(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6575465
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20190909BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
G03G21/00 538
G03G21/16 104
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-168168(P2016-168168)
(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公開番号】特開2018-36393(P2018-36393A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2018年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】山根 信司
【審査官】
田代 憲司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−032836(JP,A)
【文献】
特開2014−206692(JP,A)
【文献】
特開2008−151886(JP,A)
【文献】
特開2015−121688(JP,A)
【文献】
特開平06−270399(JP,A)
【文献】
特開2014−019574(JP,A)
【文献】
特開2002−167106(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0070182(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 21/20
G03G 15/20
G03G 15/00
B65H 5/22
B65H 29/32
B41J 11/00
B41J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を記録紙に定着させる定着部と、
前記定着部に対する前記記録紙の搬送方向下流側にあって前記記録紙を排出する記録紙排出口と、
前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を載置する載置面を有し、本画像形成装置の装置本体の胴部に配置された胴内トレイと、
前記装置本体の胴部に形成され、前記装置本体の前面側を開口して、前記載置面及びその上方を開放する開口部と、
前記装置本体の一部をなし、前記記録紙排出口からの前記記録紙の排出方向において上流側となる前記載置面の第1端部から鉛直方向上方に向かって前記記録紙排出口の下端部まで延びる第1縦壁と、
前記開口部と対向し、前記載置面の装置リア側の側端部から鉛直方向上方に向かって延び、側縁部が前記第1縦壁と連結する第2縦壁と、
前記胴内トレイに面する前記第2縦壁に形成され、前記胴内トレイと前記装置本体の内部とを連通させる第1通気口と、
前記第1通気口から前記胴内トレイにおける空気を前記装置本体の内部へ取り込むファンとを備え、
前記記録紙排出口は、排出する前記記録紙を、前記排出方向と直交する前記記録紙の幅方向において、前記装置リア側となる前記第2縦壁側よりも、前記装置本体の前面側となる前記開口部側の記録紙縁部から先に、前記載置面に落下させる形状とされ、
前記記録紙排出口の下方から前記排出方向に突出し、前記記録紙排出口から排出された前記記録紙の下部を支持する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記排出方向への突出量が、前記第2縦壁側よりも前記開口部側の方が短く形成されている画像形成装置。
【請求項2】
トナー像を記録紙に定着させる定着部と、
前記定着部に対する前記記録紙の搬送方向下流側にあって前記記録紙を排出する記録紙排出口と、
前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を載置する載置面を有し、本画像形成装置の装置本体の胴部に配置された胴内トレイと、
前記装置本体の胴部に形成され、前記装置本体の前面側を開口して、前記載置面及びその上方を開放する開口部と、
前記装置本体の一部をなし、前記記録紙排出口からの前記記録紙の排出方向において上流側となる前記載置面の第1端部から鉛直方向上方に向かって前記記録紙排出口の下端部まで延びる第1縦壁と、
前記開口部と対向し、前記載置面の装置リア側の側端部から鉛直方向上方に向かって延び、側縁部が前記第1縦壁と連結する第2縦壁と、
