(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
光ファイバと抗張力体とを有する光ケーブルの端部に取り付けられる光コネクタであって、前記光ファイバの端部を保持するフェルールと、前記フェルールから延び出る光ファイバの少なくとも一部を覆いつつ、前記光ケーブルに固定される固定用ハウジングとを備え、前記固定用ハウジングは、内部に前記光ファイバ及び前記抗張力体を配置可能な挿通穴と、前記挿通穴の内部と前記固定用ハウジングの外部とを連通させ、前記挿通穴の内部に接着剤を充填可能な接着剤充填窓とを有することを特徴とする光コネクタが明らかとなる。このような光コネクタによれば、光ケーブルの抗張力体に光コネクタのハウジングを簡易に固定することができる。
【0012】
前記光ケーブルには、2本の前記抗張力体の間に前記光ファイバが配置されており、前記接着剤充填窓は、2本の前記抗張力体が並ぶ方向及び前記光ケーブルの長手方向に垂直な方向に開口するように、前記固定用ハウジングに形成されていることが望ましい。これにより、2本の抗張力体に接着剤を塗布する作業が容易になる。
【0013】
前記接着剤充填窓は、前記光ケーブルの長手方向に沿って延びた形状をしていることが望ましい。これにより、抗張力体と固定用ハウジングの内壁との間で接着剤が塗布される領域が長くなり、両者の接着固定が強固になる。
【0014】
前記接着剤充填窓の幅は、前記光ファイバの幅よりも広いことが望ましい。これにより、接着剤充填窓からの視認性が良くなり、接着剤を塗布する作業が容易になる。
【0015】
前記固定用ハウジングの後端部には前記光ケーブル側に突出した突出部が2つ形成されており、2つの前記突出部によって扁平状の前記光ケーブルの外被が把持されていることが望ましい。これにより、接着前の光ケーブルに対する固定用ハウジングの位置ずれを抑制でき、接着剤を充填する作業が容易になる。
【0016】
前記挿通穴は、前記光ケーブルは挿入できない程度の大きさであるとともに、前記フェルールを通過可能な大きさであることが望ましい。これにより、光コネクタの小型化が可能になる。
【0017】
光ファイバと抗張力体とを有し、端部に光コネクタを取り付けたコネクタ付き光ケーブルであって、前記光コネクタは、前記光ケーブルに対して固定されており、前記光ファイバの端部を保持するフェルールと、前記フェルールから延び出る光ファイバの少なくとも一部を覆いつつ、前記光ケーブルに固定される固定用ハウジングとを備え、前記固定用ハウジングは、内部に前記光ファイバ及び前記抗張力体を配置可能な挿通穴と、前記挿通穴の内部と前記固定用ハウジングの外部とを連通させ、前記挿通穴の内部に接着剤を充填可能な接着剤充填窓とを有し、前記光ケーブルの前記抗張力体は、前記挿通穴の内部に充填された前記接着剤によって、前記固定用ハウジングに固定されていることを特徴とするコネクタ付き光ケーブルが明らかとなる。このようなコネクタ付き光ケーブルによれば、光ケーブルの抗張力体に光コネクタのハウジングを簡易に固定することができる。
【0018】
===実施形態===
本実施形態の光コネクタ(プラグ側光コネクタ10)の構造について説明する前に、まず、レセプタクル側光コネクタ100も含めた光コネクタシステム1の概要について説明する。
【0019】
<光コネクタシステム1とレセプタクル側光コネクタ100>
・光コネクタシステム1の概要
図1A及び
図1Bは、光コネクタシステム1の説明図である。
図1Aはレセプタクル側光コネクタ100の斜視図である。
図1Bは、プラグ側光コネクタ10の斜視図である。
図2は、レセプタクル側光コネクタ100とプラグ側光コネクタ10の断面図である。
図2に示す通り、光コネクタシステム1は、レセプタクル側光コネクタ100と、プラグ側光コネクタ10とを有する。レセプタクル側光コネクタ100は、ソケット側光コネクタと呼ばれることもある。本実施形態の光コネクタシステム1は、主に屋外で使用することが想定されており、レセプタクル側光コネクタ100にはキャップ160が着脱可能である(同様に、プラグ側光コネクタ10においても、キャップ60が着脱可能である)。
【0020】
