(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フラグ管理部は、更に、前記押下部が押下された状態の継続期間が前記第2継続期間閾値よりも長い第3継続期間閾値以上になると、前記クリックフラグを前記第4値から前記第1値へ変更する、
請求項2に記載のユーザインタフェース装置。
前記操作部は、タッチ面を有し、前記タッチ面に接触するユーザの身体の一部のトラッキングを行うトラッキング部と、ユーザにより前記タッチ面が押下されたときの圧力を検出する感圧部と、を有する感圧トラッキングセンサを有し、
前記移動検出部は、前記トラッキング部を有し、
前記押下部は、前記感圧部を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のユーザインタフェース装置。
ユーザにより操作されると操作内容を示す操作情報を送出する複数の操作部の全てから取得した操作情報の組み合わせまたは前記操作情報の履歴の組み合わせに基づいて、情報処理装置で実行されるコマンドを特定する特定部と、コマンドテーブルと、を有し、
前記複数の操作部が操作されることにより、前記複数の操作部のうちの1つがユーザにより操作されたときに特定されるコマンドとは異なるコマンドが特定され、
前記特定部は、前記複数の操作部の全ての操作情報の履歴の組み合わせに基づいて、前記複数の操作部のうちの1つの操作部の操作情報の履歴のみに対応するコマンドとは異なるコマンドを特定し、
前記複数の操作部は、それぞれ、
ユーザの身体の少なくとも一部の移動速度および移動方向を検出する移動検出部と、
ユーザにより押下される押下部と、を有し、
前記操作情報は、
前記移動速度を示す移動速度情報と、
前記移動方向を示す移動方向情報と、
前記押下部が押下されていることを示す押下情報と、
前記押下情報の遷移を示す遷移情報と、を含み、
前記コマンドテーブルは、前記複数の操作部それぞれの押下情報の遷移履歴と、前記移動速度に基づいて判別される前記ユーザの動作の有無と、前記移動速度情報および前記移動方向情報を使用するコマンドを含む複数のコマンドとを対応づける、
接続装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態1に係る情報処理システムは、
図1Aに示すように、2つのリング型(指輪型)の操作部11A、11Bと接続装置12とパーソナルコンピュータ(PC)16とを備える。各操作部11A、11Bは、それぞれユーザの左手LHの人差し指と右手RHの人差し指とに嵌められた状態で使用される。ユーザは、各操作部11A、11Bを操作して表示装置15の画面15a上に映し出されるカーソル画像を移動させる操作やスクロール操作を行うことができる。また、ユーザは、キーボード17を用いてPC16へ文字情報を入力することもできる。各操作部11A、11Bは、接続装置12と無線通信し、ユーザにより操作されると操作内容を示す操作情報を接続装置12へ送る。これにより、ユーザは、操作部11A、11Bを用いてPC16へ情報を入力することができる。
【0025】
操作部11A、11Bは、
図1Bに示すように、本体部111A、111Bとトラッキングセンサ(移動検出部)112A、112Bとプッシュスイッチ113A、113Bとを備える。なお、以下では、操作部11Aが添え字Aの構成のみ、操作部11Bが添え字Bの構成のみを備えているものとして説明する。本体部111A、111Bは、円筒状であり、内側にユーザの人差し指の挿入が可能な大きさである。トラッキングセンサ112A、112Bは、撮像素子を用いた光学式トラッキングセンサから構成され、タッチ面1129A、1129Bが本体部111A、111Bの周面に露出するように配置されている。このトラッキングセンサ112A、112Bは、指の先端がタッチ面1129A、1129Bに触れたときにトラッキングを開始し、指の先端がタッチ面1129A、1129Bから離れた時点でトラッキングを終了する。
【0026】
このトラッキングセンサ112A、112Bは、ユーザがタッチ面1129A、1129B上で親指の先端を摺動させたときの、親指の先端の移動量および移動方向を検出する。プッシュスイッチ113A、113Bは、感圧素子から構成されている。プッシュスイッチ113A、113Bは、トラッキングセンサ112A、112Bにおけるタッチ面1129A、1129B側とは反対側に対向して配置されている。そして、ユーザがタッチ面1129A、1129Bを押し込むとトラッキングセンサ112A、112Bにおけるタッチ面1129A、1129B側の部分がプッシュスイッチ113A、113Bの感圧部に圧接しプッシュスイッチ113A、113Bが押下される。以下、適宜ユーザの左手LHの人差し指に嵌められた操作部を「左側操作部」、ユーザの右手RHの人差し指に嵌められた操作部を「右側操作部」と称する。また、ユーザが親指の先端をトラッキングセンサ112A、112Bに当ててから親指の先端を摺動させると、トラッキングセンサ112A、112Bが親指の先端のトラッキングを実行する。
【0027】
操作部11A、11Bは、
図2に示すように、マイコン110A、110Bと無線通信部116A、116Bとを更に備える。マイコン110A、110Bおよび無線通信部116A、116Bは、本体部111A、111Bに内蔵されている。無線通信部116A、116Bは、モデム機能と無線通信機能とを備え、制御部114A、114Bから入力される操作情報を無線信号として接続装置12へ送信するとともに、接続装置12から無線信号として受信した情報を制御部114A、114Bへ出力する。無線通信部116A、116Bは、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)のような無線通信規格に応じた通信方式により接続装置12との間で無線通信する。
【0028】
マイコン110A、110Bは、制御部114A、114BとRAM(Random Access Memory)115A、115BとROM(Read Only Memory)119A、119Bと入出力部(図示せず)とを備える。RAM115A、115Bは、トラッキングセンサ112A、112Bから入力される信号から生成された、移動速度を示す移動速度情報と移動方向を示す移動方向情報とを記憶する。また、RAM115A、115Bは、プッシュスイッチ113A、113Bが押下されているか否かを示す押下フラグ(押下情報)を記憶する。更に、RAM115A、115Bは、制御部114A、114Bの作業領域としても使用される。ROM119A、119Bには、制御部114A、114Bが実行するプログラムが格納されている。
【0029】
制御部114A、114Bは、CPU(Central Processing Unit)を有し、CPUがROM119A、119BからプログラムをRAM115A、115Bに読み込んで実行することにより、操作読取部1141A、1141B、通信制御部1142A、1142Bとして機能する。操作読取部1141A、1141Bは、トラッキングセンサ112A、112Bから入力される信号を移動速度情報と移動方向情報とに変換してRAM115A、115Bに記憶させる。また、操作読取部1141A、1141Bは、プッシュスイッチ113A、113Bから入力される信号に応じて押下フラグ情報に変換してRAM115A、115Bに記憶させる。通信制御部1142A、1142Bは、移動速度情報、移動方向情報および押下フラグ情報に送信元と送信先の情報を付加して無線通信部116A、116Bへ出力する。
【0030】
PC16は、処理部161と記憶部162と表示インタフェース163と2つのUSB(Universal Serial Interface)インタフェース164、165とを備える。表示インタフェース163は、シリアルインタフェースであり、表示装置15に接続されている。表示装置15は、ディスプレイから構成される。USBインタフェース164は、キーボード17に接続されている。USBインタフェース165は、接続装置12に接続されている。
【0031】
接続装置12は、制御部121とRAM122aとROM122bとUSBインタフェース123と無線通信部124とを備える。USBインタフェース123は、PC16のUSBインタフェース165に接続されている。
【0032】
無線通信部124は、モデム機能と無線通信機能とを備え、制御部121から入力される情報を無線信号として操作部11A、11Bへ送信するとともに、操作部11A、11Bから無線信号として受信した情報を制御部121へ出力する。無線通信部124は、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)のような無線通信規格に応じた通信方式により操作部11A、11Bとの間で無線通信する。
【0033】
RAM122aは、フラグ記憶部1221と遷移履歴記憶部1222と移動情報記憶部1223とコマンド記憶部1224とを有する。移動情報記憶部1223は、左側操作部11Aから受信した移動速度情報および移動方向情報と、右側操作部11Bから受信した移動速度情報および移動方向情報とを区別して記憶している。ROM122bは、テーブル記憶部1225を有する。また、ROM122bには、制御部121が実行するプログラムを格納する。なお、このテーブル記憶部1225は、制御部121がROM122bからプログラムをRAM122aに読み出して実行する際に、RAM122aに設けられるものであってもよい。
【0034】
フラグ記憶部1221は、操作部11A、11Bのプッシュスイッチ113A、113Bが押下されているか否かを示す押下フラグを記憶する。フラグ記憶部1221は、操作部11A、11Bの現在の押下フラグと直前の押下フラグとを区別して記憶している。ここで、「現在の押下フラグ」は、操作部11A、11Bから新たに受信した操作情報に含まれる押下フラグと同一の内容に設定されている。また、「直前の押下フラグ」は、操作部11A、11Bから新たに操作情報を受信した時点よりも過去に受信した操作情報のうちの直近の操作情報に含まれる押下フラグと同一の内容に設定されている。また、フラグ記憶部1221は、プッシュスイッチ113A、113Bの押下の有無と押下されている場合にその押下されている時間の長さとに応じて「FC0」(第1値)、「FC3」(第2値)、「FC2」(第3値)および「FC1」(第4値)のいずれかに更新されるクリックフラグを記憶している。
【0035】
