(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)アルキル基の炭素数が8〜12である3−O−アルキル−L−アスコルビン酸又はその塩、(B)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルからなる群より選択される1種又は2種以上であって、HLB値が12.5〜17であるノニオン界面活性剤、及び(C)アミノ酸エステル、ダイマー酸エステル、ヒドロキシ酸エステル、アルキルグリセリルエーテル及びアルケニルグリセリルエーテルからなる群より選択される1種又は2種以上の油剤を含有する化粧料組成物であって、(A)の3−O−アルキル−L−アスコルビン酸又はその塩の含有量が、化粧料組成物の全量に対し0.1重量%〜3重量%である、化粧料組成物。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが、酸化エチレンの平均重合度が12〜30、酸化プロピレンの平均重合度が2〜8のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールのアルキルエーテルであって、アルキル基が、炭素数10〜16の直鎖又は分岐鎖アルキルである、請求項1に記載の化粧料組成物。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ソルビタン1モルに対し、平均20モル〜40モルの酸化エチレンが付加されたソルビタンと、炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸とのモノエステルである、請求項1に記載の化粧料組成物。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、酸化エチレンの平均重合度が9〜30のポリエチレングリコールのアルキルエーテルであって、アルキル基が、炭素数12〜24の直鎖又は分岐鎖アルキルである、請求項1に記載の化粧料組成物。
ポリオキシエチレンアルケニルエーテルが、酸化エチレンの平均重合度が9〜30のポリエチレングリコールのアルケニルエーテルであって、アルケニル基が、炭素数12〜24の直鎖又は分岐鎖アルケニルである、請求項1に記載の化粧料組成物。
アミノ酸エステルが、N−アシルアミノ酸と、炭素数3〜5の分岐鎖飽和低級アルコール、炭素数16〜24の分岐鎖飽和脂肪族アルコールおよびステロールからなる群より選択される1種又は2種以上のアルコールとのエステルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
ダイマー酸エステルが、ダイマージリノール酸と、炭素数3〜5の分岐鎖飽和低級アルコール、炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族アルコールおよびステロールからなる群より選択される1種又は2種以上のアルコールとのエステルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
ヒドロキシ酸エステルが、炭素数2〜18の脂肪族ヒドロキシカルボン酸と、炭素数8〜18の分岐鎖飽和脂肪族アルコールとのエステルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
アルケニルグリセリルエーテルが、炭素数が8〜22のアルケニル基を有するアルケニルグリセリルエーテルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の化粧料組成物は、(A)成分として、アルキル基の炭素数が8〜12である3−O−アルキル−L−アスコルビン酸又はその塩を含有する。
上記の3−O−アルキル−L−アスコルビン酸は、L−アスコルビン酸の3位水酸基が炭素数8〜12のアルキル基によりエーテル化された化合物である。炭素数8〜12のアルキル基としては、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基のいずれでもよく、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、n−ウンデシル、イソウンデシル、n−ドデシル、イソドデシル等が挙げられ、好ましくはn−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ドデシル、イソドデシル等であり、より好ましくはn−オクチル、n−ドデシル等である。
なお、3−O−アルキル−L−アスコルビン酸のアルキル基が炭素数13以上のアルキル基である場合、良好な可溶化安定性を得ることが困難となる。また、上記アルキル基の炭素数が7以下である場合は、臭いの点で好ましくない。
【0012】
上記3−O−アルキル−L−アスコルビン酸の塩としては、薬学的に許容される塩であれば特に限定されないが、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、リシン塩等のアミノ酸塩等が例示され、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩等がより好ましい。
【0013】
アルキル基の炭素数が8〜12である3−O−アルキル−L−アスコルビン酸又はその塩は自体公知の化合物であり、特開昭58−57373号公報等に記載された方法等、自体公知の方法に従って製造することができる。本発明においては、適宜製造したものを用いてもよく、市販の製品を用いることもできる。
