特許第6575460号(P6575460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6575460-表示制御装置及びデータ送信プログラム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6575460
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】表示制御装置及びデータ送信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20190909BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20190909BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20190909BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   G09G5/00 530H
   G09G5/00 550B
   G09G5/00 510H
   G09G5/00 555D
   G06F13/00 650A
   B41J29/00 T
   G06F3/12 329
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-163012(P2016-163012)
(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公開番号】特開2018-31857(P2018-31857A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2018年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】好田 勲
【審査官】 小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−072702(JP,A)
【文献】 特開2014−073632(JP,A)
【文献】 特開2008−167278(JP,A)
【文献】 特開2008−020309(JP,A)
【文献】 特開2011−248761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00−5/42
G06F 3/01、3/048−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
ユーザーからの操作入力を受け付ける操作受付部と、
前記表示部に表示される表示画面の複数の画面データを記憶する画面データ記憶部と、
前記画面データ記憶部に記憶されている前記複数の画面データを、表示画面として遷移させつつ前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記操作受付部が前記表示画面に対する領域の指定を受け付けた場合に、前記領域内の前記画面データを加工して前記領域の非表示化を行う非表示化部と、
前記表示制御部が前記表示画面を他の表示画面に遷移させた時点からの時間を計測し、予め定められた設定時間が経過すると、前記表示部に表示されている表示画面に対して前記非表示化部により前記加工が行われている場合には、前記加工後の当該表示画面の前記画面データを前記外部端末へ送信させ、前記表示部に表示されている表示画面に対して前記非表示化部により前記加工が行われていない場合には、前記加工が行われていない当該表示画面の前記画面データを前記外部端末へ送信させる送信制御部と、を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記操作受付部により前記計測の停止要求が受け付けられた場合、前記送信制御部が前記時間の計測を停止する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部が前記表示部に表示させている表示画面を他の表示画面に遷移させたとき、前記送信制御部は、前記設定時間が経過していなくても、遷移前の前記表示画面の画面データを、前記外部端末へ送信させる請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
ユーザーからの操作入力を受け付ける操作受付部と、
表示部に表示される表示画面の複数の画面データを記憶する画面データ記憶部と、
前記画面データ記憶部に記憶されている前記複数の画面データを、表示画面として遷移させつつ前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記操作受付部が前記表示画面に対する領域の指定を受け付けた場合に、前記領域内の前記画面データを加工して前記領域の非表示化を行う非表示化部と、