以下の説明では、図に示すように、各方向を定義する。すなわち、コネクタ着脱方向を「前後方向」とし、相手側の光コネクタの側を「前」とし、逆側を「後」とする。なお、光コネクタ内の光ファイバの長手方向は前後方向となる。また、プラグ側の扁平状の光ケーブル3の断面の長径方向(光ケーブル3の2本の抗張力体7の並ぶ方向:
図4A参照)を左右方向とし、後側から前側に向かって見たときの右手側を「右」とし、逆側を「左」とする。また、前後方向及び左右方向に垂直な方向を「上下方向」とする。
【0021】
レセプタクル側光コネクタ100とプラグ側光コネクタ10とを接続すると、レセプタクル側のフェルール111と、プラグ側のフェルール11の端面同士が突き当たる。これにより、光ファイバの端面同士が物理的に突き当たり、光ファイバ同士が光接続することになる。
【0022】
・レセプタクル側光コネクタ100
図3は、レセプタクル側光コネクタ100の分解図である。
図1〜
図3を用いてレセプタクル側光コネクタ100の構成について説明する。
【0023】
レセプタクル側光コネクタ100は、コネクタ本体110と、外部ハウジング120と、内部ハウジング130とを有する。
コネクタ本体110は、フェルール111と、ハウジング部112とを有する部材である。フェルール111は、光ファイバの端部を保持する部材である。ここでは、単心光ファイバの端部を保持する円筒形ジルコニア製のフェルール111が用いられている。ハウジング部112は、フェルール111を収容するプラスチック製の収容部である。ここではコネクタ本体110として汎用コネクタであるSCコネクタが用いられている。
【0024】
外部ハウジング120は、内部ハウジング130を介してコネクタ本体110を収容する部材である。ここでは、外部ハウジング120は、内部ハウジング130を介してコネクタ本体110を収容しているが、内部ハウジング130を介さずにコネクタ本体110を収容しても良い。外部ハウジング120は、収容部121と、結合部122と、前スリーブ部123と、フランジ部124とを有する。
【0025】
収容部121は、コネクタ本体110及び内部ハウジング130を収容する部位である。収容部121は、外部ハウジング120の後側に形成されている。
【0026】
結合部122は、プラグ側の結合部22(回転部21)と結合する部位である。ここでは結合部122として、電気的な同軸コネクタでも採用されているバヨネットタイプのBNC形の結合機構が採用されている。このため、レセプタクル側の結合部122は円筒形状に構成されており、円筒形状の結合部122の外周面及び内周面には突起部122Aが形成されている。
【0027】
前スリーブ部123は、プラグ側のフェルール11を挿入するためのスリーブ部である。前スリーブ部123は、外部ハウジング120の内部に形成されており、結合部122の内側に形成されている。
【0028】
フランジ部124は、外部ハウジング120(及びレセプタクル側光コネクタ100)をボード(
図2参照)に固定するための部位である。フランジ部124とボードとの間には、防水のためのパッキン125が配置される。
【0029】
内部ハウジング130は、外部ハウジング120に対してコネクタ本体110を固定する部材である。内部ハウジング130は、ラッチ部131と、固定部132とを有する。ラッチ部131は、コネクタ本体110を留めるための部材である。ラッチ部131にはスリーブ部131Aが形成されており、このスリーブ部131Aにコネクタ本体110のフェルール111が挿入されることになる。つまり、このスリーブ部131Aと、外部ハウジング120の前スリーブ部123とによって、2つのフェルール11,111を突き合わせるための割スリーブとして機能する。固定部132は、外部ハウジング120との間にラッチ部131を固定する部材である。外部ハウジング120に対して固定部132がネジで固定されることによって、ラッチ部131の後抜けが防止されている。
【0030】
レセプタクル側光コネクタ100は、更にキャップ160を有する。キャップ160は、レセプタクル側光コネクタ100の結合部122を保護するため、レセプタクル側の結合部122を覆う部材である。キャップ160は、連結部材161によって、レセプタクル側光コネクタ100(外部ハウジング120)に連結されている(
図1A参照)。キャップ160の内周面にはキー溝160Aが形成されており、このキー溝160Aに結合部122の突起部122Aを合わせながら、円筒形状の結合部122にキャップ160を取り付ける。