前記胴内トレイに面する前記第2縦壁に形成され、前記胴内トレイと前記装置本体の内部とを連通させる第1通気口と、
前記第1通気口から前記胴内トレイにおける空気を前記装置本体の内部へ取り込むファンとを備え、
前記記録紙排出口は、排出する前記記録紙を、前記排出方向と直交する前記記録紙の幅方向において、前記装置リア側となる前記第2縦壁側よりも、前記装置本体の前面側となる前記開口部側の記録紙縁部から先に、前記載置面に落下させる形状とされ、
前記記録紙排出口の下方から前記排出方向に突出し、前記記録紙排出口から排出された前記記録紙の下部を支持する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記第2縦壁側よりも前記開口部側の方が低い傾斜を有する画像形成装置。
【請求項3】
トナー像を記録紙に定着させる定着部と、
前記定着部に対する前記記録紙の搬送方向下流側にあって前記記録紙を排出する記録紙排出口と、
前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を載置する載置面を有し、本画像形成装置の装置本体の胴部に配置された胴内トレイと、
前記装置本体の胴部に形成され、前記装置本体の前面側を開口して、前記載置面及びその上方を開放する開口部と、
前記装置本体の一部をなし、前記記録紙排出口からの前記記録紙の排出方向において上流側となる前記載置面の第1端部から鉛直方向上方に向かって前記記録紙排出口の下端部まで延びる第1縦壁と、
前記開口部と対向し、前記載置面の装置リア側の側端部から鉛直方向上方に向かって延び、側縁部が前記第1縦壁と連結する第2縦壁と、
前記胴内トレイに面する前記第2縦壁に形成され、前記胴内トレイと前記装置本体の内部とを連通させる第1通気口と、
前記第1通気口から前記胴内トレイにおける空気を前記装置本体の内部へ取り込むファンとを備え、
前記記録紙排出口は、排出する前記記録紙を、前記排出方向と直交する前記記録紙の幅方向において、前記装置リア側となる前記第2縦壁側よりも、前記装置本体の前面側となる前記開口部側の記録紙縁部から先に、前記載置面に落下させる形状とされ、
前記記録紙排出口の上方から前記排出方向に突出し、前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を前記排出方向に沿って斜め下方に案内する案内部材を備え、
前記案内部材は、前記排出方向への突出量が、前記第2縦壁側よりも前記開口部側の方が大きく形成されている画像形成装置。
【請求項4】
トナー像を記録紙に定着させる定着部と、
前記定着部に対する前記記録紙の搬送方向下流側にあって前記記録紙を排出する記録紙排出口と、
前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を載置する載置面を有し、本画像形成装置の装置本体の胴部に配置された胴内トレイと、
前記装置本体の胴部に形成され、前記装置本体の前面側を開口して、前記載置面及びその上方を開放する開口部と、
前記装置本体の一部をなし、前記記録紙排出口からの前記記録紙の排出方向において上流側となる前記載置面の第1端部から鉛直方向上方に向かって前記記録紙排出口の下端部まで延びる第1縦壁と、
前記開口部と対向し、前記載置面の装置リア側の側端部から鉛直方向上方に向かって延び、側縁部が前記第1縦壁と連結する第2縦壁と、
前記胴内トレイに面する前記第2縦壁に形成され、前記胴内トレイと前記装置本体の内部とを連通させる第1通気口と、
前記第1通気口から前記胴内トレイにおける空気を前記装置本体の内部へ取り込むファンとを備え、
前記記録紙排出口は、排出する前記記録紙を、前記排出方向と直交する前記記録紙の幅方向において、前記装置リア側となる前記第2縦壁側よりも、前記装置本体の前面側となる前記開口部側の記録紙縁部から先に、前記載置面に落下させる形状とされ、
前記記録紙排出口の上方から前記排出方向に突出し、前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を前記排出方向斜め下方に案内する案内部材を備え、
前記案内部材は、前記第2縦壁側よりも前記開口部側の方が低い傾斜を有する画像形成装置。
【請求項5】
前記第1通気口から前記装置本体内部へ取り込んだ空気を前記装置本体外部へ排気する排気ダクトと、
前記排気ダクト内に設けられたフィルターと、を備えるとともに、
