【文献】
トヨタのエコ運転支援アプリ「A glass of water」を試す,Macお宝鑑定団Blog[羅針盤],2010年 6月19日,[2018年 5月30日検索],URL,http://www.macotakara.jp/blog/iphone_app_store/entry-8502.html
【文献】
漫画ドライブ,ラジオライフ 2015年6月号,日本,三才ブックス,2015年 5月25日,第36巻 第6号,p.56
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動評価告知手段は、前記移動体が停止したときに、前記移動体の移動開始から停止までの間に実行された前記ステージのうち最後にクリアしたステージを告知することを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報処理端末が実行する処理を変更する(例えば、一のステージを実行している状態から他のステージを実行している状態に移行させる)ためには、情報処理端末に対してユーザが何らかの操作を行うことが必要である。
【0005】
しかし、ユーザが移動中などに情報処理端末に対する操作を行うことは、事故等につながる可能性があり、好ましくない。ユーザが操作を行わなければ、情報処理端末は、同一の処理を継続するしかなく、処理の内容は、単調又は単一的になる。このように、ユーザの操作によらずに、より多様な評価を行い、及び/又は、移動の楽しみを増大させることが困難であった。
【0006】
異なる複数の態様で運転技術を評価するプログラムは知られている(特許文献1)。特許文献1では、予め複数の運転者の運転技術レベルを登録しておき、運転者が乗車時に入力するパスワード等で特定される運転技術レベルに応じた態様で運転技術が評価される。しかし、特許文献1では、運転中は、同一の運転技術レベルでの評価が継続するだけであり、多様な評価を行うことはできない。運転者の運転技術が向上した場合には、運転終了時に運転技術レベルが更新されるが、更新された運転技術レベルでの評価を受けるためには、ユーザは、再度パスワード等を入力する操作を行う必要がある。複数の評価態様での評価が可能であり、ユーザの操作によらずに、前回の評価の結果に応じて評価態様を決定し、その決定した評価態様での評価を自動的に実行することは、特許文献1には記載されていない。
【0007】
ゲームを行う情報処理端末であるゲーム装置においても、内容の異なる複数のステージ(ミッション/クエスト/ミニゲーム)が実行される場合がある。そのようなゲーム装置には、ステージ内でのプレイを自動で進行できるものもあるが、ステージ終了後に次のステージに移行するには、移行のための操作が必要である。内容の異なる複数のステージが実行可能であり、ユーザの操作によらずに、前回のステージのプレイ結果に応じて次回実行するステージを決定し、その決定したステージを自動的に実行するゲーム装置は知られていない。
【0008】
本願には、種々の発明が開示される。本願に記載の発明は、上記問題に鑑みてなされた発明を含む。本願に記載の発明は、ユーザの操作によらずに、評価の多様性を高め、及び/又は、移動の楽しみを一層大きくすることが可能な発明を含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に開示される発明は、下記各観点の発明を含む。
<観点1>
コンピュータを、
それぞれクリア条件が設定された複数のステージのいずれかを実行するステージ実行手段と、
前記ステージに設定された前記クリア条件の成否判断を実行するクリア判断手段
として機能させるプログラムであって、
前記クリア判断手段が一の前記ステージについて前記クリア条件の成立を判断した場合、前記ステージ実行手段は、前記一のステージの実行後に、ユーザの操作によらずに、前記一のステージと異なる前記ステージを実行し、
前記クリア判断手段が一の前記ステージについて前記クリア条件の不成立を判断した場合、前記ステージ実行手段は、前記一のステージの実行後に、ユーザの操作によらずに、前記一の前記ステージと同一の前記ステージを実行する
ことを特徴とするプログラム。
<観点2>
前記コンピュータを、
移動体が所定の状態であることを判断する状態判断手段
前記移動体が前記所定の態様である間に、前記移動体の移動を評価する移動評価手段、及び、
前記移動評価手段による評価結果を告知する移動評価告知手段
として更に機能させ、
前記移動評価告知手段は、前記移動体が前記所定の状態ではなくなった後に前記評価結果を告知することを特徴とする観点1に記載のプログラム。
<観点3>
前記コンピュータを、
前記成否判断の結果を告知する成否判断告知手段と、
前記移動体が停止しているかどうかを判断する停止判断手段
として更に機能させ、
前記成否判断告知手段は、所定時間以上継続して前記移動体が停止していると前記停止判断手段が判断したときに、前記成否判断の結果を告知することを特徴とする観点1又は2に記載のプログラム。
<観点4>
前記コンピュータを、
前記ステージの開始からの移動体の移動距離を算出する移動距離算出手段
として更に機能させ、
前記クリア判断手段は、前記移動距離が所定値となったときに前記成否判断を実行する
ことを特徴とする観点1〜3のいずれか一項に記載のプログラム。
<観点5>
前記コンピュータを、
前記ステージの開始からの経過時間を算出する経過時間算出手段
として更に機能させ、
前記クリア判断手段は、前記経過時間が所定値となったときに前記成否判断を実行する
ことを特徴とする観点1〜4のいずれか一項に記載のプログラム。
<観点6>
前記ステージのそれぞれに終了条件が設定されており、
前記コンピュータを、
前記ステージに設定された前記終了条件が達成されたかどうかを判断する終了条件達成判断手段
として更に機能させ、
前記クリア判断手段は、前記終了条件達成判断手段が前記終了条件の達成を判断したときに前記成否判断を実行する
ことを特徴とする観点1〜6のいずれか一項に記載のプログラム。
<観点7>
それぞれクリア条件が設定された複数のステージのいずれかを実行するステージ実行手段と、