図1Aに示すようにキー溝160AがL字状に形成されており、まず前後方向に平行にキャップ160を挿入した後、キャップ160を回転させてキャップ160を取り付けることになる。逆に、キャップ160を外すときには、キャップ160を回転させた後、キャップ160を引き抜くことになる。
【0031】
レセプタクル側のキャップ160の前側には、六角穴160Bが形成されている(
図3参照)。この六角穴160Bにプラグ側のキャップ60の六角レンチ部60A(
図1B参照)を挿入し、レセプタクル側のキャップ160を回転させることによって、レセプタクル側のキャップ160の着脱が可能である。
【0032】
<プラグ側光コネクタ10>
図4A及び
図4Bは、プラグ側光コネクタ10を取り付ける光ケーブル3の説明図である。
図4Aは、光ケーブル3の断面図である。
図4Bは、光ケーブル3の斜視図である。
光ケーブル3は、光ファイバ5と2本の抗張力体7とを有する。光ファイバ5は、チューブ4A内にジェル4Bを充填したチューブケーブル4内に収容されている。ここでは、チューブケーブル4は1本の光ファイバ5を収容しているが、複数の光ファイバ5を収容することも可能である。2本の抗張力体は、チューブケーブル4を挟むように配置されている。このため、光ケーブル3の内部では、光ファイバ5を挟むように2本の抗張力体7が配置されている。チューブケーブル4を2本の抗張力体7が挟むように配置されているため、これらを外被で覆って構成された光ケーブル3は、断面が扁平状になっている。
光ケーブル3は、更に防水部材8と、リップコード9とを有する。防水部材8は、光ケーブル3に侵入した水を吸収する部材であり、例えば吸収性ヤーンなどで構成されている。リップコード9は、光ケーブル3の外被を引き裂く際に用いられる紐状の部材である。防水部材8及びリップコード9は、チューブケーブル4と抗張力体7との間に配置されている。但し、防水部材8及びリップコード9の配置はこれに限られるものではない。また、光ケーブル3が、防水部材8及びリップコード9を備えていなくても良い。
【0033】
図5は、プラグ側光コネクタ10の分解図である。
図1、
図2及び
図5を用いてプラグ側光コネクタ10の構成について説明する。
【0034】
プラグ側光コネクタ10は、光ケーブル3の端部に取り付けられたコネクタであり、レセプタクル側光コネクタ100に対して着脱可能なコネクタである。プラグ側光コネクタ10の後側から光ケーブル3が延び出ている。プラグ側光コネクタ10の後側には、光ケーブル3を保護するためのブーツ51が取り付けられている。なお、プラグ側光コネクタ10を取り付けられた光ケーブル3は、光コネクタ付き光ケーブルとなる。
【0035】
プラグ側光コネクタ10も、キャップ60を有する。キャップ60は、プラグ側光コネクタ10の結合部22を保護するため、プラグ側の結合部22を覆う部材である。キャップ60は、連結部材61によって、プラグ側光コネクタ10(外部ハウジング23の後側ハウジング26)に連結されている(
図1B参照)。プラグ側のキャップ60には六角レンチ部60Aが形成されており、レセプタクル側のキャップ160の六角穴160Bに挿入してレセプタクル側のキャップ160の着脱に用いられる。六角レンチ部60Aには、更に貫通穴60Bが形成されている。プラグ側光コネクタ10に装着したキャップ60が外しにくいとき、この貫通穴60Bに不図示の棒状部材を挿通し、棒状部材を用いてキャップ60を回転させれば、キャップ60を外す作業が容易になる。
【0036】
プラグ側光コネクタ10は、フェルール11と、回転部21と、外部ハウジング23と、内部ハウジング30と、付与機構40とを有する。
【0037】
・フェルール11
フェルール11は、光ファイバ5の端部を保持する部材である。ここでは、単心光ファイバの端部を保持する円筒形のフェルールが用いられている。フェルール11は、フェルール本体部11Aと、フランジ部11Bとを有する。フェルール本体部11Aは、単心光ファイバの端部を保持する円筒形ジルコニア製の部位である。フランジ部11Bは、フェルール本体部11Aの後側に配置され、フェルール本体部11Aの外周面よりも外側に突出した部位(鍔部)である。
【0038】