遷移履歴記憶部1222は、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aの状態遷移の履歴と右側操作部11Bのプッシュスイッチ113Bの状態遷移の履歴とを区別して記憶している。遷移履歴記憶部1222は、プッシュスイッチ113A、113Bの押下された状態への遷移を示す遷移情報「D」と押下された状態で維持されていることを示す遷移情報「P」と押下されていない状態への遷移を示す遷移情報「U」と押下されていない状態で維持されていることを示す遷移情報「N」とを記憶している。遷移履歴記憶部1222は、プッシュスイッチ113A、113Bの状態遷移の履歴に応じて、遷移情報「D」、遷移情報「P」、遷移情報「U」、遷移情報「N」を時系列で記憶している。また、遷移履歴記憶部1222は、操作部11A、11Bそれぞれのプッシュスイッチ113A、113Bの状態遷移の履歴を記憶している。左側操作部11Aの押下遷移フラグが遷移情報「D」または遷移情報「P」に設定されている場合、接続装置12は、ユーザが右側操作部11Bのトラッキングセンサ112Bを操作してドラッグ操作を行うことが可能な「ドラッグモード」で動作する。
【0036】
右側操作部11Bの押下遷移フラグが遷移情報「D」または遷移情報「P」に設定されている場合、接続装置12は、ユーザが左側操作部11Aのトラッキングセンサ112Aを操作してスクロール操作を行うことが可能な「スクロールモード」で動作する。左側操作部11Aの押下遷移フラグが遷移情報「D」または遷移情報「P」に設定されている場合、接続装置12は、ユーザが左側操作部11Aのトラッキングセンサ112Aを操作して拡大縮小操作を行うことが可能な「拡大縮小モード」で動作する。なお、キーボード17のコントロールキー(Ctlキー)を押しながらスクロールモードで操作した場合も、表示部15に表示される画面の拡大縮小操作を行うことができる。
【0037】
コマンド記憶部1224は、後述の特定部1213が特定したコマンドを記憶する。
【0038】
テーブル記憶部1225は、
図3に示すようなコマンドテーブルTA1を記憶している。コマンドテーブルTA1は、左側操作部11Aの押下操作の有無およびトラッキングセンサ112Aでのスライド操作の有無と、右側操作部11Bの押下操作の有無およびトラッキングセンサ112Bでのスライド操作の有無と、PC16で実行されるコマンドと、が対応付けられている。「スライド操作の有無」は、トラッキングセンサ112A、112Bで検出されるユーザの親指の先端の移動量に基づいて判別される。また、「押下操作有り」は、遷移情報が「D」、「P」、「U」のいずれかであることに相当し、「押下操作無し」は、遷移情報が「N」であることに相当する。
【0039】
図2に戻って、制御部121は、CPUがROM122bからプログラムをRAM122aに読み込んで実行することにより、取得部1211、フラグ管理部1212、特定部1213、コマンド送信部1214および計時部1215として機能する。ここで、制御部121とRAM122aとROM122bとは、操作部11A、11Bから押下フラグ、移動速度情報および移動方向情報を取得する入力インタフェース1210を構成する。そして、この入力インタフェース1210と無線通信部124とを備える接続装置12と2つの操作部11A、11Bとからユーザインタフェース装置1が構成されている。
【0040】
取得部1211は、操作部11A、11Bから取得した操作情報から移動速度情報および移動方向情報を抽出して移動情報記憶部1223に記憶させる。フラグ管理部1212は、取得部1211が取得した操作情報から押下フラグの内容を示す情報を抽出してその情報に応じてフラグ記憶部1221が記憶する左側操作部11A、右側操作部11Bそれぞれに対応する押下フラグの内容を設定する。また、フラグ管理部1212は、フラグ記憶部1221が記憶する押下フラグの履歴に基づいて、遷移履歴記憶部1222が記憶する遷移情報の内容を設定する。更に、フラグ管理部1212は、遷移履歴記憶部1222が記憶する遷移情報に基づいて、後述のクリックフラグの内容を設定する。
【0041】
特定部1213は、遷移履歴記憶部1222が記憶する遷移情報に基づいて、コマンド送信部1214が送信するコマンドを特定する。このとき、特定部1213は、テーブル記憶部1225が記憶するコマンドテーブルを参照する。特定部1213は、各操作部11A、11Bについてその移動速度情報が示す移動量が0でないと判断した場合、その各操作部11A、11Bについて「スライド操作有り」と判別する。一方、特定部1213は、各操作部11A、11Bについてその移動速度情報が示す移動速度が0と判断した場合、その各操作部11A、11Bについて「スライド操作無し」と判別する。また、特定部1213は、特定したコマンドをコマンド記憶部1224に記憶させる。
【0042】
コマンド送信部1214は、特定部1213により特定されたコマンドをコマンド記憶部1224から取得してPC16へ送信する。コマンドとしては、
図3に示すような各種コマンドが挙げられる。コマンド送信部1214が「高速カーソル移動」のコマンドをPC16へ送信するとする。この場合、コマンドには、取得部1211が操作部11A、11Bの両方から取得した移動速度情報が示すトラッキングセンサ112A、112B双方で検出された移動速度の和を示す情報が含まれている。そして、PC16の処理部161は、そのコマンドを受信すると、コマンドに含まれるトラッキングセンサ112A、112B双方で検出された移動速度をパラメータとする関数の値に応じて、表示装置15の画面15a上でのカーソルの移動処理を実行する。
【0043】
また、コマンド送信部1214が「高速スクロール」および「高速ドラッグ」のコマンドをPC16へ送信する場合も、コマンドには、取得部1211が操作部11A、11Bの両方から取得した移動速度情報が示すトラッキングセンサ112A、112B双方で検出された移動速度の和を示す情報が含まれている。そして、PC16の処理部161は、コマンドに含まれるトラッキングセンサ112Aおよびトラッキングセンサ112Bの双方で検出される移動速度をパラメータとする関数の値に応じて、表示装置15の画面15a上でのカーソルの移動処理を実行する。
【0044】
このように「高速カーソル移動」、「高速スクロール」および「高速ドラッグ」というコマンドを有することにより、カーソルの移動速度やスクロールの速度、ドラッグの速度を大きくすることができる。従って、2つの操作部11A、11Bに対する操作を連携させることより、カーソルの移動範囲やスクロールの範囲、ドラッグで指定できる範囲を大きくすることができる。
【0045】
図2に戻って、計時部1215は、取得部1211が操作部11A、11Bから操作情報を取得すべき時期である操作情報取得時期が到来すると到来情報を取得部1211へ通知する。この取得部1211が操作部11A、11Bが操作部11A、11Bから操作情報を取得すべき時期は予め設定されている。
【0046】
次に、本実施の形態に係る接続装置12の制御部121が実行するコマンド特定処理、クリックフラグ判定処理およびプレスロック自動解除処理について
図4から
図7を参照しながら説明する。クリックフラグ判定処理およびプレスロック自動解除処理は、コマンド特定処理の途中で呼び出される。コマンド特定処理は、接続装置12へ電源が投入されたことを契機として開始される。また、初めにコマンド特定処理について
図4を参照しながら説明する。
【0047】
まず、計時部1215は、
図4に示すように、取得部1211が操作部11A、11Bから操作情報を取得すべき時期である操作情報取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS101)。この操作情報取得時期は2msec間隔で到来するように設定することができる。計時部1215は、操作情報取得時期が到来しない場合(ステップS101:No)、ステップS101の処理を繰り返し実行する。一方、計時部1215により操作情報取得時期が到来したと判定されると(ステップS101:Yes)、取得部1211は、操作部11A、11Bから操作情報を受信したか否かを判定する(ステップS102)。取得部1211が操作情報を受信していない場合(ステップS102:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、取得部1211は、操作情報を受信した場合(ステップS102:Yes)、まず、左側操作部11Aの操作情報に含まれる左側操作部11Aの移動速度情報と移動方向情報とを移動情報記憶部1223に記憶させる(ステップS103)。
【0048】
続いて、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aの操作情報に含まれる押下フラグの内容を示す情報を参照して、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aが押下されているか否かを判定する(ステップS104)。フラグ管理部1212は、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aが押下されていると判定すると(ステップS104:Yes)、フラグ記憶部1221が記憶する現在の左側操作部11Aの押下フラグを「F1」に設定する(ステップS105)。一方、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aが押下されていないと判定すると(ステップS104:No)、現在の左側操作部11Aの押下フラグを「F0」に設定する(ステップ106)。なお、ステップS105、S106の処理において、フラグ管理部1212は、直前の押下フラグの内容を、そのときの現在の押下フラグの内容と同じ内容に更新してから、現在の押下フラグの内容を判定結果に基づいて更新する。
【0049】
その後、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aについて、直前の押下フラグの内容と現在の押下フラグの内容とを比較して、押下フラグが「F0」から「F1」へ変化したか否かを判定する(ステップS107)。フラグ管理部1212は、押下フラグが「F0」から「F1」へ変化したと判定すると(ステップS107:Yes)、遷移履歴記憶部1222の左側操作部11Aの状態遷移履歴に遷移情報「D」を追加してから(ステップS108)、後述のステップS114の処理を実行する。
【0050】
一方、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aの押下フラグが「F0」から「F1」へ変化していないと判定したとする(ステップS107:No)。この場合、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aについて、押下フラグが「F1」で維持されているか否かを判定する(ステップS109)。フラグ管理部1212は、押下フラグが「F1」で維持されていると判定すると(ステップS109:Yes)、遷移履歴記憶部1222の左側操作部11Aの状態遷移履歴に遷移情報「P」を追加してから(ステップS110)、後述のステップS114の処理を実行する。
【0051】
