(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断部は、前記車両のドアロック解除または前記車両のドアの車内側ノブへの接触検出または前記車両のドアの車内側ノブへの操作検出または前記乗員に装着されていたシートベルトの解除操作のいずれかが検出された場合、前記降車可能性ありと判断する
請求項2に記載の車両用表示制御装置。
前記切出部は、前記側後方映像データ取得部が取得した前記第二映像データに基づき、前記サイドモニタに表示される範囲において前記車両の車体の映り込みにより後方視界が阻害される範囲を含む範囲を前記第二範囲として切り出す
請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る車両用表示制御装置10、車両用表示システム1、車両用表示制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[実施形態]
車両用表示システム1は、車両100に搭載され、適切に車両周辺を表示する。
図1は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例を示す概略図である。
図2は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例を示す概略図である。
図3は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1ないし
図3に示すように、車両用表示システム1は、後方カメラ110と、右側方カメラ(側後方カメラ)120と、左側方カメラ(側後方カメラ)130と、リヤビューモニタ140と、右サイドモニタ150と、左サイドモニタ160と、認識辞書記憶部200と、車両用表示制御装置10とを有する。
【0015】
後方カメラ110は、車両100の後方に配置され、車両100の後方を撮影する。後方カメラ110は、リヤビューモニタ140による確認範囲を含んだ範囲を撮影する。後方カメラ110は、右側方カメラ120および左側方カメラ130の死角を含んだ範囲を撮影する。
図4、
図5を用いて、後方カメラ110の撮影範囲を説明する。
図4は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例を示す概略図である。
図5は、第一実施形態に係る車両用表示システムの後方カメラで撮影された映像データの一例を示す図である。後方カメラ110は、水平方向の画角が例えば90〜180°、上下方向の画角が例えば45〜90°である。具体的には、後方カメラ110は、
図5に示すような、第一映像データ110Aを撮影している。後方カメラ110は、リヤビューモニタ140に表示させる範囲より広い範囲の映像を撮影可能であるが、リヤビューモニタ140を用いて車両100の運転者が適切に後方を認識できるような範囲としての第一範囲ACを切り出してリヤビューモニタ140に表示する。
図4、
図5に示すように、第一映像データ110Aは、リヤビューモニタ140による確認範囲である第一範囲ACと、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160による確認範囲である第二範囲AR、第二範囲ALとを含む。第一範囲ACと第二範囲ARとは、一部が重複している。第一範囲ACと第二範囲ALとは、一部が重複している。本実施形態では、第一映像データ110Aは、第一範囲ACと第二範囲ARと第二範囲ALとの外側をさらに含んでいる。言い換えると、後方カメラ110は、通常時、リヤビューモニタ140や右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示されない範囲を含んで撮影している。後方カメラ110は、撮影した第一映像データ110Aを車両用表示制御装置10の映像データ取得部40の後方映像データ取得部42へ出力する。
【0016】
右側方カメラ120は、車両100の右側方に配置され、車両100の右側方を撮影する。右側方カメラ120は、右サイドモニタ150による確認範囲を撮影する。右側方カメラ120は、
図4に示すような、撮影範囲SRを撮影している。右側方カメラ120は、水平方向の画角が例えば15〜45°、上下方向の画角が例えば15〜45°である。右側方カメラ120は、角度調節自在である。右側方カメラ120は、撮影した第二映像データを車両用表示制御装置10の映像データ取得部40の側後方映像データ取得部41へ出力する。
【0017】
左側方カメラ130は、車両100の左側方に配置され、車両100の左側方を撮影する。左側方カメラ130は、左サイドモニタ160による確認範囲を撮影する。左側方カメラ130は、
図4に示すような、撮影範囲SLを撮影している。左側方カメラ130は、水平方向の画角が例えば15〜45°、上下方向の画角が例えば15〜45°である。左側方カメラ130は、角度調節自在である。左側方カメラ130は、撮影した第二映像データを車両用表示制御装置10の映像データ取得部40の側後方映像データ取得部41へ出力する。
【0018】
リヤビューモニタ140は、一例としては電子ルームミラーである。リヤビューモニタ140を電子ルームミラーとして用いる場合は、後方を光学的な反射により確認するためのハーフミラーの有無は問わない。リヤビューモニタ140は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。リヤビューモニタ140は、車両用表示制御装置10の表示制御部90から出力された映像信号に基づき、車両100の後方映像を表示する。具体的に、リヤビューモニタ140は、
図6に示すような後方映像を表示する。
図6は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタと右サイドモニタと左サイドモニタとに表示される映像の一例を示す図である。リヤビューモニタ140は、側方において、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160の一部と重複して表示している。リヤビューモニタ140は、運転者から視認容易な位置に配置されている。本実施形態では、リヤビューモニタ140は、ウィンドシールド101の車幅方向の中央上部に配置されている。