前記ステージに設定された前記クリア条件の成否判断を実行するクリア判断手段
を有し、
前記クリア判断手段が一の前記ステージについて前記クリア条件の成立を判断した場合、前記ステージ実行手段は、前記一のステージの実行後に、ユーザの操作によらずに、他の前記ステージを実行し、
前記クリア判断手段が一の前記ステージについて前記クリア条件の不成立を判断した場合、前記ステージ実行手段は、前記一のステージの実行後に、ユーザの操作によらずに、前記一の前記ステージを実行する
ことを特徴とする装置。
<観点8>
コンピュータを、
複数のイベントのいずれかを選択して実行するイベント実行手段と、
前記イベント実行手段が実行した前記イベントの実行結果を生成する実行結果生成手段
として機能させるプログラムであって、
前記イベント実行手段による一の前記イベントの実行が終了した場合、前記イベント実行手段は、ユーザの操作によらずに、当該一のイベントについて前記実行結果生成手段が生成した前記実行結果に基づいて、次に実行する前記イベントを選択して実行する
ことを特徴とするプログラム。
【0010】
「ステージ」は、コンピュータが実行する処理の部分であり得る。処理は、情報を評価する処理及び/又はゲームの処理であり得る。評価する情報は、移動状態や健康状態等を示す情報であり得る。移動状態を示す情報は、例えば、加速度センサーや位置センサー等から得ることができる。人の健康状態を示す情報は、例えば、脈拍センサーや血圧センサー、温度センサー等から得ることができる。ゲームは、ステージ制で進行するゲームとすると良い。例えば、ゲームは、ミニゲームが行われる複数のステージを有するゲームとすると良い。
【0011】
「クリア条件」は、複数のステージのそれぞれに設定された条件である。クリア条件の内容は任意である。クリア条件は、位置、速度、加速度等、移動状態に関する条件であり得る。例えば、一定距離又は一定時間移動する間の加速度等の最大値、最小値、平均値等が一定値以下又は一定値以上又は一定範囲内であることを、クリア条件とすることができる。クリア条件は、脈拍、血圧、体温等、人の健康状態に関する条件であり得る。例えば、一定時間内の脈拍等の最大値、最小値、平均値等が一定値以下又は一定値以上又は一定範囲内であることを、クリア条件とすることができる。異なるステージには異なるクリア条件が設定され、同一のステージには同一のクリア条件が設定されることが好ましい。
【0012】
「クリア判断手段」は、クリア条件の成否判断を実行する機能を有する。クリア判断手段は、ステージの実行中又は実行後に、そのステージに設定されたクリア条件の成否判断を実行し得る。
【0013】
「ステージ実行手段」は、複数のステージのいずれかを実行する機能を有する。「一のステージ」は、複数のステージのうちのいずれかである。好ましい実施形態では、「一のステージと異なるステージ」は、当該一のステージと異なるクリア条件が設定されたステージであり、「一のステージと同一のステージ」は、当該一のステージと同一のクリア条件が設定されたステージである。
【0014】
ステージの実行順序は固定的であり得る。例えば、第2ステージは、第1ステージが終了した後にのみ実行され、第3ステージは、第2ステージが終了した後にのみ実行されるものとすることができる。
【0015】
「ステージ実行手段は、・・・ユーザの操作によらずに、・・・ステージを実行する」は、ユーザが操作を行わなくても、ステージ実行手段が自動的にステージを実行することを意味し得る。
【0016】
「状態判断手段」は、移動体が所定の状態であることを検出する機能を有する。移動体が車両である場合、「所定の状態」は、例えば、発進時の加速中の状態や、カーブを走行中の状態、ブレーキ中の状態等であり得る。「移動評価手段」は、種々の態様で移動の評価を行い得る。例えば、速度又は加速度がどの程度であるかを評価し得る。或いは、速度又は加速度が一定値以下又は一定値以上又は一定範囲内であるかどうかを評価し得る。
【0017】
「移動評価告知手段」は、移動評価告知手段による評価結果を告知する機能を有する。移動評価告知手段は、移動体が所定の状態ではなくなったときに評価結果の告知を行う。
【0018】
「成否判断告知手段」は、クリア判断手段が実行した成否判断の結果を告知する機能を有する。成否判断告知手段は、クリア判断手段が実行したすべての成否判断を告知してもよく、一部の成否判断を告知しても良い。クリア判断手段によるクリア条件の成立判断が最後に行われたステージがどのステージであったか(例えば、何番目のステージまでクリアしたか)を告知しても良い。
【0019】
移動評価告知手段及び/又は成否判断告知手段による告知は、音声及び/又は画像により行い得る。告知手段に代えて、又は、告知手段に加えて、成否判断の結果を記憶する記憶手段としてコンピュータを機能させても良い。
【0020】
クリア判断手段は、ステージの開始からの移動体の移動距離が所定値になったときにクリア条件の成否判断を実行し得る。移動距離は、例えば、GPSによる位置情報に基づいて算出し得る。所定値は、すべてのステージ間で相違しても良く、一部又は全部のステージで同一でも良い。
【0021】
「移動体」は、例えば、人、車両、オートバイ、自転車、電車、飛行機等であり得る。移動状態は、移動体の位置、速度、加速度等であり得る。移動状態検出手段は、例えば、加速度センサーを用いて移動状態を検出し得る。停止判断手段は、例えば、GPSによる位置情報に基づいて移動体が停止していることを判断し得る。
【0022】
クリア判断手段は、ステージの開始からの経過時間が所定値になったときにクリア条件の成否判断を実行し得る。経過時間は、例えば、コンピュータが内蔵するタイマーにより算出し得る。所定値は、すべてのステージ間で相違しても良く、一部又は全部のステージで同一でも良い。
【0023】
クリア判断手段は、ステージ毎に設定された終了条件が達成されたときにクリア条件の成否判断を実行し得る。終了条件は、任意に設定できる。例えば、プログラムがゲームプログラムである場合、終了条件は、各ステージのボスキャラを倒すことや一定の得点を取ることであり得る。終了条件の種類や終了条件達成の難易度は、すべてのステージ間で相違しても良く、一部又は全部のステージで同一でも良い。
