特許第6576024号(P6576024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6576024スピードファクトリ3D(Speedfactory3D)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576024
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】スピードファクトリ3D(Speedfactory3D)
(51)【国際特許分類】
   A43B 9/00 20060101AFI20190909BHJP
   B29D 35/00 20100101ALI20190909BHJP
【FI】
   A43B9/00
   B29D35/00
【請求項の数】23
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-178794(P2014-178794)
(22)【出願日】2014年9月3日
(65)【公開番号】特開2015-77787(P2015-77787A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2017年7月6日
(31)【優先権主張番号】10 2013 221 020.5
(32)【優先日】2013年10月16日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510204998
【氏名又は名称】アディダス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【弁理士】
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ゲルド レイナー マンツ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヒル
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ホイング
(72)【発明者】
【氏名】アンガス ワードロウ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ コルマン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ロット
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−511093(JP,A)
【文献】 特表2012−531261(JP,A)
【文献】 実開昭59−154108(JP,U)
【文献】 特開2000−279201(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0140470(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0189194(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 9/00
B29D 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴を製造するための方法であって、
a.3次元予備成形された第1の靴部品を設けるステップと、
b.前記3次元予備成形された第1の靴部品を加工するステップとを含み、
c.前記加工するステップが、加工ステップの個々に制御可能な順序を含み、
前記3次元予備成形された第1の靴部品が、加工するステップ中に、前記第1の靴部品の3次元予備形状に少なくとも部分的に対応する形状を有する取付装置に配置され、
ステップaが、3次元形状の吹付け、丸編み、3次元横編み、3次元縦編み、および/または編込みによって、前記取付装置の周囲で前記3次元予備成形された第1の靴部品の製造を含む、方法。
【請求項2】
加工ステップの前記個々に制御可能な順序が、コンピュータで作成された靴モデルから判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記靴モデルが、コンピュータに記憶された所定の組の靴モデルから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記靴モデルが、1つまたは複数のパラメータを設定することにより選択される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記取付装置がラストを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ラストが可変容積を有し、好ましくは膨張式に設けられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ステップaが、前記3次元予備成形された第1の靴部品を製造するための、3次元横編み、3次元縦編み、編込み、真空形成、射出成形、スラッシュ成形、鋳造、鋳込み、3次元形状の吹付けまたは巻付け、印刷の1つまたは複数の方法を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記3次元予備成形された第1の靴部品を製造するための前記方法が、前記第1の靴部品の丸編みを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記3次元予備成形された第1の靴部品が、加工ステップ中に少なくとも1つの加工ステーションを通過する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの加工ステーションにおいて、スクリーン印刷、デジタル印刷、染料昇華、昇華印刷、パッド印刷、色の吹付け、少なくとも1つの色変更材料の塗布、少なくとも1つの箔要素の貼付け、材料による含浸、材料による被覆、少なくとも1つの接着剤の塗布、フロック加工、レーザ切断、レーザ彫刻、刺繍、熱成形、局所溶融、局所融着、エンボス加工、レーザエッチング、穿孔の少なくとも1つの加工ステップが実行される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの加工ステーションが、少なくとも1つの第2の靴部品を前記3次元予備成形された第1の靴部品に追加する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第2の靴部品が、はと目、踵キャップ、つま先キャップ、装飾要素、装飾ストライプ、摩擦要素、摩耗保護要素、リブ要素、補強要素、補剛要素、支持要素、クッション要素、繊維要素、靴底要素、アウトソールの1つまたは複数の靴要素を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの加工ステーションが、前記第2の靴部品を前記3次元予備成形された第1の靴部品に、接着、溶接、高周波溶接、超音波溶接、レーザ溶接、加圧、縫製、ねじ止め、リベット打ち、溶着、クリップ止め、封着、熱および圧力処理、蒸気処理の1つまたは複数のステップにより接続するために設けられる、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの加工ステーションが、前記3次元予備成形された第1の靴部品および/または前記第2の靴部品を前記取付装置から取り外すために設けられる、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの加工ステーションが、加工ステップの前記個々の順序に従って使用される1つまたは複数の加工ツールを含む、請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記加工ステーションが、人との対話を通じて少なくとも1つの加工ツールの使用を学習する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記対話が、前記少なくとも1つの加工ツールの使用のための移動パターンを明示することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記3次元予備成形された第1の靴部品が、シューアッパーの少なくとも一部を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法を実行する装置。
