプである場合に主回路基板により制御される)、陰圧調節弁及び圧力センサは、いずれも主回路基板に接続している。主回路基板には、ディスプレイ、操作キー、電源がさらに接続されている。操作キーにより、治療モード、作動時間、間欠時間、合計治療時間、陰圧値、酸素流速、酸素供給時間、栄養流速、栄養供給時間等のパラメータを設定することができる。ディスプレイにより、治療モード、作動時間、間欠時間、合計治療時間、陰圧値、酸素流速、酸素供給時間、栄養流速、栄養供給時間等のパラメータをリアルタイムに表示する。電源は、外部電源及び充電式電池である。
【0018】
本発明の有益効果として、陰圧ドレナージ技術、局所栄養供給療法、酸素療法、オゾン療法を一体にするものになり、創面の状況に応じて単独の治療方式または交互の循環治療方式を選択することができるので、創面癒合を加速し、効果的に感染を制御し、癒合期間を短縮し、患者の苦痛及び治療費用を低減させるようになる。そして、操作が簡単、使用が便利のため、医療スタッフの仕事量も減少することができる。
【0019】
本発明は、外部電源に接続してもよいし、充電式電池を使用しても良いので、長時間で連続に作動することができ、ノイズが小さく、体積が小さく、移動が便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の構成の模式図である。
図2】本発明の創面ドレナージ部分の構成の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0022】
図1図2に示すように、本発明による複合型陰圧閉鎖治療装置(integrated negative pressure wound therapy device)は、人体創面組織0を被覆する医療用被覆材1と、医療用被覆材1を被覆し創面部分を閉鎖するための医療用透明フィルム3と、医療用透明フィルム3における開口に設置されるドレナージ吸盤2と、ドレナージチューブ4を介してドレナージ吸盤の液出口に接続する陰圧ドレナージシステムと、四方ジョイント29が設置されている共用輸送チューブ30を介してドレナージ吸盤の共用供給ポート31にそれぞれ接続する栄養供給システム、酸素供給システム及びオゾンシステムと、陰圧ドレナージシステム、栄養供給システム酸素供給システム及びオゾンシステムの作動を調節、制御するための主回路基板14とを備える。
【0023】
前記陰圧ドレナージシステムは、主回路基板14に接続し制御される小型真空ポンプ8と、管路を介して小型真空ポンプのワークポートに連通する陰圧調節弁7と、管路を介して陰圧調節弁に連通する第1の三方ジョイント6と、管路を介して第1の三方ジョイント6の残りの2つのポートにそれぞれ連通する圧力センサ9及びドレナージ瓶5とを備える。前記圧力センサ9は、主回路基板14に接続し制御されている。前記ドレナージ瓶5の液入口は、ドレナージチューブ4を介してドレナージ吸盤の液出口に接続されている。
【0024】
前記栄養供給システムは、栄養液瓶18と、管路を介して栄養液瓶18の液出口に連通する液体流量調節弁19と、管路を介して液体流量調節弁19の液出口に連通する第2の三方ジョイント20とを備える。前記第2の三方ジョイント20の残りの2つのポートのうちの1つは、栄養輸送チューブ27を介して四方ジョイント29の1つのポートに連通されている。第2の三方ジョイント20の残りの2つのポートのうちのもう1つには液体流量センサ21が設置されている。前記液体流量センサ21及び液体流量調節弁19は、それぞれ主回路基板14に接続し制御されている。
【0025】
前記酸素供給システムは、酸素ボンベ13と、酸素ボンベ13の気体出口に連通する気体流量調節弁12と、管路を介して気体流量調節弁12に連通する第3の三方ジョイント11とを備える。前記第3の三方ジョイント11の残りの2つのポートのうちの1つは、酸素輸送チューブ28を介して四方ジョイント29の1つの入口に連通されている。第3の三方ジョイント11の残りの2つのポートのうちのもう1つには気体流量センサ10が設置されている。前記気体流量センサ10及び気体流量調節弁12は、それぞれ主回路基板14に接続し制御されている。
【0026】
前記オゾンシステムは、オゾン発生器22と、オゾン流量調節弁23を介してオゾン発生器22の出口に接続する第4の三方ジョイント24とを備える。前記第4の三方ジョイント24の出口は、オゾン輸送チューブ26を介して四方ジョイント29の1つの気体入口に連通されている。
【0027】
前記主回路基板14には、操作キー15、ディスプレイ16及び電源17がそれぞれ接続されている。
【0028】