【0024】
観点8の「イベント」は、コンピュータが実行する処理の部分であり得る。「イベント」は、「ステージ」の概念を含む概念であり得る。「イベント」は、「ステージ」と同一の概念であり得る。処理は、ゲームの処理であり得る。好ましい実施形態では、複数のイベントによりゲームが構成される。「イベント実行手段」は、複数のイベントのいずれかを選択する機能と、当該選択したイベントを実行する機能を有する。イベントの実行は、例えば、移動体の移動を評価することであり得る。イベントの実行結果は、移動体の移動の評価結果であり得る。イベント実行手段は、一のイベントの実行が終了した後に、次のイベントを選択して実行することができる。同じイベントを繰り返し実行してもよいし、同じイベントを続けて実行しないような仕様としてよい。また、イベントの実行結果に応じて複数のイベントの中から次のイベントを選択してもよい。一のイベント及び次のイベントは、ともに、前記複数のイベントのいずれかである。イベント実行手段は、ユーザの操作によらず、一のイベントについて実行結果生成手段が生成した実行結果に基づいて次のイベントを選択し、その選択したイベントを実行する。
【0025】
観点8の発明は、コンピュータを、操作入力を受け付ける操作入力手段として更に機能させ、前記イベント実行手段は、前記イベントを、操作入力手段が受け付けた操作入力に応じて実行し得る。観点8の発明では、複数のイベントで1つのゲームを構成し、コンピュータを、ゲーム中に実行された複数のイベントについての実行結果に基づいてゲーム結果を生成するゲーム結果生成手段として更に機能させ得る。例えば、イベントのそれぞれにクリア条件を設定し、イベント実行手段は、各イベントの実行中に、そのイベントに設定されたクリア条件の成否判断を実行し、ゲーム結果生成手段は、それまでに実行された1つ又は複数のイベントの成否判断の結果に基づいてゲーム結果を生成し得る。
【0026】
前記操作入力手段は、ユーザの行動を間接的に検出することで、前記コンピュータへの直接的な操作指示なく前記操作入力を受け付け得る。例えば、加速度センサーや位置センサー等で検出されるユーザの移動状態等を操作入力として使用すれば、ユーザが直接的な指示を行わなくても、操作入力手段は、操作入力を受けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願発明の実施形態である評価装置1及び評価プログラムを説明する。評価装置1及び評価プログラムは、移動体である評価装置1又はユーザが運転する車両の移動状態を評価する装置及びプログラムである。
【0029】
図1は、本発明に係る評価装置1及びその設置例を示す。評価装置1は、車両のダッシュボード等に取付台2等によって設置され、車両と共に移動する。取付台2を使用することで、評価装置1の姿勢を固定することができる。
【0030】
評価装置1は、スマートフォン等の情報処理端末である。評価装置1は、表示部3とスピーカー口4を前面に有し、電源スイッチ5を側面に有する。また、移動体に備え付けられたナビゲーション装置でもよい。
【0031】
図2は、評価装置1のシステム構成を示す。評価装置1は、制御部21、表示装置22、記憶部23、位置検出部24、加速度検出部25、通信部26、マイク27、スピーカー28等の機器を有する。
【0032】
制御部21は、CPU,ROM,RAM、各種の周辺回路、インタフェース等を備えるコンピュータで構成される。ROMには、オペレーティングシステム(以下、OS)が記憶されている。制御部21がOSに従ってプログラム記憶部23aに記憶されたプログラムをRAM上で実行することで、後述の各種処理が実現される。OSは、評価装置の種類、形態に応じて様々なものを用いることができる。
【0033】
制御部21は、マルチタスク方式で複数のプログラムを同時に実行(タスク、プロセスを生成)可能である。複数のプログラムを同時に実行する場合、そのうちの一つをフォアグランドで実行し、それ以外はバックグラウンドで実行する。
【0034】
表示装置22は、タッチパネル式モニタで構成される。表示装置22は、制御部21の制御により生成される画像を表示部3に表示させ、表示部3に対するタッチ操作に基づく操作信号を制御部21に送信する。
【0035】
記憶部23は、HDやNVRAM、EPROM等の内蔵メモリやメモリーカード等の外付メモリ等から構成される。記憶部23は、プログラム記憶部23a及びクリア条件記憶部23bを有する。
【0036】
プログラム記憶部23aには、評価装置1で実行可能な各種のプログラムが記憶される。プログラム記憶部23aのプログラムは、メニュープログラムと評価プログラムを含む。メニュープログラムは、プログラム記憶部23aに記憶された各プログラムに対応するアイコンをメニュー形式で表示装置22に表示させ、各アイコンが操作されたときに、対応するプログラムを起動する。評価プログラムは、後述の評価処理を実行するためのプログラムである。
【0037】
図3は、OSが表示装置22に表示させる画面を示す。当該画面は、アプリケーション表示部31とナビゲーションバー32を有する。アプリケーション表示部31には、プログラム記憶部23aのプログラムが生成した画面を表示可能である。
図3のアプリケーション表示部31には、メニュープログラムが生成したメニュー画面が表示されている。メニュー画面には、プログラム記憶部23aに記憶された各種プログラムに対応する複数のアイコン33が表示される。ユーザによるアイコン33のタッチ操作があったときに、メニュープログラムは、そのアイコン33に対応するプログラムを起動させる。符号34は、評価プログラムに対応するアイコンであり、ユーザがアイコン34を操作すると、評価プログラムが起動する。
【0038】
