(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574946
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】電気分解式ガス吸引具
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20060101AFI20190909BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20190909BHJP
C25B 1/04 20060101ALI20190909BHJP
C25B 9/00 20060101ALI20190909BHJP
C25B 15/02 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
A24F47/00
A61M15/06 C
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B15/02
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-512515(P2019-512515)
(86)(22)【出願日】2018年4月10日
(86)【国際出願番号】JP2018015005
(87)【国際公開番号】WO2018190322
(87)【国際公開日】20181018
【審査請求日】2019年4月5日
(31)【優先権主張番号】特願2017-79322(P2017-79322)
(32)【優先日】2017年4月12日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513189959
【氏名又は名称】竹原 隆
(73)【特許権者】
【識別番号】511131376
【氏名又は名称】株式会社アクアバンク
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】竹原 隆
【審査官】
礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0020823(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3193762(JP,U)
【文献】
特開2015−217116(JP,A)
【文献】
特開2017−012501(JP,A)
【文献】
特表2010−531188(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2014−0128578(KR,A)
【文献】
特開昭61−068061(JP,A)
【文献】
特開2014−205874(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0263664(US,A1)
【文献】
特開2009−279241(JP,A)
【文献】
中国実用新案第201499602(CN,U)
【文献】
韓国登録特許第10−1723452(KR,B1)
【文献】
韓国公開特許第10−2017−0011173(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A61M 15/00 − 16/22
C25B 1/00 − 9/20
C25B 13/00 − 15/08
A61K 9/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素及び酸素及び/又はニコチン含有蒸気を吸引可能な携帯型の電気分解式ガス吸引具であって、
電池受容部内に配設される電池と、
該電池から電力供給を制御する制御基板と、
該制御基板により電池の陽極及び陰極と通電又は遮電される一対の陽陰電極と、
電気分解式ガス吸引具に脱着可能に取り付けられ、取り付けた状態で下部に前記一対の陽陰電極が内部に挿入される、貯水可能な電解槽と、
前記制御基板により電池から電力供給されると加熱されてニコチン含有蒸気を発生するヒータ装置と、
前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陰極側に流体的に接続する流路と、前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陽極側及び前記ヒータ装置に流体的に接続する流路と、から流入するガスを混合し、貫通孔を有するノズル部まで案内する混合部と、
を備える、ことを特徴とする電気分解式ガス吸引具。
【請求項2】