一方、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aの押下フラグが「F1」で維持されていないと判定したとする(ステップS109:No)。この場合、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aについて、押下フラグが「F1」から「F0」へ変化したか否かを判定する(ステップS111)。フラグ管理部1212は、押下フラグが「F1」から「F0」へ変化したと判定すると(ステップS111:Yes)、遷移履歴記憶部1222の左側操作部11Aの状態遷移履歴に遷移情報「U」を追加してから(ステップS112)、後述のステップS114の処理を実行する。
【0052】
一方、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aの押下フラグが「F1」から「F0」へ変化していないと判定すると(ステップS111:No)、遷移履歴記憶部1222の左側操作部11Aの状態遷移履歴に遷移情報「N」を追加する(ステップS113)。
【0053】
次に、右側操作部11Bについて、前述のステップS104からステップS113までの一連の処理による遷移情報の生成が完了しているか否かを判定する(ステップS114)。フラグ管理部1212は、右側操作部11Bについて遷移情報の生成を完了していないと判定すると(ステップS114:No)、右側操作部11BについてステップS104からステップS113までの一連の処理を実行する。
【0054】
一方、フラグ管理部1212により右側操作部11Bについて遷移情報の生成が完了していると判定されると(ステップS114:Yes)、特定部1213が、
図3に示すようなコマンドテーブルTA1を参照して、直近の遷移情報、移動速度情報および移動方向情報と、に基づいて、コマンド送信部1214が実行すべきコマンドを特定する(ステップS115)。
【0055】
続いて、フラグ管理部1212は、コマンド記憶部1224を参照して、特定部1213が特定したコマンドが「左クリック」コマンドであるか否かを判定する(ステップS116)。フラグ管理部1212により「左クリック」コマンドであると判定されると(ステップS116:Yes)、後述のクリックフラグ判定処理が実行され(ステップS117)、その後、後述のステップS118の処理が実行される。
【0056】
一方、フラグ管理部1212は、「左クリック」コマンドでないと判定されると(ステップS116:No)、特定部1213が特定したコマンドが「操作無し」コマンドであるか否かを判定する(ステップS119)。フラグ管理部1212により「操作無し」コマンドであると判定されると(ステップS119:Yes)、後述のプレスロック自動解除処理が実行され(ステップS120)、その後、後述のステップS118の処理が実行される。
【0057】
一方、フラグ管理部1212により「操作無し」コマンドでないと判定されると(ステップS119:No)、コマンド送信部1214は、特定部1213が特定したコマンドをPC16へ送信する(ステップS118)。PC16では、処理部161が、接続装置12から特定部1213が特定したコマンドを受信すると、受信したコマンドを実行する。
【0058】
次に、接続装置12が実行するクリックフラグ判定処理について
図5および
図6A乃至
図6Dを参照しながら説明する。前述のステップS116において、特定部1213が特定したコマンドが「左クリック」コマンドと判定された場合、フラグ管理部1212は、遷移履歴記憶部1222の操作部11A、11Bの遷移情報の履歴を参照して、直近の遷移情報が「D」であるか否かを判定する(ステップS122)。フラグ管理部1212は、直近の遷移情報が「D」でないと判定すると(ステップS122:No)、後述のステップS124の処理を実行する。一方、フラグ管理部1212は、直近の遷移情報が「D」であると判定すると(ステップS122:Yes)、フラグ記憶部1221が記憶するクリックフラグを「FC3」に設定する(ステップS123)。その後、後述のステップS136の処理が実行される。
【0059】
ステップS124では、フラグ管理部1212が、遷移履歴記憶部1222の操作部11A、11Bの遷移情報の履歴を参照して、直近の遷移情報が「U」であるか否かを判定する。フラグ管理部1212は、直近の遷移情報が「U」でないと判定すると(ステップS124:No)、後述のステップS127の処理を実行する。一方、フラグ管理部1212は、直近の遷移情報が「U」であると判定すると(ステップS124:Yes)、フラグ記憶部1221が記憶するクリックフラグが「FC1」に設定されているか否かを判定する(ステップS125)。フラグ管理部1212によりクリックフラグが「FC1」に設定されていると判定されると(ステップS125:Yes)、後述のステップS136の処理が実行される。一方、フラグ管理部1212は、クリックフラグが「FC1」以外に設定されていると判定されると(ステップS125:No)、クリックフラグを「FC0」に設定する(ステップS126)。その後、後述のステップS136の処理が実行される。
【0060】
ステップS127では、フラグ管理部1212が、遷移履歴記憶部1222の操作部11A、11Bの遷移情報の履歴を参照して、直近の遷移情報が「P」であるか否かを判定する。フラグ管理部1212により直近の遷移情報が「P」でないと判定されると(ステップS127:No)、後述のステップS136の処理が実行される。一方、フラグ管理部1212は、直近の遷移情報が「P」であると判定すると(ステップS127:Yes)、フラグ記憶部1221が記憶するクリックフラグが「FC3」に設定されているか否かを判定する(ステップS128)。
【0061】
フラグ管理部1212は、クリックフラグが「FC3」に設定されていると判定すると(ステップS128:Yes)、直近の遷移情報「P」の継続期間が予め設定された第1継続期間以上であるか否かを判定する(ステップS129)。この第1継続期間は、50msecに設定することができる。フラグ管理部1212により直近の遷移情報「P」の継続期間が予め設定された第1継続期間閾値未満であると判定されると(ステップS129:No)、そのまま後述のステップS136の処理が実行される。
【0062】
一方、フラグ管理部1212は、直近の遷移情報「P」の継続期間が予め設定された第1継続期間閾値以上であると判定されると(ステップS129:Yes)、クリックフラグを「FC2」に設定する(ステップS130)。その後、後述のステップS136の処理が実行される。
【0063】
即ち、フラグ管理部1212は、
図6Aに示すように、直近の遷移情報「P」の継続期間△Tが予め設定された第1継続期間閾値△Tth1よりも短い場合、クリック操作が無かったと判定しクリックフラグの内容を「FC3」で維持する。一方、フラグ管理部1212は、
図6Bに示すように、直近の遷移情報「P」の継続期間△Tが予め設定された第1継続期間閾値△Tth1よりも長い場合、クリック操作が有ったと判定しクリックフラグを「FC2」に設定する。
【0064】
図5に戻って、フラグ管理部1212は、クリックフラグが「FC3」に設定されていないと判定すると(ステップS128:No)、フラグ記憶部1221が記憶するクリックフラグが「FC2」に設定されているか否かを判定する(ステップS131)。
【0065】
フラグ管理部1212は、クリックフラグが「FC2」に設定されていると判定すると(ステップS131:Yes)、遷移情報「P」の継続期間が第2継続期間閾値以上であるか否かを判定する(ステップS132)。第2継続時間は、第1継続時間よりも長い時間に設定される。この第1継続期間は、1000〜2000msecに設定することができる。フラグ管理部1212により遷移情報「P」の継続期間が第2継続期間閾値未満であると判定されると(ステップS132:No)、そのまま後述のステップS136の処理が実行される。一方、フラグ管理部1212は、遷移情報「P」の継続期間が第2継続期間閾値以上であると判定すると(ステップS132:Yes)、フラグ記憶部1221のクリックフラグを「FC1」に設定する(ステップS133)。その後、後述のステップS136の処理が実行される。
【0066】
即ち、フラグ管理部1212は、
図6Cに示すように、直近の遷移情報「P」の継続期間△Tが予め設定された第2継続期間閾値△Tth2よりも長い場合、プレスロック(長押し)状態であると判定しクリックフラグを「FC1」に設定する。
【0067】
図5に戻って、一方、フラグ管理部1212によりクリックフラグが「FC2」に設定されていないと判定されると(ステップS131:No)、コマンド送信部1214が、クリックフラグの内容を示すクリックフラグ情報を、PC16へ送信する(ステップS136)。その後、再びコマンド特定処理に戻る。
【0068】
次に、接続装置12が実行するプレスロック自動解除処理について
図7を参照しながら説明する。前述のステップS119において、特定部1213が特定したコマンドが「操作無し」コマンドと判定された場合、フラグ管理部1212は、フラグ記憶部1221が記憶するクリックフラグが「FC1」に設定されているか否かを判定する(ステップS141)。フラグ管理部1212によりクリックフラグが「FC1」以外に設定されていると判定されると(ステップS141:No)、そのままコマンド特定処理に戻る。
【0069】
一方、クリックフラグが「FC1」に設定されていると判定されると(ステップS141:Yes)、遷移情報「P」の継続期間が第3継続期間閾値以上であるか否かを判定する(ステップS142)。第3継続時間は、第2継続時間よりも長い時間に設定される。この第3継続期間は、1minに設定することができる。フラグ管理部1212により遷移情報「P」の継続期間が第3継続期間閾値未満であると判定されると(ステップS142:No)、そのままコマンド特定処理に戻る。一方、フラグ管理部1212は、遷移情報「P」の継続期間が第3継続期間閾値以上であると判定すると(ステップS142:Yes)、フラグ記憶部1221のクリックフラグを「FC0」に設定する(ステップS143)。その後、コマンド特定処理に戻る。
【0070】
即ち、フラグ管理部1212は、
図6Dに示すように、直近の遷移情報「P」の継続期間△Tが、クリックフラグが「FC1」に設定された状態で、予め設定された第3継続期間閾値△Tth3よりも長くなる場合、プレスロック(長押し)状態を強制的に解除すると判定しクリックフラグを「FC0」に設定する。
【0071】
次に、このユーザインタフェースの使用方法について説明する。ここでは、テーブル記憶部1225が、
図3に示すようなコマンドテーブルTA1を記憶している場合について説明する。
【0072】
[ドラッグ+コピー操作]
