特許第6575206号(P6575206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6575206省燃費運転度合い表示装置および省燃費運転度合い表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6575206
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】省燃費運転度合い表示装置および省燃費運転度合い表示方法
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20190909BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20190909BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   B60K35/00 Z
   F02D29/02 L
   B60R16/02 640K
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-152323(P2015-152323)
(22)【出願日】2015年7月31日
(65)【公開番号】特開2017-30532(P2017-30532A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】竹田 友彦
(72)【発明者】
【氏名】石黒 伸一
【審査官】 首藤 崇聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−220226(JP,A)
【文献】 特開2006−076415(JP,A)
【文献】 特開2010−76740(JP,A)
【文献】 特開2008−302807(JP,A)
【文献】 特開2012−180059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
F02D 29/02
F02D 45/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者による車両の運転操作に関する運転操作情報を取得する運転操作情報取得部と、
前記車両の負荷状態に関する負荷情報を取得する負荷情報取得部と、
前記運転操作情報取得部により取得された前記運転操作情報と、前記負荷情報取得部により取得された前記負荷情報とに基づいて、前記運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるか否かを示す省燃費運転度合いを算出する省燃費運転度合い算出部と、
前記省燃費運転度合い算出部により算出された前記省燃費運転度合いを表示部に表示させる表示制御部と、
を備える省燃費運転度合い表示装置。
【請求項2】
前記負荷情報は、前記車両の重量を含む、
請求項1に記載の省燃費運転度合い表示装置。
【請求項3】
前記負荷情報は、前記車両の走行抵抗を含む、
請求項1または2に記載の省燃費運転度合い表示装置。
【請求項4】
運転者による車両の運転操作に関する運転操作情報を取得し、
前記車両の負荷状態に関する負荷情報を取得し、
前記運転操作情報と前記負荷情報とに基づいて、前記運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるか否かを示す省燃費運転度合いを算出し、
前記省燃費運転度合いを表示部に表示させる、
省燃費運転度合い表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者による車両の運転操作の省燃費運転度合いを表示する省燃費運転度合い表示装置および省燃費運転度合い表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に優しい車社会の構築が要求されてきている。その一環として、運転者による車両の運転操作の省燃費運転度合いを表示する省燃費運転度合い表示装置の開発が行われている。省燃費運転度合い表示装置は、運転者による車両の運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるか否かを演算し、その演算結果として省燃費運転度合いを表示する。これにより、省燃費運転に関する運転者への意識付けを行うことができる。
【0003】
特許文献1には、車両に搭載され、燃料の消費に関する値をグラフで表示するエコメータを有する燃費情報表示装置が開示されている。特許文献1に記載のエコメータは、車両の燃料噴射量のグラフを表示する燃料噴射量表示領域と、車両の瞬間燃費値のグラフを表示する燃費表示領域とを備える。そして、燃料噴射量表示領域に表示される車両の燃料噴射量のグラフの増加方向と、燃費表示領域に表示され瞬間燃費値のグラフの増加方向とが、それぞれ相反する方向に設定されている。
【0004】
特許文献2には、エコドライブに関する運転者への意識付けを従来よりも自然に行うことができ、エコドライブになる運転操作を感覚的かつ直感的に取得することができる車載電子機器が開示されている。特許文献2に記載の車載電子機器は例えば、横軸を時間軸、縦軸を速度にした棒グラフを液晶画面に表示させる。液晶画面に表示される棒グラフが平坦であればあるほど燃費が良いことを表している。
【0005】
特許文献3には、運転の終了時に、平均燃費、燃費使用量、平均速度の他に、走行距離、最高速度、エコ運転度危険運転回数、平均エンジン負荷率等を表示する電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−302807号公報
【特許文献2】特開2010−076740号公報