前記排気ダクト内に前記ファンが配置されている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記載置面に、前記胴内トレイと前記装置本体内部とを連通させる第2通気口が形成されている請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
トナー像を記録紙に定着させる定着部と、
前記定着部に対する前記記録紙の搬送方向下流側にあって前記記録紙を排出する記録紙排出口と、
前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を載置する載置面を有し、本画像形成装置の装置本体の胴部に配置された胴内トレイと、
前記装置本体の胴部に形成され、前記装置本体の前面側を開口して、前記載置面及びその上方を開放する開口部と、
前記装置本体の一部をなし、前記記録紙排出口からの前記記録紙の排出方向において上流側となる前記載置面の第1端部から鉛直方向上方に向かって前記記録紙排出口の下端部まで延びる第1縦壁と、
前記開口部と対向し、前記載置面の装置リア側の側端部から鉛直方向上方に向かって延び、側縁部が前記第1縦壁と連結する第2縦壁と、
前記胴内トレイに面する前記第2縦壁に形成され、前記胴内トレイと前記装置本体の内部とを連通させる第1通気口と、
前記第1通気口から前記胴内トレイにおける空気を前記装置本体の内部へ取り込むファンとを備え、
前記記録紙排出口は、排出する前記記録紙を、前記排出方向と直交する前記記録紙の幅方向において、前記装置リア側となる前記第2縦壁側よりも、前記装置本体の前面側となる前記開口部側の記録紙縁部から先に、前記載置面に落下させる形状とされ、
前記載置面に、前記胴内トレイと前記装置本体内部とを連通させる第2通気口が形成されている画像形成装置。
【請求項8】
トナー像を記録紙に定着させる定着部と、
前記定着部に対する前記記録紙の搬送方向下流側にあって前記記録紙を排出する記録紙排出口と、
前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を載置する載置面を有し、本画像形成装置の装置本体の胴部に配置された胴内トレイと、
前記装置本体の胴部に形成され、前記装置本体の前面側を開口して、前記載置面及びその上方を開放する開口部と、
前記装置本体の一部をなし、前記記録紙排出口からの前記記録紙の排出方向において上流側となる前記載置面の第1端部から鉛直方向上方に向かって前記記録紙排出口の下端部まで延びる第1縦壁と、
前記開口部と対向し、前記載置面の装置リア側の側端部から鉛直方向上方に向かって延び、側縁部が前記第1縦壁と連結する第2縦壁と、
前記胴内トレイに面する前記第2縦壁に形成され、前記胴内トレイと前記装置本体の内部とを連通させる第1通気口と、
前記第1通気口から前記胴内トレイにおける空気を前記装置本体の内部へ取り込むファンとを備え、
前記記録紙排出口は、排出する前記記録紙を、前記排出方向と直交する前記記録紙の幅方向において、前記装置リア側となる前記第2縦壁側よりも、前記装置本体の前面側となる前記開口部側の記録紙縁部から先に、前記載置面に落下させる形状とされ、
前記胴内トレイの前記載置面の高さが、前記第2縦壁側よりも前記開口部側で高く形成され、
前記載置面に、前記胴内トレイと前記装置本体内部とを連通させる第2通気口が形成されている画像形成装置。
【請求項9】
トナー像を記録紙に定着させる定着部と、
前記定着部に対する前記記録紙の搬送方向下流側にあって前記記録紙を排出する記録紙排出口と、
前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を載置する載置面を有し、本画像形成装置の装置本体の胴部に配置された胴内トレイと、
前記装置本体の胴部に形成され、前記装置本体の前面側を開口して、前記載置面及びその上方を開放する開口部と、
前記装置本体の一部をなし、前記記録紙排出口からの前記記録紙の排出方向において上流側となる前記載置面の第1端部から鉛直方向上方に向かって前記記録紙排出口の下端部まで延びる第1縦壁と、
前記開口部と対向し、前記載置面の装置リア側の側端部から鉛直方向上方に向かって延び、側縁部が前記第1縦壁と連結する第2縦壁と、
前記胴内トレイに面する前記第2縦壁に形成され、前記胴内トレイと前記装置本体の内部とを連通させる第1通気口と、
前記第1通気口から前記胴内トレイにおける空気を前記装置本体の内部へ取り込むファンとを備え、
前記記録紙排出口は、排出する前記記録紙を、前記排出方向と直交する前記記録紙の幅方向において、前記装置リア側となる前記第2縦壁側よりも、前記装置本体の前面側となる前記開口部側の記録紙縁部から先に、前記載置面に落下させる形状とされ、