【請求項20】
前記装置が、靴の将来の着用者が靴モデルを選択するためのインタフェースを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記装置が可動容器内に配置される、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記容器が少なくとも部分的に透明である、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法を用いて製造された靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴を製造するための方法、このような方法を実行するための装置、およびこのような方法により製造された靴に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運動着の製造および販売は、製造業者が、毎年多数の新製品を設計することを必要とする。これは市場での最新の開発に対応し、かつ自社の開発を促進するために必須である。このような設計は、たとえば、複数の型、設計、製作オプション、色、大きさ等の、靴、織物、および装備品を含む。これに関し、現在、新製品の大部分は、まず、3D CAD/FEA(有限要素解析)システムにより、デジタル処理で設計され、モデル化され、試験される。
【0003】
新製品を市場に出すために、まず、最初のサンプルが、デジタル設計草案から手で作製される。これは、一般的に、製品設計を担当する開発部門とは異なる場所にある工場で行われる。多くは出荷用コンテナにより出荷され、実際のサンプルを受け取った後にしか、製品デザイナがデジタル草案をさらに最適化して、それを工場に返却することができない。サンプルが所望の機能、設計、費用、および質になるまでこのプロセスが繰り返され、その後、工場で連続製作できるようになる。これは、結果が得られるまでに数週間から数か月かかることが多く、納品チェーン全体にあまり柔軟性がない。したがって、製造業者は、サイクルの短い(fast-living)ファッション市場の傾向および需要に対してゆっくりとしか対応することができない。全体を通してCAD/FEAシステムを使用することにより得られる速さに関する利点は、世界中の工場の一部における全体的に遅い製作プロセスによって失われる。
【0004】
さらなる欠点は、従来の製造装置が、多くの場合、平坦な加工物しか加工できないことである。したがって、コンピュータで作成された3次元型を、まず2次元平面に投影しなければならないため、完成した製品に、望ましくない材料の反り、座屈および歪みが生じるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、先行技術を基礎として、本発明の目的は、このように「製品に対するアイデア」からより迅速に進めるために、複数の異なる試作品等を迅速かつ少なくとも部分的に自動で、好ましくは現地で製造可能にする製造方法および製作手段を提供することである。そうすることで、コンピュータ上で設計された3次元型を、できるだけ直接、対応する3次元製品に変えることができるようにすべきである。さらに、個々の商品、特に注文製作の個々の商品、小規模シリーズ商品またはシリーズ商品の製造が、連続して可能であり、自由に拡大縮小可能であって、(小規模)シリーズ商品の製作が、単一の製作ステップのわずかx倍であるようにすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、この目的は、3次元予備成形された第1の靴部品を設けるステップと、3次元予備成形された第1の靴部品を加工するステップとを含み、加工するステップが、加工ステップの個々に制御可能な順序を含む、靴を製造するための方法によって、少なくとも部分的に達成される。
【0007】
本発明の好ましい実施形態を、以下で運動靴に関連して説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことを、ここで明らかにしなければならない。それどころか、本発明を、他のタイプの運動着、たとえば、シャツ、パンツ、手袋等に有利に使用することができる。
【0008】
さらに、本発明による方法の実施形態が、かなりの程度まで自動的に動作するとともに、ある量の手動補助作業を行うことも一般に考えられる。
【0009】
すなわち、本発明による方法の実施形態は、少なくとも大部分が、ロボット、ロボットシステム、または自動システムにより実施され得、および/または、実施形態は、ある量の人による(補助)作業を含み得る。ロボット、ロボットシステム、または自動システムは、各作業に特に適応させたハードウェアおよび/またはソフトウェアをさらに備えることができ、あるいは、これらが汎用機械であってもよい。
【0010】
前述したように、従来の製造方法は、多くの場合、シューアッパー(shoe upper)の一部等の、最初は2次元の靴要素に基づいており、たとえば、つま先、底部、および/または踵を仕上げ縫いすることによって、この靴要素を後からのみ所望の3次元形状にされる。これにより、材料の望ましくない反りが生じるおそれがあり、場合によって必要な縫い目が、後で着用者の足に擦れることがある。このような欠点は、3次元予備成形された第1の靴部品を設け、これをその後さらに加工することによって避けられる。したがって、3次元靴設計を2次元へと対応して移行することは、必ずしも必要なくなる。
【0011】
3次元予備成形された第1の靴部品が受ける加工ステップの、個々に制御可能な順序により、本発明による方法の実施形態による、多様に設計された靴の製造がさらに可能になる。方法は特に、製造または加工装置(以下参照)において、手動による介入や装置の変更を異なる靴モデルまたは試作品の製造に必要とすることなく、かなりの程度まで特に自動で実行され得る。
【0012】
加工ステップの個々に制御可能な順序は、好ましくは、コンピュータで作成された靴モデルから判定される。
【0013】
コンピュータで作成された靴モデルの利点は、リアルタイムで修正可能であるため、修正の効果を、たとえば、設計開発者または靴の将来の着用者が直接見ることができる点である。したがって、コンピュータで作成された靴モデルを伴うことにより、製造される靴モデルの選択が簡単になり、より使いやすい方法で靴モデルを設計することができる。選択された靴の製造に必要な加工ステップの順序を、その後自動で判定することができるため、素人、たとえば顧客や靴の将来の着用者でも、製造される靴モデルを選択して製造させることができる。
【0014】
靴モデルは、好ましくは、コンピュータに記憶された所定の組の靴モデルから選択される。
【0015】
これは、製造される靴モデルをさらに簡単に選択するのを助ける。靴モデルを個々の部品から「ゼロから」組み立てる必要がなく、所定の組の記憶された靴モデルから選択するためである。しかしながら、ここでは、所定の組自体が、さらなるパラメータの入力(たとえば、男性用靴、女性用靴、運動靴、レジャー用靴等)に依存し得る。ある種の構成キットシステムにおいて、製造される靴モデルが、予め記憶された靴モデルおよび/または、たとえばシューアッパー、靴底、中底等の選択による機能群から選択され、および/または組み立てられることも考えられる。
【0016】
靴モデルが、1つまたは複数のパラメータを設定することにより選択されることもさらに考えられる。
【0017】
