(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る複合機1(画像形成装置の一例)について説明する。各図に適宜付される矢印Fr、Rr、L、R、U、Loは、それぞれ、複合機1の前側、後側、左側、右側、上側、下側を示している。
【0018】
まず、複合機1の全体の構成について説明する。
【0019】
図1に示されるように、複合機1は、箱型形状の複合機本体2(装置本体の一例)を備えている。複合機本体2の上部には、排紙トレイ4が設けられている。複合機本体2の略中央部には、中間転写ベルト5と4個の画像形成部6が収容されている。各画像形成部6は、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナーに対応している。各画像形成部6は、感光体ドラム7(像担持体の一例)と現像装置8を備えている。複合機本体2の下部には、露光装置10が収容されている。複合機本体2の下端部には、用紙S(記録媒体の一例)を収納する給紙カセット11が収容されている。
【0020】
複合機本体2の右側部には、用紙Sの搬送路Pが設けられている。搬送路Pの上流端部には、給紙部12が設けられている。搬送路Pの中流部には、二次転写部13が設けられている。搬送路Pの下流部には、定着装置14が設けられている。
【0021】
複合機本体2の上部には、排紙トレイ4の下方に4個のトナーコンテナ15(トナー容器の一例)が収容されている。各トナーコンテナ15は、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナーに対応している。4個のトナーコンテナ15は、複合機本体2の上部に設けられた4個の装着部16に着脱可能に装着されている。
【0022】
複合機本体2の上端部には、原稿画像を読み取るための画像読取装置17が設けられている。原稿読取装置17の上方には、画像読取装置17の画像読取位置まで原稿を自動搬送するための原稿搬送装置18が設けられている。
【0023】
次に、複合機1の動作について説明する。
【0024】
まず、露光装置10からの光(
図1の点線矢印参照)によって、各画像形成部6の感光体ドラム7上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、各画像形成部6の現像装置8によって現像される。これにより、感光体ドラム7にトナー像が担持される。このトナー像は、各画像形成部6の感光体ドラム7から中間転写ベルト5に一次転写される。これにより、中間転写ベルト5上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0025】
また、給紙部12によって給紙カセット11から取り出された用紙Sは、搬送路Pを下流側へと搬送されて、二次転写部13に進入する。この二次転写部13において、中間転写ベルト5上に形成されたフルカラーのトナー像が用紙Sに二次転写される。トナー像を二次転写された用紙Sは、搬送路Pを更に下流側へと搬送されて、定着装置14に進入する。この定着装置14において、用紙Sにトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙Sは、排紙トレイ4上に排出される。
【0026】
次に、4個のトナーコンテナ15について更に説明する。なお、各トナーコンテナ15の構成は同様であるため、以下、1個のトナーコンテナ15について説明を行い、残りの3個のトナーコンテナ15については説明を省略する。
【0027】
図2以降の各図に適宜付される矢印Oはトナーコンテナ15の前後方向外側を示し、
図2以降の各図に適宜付される矢印Iはトナーコンテナ15の前後方向内側を示している。
【0028】
図2、
図3を参照して、トナーコンテナ15は、容器本体21と、容器本体21の中央部に収容される撹拌部材22(回転部材の一例)と、容器本体21の左下部に収容される搬送部材23(回転部材の一例)と、容器本体21の後端側に配置される支持部材24と、支持部材24の後側(前後方向外側)に配置される伝達部材25及び移動機構26と、容器本体21の後側(前後方向外側)を覆うカバー部材27と、容器本体21の後側部の左下側に配置されるシャッター28と、支持部材24の左下側に配置される接続部材29と、を備えている。
【0029】
