(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
部品供給部から部品を吸着してピックアップする昇降可能なノズルと、前記ノズルを昇降させる昇降手段と、前記ノズルが部品を吸着するための負圧を供給する負圧供給手段と、部品を吸着するため前記ノズルを下降させるときに当該ノズルが部品に着地したことを検知する着地検知センサと、前記昇降手段及び前記負圧供給手段を制御する制御手段とを備えた部品吸着ヘッドであって、
前記制御手段は、初回の部品吸着時に前記ノズルが部品に着地したことを前記着地検知センサが検知した着地タイミングを記憶し、次回の部品吸着時には、前記着地タイミングに基づいて前記負圧供給手段の動作開始のタイミングを、前記着地タイミングに対して、前記負圧供給手段が動作開始後に所定の負圧を供給できるようになるまでの時間相当分だけ早いタイミングに設定するとともに、前記着地タイミングに基づいて前記昇降手段によるノズルの下降プロファイルを設定し、
さらに前記制御手段は、毎回の部品吸着時又は所定回数毎の部品吸着時に、前記ノズルが部品に着地したことを前記着地検知センサが検知した着地タイミングを記憶し、この着地タイミングを記憶した直後の部品吸着時には、この着地タイミングに基づいて前記負圧供給手段の動作開始のタイミングを、この着地タイミングに対して、前記負圧供給手段が動作開始後に所定の負圧を供給できるようになるまでの時間相当分だけ早いタイミングに設定するとともに、この着地タイミングに基づいて前記昇降手段によるノズルの下降プロファイルを設定する、部品吸着ヘッド。
【背景技術】
【0002】
一般的に表面実装機は、部品吸着ヘッドを部品供給部の上方に移動させ、そこで部品吸着ヘッドに備えられたノズルに下降・上昇動作を行わせて、ノズルの下端部に部品を真空吸着してピックアップし、次に部品吸着ヘッドを基板の上方へ移動させ、そこで再度ノズルに下降・上昇動作を行わせて、部品を基板の所定の座標位置に実装するように構成されている。
【0003】
このような部品吸着ヘッドにおいてノズルによる部品の真空吸着は、ノズルへの負圧の供給、具体的には負圧供給手段の動作によって実現される。ただし、負圧供給手段が、バルブの切換え等によりその動作(ノズルに負圧を供給する動作)を開始したとしても、部品吸着に必要な所定の負圧(例えば85kPa程度)を供給できるようになるには、ある程度の時間(例えば18ms程度、以下「負圧準備時間」という。)を要する。したがって、ノズルが部品に着地(タッチ)した時点で負圧供給手段の動作を開始させると負圧準備時間分だけ待つ必要があり、タクトタイムの増加を招く。
【0004】
そこで、特許文献1では、ノズルが部品吸着の適正位置に位置決めされるタイミングに対して、前述の負圧準備時間相当分だけ早いタイミングで負圧供給手段の動作を開始させる技術が提案されている。すなわち、特許文献1は、負圧供給手段の動作開始のタイミング制御により、負圧準備時間相当分のタクトタイムを短縮しようとするものである。
【0005】
ところが、特許文献1において負圧供給手段の動作開始のタイミングは、ノズルが部品吸着の適正位置に位置決めされるタイミングを基準として設定される。このノズルが部品吸着の適正位置に位置決めされるタイミングは、言い換えれば、ノズルが部品に着地する計算上のタイミングであり、実際にノズルが部品に着地するタイミングとズレが生じることがある。例えば、部品供給部における部品の実際の上面高さが計算上の設定値と異なっていると、計算上の着地タイミングと実際の着地タイミングとにはズレが生じる。
【0006】
また、計算上の着地タイミングを求めるには、部品の設計上の上面高さ等、各種設計値の入力が必要であるが、その入力には人間が関与することから、ヒューマンエラーに基づく入力ミスが起こりうる。そうすると当然ながら、計算上の着地タイミングと実際の着地タイミングとにはズレが生じる。
【0007】