前記表示制御部が前記表示画面を他の表示画面に遷移させた時点からの時間を計測し、予め定められた設定時間が経過すると、前記表示部に表示されている表示画面に対して前記非表示化部により前記加工が行われている場合には、前記加工後の当該表示画面の前記画面データを前記外部端末へ送信させ、前記表示部に表示されている表示画面に対して前記非表示化部により前記加工が行われていない場合には、前記加工が行われていない当該表示画面の前記画面データを前記外部端末へ送信させる送信制御部として、コンピューターを機能させるデータ送信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及びデータ送信プログラムに関し、特に表示画面を外部端末と共有する際に、当該表示画面においてユーザーにより指定された領域を非表示にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューターネットワークを介して、複数の端末で、画面の共有を図るシステムがある。例えば、モニターされる側の端末から、当該端末に表示されている表示画面の画面データを外部端末へ送信し、当該外部端末が送信されてきた当該画面データに基づいて上記表示画面を再現する技術が知られている。そして、このような技術を利用すれば、故障した電子機器に表示されている表示画面を、遠隔地にいるオペレーターの端末と共有できるため、より効率的なメンテナンスが可能になる等の効果がある。
【0003】
ところが、電子機器に表示される表示画面には、個人情報など秘密にしておきたい情報が含まれる場合があることがある。そのため、秘密情報を共有しないようにする発明が提案されている。例えば、下記特許文献1には、非表示化したい条件をユーザーが事前に設定しておき、当該条件に該当したもの(秘密情報)を非表示化する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−055153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明では、非表示化したい条件をユーザーが事前に設定しなければならず、手間が掛かり煩わしい。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、非表示化したい条件などをユーザーが事前に設定する手間を必要とせず、より簡単に秘密情報の非表示化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る表示制御装置は、表示部と、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作受付部と、前記表示部に表示される表示画面の複数の画面データを記憶する画面データ記憶部と、前記画面データ記憶部に記憶されている前記複数の画面データを、表示画面として遷移させつつ前記表示部に表示させる表示制御部と、前記操作受付部が前記表示画面に対する領域の指定を受け付けた場合に、前記領域内の前記画面データを加工して前記領域の非表示化を行う非表示化部と、前記表示制御部が前記表示画面を他の表示画面に遷移させた時点からの時間を計測し、予め定められた設定時間が経過すると、前記画面データを外部端末へ送信し、前記非表示化部により前記加工が行われている場合には、加工後の前記画面データを前記外部端末へ送信させる送信制御部と、を備えるものである。
【0008】
また、本発明の一局面に係るデータ送信プログラムは、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作受付部と、表示部に表示される表示画面の複数の画面データを記憶する画面データ記憶部と、前記画面データ記憶部に記憶されている前記複数の画面データを、表示画面として遷移させつつ前記表示部に表示させる表示制御部と、前記操作受付部が前記表示
画面に対する領域の指定を受け付けた場合に、前記領域内の前記画面データを加工して前記領域の非表示化を行う非表示化部と、前記表示制御部が前記表示画面を他の表示画面に遷移させた時点からの時間を計測し、予め定められた設定時間が経過すると、前記画面データを外部端末へ送信し、前記非表示化部により前記加工が行われている場合には、加工後の前記画面データを前記外部端末へ送信させる送信制御部として、コンピューターを機能させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示画面に対してユーザーから例えば秘密にしたい領域が指定されると、指定された領域内の画面データが加工されて当該領域について非表示化の加工が行われ、当該非表示化の加工がされた後の画面データが外部端末へ送信される。また、表示部に表示された表示画面の画面データは、表示後すぐには外部端末へ送信されず、予め定められた設定時間が経過してから外部端末へ送信される。
【0010】
これにより、本発明によれば、当該設定時間が経過するまでの間に、秘密にしておきたい領域をユーザーが指定することで、秘密情報を非表示化して、非表示化後の画面データを外部端末に送信することができる。従って、非表示化したい条件などをユーザーが事前に設定する手間を必要としないので、より簡単に秘密情報の非表示化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る表示制御装置としての画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図2】画像形成装置による画面データの送信処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