【特許文献3】特開2012−180059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、省燃費運転度合いを表示する従来技術を商用車に適用した場合には、次のような不具合が発生してしまう。すなわち、トラックなどの商用車では、車両の負荷状態(例えば、乗車状況、荷物の積載状況、走行抵抗など)が大幅に変動する特性がある。そのため、車両の負荷状態が重負荷である場合、軽負荷である場合と同じ車両の加速度を得るためには、必然的にアクセル開度やエンジン負荷を高くする必要があるため、省燃費運転度合いが本来の省燃費運転度合いより低く算出される。このように、車両の負荷状態が変動すると、運転者による車両の運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるかについて正確に把握させることができないおそれがあるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、車両の負荷状態が変動しても、運転者による車両の運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるかについて正確に把握することが可能な省燃費運転度合い表示装置および省燃費運転度合い表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る省燃費運転度合い表示装置は、
運転者による車両の運転操作に関する運転操作情報を取得する運転操作情報取得部と、
前記車両の負荷状態に関する負荷情報を取得する負荷情報取得部と、
前記運転操作情報取得部により取得された前記運転操作情報と、前記負荷情報取得部により取得された前記負荷情報とに基づいて、前記運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるか否かを示す省燃費運転度合いを算出する省燃費運転度合い算出部と、
前記省燃費運転度合い算出部により算出された前記省燃費運転度合いを表示部に表示させる表示制御部と、
を備える。
【0010】
本発明に係る省燃費運転度合い表示方法は、
運転者による車両の運転操作に関する運転操作情報を取得し、
前記車両の負荷状態に関する負荷情報を取得し、
前記運転操作情報と前記負荷情報とに基づいて、前記運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるか否かを示す省燃費運転度合いを算出し、
前記省燃費運転度合いを表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車両の負荷状態が変動しても、運転者による車両の運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるかについて正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態における省燃費運転度合い表示装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】ディスプレイに表示される省燃費運転度合いの例を示す図である。
図3】本実施の形態における省燃費運転度合い表示装置の省燃費運転度合い表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態における省燃費運転度合い表示装置100の構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態では、省燃費運転度合い表示装置100は、ディーゼルエンジン(内燃機関)を搭載したトラックなどの大型車両(以下、「車両」と言う)に搭載される。
【0014】
図1に示すように、省燃費運転度合い表示装置100は、車速センサー120、エンジン回転センサー140、アクセル開度センサー160、ブレーキセンサー180、シフトポジションセンサー200、車両重量センサー220、運転操作情報取得部240、負荷情報取得部260、省燃費運転度合い算出部280、閾値マップ情報記憶部300、表示制御部320およびディスプレイ340(本発明の「表示部」に対応)を備える。
【0015】
車速センサー120は、車両の走行速度を検出する。そして、車速センサー120は、検知した走行速度を運転操作情報取得部240に出力する。
【0016】
エンジン回転センサー140は、車両に搭載されたディーゼルエンジンの回転速度を検出する。そして、エンジン回転センサー140は、検出した回転速度を運転操作情報取得部240に出力する。
【0017】
アクセル開度センサー160は、車両に設けられたアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出する。そして、アクセル開度センサー160は、検出したアクセル開度を運転操作情報取得部240に出力する。
【0018】
ブレーキセンサー180は、車両に設けられたブレーキペダルの踏み込み量(ブレーキペダル踏み込み量)を検出する。そして、ブレーキセンサー180は、検出したブレーキペダル踏み込み量を運転操作情報取得部240に出力する。
【0019】
シフトポジションセンサー200は、運転者のシフトレバーの操作位置を検出する。そして、シフトポジションセンサー200は、検出した操作位置を運転操作情報取得部240に出力する。運転者は、シフトレバーの操作により、例えばパーキングレンジ(Pレンジ)、リバースレンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)またはドライブレンジ(Dレンジ)を選択することができる。
【0020】