将来の着用者は、たとえば、自分の靴の大きさ、前足幅、体重、揺れの中立位にあるか、または過回内/回外の傾向があるか、所望の意図する使用、所望の色等を入力することができ、これに応答して、コンピュータが、たとえば、これらの要求を満たす靴モデルを選択した後、これを製造する。これにより、製造される靴を特に詳細に選択することが可能になり得る。
【0018】
3次元予備成形された第1の靴部品は、好ましくは、加工するステップ中に、第1の靴部品の3次元予備形状に少なくとも部分的に対応する形状を有する取付装置に配置される。
【0019】
取付装置に配置することにより、必要に応じて、特に簡単な方法で、3次元予備成形された第1の靴部品を、加工ステップの個々の順序で、たとえば新しい加工ステーションに移動させ、および/またはこれを再位置決めすることができる。第1の靴部品の3次元予備形状に少なくとも部分的に対応する形状を有する取付装置により、一方で、3次元予備成形された第1の靴部品を取付装置上に特に良好に固定することができるため、第1の靴部品が加工中にずれることがない。これは、たとえば、さらなる靴部品を追加しながら、または縫い目、孔、開口、文字/装飾等を施しながら、正確に位置決めするのに有利である。他方、これにより、3次元予備成形された第1の靴部品の材料が、加工中に著しく形崩れしたり、別の方法で望ましくない形で変形したりすることを防止する。
【0020】
取付装置は、好ましくはラスト(last)を備える。特に好ましくは、ラストが可変容積を有し、好ましくは膨張式に設計される。調節可能なラストの他の可能性は、1つまたは複数の形状記憶材料からなるラストであり、これは圧縮されて3次元予備成形された第1の靴部品内に挿入された後、元の形状および容積に素早く戻る。また、磁性流体を使用してもよい。
【0021】
これに関連して、ラストは、靴を最終的に着用する足の形状に少なくともかなりの程度まで対応するため、前記利点の達成に特によく適している。調節可能なラスト、たとえば膨張式ラストにより、一方で、単一のラストを種々の靴の大きさに使用することができる。膨張式ラストが、複数の個々に膨張可能なチャンバ等をさらに有する場合、ラストを、将来の着用者の足に合わせて個々に調節することができる。これにより、製造された靴をより良好にフィットさせることができる。
【0022】
3次元予備成形された第1の靴部品を設けるステップは、好ましくは、取付装置の周囲で3次元予備成形された第1の靴部品の製造を含む。
【0023】
一方で、これにより、3次元の第1の靴部品をラストに別個に取り付ける必要がなくなる。このような必要は、取付けが機械的および自動で行われる場合に、これに使用されるツールに対して高い要件を課すものである。他方、取付装置の周囲で直接製造することにより、特に安定し、正確にフィットし、反りのない、予備成形された第1の靴部品を提供することができる。
【0024】
3次元予備成形された第1の靴部品を設けるステップは、好ましくは、3次元予備成形された第1の靴部品を製造するための、3次元横編み、3次元縦編み、編込み、真空形成、射出成形、スラッシュ成形、鋳造、鋳込み、3次元形状の吹付けまたは巻付け、印刷の1つまたは複数の方法を含む。
【0025】
3次元予備成形された第1の靴部品を設け、この第1の靴部品に基づいて、その後、靴全体を製造できるようにするために、意図した使用目的、およびこれにより考慮する材料に応じて、前記方法の1つまたは複数を使用することができる。これに関し、3次元横編み、縦編み、編込み等を、たとえば織物の第1の靴部品について考慮し、真空形成、射出成形、スラッシュ成形、鋳造、鋳込み、3次元形状の吹付けまたは巻付け、あるいは印刷を、たとえば合成材料から作製された第1の靴部品について考慮する。第1の靴部品を、たとえば多層ラミネートから多層に製造することもできる。たとえば、3次元予備成形された第1の靴部品等を設けるために、3次元横編みを最初に行い、次にプラスチックまたはエラストマー層を吹き付けることができる。また、繊維を基材として使用することができ、これにより、3次元予備成形された第1の靴部品が不織布材料を含む。
【0026】
3次元予備成形された第1の靴部品を製造するための方法が、好ましくは、第1の靴部品の丸編みを含む。
【0027】
丸編みにより、特に歪みがなく傷のない、3次元予備成形された加工物を提供することができる。この加工物には、さらに、厄介な縫い目がないため、たとえばシューアッパーにおける適用に非常に有利である。
【0028】
3次元予備成形された第1の靴部品は、好ましくは、加工ステップ中に少なくとも1つの加工ステーションを通過する。
【0029】
たとえば、3次元予備成形された第1の靴部品は、特に前記取付装置上で、1つまたは複数の加工ステーションに自動的に輸送され得、そこでさらに加工される。3次元予備成形された第1の靴部品がここで受ける加工ステップのタイプおよび順序は、3次元予備成形された第1の靴部品毎に個々に制御可能であるため、非常に高いレベルの柔軟性が達成される。複数の加工ステップを加工ステーション内で実行することがさらに考えられ、好ましくは、この状況で、加工ステップおよび加工パラメータの正確な順序を、3次元予備成形された第1の靴部品毎に個々に調整することもできる。さらに、これをすべて、かなりの程度まで自動で行うことができる。
【0030】
好ましくは、少なくとも1つの加工ステーションにおいて、スクリーン印刷、デジタル印刷、染料昇華、昇華印刷、パッド印刷、色の吹付け、少なくとも1つの色変更材料の塗布、少なくとも1つの箔要素の貼付け、材料による含浸、材料による被覆、少なくとも1つの接着剤の塗布、フロック加工、レーザ切断、レーザ彫刻、刺繍、熱成形、局所溶融、局所融着、エンボス加工、レーザエッチング、穿孔の少なくとも1つの加工ステップが実行される。
【0031】
したがって、製作手段の修正またはこれに必要となる方法の変更なしで、複数の、たとえば光学特性および触覚特性を、3次元予備成形された第1の靴部品に個々に与えることができる。第1の靴部品がさらにすでに3次元予備成形されているため、このステップに適用される要素の顕著な歪み/座屈が、好ましくは、加工のさらなる過程で生じない。これは、たとえば文字、ロゴ等の装飾の目的を果たす要素の場合に重要である。
【0032】
好ましくは、少なくとも1つの加工ステーションが、少なくとも1つの第2の靴部品を3次元予備成形された第1の靴部品に追加する。
【0033】
少なくとも1つの第2の靴部品を3次元予備成形された第1の靴部品に加えることにより、本方法の実施形態により実行可能な考えられる製造形態の数が増加する。この状況で、少なくとも1つの第2の靴部品の追加と、少なくとも1つの加工ステーションで実行可能な前記加工ステップとは、好ましくは互いに補完する。
【0034】
ここで、たとえば、少なくとも1つの第2の靴部品が、はと目、踵キャップ、つま先キャップ、装飾要素、装飾ストライプ、摩擦要素、摩耗保護要素、リブ要素、補強要素、補剛要素、支持要素、クッション要素、繊維要素、靴底要素、アウトソール(out sole)の1つまたは複数の靴要素を備える。
【0035】
このような機能的要素は、靴の着用性に影響する目的を果たすことができるため、このような部品を個々に制御可能に追加することにより、本方法の一実施形態による最も異なる目的に対して複数の靴を製作することができる。
【0036】
好ましくは、少なくとも1つの加工ステーションが、第2の靴部品を3次元予備成形された第1の靴部品に、接着、溶接、高周波溶接、超音波溶接、レーザ溶接、加圧、縫製、ねじ止め、リベット打ち、溶着、クリップ止め、封着、熱および圧力処理、蒸気処理の1つまたは複数のステップにより接続するためにさらに設けられる。
【0037】
このように、3次元予備成形された第1の靴部品および/または第2の靴部品の材料に応じて、前記接続方法の1つまたは複数を使用することができる。これにより、(1つまたは複数の)接続方法を、現在製造される靴のそれぞれの特性に最適に合わせることができるため、最適な安定性が得られる。
【0038】