・回転部21
回転部21は、レセプタクル側の結合部122と結合する部材であり、外部ハウジング23(挿入部24A)の外側で回転可能な筒状の部材(カップリング部)である。なお、回転部21と外部ハウジング23の挿入部24Aとによって、バヨネットタイプのBNC形の結合機構(結合部22)が構成されている。回転部21には、進入部21Aと係止部21Bが形成されている。レセプタクル側の結合部122との接続時に、進入部21Aにレセプタクル側の突起部122A(結合部122の外周面の突起部122A)を通した後、プラグ側の回転部21を回転させて、突起部122Aを係止部21Bに係止させる(引っ掛ける)ことになる。
【0039】
・外部ハウジング23
外部ハウジング23は、内部ハウジング30を収容する筒状の部材である。筒状の外部ハウジング23の内部は、フェルール11及び内部ハウジング30を収容する収容部となる。外部ハウジング23は、前側ハウジング24と、後側ハウジング26とを有する。前側ハウジング24の後端部の外周面には雄ネジ(
図5では、ネジ山は不図示)が形成されており、この雄ネジと後側ハウジング26の雌ネジとが接続されている。後側ハウジング26は、前側ハウジング24に嵌合するナットのように機能する。
【0040】
前側ハウジング24は、内部ハウジング30の前側を収容する筒状の部材である。前側ハウジング24は、挿入部24Aと、支持部24Bとを有する。
【0041】
挿入部24Aは、前側ハウジング24の前側の部位であり、レセプタクル側の円筒形状の結合部122の内側に挿入する部位である。挿入部24Aは、回転部21とともにプラグ側光コネクタ10の結合部22を構成する。
挿入部24Aの前側の開口からは、フェルール11の端面(及び可動ハウジング41)が露出している。挿入部24Aの外周面には前後方向に沿ってキー溝241が形成されている。レセプタクル側の結合部122との接続時に、キー溝241にレセプタクル側の突起部122A(結合部122の内周面の突起部122A)を合わせながら、プラグ側の挿入部24Aをレセプタクル側の円筒形状の結合部122に挿入することになる。挿入部24Aの外周面と回転部21の内周面との間には隙間が空いており、この隙間にレセプタクル側の円筒形状の結合部122が入り込むことになる。
【0042】
支持部24Bは、回転部21を前側ハウジング24に対して回転可能に支持する部位である。支持部24Bは、前側ハウジング24の中央部の外周面に形成されている。
【0043】
なお、前側ハウジング24の後側端面24Cは、内部ハウジング30の鍔部30Aの前縁(第1ハウジング33の第1鍔部33E及び第2ハウジング34の第2鍔部341Cにより構成された前側鍔部32A)と接触する接触部となっている。
【0044】
後側ハウジング26は、前側ハウジング24の後側に取り付けられ、内部ハウジング30の後側を収容する筒状の部材である。後側ハウジング26は、接触部26Aと、取付部26Bとを有する。
【0045】
接触部26A(
図2参照)は、筒状の後側ハウジング26の内周面から突出した部位であり、内部ハウジング30の鍔部30Aの後縁(固定用ハウジング31の後側鍔部31E)と接触する部位である。この接触部26Aと前側ハウジング24の後側端面24Cとの間に、内部ハウジング30の鍔部30Aが前後から挟まれる。取付部26Bにはブーツ51が取り付けられる。なお、取付部26Bとブーツ51との間には収縮スリーブ52(
図2参照)が配置される。収縮スリーブ52の内側には不図示の充填材が充填されており、収縮スリーブ52は、外部ハウジング23及び内部ハウジング30の後端部と光ケーブル3との間の隙間を塞いでいる。
【0046】
外部ハウジング23は、嵌合用Oリング25と、キャップ用Oリング27とを更に有する。
図6Aは、嵌合用Oリング25の配置の説明図である。嵌合用Oリング25は、コネクタ接続時に光接続部を防水する防水部材である。嵌合用Oリング25は、回転部21の内側の挿入部24Aの外周面に配置されており、挿入部24Aをレセプタクル側光コネクタ100の結合部122の内側に挿入したときに、レセプタクル側光コネクタ100の結合部122の内周面と接触する。これにより、コネクタ接続時に、プラグ側の結合部22である挿入部24Aとレセプタクル側の結合部122との間が防水されて、レセプタクル側のフェルール111とプラグ側のフェルール11との突き当て部(光接続部)を防水することができる。