前述の特許文献1において、計算上の着地タイミングと実際の着地タイミングとにズレがあると、部品の吸着ミス等のトラブルが起こるおそれがある。すなわち、計算上の着地タイミングが実際の着地タイミングより遅いと、前述の負圧準備時間の経過前にノズルが部品に着地することになるから、吸着力不足で吸着ミスが起こりうる。着地後に、負圧準備時間の経過を待つようにした場合、タクトタイムの増加を招く。一方、計算上の着地タイミングが実際の着地タイミングより早いと、ノズルが部品に着地する前から吸着力が作用することから、着地前に誤って部品が吸着されて吸着ミスとなるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、ノズルにより部品を真空吸着する部品吸着ヘッドにおいて、部品吸着のタクトタイムを短縮しつつ、確実に部品を吸着できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一観点によれば、部品供給部から部品を吸着してピックアップする昇降可能なノズルと、前記ノズルを昇降させる昇降手段と、前記ノズルが部品を吸着するための負圧を供給する負圧供給手段と、部品を吸着するため前記ノズルを下降させるときに当該ノズルが部品に着地したことを検知する着地検知センサと、前記昇降手段及び前記負圧供給手段を制御する制御手段とを備えた部品吸着ヘッドであって、前記制御手段は、初回の部品吸着時に前記ノズルが部品に着地したことを前記着地検知センサが検知した着地タイミングを記憶し、次回の部品吸着時には、前記着地タイミングに基づいて前記負圧供給手段の動作開始のタイミングを設定する、部品吸着ヘッドが提供される。
【0011】
このように本発明では、初回の部品吸着時に着地検知センサが検知した実測の着地タイミングに基づき負圧供給手段の動作開始のタイミングを設定するので、部品吸着のタクトタイムを短縮しつつ、確実に部品を吸着できる。
【0012】
本発明において、前記負圧供給手段の動作開始のタイミングは、前記着地タイミング(実測の着地タイミング)に対して、前記負圧供給手段が動作開始後に所定の負圧を供給できるようになるまでの時間相当分(負圧準備時間相当分)だけ早いタイミングに設定することが好ましい。このように設定すると、部品吸着のタクトタイムを最も短縮できる。なお、前述の負圧準備時間相当分とは厳密なものではなく、実質的に負圧準備時間相当分といえるものも含む概念である。
【0013】
また、本発明において前記制御手段は、前記着地タイミング(実測の着地タイミング)に基づいて前記昇降手段によるノズルの下降プロファイルを設定することができる。このように実測の着地タイミングに基づいてノズルの下降プロファイルを設定することで、ノズルの着地に向けた最適な下降プロファイルの設定が可能となり、タクトタイムの短縮に寄与できる。また、その下降プロファイルは、前記実測の着地タイミングに基づいてノズルが停止するように設定することができる。ここで、着地タイミングに基づいてノズルが停止するとは、着地タイミングの時点でノズルが停止することのほか、所定の押込み量を確保するために着地タイミングから所定時間経過後に停止すること等を含む概念である。
【0014】
本発明において初回の部品吸着時に実測した着地タイミングは、次回以降の部品吸着時に使い続けることもできるが、現実の着地タイミングは時間の経過とともに、あるいは部品供給部に変更があったとき等に変化することがある。したがって、実測の着地タイミングは、適宜のタイミングで更新することが好ましい。具体的には、以下の(1)、(2)又は(3)のタイミングで着地タイミングを実測して更新し、更新後はその更新した着地タイミングを使用して、負圧供給手段の動作開始のタイミングやノズルの下降プロファイルを設定するようにすることが好ましい。
(1)毎回の部品吸着時又は所定回数毎の部品吸着時
(2)部品供給部に変更があったとき(例えばその変更直後の部品吸着時)
(3)現在適用している着地タイミングでノズルが部品に着地しなかったとき(例えばその直後の部品吸着時)
【0015】
これらのうち、毎回の部品吸着の確実性を向上させる点からは、毎回の部品吸着時に着地タイミングを実測して更新することが最も好ましい。
【発明の効果】
【0016】
以上のとおり本発明によれば、ノズルにより部品を真空吸着する部品吸着ヘッドにおいて、部品吸着のタクトタイムを短縮しつつ、確実に部品を吸着できるようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の部品吸着ヘッドを表面実装機に適用した実施例により、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施例による部品吸着ヘッドの全体構成を示す斜視図である。
【0020】
同図に示す部品吸着ヘッド10はロータリーヘッド式の部品吸着ヘッドであり、固定的に配置されたヘッド本体20に、ロータリーヘッド30が鉛直軸周りのR方向に回転可能に取り付けられている。このロータリーヘッド30には、その周方向に沿って等間隔で複数本のスピンドル31が配置され、各スピンドル31の下端に部品を吸着保持するノズル32が装着されている。