ユーザは、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aを押下したまま右側操作部11Bのトラッキングセンサ112Bを操作することにより、ドラッグ操作を行うことができる。ドラッグ操作モードを終了する場合、ユーザは左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aを解放(遷移情報「U」に対応)する。ドラッグ操作により指定した領域をコピーする場合、ユーザは、まず、両操作部11A、11Bのプッシュスイッチ113A、113Bを同時に押下して選択メニューを画面15aに表示させる。次に、ユーザは、操作部11A、11Bのトラッキングセンサ112A、112Bのいずれかを操作して選択メニュー内でカーソルを移動させてカーソルを選択メニューの「コピー」に合わせる。その後、ユーザは、操作部11A、11Bのプッシュスイッチ113A、113Bのいずれかを押下すれば、ドラッグ操作により指定した領域のコピーが実行される。
【0073】
[スクロール操作]
ユーザは、右側操作部11Bのトラッキングセンサ112Bを操作するだけでスクロール操作を行うことができる。なお、ユーザは、右側操作部11Bのプッシュスイッチ113Bを押下したまま左側操作部11Aのトラッキングセンサ112Aを操作することでもスクロール操作を行うことができる。また、スクロール操作モードを終了する場合、ユーザは右側操作部11Bのプッシュスイッチ113Bを解放(遷移情報「U」に対応)する。
【0074】
[拡大縮小操作]
ユーザは、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aを一度押下したまま左側操作部11Aのトラッキングセンサ112Aを操作することにより、拡大縮小操作を行うことができる。なお、ユーザは、キーボード17のCtlキーを押したままスクロールモードで操作した場合も、拡大縮小を行なうことができる。拡大縮小操作モードを終了する場合、ユーザは左側操作部11Aのトラッキングセンサ112Aを開放(遷移情報「U」に対応)する。
【0075】
[高速カーソル移動操作]
ユーザが両操作部11A、11Bのトラッキングセンサ112A、112Bのタッチ面1129A、1129B上で親指の先端を摺動させたとする。この場合、画面15aに表示されたカーソルの移動速度は、トラッキングセンサ112A、112Bの双方で検出された移動速度の和に応じて、高速化する。カーソルの移動速度および移動方向は、トラッキングセンサ112A、112Bの双方から得られた移動速度情報および移動方向情報が示す速度および方向についてベクトル合成した速度および方向となる。そして、左側操作部11Aまたは右側操作部11Bのいずれか単独で、カーソルを移動させる操作を行う場合に比べてカーソルを高速に移動させることができる。なお、カーソルの移動速度は、ベクトル合成して得られる速度に限らず、トラッキングセンサ112A、112Bの双方から得られた移動速度情報が示す速度をパラメータとする関数の値で決まる速度であれば他の方法により得られる速度であってもよい。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態に係るユーザインタフェース装置では、特定部1213が、2つの操作部11A、11Bそれぞれの操作情報の遷移履歴に対応するコマンドを特定する。これにより、特定部1213は、2つの操作部11A、11Bそれぞれの押下フラグの遷移情報およびスライド操作の有無の組み合わせの数に相当する複数種類のコマンドからコマンドを特定することができる。即ち、特定部1213は、1つの操作部のみで特定できるコマンドの数に比べて多くのコマンドを特定することができるので、ユーザは操作部11A、11Bに対する各操作に割り当てるコマンドを別のコマンドに切り替えるための操作を行う頻度が低減され。このように、本実施の形態に係るユーザインタフェース装置は、1つの操作部のみを備えるユーザインタフェース装置に比べて操作性に優れている。
【0077】
また、本実施の形態に係るユーザインタフェース装置では、コマンドテーブルTA1において、2つの操作部11A、11Bそれぞれの押下フラグの遷移情報およびスライド操作の有無とPC16で実行されるコマンドとが対応づけられている。そして、特定部1213が、コマンドテーブルTA1を参照して、2つの操作部11A、11Bそれぞれの押下フラグの遷移情報およびスライド操作の有無に対応するコマンドを特定する。これにより、ユーザは、コマンドテーブルTA1の内容を更新するだけで、操作部11A、11Bに対する操作の組み合わせそれぞれに割り当てるコマンドを比較的容易に別のコマンドに切り替えることができる。
【0078】
また、本実施の形態に係るコマンドテーブルTA1は、2つの操作部11A、11Bそれぞれの押下フラグの遷移情報およびスライド操作の有無と、カーソル移動操作やスクロール操作を含む複数のコマンドとを対応づけている。これにより、1つの操作部だけを備えるユーザインタフェース装置の場合に登録できる互いに異なるコマンドの数の5の倍数のコマンドを登録することができる。
【0079】
1つの操作部だけを備えるユーザインタフェース装置では、必要なコマンド数が4個以上16個未満の場合、ユーザが操作部11A、11Bに対する各操作に割り当てるコマンドを別のコマンドに切り替えるための操作を行うための切替部が設けられる必要がある。これに対して、本実施の形態に係るユーザインタフェース装置によれば、このような場合において上記のような切替部を設ける必要がないので、1つの操作部だけを備えるユーザインタフェース装置に比べて、ハードウェア構成、機能構成を簡素化できるという利点がある。
【0080】
更に、本実施の形態に係るフラグ管理部1212は、プッシュスイッチ113A、113Bが押下された状態の継続期間が第1継続期間閾値以上である場合、クリックとして認識し、クリックフラグを「FC3」から「FC2」に変更する。一方、フラグ管理部1212は、プッシュスイッチ113A、113Bが押下された状態の継続期間が第1継続期間閾値未満の場合、クリックとしては認識せず、クリックフラグを「FC3」から「FC0」に更新する。これにより、例えばユーザがクリック操作を意図せずにプッシュスイッチ113A、113Bを押下してしまった場合にクリック操作がなされてしまうことを防止できる。ユーザが、例えば、画面15aに表示されているアイコンをクリック指定して移動させる操作を行う場合、アイコンが単独クリックされてしまうことを回避できる。
【0081】
ところで、指キャップと指キャップの内側に設けられたスイッチと指キャップの外側に設けられたトラックボールとを備え、指に装着して使用することができるポインティングデバイスを備えたユーザインタフェース装置が提供されている。このユーザインタフェース装置では、ユーザが指キャップを指に装着した状態で指キャップの先端を机面に押し付けてクリック操作を行ったり、指キャップの先端を机面上で摺動させてパソコンの表示装置の表示画面上でカーソルを移動させたりする。しかしながら、このユーザインタフェース装置は、指キャップを接触させる机のような物体が必要となりこのような物体が無いところでは使用が制限されてしまう。
【0082】
これに対して、本実施の形態に係る操作部は、ユーザが人指し指に装着することができる円筒状の外形を有する本体部111A、111Bを有している。そして、トラッキングセンサ112A、112Bのタッチ面1129A、1129Bが、本体部111A、111Bの周面に露出するように配置されている。また、プッシュスイッチ113A、113Bもトラッキングセンサ112A、112Bと共通のタッチ面1129A、1129Bにて操作できるように配置されている。これにより、ユーザは、親指の先端をタッチ面1129A、1129Bのみに接触させることによりPC16の操作を行うことができるので、机がないような場所でも使用が制限されることはない。
【0083】
更に、本実施の形態に係るユーザインタフェース装置によれば、キーボードを使用したキー入力操作からカーソルを移動させる操作に切り替える際、例えばマウスを備える構成のように手をキーボードからマウスへ大きく移動させる必要がない。従って、PC16への情報入力の操作を円滑に行うことができる。
【0084】
また、本実施の形態に係るユーザインタフェース装置では、フラグ管理部1212が、クリックフラグが「FC0」以外の値に設定された状態で、第3継続時間閾値を超えると、クリックフラグを強制的に「FC0」に設定する。これにより、例えばユーザがクリック操作をしてPC16を所定の動作モードに設定したとする。この場合、動作モードの設定後、第3継続時間閾値以上の時間が経過すると、クリックフラグが強制的に「FC0」に設定され、所定の動作モードが解除される。これにより、ユーザがPC16を所定の動作モードに設定した後、その動作モードを解除し忘れた場合でも、その後にPC16を使用する他のユーザはその動作モードが解除された状態でPC16を操作することができる。
【0085】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る情報処理システムは、
図8に示すように、キーボード2011と一体に設けられた左側操作部2011Aと右側操作部2011Bとを備える点が実施の形態1と相違する。なお、
図8において実施の形態1と同様の構成については
図1Aと同一の符号を付している。左側操作部2011Aは、トラッキングセンサ2112Aとプッシュスイッチ2113Aとから構成される。右側操作部2011Bも、同様のトラッキングセンサ2112Bとプッシュスイッチ2113Bとから構成される。プッシュスイッチ2113A、2113Bは、トラッキングセンサ2112A、2112Bの裏側に配置されており、ユーザがトラッキングセンサ2112A、2112B全体を押し込むと押下される。トラッキングセンサ2112A、2112Bは、トラックボールを用いたボール式トラッキングセンサから構成され、トラックボールの一部がキーボード2011の外面に露出する形で配置されている。また、PC16には、キーボード2011と通信するための送受信装置2013が接続されている。
【0086】
キーボード2011は、
図9に示すように、マイコン2110と無線通信部2116とを更に備える。なお、
図9において実施の形態1と同様の構成については
図2と同一の符号を付している。マイコン2110および無線通信部2116は、キーボード2011に内蔵されている。無線通信部2116は、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)のような無線通信規格に応じた通信方式により送受信装置2013と無線通信する。マイコン2110は、制御部2114とRAM2115aとROM2115bとを有する。このマイコン2110は、いわゆるUSBホスト機能を有する。
【0087】
制御部2114は、CPUを備え、CPUがROM2115bからプログラムをRAM2115aに読み込んで実行することにより、操作読取部2141、通信制御部2142、取得部1211、フラグ管理部1212、特定部1213、コマンド送信部1214および計時部1215として機能する。
【0088】