容器本体21は、前後方向に長い形状を成している。容器本体21は、トナー(現像剤)を収容している。容器本体21は、収容部31と、収容部31の上側に設けられる蓋部32と、を備えている。
【0030】
容器本体21の収容部31は、上側が開放された箱型形状を成している。収容部31の底壁31Loの左後部には、トナーを排出する排出口33が設けられている。収容部31の後側壁31Rrの中央部には、支持穴34が設けられている。収容部31の上端外周には、下側フランジ部39が設けられている。
図4を参照して、後側壁31Rrの後面(前後方向外側の面)の左側部には、支持片35が突設されている。支持片35は、収容部31の後側壁31Rrの後面から後側に向かって延びる本体板36と、本体板36の後部から左側に向かって延びるシャフト37と、を備えている。シャフト37には、ピニオンギア38が回転可能に支持されている。ピニオンギア38は、容器本体21の収容部31の後側(前後方向外側)に配置されており、容器本体21の外部に配置されている。
【0031】
図2を参照して、容器本体21の蓋部32は、下側が開放された箱型形状を成している。蓋部32の下端外周には、上側フランジ部40が設けられている。上側フランジ部40は、収容部31の下側フランジ部39に固定されている。これにより、収容部31と蓋部32が一体化されている。蓋部32の内部空間は、収容部31の内部空間と連通している。
【0032】
図3を参照して、トナーコンテナ15の撹拌部材22は、容器本体21の収容部31に収容されている。撹拌部材22は、前後方向に沿って延びる第1回転軸Xの周りを回転可能に設けられている。つまり、本実施形態では、前後方向が撹拌部材22の回転軸方向である。撹拌部材22は、前後方向に沿って延びる撹拌軸41と、撹拌軸41に取り付けられる撹拌羽根42と、を備えている。撹拌羽根42は、例えば樹脂製のフィルムによって構成されており、シート状を成している。
【0033】
トナーコンテナ15の搬送部材23は、容器本体21の収容部31に収容されている。搬送部材23は、前後方向に沿って延びる第2回転軸Yの周りを回転可能に設けられている。つまり、本実施形態では、前後方向が搬送部材23の回転軸方向である。搬送部材23は、前後方向に沿って延びる搬送軸43と、搬送軸43の外周に突設される螺旋状の搬送フィン44と、を備えている。
【0034】
図5を参照して、トナーコンテナ15の支持部材24は、円環状の露出片47と、露出片47の中央部から前側(前後方向内側)に向かって突出する連結片48と、露出片47の中央部から後側(前後方向外側)に向かって突出するボス片49と、ボス片49の外周において露出片47から後側(前後方向外側)に向かって突出する一対の挿入片50と、を備えている。
【0035】
図3を参照して、支持部材24の露出片47は、容器本体21の収容部31の後側(前後方向外側)に配置されており、容器本体21の外部に露出している。露出片47の外周面には、駆動ギア52が設けられている。
【0036】
支持部材24の連結片48は、容器本体21の収容部31の後側壁31Rrに設けられた支持穴34を貫通している。これにより、支持部材24が容器本体21に回転可能に支持されている。連結片48の先端部は、収容部31の内部に挿入され、撹拌部材22の撹拌軸41の後端部に固定されている。これにより、支持部材24が撹拌部材22に接続されており、支持部材24が撹拌部材22と一体に第1回転軸Xの周りを回転可能となっている。
図6〜
図9を参照して、トナーコンテナ15の伝達部材25は、容器本体21の収容部31の後側(前後方向外側)に配置されており、容器本体21の外部に配置されている。伝達部材25は、第1の位置(
図6、
図7参照)と、第1の位置よりも後側(前後方向外側)にある第2の位置(
図8、
図9参照)と、の間で前後方向に沿って直線的に移動可能に設けられている。
【0037】
図5を参照して、伝達部材25は、伝達片56と、伝達片56の中央部から前側(前後方向内側)に向かって突出する筒状片57と、筒状片57の外周において伝達片56から前側(前後方向内側)に向かって突出する一対の突片58と、一対の突片58の前部の外周面に固定される略円環状の固定片59と、を備えている。伝達片56の後面(前後方向外側の面)には、伝達カップリング61が設けられている。筒状片57には、支持部材24のボス片49が挿入されている。一対の突片58の形成間隔には、一対の挿入溝62が形成されている。各挿入溝62には、支持部材24の各挿入片50が挿入されている。以上のような構成により、前後方向に沿って移動可能且つ相対回転不能な状態で伝達部材25が支持部材24に支持されている。