前記電解槽内には、前記一対の陽陰電極の間を通って前記一対の陽陰電極の陰極側と陰極側とを区分けする仕切り部材が設けられ、該仕切り部材は、前記電解槽内の下方で流体的に接続している、ことを特徴とする請求項1に記載の電気分解式ガス吸引具。
【請求項3】
前記制御基板は、ユーザからの操作信号に基づく前記一対の陽陰電極への通電信号とヒータ装置への通電信号とを受信し、それぞれの信号に基づいて前記電池から前記一対の陽陰電極極及び前記ヒータ装置への電力供給を行い、
前記ヒータ装置は、前記一対の陽陰電極に電池からの電力が供給されていることを条件として、電池からの電力が供給されるように制御する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気分解式ガス吸引具。
【請求項4】
前記制御基板は、ユーザからの操作信号により、前記一対の陽陰電極極及び前記ヒータ装置それぞれへの電力供給量を、変化するように制御することができる、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気分解式ガス吸引具。
【請求項5】
前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陰極側に流体的に接続する流路は、前記仕切り部材によって区分けされた陰極側の上部から直接、前記混合部に接続され、
前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陽極側及び前記ヒータ装置に流体的に接続する流路は、前記仕切り部材によって区分けされた陽極側の上部から前記ヒータ装置の下部に接続し該ヒータ装置内を通過して前記混合部に接続される、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気分解式ガス吸引具。
【請求項6】
前記混合部は、
前記ヒータ装置の上方及び前記ノズルの底部に装着され、
前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陰極側に流体的に接続する流路から前記ノズル部の貫通孔まで流体的に接続する水素ガス流路と、
前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陽極側及び前記ヒータ装置に流体的に接続する流路から前記ノズルの貫通孔まで流体的に接続する酸素及びニコチン含有ガス流路と、を備えており、
前記水素ガス流路と前記水素及びニコチン含有ガス流路とは合流してノズル部の貫通孔まで案内される、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気分解式ガス吸引具。
【請求項7】
前記仕切り部材によって区分けされた陽極側の上部と前記ヒータ装置の下部との間には酸素ガス透過膜が配設される、ことを特徴とする請求項5に記載の電気分解式ガス吸引具。
【請求項8】
前記ヒータ装置内には、該ヒータ装置で加熱される白金触媒が配設され、
該白金触媒は、前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陽極側及び前記ヒータ装置に流体的に接続する流路上に位置する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気分解式ガス吸引具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、携帯可能かつ所定量の水素ガス、酸素ガス及びニコチン含有蒸気を同時に又は選択して吸引し得る電気分解式ガス吸引具に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ吸引時に発生する副流煙、呼出煙による受動喫煙の弊害等が社会問題となっており、タール等を含む副流煙等を放出させない又は低減させた所謂電子タバコが提供されている。この電子タバコにはニコチンを含むリキッドを注入して加熱等で蒸気化して吸引する方式のものや、ニコチンを含む使い捨てカートリッジをその都度連結して使用する方式のものが存在する。さらに、近年、タバコ葉を発火せず加熱してニコチン成分のみを吸引し、副流煙を放出させない(又は大幅カットする)所謂加熱式電子タバコも登場している。
【0003】
しかしながら、従来の電子タバコの場合、副流煙等による受動喫煙の健康被害を回避することはできても、喫煙者本人は少なくともニコチン摂取を継続していることとなり、自主的にニコチン摂取量を減らしていき禁煙することが必須になり、結局、禁煙達成にはつながっていなかった。
【0004】