さらに好ましくは、少なくとも1つの加工ステーションが、3次元予備成形された第1の靴部品および/または第2の靴部品を取付装置から取り外すために設けられる。
【0039】
これにより、必要に応じて、3次元予備成形された第1の靴部品および/または第2の靴部品が、他の場所でのさらなる加工ステップを受けることができ、または、これらの靴部品を出荷等のために包装することができる。
【0040】
少なくとも1つの加工ステーションが、加工ステップの個々の順序に従って使用される1つまたは複数の加工ツールを含むことができる。
【0041】
これにより、複数の加工ステップを単一の加工ステーションで行うことができるため、第1および/もしくは第2の靴部品の移動または再位置決めが不要になる。
【0042】
加工ステーションが、人との対話を通じて少なくとも1つの加工ツールの使用を学習することがさらに考えられる。
【0043】
3次元予備成形された加工物を方法により加工することができるため、所与の加工ステップ内で加工ツールが実行しなければならない移動順序および移動パターンが、非常に複雑なパターンになり得る。したがって人が機械を訓練することは、従来の機械のプログラミングよりもかなり効果的になり得る。
【0044】
ここで、対話は、少なくとも1つの加工ツールの使用のための移動パターンを明示することを含むことができる。
【0045】
前述したように、人は、複雑な移動パターンを実行する際には、機械よりも優れていることが多い。したがって、移動パターンを明示することにより、機械の訓練がさらに簡単になり、製造の結果を高めることができる。
【0046】
3次元予備成形された第1の靴部品は、好ましくは、シューアッパーの少なくとも一部を含む。
【0047】
3次元予備成形された第1の靴部品は、その後、靴を製造するための基本要素として機能することができ、第1の靴部品に、さらなる望ましい特性の全部または少なくとも一部が、その後、製造中に連続して与えられ、または追加される。したがって、シューアッパーの一部として形成された、3次元予備成形された第1の靴部品は、かなりの程度まで自動化されているが、それにもかかわらず非常に柔軟である製造方法の実現に非常に適している。
【0048】
本発明のさらなる態様は、本発明による方法の実施形態を実行する装置により構成される。
【0049】
このような装置により、3次元予備成形された第1の靴部品から始まって、複数の異なる設計の靴をかなりの程度まで自動で製造することができる。
【0050】
ここで、装置は、好ましくは、靴の将来の着用者が靴モデルを選択するためのインタフェースを備える。
【0051】
したがって、将来の着用者は、製造される靴を個々の要求に合わせて正確に調節することにより、要求に特に適した「カスタムフィット」で製造された靴モデルを有することができる。
【0052】
装置を可動容器内に配置することが考えられる。ここで、容器は、好ましくは、少なくとも部分的に透明である。さらに、容器は、組み合わせて1つの製作ユニットになる複数の容器の組合せであってもよい。
【0053】
これにより、直接「現場で」、たとえばスポーツ大会や見本市、また店のショールームで、装置を輸送および提供することができる。その後、購入者は、特に前記インタフェースと組み合わせて、装置の場所で直接、またはインターネットを通じて事前に、または店で、所望の靴モデル、またはより一般には所望のスポーツ用品を「組み立てる」ことができ、その後、この靴モデルまたは製品が製造装置により製造される。容器が部分的に透明であれば、顧客は靴または製品が製造される様子を見ることもできる。加えて、プロセスは、デジタル媒体ネットワーク/チャネルで放送される映像および実況によりプロセスを把握することができる。
【0054】
本発明のさらなる態様は、本発明による方法の実施形態を使用して製造された靴である。
【0055】
繰り返し前述したように、これに関し、製造された靴を、たとえば開発設計者の設計に基づいて、またはさらには顧客の希望に基づいて、個々に注文製作し修正することができる。
【0056】
この点で、本発明による方法の実施形態、本発明による装置の実施形態、および/または本発明による靴の実施形態について、特定の要求に応じて、複数の設計可能性と本明細書で開示された実施形態とを互いに組み合わせることができることを再び明らかにする。本明細書に記載された個々のオプションおよび設計可能性は、各方法、各装置、または製造される靴のそれぞれに不要であると思われる場合には無視してもよく、その結果得られる実施形態も依然として本発明の一部である。
【0057】
本発明は以下の態様の発明を含む
[1]
靴(290;350;470)を製造するための方法(100;300;400)であって、
a.3次元予備成形された第1の靴部品(110)を設けるステップ(140;305;310)と、
b.前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)を加工するステップ(200)とを含み、
c.前記加工するステップ(200)が、加工ステップの個々に制御可能な順序を含む、方法(100;300;400)。
[2]
加工ステップの前記個々に制御可能な順序が、コンピュータで作成された靴モデル(115)から判定される、[1]に記載の方法。
[3]
前記靴モデル(115)が、コンピュータ(135)に記憶された所定の組の靴モデルから選択される、[2]に記載の方法。
[4]
前記靴モデル(115)が、1つまたは複数のパラメータを設定することにより選択される、[2]または[3]に記載の方法。
[5]
前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)が、加工するステップ(200)中に、前記第1の靴部品(110)の3次元予備形状に少なくとも部分的に対応する形状を有する取付装置(120;480)に配置される、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6]
前記取付装置(120;480)がラスト(120;480)を備える、[5]に記載の方法。
[7]
前記ラスト(120;480)が可変容積を有し、好ましくは膨張式に設けられる、[6]に記載の方法。
[8]
ステップaが、前記取付装置(120;480)の周囲で前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)の製造(140;305)を含む、[5]〜[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9]
ステップaが、前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)を製造する(140;305)ための、3次元横編み、3次元縦編み、編込み、真空形成、射出成形、スラッシュ成形、鋳造、鋳込み、3次元形状の吹付けまたは巻付け、印刷の1つまたは複数の方法を含む、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10]
前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)を製造する(140;305)ための前記方法が、前記第1の靴部品(110)の丸編みを含む、[9]に記載の方法。
[11]
前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)が、加工ステップ(200)中に少なくとも1つの加工ステーション(150;230;240;250;260;320;335;340;401;420;430;435;445)を通過する、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の方法。
[12]