さらに具体的に、本発明は、陰圧システムと、酸素供給システムと、オゾンシステムと、栄養供給システムとを備える。陰圧システムは、陰圧源8(病院の中央陰圧システム、小型真空ポンプ)が管路を介して陰圧調節弁7に接続され、陰圧調節弁7が第1の三方ジョイント6を介してドレナージ瓶5及び圧力センサ9に接続され、ドレナージ瓶5にドレナージチューブ4が接続され、ドレナージチューブ4が創面上方のドレナージ吸盤2に接続されるように構成されている。
【0029】
酸素供給システムは、酸素源13(病院の中央酸素供給システム、酸素ボンベ)が管路を介して気体流量調節弁12に接続され、気体流量調節弁12が第3の三方ジョイント11を介して気体流量センサ10及び酸素輸送チューブ28に接続され、酸素輸送チューブ28が四方ジョイント29を介して共用輸送チューブ30に接続され、共用輸送チューブ30が共用供給ポート31に連通されるように構成されている。
【0030】
養供給システムは、栄養液瓶18が管路を介して液体流量調節弁19に接続され、液体流量調節弁19が第2の三方ジョイント20を介して液体流量センサ21及び栄養輸送チューブ27に接続され、栄養輸送チューブ27が四方ジョイント29を介して共用輸送チューブ30に接続され、共用輸送チューブ30が共用供給ポート31に接続されるように構成されている。
【0031】
オゾンシステムは、オゾン源(オゾン発生器)22が管路を介してオゾン流量調節弁23に接続され、オゾン流量調節弁23が第4の三方ジョイント24を介してオゾン流量センサ25及びオゾン輸送チューブ26に接続され、オゾン輸送チューブ26が四方ジョイント29を介して共用輸送チューブ30に接続され、共用輸送チューブ30が共用供給ポート31に接続されるように構成されている。
【0032】
創面組織0には、医療用被覆材1が被覆されている。医療用透明フィルム3(中心に円形状の穴がある)で医療用被覆材1を被覆して創面部分を閉鎖している。ドレナージ吸盤2で医療用透明フィルム3の円形状の穴の上方を被覆して周縁を粘着させるようにする。
【0033】
小型真空ポンプ8、陰圧調節弁7、気体流量調節弁12、液体流量調節弁19及びオゾン流量調節弁23は、いずれも主回路基板14により制御されている。圧力センサ9、気体流量センサ10、液体流量センサ21及びオゾン流量センサ25は、いずれも主回路基板14に接続されている。主回路基板14には、ディスプレイ16、パラメータを設定する操作キー15、電源17がさらに接続されている。操作キー15は、治療モード、陰圧値、間欠時間、陰圧ドレナージ時間、酸素流速、酸素供給時間、栄養流速、栄養供給時間、オゾン流速、オゾン治療時間、治療手順、合計治療時間等のパラメータを設定するためのものである。ディスプレイ16は、各パラメータをリアルタイムに表示するためのものである。
【0034】
治療モードにおいて、陰圧モード(持続ドレナージ/間欠ドレナージ)と、酸素治療モードと、オゾン治療モードと、局所栄養供給模式と、陰圧ドレナージ、酸素供給、オゾン及び局所栄養供給を自由に組み合わせて循環で行う治療モードとが含まれる。
【0035】
本発明を使用する場合、まず、創面に対して創傷清拭処理を行い、創面組織0に医療用被覆材を被覆する。そして、医療用透明フィルム3(中心に円形状の穴がある)で医療用被覆材1の真上を被覆し創面部分を閉鎖して、ドレナージ吸盤2で医療用透明フィルム3の円形状の穴の上方を被覆して周縁を粘着するようにする。事前に、栄養液瓶18を管路に固定接続して、酸素源13(病院の中央酸素供給システム、酸素ボンベ、酸素発生器)、小型真空ポンプ8(病院の中央陰圧システム、中央陰圧システムに接続されていない場合に小型真空ポンプを用いて圧力供給を行う)を連通させるようにする。そして、必要に応じて治療モードを選択しワンキー操作をしても良いし、創面の実際の状況に応じて治療モードを選択して自由に組み合わせて循環治療を行ってもよい。即ち、陰圧値、間欠時間、陰圧ドレナージ時間、酸素流速、酸素供給時間、オゾン流速、オゾン治療時間、栄養液流速、栄養供給時間、治療手順、合計治療時間等のパラメータを設定することにより、多種の療法による交互の循環治療、多種の療法による同時治療等の療法を行うようする。
【符号の説明】
【0036】
0…人体創面組織、1…医療用被覆材、2…ドレナージ吸盤、3…医療用透明フィルム、4…ドレナージチューブ、5…ドレナージ瓶、6…第1の三方ジョイント、7…陰圧調節弁、8…小型真空ポンプ、9…圧力センサ、10…気体流量センサ、11…第3の三方ジョイント、12…気体流量調節弁、13…酸素源、14…主回路基板、15…操作キー、16…ディスプレイ、17…電源、18…栄養液瓶、19…液体流量調節弁、20…第2の三方ジョイント、21…液体流量センサ、22…オゾン源、23…オゾン流量調節弁、24…第4の三方ジョイント、25…オゾン流量センサ、26…オゾン輸送チューブ、27…栄養輸送チューブ、28…酸素輸送チューブ、29…四方ジョイント、30…共用輸送チューブ、31…共用供給ポート
図1
図2