前記記録紙排出口が、前記第2縦壁側から前記開口部側へ向かって、下向きに傾斜する形状とされ、
前記載置面に、前記胴内トレイと前記装置本体内部とを連通させる第2通気口が形成されている画像形成装置。
【請求項10】
前記記録紙排出口から、前記記録紙が、トナー像形成面が下面になるフェイスダウンにより排出される請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に定着部を記録紙が通過する際に発生する異物の装置本体外部への排出を抑える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な画像形成装置においては、感光体などの像担持体を帯電する工程と、露光して像担持体上に静電潜像を形成する工程と、この静電潜像へトナーを供給してトナー像を形成する工程と、形成したトナー像を記録紙へ転写する工程と、熱や圧力によってトナー像を記録紙に定着させる工程とが実行される。
【0003】
ところで、定着部を記録紙が通過する際に発生する揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)等の異物が装置本体外部へ排出されることが問題となっており、その対策がなされている。
【0004】
また、近年、省エネを目的として、従来よりも低い温度での定着を可能としたトナーが開発され実用化されているが、このような低温定着トナーを高温で定着させた場合、トナーからUFP(Ultra-Fine Particle)と呼ばれる、粒子径100nm未満の超微小粒子が揮発しやすくなる。
【0005】
UFPが装置本体外部へ排出された場合、不快臭やオフィス環境の汚染という問題を引き起こすおそれがある。そのため、この種の異物の装置本体外部への排出を抑える必要があり、例えば、下記の特許文献1には、定着部近傍の空気を排気する排気口に開閉機構を設け、定着部近傍の温度が高温になると、排気口を狭くすることが記載され、下記の特許文献2には、定着部近傍の空気をファンで排気ダクト内に吸引し、排気ダクト内に設けた凹凸状のフィルターで空気中の異物を捕集することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−195662号公報
【特許文献2】特開2015−022275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に記載された技術では、構成及びその制御が複雑になるという問題があり、上記の特許文献2に記載された技術では、定着部から記録紙排出口までの間を浮遊するUFPを効率良く捕集できるとは限らず、捕集できなかったUFPが記録紙排出口から装置本体外部へ排出されてしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、構成を複雑にすることなく、記録紙排出口から装置本体外部へ排出されたUFP等の異物を装置本体内部へ効率良く回収することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、トナー像を記録紙に定着させる定着部と、前記定着部に対する前記記録紙の搬送方向下流側にあって前記記録紙を排出する記録紙排出口と、前記記録紙排出口から排出された前記記録紙を載置する載置面を有し、本画像形成装置の装置本体の胴部に配置された胴内トレイと、前記装置本体の胴部に形成され、前記装置本体の前面側を開口して、前記載置面及びその上方を開放する開口部と、前記装置本体の一部をなし、前記記録紙排出口からの前記記録の排出方向において上流側となる前記載置面の第1端部から鉛直方向上方に向かって前記記録紙排出口の下端部まで延びる第1縦壁と、前記開口部と対向し、前記載置面の装置リア側の側端部から鉛直方向上方に向かって延び、側縁部が前記第1縦壁と連結する第2縦壁と、前記胴内トレイに面する前記第2縦壁に形成され、前記胴内トレイと前記装置本体の内部とを連通させる第1通気口と、前記第1通気口から前記胴内トレイにおける空気を前記装置本体の内部へ取り込むファンとを備え、前記記録紙排出口は、排出する前記記録紙を、前記排出方向と直交する前記記録紙の幅方向において、前記装置リア側となる前記第2縦壁側よりも、前記装置本体の前面側となる前記開口部側の記録紙縁部から先に、前記載置面に落下させる形状とされている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、記録紙排出口から排出される記録紙が、排出方向と直交する記録紙の幅方向において、装置リア側となる第2縦壁側よりも、装置前面側となる開口部側から先に胴内トレイの載置面に落下するので、記録紙の装置前面側の縁部は載置面に接触しているが、非開口部側の縁部は載置面よりも上方に残った状態とすることができる。