【0047】
なお、挿入部24Aの外周面には、レセプタクル側の結合部122の内側の突起部122Aのためのキー溝241が形成されているが、嵌合用Oリング25は、このキー溝241よりも後側に配置されている。これにより、キー溝241からの浸水を防止できる。
【0048】
ところで、仮にレセプタクル側光コネクタ100の円筒状の結合部122の外周面に嵌合用Oリング25を配置した場合にも、コネクタ接続時に、プラグ側の結合部22(この場合、回転部21)とレセプタクル側の結合部122との間に嵌合用Oリング25を配置可能である。但し、この場合、嵌合用Oリング25が、回転する回転部21と接触することになるため、本実施形態と比べると嵌合用Oリング25の防水性が低下するおそれがある。このため、本実施形態のように、挿入部24Aの外周面に嵌合用Oリング25を配置することによって、コネクタ接続時にプラグ側の挿入部24Aとレセプタクル側の円筒形状の結合部122との間に嵌合用Oリング25を配置することが望ましい。
【0049】
図6Bは、キャップ用Oリング27の配置の説明図である。キャップ用Oリング27は、光コネクタ10のキャップ時に光接続部を防水する防水部材である。キャップ用Oリング27は、後側ハウジング26の外周面に配置されており、キャップ60をプラグ側光コネクタ10に被せたときに、キャップ60の内周面と接触する。これにより、光コネクタ10のキャップ時に、キャップ60の内部が防水されて、プラグ側のフェルール11を防水することができる。
【0050】
ところで、本実施形態では、嵌合用Oリング25とキャップ用Oリング27とが別々に設けられている。仮に嵌合用Oリング25をキャップ用Oリング27として兼用させようとすると、キャップを回転部21と挿入部24Aとの間の隙間に挿入させることになるため、回転部21をキャップで保護することができなくなってしまう。なお、キャップ用Oリング27は、回転部21よりも後側に配置されるため、キャップ用Oリング27を嵌合用Oリング25として兼用することは難しい。このため、本実施形態では、コネクタ接続時に光接続部を防水する防水部材(嵌合用Oリング25)と、光コネクタ10のキャップ時に光接続部を防水する防水部材(キャップ用Oリング27)とをそれぞれ別々に設けている。
【0051】
また、
図2に示すように、外部ハウジング23は、ハウジング用Oリング29を有する。ハウジング用Oリング29は、前側ハウジング24と後側ハウジング26との接続部に配置されている。ハウジング用Oリング29は、外部ハウジング23の内部を防水する防水部材である。
【0052】
・内部ハウジング30
図7は、内部ハウジング30及び付与機構40の分解図である。
図8A〜
図8Fは、内部ハウジング30及び付与機構40の組み立て時の様子の説明図である。なお、光コネクタ10の組み立て作業は、組み立て工場の中で行われても良いし、工場外の各現場で行われても良い。
【0053】
内部ハウジング30は、外部ハウジング23の内側でフェルール11の後側の光ファイバ(被覆の除去された裸ファイバ)を保護する部材(ハウジング)である。フェルール11の後側の光ファイバ5(被覆の除去された裸ファイバ)を保護する部材である。
図8Aに示すように、予めフェルール11の取り付けられたピグテール光ファイバと光ケーブル3から口出しされた光ファイバ5とを融着した場合、融着点近傍の光ファイバ5に補強チューブ35が配置されることがある。内部ハウジング30は、この補強チューブ35を収容可能である。光ファイバ5を融着しない場合(光ケーブル3から口出しした光ファイバ5をフェルール11に直接接続した場合)には補強チューブ35は不要になるが、このような場合にも、補強チューブ35を収容可能な内部ハウジング30を使用可能である。
【0054】
内部ハウジング30は、固定用ハウジング31と、中央ハウジング32とを有する。
【0055】
固定用ハウジング31は、フェルール11から延び出る光ファイバ5の少なくとも一部を覆いつつ、光ケーブル3(詳しくは抗張力体7)に固定される部材(ハウジング)である。固定用ハウジング31は、光ケーブル3に対して中央ハウジング32(第1ハウジング33及び第2ハウジング34)を固定する部材でもある。但し、固定用ハウジング31と中央ハウジング32とを一体的に構成し、一体化された固定用ハウジング31を光ケーブル3に固定しても良い。