前記少なくとも1つの加工ステーション(230)において、スクリーン印刷、デジタル印刷、染料昇華、昇華印刷、パッド印刷、色の吹付け、少なくとも1つの色変更材料の塗布、少なくとも1つの箔要素の貼付け、材料による含浸、材料による被覆、少なくとも1つの接着剤の塗布、フロック加工、レーザ切断、レーザ彫刻、刺繍、熱成形、局所溶融、局所融着、エンボス加工、レーザエッチング、穿孔の少なくとも1つの加工ステップが実行される、[11]に記載の方法。
[13]
前記少なくとも1つの加工ステーション(240;335)が、少なくとも1つの第2の靴部品(330)を前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)に追加する、[11]または[12]に記載の方法。
[14]
前記少なくとも1つの第2の靴部品(330)が、はと目、踵キャップ、つま先キャップ、装飾要素、装飾ストライプ、摩擦要素、摩耗保護要素、リブ要素、補強要素、補剛要素、支持要素、クッション要素、繊維要素、靴底要素、アウトソールの1つまたは複数の靴要素を備える、[13]に記載の方法。
[15]
前記少なくとも1つの加工ステーション(250;340)が、前記第2の靴部品(330)を前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)に、接着、溶接、高周波溶接、超音波溶接、レーザ溶接、加圧、縫製、ねじ止め、リベット打ち、溶着、クリップ止め、封着、熱および圧力処理、蒸気処理の1つまたは複数のステップにより接続するために設けられる、[13]または[14]に記載の方法。
[16]
前記少なくとも1つの加工ステーション(260;445)が、前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)および/または前記第2の靴部品(330)を前記取付装置(120;480)から取り外すために設けられる、[11]〜[15]のいずれか一項に記載の方法。
[17]
前記少なくとも1つの加工ステーション(150;230;240;250;260;320;335;340;401;420;430;435;445)が、加工ステップの前記個々の順序に従って使用される1つまたは複数の加工ツールを含む、[11]〜[16]のいずれか一項に記載の方法。
[18]
前記加工ステーション(150;230;240;250;260;320;335;340;401;420;430;435;445)が、人との対話を通じて少なくとも1つの加工ツールの使用を学習する、[17]に記載の方法。
[19]
前記対話が、前記少なくとも1つの加工ツールの使用のための移動パターンを明示することを含む、[18]に記載の方法。
[20]
前記3次元予備成形された第1の靴部品(110)が、シューアッパーの少なくとも一部を含む、[1]〜[19]のいずれか一項に記載の方法。
[21]
[1]〜[20]のいずれか一項に記載の方法を実行する装置(205;300;400;510;610)。
[22]
前記装置(205;300;400;510;610)が、靴(290;470)の将来の着用者が靴モデル(115)を選択するためのインタフェース(135)を備える、[21]に記載の装置(205;300;400;510;610)。
[23]
前記装置(205;510)が可動容器(210;500)内に配置される、[21]または[22]に記載の装置(205;510)。
[24]
前記容器(210)が少なくとも部分的に透明である、[23]に記載の装置(205)。
[25]
[1]〜[20]のいずれか一項に記載の方法を用いて製造された靴(290;470)。
以下の図面を参照しながら、本発明の現在好ましい例示的設計および実施形態について、以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】靴を製造するための、本発明による方法の実施形態の図である。
図2】靴を製造するための本発明による方法の実施形態を実施するための、少なくとも1つの加工ステーションを備えた、本発明による装置の実施形態を示す図である。
図3】靴を製造するための、本発明による方法/装置の実施形態の図である。
図4】靴を製造するための、本発明による方法/装置のさらなる実施形態の図である。
図5】靴を製造するための、本発明による装置の実施形態を備えた移動式販売スタンドの図である。
図6】靴を製造するための、本発明による装置の実施形態を備えた営業所の図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明の現在好ましい実施形態を、運動靴に関する以下の詳細な説明で説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施形態に限定されないことに注目されたい。それどころか、本発明を、他のタイプの運動着、たとえば、スポーツシャツ、スポーツパンツ、手袋等に有利に使用することができる。さらに、本発明を、ボール、バッグ、バックパック、ヘルメット、ヘッド、ベルト、および他の種類の装備品の製造に使用することもできる。
【0060】
図1は、靴290を製造するための、本発明による方法の実施形態100を示す。実施形態100は、まず、以下のステップ、すなわち、3次元予備成形された第1の靴部品110を設けるステップ140と、3次元予備成形された第1の靴部品110を加工するステップ200とを含み、加工するステップ200が、加工ステップの個々に制御可能な順序を有する。
【0061】
この状況で、設けるステップ140およびさらなる加工するステップ200の両方を、たとえば、図2に関してより詳細に説明する加工装置205において、このための単一の製造または加工装置で行うことができる。しかしながら、図1に提示したように、設けるステップ140およびさらなる加工ステップ200を、別個の製造または加工装置でそれぞれ行うことも可能である。図1に示す実施形態では、設けるステップ140が、たとえばこの目的のためのステーション145で行われる。さらなる加工ステップ200は、その後、加工装置205で行われる。これに関する詳細を、以下でより広く説明する。
【0062】
図1に示す実施形態100では、3次元予備成形された第1の靴部品110が、シューアッパー110またはこのようなシューアッパーの一部である。しかしながら、3次元予備成形された第1の靴部品110が、靴底等の一部のような別の靴要素であってもよい。
【0063】
3次元予備成形された第1の靴部品110は、好ましくは、加工ステップ200中に取付装置120に配置され、この取付装置120は、第1の靴部品110の3次元予備形状に少なくとも部分的に対応する形状を有する。これは、3次元予備成形された第1の靴部品110を、加工するステップ200中に、十分に移動させ、正確に位置決めさせることができるという目的を果たすことができるため、正確かつ、好ましくは標準以下の商品のない加工に有利となり得る。これにより、さらなる加工ステップ200中に、材料の望ましくない反り、材料の変形、または材料への損傷を防止または最小化することもできる。
【0064】
取付装置120は、特に、好ましくはラスト120を備える。ラスト120は、たとえば係合を有し(図示せず)、この係合により、加工ツール、たとえば把持アームを用いた人による補助なしで、ラスト120を3次元予備成形された第1の靴部品110と共に自動で取り出し、異なる加工ステップ200を通してそれを移動させることができる。
【0065】
ラスト120は、たとえば、靴290のカスタムフィットを達成するように顧客ごとに個々に作られた追加製造のラスト120であってもよい。剛性の3D形状ラスト120、またはより一般には剛性の3D形状取付装置120を作成するための他の方法も、当業者には想到可能である。好ましい一例として、ここで3D CADファイルに基づいてラスト120を縁取りすることに言及する。
【0066】