車両重量センサー220は、車両全体の重量を検出する。そして、車両重量センサー220は、検出した車両全体の重量を負荷情報取得部260に出力する。ここで、車両全体の重量とは、車両に燃料を入れた重量である車両重量に、車両に積載した荷物の重量を加えた重量である。このため、車両に積載した荷物の量に応じて、車両全体の重量は変動する。車両全体の重量を検出する手法としては、公知の様々な手法を採用することができ、例えば車両走行中におけるアクセル開度と車両の加速度との関係に基づいて車両全体の重量を求める手法等が挙げられる。
【0021】
運転操作情報取得部240は、車速センサー120から出力された走行速度、エンジン回転センサー140から出力された回転速度、アクセル開度センサー160から出力されたアクセル開度、ブレーキセンサー180から出力されたブレーキペダル踏み込み量、および、シフトポジションセンサー200から出力された操作位置を、運転者による車両の運転操作に関する運転操作情報として取得する。そして、運転操作情報取得部240は、取得した運転操作情報を省燃費運転度合い算出部280に出力する。
【0022】
負荷情報取得部260は、車両重量センサー220から出力された車両全体の重量を、車両の負荷状態に関する負荷情報として取得する。そして、負荷情報取得部260は、取得した負荷情報を省燃費運転度合い算出部280に出力する。
【0023】
省燃費運転度合い算出部280は、運転操作情報取得部240から出力された運転操作情報と、負荷情報取得部260から出力された負荷情報とに基づいて、運転者による車両の運転操作の省燃費運転度合いを算出する。省燃費運転度合い算出部280は、算出した省燃費運転度合いを表示制御部320に出力する。
【0024】
具体的には、省燃費運転度合い算出部280は、運転操作情報に含まれる操作位置がドライブレンジである場合、現在の走行状態が加速中、減速中、巡航中、アイドル中の何れであるかについて特定し、特定された走行状態毎に、運転操作の省燃費運転度合いを算出する。省燃費運転度合い算出部280は、算出対象の省燃費運転度合いを表す基準として、運転者による車両の運転操作の燃費向上への寄与率に応じて予め設定した複数段階の省燃費運転度合いを設けている。
【0025】
本実施の形態では、各走行状態における省燃費運転度合いとして、10段階の省燃費運転度合いを設けている。これらの省燃費運転度合いは、運転操作の燃費効率への寄与率に対応するものであり、レベル7〜10が環境にやさしいエコな省燃費運転度合い、レベル4〜6が中程度のエコな省燃費運転度合い、レベル1〜3が非エコな省燃費運転度合い、レベル10が最もエコな省燃費運転度合い、レベル1が最も非エコな省燃費運転度合いと定めている。
【0026】
例えば、現在の走行状態が加速中である場合、省燃費運転度合い算出部280は、単位時間における車両の走行速度の上昇幅、単位時間におけるエンジンの回転速度の上昇幅、アクセル開度等に基づいて加速度を算出し、その加速度と段階的に設けている複数種類の閾値とを比較して、加速操作(運転操作)が属する省燃費運転度合いを算出する。加速度と比較される複数種類の閾値は、閾値マップ情報として閾値マップ情報記憶部300に記憶されている。省燃費運転度合い算出部280は、車両の加速度が大きい程、省燃費運転度合いがレベル1に近いと判断し、車両の加速度が小さい程、省燃費運転度合いがレベル10に近いと判断する。
【0027】
本実施の形態では、省燃費運転度合い算出部280は、負荷情報取得部260から出力された負荷情報により表される車両の重量に応じて、算出された加速度と比較する複数種類の閾値を切り替える。車両の重量が重い場合(すなわち、車両の負荷状態が重負荷である場合)、車両の重量が軽い場合(すなわち、車両の負荷状態が軽負荷である場合)と同じ車両の加速度を得るためには、必然的にアクセル開度やエンジン負荷を高くする必要があるため、省燃費運転度合いが本来の省燃費運転度合いより低く算出される。そこで、省燃費運転度合い算出部280は、車両の重量が重い場合、車両の重量が軽い場合と比べて閾値が高い閾値マップを用いて省燃費運転度合いを算出する。これにより、車両の負荷状態を考慮して省燃費運転度合いが算出されるため、判定された省燃費運転度合いが本来の省燃費運転度合いとは乖離した値として算出されることを防止することができる。
【0028】
また、現在の走行状態が減速中である場合、省燃費運転度合い算出部280は、単位時間における車両の走行速度の下降幅、ブレーキペダル踏み込み量等に基づいて減速度を算出し、その減速度と段階的に設けている複数種類の閾値とを比較して、減速操作(運転操作)が属する省燃費運転度合いを算出する。省燃費運転度合い算出部280は、車両の減速度が大きい程、省燃費運転度合いがレベル1に近いと判断し、車両の減速度が小さい程、省燃費運転度合いがレベル10に近いと判断する。
【0029】
また、現在の走行状態が巡航中である、すなわち巡航速度(燃料の消費効率が最も良い状態で移動する場合における車両の走行速度)に近い走行速度で走行している場合、省燃費運転度合い算出部280は、車両の走行速度と段階的に設けている複数種類の閾値とを比較して、巡航操作(運転操作)が属する省燃費運転度合いを算出する。省燃費運転度合い算出部280は、車両の走行速度と巡航速度との差が大きい程、省燃費運転度合いがレベル1に近いと判断し、車両の走行速度と巡航速度との差が小さい程、省燃費運転度合いがレベル10に近いと判断する。
【0030】
また、現在の走行状態がアイドル中である場合、省燃費運転度合い算出部280は、車両の走行速度、アクセル開度、ブレーキペダル踏み込み量等に基づいてアイドル時間を算出し、そのアイドル時間と段階的に設けている複数種類の閾値とを比較して、アイドル操作(運転操作)が属する省燃費運転度合いを算出する。省燃費運転度合い算出部280は、アイドル時間が長い程、省燃費運転度合いがレベル1に近いと判断し、アイドル時間が短い程、省燃費運転度合いがレベル10に近いと判断する。