【0038】
トナーコンテナ15の移動機構26は、保持部材64とコイルスプリング65(押し付け部材の一例)とを備えている。以下、保持部材64の説明において、「径方向外側」と記載する場合には第1回転軸Xから離間する側を指し、「径方向内側」と記載する場合には第1回転軸Xに接近する側を指す。
【0039】
図6〜
図9を参照して、移動機構26の保持部材64は、伝達部材25を第1の位置に保持する第1の保持位置(
図6、
図7参照)と、伝達部材25を第2の位置に保持する第2の保持位置(
図8、
図9参照)との間で前後方向に沿って移動可能に設けられている。
【0040】
図5を参照して、保持部材64は、ベース部67と、ベース部67の外周面から左側(径方向外側)に向かって直線状に延びる左アーム部68と、左アーム部68の径方向外側の端部から前側(前後方向内側)に向かって直線状に延びる第1ラック片69と、ベース部67の外周面から右側(径方向外側)に向かって直線状に延びる右アーム部70と、右アーム部70の径方向外側の端部から前側(前後方向内側)に向かって直線状に延びるボス部71と、を備えている。
【0041】
保持部材64のベース部67は、第1回転軸Xを軸心とする円筒状を成している。ベース部67の内周には、伝達部材25の一対の突片58が回転可能に挿入されている。これにより、ベース部67が伝達部材25を回転可能に保持している。ベース部67の前縁部(前後方向内側の縁部)は、伝達部材25の固定片59に当接している。
【0042】
図6〜
図9を参照して、保持部材64の第1ラック片69の下面には、第1ラックギア72が設けられている。第1ラックギア72は、ピニオンギア38に上側から噛み合っている。
【0043】
図5を参照して、移動機構26のコイルスプリング65は、支持部材24と伝達部材25の間に介装されている。コイルスプリング65は、伝達部材25の筒状片57の外周に装着されている。コイルスプリング65は、伝達部材25を後側(前後方向外側)に向かって押圧することで、伝達部材25を保持部材64に押し付けている。
【0044】
図2を参照して、トナーコンテナ15のカバー部材27は、平板状の主壁75と、主壁75の中央側に配置されるガイド壁76と、主壁75の外周側に配置される周壁78と、を備えている。
【0045】
カバー部材27の主壁75は、第1回転軸Xと交差する平面に沿って設けられている。主壁75の中央部には、円形の貫通穴79が設けられている。
【0046】
図7、
図9を参照して、カバー部材27のガイド壁76は、第1回転軸Xを軸心とする略円筒状を成している。ガイド壁76は、貫通穴79の外周において主壁75から前側(前後方向内側)に向かって突出している。ガイド壁76には、保持部材64のベース部67が挿入されている。これにより、カバー部材27が保持部材64を前後方向に沿って移動可能に支持している。ガイド壁76には、左右一対のスリット81(
図7、
図9では、左側のスリット81のみを表示)が設けられている。左側のスリット81には、保持部材64の左アーム部68が貫通している。右側のスリット81には、保持部材64の右アーム部70(
図5参照)が貫通している。
【0047】
図4を参照して、カバー部材27の周壁78は、主壁75の外周から前側(前後方向内側)に向かって突出している。周壁78の左側部の内面には、嵌合片83が突設されている。嵌合片83には、支持片35のシャフト37の先端部が嵌合している。
【0048】
図10を参照して、トナーコンテナ15のシャッター28は、シャッター本体86と、シャッター本体86の後端部から後側(前後方向外側)に向かって延びる第2ラック片87と、を備えている。
【0049】
シャッター28のシャッター本体86は、前後方向に長い形状を成している。
図11、
図12を参照して、シャッター本体86は、容器本体21の収容部31の下面(外面)に沿って配置されている。シャッター本体86は、容器本体21の下面に固定された支持体85によって下側(外側)から支持されている。シャッター28は、シャッター本体86が容器本体21の収容部31の排出口33を閉止する閉止位置(