方法100の特に好ましい実施形態では、ラスト120の大きさを調節可能である。好ましくは、ラスト120が可変容積を有するため、3次元予備成形された第1の靴部品に合わせて特に良好に調節することができる。ラスト120は、3次元予備成形された第1の靴部品110の形状を調節するように、たとえば、空気または液体で充填可能な、好ましくは互いに独立した1つまたは複数のチャンバ、バブル等を備えることができる。そうすることで、第1の靴部品110の材料がわずかに伸張するように、ラスト120が場合によってさらに充填され得る。この追加の引張り歪みにより、第1の靴部品110をラスト120上でさらに支持することができる。別の実施形態では、3次元予備成形された第1の靴部品110が、第1の靴部品110を取付装置上で整合させるために、取付装置120の対応する針等に取り付けられた複数の開口(図示せず)を備える。ここで、開口は、好ましくは、3次元予備成形された第1の靴部品110の、完成した靴290では見えない箇所に配置される。開口は、たとえば、完成した靴290のアウトソールおよびシューアッパーの間にあるように配置され得る。
【0067】
実施形態では、ステップ140で設けられた第1の靴部品110が、別の加工ステップ150で取付装置120に取り付けられる。これは、完全に機械的に行っても手動で行ってもよい。手動で取り付けるステップ150を機械的に補助してもよい。
【0068】
しかしながら、3次元予備成形された第1の靴部品110を設けるステップ140は、好ましくは、第1の靴部品を取付装置120の周囲で直接製造するステップ140を含む。これにより、時間、製造努力、追加の作業ステップおよび機械、ならびに材料等を節約することができ、これにより、別の場合に必要となる、取付装置120へ取り付けるステップ150中に生じ得る第1の靴部品110の材料の過膨張を防止することができる。これは、標準以下の商品の数を減らすのにも役立ち得る。
【0069】
これにより、3次元予備成形された第1の靴部品110を、製造される靴290に直接合わせて作ることができることは、さらに特に有利である。たとえば、その大きさおよび前足幅を、正確に「ぴったりと」調節することができる。たとえば、この段階で、たとえば通気開口等の異なる色、形状、および機能を設けることもできる。第1の靴部品110を異なる厚さで設けるか、それぞれ異なる材料厚さの複数の領域を有するようにして、たとえばクッション効果を達成することも考えられる。第1の靴部品110は、たとえば、より太い、もしくはより柔らかい糸または繊維、および/あるいは、より大量のパターンにより横編み、縦編み、編込み、または製織され、たとえばボールを蹴ったときの強すぎる力の作用から、着用者の足が最終的に保護される。
【0070】
ここで、たとえば、3次元予備成形された第1の靴部品110を製造するために、3次元横編み、3次元縦編み、編込み、真空形成、射出成形、スラッシュ成形、鋳造、鋳込み、特に場合によって加熱および冷却可能なラスト120上での3次元形状の吹付けもしくは巻付け、および/または印刷の1つまたは複数の方法を考慮する。また、場合によって接着剤等の結合剤の添加により、たとえば、加熱および冷却可能なラストの周囲に編込みまたは巻付け可能な基材として、繊維を使用することができる。したがって、3次元予備成形された第1の靴部品110を不織布または不織材料から作製することもできる。特に有利には、製造が、3次元予備成形された第1の靴部品110を取付装置120の周囲で丸編みすることを含む。
【0071】
3次元予備成形された第1の靴部品110の製造が、3次元製織、縦編み、横編み、または編込みを含む場合、製造される靴290の機能にこの段階で影響を与えるために、前述したように、異なる糸および/または繊維を異なる領域で使用することができる。これらの糸または繊維は、たとえば、熱成形可能な熱可塑性材料、弾性糸/繊維、金属糸/繊維等を含む糸/繊維であってもよい。
【0072】
図1に示すように、加工ステップ200の個々に制御可能な順序は、たとえば、さらなる方法ステップ130において、コンピュータで作成された靴モデル115により判定され得る。これは、たとえば、靴モデル115を作成したコンピュータ135自体により行うことができる。これに関し、「コンピュータ」は、従来の意味でのコンピュータ、ならびにラップトップ、タブレット、スマートフォン、および他のこのような携帯用または固定式デバイスを含む。あるいは、靴モデル115の基礎となるデータが、コンピュータ135により制御デバイス(図示せず)に送られ、制御デバイスが加工ステップ200の個々に制御可能な順序を判定し、それに従って加工装置205を制御する。コンピュータ135を、たとえば、ある種の「売店」に配置することができ、そこで潜在的な顧客が、コンピュータで作成された靴モデル115を選択または設計して、対応する靴1足を製造させることができる。別の可能性は完全な自動販売機であり、顧客が営業時間外にも利用でき、自分の靴モデル115を作成し、対応する靴290をその場で製造してもらい、持ち帰ることができる。これにより、あらゆる地域、たとえば街中、空港等で営業時間外に販売および製作を行うことができるようになる。
【0073】
これに関し、加工ステップ200の個々に制御可能な順序が判定される前に、コンピュータで作成された靴モデル115を、たとえば、製造される靴290の将来の着用者により、コンピュータ135に記憶された所定の組の靴モデル115から選択することができる。これらは、たとえば、色、スタッドの配置等が異なり得るサッカー用靴290の異なる型であってもよい。選択をモジュール式に行うこともでき、すなわち、所定の選択から、所望の色を最初に選択し、次にスタッドの所望の配置を選択し、次に所望の中物等を選択することもできる。これは、特にスクリーン135上において対話形式で行うことができる。あるいはまたはこれに加えて、靴モデルの選択130は、1つまたは複数のパラメータ、たとえば大きさまたは前足幅等を特定することによって行うことができる。これはあまり直感的なものではない可能性があるが、場合によって、将来の着用者の足に合わせたより正確な調節が可能になる。
【0074】
最後に、靴モデル115をコンピュータ135上でゼロから作成することもでき、靴モデル115のかなりの程度の注文製作を可能にする。
【0075】
本発明による方法の特に有利な実施形態100において、靴モデルの選択130が、3次元予備成形された第1の靴部品を設けるステップ140にも直接影響する。好ましくは、設けるステップ140が取付装置120の周囲で3次元予備成形された第1の靴部品110を製造するステップを含む場合、靴部品は、コンピュータ135上での選択に従って直接製造され得る。
【0076】
しかしながら、限られた数の第1の靴部品110のみを、たとえば貯蔵庫から取られる、いわば半完成品として、ステップ140で設けることもでき、この半完成品は、さらなる加工ステップ200までにそれぞれの希望に応じて個別化および調節されていない。
【0077】
図2は、加工ステップ200の個々に制御可能な順序を行うことのできる加工装置205の実施形態を示す。3次元予備成形された第1の靴部品110は、好ましくは、加工するステップ200中に、少なくとも1つの加工ステーションを通過する。4つの加工ステーション230、240、250、260が、図2に示す加工装置205の実施形態に示される。
【0078】
加工ステーション230において、本発明では、スクリーン印刷、デジタル印刷、染料昇華、昇華印刷、パッド印刷、色の吹付け、少なくとも1つの色変更材料の塗布、少なくとも1つの箔要素の貼付け、材料による含浸、材料による被覆、少なくとも1つの接着剤の塗布、フロック加工、レーザ切断、レーザ彫刻、刺繍、熱成形、局所溶融、局所融着、エンボス加工、レーザエッチング、穿孔の少なくとも1つの加工ステップが行われてもよい。
【0079】