RAM2115aは、トラッキングセンサ2112A、2112Bから入力される信号から生成された、移動速度を示す移動速度情報と移動方向を示す移動方向情報とを区別して記憶する。また、RAM2115aは、プッシュスイッチ2113A、2113Bが押下されているか否かを示す押下フラグおよび押下遷移フラグをプッシュスイッチ2113A、2113B毎に記憶する。制御部2114は、操作読取部2141、通信制御部2142として機能する。操作読取部2141は、トラッキングセンサ2112A、2112Bから入力される信号それぞれを移動速度情報と移動方向情報とに変換してRAM2115aに記憶させる。また、操作読取部2141は、プッシュスイッチ2113A、2113Bから入力される信号に応じてRAM2115aの各プッシュスイッチ2113A、2113Bに対応する押下フラグの内容および遷移情報を設定する。更に、操作読取部2141は、キーボード2011の他のキーの操作内容に対応するキーボード制御コマンドを無線通信部2116へ出力する。通信制御部2142は、送受信装置2013から無線通信部2116を介して制御部2114に入力される操作情報送信要求に応じて、コマンドを無線通信部2116へ出力する。
【0089】
この2つの操作部2011A、2011Bを備えたキーボード2011が、ユーザインタフェース装置を構成する。また、制御部2114の取得部1211、フラグ管理部1212、特定部1213、コマンド送信部1214および計時部1215と、RAM2115aと、ROM2115bとから、入力インタフェース2210が構成されている。
【0090】
制御部2114は、あらかじめ設定された時間間隔で2つの操作部2011A、2011Bと、キーボード2011へのキー入力情報と、を取得し、コマンド特定処理を行なった後、コマンドを、無線通信部2116を介してPC16の送受信装置2013へ送信する。送受信装置2013は、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)のような無線通信規格に応じた通信方式により無線通信部2116との間で無線通信する。
【0091】
なお、本実施の形態に係る制御部2114が実行するコマンド特定処理、クリックフラグ判定処理およびプレスロック自動解除処理は、実施の形態1で説明したコマンド特定処理、クリックフラグ判定処理およびプレスロック自動解除処理と同様である。
【0092】
本実施の形態に係るユーザインタフェース装置によれば、キーボード2011に操作部2011A、2011Bが設けられている。これにより、ユーザは、キーボード2011を操作しながら操作部2011A、2011Bを操作してコマンドを実行することができる。
【0093】
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る情報処理システムは、
図10に示すように、キーボード3010に着脱自在に装着された左側操作部3011Aと右側操作部3011Bとを備える点が実施の形態1と相違する。なお、
図10において実施の形態1と同様の構成については
図1Aと同一の符号を付している。キーボード3010は、PC16にケーブルCAを介して有線接続されている。各操作部3011A、3011Bには、トラッキングセンサ3112A、3112Bとプッシュスイッチ3113A、3113Bとが設けられている。プッシュスイッチ3113A、3113Bは、トラッキングセンサ3112A、3112Bの裏側に配置されており、ユーザがトラッキングセンサ3112A、3112Bを押し込むと押下される。トラッキングセンサ3112A、3112Bは、光学式のトラッキングセンサから構成され、タッチ面がキーボード3010の外面に露出する形で配置されている。また、キーボード3010には、操作部3011A、3011Bが装着される装着部3218A、3218Bと、操作部3011A、3011Bを装着部3218A、3218Bから離脱させる際に押下される解除釦3219が設けられている。
【0094】
操作部3011A、3011Bは、
図11に示すように、制御部114A、114BとRAM115A、115BとROM119A、119Bと無線通信部116A、116Bとを更に備える。なお、
図11において実施の形態1と同様の構成については
図2と同一の符号を付している。また、操作部3011A、3011Bは、更に、キーボード3010から電力供給を受けるための電源コネクタ3117A、3117Bと昇降圧回路を有する電源回路3118A、3118Bと二次電池から構成される蓄電部3119A、3119Bとを備える。
【0095】
電源回路3118A、3118Bは、トラッキングセンサ3112A、3112B、制御部114A、114B、RAM115A、115B、ROM119A、119Bおよび無線通信部116A、116Bへ供給する。操作部3011A、3011Bがキーボード3010の装着部3218A、3218Bに嵌め込まれている場合、電源回路3118A、3118Bはキーボード3010から電力供給を受ける。このとき、電源回路3118A、3118Bは蓄電部3119A、3119Bを充電する。一方、操作部3011A、3011Bがキーボード3010の装着部3218A、3218Bから離脱している場合、電源回路3118A、3118Bは蓄電部3119A、3119Bから電力供給を受ける。
【0096】
キーボード3010は、制御部121とRAM122aとROM122bとUSBインタフェース3214と無線通信部3215と電源コネクタ3217A、3217Bとを備える。入力インタフェース1210、USBインタフェース3214および無線通信部3215は、キーボード3010に内蔵されている。無線通信部3215は、実施の形態1で説明した無線通信部116A、116Bと同様の構成を有する。また、制御部121、RAM122aおよびROM122bは、実施の形態1と同様のハードウェア構成を有し、入力インタフェース1210を構成する。
【0097】
USBインタフェース3214は、ケーブルCAを介してPC16のUSBインタフェース164に接続されている。このUSBインタフェース3214は、PC16から入力された情報を制御部121へ出力するとともに制御部121から入力される操作情報をPC16へ出力する。また、USBインタフェース3214は、電源コネクタ3217A、3217Bにも接続されている。
【0098】
電源コネクタ3217A、3217Bは、操作部3011A、3011Bが装着部3218A、3218Bに装着された状態で操作部3011A、3011Bの電源コネクタ3117A、3117Bと電気的に接続される。この状態において、PC16からケーブルCA、USBインタフェース3214を介して供給される電力が、電源コネクタ3217A、3217Bを介して操作部3011A、3011Bへ供給される。
【0099】
PC16は、USBインタフェース3214を介して、キーボード3010との間で情報の授受を実行するとともにキーボード3010へ電力を供給する。このキーボード3010と2つの操作部3011A、3011Bとからユーザインタフェース装置が構成されている。
【0100】
なお、本実施の形態に係る制御部121が実行するコマンド特定処理、クリックフラグ判定処理およびプレスロック自動解除処理は、実施の形態1で説明したコマンド特定処理、クリックフラグ判定処理およびプレスロック自動解除処理と同様である。
【0101】
本実施の形態に係るユーザインタフェース装置によれば、操作部3011A、3011Bがキーボード3010の装着部3218A、3218Bに装着された状態で、操作部3011A、3011Bの蓄電部3119A、3119Bが充電される。これにより、故障が無い限り半永久的に使用できるという利点がある。また、操作部3011A、3011Bがキーボード3010から離脱された状態では、ユーザがPC16やキーボード3010から離れたところでPC16の操作を行うことができるという利点もある。
【0102】
(実施の形態4)
本実施の形態4に係るタブレット型のPC4012では、
図12に示すように、表示部4123とタッチパネル4124とを備え、操作部4011A、4011Bがタッチパネル4124上に設定されている点が実施の形態1と相違する。ユーザは、PC4012の長手方向における両端部を手LH、RHで把持して親指又は他の指で操作部4011A、4011Bを操作できる。各操作部4011A、4011Bは、タッチパネル4124上に設定されたトラッキングセンサ4112A、4112Bとスイッチとして機能する仮想ボタン4113A、4113Bとから構成される。トラッキングセンサ4112A、4112Bの位置と仮想ボタン4113A、4113Bの位置とは表示部4123の画面に表示される。
【0103】
PC4012は、
図13に示すように、制御部4121とRAM4122aとROM4122bとを更に備える。なお、
図13において実施の形態1と同様の構成については
図2と同一の符号を付している。RAM4122aは、フラグ記憶部1221と遷移履歴記憶部1222と位置情報移動情報記憶部4223とコマンド記憶部1224とを有する。位置情報移動情報記憶部4223は、タッチパネル4124の各トラッキングセンサ4112A、4112Bに対応する領域内の現在のタッチ位置を示す位置情報と直前のタッチ位置を示す位置情報とを区別して記憶している。ここで、「直前のタッチ位置」とは、現在のタッチ位置を検出した時点において、その時点よりも過去の最近の時点において検出されたタッチ位置である。また、位置情報移動情報記憶部4223は、トラッキングセンサ4112Aに対応する領域内の直前のタッチ位置と現在のタッチ位置とから算出された移動速度、移動方向を示す移動速度情報、移動方向情報を左側操作部4011Aの移動速度情報、移動方向情報として記憶する。更に、位置情報移動情報記憶部4223は、トラッキングセンサ4112Bに対応する領域内の直前のタッチ位置と現在のタッチ位置とから算出された移動量、移動方向を示す移動速度情報、移動方向情報を右側操作部4011Bの移動速度情報、移動方向情報として記憶する。ROM4122bは、テーブル記憶部1225を有する。また、ROM4122bは、制御部4121が実行するプログラムを記憶する。
【0104】
制御部4121は、CPUを備え、CPUがROM4122bからプログラムをRAM4122aに読み込んで実行する。これにより、制御部4121は、フラグ管理部4212、特定部1213、コマンド実行部4214、計時部1215、左側操作読取部4213A、右側操作読取部4213Bとして機能する。ここで、フラグ記憶部1221、遷移履歴記憶部1222、位置情報移動情報記憶部4223、コマンド記憶部1224、フラグ管理部4212、特定部1213、計時部1215、左側操作読取部4213Aおよび右側操作読取部4213Bは、PC4012に設けられ操作部4011A、4011Bから押下フラグ、移動速度情報および移動方向情報を取得する入力インタフェース4210を構成する。そして、この入力インタフェース4210と2つの操作部4011A、4011Bとからユーザインタフェース装置が構成されている。