図3】(A)(B)(C)は、ユーザーにより指定された領域の画面データが加工される流れを説明するための説明図である。
図4】画像形成装置における画面遷移の流れと外部装置における画面遷移の流れを説明するための説明図である。
図5】画像形成装置による画面データの送信処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
図6】画像形成装置における画面遷移の流れと外部装置における画面遷移の流れを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る表示制御装置及びデータ送信プログラムの実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る表示制御装置としての画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、画像メモリー32、HDD(Hard Disk Drive)92、定着部13、給紙部14
、操作部47、及びネットワークインターフェイス部91を含んで構成されている。
【0013】
原稿給送部6は、読取対象の原稿を原稿読取部5へ給送する。原稿読取部5は、制御ユニット10を構成する制御部100による制御の下、光照射部を使って原稿を照射し、その反射光を受光することによって、原稿から画像を読み取る。原稿読取部5による当該原稿読取で得られた画像データは画像メモリー32に記憶される。
【0014】
画像形成部12は、印刷すべき画像のトナー像を用紙(記録媒体)上に形成する。画像メモリー32は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データを一時的に記
憶したり、画像形成部12のプリント対象となるデータを一時的に保存したりするための領域である。
【0015】
HDD92は、原稿読取部5によって読み取られた原稿画像等を記憶する大容量の記憶装置である。定着部13は、用紙上のトナー像を、熱圧着により用紙に定着させる。給紙部14は、給紙カセット(図略)を備え、給紙カセットに収容された用紙をピックアップして搬送する。
【0016】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。表示部473はタッチパネルになっており、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れて画像形成装置1を操作することができる。
【0017】
ネットワークインターフェイス部91は、ローカルエリア内、又はインターネット上のパーソナルコンピューター(パソコン)等の外部装置20と種々のデータの送受信を行うものである。
【0018】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC、MPU等である。制御ユニット10は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る制御部100と、操作受付部101と、表示制御部103と、送信制御部104と、非表示化部105と、画面データ記憶部106と、を備えている。
【0019】
制御ユニット10は、HDD92にインストールされているデータ送信プログラムに従った動作により、制御部100、操作受付部101、表示制御部103、送信制御部104、非表示化部105、及び画面データ記憶部106として機能するものである。但し、制御部100等は、制御ユニット10によるデータ送信プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0020】
制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、画像メモリー32、HDD92、定着部13、給紙部14、操作部47、及びネットワークインターフェイス部91と接続され、これら各部の駆動制御を行う。
【0021】
操作受付部101は、操作部47から出力される検知信号に基づき、ユーザーにより入力されたユーザー操作を特定する。そして、操作受付部101は、特定したユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作を示す制御信号を制御部100などに出力する。
【0022】
表示制御部103は、表示部473による表示動作を制御する。表示制御部103は、画面データ記憶部106に記憶されている、表示部473への表示用の表示画面Pの画面データDを、当該画面データとともに記憶されている表示順に従って、表示部473に表示させる。
【0023】
送信制御部104は、表示制御部103が表示部473に表示させている表示画面Pを他の表示画面Pに遷移させた時点からの時間を、例えば制御ユニット10が内蔵するタイマーにより計測する。そして、送信制御部104は、予め定められた設定時間T1が経過したときに、画面データ記憶部106に記憶されている画面データDであって、表示部473に表示中の表示画面Pを示す画面データDを、ネットワークインターフェイス部91