【0021】
ロータリーヘッド30は、ヘッド本体20に設置されたRサーボモータ21の駆動によりR方向に回転する。また、各スピンドル31は、ヘッド本体20に設置されたTサーボモータ22の駆動により、その軸線周りのT方向に回転する。更に、ヘッド本体20には、特定位置にあるスピンドル31aを軸線方向に沿ったZ方向に昇降させるためのZサーボモータ23が配置されている。Rサーボモータ21の駆動によりロータリーヘッド30をR方向に回転させる機構、及びTサーボモータ22の駆動により各スピンドル31をT方向に回転させる機構については周知であるので、その説明は省略する。Zサーボモータ23の駆動によりスピンドル31aを下降させる機構については、以下に説明する。
【0022】
図2は、
図1の部品吸着ヘッド10においてスピンドル31aをZ方向に昇降させる機構を示す説明図である。ヘッド本体20に配置されたZサーボモータ23のモータ軸は、ボールねじ機構24のねじ軸24aに連結され、このねじ軸24aにナット24bが装着されている。そして、このナット24bに押圧具25が連結されている。したがって、Zサーボモータ23の駆動により、ナット24bとともに押圧具25がZ方向に移動する。
【0023】
押圧具25はヘッド本体20側に1個だけ設けられている。スピンドル31を下降させるときには、押圧具25に対してスピンドル31を相対的に移動させることにより下降させるスピンドル31(前記特定位置にあるスピンドル31a)を選択し、押圧具25を下降させることにより当該スピンドル31aを下降させる。本実施例では
図3に示すように、ロータリーヘッド30をR方向に回転させることにより押圧具25に対してスピンドル31を移動させ、押圧具25の直下にあるスピンドル31aを下降させる。ただし、特定位置にあるスピンドル31aを選択して下降させる構成はこれに限定されず、押圧具を移動させて下降させるスピンドルを選択するようにしてもよい。また、特定位置は2箇所以上あってもよい。
【0024】
図2に戻って、押圧具25が連結されたナット24bには、連結バー26、及びヘッド本体20に固定的に設けたスプラインシャフト27に装着されたスプラインナット28を介して、光ファイバセンサ40が連結されている。すなわち、光ファイバセンサ40は押圧具25と一体的に設けられている。したがって、光ファイバセンサ40は、Zサーボモータ23の駆動により押圧具25がZ方向に移動すると、これと連動してZ方向に移動する。その様子を
図4に示す。
図4(a)はスピンドル31aが初期位置にある状態を示し、
図4(b)は
図2に示す押圧具25によってスピンドル31aを下降させた状態を示す。 なお、スピンドル31は2つのコイルばねからなる弾発体33(
図2参照)によって常に上方の初期位置に向けて付勢されている。
【0025】
光ファイバセンサ40は、発光部及び受光部が光ファイバやレンズとともに同一軸線上に組み込まれたもので、その構成自体は周知である。本実施例において光ファイバセンサ40は
図2に示すように、スピンドル31の下端にコイルばね34(弾性体)を介して装着されたノズル32の斜め上方に配置されている。そして、光ファイバセンサ40の発光部は、
図5に拡大して示すノズル32の外周上面の反射面32aに向けて斜め下向きに光Pを発する。その光Pは光ファイバセンサ40の受光部で反射光として受光される。
【0026】
ここで、ノズル32は上述のとおり、スピンドル31の下端にコイルばね34を介して装着されている。したがって、スピンドル31の下降によりその下端のノズル32が着地すると、コイルばね34が圧縮されてスピンドル31に対するノズル32の上下方向の位置が変化する。具体的にはノズル32がスピンドル31の下端側に向けて相対的に移動する。
【0027】
一方、光ファイバセンサ40の発光部から発せされる光Pは、
図2に示すレンズ40aによって、ノズル32が着地していない初期状態のときの反射面32aに焦点が合せられている。したがって、ノズル32が着地してその上下方向の位置が変化すると、反射面32aで反射される反射光の量が減少し、光ファイバセンサ40の受光部で受光する受光量が減少する(
図6参照)。本実施例では、この受光量の減少を光ファイバセンサ40のセンサ部40bで検知する。そして、センサ部40bは受光量が所定量減少したとき、例えば
図6に示す閾値A以下になったときに、ノズル32が着地したと判断し、着地検知信号を発する。
【0028】