したがって、たとえば、最初に第1の靴部品110に顔料を吹き付けた後、接着剤を種々の領域またはパターンに塗布することができる。このようにして、接着剤が顔料と融合する。続いて、たとえば、接着剤にも付着する転写紙を当てることができ、この転写紙が次に取り外されたときに、これにより接着剤およびそれに付着した顔料も除去される。このようにして、接着剤が塗布されなかった領域に色付けされる。材料、たとえば色が第1の靴部品110全体に塗布されるが、熱またはエネルギーを加えることによって局所的にしか作動されないことも考えられる。さらなる可能性は、加えられる磁場に応じて色を変化させる顔料を塗布することを含む。これらの顔料は、プラスチックキャリア、熱可塑性キャリア材料またはマイクロカプセルに埋め込まれていてもよい。
【0080】
少なくとも1つの第2の靴部品が加工ステーション240を通過するときに、この第2の靴部品を3次元予備成形された第1の靴部品110に加えてもよい。
【0081】
1つまたは複数の第2の靴部品が所与の第1の靴部品110に追加されるか否かは、好ましくは、第1の靴部品110毎に個々に制御され得、かつ製造される靴290が1つまたは複数の第2の靴部品を備えるか否かに依存する。
【0082】
少なくとも1つの第2の靴部品は、はと目、踵キャップ、つま先キャップ、装飾要素、装飾ストライプ、摩擦要素、摩耗保護要素、リブ要素、補強要素、補剛要素、支持要素、クッション要素、繊維要素、靴底要素、特にアウトソールの1つまたは複数の靴要素を備えることができる。
【0083】
一方で、第2の靴部品が予め作製されて存在し、加工ステーション240で第1の靴部品110に貼り付けられることが考えられる。(言い回しを簡単にするために、以下では単数形を一貫して使用する。しかしながら、明確に除外されなければ、複数の第2の靴部品が、以下の説明に含まれていてもよい)。吸引要素、把持要素、または磁気器具を、たとえば、貼付けのために使用してもよい。第2の靴部品が、別個のキャリアフィルム上で手元にあるようにしてもよい。しかしながら、印刷方法により第2の靴部品を第1の靴部品110に貼り付けることも考えられる。
【0084】
あるいは、接着剤を第1の靴部品の特定の領域に塗布した後、繊維またはこのような要素を貼り付けることもできる。接着剤と融合していない余分な繊維を、続いて、たとえば吹き飛ばすことができる。
【0085】
第1の靴部品110は、第3の加工ステーション250をさらに通過することができる。ステーション250では、統合または接続ステップが実行されて、場合によって存在する第2の靴部品を、3次元予備成形された第1の靴部品110に、接着、溶接、高周波溶接、超音波溶接、レーザ溶接、加圧、縫製、ねじ止め、リベット打ち、溶着、クリップ止め、封着、熱および圧力処理、蒸気処理の1つまたは複数の加工ステップにより接続する。
【0086】
たとえば、第1の靴部品110および第2の靴部品は、少なくとも部分領域で圧力および熱を受けて、存在するすべての接着層が活性化され、種々の層の間に弾性接続を形成するようにしてもよい。また、同一もしくは異なる温度の、複数の別個の熱加圧ステップ、たとえば2つの熱加圧ステップまたは4つの熱加圧ステップ等があり得る。たとえば、第1の熱加圧ステップの温度は、第2の熱加圧第2ステップ等の温度より高くても低くてもよい。接着剤の最上層を貼り付けるか、または第1の靴部品110および/または第2の靴部品を薄いプラスチック被覆、たとえばエラストマー被覆で覆うことがさらに考えられる。
【0087】
加工物は、たとえば加工ステーション250における統合/接続処理後、加工ステーション260でさらなる加工ステップを受けることができる。たとえばアウトソールを貼り付けることができる。加工物を、さらに取付装置120から取り外すことができる。
【0088】
加工ステーション230、240、250、260は、たとえば複数のサブステーションを含む単一の加工ステーションであってもよく、または加工ステップの個々の順序に従って選択される1つもしくは複数の加工ツールであってもよいことに注目されたい。特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの加工ステーション230、240、250、260が、これに関し、人との対話によって、加工ツールの少なくとも1つの適用を学習する。たとえば加工ステーション230、240、250、260または加工装置205は、この目的で、対話手段(図示せず)、たとえば機械アームまたはある種の外骨格を備えることができる。この対話手段により、その後、人がたとえば加工装置205または加工ステーション230、240、250、260に移動パターンを指示することができ、これにより、加工装置205/加工ステーション230、240、250、260が対応するツールを適用する。これは、従来のプログラミング技術と比較して、加工装置205または加工ステーション230、240、250、260のそれぞれの訓練をかなり加速させ容易にすることができる。
【0089】
設けるステップ140および/または場合によって必要な、3次元予備成形された第1の靴部品110を取付装置120に取り付けるステップ150も、1つもしくは複数の加工ステーション230、240、250、260または加工装置205自体でさらに行うことができるため、前述したように、本発明による製造方法の実施形態全体を加工装置205内で行うことができる。前記ステップ140、150に関してなされた説明は、引き続きこの場合に当てはまる。
【0090】
ここで示す実施形態では、加工装置205が可動容器210内に配置される。ここで、可動容器210は、少なくとも部分的に透明である。本実施形態では、容器210の壁が、ガラスまたはプレキシグラスまたは他の透明材料から構成される。可動容器210は、加工装置205を含む製作ユニットに配置可能な複数のサブ容器をさらに含むことができる。本明細書で説明した発明による方法の実施形態の1つに従って、加工装置205により製造された靴290を、さらに目で見ることができる。
【0091】
加工装置205は、さらに好ましくは、靴290の将来の着用者が靴モデル115を選択するためのインタフェースを備える。これにより、特に、図1のステップ130に関して説明した靴モデル115の選択を可能にするインタフェースとなり得る。
【0092】
加工物を1つの加工ステーションから次の加工ステーションへ移動させるために、加工装置205は、好ましくは、輸送手段220をさらに備える。これは、たとえば、図示したようにベルトコンベヤであってもよい。しかしながら、これを、加工物を把持するロボットアーム等とすることもできる。
【0093】
前述したように、加工物をそれに基づいて構成および加工する、3次元予備成形された第1の靴部品110が、加工ステップ中に、取付装置120、特にラスト120に取り付けられると特に有利である。取付装置は、好ましくは、このようなロボットアームが取付装置に連結して、取付装置を加工物と共に取り上げることを可能にする係合を含む。これは、空間内で実質的に任意に、加工物の位置決め、回転、配置、移動等を行うことができるという利点を有することができ、これは簡単な輸送ベルト220によっては不可能であるか、または限定された方法でしか行うことができない。
【0094】
図3および図4は、靴または靴の一部350、470のそれぞれを製造するための、本発明による方法および本発明による装置のさらなる実施形態300、400を示す。ここで、不要な重複を避けるために、実施形態の概略のみを説明する。種々の方法ステップ、加工オプション、加工ステーション等に関する図1および図2についての前記説明が、図3および図4に示す実施形態にも当てはまることが、当業者に明らかである。
【0095】
図3に示す実施形態300では、3次元予備成形された第1の靴部品が、最初に加工ステーション305に設けられる。たとえば、シューアッパーまたは靴シャフトの横編みをここで行うことができる。しかしながら、他の3次元予備成形された第1の靴部品を設けることもでき、横編み以外の技術をそのために使用してもよい。
【0096】
加工ステーション305で第1の靴部品を直接製造する代わりに、3次元予備成形された第1の靴部品を、たとえば加工ステーション310により、倉庫または貯蔵庫から取り出し、さらなる加工のために供給することもできる。