【0019】
右サイドモニタ150は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどを含むディスプレイである。右サイドモニタ150は、車両用表示制御装置10の表示制御部90から出力された映像信号に基づき、車両100の右側後方映像を表示する。具体的に、右サイドモニタ150は、通常表示時は、
図6に示すような右側後方映像を表示する。右サイドモニタ150は、車両100の右側方の車体100Rの映り込みにより後方視界が阻害される範囲がある。右サイドモニタ150は、運転者から視認容易な位置に配置されている。本実施形態では、右サイドモニタ150は、ダッシュボード102の車幅方向の右側に配置されている。
【0020】
左サイドモニタ160は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイを含むディスプレイである。左サイドモニタ160は、車両用表示制御装置10の表示制御部90から出力された映像信号に基づき、車両100の左側後方映像を表示する。具体的に、左サイドモニタ160は、通常表示時は、
図6に示すような左側後方映像を表示する。左サイドモニタ160は、車両100の左側方の車体100Lの映り込みにより後方視界が阻害される範囲がある。左サイドモニタ160は、運転者から視認容易な位置に配置されている。本実施形態では、左サイドモニタ160は、ダッシュボード102の車幅方向の左側に配置されている。
【0021】
認識辞書記憶部200は、例えば、四輪車、二輪車、人を含む移動体の正面視などの形状、大きさ、色などのパターンを照合可能な認識辞書を記憶している。認識辞書記憶部200は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク、ネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。
【0022】
図3に戻って、車両用表示制御装置10は、記憶部20と、制御部30とを有する。制御部30は、映像データ取得部40と、切出部50と、判断部60と、選択部70と、検出部80と、表示制御部90とを含む。
【0023】
記憶部20は、車両用表示制御装置10における各種処理に要するデータおよび各種処理結果を記憶する。記憶部20は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク、ネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。
【0024】
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。制御部30は、映像データ取得部40と、切出部50と、判断部60と、選択部70と、検出部80と、表示制御部90とを含む。制御部30は、記憶部20に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。
【0025】
映像データ取得部40は、車両100の後方および側後方を撮影した映像を取得する。映像データ取得部40が取得する映像データは、例えば、毎秒120フレームの画像が連続した映像データである。映像データ取得部40は、側後方映像データ取得部41と、後方映像データ取得部42とを有する。側後方映像データ取得部41は、右側方カメラ120および左側方カメラ130が出力した第二映像データを取得する。側後方映像データ取得部41は、取得した第二映像データを切出部50に出力する。後方映像データ取得部42は、後方カメラ110が出力した第一映像データ110Aを取得する。後方映像データ取得部42は、取得した第一映像データ110Aを切出部50および検出部80に出力する。
【0026】
切出部50は、第一映像データ110Aから、第一範囲ACを切り出す。より詳しくは、切出部50は、第一映像データ110Aの一部である第一範囲ACを切り出す。第一映像データ110Aのどの範囲を第一範囲ACとするかは、あらかじめ記憶部20に記憶されている。本実施形態では、第一範囲ACは、第一映像データ110Aの中央部とする。
【0027】
切出部50は、第二映像データから、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に合わせた第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1を切り出す。右サイドモニタ150に表示される映像データは、右側方カメラ120が撮影した第二映像データを切り出さずに表示してもよく、第一右映像データ110R1として切り出したデータを表示してもよい。左サイドモニタ160に表示される映像データは、左側方カメラ130が撮影した第二映像データを切り出さずに表示してもよく、第一左映像データ110L1として切り出したデータを表示してもよい。
【0028】
切出部50は、第一映像データ110Aから、第二範囲ARおよび第二範囲ALを切り出す。より詳しくは、切出部50は、第一映像データ110Aの第一範囲ACの側方に位置する第二範囲ARを第二右映像データ110R2として切り出す。切出部50は、第一映像データ110Aの第一範囲ACの側方に位置する第二範囲ALを第二左映像データ110L2として切り出す。第一映像データ110Aのどの範囲を第二範囲ARおよび第二範囲ALとするかは、あらかじめ記憶部20に記憶されている。
【0029】
本実施形態では、
図5に示すように、第二範囲ARおよび第二範囲ALは、その上下方向の中心軸線が、第一範囲ACの上下方向の中心軸線と一致している。
【0030】
または、
図7に示すように、第二範囲AR1および第二範囲AL1は、その上下方向の中心軸線が、第一範囲ACの上下方向の中心軸線より下方に位置付けられていてもよい。
【0031】
このように構成された切出部50は、切り出した第一右映像データ110R1と第一左映像データ110L1と第二右映像データ110R2と第二左映像データ110L2と切り出した後方映像データ110Cとを選択部70に出力する。
【0032】