図11参照)と、シャッター本体86が排出口33を開放する開放位置(
図12参照)と、の間で前後方向に沿って移動可能に設けられている。シャッター28は、コイルバネなどによって構成される付勢手段99によって閉止位置(
図11参照)に常に付勢されている。
【0050】
図10を参照して、シャッター28のシャッター本体86の後部には、連通口88が設けられている。連通口88は、シャッター28が閉止位置(
図11参照)にある状態では容器本体21の収容部31の排出口33と連通せず、シャッター28が開放位置(
図12参照)にある状態では排出口33と連通するように配置されている。シャッター本体86の下面(外面)の前端部には、突部89が設けられている。
【0051】
図10を参照して、シャッター28の第2ラック片87は、前後方向に長い形状を成している。
図6〜
図9を参照して、第2ラック片87の後部は、容器本体21の収容部31よりも後側(前後方向外側)に配置されている。第2ラック片87の後部の上面には、第2ラックギア90が設けられている。第2ラックギア90は、ピニオンギア38に下側から噛み合っている。
【0052】
図3を参照して、トナーコンテナ15の接続部材29は、接続軸91と、接続軸91の外周に設けられる接続ギア92と、を備えている。接続軸91は、容器本体21の収容部31の後側壁31Rrを貫通し、搬送部材23の搬送軸43の後端部に固定されている。接続ギア92は、容器本体21の収容部31の後側(前後方向外側)に配置されている。接続ギア92は、支持部材24の露出片47の駆動ギア52にアイドルギア93を介して接続されている。以上のような構成により、支持部材24が搬送部材23にアイドルギア93及び接続部材29を介して接続されている。
【0053】
次に、4個の装着部16について更に説明する。なお、各装着部16の構成は同様であるため、以下、1個の装着部16について説明を行い、残りの3個の装着部16については説明を省略する。
【0054】
図13、
図14を参照して、装着部16の前方は、開閉可能なフロントカバー101によって覆われている。そして、フロントカバー101を開放することによって、トナーコンテナ15を装着部16に対して着脱できるようになっている。
図15、
図16を参照して、装着部16には、前側から後側に向かう装着方向Zに沿ってトナーコンテナ15が着脱可能に装着されている。装着方向Zは、前後方向と平行である。
【0055】
装着部16は、前後方向に沿って延びるガイド板102と、ガイド板102の後側に配置される筐体103と、筐体103の上部に収容される駆動カップリング104と、を備えている。ガイド板102の上面の前後方向略中央部には、規制突起106(規制部の一例)が設けられている。ガイド板102の後部には、規制突起106の後側に補給口107が設けられている。筐体103の前壁103Frには、円形の穴部109が設けられており、この穴部109を介して駆動カップリング104の一部が筐体103の外部に露出している。駆動カップリング104は、モーターなどによって構成される駆動源111に接続されている。
【0056】
次に、トナーコンテナ15からトナーを排出する動作について説明する。
【0057】
図3を参照して、トナーコンテナ15からトナーを排出する際には、伝達部材25の伝達カップリング61が駆動カップリング104に連結され、且つ、収容部31の排出口33が開放された状態で、駆動源111を駆動させる。このように駆動源111が駆動すると、駆動源111からの回転駆動力によって駆動カップリング104が回転する。このように駆動カップリング104が回転すると、この回転が伝達部材25及び支持部材24によって撹拌部材22に伝達され、撹拌部材22が回転する。これに伴って、収容部31に収容されたトナーが撹拌部材22によって撹拌される。
【0058】
また、上記のように駆動カップリング104が回転すると、この回転が伝達部材25、支持部材24、アイドルギア93及び接続部材29によって搬送部材23に伝達され、搬送部材23が回転する。これに伴って、
図3に矢印Aで示されるように、収容部31に収容されたトナーが搬送部材23によって収容部31の排出口33に向かって搬送される。このように収容部31の排出口33に向かって搬送されたトナーは、収容部31の排出口33からトナーコンテナ15の外部に排出される。なお、トナーコンテナ15の外部に排出されたトナーは、装着部16の補給口107(