本発明の化粧料組成物には、(A)成分として、上記した3−O−アルキル−L−アスコルビン酸及びその塩から1種を選択して単独で用いてもよく、2種以上を選択して併用してもよい。
【0014】
(A)成分、すなわち、アルキル基の炭素数が8〜12である3−O−アルキル−L−アスコルビン酸又はその塩は、美白作用及び可溶化安定性等の観点からは、本発明の化粧料組成物の全量に対し好ましくは0.01重量%〜10重量%含有され、より好ましくは0.1重量%〜3重量%含有される。
【0015】
本発明の化粧料組成物は、(B)成分として、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルからなる群より選択される1種又は2種以上であって、HLB(Hydrophile-Lypophile balance)値が12.5〜17であるノニオン界面活性剤を含有する。
なお、本発明の目的には、(B)成分のノニオン界面活性剤は、HLB値が14〜16であるものが好ましい。
上記ノニオン界面活性剤を用いることにより、透明性及び可溶化安定性を有する化粧料組成物を得ることができる。
【0016】
本発明において、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、酸化エチレンの平均重合度が12〜30、酸化プロピレンの平均重合度が2〜8であり、アルキル基が炭素数10〜16程度の直鎖又は分岐鎖アルキルであるものが好適に用いられ、具体的には、ポリオキシエチレン(15)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル等が挙げられる。
【0017】
本発明において、上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルは、自体公知の製造方法に従って製造したものを用いることもできるが、「NIKKOL PBC−34」(HLB値=16.5)、「NIKKOL PBC−44」(HLB値=12.5)(以上日光ケミカルズ株式会社製)、「ユニセーフ20P−4」(HLB値=16.5)、「ユニセーフ20P−8」(HLB値=12.5)(以上日油株式会社製)等の市販の製品を用いることが便利である。
【0018】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタン1モルに対する酸化エチレンの平均付加モル数が20〜40程度で、炭素数12〜18程度の飽和又は不飽和脂肪酸のモノエステルが好適に用いられ、具体的には、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノイソステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノヤシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレン(40)ソルビタンモノオレイン酸エステル等が挙げられる。
【0019】
本発明において、上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、自体公知の製造方法に従って製造したものを用いることもできるが、「NIKKOL TL−10」(HLB値=16.9)、「NIKKOL TP−10V」(HLB値=15.6)、「NIKKOL TP−10EX」(HLB値=15.6)、「NIKKOL TS−10V」(HLB値=14.9)、「NIKKOL TI−10V」(HLB値=15.0)、「NIKKOL TO−10V」(HLB値=15.0)(以上日光ケミカルズ株式会社製)、「ノニオンLT−221」(HLB値=16.7)、「ノニオンOT−221」(HLB値=15.7)(以上日油株式会社製)、「レオドールTW−L120」(HLB値=16.7)、「レオドールTW−P120」(HLB値=15.6)、「レオドールTW−S120V」(HLB値=14.9)、「レオドールTW−O120V」(HLB値=15.0)(以上花王株式会社製)、「ソルゲンTW−60F」(HLB値=14.9)、「ソルゲンTW−80V」(HLB値=15.0)(以上第一工業製薬株式会社製)等の市販の製品を用いることが便利である。
【0020】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルケニルエーテルとしては、酸化エチレンの平均重合度が9〜30であり、アルキル基又はアルケニル基が炭素数12〜24程度の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニルであるものが好適に用いられ、具体的には、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(9)C
12−14第2級アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(12)C
12−14第2級アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(23)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(25)オクチルドデシルエーテル、ポリキシエチレン(25)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0021】