ナビゲーションバー32には、ホームボタン35、リターンボタン36及び設定ボタン37が表示される。ホームボタン35を操作することにより、アプリケーション表示部31にメニュー画面が表示される。リターンボタン36を操作することにより、評価装置1に対して行った操作を1操作毎に戻すことができる。設定ボタン37を操作することにより、起動中のプログラムに対する設定ウィンドを開くことができる。
【0039】
クリア条件記憶部23bには、複数のステージのそれぞれに設定されたクリア条件が記憶される。
図4は、クリア条件の例を示す。図において、「N」は、各ステージを一意に識別するステージ番号を示す。ステージの個数は任意である。「Dm」は、ステージ毎に設定された規定距離である。「Vm」は、ステージ毎に設定された許容溢水量である。本実施形態では、ステージ番号1のステージには、「5kmの移動距離で溢水量が30ml以内であること」というクリア条件が設定され、ステージ番号2のステージには、「7kmの移動距離で溢水量が30ml以内であること」というクリア条件が設定され、ステージ番号3のステージには、「5kmの移動距離で溢水量が20ml以内であること」というクリア条件が設定される。クリア条件は、後のステージほど(ステージ番号が大きいほど)、成立させることが困難な条件を設定すると良い。「キャラクタ」は、各ステージに登場するキャラクタ(人物等)である。
【0040】
位置検出部24は、評価装置1の現在の緯度経度を検出するための装置である。例えば、位置検出部24は、GPS衛星からの信号に基づいて評価装置1の緯度経度を算出するGPSモジュールとすることができる。位置検出部24は、例えば、1秒間隔で最新の緯度経度を算出する。
【0041】
加速度検出部25は、評価装置1に作用する加速度を検出する装置である。加速度検出部25は、3次元方向の加速度を個別に検出する3次元加速度センサーであり得る。加速度検出部25の検出値(例えば、静的加速度)を使用することにより、評価装置1の地面に対する姿勢(表示部3の法線方向が地面に対してどの方向を向いているか等)を検出することができる。
【0042】
通信部26は、携帯電話網に対する音声通信、インターネット網に対するデータ通信、近接無線通信を用いた周辺機器に対するデータ通信等を行う。近接無線通信の方式は、WPANやWLAN等とすることができる。マイク27は、評価装置1の周辺音声をサウンドデータに変換して制御部21に提供する。スピーカー28は、制御部21の制御に従ってサウンドデータを音声として出力する。
【0043】
次に、評価装置1が有する機能構成を説明する。評価装置1は、姿勢検出手段、状態判断手段、ステージ実行手段、溢水量算出手段、溢水有無判断手段、移動距離算出手段、クリア判断手段及び告知手段を有する。これらの手段は、制御部21が評価プログラムに従って処理を実行することにより実現される。
【0044】
姿勢検出手段は、所定のタイミングで評価装置1の姿勢を検出する機能を有する。本実施形態では、姿勢検出手段は、ステージ実行手段による各ステージの実行前のタイミングで評価装置1の姿勢を検出する。評価装置1の姿勢は、加速度検出部25が検出する加速度に基づいて判断することができる。
【0045】
状態判断手段は、車両の状態を判断する機能を有する。具体的には、状態判断手段は、車両が停止した状態であること、発進したこと、カーブを走行中であること(カーブに入ったこと及びカーブを抜けたこと)、及び、ブレーキング中であること(ブレーキによる減速中であること)を判断する。「発進」は、初速が0kmの状態から移動を開始することを意味する。車両が停止した状態であること、及び、発進したことは、位置検出部24が検出する緯度経度に基づいて判断することができる。カーブを走行中であること、及び、ブレーキング中であることは、姿勢検出手段が検出した評価装置1の姿勢と加速度検出部25が検出する加速度の方向及び大きさに基づいて判断することができる。
【0046】
ステージ実行手段は、複数のステージのいずれかを実行する機能を有する。各ステージは、クリア条件記憶部23bに記憶された各ステージ番号Nに対応する。
【0047】
各ステージでは、車両の移動状態(特に加速度)を評価するゲームが行われる。本実施形態では、移動状態を評価するための指標として、溢水量(コップから溢れた水の量)が使用される。各ステージでは、規定距離Dmだけ車両を走行させる間の溢水量が、クリア条件として規定された許容溢水量Vm以内かどうか、というゲームが行われる。
【0048】
溢水量算出手段は、車両の移動状態から溢水量を算出する手段であり、発進時算出手段、カーブ時算出手段、ブレーキ時算出手段及び総溢水量算出手段を有する。
【0049】
発進時算出手段は、発進時の車両の加速度(平均加速度、最大加速度等であり得る)Asに基づいて溢水量Vsを算出する。算出の際に、基準加速度NAsとして、「発進から5秒間で時速が20km/hになる加速度」が使用される。発進時算出手段は、加速度Asと基準加速度NAsの差が大きいほど、大きい値の溢水量Vsを算出する。具体的には、例えば、加速度Asが基準加速度NAsの±5%以内のときは、Vs=0mlを算出し、NAsの±10%以内のときは、Vs=2mlを算出し、NAsの±15%以内のときは、Vs=5mlを算出する。
【0050】
カーブ時算出手段は、カーブ走行時の車両の加速度(平均加速度、最大加速度等であり得る)Acに基づいて溢水量Vcを算出する。算出には、安全等を考慮して予め定められたカーブ走行中の基準加速度NAcが使用される。カーブ時算出手段は、加速度Acが基準加速度NAcを大きく上回るほど、大きい値の溢水量Vcが算出する。具体的には、例えば、加速度Acが基準加速度NAc未満のときは、Vc=0mlを算出し、NAcの1.0倍以上かつ1.2倍未満のときは、Vc=2mlを算出し、NAcの1.2倍以上かつ1.5倍以下のときは、Vc=5mlを算出する。
【0051】
ブレーキ時算出手段は、ブレーキ時の車両の加速度(平均加速度、最大加速度等であり得る)Abに基づいて溢水量Vbを算出する。算出には、安全を考慮して予め定められたブレーキ時の基準加速度NAbが使用される。ブレーキ時算出手段は、加速度Abが基準加速度NAbを大きく上回るほど、大きい値の溢水量Vbを算出する。具体的には、例えば、加速度Abが基準加速度NAb未満のときは、Vb=0mlを算出し、NAbの1.0倍以上かつ1.2倍未満のときは、Vb=2mlを算出し、NAbの1.2倍以上かつ1.5倍以下のときは、Vb=5mlを算出する。