従来より、タバコの健康被害には、(1)活性酸素が発生することによる発がん性の上昇、(2)一酸化炭素の吸引による運動機能等の低下や動脈硬化リスク等の上昇、が指摘されてきた。このうち(1)について、活性酸素は酸化力が非常に強く、人間の体内に侵入した細菌やウイルスを除去する役割を有する一方で、人間の正常な細胞をも攻撃し、損傷させてしまうことが知られており、過剰な活性酸素の摂取は、正常な細胞を損傷させる可能性を上昇させ、細胞の劣化及び細胞の変異、又はこれに伴う肌の老化などのリスク、代表的には発がんリスクを上昇させる。
【0005】
また、(2)について、一酸化炭素の摂取は少量であっても血中ヘモグロビン機能が低下し、軽度の酸欠が継続するため、運動機能や脳機能が低下することとなる。また、赤血球が異常増加するケースもあり、血液の高粘化や血圧上昇、頭痛を招き、動脈効果の遠因となることも指摘されている。
【0006】
これに対して、近年、水素と活性酸素とは結び付いて還元するため水素が活性酸素を除去する機能が高いことが明らかになっており、また水素と活性酸素との反応物としては生成されるものは水であるため、人体への悪影響が非常に少ないことがわかっている。従って、特に活性酸素が身体に発生しやすい喫煙時には水素を身体に取り入れることが推奨され、水素水販売市場拡大の要因の1つとなっていた。また、一酸化炭素は、酸素と結びつくと二酸化酸素となり無毒化するため喫煙時には酸素を摂取することも推奨される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2017−500100号公報
【特許文献2】特表2016−510970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の事情に鑑みて創作されたものであり、ニコチンを摂取しながら受動喫煙の防止と喫煙者本人の健康被害の低減とを同時に達成することができ、喫煙者が携帯して自由に持ち運ぶことができる電気分解式ガス吸引具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明の電気分解式ガス吸引具は、
水素及び酸素及び/又はニコチン含有蒸気を吸引可能な携帯型の電気分解式ガス吸引具であって、
電池受容部内に配設される電池と、
該電池から電力供給を制御する制御基板と、
該制御基板により電池の陽極及び陰極と通電又は遮電される一対の陽陰電極と、
電気分解式ガス吸引具に脱着可能に取り付けられ、取り付けた状態で下部に前記一対の陽陰電極が内部に挿入される、貯水可能な電解槽と、
前記制御基板により電池から電力供給されると加熱されてニコチン含有蒸気を発生するヒータ装置と、
前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陰極側に流体的に接続する流路と、前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陽極側及び前記ヒータ装置に流体的に接続する流路と、から流入するガスを混合し、貫通孔を有するノズル部まで案内する混合部と、
を備える。
【0010】
上述の電気分解式ガス吸引具では、ニコチン含有蒸気を発生させるヒータ装置と水を電気分解する電解槽とを同一装置内の制御基板で制御し、混合部で両者から放出されたガスを混合し、吸引用のノズルまで案内する流路を備えているため、ニコチンと水素と酸素とを同時に摂取することができる。上述したようにニコチン吸引の健康被害は、水素と酸素とを摂取することで低減することができるものであり、本電気分解式ガス吸引具では同じ喫煙作業の中でニコチン摂取と同時に水素と酸素とを摂取することができる。また、本電気分解式ガス吸引具は、その吸引具内で電池を含めた各部材が全て配設されるため携帯性にも優れるため何処でも容易に吸引できる点でも有利である。
【0011】
ただし、水素は酸化すると水に還元されるため、酸化し易い加熱空気中や高酸素濃度の空気中を通過させないことが好ましい。このため本電気分解式ガス吸引具では、水素が発生する陰電極側から混合部までの流路を別途のバイパス流路としている。これにより、ヒータ装置による加熱や陰電極からの酸素に晒されずに、高濃度の水素を直接摂取することができる。
【0012】
また、前記電解槽内には、前記一対の陽陰電極の間を通って前記一対の陽陰電極の陰極側と陰極側とを区分けする仕切り部材が設けられ、該仕切り部材は、前記電解槽内の下方で流体的に接続している、ことが好ましい。
【0013】