本発明において、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルは、自体公知の製造方法に従って製造したものを用いることもできるが、「NIKKOL BL−9EX」(HLB値=14.5)、「NIKKOL BC−10」(HLB値=13.5)、「NIKKOL BC−15」(HLB値=15.5)、「NIKKOL BC−20」(HLB値=17.0)、「NIKKOL BT−9」(HLB値=13.5)、「NIKKOL BT−12」(HLB値=14.5)、「NIKKOL BB−20」(HLB値=16.5)、「NIKKOL BO−15V」(HLB値=16.0)、「NIKKOL BO−20V」(HLB値=17.0)(以上日光ケミカルズ株式会社製)、「エマルミンLS−80」(HLB値=13.1)、「エマルミンLS−90」(HLB値=13.6)、「エマルミンNL−80」(HLB値=13.1)、「エマルミンNL−90」(HLB値=13.6)、「エマルミンNL−100」(HLB値=14.0)、「エマルミンNL−110」(HLB値=14.4)、「エマルミン110」(HLB値=13.2)、「エマルミン140」(HLB値=14.2)、「エマルミン180」(HLB値=15.1)、「エマルミン200」(HLB値=15.5)、「エマルミン240」(HLB値=16.1)(以上三洋化成工業株式会社製)等の市販の製品を用いることが便利である。
【0022】
本発明においては、上記したノニオン界面活性剤より1種を選択して単独で用いてもよく、2種以上を選択して併用してもよい。
【0023】
(B)成分、すなわち、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルからなる群より選択される1種又は2種以上であって、HLB値が12.5〜17であるノニオン界面活性剤は、化粧料組成物の透明性及び可溶化安定性の観点からは、本発明の化粧料組成物の全量に対し、好ましくは0.01重量%〜10重量%含有され、より好ましくは0.1重量%〜3重量%含有される。
【0024】
本発明の化粧料組成物は、(C)成分として、アミノ酸エステル、ダイマー酸エステル、ヒドロキシ酸エステル、アルキルグリセリルエーテル及びアルケニルグリセリルエーテルからなる群より選択される1種又は2種以上の油剤を含有する。
【0025】
本発明において用い得るアミノ酸エステルは、アミノ酸とアルコールとにより形成されるエステルであれば、特に制限なく用いることができるが、一価のアルコール又はステロールとにより形成されるエステルが好ましい。
【0026】
アミノ酸エステルを形成するアミノ酸には、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン等の脂肪族アミノ酸;セリン、スレオニン等のヒドロキシ基を有するアミノ酸;メチオニン、システイン等の含硫アミノ酸;アスパラギン、グルタミン等のアミド基を有するアミノ酸;プロリン等のイミノ基を有するアミノ酸;フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン等の芳香族基を有するアミノ酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸;アルギニン、ヒスチジン、リシン等の塩基性アミノ酸等のタンパク質の構成アミノ酸の他、β−アラニン、サルコシン(N−メチルグリシン)、オルニチン、クレアチン、γ−アミノ酪酸等のアミノ酸も含まれる。
上記アミノ酸は、D体、L体、DL体のいずれでもよいが、L体が好ましい。また、アラニン、サルコシン及び酸性アミノ酸(たとえばグルタミン酸)が特に好ましい。
さらに、上記アミノ酸は、アミノ基がアルキル基やアシル基により置換されているものであってもよく、かかるアルキル基としては、メチル、エチル等の炭素数1〜3程度の低級アルキル基が好ましく、アシル基としては、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイル等の炭素数8〜18程度のアシル基が好ましい。
本発明においては、アミノ基が上記のようなアシル基により置換されたN−アシルアミノ酸と、一価のアルコール又はステロールとにより形成されるエステルがより好ましく用いられる。
【0027】
アミノ酸とエステルを形成する一価アルコールとしては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、イソプロパノール、イソブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、イソペンタノール、イソブテノール等の炭素数5程度までの飽和又は不飽和低級アルコール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、テトラコサノール等の炭素数8〜24程度の直鎖飽和脂肪族アルコール、2−エチルヘキサノール、2−デカノール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール等の炭素数8〜24程度の分岐鎖飽和脂肪族アルコール、パルミトレイルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ドコセノール等の炭素数8〜24程度の不飽和脂肪族アルコールが挙げられる。
アミノ酸とエステルを形成するステロールとしては、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール等のフィトステロール;前記フィトステロールを水素化してなる水素添加フィトステロール;コレステロール、ジヒドロコレステロール、デスモステロール、ラトステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、アグノステロール等の動物由来ステロール;エルゴステロール等の菌体由来ステロールなどが挙げられる。