判断部60は、例えば、車速と乗員の降車可能性を判断する情報とを取得する。乗員の降車可能性を判断する情報とは、例えば、車両100のドアロック解除または車両100のドアの車内側ノブへの接触または車両100のドアの車内側ノブへの操作または乗員に装着されていたシートベルトの解除操作の少なくもいずれかまたはこれらの組み合わせである。判断部60は、車両100が停止し、かつ、車両100から乗員が降車する降車可能性があるか否かを判断する。この場合の車両100の停止とは、車速がゼロの完全な停止に加えて、減速により例えば車速が5km/h未満となったときから、停止とみなしてもよい。降車予定の乗員に対して、完全な停止直前から適切に車両100周辺の確認を可能とさせるためである。判断部60は、判断結果を選択部70に出力する。
【0033】
より詳しくは、判断部60は、車速がゼロ、かつ、車両100のドアロック解除が検出された場合、降車可能性ありと判断する。言い換えると、判断部60は、車両100の停止後に車両100のドアロック解除されたことが検出された場合、降車可能性ありと判断する。または、判断部60は、車速がゼロ、かつ、車両100のドアの車内側ノブへの接触が検出された場合、降車可能性ありと判断する。言い換えると、判断部60は、車両100の停止後に車両100のドアの車内側ノブへの接触が検出された場合、降車可能性ありと判断する。または、判断部60は、車速がゼロ、かつ、車両100のドアの車内側ノブへの操作が検出された場合、降車可能性ありと判断する。言い換えると、判断部60は、車両100の停止後に車両100のドアの車内側ノブへの操作が検出された場合、降車可能性ありと判断する。または、判断部60は、車速がゼロ、かつ、乗員に装着されていたシートベルトの解除操作が検出された場合、降車可能性ありと判断する。言い換えると、判断部60は、車両100の停止後に乗員に装着されていたシートベルトの解除操作が検出された場合、降車可能性ありと判断する。判断部60は、上記を複数組み合わせて、降車可能性ありと判断してもよい。判断部60で降車可能性ありと判断される状態は、上記に限定されない。具体的には例えば、判断部60は、車両100の現在地がナビゲーションシステムに設定された目的地であることが検出された場合、降車可能性ありと判断してもよい。
【0034】
選択部70は、判断部60で車両100が停止し、かつ、降車可能性ありと判断された場合、第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を選択する。選択部70は、判断部60で車両100が停止し、かつ、降車可能性ありと判断されていない場合、第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1を選択する。言い換えると、選択部70は、通常時に、第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1を選択する。選択部70は、選択結果を表示制御部90に出力する。
【0035】
検出部80は、第一映像データ110Aの移動体を検出する。検出部80は、第一映像データ110Aにおいて、移動体認識を行い、移動体を認識する認識部81を有する。認識部81は、第一映像データ110Aに対して、認識辞書記憶部200が記憶している認識辞書を用いたパターンマッチングを行い、移動体の存在を検出する。認識部81は、フレームごとの第一映像データ110Aにおける移動体の大きさの変化に基づき、移動体が車両100に近接しているか離接しているかを認識する。検出部80は、検出結果を表示制御部90に出力する。
【0036】
表示制御部90は、通常時の通常表示処理として、後方映像データ110Cをリヤビューモニタ140に表示させる。表示制御部90は、選択部70で選択された映像データを、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示させる。より詳しくは、表示制御部90は、通常時の通常表示処理として、第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1を、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示させる。表示制御部90は、判断部60で所定条件を満たすと判断された場合、第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1を、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示させる。
【0037】
次に、
図8を用いて、制御部30における処理の流れについて説明する。
図8は、第一実施形態に係る車両用表示システムの車両用表示制御装置の制御部における処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、車両用表示システム1の起動中実行される。
【0038】
制御部30は、判断部60で、車両100が停止していると判断されたか否かを判定する(ステップS31)。
【0039】
制御部30は、判断部60で、車両100が停止していないと判断された場合(ステップS31でNo)、ステップS36に進む。
【0040】
制御部30は、判断部60で、車両100が停止していると判断された場合(ステップS31でYes)、ステップS32に進む。
【0041】
制御部30は、判断部60で、乗員降車可能性ありと判断されたか否かを判定する(ステップS32)。
【0042】
制御部30は、判断部60で、乗員降車可能性なしと判断された場合(ステップS32でNo)、ステップS36に進む。
【0043】
制御部30は、判断部60で、乗員降車可能性ありと判断された場合(ステップS32でYes)、ステップS33に進む。
【0044】
制御部30は、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示する映像として、第二範囲ARおよび第二範囲ALの第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を選択させ表示させる(ステップS33)。より詳しくは、制御部30は、選択部70で、第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を選択し、表示制御部90で、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に対して、第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示させる。