上述したようにニコチンやタールは不完全燃焼時には一酸化炭素を生成するが、一酸化炭素は酸化すると二酸化炭素となり無毒化する。したがって、電解槽から放出される酸素は、ニコチン含有蒸気(タールも含有する場合あり)を生成するヒータ装置内に流入させることが好ましい。本電気分解式ガス吸引具では、酸素を発生させる陽極側と水素を発生させる陰極側との間を仕切り部材で区分けし、酸素のみ放出する陽極側とヒータ装置とを接続することとしている。また、陰極側は上述するように混合部までのバイパス流路を設けている。これにより、ニコチン等を無毒化しつつ、同時に高濃度の水素を摂取することができる。なお、仕切り部材はイオン交換できるような流体的接続部が下方に設けてられている。
【0014】
また、前記制御基板は、ユーザからの操作信号に基づく前記一対の陽陰電極への通電信号とヒータ装置への通電信号とを受信し、それぞれの信号に基づいて前記電池から前記一対の陽陰電極極及び前記ヒータ装置への電力供給を行い、
前記ヒータ装置は、前記一対の陽陰電極に電池からの電力が供給されていることを条件として、電池からの電力が供給されるように制御する、ことが好ましい。
【0015】
本電気分解式ガス吸引具では、ニコチンを放出するヒータ装置の作動は、電解槽内の陽陰電極に電力が供給され水素、酸素が発生していることを条件としている。したがって、従来の電子タバコと異なり、ニコチン摂取による健康被害を常時低減することとなり、水素、酸素量が多い場合には本電気分解式ガス吸引具の使用がむしろ健康促進に役立つこととなる。
【0016】
また、前記制御基板は、ユーザからの操作信号により、前記一対の陽陰電極極及び前記ヒータ装置それぞれへの電力供給量を、変化するように制御しても良い。
【0017】
本電気分解式ガス吸引具は、ニコチン量を低減しながら徐々に水素、酸素摂取量の割合を増やしていくこともでき、同じ装置の利用で喫煙者が常用するニコチン摂取から水素、酸素の摂取に自然に移行し易い点で禁煙促進から健康増進への転換を進めやすくなる。
【0018】
具体的には、前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陰極側に流体的に接続する流路は、前記仕切り部材によって区分けされた陰極側の上部から直接、前記混合部に接続され、
前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陽極側及び前記ヒータ装置に流体的に接続する流路は、前記仕切り部材によって区分けされた陽極側の上部から前記ヒータ装置の下部に接続し該ヒータ装置内を通過して前記混合部に接続される、ことが好ましい。
【0019】
また、前記混合部は、
前記ヒータ装置の上方及び前記ノズルの底部に装着され、
前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陰極側に流体的に接続する流路から前記ノズル部の貫通孔まで流体的に接続する水素ガス流路と、
前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陽極側及び前記ヒータ装置に流体的に接続する流路から前記ノズルの貫通孔まで流体的に接続する酸素及びニコチン含有ガス流路と、を備えており、
前記水素ガス流路と前記水素及びニコチン含有ガス流路とは合流してノズル部の貫通孔まで案内される、
構成が例示される。
【0020】
この電気分解式ガス吸引具によれば、電解槽内の陰極側からの水素のバイパス流路と電解槽内の陽極側からヒータ装置を通過した酸素及びニコチンの流路と、の両者からのガスを混合してノズル部に案内する1つの混合部を設けており、一体形状で小型かつ携帯性の高い装置を提供している。
【0021】
また、本電気分解式ガス吸引具は、前記仕切り部材によって区分けされた陽極側の上部と前記ヒータ装置の下部との間には酸素ガス透過膜が配設される、ことが好ましい。
【0022】
酸素を放出する陽電極側とヒータ装置との間に酸素透過膜を設け、酸素のみを透過させる酸素透過膜を設けることで、ニコチン等の不完全燃焼により生成される一酸化炭素酸化の酸化を促進することができる。なお、仕切り部材の設けない場合であっても、水素と酸素とのバイパス流路を混合部まで設け(酸素が含有される点では水素が水になるデメリットはあるが加熱しない状態ゆえ所定以上の水素量は確保される)、電解槽とヒータ装置との間に酸素透過膜を設けて一酸化炭素を酸化する場合も考えられる。
【0023】
また、前記ヒータ装置内には、該ヒータ装置で加熱される白金触媒が配設され、
該白金触媒は、前記電解槽内の前記一対の陽陰電極の陽極側及び前記ヒータ装置に流体的に接続する流路上に位置する、ことが好ましい。
【0024】