【0028】
これらの中でも、イソプロパノール等の炭素数3〜5程度の分岐鎖飽和低級アルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール等の炭素数16〜24程度の分岐鎖飽和脂肪族アルコール、フィトステロール、コレステロール等のステロールが好ましい。
【0029】
アミノ酸エステルは、アミノ酸と、上記の一価アルコール及びステロールからなる群より選択される2種以上の混合物とにより形成されるエステルであってもよい。
【0030】
アミノ酸がグルタミン酸等の酸性アミノ酸である場合、アミノ酸と一価アルコール又はステロールとのエステルはモノエステルであってもよく、ジエステルであってもよいが、ジエステルであることがより好ましい。
【0031】
本発明においては、N−アシルアミノ酸と、炭素数3〜5の分岐鎖飽和低級アルコール、炭素数16〜24の分岐鎖飽和脂肪族アルコールおよびステロールからなる群より選択される1種又は2種以上のアルコールとのエステルが特に好ましく用いられ、かかるアミノ酸エステルとしては、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル、N−ミリストイル−N−メチルアラニンヘキシルデシル、N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)、すなわちN−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンと、フィトステロール及びデシルテトラデカノールの混合物とのエステル、N−ラウロイルグルタミン酸ジヘキシルデシル、N−ラウロイルグルタミン酸ジイソステアリル、N−ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、N−ラウロイルグルタミン酸ビス(ヘキシルデシル/オクチルドデシル)、すなわちN−ラウロイルグルタミン酸と、ヘキシルデカノール及びオクチルドデカノールの混合物とのジエステル、N−ステアロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、すなわち、N−ラウロイルグルタミン酸と、コレステロール及びオクチルドデカノールの混合物とのジエステル、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、すなわち、N−ラウロイルグルタミン酸と、コレステロール、ベヘニルアルコール及びオクチルドデカノールの混合物とのジエステル、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、すなわち、N−ラウロイルグルタミン酸と、フィトステロール及びオクチルドデカノールの混合物とのジエステル、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、すなわち、N−ラウロイルグルタミン酸と、オクチルドデカノール、フィトステロール及びベヘニルアルコールの混合物とのジエステル等が挙げられる。
これらは自体公知の製造方法に従って製造して用いてもよいが、日本エマルジョン株式会社、味の素株式会社等より提供されている市販の製品(「AMITER」シリーズ、「エルデュウ」シリーズ等)を好適に用いることができる。
【0032】
本発明において用い得るダイマー酸エステルは、ダイマー酸とアルコールにより形成されるエステルである。ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られる既知の二塩基酸であり、工業的には一般に、炭素数が11〜22の不飽和脂肪酸またはその低級アルコールエステルを粘土触媒等にて二量化することにより得られる。工業的に得られるダイマー酸は、炭素数が36程度の二塩基酸を主成分とする。本発明においては、ダイマージリノール酸のエステルが好ましく用いられる。
【0033】
ダイマー酸とエステルを形成するアルコールとしては、上記アミノ酸エステルを形成するアルコールと同様の一価アルコール及びステロールが挙げられ、イソプロパノール等の炭素数3〜5程度の分岐鎖飽和低級アルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等の炭素数16〜22程度の直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族アルコール、フィトステロール、コレステロール等のステロールが好ましく用いられる。
【0034】
ダイマー酸のエステルは、ダイマー酸と、上記の一価アルコール及びステロールからなる群より選択される2種以上の混合物とにより形成されるエステルであってもよい。また、ダイマー酸のエステルとしては、ダイマー酸と上記アルコールとのジエステルが好ましい。
【0035】
本発明においては、ダイマージリノール酸と、炭素数3〜5の分岐鎖飽和低級アルコール、炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族アルコールおよびステロールからなる群より選択される1種又は2種以上のアルコールとのエステルがより好ましく用いられ、ダイマージリノール酸と、炭素数3〜5の分岐鎖飽和低級アルコール、炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族アルコールおよびステロールからなる群より選択される1種又は2種以上のアルコールとのジエステルが特に好ましく用いられる。かかるダイマージリノール酸のジエステルとしては、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、すなわちダイマージリノール酸と、イソステアリルアルコール及びフィトステロールの混合物とのジエステル、ダイマージリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、すなわちダイマージリノール酸と、フィトステロール、イソステアリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールの混合物とのジエステル等が挙げられる。