【0105】
左側操作読取部4213Aは、タッチパネル4124のトラッキングセンサ4112Aに対応する領域内のタッチ位置において、その領域をスライドする速度を示す移動速度情報とその領域をスライドする方向から得られる移動方向情報とを生成する。左側操作部4213Aは、生成した左側操作部4011Aの移動速度情報および速度情報を位置情報移動情報記憶部4223に記憶させる。右側操作読取部4213Bも左側操作読取部4213Aと同様にして右側操作部4011Aの移動速度情報と速度情報とを生成して位置情報移動情報記憶部4223に記憶させる。
【0106】
次に、本実施の形態に係るPC4012の制御部4121が実行するコマンド特定処理について
図14を参照しながら説明する。なお、
図14において実施の形態1で説明した処理と同様の処理については
図4と同一の符号を付している。また、このコマンド特定処理は、制御部4121がユーザによりタッチパネル4124を介して入力操作を行うための入力操作用アプリケーションが実行されたことを契機として開始される。
【0107】
図14に示すように、計時部1215が、操作情報取得時期が到来したと判定したとする(ステップS101:Yes)。この場合、左側操作読取部4213Aは、タッチパネル4124のトラッキングセンサ4112Aに対応する領域内のタッチ位置を示す位置情報を位置情報移動情報記憶部4223に記憶させる(ステップS401)。
【0108】
次に、左側操作読取部4213Aは、直前のタッチ位置と現在のタッチ位置との距離とその距離を移動するのに要する移動時間とから移動速度情報を生成するとともに、直前のタッチ位置から現在のタッチ位置へ向かう方向を示す移動方向情報とを生成して位置情報移動情報記憶部4223に記憶させる(ステップS402)。
【0109】
続いて、左側操作読取部4213Aは、タッチパネル4124の仮想ボタン4113Aに対応する領域がタッチされているか否かを判定する(ステップS403)。左側操作読取部4213Aは、仮想ボタン4113Aに対応する領域がタッチされていると判定すると(ステップS403:Yes)、フラグ記憶部1221が記憶する現在の左側操作部4011Aの押下フラグを「F1」に設定する(ステップS404)。一方、左側操作読取部4213Aは、仮想ボタン4113Aに対応する領域がタッチされていないと判定すると(ステップS403:No)、現在の左側操作部4011Aの押下フラグを「F0」に設定する(ステップS405)。なお、ステップS404、S405の処理において、左側操作読取部4213Aは、直前の押下フラグの内容を、そのときの現在の押下フラグの内容と同じ内容に更新してから、現在の押下フラグの内容を判定結果に基づいて更新する。
【0110】
その後、ステップS107以降の処理を実行する。右側操作読取部4213Bも、ステップS401、S402の処理を実行することにより、移動速度情報と移動方向情報とを生成して位置情報移動情報記憶部4223に記憶させる。また、右側操作読取部4213Bは、ステップS403からS405の処理を実行することにより、右側操作部4011Bの押下フラグの内容を更新する。その後、ステップS107以降の処理を実行する。そして、ステップS406において、コマンド実行部4214が特定部1213により特定されたコマンドを実行する。また、本実施の形態に係る制御部121が実行するクリックフラグ判定処理は、実施の形態1で説明したクリックフラグ判定処理のうち、ステップS136の処理内容を、コマンド実行部4214がクリックフラグの内容を取得する処理に変更したものに相当する。また、本実施の形態に係る制御部121が実行するプレスロック自動解除処理は、実施の形態1で説明したプレスロック自動解除処理と同様である。
【0111】
本実施の形態に係るユーザインタフェース装置によれば、タブレット型のPC4012において実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。また、各操作部4011A、4011Bは、タッチパネル4124上の領域として設定されているので、その形状や大きさ、位置を比較的容易に変更することが可能であるという利点がある。
【0112】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、
図15に示すように、右側操作部11Bがコマンドを特定してPC16へ送信するものであってもよい。なお、
図15において実施の形態1と同様の構成については
図2と同一の符号を付している。
【0113】
ここにおいて、左側操作部11Aは、左側操作部11Aの操作情報を右側操作部11Bへ送信する。右側操作部11Bでは、左側操作部11Aから受信した操作情報と、トラッキングセンサ112B、プッシュスイッチ113Bから入力される信号に基づいて生成した移動速度情報、移動方向情報および押下フラグの内容を示す情報と、を用いてコマンドを特定する。
【0114】
左側操作部11Aの制御部114Aは、操作読取部1141A、通信制御部8142Aとして機能する。通信制御部8142Aは、移動速度情報、移動方向情報および押下フラグを含む操作情報を無線通信部116Aへ出力する。このとき、通信制御部8142Aは、操作情報の送信先を右側操作部11Bに設定する。
【0115】
右側操作部11BのRAM115Bは、フラグ記憶部1221と遷移履歴記憶部1222と移動情報記憶部1223とコマンド記憶部1224とを有する。また、右側操作部11BのROM119Bは、テーブル記憶部1225を有する。テーブル記憶部1225は、
図3に示すようなコマンドテーブルTA1を記憶する。
【0116】
図15に戻って、右側操作部11Bの制御部114Bは、操作読取部8141、コマンド送信部1214、取得部8211、フラグ管理部1212、特定部1213、計時部1215として機能する。操作読取部8141は、トラッキングセンサ112Bから入力される信号を移動速度情報と移動方向情報とに変換して移動情報記憶部1223に記憶させる。また、操作読取部8141は、プッシュスイッチ113Bから入力される信号に応じてフラグ記憶部1221の右側操作部11Bの押下フラグの内容を設定する。
【0117】
取得部8211は、操作部11Aに対して操作情報の送信を要求する操作情報送信要求を操作部11Aへ送信することにより操作部11Aから操作情報を取得する。取得部8211は、取得した操作情報から移動速度情報および移動方向情報を抽出して移動情報記憶部1223に記憶させる。また、取得部8211は、操作情報から押下フラグの内容を示す情報を抽出してその情報に応じてフラグ記憶部1221が記憶する左側操作部11Aの押下フラグの内容を設定する。
【0118】
特定部1213は、テーブル記憶部1225が記憶するコマンドテーブルを参照して、コマンドを特定する。特定部1213は、特定したコマンドをコマンド記憶部1224に記憶させる。
【0119】
コマンド送信部1214は、コマンド記憶部1224から特定部1213により特定されたコマンドを示す情報を取得してPC16に接続された送受信装置8013へ送信する。
【0120】
次に、本変形例に係る右側操作部11Bの制御部114Bが実行するコマンド特定処理について
図16を参照しながら説明する。なお、
図16において実施の形態1で説明したコマンド特定処理と同様の処理については
図4と同一の符号を付している。また、本変形例に係る右側操作部11Bの制御部114Bが実行するクリックフラグ判定処理およびプレスロック自動解除処理は、実施の形態1で説明したクリックフラグ判定処理およびプレスロック自動解除処理と同様である。コマンド特定処理は、右側操作部11Bへ電源が投入されたことを契機として開始される。
【0121】
まず、計時部1215は、
図16に示すように、取得部8211が左側操作部11Aから操作情報を取得すべき時期である操作情報取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS101)。計時部1215は、操作情報取得時期が到来しない場合(ステップS101:No)、ステップS101の処理を繰り返し実行する。一方、計時部1215により操作情報取得時期が到来したと判定されると(ステップS101:Yes)、取得部8211は、左側操作部11Aから操作情報を受信したか否かを判定する(ステップS801)。取得部8211が操作情報を受信していない場合(ステップS801:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、取得部8211は、操作情報を受信した場合(ステップS801:Yes)、左側操作部11Aの操作情報に含まれる左側操作部11Aの移動速度情報と移動方向情報とを移動情報記憶部1223に記憶させる(ステップS802)。
【0122】
続いて、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aの操作情報に含まれる押下フラグの内容を示す情報を参照して、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aが押下されているか否かを判定する(ステップS803)。フラグ管理部1212は、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aが押下されていると判定すると(ステップS803:Yes)、フラグ記憶部1221が記憶する現在の左側操作部11Aの押下フラグを「F1」に設定する(ステップS804)。一方、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aが押下されていないと判定すると(ステップS803:No)、現在の左側操作部11Aの押下フラグを「F0」に設定する(ステップS805)。なお、ステップS804、S805の処理において、フラグ管理部1212は、直前の押下フラグの内容を、そのときの現在の押下フラグの内容と同じ内容に更新してから、現在の押下フラグの内容を判定結果に基づいて更新する。その後、
図4に示すステップS107からS114までの一連の処理と同様の処理が実行される。
【0123】
ステップS114において、フラグ管理部1212が右側操作部11Bについて遷移情報の生成が完了していないと判定したとする(ステップS114:No)。この場合、操作読取部8141は、トラッキングセンサ112Bから入力される信号を移動速度情報と移動方向情報とに変換して移動情報記憶部1223に記憶させる(ステップS802)。
【0124】