【0011】
すなわち、記録紙が、装置リア側となる第2縦壁側から装置前面側となる開口部側へ向かって下向きに傾斜した状態となるため、第1縦壁、第2縦壁、載置面、及び当該姿勢の記録紙により、開口部における載置面の上方の空間を閉じた状態にすることができる。
【0012】
これにより、トナー像が形成された記録紙と共に記録紙排出口から排出されたUFP等の異物を含有する空気を、上記閉じた空間で留めることができる。そして、当該閉じた空間内の空気は、第1通気口からファンによって装置本体内部に取り込み可能となる。従って、複雑な構成を採用しなくても、記録紙排出口から装置本体の外部に一旦排出されたUFP等の異物を、装置本体内部に効率良く回収することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示した斜視図である。
【
図3】胴内トレイ、記録紙排出口、及びその周辺部を示した概略的な斜視図である。
【
図4】記録紙排出口から記録紙が排出された状態を示した斜視図である。
【
図5】胴内トレイ、記録紙排出口、及びその周辺部を示した概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示した斜視図である。
図2Aは画像形成装置の透過平面図である。
図2Bは画像形成装置の透過左側面図である。
図2Cは画像形成装置の透過正面図である。
【0015】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、装置本体11に、原稿給送部2、原稿読取部3、画像形成部4、胴内トレイ5、及び操作部6を含んで構成されている。
【0016】
原稿給送部2は、読取対象の原稿を原稿読取部3へ給送する。原稿読取部3は、光照射部(図略)を使って原稿を照射し、その反射光を受光することによって、原稿から画像データを読み取る。画像形成部4は、原稿読取部3によって読み取られた画像データに基づいて、トナー像を記録紙に形成する。胴内トレイ5は、装置本体11の胴部に配置され、装置本体11から排出された記録紙を載置する。
【0017】
操作部6は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部6は、操作者への操作案内等を表示する表示部61を備えている。表示部61はタッチパネルになっており、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れて画像形成装置1を操作することができる。
【0018】
画像形成部4(
図1)により記録紙Pに形成されたトナー像は、定着部21によって定着され、定着処理が施された記録紙Pは、定着部21に対する記録紙Pの搬送方向A1下流側にあって記録紙Pを排出する記録紙排出口41から、排出ローラー対31によって、胴内トレイ5に排出され、胴内トレイ5の載置面15に載置される。
【0019】
定着部21は、熱圧着によりトナー像を記録紙Pに定着させるものであり、ヒーター212を内蔵する熱ローラー211と、加圧ローラー213とを備える。熱ローラー211と加圧ローラー213とは対を成し、記録紙Pが熱ローラー211と加圧ローラー213との間を挟持搬送される際に、未定着のトナー像がヒーター212の熱で溶融し、熱ローラー211及び加圧ローラー213の圧力で記録紙Pに定着される。
【0020】
装置本体11の胴部には、記録紙排出口41から排出される記録紙Pの排出方向A2に開口された、胴内トレイ5の載置面15に載置された記録紙Pをユーザーが取り出すための開口部110が形成されている。開口部110は、載置面15を備え、装置本体11の胴部に形成され、装置本体11の前面側を開口して、載置面15及びその上方を開放する。
【0021】
また、装置本体11の胴部には、排出方向A2の上流側となる載置面15の第1端部151から鉛直方向上方に向かって記録紙排出口41の下端部まで延びる第1縦壁111と、開口部110と対向し、載置面15の第2端部152から鉛直方向上方に向かって延び、第1縦壁111と直角に連結する第2縦壁112とが形成されている。第2縦壁112は、開口部110と対向し、載置面15の装置リア側の側端部から鉛直方向上方に向かって延びている。更に、第2縦壁112は、その側縁部1121が第1縦壁111と連結している。
【0022】