なお、本明細書において「ノズルの着地」とは、部品の吸着(ピックアップ)工程においてノズルの下端部が部品の上面に着地すること、及び部品の実装工程においてノズルの下端部に保持された部品が基板の上面に着地することの両方を含む概念である。
【0029】
以上の構成において、部品吸着ヘッド10を有する表面実装機は、スピンドル31の下端に装着されたノズル32により、部品供給部から部品を吸着しピックアップしてプリント基板上に移送し、プリント基板上の所定位置に実装する。
【0030】
前記部品吸着時及び実装時においては、
図2で説明したように、保持具25の直下に位置させたスピンドル31aの上端面を押圧具25が押圧して、そのスピンドル31aをZ方向に下降させる。その後、スピンドル31a先端のノズル32が着地すると、上述のとおり、コイルばね34が圧縮されてスピンドル31aに対するノズル32の上下方向の位置が変化し、光ファイバセンサ40の受光部で受光する受光量が減少する。そして、光ファイバセンサ40のセンサ部42が着地検知信号を発する。この着地検知信号は、
図2に示す制御部(制御手段)50に送信される。制御部50は着地検知信号を受信すると、押圧具25を下降させるZサーボモータ23を停止させる。これにより、ノズル32の下降ストロークが適切に制御され、ノズル32が正確に着地する。
【0031】
図7は、制御部50によるZサーボモータ23の制御例を示す。
図7には、Zサーボモータ23の駆動によるノズル32の下降速度と下降ストロークの時間変化、すなわちノズルの下降プロファイルを示している。下降ストロークの設計値は8mmである。
【0032】
図7に示すように、制御部50は、下降初期は下降速度を大きくし、その後、ストロークが3mm(第1の高さ位置)になったら下降速度を漸次低下させ、更にストロークが6.7mm(第2の高さ位置)になったら下降速度が一定となるようにZサーボモータ23を制御する。そして、ノズル32が着地して光ファイバセンサ40から着地検知信号を受信すると、制御部50はZサーボモータ23を停止させる。
図7では、ノズル32が着地するまで実際の下降ストロークが設計値どおりの8mmの場合と、設計値(8mm)より大きかった場合(9mm)と小さかった場合(7mm)の3パターンを示しているが、いずれの場合も下降ストロークは適切に制御され、ノズル32は正確に着地する。
【0033】
次に、本発明による部品吸着の動作を説明する。
【0034】
本発明において部品の吸着は、負圧供給手段によってノズルに負圧を供給することで実現され、部品の実装は、当該ノズルに正圧を供給することで実現される。
【0035】
図8は、負圧供給手段の一例を概念的に示す図である。同図の負圧供給手段60はスプールバルブを使用しており、これにより負圧供給に加え正圧供給を行うことが可能で、また、負圧供給と正圧供給との切換えが可能である。すなわち、この負圧供給手段60は、モータの回転軸61に連結されたレバー62の回転によってスプール63を直線的に移動させることで、負圧供給経路64aと正圧供給経路64bとの切換えを行う。負圧供給経路64aは真空ポンプ等の負圧供給源に接続され、正圧供給経路64bは正圧エアタンク等の正圧供給源に接続されている。
【0036】
図8(a)は、ノズルが正圧供給経路64bに接続された状態を示し、当該ノズルには正圧が供給される。この状態から、
図8(b)及び
図8(c)に示すようにレバー62を回転させてスプール63を上方に移動させると、ノズルが負圧供給経路64aに接続され、当該ノズルに負圧が供給される。その後、レバー62は、
図8(d)に示すように初期位置に戻される。
【0037】
続いて、本発明による部品吸着時のノズルの動作を説明する。
【0038】
図9は、本発明の実施例による部品吸着時のノズルの動作を概念的に示す説明図である。同図(a)は初回の部品吸着時、(b)は2回目の部品吸着時、(c)は3回目の部品吸着時のノズルの動作を示している。
【0039】
初回の部品吸着時には、ノズル32が部品供給部70にある部品に着地するタイミングは不明であるので、以下の動作手順となる。
【0040】
(1)
図7で説明したような所定の下降プロファイルに従い、光ファイバセンサ40によってノズル32の着地が検知されるまでノズル32を下降させる。
【0041】
(2)光ファイバセンサ40よってノズル32の着地が検知されると、制御部50は、その着地タイミング(例えば着地時のノズル高さ)を記憶する。この着地タイミングは、例えばZサーボモータ23のエンコーダ値等に基づいて特定できる。
【0042】
(3)前記(2)と並行して、