これらは自体公知の製造方法に従って製造して用いてもよいが、高級アルコール工業株式会社、日本精化株式会社等より提供されている市販の製品(「KAK DADIP−R」、「Plandol」シリーズ等)を好適に用いることができる。
【0036】
本発明において用い得るヒドロキシ酸エステルは、ヒドロキシ酸とアルコールにより形成されるエステルである。
【0037】
ヒドロキシ酸エステルを形成するヒドロキシ酸は、水酸基を有するカルボン酸であれば特に限定されないが、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸等の炭素数2〜18程度の脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸等の炭素数3〜6程度の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸がより好ましい。
【0038】
ヒドロキシ酸とエステルを形成するアルコールとしては、上記アミノ酸エステルを形成するアルコールと同様の一価アルコール及びステロールが挙げられ、2−エチルヘキサノール、イソステアリルアルコール等の炭素数8〜18程度の分岐鎖飽和脂肪族アルコールが好ましく用いられる。
【0039】
ヒドロキシ酸として脂肪族ヒドロキシジカルボン酸を用いる場合は、上記アルコールとのジエステルが好ましい。
【0040】
本発明においては、炭素数2〜18の脂肪族ヒドロキシカルボン酸と、炭素数8〜18の分岐鎖飽和脂肪族アルコールとのエステルがより好ましく用いられ、炭素数3〜6の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸と、炭素数8〜18の分岐鎖飽和脂肪族アルコールとのジエステルがさらに好ましく用いられ、リンゴ酸又は酒石酸と、炭素数8〜18の分岐鎖飽和脂肪族アルコールとのジエステルが特に好ましく用いられる。リンゴ酸又は酒石酸のかかるジエステルとしては、リンゴ酸ジエチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
これらは自体公知の製造方法に従って製造して用いてもよいが、高級アルコール工業株式会社、日清オイリオグループ株式会社、ISPジャパン株式会社等より提供されている市販の製品(「ハイマレート DIS」、「コスモール222」、「セラフィル45」等)を好適に用いることができる。
【0041】
本発明において用い得るアルキルグリセリルエーテルとしては、炭素数が8〜22程度のアルキル基を有するグリセリルエーテルが好ましく、グリセリンと、炭素数8〜22程度の直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族アルコールとのモノエーテルがより好適に用いられ、かかるモノエーテルとして、モノオクチルグリセリルエーテル、モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、モノノニルグリセリルエーテル、モノデシルグリセリルエーテル、モノイソデシルグリセリルエーテル、モノウンデシルグリセリルエーテル、モノラウリルグリセリルエーテル、モノミリスチルグリセリルエーテル、モノセチルグリセリルエーテル、モノステアリルグリセリルエーテル、モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノアラキジルグリセリルエーテル、モノベヘニルグリセリルエーテル等が挙げられる。これらのうち、モノセチルグリセリルエーテル、モノステアリルグリセリルエーテル及びモノイソステアリルグリセリルエーテルが特に好ましく用いられる。
【0042】
本発明において用い得るアルケニルグリセリルエーテルとしては、炭素数が8〜22程度のアルケニル基を有するグリセリルエーテルが好ましく、グリセリンと、炭素数8〜22程度の直鎖又は分岐鎖不飽和脂肪族アルコールとのモノエーテルがより好適に用いられ、かかるモノエーテルとして、モノオクテニルグリセリルエーテル、モノパルミトレイルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、モノリノレイルグリセリルエーテル、モノリノレニルグリセリルエーテル、モノリシノレイルグリセリルエーテル、モノエルシルグリセリルエーテル等が挙げられる。これらのうち、モノオレイルグリセリルエーテルが特に好ましく用いられる。
【0043】
これらは自体公知の製造方法に従って製造して用いてもよいが、日光ケミカルズ株式会社、花王株式会社等より提供されている市販の製品(「NIKKOL キミルアルコール 100」、「NIKKOL バチルアルコール 100」、「NIKKOL バチルアルコール EX」、「NIKKOL セラキルアルコール」、「ペネトール GE−IS」等)を好適に用いることができる。
【0044】
本発明においては、(C)成分の油剤として、上記したアミノ酸エステル、ダイマー酸エステル、ヒドロキシ酸エステル、アルキルグリセリルエーテル及びアルケニルグリセリルエーテルからなる群より、1種を選択して単独で用いてもよく、2種以上を選択して併用してもよい。