【0056】
固定用ハウジング31は、光ファイバ5を挿通可能な筒状の部材であり、挿通穴31Aと、接着剤充填窓31Bとを有する。
【0057】
挿通穴31Aは、光ケーブル3から口出しされた光ファイバ5を挿通させる穴である。挿通穴31Aの内部には、光ケーブル3の光ファイバ5及び2本の抗張力体7を挿入可能である。抗張力体7は、挿通穴31Aを貫通しても良いし、貫通していなくても良い。ここでは、抗張力体7の前端は、挿通穴31Aを貫通せずに、挿通穴31Aの内部に配置されている。
【0058】
挿通穴31Aの大きさは、光ファイバ5及び2本の抗張力体7を挿入可能な程度であるが、光ケーブル3の全体は挿入できない程度である。仮に挿通穴31Aが光ケーブル3の全体を挿入可能な大きさになると、固定用ハウジング31が大型化してしまうのに対し、本実施形態では挿通穴31Aを小さくできるため固定用ハウジング31を小型できる。
【0059】
ところで、固定用ハウジング31の挿通穴31Aに光ケーブル3を挿入できなくなると、光コネクタ10の組み立て時に、光ケーブル3の口出し部よりも後側に予め固定用ハウジング31を配置できなくなるという制約が生じる。但し、本実施形態では、挿通穴31Aは、フェルール11を通過可能な大きさに構成されている。このため、光ファイバ5の融着後に固定用ハウジング31をフェルール11の前側から挿入して取り付け可能になるので(後述の
図8A及び
図8B参照)、固定用ハウジング31の挿通穴31Aが光ケーブル3を挿入できないことによる組み立て時の制約は許容されている。
【0060】
接着剤充填窓31Bは、挿通穴31Aと外部とを連通させる窓(開口)である。接着剤充填窓31Bから接着剤が挿通穴31Aに充填されることによって、光ケーブル3の抗張力体7と固定用ハウジング31とが接着固定される。金属部材をかしめて接合するのではなく、接着剤で固定できるため、ハウジングの取り付け作業が簡易になる。また、接着剤充填窓31Bから接着剤を充填するため、抗張力体7と固定用ハウジング31の内壁との間に接着剤を塗布する作業が容易になる。また、接着剤充填窓31Bから固定用ハウジング31の内部の接着剤の塗布状況を確認可能であるため、接着剤を塗布する作業が容易になる。
【0061】
図9は、接着時の固定用ハウジング31を上から見た図である。
接着剤充填窓31Bは、上下方向に開口するように固定用ハウジング31に形成されている。すなわち、接着剤充填窓31Bは、2本の抗張力体7の並ぶ方向(左右方向)及び光ケーブル3の長手方向(前後方向)と垂直な方向(上下方向)に開口するように、固定用ハウジング31に形成されている。これにより、2本の抗張力体7に接着剤を塗布する作業が容易になる。
【0062】
また、接着剤充填窓31Bは、前後方向(光ケーブル3の長手方向)に沿って延びた形状をしている。これにより、固定用ハウジング31内の抗張力体7の前後方向に沿って接着剤を塗布可能になり、抗張力体7と固定用ハウジング31の内壁との間で接着剤が塗布される領域が長くなり、両者の接着固定が強固になる。
【0063】
また、接着剤充填窓31Bの左右方向の幅は、光ファイバ5の幅(被覆を含む光ファイバ5の直径)よりも広い。これにより、光ファイバ5を挟む2本の抗張力体7を接着剤充填窓31Bから視認可能になるため、抗張力体7に接着剤を塗布する作業が容易になる。
【0064】
固定用ハウジング31の後端部の上下には、それぞれ突出部31Cが後側に突出して形成されている。上下の突出部31Cは、光ケーブル3の外被を上下方向から把持する。すなわち、上下の突出部31Cは、扁平状の光ケーブル3を短径方向から把持する。これにより、接着前の光ケーブル3に対する固定用ハウジング31の位置ずれ(特に回転方向の位置ずれ)を抑制でき、接着剤充填窓31Bから接着剤を充填する作業が容易になる。
【0065】
固定用ハウジング31の前端部の上下には、それぞれ係合穴31Dが形成されている。この係合穴31Dには、中央ハウジング32(第1ハウジング33及び第2ハウジング34)の後端部に形成された係合爪(第1係合爪33C、第2係合爪341B)が係合する。これにより、固定用ハウジング31に対する中央ハウジング32(第1ハウジング33及び第2ハウジング34)の位置ずれを抑制できる。