【0052】
発進時の加速度Asは、位置検出部24が検出する緯度経度及び発進からの経過時間に基づいて算出することができる。カーブ走行中の加速度Ac及びブレーキ時の加速度Abは、姿勢検出手段が検出した評価装置1の姿勢と加速度検出部25が検出する加速度の方向及び大きさに基づいて算出することができる。
【0053】
総溢水量算出手段は、各ステージにおいて溢水量算出手段が算出した溢水量Vs,Vc,Vbを合計することにより総溢水量Vtを算出する。
【0054】
溢水有無判断手段は、発進時算出手段及びカーブ時算出手段が算出した溢水量Vs,Vcに基づいて車両の移動を評価する機能を有する。具体的には、例えば、発進時算出手段及びカーブ時算出手段が1ml以上の溢水量Vs,Vcを算出した場合に、溢水有りの判断をし、0mlであれば、溢水無しの判断をする。
【0055】
移動距離算出手段は、各ステージの開始時点からの車両の移動距離Dを算出する機能を有する。移動距離算出手段は、移動距離Dを、例えば、1秒毎に算出する。移動距離Dは、位置検出部24が検出する緯度経度を用いて算出可能である。
【0056】
クリア判断手段は、各ステージにおける総溢水量Vtに基づいて、クリア条件の成否判断を実行する機能を有する。具体的には、ステージにおいて算出された総溢水量Vtが、そのステージについての許容溢水量Vm以下であればクリア条件の成立を判断し、そうでなければクリア条件の不成立を判断する。クリア判断手段は、移動距離算出手段が算出する移動距離Dがクリア条件記憶部23bに記憶された規定距離Dmになった時点で、クリア条件の成否判断を実行する。
【0057】
告知手段は、溢水有無告知手段と成否判断告知手段を有する。溢水有無告知手段は、溢水有無判断手段の判断結果を告知する。成否判断告知手段は、クリア判断手段の判断結果を告知する。告知は、表示部3での画像表示及び/又はスピーカー28からの音声出力により行うことができる。
【0058】
図5は、評価装置1が実行する評価処理のフローチャートを示す。評価処理は、
図3のメニュー画面でアイコン34が操作された場合に実行される。
【0059】
評価処理が開始すると、ステップS11において、ステージ番号Nを「1」に設定し、総溢水量Vtを「0」に設定するなどの初期化のための処理が行われる。
【0060】
ステップS12では、チーム名が既に入力されているかどうかを判断し、未入力(No)の場合は、免責事項等を表示した後、告知のON/OFF設定(ステップS13)、SNS等への投稿の要否設定(ステップS14)を受け付け、その後、タイトル画面等を表示した後、チーム名の入力を受け付け(ステップS15)、その後、ステップS16に移行する。ステップS12においてチーム名が既入力(Yes)の場合は、ステップS13〜S15はスキップとなる。
【0061】
ステップS16では、ステージ番号Nで特定されるステージのクリア条件がクリア条件記憶部23bから読み出される。本実施形態では、クリア条件である規定距離Dm及び許容溢水量Qmとともに、キャラクタが読み出される。ステップS12又はステップS15から移行したステップS16では、ステージ番号が「1」のステージについてのクリア条件が読み出される。ステップS37からステップS16に移行した場合については、後述する。
【0062】
ステップS17では、ステップS16で読み出されたクリア条件を示すミッション画面が一定時間に渡って表示部3に表示される。
図7(a)は、例示的なミッション画面51を示す。図示のように、ミッション画面51は、ステージ表示部51a、キャラクタ表示部51b及びミッション表示部51cを有する。ステージ表示部51aには、ステージ番号が表示される(図では、ステージ番号は「1」)。キャラクタ表示部51bには、そのステージのキャラクタの画像が表示される。ミッション表示部51cには、ステップS16で読み出されたクリア条件(規定距離Dm及び許容溢水量Vm)が表示される。ミッション画面51により、ユーザは、ステージ番号やクリア条件等を知ることができる。
【0063】
続くステップS18では、姿勢検出手段が評価装置1の姿勢を検出する。ステップS18の実行中、ステージが開始されることをユーザに告知するためのカウントダウン画面52が表示部3に表示される。
図7(b)は、例示的なカウントダウン画面52を示す。カウントダウン画面52により、ユーザは、ステージの開始タイミングを知ることができる。
【0064】
続くステップS19では、ステージ実行手段がステージを実行する。ステージの実行中は、表示部3にステージ画面53が表示される。
図7(c)は、例示的なステージ画面53を示す。ステージ画面53では、水の入った紙コップの画像と停止ボタン53aが表示される。ユーザは、停止ボタン53aを操作することで、評価処理を停止させることができる。ステージ画面53にキャラクタ表示部51bと同様の画像(そのステージのキャラクタの画像)を表示しても良い。
【0065】
図6は、ステップS19の詳細を示す。
【0066】
ステージが開始すると、ステップS21において、車両が第1の所定時間T1(例えば、3秒)以上に渡って継続して停止したかどうかが判断される。そして、その判断が肯定(Yes)の場合、ステップS22において、車両が発進したかが判断される。これらの判断は、状態判断手段が実行する。
【0067】
ステップS22の判断が肯定(Yes)の場合、ステップS23において、発進時算出手段が、車両の発進時の加速度Asに基づいて溢水量Vsを算出し、更に、S24において、総溢水量算出手段が、ステップS23の溢水量Vsを用いて総溢水量Vtを更新する。
【0068】
続くステップS25では、ステップS23の溢水量Vsに基づいて溢水有無判断手段が溢水の有無を判断し、その判断結果を溢水有無告知手段が画像及び音声により告知する。