【0045】
(C)成分、すなわちアミノ酸エステル、ダイマー酸エステル、ヒドロキシ酸エステル、アルキルグリセリルエーテル及びアルケニルグリセリルエーテルからなる群より選択される1種又は2種以上の油剤は、特に可溶化安定性、保存安定性及び使用感の観点から、本発明の化粧料組成物の全量に対し、好ましくは0.01重量%〜5重量%含有され、より好ましくは0.03重量%〜1重量%含有される。
【0046】
なお、本発明の目的には、上記(A)〜(C)成分は、(A)成分に対する(B)成分及び(C)成分の含有量比、すなわち[(B)成分の含有量/(A)成分の含有量]及び[(C)成分の含有量/(A)成分の含有量]が、重量比でそれぞれ1/5〜5及び1/20〜1/2となるように含有させることが好ましく、1/3〜3及び1/10〜1/3となるように含有させることがより好ましい。
【0047】
本発明の化粧料組成物には、上記(A)〜(C)成分以外に、本発明の特徴を損なわない範囲で、保湿剤、増粘・ゲル化剤、抗シワ・抗老化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、紫外線吸収・散乱剤、防腐剤、pH調整剤、着色剤、香料等、化粧料組成物に一般的に配合される添加剤を含有させることができる。
【0048】
保湿剤としては、グリセリン、1,3−プロパンジオール、ソルビトール等の多価アルコール;ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖類;アラニン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のアミノ酸又はその塩等が挙げられる。
【0049】
増粘・ゲル化剤としては、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、ローカストビーンガム等の多糖類;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン等の合成水溶性高分子等が挙げられる。
【0050】
抗シワ・抗老化剤としては、加水分解卵殻膜、アテロコラーゲン、コメヌカエキス、ルイボスエキス等が挙げられる。
【0051】
細胞賦活剤としては、デオキシリボ核酸ナトリウム、酵母エキス、オタネニンジンエキス等が挙げられる。
【0052】
抗炎症剤としては、アラントイン、アロエベラエキス、キダチアロエエキス、カミツレエキス、カンゾウエキス、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
【0053】
抗酸化剤としては、酢酸トコフェロール、d−δ−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、天然ビタミンE等のビタミンE;グルコシルルチン、タンニン酸等のポリフェノール;没食子酸、没食子酸プロピル等の没食子酸及びその誘導体;シソ葉エキス、セージ葉エキス等の植物抽出物等が挙げられる。
【0054】
紫外線吸収・散乱剤としては、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、オキシベンゾン−3(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、酸化チタン等が挙げられる。
【0055】
防腐剤としては、安息香酸ナトリウム;フェノキシエタノール;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のパラオキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
【0056】
pH調整剤としては、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、グルコノラクトン等が挙げられる。
【0057】
着色剤としては、紺青、群青、ベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄、タルク、カオリン、マンガンバイオレット、カーボンブラック等の無機顔料;β−カロテン、リコピン、シソニン、サフロールイエロー、シコニン、クロロフィル等の天然色素、赤色102号、赤色201号、青色202号等のタール色素、赤色3号のアルミニウムレーキ、黄色4号のアルミニウムレーキ、青色1号のバリウムレーキ等のレーキ色素等が挙げられる。
【0058】
香料としては、シナモン油、ラベンダー油、ジャスミン油、ペパーミント油、オレンジ油、ローズ油等の天然香料;シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオール、メントール等の合成香料等が挙げられる。
【0059】
上記の添加剤は、目的に応じて選択した1種又は2種以上を、本発明の特徴を損なわない範囲で、通常化粧料組成物に使用する量にて含有させることができる。
【0060】
本発明の化粧料組成物は、3−O−アルキル−L−アスコルビン酸又はその塩を含有し、可溶化安定性及び保存安定性が良好で、高い透明性を有し、べたつきがなく使用感に優れることから、好ましくは、液状又はゲル状の形態で、美白用の化粧水、美容液又はゲルとして提供することができる。
【0061】
本発明の化粧料組成物は、一般的な液状又はゲル状の化粧水、美容液又はゲルの製造方法に従って製造することができる。