図15参照)を介して、現像装置8(
図1参照)に補給される。
【0059】
次に、ユーザーやサービスマンなどの作業者が伝達部材25の動作を確認する作業について説明する。
【0060】
トナーコンテナ15が装着部16から取り外された状態では、保持部材64が第1の保持位置(
図6、
図7参照)に配置されている。これに伴って、保持部材64によって伝達部材25が第1の位置(
図6、
図7参照)に保持されており、伝達部材25の伝達カップリング61がカバー部材27の貫通穴79の内側に退避している。また、シャッター28が閉止位置(
図11参照)に配置されている。
【0061】
この状態から、作業者がシャッター28を前側(前後方向一側)に向かって押圧する。これに伴って、シャッター28が閉止位置(
図11参照)から開放位置(
図12参照)まで前側(前後方向一側)に向かって移動する。これに伴って、
図6、
図7に矢印RD1で示されるように、シャッター28の第2ラックギア90と噛み合うピニオンギア38が所定の回転方向に回転する。これに伴って、ピニオンギア38と噛み合う第1ラックギア72を有する保持部材64が、第1の保持位置(
図6、
図7参照)から第2の保持位置(
図8、
図9参照)まで後側(前後方向他側)に向かって移動する。つまり、保持部材64がシャッター28とは逆方向に向かって移動する。これに伴って、保持部材64に保持された伝達部材25が第1の位置(
図6、
図7参照)から第2の位置(
図8、
図9参照)まで移動する。これに伴って、伝達部材25の伝達カップリング61がカバー部材27の貫通穴79よりも後側(前後方向外側)に突出する。
【0062】
次に、作業者がシャッター28への押圧を解除する。これに伴って、付勢手段99の付勢力によって、シャッター28が開放位置(
図12参照)から閉止位置(
図11参照)まで後側(前後方向他側)に向かって移動する。これに伴って、
図8、
図9に矢印RD2で示されるように、シャッター28の第2ラックギア90と噛み合うピニオンギア38が上記所定の回転方向とは逆方向に回転する。これに伴って、ピニオンギア38と噛み合う第1ラックギア72を有する保持部材64が、第2の保持位置(
図8、
図9参照)から第1の保持位置(
図6、
図7参照)まで前側(前後方向一側)に向かって移動する。つまり、保持部材64がシャッター28とは逆方向に向かって移動する。これに伴って、保持部材64に保持された伝達部材25が第2の位置(
図8、
図9参照)から第1の位置(
図6、
図7参照)まで移動する。これに伴って、伝達部材25の伝達カップリング61がカバー部材27の貫通穴79の内側に退避する。
【0063】
以上のように、本実施形態のトナーコンテナ15は、第1の位置と第2の位置との間で伝達部材25を移動させる移動機構26を備えており、シャッター28が閉止位置から開放位置まで移動するのに伴って、移動機構26が伝達部材25を第1の位置から第2の位置まで移動させ、シャッター28が開放位置から閉止位置まで移動するのに伴って、移動機構26が伝達部材25を第2の位置から第1の位置まで移動させる。このようにシャッター28の移動と伝達部材25の移動を連動させることで、シャッター28を移動させる動作によって、シャッター28の動作を確認する作業と伝達部材25の動作を確認する作業を両方行うことが可能となる。つまり、1回の動作によって2つの作業を行うことが可能となる。そのため、トナーコンテナ15の点検作業の工程数が増加するのを抑制し、トナーコンテナ15の点検作業の作業性を向上させることが可能となる。また、シャッター28の動作を確認する作業に付随して、伝達部材25の動作を容易に確認することが可能となる。
【0064】
なお、上記のように、伝達部材25の動作を確認する際には、シャッター28が開放位置と閉止位置の間で移動することになる。そのため、排出口33を下に向けた状態で伝達部材25の動作を確認すると、シャッター28が開放位置に移動した時に、排出口33からトナーがこぼれる恐れがある。そこで、伝達部材25の動作を確認する際には、トナーコンテナ15の上下を反転させ、排出口33を上に向けた状態で作業を行うのが好ましい。
【0065】