【0066】
固定用ハウジング31の前側には、後側鍔部31Eが形成されている。後側鍔部31Eは、中央ハウジング32の前側鍔部32Aとともに、内部ハウジング30の鍔部30Aを構成する。後側鍔部31Eは、外部ハウジング23となる後側ハウジング26の接触部26Aと接触する。
【0067】
固定用ハウジング31は、
図8Aに示すように光ファイバ5を融着して融着点に補強チューブ35を配置した後、
図8Bに示すように、フェルール11の前側から挿入して、光ケーブル3の口出し部に取り付けられる。光ファイバ5の融着後に固定用ハウジング31をフェルール11の前側から挿入して取り付け可能であるため、光ケーブル3から口出しする光ファイバ5が短くても融着器にセットできるので、融着前に予めフェルール11の後方に固定用ハウジング31を配置しなければならない場合と比べると、光コネクタ10の小型化が可能になる。
【0068】
なお、固定用ハウジング31を光ケーブル3に取り付ける前に、固定用ハウジング31よりも後側に配置される部材(後側ハウジング26、収縮スリーブ52及びブーツ51)を光ケーブル3の口出し部よりも後側に挿入しておくことになる。これらの部材を光ケーブル3に挿入する作業は、光ファイバ5の融着前でも良いし、融着後でも良い。
【0069】
図10は、内部ハウジング30の断面図である。
中央ハウジング32は、フェルール11の後側の光ファイバ5(被覆の除去された裸ファイバ)を保護する部材であり、補強チューブ35を収容可能な部材(ハウジング)である。中央ハウジング32は、内部ハウジング30の中央部に位置し、固定用ハウジング31の前側に位置している。
【0070】
中央ハウジング32の後側には、前側鍔部32Aが形成されている。前側鍔部32Aは、固定用ハウジング31の後側鍔部31Eとともに、内部ハウジング30の鍔部30Aを構成する。前側鍔部32Aは、外部ハウジング23となる前側ハウジング24の後側端面24Cと接触する。なお、内部ハウジング30の鍔部30A(前側鍔部32A及び後側鍔部31E)は、前側ハウジング24の後側端面24Cと後側ハウジング26の接触部26Aとの間に前後から挟まれ、これにより、内部ハウジング30(固定用ハウジング31及び中央ハウジング32)が外部ハウジング23に対して固定されている。
【0071】
中央ハウジング32は、第1ハウジング33及び第2ハウジング34を有する。中央ハウジング32を円筒形状の一体構造物にすることも可能であるが、本実施形態では、第1ハウジング33及び第2ハウジング34に分けて、それぞれを略半割構造にしている。これにより、
図10に示すように、フェルール11のフランジ部11Bを前後両側から押さえることが可能になり、フェルール11の前後方向の位置を固定している。
【0072】
第1ハウジング33は、補強チューブ35の下部を覆う半円筒状の部材である。第1ハウジング33は、第1収容部33Aと、後縁押さえ部33Bと、第1係合爪33Cと、案内部33Dと、第1鍔部33Eとを有する。
第1収容部33Aは、補強チューブ35の下部を収容する部位である。第1収容部33Aは、前後方向に沿った凹形状に形成されている。
【0073】
後縁押さえ部33Bは、フェルール11のフランジ部11Bの後縁を後側(レセプタクル側光コネクタ100の側とは反対側)から押さえる部位である。後縁押さえ部33Bは、U字状に形成された部位である。
図8C及び
図10に示すように、U字状の後縁押さえ部33Bは、フェルール11のフランジ部11Bと補強チューブ35との間に差し込まれて配置される。後縁押さえ部33Bの前面がフェルール11のフランジ部11Bの後縁と接触し、フェルール11が後側に移動することを抑制できる。これにより、フェルール11とレセプタクル側光コネクタ100のフェルール111との突き当て時(コネクタ接続時)に、フェルール11が後側へ移動することを抑制できる。また、フェルール11を後退可能にするためのスペースが不要になるため、光コネクタ10の小型化が可能になる。
【0074】
第1係合爪33Cは、第1ハウジング33の後端部から後側(固定用ハウジング31側)に突出した部位であり、固定用ハウジング31の係合穴31Dと係合する部位である。第1係合爪33Cが固定用ハウジング31の係合穴31Dと係合することによって、固定用ハウジング31に対する第1ハウジング33の位置ずれを抑制でき、固定用ハウジング31からの脱落を抑制できる。