たとえば、化粧水の場合は、上記(A)〜(C)成分と、必要に応じて他の添加剤を順次精製水に添加して撹拌、混合し、均一に溶解した後、ろ過して調製する。なお、添加剤が油溶性の成分である場合は、あらかじめ(C)成分に添加、溶解した後に精製水に添加するか、(B)成分と混合した後に精製水に添加することが好ましい。無機顔料等の粉体については、精製水に混合し、撹拌して湿潤分散させることが好ましい。
また、粘性のある美容液の場合は、(A)〜(C)成分を順次精製水に添加、混合し、均一に溶解した後、増粘・ゲル化剤を添加し増粘させるか、或いは、増粘・ゲル化剤を精製水の一部に添加して溶解し、次いで、精製水の残部に(A)〜(C)成分を溶解した溶液と混合して製造することができる。
ゲルの場合は、(A)〜(C)成分、及び増粘・ゲル化剤を含む添加剤を精製水に添加して撹拌、混合し、必要に応じて加温、冷却し、ゲルを形成させて調製することができる。
【実施例】
【0062】
以下、本発明について、実施例により詳細に説明する。
【0063】
[試験例1]3−O−アルキル−L−アスコルビン酸又はその塩のアルキル基の影響の検討
3−O−アルキル−L−アスコルビン酸又はその塩におけるアルキル基の炭素数の相違が、化粧料組成物の透明性、可溶化安定性、保存安定性及び使用感に及ぼす影響を検討した。
表1に示す量の3−O−オクチル(炭素数=8)−L−アスコルビン酸、3−O−ドデシル(炭素数=12)−L−アスコルビン酸、3−O−ヘキサデシル(炭素数=16)−L−アスコルビン酸を、(B)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(HLB値=15.0)の存在下又は非存在下に水に添加、混合し、各試料とした。
なお、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートとしては、「NIKKOL TO−10V」(日光ケミカルズ株式会社製)を用いた。
【0064】
各試料について、透明性、可溶化安定性、保存安定性、使用感及び臭いを、以下の通り評価した。
【0065】
(1)透明性
調製直後の各試料の外観を観察し、透明性について、次の基準により評価した。
<評価基準>
○;透明である
△;やや濁りが認められる
×;濁りが顕著に認められる
【0066】
(2)可溶化安定性
各試料を40℃で7日間保存した後、可溶化状態について、次の評価基準により評価した。
<評価基準>
○;3−O−アルキル−L−アスコルビン酸が良好に可溶化されている
△;3−O−アルキル−L−アスコルビン酸の析出がわずかに認められる
×;3−O−アルキル−L−アスコルビン酸の析出が顕著に認められる
【0067】
(3)保存安定性
各試料を40℃で7日間保存した後、着色の有無及び程度を観察し、次の評価基準により評価した。
<評価基準>
○;着色が認められない
△;わずかに着色が認められる
×;着色が顕著に認められる
【0068】
(4)使用感
各試料を5名のパネラーに使用させ、使用感(べたつきのなさ)について官能評価させ、次の評価基準により点数化させた。評価結果は、5名のパネラーの評価点の合計が8点以上である場合を「○」、4点以上7点以下である場合を「△」、3点以下である場合を「×」として示した。
<評価基準>
2点;べたつきが全く感じられない
1点;べたつきがやや感じられる
0点;べたつきが明らかに感じられる
【0069】
(5)臭い
各試料を40℃で7日間保存した後、5名のパネラーに使用させて、塗布時に感じる臭いについて官能評価させ、次の評価基準により点数化させた。評価結果は、5名のパネラーの評価点の合計が8点以上である場合を「○」、4点以上7点以下である場合を「△」、3点以下である場合を「×」として示した。
<評価基準>
2点;塗布時に全く臭いを感じない
1点;塗布時にやや臭いを感じる
0点;塗布時に明らかに臭いを感じる
【0070】
本試験の結果を表1に併せて示した。
【0071】
【表1】
【0072】
表1に示されるように、(B)成分であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有しない試料1〜3では、3−O−アルキル−L−アスコルビン酸は良好に可溶化されず、透明な組成物は得られなかった。
また、(A)成分の代わりに、炭素数が16のアルキル基を有する3−O−ヘキサデシル−L−アスコルビン酸(A’)を用いた試料6では、(B)成分であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有するにもかかわらず、3−O−アルキル−L−アスコルビン酸が良好に可溶化されずに、透明な組成物は得られなかった。
【0073】
[試験例2]ノニオン界面活性剤の影響の検討
ノニオン界面活性剤の種類が化粧料組成物の透明性、可溶化安定性、保存安定性及び使用感に及ぼす影響を検討した。
(A)成分である3−O−オクチル−L−アスコルビン酸又は3−O−ドデシル−L−アスコルビン酸、並びに表2に示すノニオン界面活性剤を、それぞれ表2に示す量にて水に加えて混合し、それぞれ試料1〜14とした。
なお、(B)成分及び(B’)成分のノニオン界面活性剤としては、それぞれ以下の製品(いずれも日光ケミカルズ株式会社製)を用いた。
(i)ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル;「NIKKOL PBC−44」
(ii)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート;「NIKKOL TS−10V」
(iii)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート;「NIKKOL TO−10V」