第2縦壁112においては、排出方向A2である記録紙搬送方向の上流側となる下方位置に、第1通気口51が形成されている。第1通気口51は、胴内トレイ5と装置本体11内部とを連通させる。第1通気口51は、多数の貫通孔52を有している。装置本体11内部には、第1通気口51と排気口53とを連結する排気ダクト54が設けられている。排気ダクト54内には、フィルター55及びファン56が配設されている。フィルター55は、UFP等の異物を吸収する。ファン56は、第1通気口51から胴内トレイ5における空気を装置本体11内部へ取り込み、排気口53から装置本体11外部へ送り出す。
【0023】
図3は、胴内トレイ5、記録紙排出口41、及びその周辺部を示した概略的な斜視図である。第1縦壁111には、記録紙排出口41の下方から排出方向A2(
図2)に突出し、記録紙排出口41から排出された記録紙Pの下部を支持する板状の支持部材71が形成されている。
【0024】
支持部材71は、記録紙排出口41から排出される記録紙Pの幅方向に延伸し、排出方向A2に突出する部分が、非開口部側(第2縦壁112側)よりも開口部110側が短くなるように形成されている。支持部材71は、記録紙排出方向への突出量が、第2縦壁112側よりも開口部110側の方が短く形成されている。支持部材71は、記録紙排出口41から排出される記録紙Pが、記録紙Pの幅方向において、非開口部側(第2縦壁112側)よりも開口部110側から先に載置面15に落下させる。
【0025】
なお、支持部材71については、このように突出量が設定される構成に代えて、排出方向A2に突出する部分が、非開口部側(第2縦壁112側)よりも、装置前面側となる開口部110側の方が低い位置となる傾斜を有する形状とすることによっても、上記と同様の効果を発揮する。
【0026】
図4は、記録紙排出口41から記録紙Pが排出された状態を示した斜視図である。記録紙排出口41から排出される記録紙Pは、記録紙搬送方向における先端部から支持部材71により下部が支持されるが、下部が支持される面積は、非開口部側(第2縦壁112側)よりも開口部110側の方が小さいので、記録紙Pは、記録紙Pの幅方向において、非開口部側(第2縦壁112側)よりも開口部110側から先に載置面15に落下する。これにより、記録紙Pはその幅方向における開口部110側が先に載置面15に接触するが、非開口部側(第2縦壁112側)については載置面15よりも上方に残った状態となる。
【0027】
そして、記録紙排出口41から排出された記録紙Pは、非開口部側(第2縦壁112側)から開口部110側へ向かって下向きに傾斜した状態となるため、第1縦壁111、第2縦壁112、載置面15、及び当該姿勢の記録紙Pにより、開口部110における載置面15の上方の空間を閉じた状態となる。
【0028】
これにより、トナー像が形成された記録紙Pと共に記録紙排出口41から排出された(UFPを高濃度に含有する)空気を、当該閉じた空間で留めることができる。また、当該閉じた空間内の空気については、第1通気口51からファン56によって装置本体11内部へ取り込み可能である。従って、複雑な構成を採用しなくても、記録紙排出口41から装置本体11外部に一旦は排出されたUFP等の異物を、装置本体11内部に効率良く回収することが可能になる。
【0029】
なお、上記のように装置前面側の縁部の方が下がり、先に載置面15に接触する記録紙Pは、記録紙排出口41からの排出が進み、記録紙Pの記録紙搬送方向上流端が支持部材から離れると、記録紙Pは、その装置前面側の縁部が載置面に接触した状態で、装置リア側(第2縦壁112側)の他方縁部が支持部材71の配設位置から下方の載置面15上に落下する。このとき、記録紙Pは、装置前面側の縁部周辺の部分から徐々に上記他方縁部の方向に向けて各部分が順次載置面15に接触していき、最後には、載置面15上に平らな状態で載置された状態になる。このように記録紙Pの姿勢変化に伴う記録紙Pによる押圧により、上記閉じた空間の空気は、第2縦壁112の第1通気口51に向けて案内される。このため、UFP等の異物を含む当該空気を、的確に第1通気口51から装置内部に取り込むことが可能になる。
【0030】
第1通気口51から装置本体11内部へ取り込んだ空気については、フィルター55を介して排気口53から装置本体11外部へ排気する。このため、上記実施形態によれば、環境に優しい画像形成装置1を提供することができる。
【0031】
なお、UFP等の異物は記録紙Pのトナー像形成面側に多く存在した状態で、記録紙排出口41から装置本体11外部へ排出されるので、画像形成装置1においては、装置本体11内に備えられる画像形成部及び記録紙Pの搬送機構は、トナー像形成面が下面になるフェイスダウンにより、記録紙Pを記録紙排出口41から排出させる。