図8で説明した負圧供給手段60の負圧供給動作を開始し、ノズル32に負圧を供給する。
【0043】
(4)負圧供給手段60が負圧供給動作を開始したとしても、部品吸着に必要な所定の負圧を供給できるようになるには、前述のとおり18ms程度の負圧準備時間tを要する。したがって、制御部50は、負圧準備時間tを経過するまでノズル32を部品P1に着地させたままの状態で待機する。
【0044】
(5)負圧準備時間tを経過したら、制御部50はノズル42を上昇させる。これにより、部品P1がピックアップされる。
【0045】
2回目の部品吸着時の動作手順は以下のとおりである。
【0046】
(1)制御部50は、初回の部品吸着時に記憶した実測の着地タイミングに基づいて、負圧供給手段60の負圧供給動作開始のタイミングを計算し設定する。最も好ましくは、負圧供給動作開始のタイミングは、
図9(b)に示すように、前記実測の着地タイミングに対して、負圧準備時間t相当分だけ早いタイミングに設定する。
【0047】
(2)初回の部品吸着時と同様にノズル32を所定の下降プロファイルに従い下降させる。
【0048】
(3)前記(1)で設定した負圧供給動作開始のタイミングに達したら、負圧供給手段60の負圧供給動作を開始する。
【0049】
(4)制御部50は、光ファイバセンサ40によってノズル32の着地が検知されたら、ノズル32の下降を停止する。このときには負圧準備時間tは経過しているので、ノズル32は直ちに部品P2を吸着できる。また、制御部50は、この2回目の部品吸着時に実測した着地タイミングを初回部品吸着時のものから更新して記憶する。
【0050】
(5)制御部50は、制御上、ノズル32の着地が検知されてから指定時間経過後、ノズル32を上昇させる。これにより、部品P2がピックアップされる。
【0051】
3回目の部品吸着時には、制御部50は、前記2回目の部品吸着時に更新した着地タイミングに基づいて、負圧供給手段60の負圧供給動作開始のタイミングを計算し設定する。その後は、2回目と同じ動作手順であり、4回目以降もこれを繰り返す。
【0052】
このように、本発明では、光ファイバセンサ40が検知した実測の着地タイミングに基づき負圧供給手段60の動作開始のタイミングを設定するので、部品吸着のタクトタイムを短縮しつつ、確実に部品を吸着できる。
【0053】
また、本発明では、実測の着地タイミングが得られるので、これに基づいて、ノズル32の下降プロファイルを最適に設定することができる。例えば、実測の着地タイミングに基づいてノズルが停止するように設定すると、
図7に示した下降プロファイルにおける下降速度一定の領域を実質的になくすことができ、タクトタイムを更に短縮できる。
【0054】
なお、前述の実施例においては、着地タイミングを毎回の部品吸着時に実測して更新するようにしたが、これには限定されず、所定回数毎の部品吸着時に実測して更新するようにしてもよい。また、着地タイミングの更新が特に必要となるのは、部品供給部に変更があったときであるので、少なくとも、その変更直後の部品吸着時に実測して更新するようにしてもよい。部品供給部の変更とは、例えば部品供給部としてテープフィーダを使用した場合の、テープのロット変更、先行テープに後行テープを接続するスプライシングなどが挙げられる。
【0055】
また、着地タイミングの更新は、現在適用している着地タイミングでノズルが部品に着地しなかったとき、その直後の部品吸着時に行うようにしてもよい。現在適用している着地タイミングでノズルが部品に着地しなかったときは、実際の着地タイミングとズレがあるということなので、着地タイミングの更新の必要性が高い。実際の着地タイミングとのズレを直ちに検知できることは、本発明が着地検知センサ(光ファイバセンサ40)を具備することによる特徴の一つである。なお、現在適用している着地タイミングでノズルが部品に着地しなかったときとは、現在適用している着地タイミングより前で着地したことと、現在適用している着地タイミングより後で着地したことの両方を含む概念である。
【0056】
以上の実施例においては、光ファイバセンサ40のセンサ部40bは制御部50と別個に設けたが、センサ部40bの機能を制御部50に組み込むこともできる。また、実施例では、ノズル32の着地を検知する非接触センサとして光ファイバセンサ40を使用したが、磁気センサ等の他の非接触センサを使用することもできる。
【0057】
また、本発明はロータリーヘッド式以外の部品吸着ヘッドにも適用可能である。更に、本発明は表面実装機以外の作業機器の部品吸着ヘッドにも適用可能である。