(iv)ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル;「NIKKOL PBC−34」
(v)ポリオキシエチレン(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタン;「NIKKOL TL−10」
(vi)ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル;「NIKKOL BO−20V」
(vii)ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油;「NIKKOL HCO−40」
(viii)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油;「NIKKOL HCO−60」
(ix)ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油;「NIKKOL HCO−100」
(x)ポリオキシエチレン(30)フィトステロール;「NIKKOL BPS−30」
各試料について、[試験例1]と同様に、透明性、可溶化安定性、保存安定性、使用感及び臭いを評価した。
結果は、表2に併せて示した。
【0074】
【表2】
【0075】
表2に示されるように、ノニオン界面活性剤として、(B)成分であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(HLB値=12.5又は16.5)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB値=14.9、15.0又は16.9)及びポリオキシエチレンアルケニルエーテル(HLB値=17.0)のそれぞれを用いた試料1〜8では、透明な組成物の生成が見られた。
これに対し、(B)成分の代わりに、(B’)成分であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いた試料9及び11〜13、並びに(B’)成分であるポリオキシエチレンステロールエーテルを用いた試料10及び14では、良好な透明性を有する組成物の生成は見られず、安定な可溶化状態を示す組成物は得られなかった。
【0076】
[実施例1〜5]化粧料組成物
表3に示す処方に従って、実施例1〜5の化粧料組成物を調製した。その際、(B)成分であるポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(HLB値=15.0)としては、「NIKKOL TO−10V」(日光ケミカルズ株式会社製)を用いた。また、(C)成分である油剤としては、以下の製品を用いた。
(i)N−ラウロイルサルコシンイソプロピル;「エルデュウ SL−205」(味の素株式会社製)
(ii)N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル);「エルデュウ PS−203」(味の素株式会社製)
(iii)ジリノール酸ジイソプロピル;「KAK DADIP−R」(高級アルコール工業株式会社製)
(iv)リンゴ酸ジイソステアリル;「ハイマレート DIS」(高級アルコール工業株式会社製)
(v)モノオレイルグリセリルエーテル;「NIKKOL セラキルアルコール」(日光ケミカルズ株式会社製)
【0077】
[比較例1〜5]化粧料組成物
上記実施例1〜5において、(C)成分の(i)〜(v)の油剤の代わりに、下記(vi)〜(x)の油剤((C’)成分)をそれぞれ使用し、同様に調製したものを比較例1〜5とした。
(vi)スクワラン;「NIKKOL 精製オリーブスクワラン」(日光ケミカルズ株式会社製)
(vii)パーシック油;「NIKKOL 杏仁油」(日光ケミカルズ株式会社製)
(viii)プロピレングリコールカプリル酸エステル;「NIKKOL Sefsol−218」(日光ケミカルズ株式会社製)
(ix)2−エチルヘキサン酸セチル;「NIKKOL CIO」(日光ケミカルズ株式会社製)
(x)イソステアリルアルコール;「リソノール 18SP」(高級アルコール工業株式会社製)
【0078】
上記実施例1〜5及び比較例1〜5の各化粧料組成物について、[試験例1]の場合と同様に、透明性、可溶化安定性、保存安定性、使用感及び臭いを評価し、評価結果を表3に併せて示した。
【0079】
【表3】
【0080】
表3に示されるように、本発明の実施例1〜5の化粧料組成物は、いずれも良好な透明性を示し、可溶化安定性及び保存安定性に優れ、べたつきのない良好な使用感を有し、問題となる臭いも認められなかった。
これに対し、本発明の(C)成分である油剤の代わりに、(C’)成分である炭化水素油(スクワラン)及び多価アルコールの脂肪酸エステル(プロピレングリコールカプリル酸エステル)をそれぞれ用いた比較例1及び3の化粧料組成物では、透明性及び可溶化安定性が不十分で、保存安定性が悪く、顕著な着色が認められた。また、(C)成分である油剤の代わりに、(C’)成分である植物油(パーシック油)及び脂肪酸エステル(2−エチルヘキサン酸セチル)をそれぞれ用いた比較例2及び4の化粧料組成物では、可溶化安定性が悪く、保存安定性も不十分であった。(C’)成分である高級脂肪族アルコール(イソステアリルアルコール)を用いた比較例5の化粧料組成物では、透明性及び可溶化安定性が悪く、保存安定性も不十分であった。さらに、比較例3の化粧料組成物を除き、べたつきが若干感じられ、十分に満足できる使用感は得られておらず、比較例2〜4の化粧料組成物については、臭いも若干感じられた。