【0045】
制御部30は、第二範囲ARまたは第二範囲ALに近接移動体検出と判断されたか否かを判定する(ステップS34)。より詳しくは、制御部30は、認識部81で、第二範囲ARまたは第二範囲ALに移動体(後方移動体)が検出され、かつ、移動体が車両100に近接していると判断した場合、第二範囲ARまたは第二範囲ALに近接移動体が検出されたと判定する。
【0046】
制御部30は、第二範囲ARまたは第二範囲ALに近接移動体検出と判断されなかった場合(ステップS34でNo)、ステップS31に戻って処理を繰り返す。
【0047】
制御部30は、第二範囲ARまたは第二範囲ALに近接移動体検出と判断された場合(ステップS34でYes)、ステップS35に進む。
【0048】
制御部30は、警告を行い(ステップS35)、ステップS31に戻って処理を継続する。より詳しくは、制御部30は、表示制御部90で、ステップS34で近接移動体が検出された側(以下、「検出側」という)の右サイドモニタ150または左サイドモニタ160に、文字やアイコンなどの警告表示を表示させる。または、制御部30は、表示制御部90で、検出側の右サイドモニタ150または左サイドモニタ160に、第二範囲ARまたは第二範囲ALを点滅させた警告表示を表示させ、かつ、スピーカーで音声を出力させてもよい。または、制御部30は、表示制御部90で、検出側の車両100のドア後端内側の照明を点灯させ、近接移動体にドアの開操作を認識させてもよい。さらに、制御部30は、検出側と、判断部60で乗員降車可能性ありと判断された側とが一致した場合、警告を行うようにしてもよい。より詳しくは、制御部30は、検出側と、車両100のドアロック解除が検出された側とが一致した場合、警告を行うようにしてもよい。または、制御部30は、検出側と、車両100のドアの車内側ノブへの接触が検出された側とが一致した場合、警告を行うようにしてもよい。または、制御部30は、検出側と、車両100のドアの車内側ノブへの操作が検出された側とが一致した場合、警告を行うようにしてもよい。または、制御部30は、検出側と、乗員に装着されていたシートベルトの解除操作が検出された側とが一致した場合、警告を行うようにしてもよい。
【0049】
制御部30は、現在の右サイドモニタ150および左サイドモニタ160が第二範囲ARおよび第二範囲ALの第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示しているか否かを判定する(ステップS36)。
【0050】
制御部30は、現在の右サイドモニタ150および左サイドモニタ160が第二範囲ARおよび第二範囲ALの第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示していないと判断された場合(ステップS36でNo)、処理を終了する。
【0051】
制御部30は、現在の右サイドモニタ150および左サイドモニタ160が第二範囲ARおよび第二範囲ALの第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示していると判断された場合(ステップS36でYes)、ステップS37に進む。
【0052】
制御部30は、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示する映像として、側後方映像データ取得部41が取得した第二映像データを選択させ表示させる(ステップS37)。より詳しくは、制御部30は、選択部70で、第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1を選択させる。そして、表示制御部90で、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に対して、第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1を表示させる。
【0053】
具体的には、第二範囲ARおよび第二範囲ALが
図5に示すように設定されている場合、制御部30は、
図9に示すように、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示させる。
図9は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタと右サイドモニタと左サイドモニタとに表示される映像の他の例を示す図である。
【0054】
または、第二範囲AR1および第二範囲AL1が
図7に示すように設定されている場合、制御部30は、
図10に示すように、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示させる。
【0055】
このようにして、車両用表示システム1は、判断部60で判断した車両100の走行状況に基づき、選択部70が選択した映像データを、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示させる。
【0056】
上述したように、本実施形態に係る車両用表示システム1は、判断部60で判断した車両100の走行状況に基づき、選択部70が選択した映像データを、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示させる。このように、車両用表示システム1は、車両100の走行状況に基づき、適切な映像データを右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示することができる。具体的には、車両用表示システム1は、車両100が所定速度以上を所定時間以上継続している場合、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示する。これにより、車両100が所定速度以上を所定時間以上継続している場合、車両100の死角を含まない第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2で後方を側方より優先して確認することができる。これに対して、通常時は、第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1で車両100の側方を確認することができる。このように、車両用表示システム1は、走行状況に応じて適切な車両100周辺の確認を可能にすることができる。