を介して外部装置(外部端末)20へ送信する。
【0024】
更に、送信制御部104は、予め定められた設定時間T1が経過していなくても、表示部473に表示中の表示画面Pが表示制御部103により他の表示画面Pに遷移されたときは、遷移前の表示画面Pを示す画面データDを、ネットワークインターフェイス部91を介して外部装置(外部端末)20へ送信する。
【0025】
非表示化部105は、表示部473に表示されている表示画面Pにおける領域Eの指定を操作受付部101が受け付けた場合に、領域E内の画面データを、例えば加工して領域Eの非表示化処理を行う。操作部47は、例えば表示部473に備えられたタッチパネル機能により、ユーザーが表示画面にタッチした2点の座標位置を取得して、当該2点を結ぶ直線を対角線とする矩形領域を非表示化の加工対象とする上記領域Eとして受け付ける。操作部47は、当該矩形により特定される表示画面上の領域を示す制御信号を操作受付部101に出力する。これにより、操作受付部101は、ユーザーにより指定された、非表示化加工の対象とする領域Eの指定を受け付ける。
【0026】
非表示化部105は、画面データを、例えば予め定められた白データ又は黒データを用いてマスキング処理することで、上記非表示化処理を行う。
【0027】
画面データ記憶部106は、制御ユニット10に内蔵されるメモリー等を用いて、表示部473に表示させる複数の表示画面を示す画面データを、これら表示画面の表示順と共に記憶する。また、画面データ記憶部106は、(1)表示部473に表示中の表示画面Pを示す画面データDと、(2)表示部473に表示中の表示画面Pが表示制御部103により他の表示画面に遷移されたときには、遷移前の表示画面Pを示す画面データDと、遷移後の表示画面を示す画面データの両方を記憶する。
【0028】
次に、画像形成装置1による画面データの送信処理について説明する。図2は、画像形成装置1による画面データの送信処理の第1実施形態を示すフローチャートである。なお、この処理は、例えば、操作受付部101が、操作部47を介して、外部装置20(例えば、メンテナンス会社のパーソナルコンピューター)との間で表示画面Pを共有するメンテナンスモードへの移行要求を受け付け、制御部100が、画像形成装置1の動作モードを上記メンテナンスモードへ移行させている状態のときに行われる。
【0029】
メンテナンスモード時に、表示制御部103が、画像形成装置1の動作に応じて、画面データ記憶部106に記憶されている表示用の表示画面Pを表示部473に表示させているものとする。この状態で、表示制御部103が、表示部473の表示画面を他の表示画面に遷移させると、送信制御部104が、画面データ記憶部106に、遷移前の表示画面Pを示す画面データDと、遷移後の表示画面を示す画面データの両方を記憶させておき(S1)、タイマーTをリセットして、タイマーTにより当該画面遷移時点からの時間計測を開始させる(S2)。
【0030】
続いて、送信制御部104は、タイマーTが予め定められた設定時間T1(例えば、10秒)を経過したか否かを判断する(S3)。ここで、送信制御部104によりタイマーTが設定時間T1を経過していないと判断されている間(S3でNO)、S4以降の処理が行われる。
【0031】
S4では、操作受付部101は、表示部473に表示されている表示画面Pにおいて非表示加工の対象とする領域Eの指定がユーザーからなされたか否かを判断する(S4)。ユーザーから表示画面Pに対する領域Eの指定を受け付ける処理は、例えば、表示部473の表示画面にユーザーが指で触れて、表示画面P上でのスライド操作により円や四角で囲むと、当該スライド操作による軌跡が、表示部473に備えられるタッチパネル機能により検出され、当該検出された軌跡により囲まれる領域が、非表示加工の対象とする領域Eとして、操作受付部101に受け付けられる、のようにして行われる。
【0032】
また、設定時間T1については、ユーザーが任意に設定可能とされている。例えば、表示制御部103が、設定時間T1の入力画面を表示部473に表示し、操作受付部101が、ユーザーによる操作部47の操作、例えばタッチパネル機能により入力画面を通じて入力された情報を取得すると、送信制御部104が、操作受付部101が取得した情報に基づいて設定時間T1を保持する。
【0033】
操作受付部101が、表示画面Pに対する領域Eの指定を受け付けた場合(S4でYES)、非表示化部105は、この時点で表示部473に表示されている表示画面Pの画面データDにおける、上記指定された領域Eに対応する領域(以下、この対応領域も領域Eという)を特定する(S5)。
【0034】
非表示化部105は、更に、特定した領域E内の画面データDを加工して領域Eの非表示化を行い(S6)、当該非表示加工による加工後の画面データを、画面データDに代えて画面データ記憶部106に記憶させる(S7)。非表示化部105による非表示化加工としては、例えば、予め定められた白データ又は黒データからなるベタ画像等への置き換え処理によるマスキング処理や、モザイク処理などが挙げられる。
【0035】