【0031】
省燃費運転度合い算出部280は、運転操作情報に含まれる操作位置がパーキングレンジである場合(すなわち、車両が停車中である場合)、前回、操作位置がドライブレンジであったときに算出された加速中における省燃費運転度合いの積算値、減速中における省燃費運転度合いの積算値、巡航中における省燃費運転度合いの積算値、アイドル中における省燃費運転度合いの積算値、およびこれらの積算値から算出される省燃費運転の総合評価(点数)を表示制御部320に出力する。
【0032】
表示制御部320は、運転操作情報に含まれる操作位置がパーキングレンジである場合、省燃費運転度合い算出部280から出力された省燃費運転度合いをディスプレイ340に表示するように制御を行う。
【0033】
例えば、省燃費運転度合いがレベル1である場合、表示制御部320は、図2Aの画像400をディスプレイ340に表示させる。画像400は、白色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル1であることを示す「1」が重畳された画像である。また、省燃費運転度合いがレベル2である場合、表示制御部320は、図2Aの画像410をディスプレイ340に表示させる。画像410は、白色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル2であることを示す「2」が重畳された画像である。また、省燃費運転度合いがレベル3である場合、表示制御部320は、図2Aの画像420をディスプレイ340に表示させる。画像420は、白色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル3であることを示す「3」が重畳された画像である。
【0034】
また、省燃費運転度合いがレベル4である場合、表示制御部320は、図2Aの画像430をディスプレイ340に表示させる。画像430は、オレンジ色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル4であることを示す「4」が重畳された画像である。また、省燃費運転度合いがレベル5である場合、表示制御部320は、図2Aの画像440をディスプレイ340に表示させる。画像440は、オレンジ色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル5であることを示す「5」が重畳された画像である。また、省燃費運転度合いがレベル6である場合、表示制御部320は、図2Aの画像450をディスプレイ340に表示させる。画像450は、オレンジ色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル6であることを示す「6」が重畳された画像である。
【0035】
また、省燃費運転度合いがレベル7である場合、表示制御部320は、図2Aの画像460をディスプレイ340に表示させる。画像460は、グリーン色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル7であることを示す「7」が重畳された画像である。また、省燃費運転度合いがレベル8である場合、表示制御部320は、図2Aの画像470をディスプレイ340に表示させる。画像470は、グリーン色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル8であることを示す「8」が重畳された画像である。また、省燃費運転度合いがレベル9である場合、表示制御部320は、図2Aの画像480をディスプレイ340に表示させる。画像480は、グリーン色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル9であることを示す「9」が重畳された画像である。また、省燃費運転度合いがレベル10である場合、表示制御部320は、図2Aの画像490をディスプレイ340に表示させる。画像490は、グリーン色の葉っぱマーク上に、省燃費運転度合いがレベル10であることを示す「10」が重畳された画像である。画像460〜490の右下部分には、環境にやさしいエコな省燃費運転度合いであることを示す「ECO」が表示されている。
【0036】
また、表示制御部320は、運転操作情報に含まれる操作位置がドライブレンジである場合、省燃費運転度合い算出部280から出力された加速中における省燃費運転度合いの積算値、減速中における省燃費運転度合いの積算値、巡航中における省燃費運転度合いの積算値、アイドル中における省燃費運転度合いの積算値、および、省燃費運転の総合評価を含む積算結果画面をディスプレイ340に表示するように制御を行う。
【0037】
図2Bは、表示制御部320によってディスプレイ340に表示される積算結果画面600の例を示す。図2Bに示すように、アイドル中における省燃費運転度合いの積算値は、積算結果画面600の領域610において、10段階のレベルの何れかとしてグラフ表示される。レベルが高いほど、アイドル中における省燃費運転度合いの積算値が高いことを示す。図2Bの例では、アイドル中における省燃費運転度合いの積算値は、レベル2を示している。
【0038】
また、図2Bに示すように、加速中における省燃費運転度合いの積算値は、積算結果画面600の領域620において、10段階のレベルの何れかとしてグラフ表示される。レベルが高いほど、加速中における省燃費運転度合いの積算値が高いことを示す。図2Bの例では、加速中における省燃費運転度合いの積算値は、レベル7を示している。
【0039】