図7(d)は、溢水有りの判断の場合に、溢水有無告知手段が表示部3に表示させる溢水有り画面54を示す。溢水有り画面54にもステージ画面53と同様の停止ボタン54aが表示される。音声は、「チャプチャプ」などの水音とすることができる。ステップS25の告知は、ステップS22で肯定(Yes)の判断がされた時点から所定時間後に実行される。所定時間は、発進時の加速が終了すると考えられる程度の時間(例えば、10秒)とすることができる。
【0069】
ステップS21の判断が否定(No)の場合、ステップS22〜S25はスキップとなる。
【0070】
ステップS26では、状態判断手段が、車両がカーブを走行中かどうかを判断し、カーブ走行中(Yes)の場合、ステップS27において、カーブ時算出手段が、車両の加速度Acに基づいて溢水量Vcを算出する。
【0071】
ステップS27は、車両がカーブを走行中の間継続する。状態判断手段がカーブを抜けたと判断すると、処理はステップS28に移行し、総溢水量算出手段が、ステップS27の溢水量Vcを用いて総溢水量Vtを更新する。
【0072】
続くステップS29では、ステップS27の溢水量Vcに基づいて溢水有無判断手段が溢水の有無を判断し、その判断結果を溢水有無告知手段が画像及び音声により告知する。告知の態様は、ステップS25と同様である。
【0073】
ステップS25及び/又はステップS29の告知により、ユーザは、発進時及び/又はカーブ走行時の加速が適切であったかどうかを知ることができる。これらの告知は、発進時の加速が終了したと判断された時点、又は、カーブを抜けたと判断された時点以降に行われる。これにより、発進時やカーブ走行中にユーザの注意力が低下することを防ぐことができる。
【0074】
ステップS26の判断が否定(No)の場合、ステップS27〜S29はスキップとなる。
【0075】
ステップS30では、状態判断手段が、ブレーキング中かどうかを判断し、ブレーキング中(Yes)の場合、ステップS31において、ブレーキ時算出手段が、車両の加速度Abに基づいて溢水量Vbを算出する。
【0076】
ステップS31は、ブレーキングの間継続する。状態判断手段が、ブレーキングが終了したと判断すると、処理はステップS32に移行し、総溢水量算出手段が、ステップS31の溢水量Vbを用いて総溢水量Vtを更新する。
【0077】
本実施形態では、溢水有無告知手段は、ブレーキ時には、溢水の有無に関する告知は行わない。ブレーキは特に安全に関わる要素なので、ユーザがブレーキ時の評価を気にしてブレーキを加減することは好ましくないためである。
【0078】
ステップS33では、移動距離算出手段が算出する移動距離Dが、ステップS16で読み出された規定距離Dmに達しているかどうかを判断し、その判断が否定(No)の場合、処理はステップS21に移行する。
【0079】
ステップS33の判断が肯定(Yes)の場合、ステップS34において、ステージ番号Nのステージが終了となる。
【0080】
ステップS36では、クリア判断手段が、クリア条件の成否判断を実行する。具体的には、総溢水量VtがステップS16で読み込まれた許容溢水量Vm以下である場合にクリア条件の成立(Yes)を判断し、許容溢水量Vmを越えている場合にはクリア条件の不成立(No)を判断する。
【0081】
ステップS35の判断が成立(Yes)であった場合、ステップS36でステージ番号Nが更新され(Nに1が加算され)、ステップS37で総溢水量Vtを「0」にリセットした後、ステップS16に移行する。これにより、更新後のステージ番号Nについてのクリア条件(及びキャラクタ)が新たに読み出され、ステップS17,S18の実行後、その新たなクリア条件(及びキャラクタ)を用いた新たなステージ(又は、前回のステージと異なるステージ)が実行される。
【0082】
ステップS35の判断が不成立(No)であった場合、ステップS36はスキップされる。よって、ステージ番号Nは変更されないままで、ステップS37で総溢水量Vtが「0」にリセットされ、その後、ステップS16に移行する。これにより、前回のステージと同一のステージ番号Nについてのクリア条件(及びキャラクタ)が読み出され、ステップS17,S18の実行後、前回のステージと同一のクリア条件(及びキャラクタ)を用いたステージ(又は、前回のステージと同一のステージ)が再度実行される。
【0083】
ステップS22における判断が否定(No)の場合、処理は、ステップS38に移行する。ステップS38では、状態判断手段により、車両が第2の所定時間T2(例えば、30秒)以上に渡って継続して停止したかが判断され、否定(No)の場合は、ステップS22に移行する。
【0084】
ステップS38の判断が肯定(Yes)の場合、ユーザが運転を終了させた可能性があると判断できるため、ステップS39に移行する。ステップS39では、表示部3において、
図7(e)に示す終了画面55が表示され、ユーザによる終了ボタン55aの操作が待ち受けられる。
【0085】
ステップS39において終了ボタン55aの操作が検出された場合(Yes)、ステップS40において、成否判断告知手段が、評価処理における評価の結果を告知する。
【0086】
図7(f)は、ステップS40において成否判断告知手段が表示部3に表示させる例示的な結果画面56を示す。図示のように、結果画面56には、全走行距離56a、全溢水量56b及び最終クリアステージ56cが表示される。
【0087】
全走行距離56aは、評価処理において、最初にステージ(ステップS19)が実行された時点から終了ボタン55aの操作が検出された時点(ステップS39:Yes)までの車両の移動距離とすることができる。全溢水量56bは、評価処理で実行されたすべてのステージの総溢水量Vtの合計とすることができる。最終クリアステージ56cとしては、どのステージまでクリアしたか(ステップS35でYesと判断された最後のステージのステージ番号N)を表示することができる。図の例では、ステージ番号が「3」のステージまでクリアした場合が示されている。
【0088】
ステップS40をもって評価処理は終了となる。
【0089】