【0057】
このようにして、車両用表示システム1は、判断部60で判断した車両100の走行状況に基づき、選択部70が選択した映像データを、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示させる。
【0058】
上述したように、本実施形態に係る車両用表示システム1は、判断部60で判断した車両100の走行状況に基づき、選択部70が選択した映像データを、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に表示させる。このように、車両用表示システム1は、車両100の走行状況に基づき、適切な右サイドモニタ150および左サイドモニタ160の表示をすることができる。具体的には、車両用表示システム1は、車両100が停止し、かつ、降車可能性がある場合、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示する。これにより、車両100が停止し、かつ、降車可能性がある場合、車両100の死角を含まない第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2で後方を側方より優先して確認することができる。これに対して、通常時は、第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1で車両100の側方を確認することができる。このため、車両用表示システム1は、走行状況に応じて適切な車両100周辺の確認を可能にすることができる。
【0059】
車両用表示システム1は、乗員降車可能性があり、かつ、第二範囲ARまたは第二範囲ALに近接移動体が検出された場合、乗員に近接移動体があることを報知したり、近接移動体にドアが開操作されたことを報知したりする。これにより、車両用表示システム1は、乗員降車時に乗員の安全を確保することができる。
【0060】
上述した実施形態においては、選択部70は、判断部60で車両100が停止し、かつ、降車可能性ありと判断された場合、第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を選択し、それ以外においては第一右映像データ110R1および第一左映像データ110L1を選択した。判断部60は、乗員の降車可能性を左右独立して判断してもよい。この場合、選択部70は、映像データの選択を左右独立して行う。
【0061】
判断部60が、車両100の右側に着座している乗員の降車可能性ありと判断した場合、または判断部60が、車両100の右側のドアロック解除やドアの車内側ノブ操作から乗員の降車可能性ありと判断した場合、選択部70は、右サイドモニタ150に表示する映像として、第二右映像データ110R2を選択する。この場合、左サイドモニタ160に表示させる映像は、第一左映像データ110L1の表示が維持される。
【0062】
判断部60が、車両100の左側に着座している乗員の降車可能性ありと判断した場合、または判断部60が、車両100の左側のドアロック解除やドアの車内側ノブ操作から乗員の降車可能性ありと判断した場合、選択部70は、左サイドモニタ160に表示する映像として、第二左映像データ110L2を選択する。この場合、右サイドモニタ150に表示させる映像は、第一右映像データ110R1の表示が維持される。
【0063】
車両用表示システム1は、乗員の降車可能性ありと判断した場合、車両100のエンジンが停止後も所定時間、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160の表示を継続するようにしてもよい。車両100がEV車である場合、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160の表示に要する電力は蓄電池から供給することができる。また、車両用表示システム1は、所定時間経過後、または、乗員の降車が完了し、車両100がドアロックされたことを検出した場合などに、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160の表示をOFFにする。
【0064】
図示した車両用表示システム1の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0065】
車両用表示システム1の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0066】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0067】
認識部81は、
図8に示すフローチャートのステップS34において、さらに、車両100と検出した近接移動体までの距離が所定距離内であるか否かを判定してもよい。車両100と検出した近接移動体までの距離は、第一映像データ110Aから認識部81による近接移動体を検出した際に、検出した近接移動体の輪郭に基づく接地位置を特定し、接地位置の第一映像データ110Aにおける位置関係により求めることができる。
【0068】
表示制御部90は、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に通常表示処理以外の表示処理を行う場合、通常表示ではないことを運転者などの認識可能に表示させてもよい。具体的には例えば、表示制御部90は、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示する場合、所定透明度の半透明で着色して表示してもよい。これにより、車両用表示システム1は、右サイドモニタ150および左サイドモニタ160に第二右映像データ110R2および第二左映像データ110L2を表示していることを認識させ易くなる。このため、車両用表示システム1は、適切な車両100周辺の確認を可能にすることができる。