【0032】
また、上記第1実施形態では、記録紙排出口41から排出される記録紙Pが、排出方向A2と直交する記録紙Pの幅方向において、非開口部側(第2縦壁112側)よりも、装置前面側となる開口部110側から先に載置面15に落下させる構成として、記録紙排出口41から排出された記録紙Pを下方から支持する支持部材71を採用しているが、他の構成も採用し得る。
【0033】
例えば、
図5に示すように、上記支持部材71に代えて、記録紙排出口41の上方から排出方向A2に突出し、記録紙排出口41から排出された記録紙Pを排出方向A2斜め下方に案内する案内部材81を設ける。案内部材81は、排出方向A2に突出する部分が、非開口部側(第2縦壁112側)よりも、装置前面側となる開口部110側が長く形成される。案内部材81は、記録紙排出口41から排出された記録紙Pをその排出方向に沿って斜め下方に案内する。この場合、装置本体11内に備えられる画像形成部及び記録紙Pの搬送機構は、記録紙Pを上方に向く姿勢として記録紙排出口41から排出させることが好ましい。
【0034】
或いは、特に図示しないが、案内部材81は、上記突出量を異ならせた構成に代えて、排出方向A2に突出する部分が、非開口部側(第2縦壁112側)よりも、装置前面側となる開口部110側が下方に傾斜する形状とされてもよい。
【0035】
また、上記支持部材71及び案内部材81の構成に代えて、又は当該構成と共に、記録紙排出口41を、非開口部側(第2縦壁112側)から開口部110側へ向かって、下向きに傾斜するように形成する等により、記録紙排出口41から載置面15までの距離が、非開口部側(第2縦壁112側)よりも、装置前面側となる開口部110側の方が短くなる構成を採ってもよい。
【0036】
また、上記各構成に代えて、又は、上記各構成と共に、胴内トレイ5の載置面15の高さが、非開口部側(第2縦壁112側)よりも、装置前面側となる開口部110側で高くなるように形成する構成を採用してもよい。
【0037】
さらに、別の実施形態として、
図6に示すように。胴内トレイ5の載置面15に、胴内トレイ5と装置本体11内部とを連通させる第2通気口85を形成する構成を採ってもよい。例えば、第2通気口85は、複数のダクト851を有する。当該複数のダクト851は、記録紙Pの排出方向に直交する幅方向に並べて配置される。当該複数のダクト851は、載置面15に形成された孔を介して、載置面15上方の空気の取込が可能とされている。当該複数のダクト851は、記録紙排出口41からの記録紙Pの排出方向に、載置面15の当該排出方向における一端部付近から他端部付近まで延びる。当該複数のダクト851は、長さ方向の少なくとも一端部で互いに結合されている。第2通気口85は排気ダクト54に連結し、上記第1縦壁111、第2縦壁112、載置面15、及び当該姿勢の記録紙Pにより閉じた、開口部110における載置面15の上方の空間に留めた空気を、載置面15側からも装置本体11内部へ取り込む。これにより、UFP等の異物を含んだ空気をより効果的に装置本体11内部へ取り込むことができる。この構成は、上述した第1通気口51、排気口53、及び排気ダクト54の配設に代えて、又は、当該配設と共に採用される。
【0038】
以上、各実施形態を用いて説明したように、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1では、記録紙排出口41が、排出する記録紙Pを、記録紙排出方向と直交する記録紙Pの幅方向において、画像形成装置1の装置リア側となる第2縦壁112側よりも、画像形成装置1及び装置本体11の前面側となる開口部110側の記録紙Pの縁部から先に載置面15に落下させる形状とされている。記録紙排出口41をこのような形状にするためには、支持部材71又は案内部材81を記録紙排出口41に配設すること、或いは、記録紙排出口41の形状自体に傾斜を設けること等、上述した各構成を採用し得る。
【0039】
なお、上記実施形態では、
図1乃至
図6を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0040】
1 画像形成装置
5 胴内トレイ
11 装置本体
15 載置面
21 定着部
41 記録紙排出口
51 第1通気口
54 排気ダクト
55 フィルター
56 ファン
71 支持部材
110 開口部
111 第1縦壁
112 第2縦壁
151 第1端部
152 第2端部