評価処理で実行されたクリア条件の成否判断等に応じて、追加的な処理を行っても良い。例えば、ステージを1回でクリアした場合には、ステップS17のキャラクタ表示部51bに表示するキャラクタを追加・変更等しても良い。
【0090】
上記した評価装置1では、車両の移動態様の評価(ステップS35)が行われ、評価の結果が表示(ステップS40)される。よって、車両の移動態様を評価することができ、及び/又は、運転を楽しくすることができる。
【0091】
加えて、ユーザが車両を運転中に評価装置に対して何ら操作を行わなくても、クリア条件の異なる複数のステージのいずれかが自動的に選択されて実行される。よって、ユーザは、評価装置1を操作する必要がないにもかかわらず、より多様な評価を行うことができ、及び/又は、運転をより楽しくすることができる。ユーザは、評価装置1を操作する必要がないので、運転に集中できる。
【0092】
また、あるステージ(ステージ番号Nのステージ)についてクリア条件の不成立が判断された場合は、当該ステージの終了後に、再度、同一のステージ(ステージ番号Nのステージ)が実行され、クリア条件の成立が判断された場合は、当該ステージの終了後に、当該ステージと異なるステージ(ステージ番号N+1のステージ)が実行される。よって、評価結果に応じて、ステージをクリアする楽しみ、ステージを進めていく楽しみを得ることができる。
【0093】
また、本実施形態のステップS40では、評価の結果として、最終クリアステージ56cが表示されるため、ユーザは、評価結果を簡易に理解することができる。他の態様として、評価処理の各ステージにおける算出値(移動距離D、加速度Aa,Ab,Ac、溢水量Va,Vb,Vc、総溢水量Vt等)やステージ毎のクリア条件の成否判断の結果、各値の算出時点や成否判断の実行時点の時刻データ等を表示すると、ユーザは、より詳細な評価結果を知ることができる。
【0094】
なお、ステップS13において告知がOFFに設定された場合、ステップS25,S29における溢水有無の画像及び/又は音声による告知は行われない。告知を行わないことで、ユーザは、一層運転に集中できる。
【0095】
本実施形態では、クリア条件の成否判断(ステップS35)は、各ステージの実行毎には告知されず、ユーザが運転を終了させたと判断した以降(ステップS40)に告知される。これにより、運転中にユーザの注意力が低下することが防止される。
【0096】
ステップS14において「投稿する」に設定された場合、例えば、ステップS40の実行後に評価結果(例えば、ステップS39の表示データ)がSNSサイト等に投稿される。投稿前に、本当に投稿するかどうかを確認するステップを実行しても良い。
【0097】
評価プログラムをバックグラウンドで実行可能に構成すると、評価プログラムの実行を継続したまま、他のプログラム(例えば、音楽再生やナビゲーション、ドライブレコーダー等)を実行可能である。
【0098】
以上、好ましい実施の形態を説明したが、上記実施の形態における装置、プログラム、手段又はそれらの要素、動作態様、制御態様、制御パラメータ等は例として記載したものであり、これらは、下記を含む種々の変形が可能である。
【0099】
上記実施形態では、評価装置1の内蔵のセンサー(位置検出部24,加速度検出部25)で検知した情報を用いて、各種判断や処理を行っているが、外部からの情報を用いて各種判断や処理を行っても良い。例えば、車両のCAN(Controller Area Network)から情報を取得して各種判断や処理を行うことが可能である。例えば、状態判断手段は、CANから車載GPSの位置情報を取得して車両が停止した状態であることや車両が発進したことの判断(ステップS21,S22,S38)を行っても良い。発進時算出手段は、CANから取得される車速情報及び内蔵タイマーの時間を用いて車両の発進時の加速度Asを算出しても良い。CANからの情報の取得は、例えば、CAN上の情報をWPAN等で送信することが可能な発信器6(
図1参照)を車両のOBDコネクタ等に接続し、発信器6の信号を通信部26で受信することにより行うことができる。CANから取得できる他の情報(例えば、エンジン回転数やラジエータ温度、ドアの開閉時刻や回数等)の評価を行っても良い。
【0100】
発進時算出手段、カーブ時算出手段及びブレーキ時算出手段による溢水量の算出方法、或いは、クリア条件の難易度の設定方法は、上記の実施形態に限らない。例えば、ステージ毎に異なる水の硬度を設定し(例えば、ステージ番号が大きいほど、硬度を小さくする)、発進時算出手段、カーブ時算出手段及びブレーキ時算出手段は、硬度に応じて溢水量を算出する(例えば、同じ加速度であっても、硬度が小さいほど大きな溢水量を算出する)ことができる。また、車両等の乗り物の場合は、サスペンションの硬さによっても加速度検出部25の検出結果に差異が出るため、予めサスペンションの状態を設定するようにし、この設定によって溢水量を算出するようにしてもよい。
【0101】
上記実施形態では、溢水量に基づいてクリア条件の成否判断を行っているが、溢水量以外の他の指標(例えば、位置、速度、加速度等)を用いてクリア条件の成否判断を行っても良い。
【0102】
上記実施形態では、移動距離算出手段が算出する移動距離Dが所定値(規定距離Dm)になったときにステージが終了となり、クリア条件の成否判断(ステップS36)が実行される場合を説明したが、ステージの終了及び/又はクリア条件の成否判断は、他のタイミングで行っても良い。
【0103】
例えば、ステージの実行中に総溢水量Vtが一定値を越えた場合は、その時点でステージの終了及び/又はクリア条件の成否判断を行っても良い。
【0104】
各ステージを開始した時点からの経過時間を算出し、当該経過時間が所定値となったときにステージの終了及び/又はクリア条件の成否判断を行っても良い。移動距離ではなく所定時間単位で運転評価を行うので、渋滞など車両が走行する道路事情に関係なく評価を行うことができる。
【0105】