例えば、図3(A)に示す表示部473の表示画面P(「アドレス帳」を示す)において、図3(B)に示すようにユーザーによって領域Eが指定されると、図3(C)に示すように、領域Eの非表示化が行われた表示画面P’の画面データD’が生成される。
【0036】
一方、操作受付部101が、表示部473に表示されている表示画面Pに対する領域Eの指定を受け付けていない場合(S4でNO)、S5〜S7の処理をスキップする。
【0037】
続いて、操作受付部101が、タイマーTの一時停止要求がユーザーからなされたか否かを判断し(S8)、タイマーTの一時停止要求を受け付けた場合は(S8でYES)、送信制御部104が、タイマーTを停止させる(S9)。タイマーTの一時停止要求を入力する操作としては、例えば、表示部473のタッチパネルへの長押しなどが挙げられる。一方、操作受付部101が、タイマーTの一時停止要求を受け付けていない場合(S8でNO)、S9の処理は行わない。
【0038】
続いて、操作受付部101が、タイマーTの停止解除要求がユーザーからなされたか否かを判断し(S10)、タイマーTの停止解除要求を受け付けた場合は(S10でYES)、送信制御部104が、タイマーTを再開させ(S11)、その後、S3へ戻る。タイマーTの停止解除要求を入力する操作としては、例えば、タイマーTが停止している場合での表示部473のタッチパネルへの長押しなどが挙げられる。一方、操作受付部101が、タイマーTの停止解除要求を受け付けていない場合(S10でNO)、S11の処理を行わず、S3に戻る。
【0039】
S3において、送信制御部104が、タイマーTが設定時間T1を経過していると判断した場合(S3でYES)、送信制御部104は、画面データ記憶部106に記憶されている表示画面P’に対応する画面データD’を、ネットワークインターフェイス部91を介して外部装置20へ送信する(S12)。なお、送信制御部104が、設定時間T1が経過したと判断したときに(S3でYES)、表示画面Pに対して非表示化加工が行われていない場合は、非表示化処理がされていない表示画面Pの画面データDを送信する。
【0040】
図4は、画像形成装置1における画面遷移の流れと、外部装置20における画面遷移の流れを説明するための説明図である。画像形成装置1の表示部473で画面遷移が行われて「A」を示す表示画面PAが表示され、それから設定時間T1が経過すると、表示画面PAの画面データDが外部装置20へ送信され、そして外部装置20で「A」を示す表示画面PAが表示される。
【0041】
続いて、画像形成装置1の表示部473で画面が更に遷移されて「B」を示す表示画面PBが表示されたとき、それから設定時間T1が経過するまでに、表示画面PBに対して領域Eが指定されると、表示画面PBの画面データDが加工され、設定時間T1が経過すると、加工後の画面データD’が外部装置20へ送信され、そして外部装置20で「B’」を示す表示画面PB’が表示される。
【0042】
更に、画像形成装置1の表示部473で画面が遷移されて「C」を示す表示画面PCが表示され、それから設定時間T1が経過するまでに、タイマーTの一時停止が要求され、タイマーTが一時停止すると、設定時間T1に停止時間ST1が加算される。当該加算した時間が経過した後、表示画面PCの画面データDが外部装置20へ送信され、そして外部装置20で「C」を示す表示画面PCが表示される。つまり、当該加算した時間が経過するまでは、外部装置20では「B’」を示す表示画面PB’が表示され続ける。
【0043】
また、画像形成装置1の表示部473で画面が遷移されて「D」を示す表示画面PDが表示され、それから設定時間T1が経過するまでに、タイマーTの一時停止が要求され、さらに、設定時間T1に停止時間ST2を加算した時間が経過するまでに、表示画面PDに対して領域Eが指定されると、表示画面PDの画面データDが非表示加工され、設定時間T1に停止時間ST2を加算した時間が経過した後、加工後の画面データD’が外部装置20へ送信され、そして外部装置20で「D’」を示す表示画面PD’が表示される。
【0044】
上記第1実施形態によれば、表示画面Pに対してユーザーから(秘密にしたい)領域Eが指定されると、指定された領域E内の画面データが加工されて当該領域Eの非表示化が行われ、加工後の画面データD’が外部装置20へ送信される。また、表示部473に表示された表示画面Pの画面データDは、表示後すぐには外部装置20へ送信されず、予め定められた設定時間T1が経過してから外部装置20へ送信される。
【0045】
本実施形態によれば、設定時間T1が経過するまでの間に、秘密にしておきたい領域Eをユーザーが指定することで、秘密情報を非表示化して、非表示化後の画面データを外部端末に送信することができるため、非表示化したい条件などをユーザーが事前に設定する手間を必要としないので、より簡単に秘密情報の非表示化を図ることができる。
【0046】
次に、画像形成装置1による画面データの送信処理の第2実施形態について説明する。図5は、画像形成装置1による画面データの送信処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同様の処理については説明を省略する。