ヒータ装置内に白金触媒を配設し、ニコチン等生成のための加熱と同時に白金触媒を加熱すると白金触媒と陽電極側からの酸素とによって一酸化炭素が酸化され、二酸化炭素になり無毒化することとなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の電気分解式ガス吸引具によれば、ニコチンを摂取しながら受動喫煙の防止と喫煙者本人の健康被害の低減とを同時に達成することができ、喫煙者が携帯して自由に持ち運ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の電気分解式ガス吸引具の実施形態を模式的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の電気分解式ガス吸引具の実施形態の実施形態を模式的に表すブロック図である。
【
図3】本発明の電気分解式ガス吸引具の電解槽内における電気分解の様子を示す略模式図が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の電気分解式ガス吸引具の実施形態を例示説明する。
図1にはその実施形態を模式的に表すブロック図、
図2には
図1の実施形態の代表例の略平断面図、
図3には電気分解式ガス吸引具の電解槽内における電気分解の様子を示す略模式図が示されている。なお、本発明の電気分解式ガス吸引具は、図示されるものに限られず、また図示及び説明の内容を一般常識の範囲内で改変したものをも含むことはいうまでもない。
【0028】
図1に示すように、本電気分解式ガス吸引具は、電池4とLED16、制御手段17、電解槽3、ヒータ装置5、混合部2、ノズル部5で概ね構成されている。まず、電池4は充電式であり、電解槽3には一対の陽陰電極6、7が配設されている。陽陰電極6、7は、制御手段33を介して電池4からの電力が供給され、LED16は電池4に接続されている。制御手段17には、電極制御回路17aと、ヒータ制御回路17bと、LED制御回路17c、電力供給手段(電力供給回路)17dとが備えられている。
【0029】
ユーザが操作ボタン18を操作すると、これに応じて電極制御回路17dが電解槽3内の一対の電極6、7への通電・遮断を制御し、電力供給手段17dにより電池4から供給される電力量を可変して電極6、7に電力を供給する。一対の電極6、7に電力が供給されると電解槽10内に貯留する水を電気分解し、陽電極6側に酸素が発生し、陰電極7側に水素が発生する。
【0030】
陰電極7から発生した水素は、バイパス流路14を介して混合部2に直接流入する。また、陽電極6から発生した酸素は、流路19aを介して一旦ヒータ装置5に流入する。
【0031】
また、ヒータ装置5は、電極制御回路17aにより電解槽3内の一対の陽陰電極6、7に電力供給(通電)していると判定した場合にのみ、ユーザによる操作ボタン18の操作に応じてヒータ装置5内のヒータへの通電を制御する。そして、電力供給手段17dによりヒータへの電力量を変化させてヒータ装置の加熱温度を制御する。ヒータ装置5に電力が供給されるとヒータ装置5内のニコチン等含有蒸気が発生する。
【0032】
ヒータ装置5で発生したニコチン等含有蒸気は、流路19aから流入した水素と混合して流路19bを介して混合部2に流入する。ここでヒータ装置5は、ニコチン等を含有させたリキッド、ゲル、エアゾルをヒータで加熱してニコチン等含有の蒸気を発生させるものであるが、その他、ヒータ装置5には芳香オイル等を注入し、これを加熱することで芳香付きのニコチン等含有蒸気を発生させることも考えられる。
【0033】
バイパス流路14及び流路19bからの水素、酸素及びニコチン等含有蒸気は、バイパス流路14及び流路19bそれぞれと接続する混合部2内の水素ガス流路、酸素及びニコチン含有流路(図示せず)が合流することで混合部2内で混合され、ノズル部5に接続する。そして、混合された水素、酸素及びニコチン等含有蒸気はノズル部5内の流路で十分な混合がなされ、ユーザの吸引口まで到達する。
【0034】
次に、
図1の電気分解式ガス吸引具1の代表的構成例について
図2を参照して説明する。
図2に示すように、本電気分解式ガス吸引具1は、
図2の下方から順に電池4、電解槽3、ヒータ装置5を内部に配設するアトマイザー部11、混合部2、マウスピース15、ノズル部5とが連結されて全体としてハイプ形状を形成している。又は、全体としてパイプ形状とするため電池4、電解槽3、ヒータ装置5は、図示しないカバー部材内に挿入して連結・配設する場合もある。
【0035】
電池4は電池受容部(
図2の電池4の外表面(斜線部))内に配設される充電式である。電解槽3には一対の陽陰電極6、7がそれぞれ長手方向に対向して起立している。一対の陽陰電極6、7の下端は、それぞれ対応する電池4の陽陰電極と接続している(
図1に示す制御手段17を介在させているがここでは省略する)。ここで
図3を参照しつつ、電解槽3内の構成や陽陰電極6、7が通電した場合の電解槽3内における電気分解の様子について説明する