【0097】
ここで、3次元予備成形された第1の靴部品をさらに加工するステップは、加工ステップの個々に制御可能な順序を含む。考えられる加工ステップの一部を以下で概説する。ちなみに、前述したように、図1および図2に関する説明も当てはまる。
【0098】
供給された、3次元予備成形された第1の靴部品は、さらなる加工ステップ325で、たとえば、取付装置、好ましくは、たとえば図4に示すラスト480等のラストに取り付けることができる。これは、たとえば加工ステーション320で、手動のみで行っても、部分的または完全に自動で行ってもよい。加工ステーション320は、たとえば、ラストを貯蔵庫または倉庫から取り出し、第1の靴部品を取り付けるために供給することができる。次の取付けの代わりとして、3次元予備成形された第1の靴部品を、取付装置の周囲、好ましくはラストの周囲の加工ステーション305で直接、横編みするか、または別の方法で製造することもできる。
【0099】
さらなる加工ステーション335で、たとえば、貯蔵庫から取り出された少なくとも1つの第2の靴部品330を、必要に応じて、3次元予備成形された第1の靴部品に追加することができる。しかしながら、ここで、第2の靴部品330を、加工ステーション335において、たとえば印刷等により3次元予備成形された第1の靴部品に貼り付けることも考えられる。
【0100】
さらなる加工ステーション340で、第1および第2の靴部品間の統合または接続を達成することができる。統合または接続を、接着、溶接、高周波溶接、超音波溶接、レーザ溶接、加圧、縫製、ねじ止め、リベット打ち、溶着、クリップ止め、封着、熱および圧力処理、蒸気処理の1つまたは複数の加工ステップにより行うことができる。たとえば、第1の靴部品および第2の靴部品は圧力および熱を受けて、存在するすべての接着層が活性化され、種々の層の間に弾性接続を形成することができる。また、同一もしくは異なる温度の、たとえば2つの熱加圧ステップまたは4つの熱加圧ステップ等の複数の別個の熱加圧ステップがあり得る。たとえば、第1の熱加圧ステップの温度は、第2の熱加圧第2ステップ等の温度より高くても低くてもよい。接着剤の最上層を貼り付けるか、または第1および/または第2の靴部品を薄いプラスチック被覆、たとえばポリマー被覆で覆うことがさらに考えられる。
【0101】
これらの加工ステップにより、完成した靴350をすでに構成する加工物350を製造することができる。しかしながら、結果として得られる加工物350が靴部品だけを構成し、さらなる加工ステップ、たとえば図4に示す方法ステップを続けて行って、靴を完成させることもできる。
【0102】
図4の実施形態400は、まず、前述した実施形態300の方法ステップを含むことができる。たとえば加工ステーション401によりさらに加工されるように移動可能な靴部品350に基づいて、たとえば、さらなる加工ステーション420の1つで、靴部品350をたとえば靴底に貼り付けることができる。靴底は、貯蔵庫または倉庫から輸送装置405により予め取り出されて、さらなる加工ステーション410で接着剤が施され得る。
【0103】
靴部品350および接着剤が施された靴底が加工ステーション420で押し合わされた後、接着剤を硬化させるために、たとえば加工物を冷却状態にし、および/または、さらなる加工ステップ430、435で能動的に冷却することができる。熱で活性化される他の接着剤については、接着剤を硬化させるために、加工物をさらなる加工ステップ430、435で熱またはエネルギーにより処理することができる。接着剤の使用以外の接続方法、および、したがって本段落で説明したものとは異なる、統合および接続硬化のための方法を、明らかに、これに関して使用することもできる。これに関連して、図1および図2ならびに加工ステーション340に関する説明を再び参照する。
【0104】
硬化後、さらなる加工ステップで、加工物を取付装置、たとえばラスト480から取り外すことができる。再び、これは作業員440が手動のみで行っても、さらなる加工ステーション445により補助してもよい。しかしながら、加工ステーション445によりラストを完全に自動で取り外すことも可能である。
【0105】
さらなる靴470を製造するか否かに応じて、たとえば図3に示す加工ステーション320等の加工ステーションにより、ラスト480を貯蔵庫または倉庫に戻すことができ、またはさらに供給された、3次元予備成形された第1の靴部品をラスト480に取り付けるために、前述したステップ325と同様に、ラスト480を再び使用することができる。これにより、たとえば(小規模)シリーズ商品の連続製作が可能になる。
【0106】
さらに、さらなる加工ステップ450、460で、たとえばコンベヤベルト455または他の輸送手段により供給可能な靴紐を、たとえば加工物に通すことができ、および/または、完成した靴470を、このために設けられた包装材料465に入れて、販売または発送に回す475ことができる。
【0107】
これに関し、包装材料は、好ましくは、製造された靴470に合わせて個々に注文製作される。たとえば、靴470の将来の着用者が、たとえばコンピュータ135上で靴モデル115を選択することにより、対応する靴290、350、470を製造させる場合、包装材料は、たとえば、靴の大きさ、色、特性、価格等の顧客の選択についての情報を含むことができる。つまり、包装材料370は、要求に応じて個々に印刷、切断、および形成されたそれぞれの箱により注文製作され得る。注文製作は、名前、ロゴ等の形の単に視覚的なものであっても、それぞれの靴470またはより一般には、衣料品もしくはスポーツ用品のそれぞれの製造品に合わせて完全に設計されたものであってもよい。
【0108】
ここで、図1図4に示す実施形態は、本発明の可能性を当業者に明らかにすることを意図した例にすぎないことにもう一度注目されたい。実際に存在する実施形態では、個々の加工ステップの正確な数、順序および性質が、ここで示す例100、200、300および400とは異なっていてもよい。
【0109】
図5は、本発明による方法、たとえば図2図4に示す装置205、300、400の1つの例示的な実施形態を実行するための1つまたは複数の装置510を備えた、移動式販売スタンド500の実施形態を示す。さらに、図5は、販売または相談スタンド550を示す。たとえば、この相談スタンド550では、顧客が適切な靴モデルについてのアドバイスを求めることができ、または顧客が所望の靴モデルを個々に設計することができる。所望の靴モデルを設計した後、製作装置510に、たとえば制御手段を介して、顧客により設計された靴モデルを製造するよう促すことができる。
【0110】
移動式販売スタンド500を、たとえば、見本市、大きな大会、スポーツ大会等で使用することができる。しかしながら、移動式販売スタンドを百貨店に配置することも考えられる。
【0111】
最後に、図6は、本発明による方法の例示的な実施形態を実行するための装置610を備えた販売室600の実施形態を示す。装置610は、たとえば、図2図4の説明した装置205、300、400の実施形態の1つであり得る。
【符号の説明】
【0112】
100、300、400 方法
110 第1の靴部品
115 靴モデル
120、480 取付装置、ラスト
130 選択
135 コンピュータ
140、305、310 3次元予備成形された第1の靴部品110を設けるステップ
145 ステーション
150、230、240、250、260、320、335、340、401、420、430、435、445 加工ステーション
200 3次元予備成形された第1の靴部品110を加工するステップ
205、300、400、510、610 装置
210、500 可動容器
220 輸送手段
290、350、470 靴
325、450、460 加工ステップ
330 第2の靴製品
405 輸送装置
410 移動式容器
440 作業員
465 包装材料
550 相談スタンド
600 販売室
図1
図2
図3
図4
図5
図6