また、移動機構26は、伝達部材25を第1の位置に保持する第1の保持位置と、伝達部材25を第2の位置に保持する第2の保持位置と、の間で前後方向に沿って移動する保持部材64と、伝達部材25を保持部材64に押し付けるコイルスプリング65と、を備えている。このような構成を採用することで、移動機構26によって伝達部材25を前後方向に沿って確実に移動させることが可能となる。
【0066】
また、トナーコンテナ15は、容器本体21の外部に配置されるピニオンギア38を更に備え、保持部材64は、ピニオンギア38と噛み合う第1ラックギア72を備え、シャッター28は、ピニオンギア38と噛み合う第2ラックギア90を備え、シャッター28が前後方向一側に向かって移動するのに伴って、保持部材64が前後方向他側に向かって移動する。このような構成を採用することで、保持部材64をシャッター28とは逆方向に向かって移動させることが可能となり、これに伴って、カバー部材27の貫通穴79よりも後側(前後方向外側)に保持部材64を大きく突出させることが可能となる。
【0067】
また、第1ラックギア72は、左アーム部68から前側(前後方向内側)に向かって延びる第1ラック片69の下面に設けられ、第2ラックギア90は、シャッター本体86から後側(前後方向外側)に向かって延びる第2ラック片87の上面に設けられている。このような構成を採用することで、保持部材64のベース部67がシャッター28のシャッター本体86から離れている場合でも、確実に各ラックギア72、90をピニオンギア38に噛み合わせることが可能となる。
【0068】
また、保持部材64のベース部67は、カバー部材27のガイド壁76に挿入されている。このような構成を採用することで、簡易な構成を用いて、カバー部材27によって保持部材64を前後方向に沿って移動可能に支持することができる。
【0069】
また、伝達部材25は、前後方向に沿って移動可能且つ相対回転不能な状態で支持部材24に支持され、コイルスプリング65は、支持部材24と伝達部材25の間に介装されている。このような構成を採用することで、支持部材24、伝達部材25及びコイルスプリング65を一体化し、狭いスペース内に配置することができる。
【0070】
また、複合機1は、トナーコンテナ15と、トナーコンテナ15が着脱可能に装着される装着部16と、を備えている。このような構成を採用することで、トナーコンテナ15を容易に交換することが可能となる。
【0071】
次に、ユーザーやサービスマンなどの作業者がトナーコンテナ15を装着部16に対して着脱する動作について説明する。
【0072】
作業者がトナーコンテナ15を装着部16に装着する際には、
図15に示されるように、作業者がトナーコンテナ15を装着方向Zに沿って装着部16に挿入していく。トナーコンテナ15が装着部16の所定の位置まで挿入されると、装着部16のガイド板102に設けられた規制突起106がシャッター28の突部89に当接する。これにより、シャッター28の後側(装着方向奥側)への移動が規制される。
【0073】
この状態から、作業者がトナーコンテナ15を装着方向Zに沿って装着部16に更に挿入すると、
図16に示されるように、トナーコンテナ15が装着部16に装着される。これに伴って、シャッター28が閉止位置(
図11参照)に配置される位置からシャッター28が開放位置(
図12参照)に配置される位置まで容器本体21がシャッター28に対して後側(装着方向奥側)に向かって移動する。これに伴って、
図6、
図7に矢印RD1で示されるように、シャッター28の第2ラックギア90と噛み合うピニオンギア38が所定の回転方向に回転する。これに伴って、ピニオンギア38と噛み合う第1ラックギア72を有する保持部材64が、第1の保持位置(
図6、
図7参照)から第2の保持位置(
図8、
図9参照)まで後側に向かって移動する。これに伴って、保持部材64に保持された伝達部材25が第1の位置(
図6、
図7参照)から第2の位置(
図8、
図9参照)まで移動する。これに伴って、伝達部材25の伝達カップリング61がカバー部材27の貫通穴79よりも後側(前後方向外側)に突出し、駆動カップリング104に連結される。
【0074】
一方で、トナーコンテナ15を装着部16から取り外す際には、作業者がトナーコンテナ15を装着方向Zとは逆の方向に沿って装着部16から引き抜く。これに伴って、伝達カップリング61と駆動カップリング104の連結が解除される。
【0075】
また、上記のようにトナーコンテナ15を装着部16から引き抜くと、シャッター28が開放位置(