次に、操作読取部8141は、プッシュスイッチ113Bから入力される信号に基づいて、右側操作部11Bのプッシュスイッチ113Bが押下されているか否かを判定する(ステップS803)。操作読取部8141は、右側操作部11Bのプッシュスイッチ113Bが押下されていると判定すると(ステップS803:Yes)、フラグ記憶部1221が記憶する現在の右側操作部11Bの押下フラグを「F1」に設定する(ステップS804)。一方、フラグ管理部1212は、左側操作部11Aのプッシュスイッチ113Aが押下されていないと判定すると(ステップS803:No)、現在の左側操作部11Aの押下フラグを「F0」に設定する(ステップS805)。続いて、
図4に示すステップS107からS120までの一連の処理と同様の処理が実行される。
【0125】
その後、コマンド送信部1214は、特定部1213が特定したコマンドをPC16へ送信する(ステップS806)。
【0126】
本構成によれば、コマンドを特定する処理を右側操作部11Bが担うことにより、PC16でのコマンドを特定する処理を省略することができるので、実施の形態1で説明した接続装置12が不要となる。
【0127】
前述の実施の形態1では、操作部11A、11Bがいわゆるリング型(指輪型)である例について説明したが、操作部11A、11Bの形状はこれに限定されるものではない。例えば
図17に示すように、2つのいわゆるペン型の操作部5011A、5011Bを備える構成であってもよい。
【0128】
この操作部5011A、5011Bは、ペン形状を有する本体部5111A、5111Bと、本体部5111A、5111Bの基端部に設けられたトラッキングセンサ5112A、5112Bと、ノックボタン5113A、5113Bと、を備える。操作部5011A、5011Bの構成は、
図2に示す操作部11A、11Bの構成と同様である。ユーザは、
図18に示すように両手LH、RHに操作部5011A、5011Bを把持してPC16の操作を行うことができる。また、この操作部5011A、5011Bは、ボールペンやシャープペンシルのような筆記具としての機能を有するものであってもよい。この場合、操作部5011A、5011Bは、ノックボタン5113A、5113Bの機能を筆記具のノックボタン機能またはPC16の操作用ボタン機能のいずれかに切り替えるための切替スイッチを更に備える構成となる。
【0129】
或いは、トラッキングセンサ5112A、5112Bの裏側にプッシュスイッチを備える構成であってもよい。この場合、ノックボタン5113A、5113Bは芯送り出し機能に特化させることができるので、上記切替スイッチが不要となる。
【0130】
また、操作部5011A、5011Bは、その先端部からレーザ光を放射するレーザポインタとして機能するものであってもよい。この場合、操作部5011A、5011Bは、ノックボタン5113A、5113Bの機能をレーザポインタのオンオフスイッチ機能またはPC16の操作用ボタン機能のいずれかに切り替えるための切替スイッチを更に備える構成となる。この切替スイッチとしては、例えば本体部5111A、5111Bとの間に設けられる回転機構を利用したものを採用できる。この場合、例えば本体部5111A、5111Bのペン先側に対して本体部5111A、5111Bのノックボタン5113A、5113B側をペン先側から見て右方向に回して固定すると操作部として機能し、ペン先側から見て左方向に回して固定するとレーザポインタとして機能する構成にできる。
【0131】
本構成によれば、操作部5011A、5011Bが筆記具或いはレーザポインタとしても機能するので、ユーザは操作部5011A、5011Bを多様な用途に利用することができる。また、本体部5111A、5111Bは、実施の形態1で説明したリング型の操作部11A、11Bの本体部111A、111Bに比べて内部の容積を大きくすることができる。従って、本体部5111A、5111Bの内容に蓄電部用に大きなスペースを確保し易くなる。
【0132】
前述の実施の形態1および
図18に示す変形例では、ユーザが両手LH、RHにリング型の操作部11A、11Bを装着して、或いは、ペン型の操作部5011A、5011Bを把持して、PC16の操作を行う例について説明した。但し、これに限らず、
図19に示すように、ユーザは、左手LHの人差し指に実施の形態1で説明したリング型の操作部11Aを装着し、右手RHでペン型の操作部5011Bを把持してPC16の操作を行うようにしてもよい。本構成によれば、前述の
図18に示す変形例に比べて操作性が向上する。
【0133】
また、リング型の操作部11Aとペン型の操作部5011Bとの組み合わせに限らず、例えば実施の形態2で説明した操作部2011A、2011Bを有するキーボード2011とリング型の操作部11A、11Bとの組み合わせであってもよい。或いは、キーボード2011とペン型の操作部5011A、5011Bとの組み合わせであってもよい。
【0134】
前述の実施の形態4では、タッチパネル4124上に2つの操作部4011A、4011Bが設定される例について説明した。但し、これに限らず、
図20に示すように、PC9012は、そのタッチパネル4124上に1つの操作部9011が設定され、リング型の操作部11Aと通信するものであってもよい。なお、
図20において実施の形態1および実施の形態4と同様の構成については、
図1Aおよび
図12と同一の符号を付している。ユーザは、
図20に示すようにPC9012の長手方向における右端部を右手RHで把持して親指で操作部9011を操作でき、左手LHの人差し指に装着した操作部11Aを左手LHの親指で操作できる。操作部9011は、タッチパネル4124上の領域として設定されたトラッキングセンサ9112と仮想ボタン9113とから構成される。トラッキングセンサ9112の位置と仮想ボタン9113の位置とは表示部4123の画面に表示される。
【0135】
PC9012は、
図21に示すように、操作部11Aと通信するための無線通信部9124を備える。また、制御部4121は、フラグ管理部4212、特定部1213、計時部1215、操作部11Aから操作情報を取得する取得部9211、操作部9011に対するユーザの操作内容を読み取る操作読取部9216として機能する。ここで、フラグ管理部4212、特定部1213、計時部1215、取得部9211および操作読取部9216は、PC9012に設けられ操作部11A、9011から押下フラグ、移動速度情報および移動方向情報を取得する入力インタフェース9210を構成する。そして、この入力インタフェース9210と操作部11A、9011とからユーザインタフェース装置が構成されている。なお、
図21において実施の形態1および実施の形態4と同様の構成については
図2および
図13と同一の符号を付している。取得部9211は、操作部11Aに対して操作情報の送信を要求する操作情報送信要求を、無線通信部9124を介して操作部11Aへ送信することにより操作部11Aから操作情報を取得する。取得部9211は、取得した操作情報から移動速度情報および移動方向情報を抽出して位置情報移動情報記憶部4223に記憶させる。また、取得部9211は、操作情報から押下フラグの内容を示す情報を抽出してその情報に応じてフラグ記憶部1221が記憶する操作部11Aの押下フラグの内容を設定する。
【0136】
操作読取部9216は、タッチパネル4124のトラッキングセンサ9112に対応する領域内のタッチ位置を示す位置情報を位置情報移動情報記憶部4223に記憶させる。そして、操作読取部9216は、トラッキングセンサ9112に対応する領域内のタッチ位置において、そのタッチ面をスライドする速度とスライドする方向から得られる移動方向情報とを生成する。
【0137】
次に、本変形例に係るPC9012の制御部4121が実行するコマンド特定処理について説明する。このコマンド特定処理では、まず、左側操作部11Aについて実施の形態1で
図4を用いて説明したステップS101からS114までの一連の処理が実行されることにより、左側操作部11Aについて、遷移情報の生成が行われる。次に、右側操作部9011について、
図14に示すステップS401からS114までの一連の処理が実行されることにより、右側操作部9011について遷移情報の生成が行われる。続いて、
図4または
図14のステップS115からS120までの処理が実行されることによりコマンドがPC16へ送信される。
【0138】
クリックフラグ判定処理では、実施の形態1で
図5を用いて説明したステップS122からS136までの一連の処理が実行されることにより、左側操作部11Aおよび右側操作部9011について、クリックフラグの設定およびクリックフラグの内容を示すクリックフラグ情報のPC16への送信が行われる。また、プレスロック自動解除処理では、実施の形態1で
図7を用いて説明したプレスロック自動解除処理と同様である。
【0139】
本構成によれば、ユーザは片手にリング型の操作部11Aを装着した状態で、タッチパネル4124を備えたPC9012の操作を行うことができるので、より多様な操作を実現することができる。また、タッチパネル4124上には1つの操作部9011だけが設定されている。これにより、タッチパネル4124における操作部9011に対応する領域の占有面積を小さくすることができるので、表示部4123における操作部9011を表示する部分以外の部分の面積を広くすることができる。
【0140】
前述の実施の形態1において、スクロール操作モードに設定されていることを認知できるように、操作部11A、11Bに発光部を設けてスクロール操作モードに設定されている間点灯させるようにしてもよい。或いは、表示装置15の画面15aにおいて、スクロール操作モードに設定されている間、カーソル色を異なる色に変更するようにしてもよい。また、スクロール操作モードのみならず、ドラッグ操作モードに設定されている間発光部を点灯させたり、カーソルの色を異なる色に変更したりしてもよい。
【0141】
前述の実施の形態4では、操作部4011A、4011Bが、タッチパネル4124上にトラッキングセンサ4112A、4112Bと仮想ボタン4113A、4113Bとが個別に設定された例について説明した。但し、これに限らず、
図22に示すように、タッチパネル4124上に設定された2つのトラッキングセンサ7112A、7112Bと、PC4012のタッチパネル4124側とは反対側の裏面に設けられた2つのプッシュボタン7113A、7113Bと、を備えるものであってもよい。この場合、トラッキングセンサ7112A、7112Bとプッシュボタン7113A、7113Bとから操作部が構成される。ユーザは、2つのプッシュボタン7113A、7113Bを押下しながら、トラッキングセンサ7112A、7112Bに指を接触させた状態でトラッキングセンサ7112A、7112B内を摺動させて、スクロール操作等を行うことができる。
【0142】
前述の実施の形態1では、接続装置12の特定部1213が各操作部11A、11Bの押下フラグの遷移情報の組み合わせに基づいて、コマンドを特定する例について説明した。但し、これに限らず、特定部1213が、各操作部11A、11Bに対応する押下フラグの内容の組み合わせに基づいて、コマンドを特定する構成であってもよい。
【0143】
この変形例に係る接続装置12の構成は、実施の形態1で説明した接続装置12のそれらと同様である。テーブル記憶部1225は、