また、図2Bに示すように、巡航中における省燃費運転度合いの積算値は、積算結果画面600の領域630において、10段階のレベルの何れかとしてグラフ表示される。レベルが高いほど、巡航中における省燃費運転度合いの積算値が高いことを示す。図2Bの例では、巡航中における省燃費運転度合いの積算値は、レベル3を示している。
【0040】
また、図2Bに示すように、減速中における省燃費運転度合いの積算値は、積算結果画面600の領域640において、10段階のレベルの何れかとしてグラフ表示される。レベルが高いほど、減速中における省燃費運転度合いの積算値が高いことを示す。図2Bの例では、減速中における省燃費運転度合いの積算値は、レベル8を示している。
【0041】
また、図2Bに示すように、省燃費運転の総合評価は、積算結果画面600の領域650において、10段階のレベルの何れかとしてグラフ表示される。レベルが高いほど、省燃費運転の総合評価が高いことを示す。図2Bの例では、省燃費運転の総合評価は、レベル5(50点)を示している。
【0042】
このように、ディスプレイ340に積算結果画面600を表示することによって、運転者に対して、前回の走行中における各走行状態の省燃費運転度合い、および、総合評価を容易に把握させ、次回の走行においてどの走行状態における省燃費運転操作に注意すれば良いかを喚起することができる。
【0043】
次に、本実施の形態における省燃費運転度合い表示処理について説明する。図3は、本実施の形態における省燃費運転度合い表示処理を示すフローチャートである。省燃費運転度合い表示処理は、例えば運転者のシフトレバーの操作位置がドライブレンジである場合、所定時間が経過する毎に実行される。
【0044】
まず、運転操作情報取得部240は、車速センサー120から出力された走行速度、エンジン回転センサー140から出力された回転速度、アクセル開度センサー160から出力されたアクセル開度、ブレーキセンサー180から出力されたブレーキペダル踏み込み量、および、シフトポジションセンサー200から出力された操作位置を、運転者による車両の運転操作に関する運転操作情報として取得する(ステップS100)。運転操作情報取得部240は、取得した運転操作情報を省燃費運転度合い算出部280に出力する。
【0045】
次に、負荷情報取得部260は、車両重量センサー220から出力された車両全体の重量を、車両の負荷状態に関する負荷情報として取得する(ステップS120)。負荷情報取得部260は、取得した負荷情報を省燃費運転度合い算出部280に出力する。
【0046】
次に、省燃費運転度合い算出部280は、運転操作情報取得部240から出力された運転操作情報と、負荷情報取得部260から出力された負荷情報とに基づいて、運転者による車両の運転操作の省燃費運転度合いを算出する(ステップS140)。省燃費運転度合い算出部280は、省燃費運転度合いの算出結果を表示制御部320に出力する。
【0047】
最後に、表示制御部320は、省燃費運転度合い算出部280から出力された省燃費運転度合いの算出結果をディスプレイ340に表示するように制御を行う(ステップS160)。ステップS160における処理が完了することによって、省燃費運転度合い表示装置100は、図3における処理を終了する。
【0048】
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、省燃費運転度合い表示装置100は、運転者による車両の運転操作に関する運転操作情報を取得する運転操作情報取得部240と、車両の負荷状態に関する負荷情報を取得する負荷情報取得部260と、運転操作情報取得部240により取得された運転操作情報と、負荷情報取得部260により取得された負荷情報とに基づいて、運転操作の省燃費運転度合いを算出する省燃費運転度合い算出部280と、省燃費運転度合い算出部280により算出された省燃費運転度合いをディスプレイ340に表示させる表示制御部320とを備える。
【0049】
このように構成した本実施の形態によれば、車両の負荷状態を考慮して運転操作の省燃費運転度合いが算出されるため、算出された省燃費運転度合いが本来の省燃費運転度合いとは乖離した値として算出されることを防止することができる。それゆえ、ディスプレイ340に表示された省燃費運転度合いを見た運転者は、車両の負荷状態が変動しても、自身による車両の運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるかについて正確に把握することができる。
【0050】
なお、上記実施の形態では、負荷情報取得部260は、車両の重量を負荷情報として取得する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、負荷情報取得部260は、車両の重量に代えて、空気抵抗、ころがり抵抗、勾配抵抗等の走行抵抗を負荷情報として取得しても良い。車両が走行する場合、当該車両に加わる走行抵抗の大きさに応じて、使用する燃料の量が大きく変動するからである。また、負荷情報取得部260は、車両の重量および走行抵抗の両方を負荷情報として取得しても良い。
【0051】
また、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、車両の負荷状態が変動しても、運転者による車両の運転操作がどの程度、省燃費運転操作であるかについて正確に把握させることが可能な省燃費運転度合い表示装置および省燃費運転度合い表示方法として有用である。
【符号の説明】
【0053】
100 省燃費運転度合い表示装置
120 車速センサー
140 エンジン回転センサー
160 アクセル開度センサー
180 ブレーキセンサー
200 シフトポジションセンサー
220 車両重量センサー
240 運転操作情報取得部
260 負荷情報取得部
280 省燃費運転度合い算出部
300 閾値マップ情報記憶部
320 表示制御部
340 ディスプレイ
図1
図2
図3