図12参照)に配置される位置からシャッター28が閉止位置(
図11参照)に配置される位置まで容器本体21がシャッター28に対して前側(装着方向手前側)に向かって移動する。これに伴って、
図8、
図9に矢印RD2で示されるように、シャッター28の第2ラックギア90と噛み合うピニオンギア38が上記所定の回転方向とは逆方向に回転する。これに伴って、ピニオンギア38と噛み合う第1ラックギア72を有する保持部材64が、第2の保持位置(
図8、
図9参照)から第1の保持位置(
図6、
図7参照)まで前側(前後方向一側)に向かって移動する。これに伴って、保持部材64に保持された伝達部材25が第2の位置(
図8、
図9参照)から第1の位置(
図6、
図7参照)まで移動する。これに伴って、伝達部材25の伝達カップリング61がカバー部材27の貫通穴79の内側に退避する。
【0076】
ところで、装着部16へのトナーコンテナ15の装着動作に連動して駆動カップリング104を移動させ、駆動カップリング104を伝達カップリング61に連結させる構成がある。しかしながら、このような構成を採用すると、駆動カップリング104を移動させるための駆動機構を装着部16に設置する必要が生じるため、装着部16の構成が複雑化する恐れがある。
【0077】
しかしながら、本実施形態では、トナーコンテナ15の移動機構26が伝達部材25を第1の位置から第2の位置まで移動させるのに伴って、伝達カップリング61が駆動カップリング104に連結されている。このような構成を採用することで、駆動カップリング104を移動させるための機構を装着部16に設置する必要が無くなるため、装着部16の構成の複雑化を抑制することができ、装着部16における省スペース化を図ることができる。
【0078】
また、トナーコンテナ15が装着部16に装着されるのに伴って、装着部16の規制突起106がシャッター28の突部89に当接し、シャッター28が閉止位置に配置される位置からシャッター28が開放位置に配置される位置まで容器本体21がシャッター28に対して後側(装着方向奥側)に向かって移動し、移動機構26が伝達部材25を第1の位置から第2の位置まで移動させる。このような構成を採用することで、トナーコンテナ15を装着部16に装着すれば、収容部31の排出口33が自動的に開放され、伝達カップリング61と駆動カップリング104が自動的に連結されることになる。そのため、トナーコンテナ15の着脱動作を行う作業者の負担を一層軽減させることができる。
【0079】
本実施形態では、トナーコンテナ15が装着部16から取り外された状態で伝達部材25の動作を確認する際に、付勢手段99の付勢力によってシャッター28が開放位置から閉止位置まで移動する。一方で、他の異なる実施形態では、トナーコンテナ15が装着部16から取り外された状態で伝達部材25の動作を確認する際に、作業者がシャッター28を押圧することによってシャッター28が開放位置から閉止位置まで移動しても良い。また、トナーコンテナ15を装着部16から取り外す際には、装着部16の一部がシャッター28を係止することでシャッター28の移動が規制され、シャッター28が開放位置に配置される位置からシャッター28が閉止位置に配置される位置まで容器本体21がシャッター28に対して移動しても良い。
【0080】
本実施形態では、シャッター28のシャッター本体86が容器本体21の収容部31の外面に沿って配置されている。一方で、他の異なる実施形態では、シャッター28のシャッター本体86が容器本体21の収容部31の内面に沿って配置されていても良い。
【0081】
本実施形態では、撹拌部材22及び搬送部材23の全体が容器本体21に収容されている。一方で、他の異なる実施形態では、撹拌部材22及び/又は搬送部材23の一部が容器本体21に収容されていても良い。
【0082】
本実施形態では、伝達部材25の全体が容器本体21の外部に配置されている。一方で、他の異なる実施形態では、伝達部材25の一部が容器本体21の外部に配置されていても良い。
【0083】
本実施形態では、複合機1に本発明の構成を適用する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、プリンター、コピー機、ファクシミリ等の複合機1以外の画像形成装置に本発明の構成を適用することも可能である。