図3に示すようなコマンドテーブルTA1を記憶する。「押下操作有り」は、実施の形態1における遷移情報が「D」「P」「U」のいずれかであることに相当し、「押下操作無し」は、実施の形態1における遷移情報が「N」であることに対応する。この変形例では、特定部1213は、クリックフラグ「F1」を「押下操作有り」、クリックフラグ「F0」を「押下操作無し」に対応づけて押下フラグの内容の組み合わせを判別する。
【0144】
次に、本変形例に係る接続装置12の制御部4121が実行するコマンド特定処理について
図23を参照しながら説明する。なお、
図23において実施の形態1で説明した処理と同様の処理については
図4と同一の符号を付している。また、このコマンド特定処理は、接続装置12へ電源が投入されたことを契機として開始される。
【0145】
このコマンド特定処理では、左側操作部11AについてステップS101からS106までの一連の処理が実行された後、フラグ管理部1212が、右側操作部について押下フラグの設定が完了したか否かを判定する(ステップS901)。フラグ管理部1212により右側操作部11Bについて押下フラグの設定が完了していないと判定されると(ステップS901:No)、右側操作部11AについてステップS104からS106までの一連の処理が実行される。
【0146】
一方、フラグ管理部1212が、右側操作部11Bについて押下フラグの設定が完了したと判定したとする(ステップS901:Yes)。この場合、左側操作部11Aと右側操作部11Bの両方について押下フラグが設定されている。すると、特定部1213は、
図3に示すようなコマンドテーブルTA1を参照して、直近の押下フラグの内容、移動速度情報および移動方向情報と、に基づいて、PC16で実行されるコマンドを特定する(ステップS902)。
【0147】
次に、コマンド送信部1214は、特定部1213により特定されたコマンドをPC16へ送信する(ステップS118)。一方、PC16は、接続装置12から特定部1213が特定したコマンドを受信すると、受信したコマンドを実行する。その後、再びステップS101の処理が実行される。
【0148】
前述の実施の形態1では、操作部11A、11Bがユーザの左手LHと右手RHに装着される例について説明したが、装着される場所は必ずしも左手LH、右手RHに限定されるものではない。例えば操作部11A、11Bの少なくとも一方がユーザの足の指に装着されるものであってもよい。
【0149】
前述の実施の形態2では、PC16が、デスクトップ型のパソコンであり、キーボード2011と無線接続している例について説明したが、これに限らず、PC16とキーボード2011とが有線接続されているものであってもよい。或いは、PC16の機能とキーボード2011の機能とを備えるノート型パソコンから構成されていてもよい。
【0150】
前述の実施の形態2では、操作部2011A、2011Bがキーボード2011に設けられ、キーボード2011がPC16と無線接続されている例について説明したが、これに限らず、例えば操作部2011A、2011Bがテレビ用のリモコンに設けられたものであってもよい。この場合、ユーザは、例えばテレビにインターネットのブラウザの画面を表示させた状態で、リモコンの操作部2011A、2011Bを操作してカーソル移動操作やスクロール操作を行うことができる。
【0151】
また、
図24に示すように、操作部2011A、2011B以外のキーが設けられていない操作ボード2511から構成されていてもよい。或いは、
図25に示すように、操作部2011A、2011Bと、Ctrlキーに相当するプッシュスイッチ2661並びにAltキーに相当するプッシュスイッチ2662のみが設けられた操作ボード2611から構成されるものであってもよい。更に、
図26に示すように、Ctrlキーに相当するプッシュスイッチ2761とAltキーに相当するプッシュスイッチ2762とが設けられたキーボード2711から構成されていてもよい。なお、操作ボード2511、2611、キーボード2711の機能構成は、実施の形態2のキーボード2011の構成と略同様である。
【0152】
前述の実施の形態4では、タッチパネルに操作部4011A、4011Bが設定されたタブレット型のPC4012の例について説明したが、これに限らず、例えばタッチパネルに操作部4011A、4011Bが設定されたスマートフォンであってもよい。
【0153】
前述の実施の形態1において、表示装置15の画面15aに、左側操作部11A、右側操作部11Bそれぞれに対応する2つのカーソルCSL1、CSL2を表示するようにしてもよい。この場合、カーソルCSL1が、画面15aの主に左半分の領域内の位置を指定するのに用いられ、カーソルCSL2が、画面15aの主に右半分の領域内の位置を指定するのに用いられるようにすることができる。これにより、2つのカーソルそれぞれの移動範囲を小さくすることができる。
【0154】
また、
図27に示すように、表示装置15の画面15aにキーボード画像KE1を表示して、2つのカーソルCSL1、CSL2により入力操作を行うようにしてもよい。この場合、ユーザは、2つのカーソルによりキーボード画像の2箇所を同時に指定しながら入力操作を行うことができるので、入力操作の効率が向上する。
【0155】
前述の実施の形態1では、操作情報が操作部11A、11BのRAM115A、115Bで一時的に記憶される例について説明したが、これに限らず、操作部11A、11Bが操作情報を取得すると直ちに接続装置12へ送信し、接続装置12のRAM122aが操作部11A、11Bそれぞれの操作情報を一時的に記憶する構成であってもよい。
【0156】
前述の実施の形態1において、接続装置12は、各操作部11A、11Bから予め設定された時間だけ操作情報を受信しない場合、低消費電力で動作するスリープモードに移行する構成であってもよい。この場合、接続装置12は、操作部11A、11Bから操作情報を受信したことを契機として、スリープモードから通常モードへ移行するようにすればよい。
【0157】
前述の実施の形態2では、PC16に送受信装置2013が接続される例について説明したが、これに限らず、例えば送受信装置2013の代わりに受信機能のみ有する受信装置が接続されるものであってもよい。また、前述の実施の形態2では、キーボード2011とPC16とが無線接続される例について説明したが、これに限らず、有線接続されているものであってもよい。
【0158】
前述の各実施の形態では、操作部が2つの場合について説明したが、操作部の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。この場合、特定部は、3つ以上の操作部の全てから取得した操作情報の組み合わせまたは操作情報の履歴 の組み合わせ に基づいて、PC16またはPC4012で実行されるコマンドを特定する。コマンドテーブルは、3つ以上の操作部の押下フラグまたは遷移情報の組み合わせそれぞれにコマンドが対応づけられたものとなる。
【0159】
前述の各実施の形態では、押下フラグのとりうる値が2種類である例について説明したが、押下フラグのとりうる値は2種類に限定されるものではない。例えば押下フラグが3種類以上の値をとりうるものであってもよい。例えば、ユーザがプッシュスイッチ113A、113Bを押下していない場合、押下フラグが「F0」に設定され、ユーザがプッシュスイッチ113A、113Bを浅押しした場合、押下フラグが「F1」に設定され、ユーザがプッシュスイッチ113A、113Bを深押しした場合、押下フラグが「F2」に設定されるようにしてもよい。
【0160】
前述の実施の形態1では、トラッキングセンサ112A、112Bとプッシュスイッチ113A、113Bとが別体である例について説明した。これに限らず、例えば、操作部11A、11Bが、タッチ面を有し、このタッチ面に接触するユーザの指等のトラッキングを行うトラッキング部と、ユーザによりタッチ面が押下されたときの圧力を検出する感圧部と、を有する感圧トラッキングセンサを有するものであってもよい。この場合、トラッキング部が、ユーザの身体の少なくとも一部の移動速度および移動方向を検出し、感圧部が、タッチ面が押下されたときの圧力の大きさから、ユーザによりタッチ面が押下されたことを検出する。
【0161】
前述の実施の形態1では、操作部11A、11Bが、それぞれプッシュスイッチ113A、113Bを1つだけ備える例について説明した。但し、操作部が備えるプッシュスイッチの数は1つに限定されるものではない。例えば
図28Aおよび
図28Bに示すように、操作部1011A、1011Bが、トラッキングセンサ112A、112Bの裏側に配置されたプッシュスイッチ113A、113Bの他に、Ctrlキーとして機能するプッシュスイッチ1113A、1113Bを備えるものであってもよい。なお、
図28Aおよび
図28Bにおいて、実施の形態1と同様の構成は、
図1Bと同一の符号を付している。プッシュスイッチ1113A、1113Bは、リング状の本体部111A、111Bの中心軸に直交する方向において、トラッキングセンサ112A、112Bおよびプッシュスイッチ113A、113B側とは反対側に配置されている。ユーザは、人指し指に操作部1011A、1011Bに装着した状態で、操作部1011A、1011Bを中指に押し当てることによりプッシュスイッチ1113A、1113Bを押下することができる。なお、プッシュスイッチ1113A、1113Bは、Ctrlキーとして機能するものに限定されるものではなく、例えばAltキー等他の種類のキーとして機能するものであってもよい。
【0162】
また、本発明に係るユーザインタフェース装置の各種機能は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD−ROM等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行するユーザインタフェース装置を構成してもよい。
【0163】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示版(BBS)にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OSの制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行するユーザインタフェース装置として機能する。
【0164】
以上、本発明の実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【0165】
本出願は、2016年2月5日に出願された日本国特許出願特願2016−020971号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2016−020971号の明細書、特許請求の範囲および図面全体を参照として取り込むものとする。