【0047】
第2実施形態では、表示部473における新たな画面遷移が行われた場合、設定時間T1の経過を待たずに、画面データDを外部装置20へ送信するという点で、第1実施形態とは相違する。
【0048】
第1実施形態と同様にS10又はS11までの処理が行われた後、S21において、操作受付部101は、画面遷移の新たな要求がユーザーからなされたか否かを判断する。ここで、操作受付部101が、ユーザーによる操作部47の操作に基づいて、画面遷移の要求を受け付けた場合(S21でYES)、送信制御部104は、画面データ記憶部106に記憶させている、この時点で表示部473に表示されている表示画面Pに対応する画面データ(すなわち、遷移前の表示画面の画面データを指す。但し、遷移前の表示画面の画面データについて、領域Eの非表示化が行われている場合は、非表示加工後の画面データD’)を、ネットワークインターフェイス部91を介して外部装置20へ送信する(S22)。そして、表示制御部103は、表示部473の表示画面を、次の表示画面に遷移させる(S23)。なお、S22とS23の処理はどちらが先に行われてもよい。
【0049】
ユーザーからの画面遷移の新たな要求は、この時点において非表示化加工のための領域指定を完了した、又は表示画面Pに対する領域指定の必要がない、のユーザーからの意思表示と認められるため、設定時間T1の経過を待たずに、画面データDを外部装置20へ送信する。
【0050】
一方、操作受付部101が、画面遷移の新たな要求を受け付けていない場合(S21でNO)、そのままS3へ戻る。
【0051】
図6は、画像形成装置1における画面遷移の流れと外部装置20における画面遷移の流れを説明するための説明図である。画像形成装置1の表示部473で画面遷移が行われて「A」を示す表示画面PAが表示され、それから時間T1が経過すると、表示画面PAの画面データDが外部装置20へ送信され、そして外部装置20で「A」を示す表示画面PAが表示される。
画像形成装置1の表示部473で「A」を示す表示画面PAが遷移されて、新たな「B」を示す表示画面PBが表示されたとき、この画面遷移時から設定時間T1が経過するまでに、表示画面PBの画面データDが非表示化加工されており、操作受付部101にユーザーからの画面遷移要求が受け付けられた場合、画面遷移時からの設定時間T1の経過を待たずに、表示画面PBを非表示化加工した画面データD’が外部装置20へ送信され、そして外部装置20で「B’」を示す表示画面PB’が表示される。画像形成装置1の表示部473には、「C」を示す表示画面PCが表示される。
【0052】
そして、画像形成装置1の表示部473で新たな「C」を示す表示画面PCへの画面遷移が行われた後、この画面遷移時から設定時間T1が経過するまでに、操作受付部101にユーザーからの画面遷移要求が受け付けられた場合は、画面遷移時からの設定時間T1の経過を待たずに、表示画面PCの画面データDが外部装置20へ送信され、そして外部装置20で「C」を示す表示画面PCが表示される。
【0053】
同様に、「D」を示す表示画面PDの画面データDについても、設定時間T1の経過が経過していなくても、ユーザーによる画面遷移要求に従って次の表示画面に遷移した場合には、遷移前の「D」を示す表示画面PDの画面データDが外部装置20へ送信される。
また、最後に表示される最終頁として「E」を示す表示画面PEの画面データDについては、設定時間T1が経過してから、外部装置20へ送信される。
【0054】
当該第2実施形態によれば、画面遷移があれば、設定時間T1の経過を待たずに、画像形成装置1から外部装置20に遷移前の表示画面の画面データDを送信するので、画像形成装置1で表示される表示画面と外部装置20で表示される表示画面が異なってしまう事態を極力回避することができる。例えば、上記第1実施形態では、画面の遷移から設定時間T1を経過するまで、画像形成装置1から外部装置20へ画面データD又はD’が送信されないため、画像形成装置1における画面遷移が短い間隔で行われると、画像形成装置1の表示部473で表示される表示画面と外部装置20で表示される表示画面とが異なる事態も生じ得るが、第2実施形態によれば、このような事態を極力回避することができる。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る表示制御装置の一実施形態として複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、他の電子機器、例えば、コピー機、ファクシミリ機、プリンター等の他の画像形成装置でもよいし、更には、パーソナルコンピューターやモバイル機器等であってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、図1乃至図6を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0057】
1 画像形成装置
101 操作受付部
103 表示制御部
104 送信制御部
105 非表示化部
106 画面データ記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6