ステージ毎に終了条件を設定し、当該終了条件が達成されたときに、ステージの終了及び/又はクリア条件の成否判断を行っても良い。例えば、各ステージにおいてそれぞれ終了条件が設定されたミニゲームを実行し、終了条件が達成されたときにクリア条件の成否判断を実行しても良い。この場合、例えば、車両の移動の態様(例えば、加速度の変化量)に基づいて終了条件が達成されたかどうかの判断を行うようにすると、ユーザが評価装置1に対する操作を行うことなく、ステージを進行させることができるので、望ましい。例えば、ユーザが運転する車両の発進時やブレーキ時の単位時間あたりの加速度の変化量を判定し、所定の基準変化量と比較した結果、差異が許容範囲内の場合にクリアとなるステージを設定し、ユーザが急な加減速操作をしないことでステージが進行する形態であってもよい。車両の短時間の移動状態に応じて成否判断が行われる為、ユーザの安全運転意識が向上する。
【0106】
他の終了条件として、例えば、ユーザが運転する車両が法定速度を遵守し続けることで上昇し、遵守しないことで下降するパラメータが設定されている時に、パラメータが所定の上限値を上回った場合にクリア、所定の下限値を下回った場合にゲームオーバーとしてもよい。また、ステージ毎にパラメータの上下限値が異なり、ステージが進むほど所定の上下限値が上がるなど、判定が厳しくなるようにしてもよい。ユーザはステージクリアの為により長時間にわたり法定速度を意識して運転するようになる。
また、GPSを用いて所定地点における車両の走行速度が法定速度に対して所定範囲内である場合にステージクリアとする仕様であってもよい。
【0107】
上記実施形態におけるステージ数に上限を設けても良い。例えば、ステップS36の実行後のステージ番号Nが「11」に達したら、その時点で評価処理を終了し、ステップS40を実行しても良い。
【0108】
ステップS23,S27,S31の実行中等に、効果音等による告知(溢水量の算出/移動状態の評価が進行中であること等の告知)を行っても良い。
【0109】
上記実施形態では、ゲームとして楽しむことが可能な評価装置1及び評価プログラムを説明したが、本発明は、ドライバの運転評価や健康状態の評価等、他の用途に適用しても良い。
【0110】
運転評価に適用する場合、評価処理の各ステージにおける算出値(移動距離D、加速度Aa,Ab,Ac、溢水量Va,Vb,Vc、総溢水量Vt等)や各ステージについてのクリア条件の成否判断の結果、各値の算出時点や成否判断の実行時点の時刻データ等をログとして記憶部23等に記憶すると良い。
【0111】
運転評価に適用する場合、ドライバが勝手に評価処理を停止又は終了できないようにすると良い。これにより、ドライバの運転評価を確実又は適正に実行することが可能になる。例えば、これは、運送会社等の企業が従業員のドライバの運転を評価する場合に特に有用である。例えば、停止又は終了させる操作(例えば、停止ボタン53a,54aや終了ボタン55aの操作)があったときにパスワードの入力を求め、正しいパスワードが入力されない限り、評価プログラムが停止又は終了しないようにすると良い。
【0112】
ドライバの運転評価は、運送会社等の企業が従業員ドライバの運転を評価するものでもよく、ドライバが自分の運転を評価するものでも良い。
【0113】
また、各ステージでクリア条件の成立を判断する毎に、「ステージをクリアしました。この調子で安全運転を続けて下さい。」、不成立を判断する毎に、「ステージをクリアできませんでした。安全運転を心がけて下さい。」等のメッセージを音声等で出力すると良い。一定距離毎又は一定時間毎に運転に対する評価を告知すると、特に長時間に渡って運転をする場合、安全運転に対する励みになる。
【0114】
健康状態の評価に適用する場合、例えば、脈拍センサー等でユーザの脈拍等を測定し、測定結果を順次評価装置に入力する方法がある。現実時間の所定時間毎(例えば、2時間毎)にステージを設定し、各ステージにおいて脈拍等が所定値以下又は所定値以上又は所定範囲内であったかどうかによって、クリア条件の成否判断を行うことができる。クリア条件の成否判断は、例えば、ステージの開始から一定時間経過したときに実行することができる。所定値(所定範囲)は、ステージ毎に変更すると良い。例えば、朝の時間帯は低めの値を設定する等である。
【0115】
健康状態の評価に適用する場合、一定の時刻(例えば、夜10時)になったときに、ステップS39に移行させると良い。このようにすれば、例えば、朝目覚めたときに評価処理を開始させておけば、夜10時になったとき(寝る前等)に、ステップS40の評価結果を確認できる。評価結果は、例えば、何番目のステージまでクリアしたかを表示すると良い。評価処理の実行中は、ユーザは、全く操作を行う必要がない。
【0116】
その他の健康状態の評価に適用する場合、歩数カウントセンサーでユーザの歩数を測定し、測定結果を順次評価装置に入力する方法がある。例えば、評価処理を開始させてから5分単位のステージが開始し、各ステージにおけるクリア条件(クリアに必要とする歩数)を満たすことで次ステージに進行する。例えば、マラソンランナーが評価処理を開始させてからトレーニングを開始し、トレーニング終了後に何番目のステージまでクリアしたかを確認することで、一定の速度(又はピッチ)をキープするトレーニングができる。なお、歩数カウントセンサーによる歩数の測定結果に基づく評価ではなく、GPS等を用いてユーザの緯度経度を測定することで得られるユーザの移動距離に基づいて評価しても良い。この場合、各ステージにはクリア条件として所定の単位時間あたりの移動距離が設定され、ユーザの単位時間あたりの移動距離と比較してクリア条件の成否を判断する。
【0117】
上記実施形態では、ステージをクリアしないと同じステージを実行し、ステージをクリアすると別のステージを実行する仕様であるが、ステージをクリアしなくとも別のステージを実行してもよい。車両の停止後にクリアできたステージとクリアできなかったステージを告知することで、ユーザは車両の移動中に様々なステージに挑戦し、各ステージの得手不得手を知ることが出来る。また、ステージをクリアした場合であっても次に同じステージを実行してもよく、この場合、ユーザは同一ステージの連続クリアに挑戦することができる。