【0036】
図3に示すように貯水された電解槽3は概ね、中空で長手方向に延びる筒部材3bと、筒部材3bの底部を閉鎖する底部材3aと、筒部材3aの上部を閉鎖する蓋部材3c、3d(3cと3dとは一体成形であっても良い)と、で構成されている。陽陰電極6、7を通電させると、陽電極6の近傍には酸素(O
2)が発生し、陰電極7の近傍には水素(H
2)が発生する。発生した酸素及び水素は、水よりも比重が軽いため、上方に移動し、それぞれ隙間3gへと移動する。ここで、電解槽3はその上端から下方に延びて電解槽3を陰電極7側の水素ガス発生層12と陽電極6側の酸素ガス発生層13とに区分けする仕切り部材8が設けられている。仕切り部材8の下端は、水素ガス発生層12と酸素ガス発生層13とを流体的に接続させるように底部材3aの上面から隙間3gが設けられている。
【0037】
この仕切り部材8により酸素及び水素の上方への移動中において、電解槽3内での酸素と水素との混合が阻害される。一方で、仕切り部材8で仕切られない仕切り板8の下部に設けられた上記隙間3gの下部においては、水(H
2O)の自由な移動、すなわち酸素及び水素の発生に必要なイオン(「OH
−」及び「H
+」)の移動が可能である。このように、仕切り部材50によって、電気分解をしつつ酸素と水素の混合の阻害を達成している。
【0038】
蓋部材3cは、酸素ガス発生層13の上部を閉鎖するが、蓋部材3cの一部又は蓋部材3cと仕切り部材8又は筒部材3bとの間に開口3eを設けている。開口3eは酸素透過膜9で閉鎖されている。したがって、隙間3g等により水素ガス発生層12から酸素ガス発生層13に水素が漏洩しても酸素透過膜9により外部(
図2のヒータ部材5内に放出される気体は酸素のみに限定される。
【0039】
また、水素ガス発生層12でも、蓋部材3dにより水素ガス発生層12の上部が閉鎖されるが、水素ガス発生層12側の筒部材3bの上部に開口3fが設けられる。開口3fは、バイパス流路14に連結している。したがって、陰電極7で発生した水素ガス発生層12内の水素は、バイパス流路14に流入し、上方に流れることとなる。
【0040】
再び
図2を参照すれば、混合部2は、ヒータ装置5を覆うアトマイザー部11の上方に連結されてる。バイパス流路14の上端は、混合部2に連結され、水素を混合部2に直接流入する。また、酸素透過膜9を通過した酸素は、ヒータ装置5内に流入する。
【0041】
ヒータ装置5は、アトマイザー部11の内部でニコチンオイル等の混合液が貯留され、ヒータ(図示せず)で混合液を加熱し、ニコチン等含有蒸気を上方に放出する。ヒータ装置5には酸化白金触媒層10が設けられる。この酸化白金触媒層10の白金触媒がヒータ装置5により加熱されるとヒータ装置5内(又はアトマイザー部10内)に流入した酸素がニコチン等の不完全燃焼により一酸化炭素を酸化させ、二酸化炭素として無毒化させる。
【0042】
ヒータ装置5で発生したニコチン等含有蒸気は、アトマイザー部11の上方(ヒータ装置5の上方)に連結された混合部2内の酸素及びニコチン含有流路(図示せず)に流入する。ノズル部5は、下部で混合部2の上部と連結し、その内部には上下に連通する貫通孔(図示せず)を有している。混合部2内で合流した水素ガス流路、酸素及びニコチン含有流路はノズル部5の貫通孔に接続し、所定の助走区間で水素、酸素及びニコチン等含有蒸気を混合させながら上部(ユーザの吸口)に放出する。
【0043】
なお、混合部2の上方にはユーザの吸口を保護するために樹脂等の軟らかい部材で形成されたマウスピース15が連結されても良い。
【0044】
以上、本発明のガス吸引具についてその実施形態を例示説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書等の記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例や改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。
【符号の説明】
【0045】
1 電気分解式ガス吸引具
2 混合器
3 電解槽
3a 底部材
3b 筒部材
3c、3d 蓋部材
3e、3f 開口
3g 隙間
4 電池
5 ヒータ装置
6 陽電極
7 陰電極
8 仕切り部材
9 酸素透過膜
10 白金触媒(酸化白金触媒層)
11 アトマイザー部
12 水素ガス発生区域
13 酸素ガス発生区域
14 水素バイパス流路
15 マウスピース
16 LED
17 制御手段
17a 電極制御回路
17b ヒータ制御回路
17c LED制御回路
17d 電力供給手段
18 操作ボタン(操作手段)
19a 流路
19b 流路