【0075】
案内部33Dは、第2ハウジング34を前後方向に案内する部位である。案内部33Dは、半円筒状の第1ハウジング33の外周面に前後方向に沿った凸条として形成されている。なお、第2ハウジング34の内周面には、第1ハウジング33の案内部33Dに合うように、前後方向に沿った案内溝(不図示)が形成されている。
【0076】
第1鍔部33Eは、中央ハウジング32の前側鍔部32Aを構成する部位である。第1鍔部33Eは、半円筒状の第1ハウジング33の外周面から外側に突出した部位であり、第1ハウジング33の後側に形成されている。
【0077】
第1ハウジング33は、光ケーブル3に固定用ハウジング31を取り付けた後(
図8C参照)、
図8C及び
図10に示すように、第1係合爪33Cを固定用ハウジング31の係合穴31Dに係合させつつ、U字状の後縁押さえ部33Bをフェルール11のフランジ部11Bと補強チューブ35との間に差し込んで、補強チューブ35の下部を覆うように配置される。
【0078】
第2ハウジング34は、補強チューブ35の上部を覆う部材である。第2ハウジング34は、半円筒部341と、円筒部342とを有する。
【0079】
半円筒部341は、円筒部342よりも後側の半円筒状の部位であり、補強チューブ35の上部を収容する第2収容部341A(
図10参照)を有する。第2収容部341Aは、前後方向に沿った凹形状に形成されている。半円筒部341の後端部には、後側(固定用ハウジング31側)に突出した第2係合爪341Bが形成されている。第2係合爪341Bは、固定用ハウジング31の係合穴31Dと係合する部位である。半円筒部341は、半円筒状の第1ハウジング33の一部を外側から覆っており、第1ハウジング33を覆う内周面には、第1ハウジング33の案内部33Dに合うように前後方向に沿った案内溝(不図示)が形成されている。また、半円筒部341の後側には、第2鍔部341Cが形成されている。第2鍔部341Cは、第1鍔部33Eとともに中央ハウジング32の前側鍔部32Aを構成する部位であり、半円筒部341の外周面から外側に突出した部位である。
【0080】
円筒部342は、半円筒部341の前側の部位であり、フェルール11のフランジ部11Bを覆う円筒状の部位である。円筒部342の前縁には、押さえ部342Aが形成されている。
図10に示すように、押さえ部342Aの後面(内面)は、フェルール11のフランジ部11Bの前縁と接触し、フェルール11が前側に移動することを抑制できる。すなわち、フェルール11のフランジ部11Bは、第1ハウジング33の後縁押さえ部33Bと、第2ハウジング34の押さえ部342Aとによって、前後両側から押さえられている。これにより、フェルール11の前後方向の位置が固定される。押さえ部342Aの中央部には穴が空いており、この穴からフェルール本体部11Aが突出している。押さえ部342Aの前面は、後述するスプリング42の後端と接触している。
【0081】
第2ハウジング34は、第1ハウジング33の取り付け後(
図8C参照)、第1ハウジング33の案内部33Dに第2ハウジング34の内側の案内溝(不図示)を合わせながら、第1ハウジング33に対して後側へスライドさせて、
図8Dに示す位置に取り付けられる。このとき、第1ハウジング33の案内部33Dが第2ハウジング34の案内溝に入り込んでいるため、第1ハウジング33に対する第2ハウジング34の上下方向又は左右方向への移動が制限されるので、第2ハウジング34が第1ハウジング33に対してずれにくくなり、第2ハウジング34の取り付け作業が容易になる。
第2ハウジング34を後側にスライドさせていくと、
図10に示すように、第2係合爪341Bが固定用ハウジング31の係合穴31Dに係合する。これにより、固定用ハウジング31に対する第2ハウジング34の位置ずれを抑制できる。
また、第2ハウジング34を後側にスライドさせていくと、
図10に示すように、円筒部342の押さえ部342Aの中央部の穴からフェルール本体部11Aが突出し、円筒部342の内側にフェルール11のフランジ部11Bが収容される。このとき、第2ハウジング34の押さえ部342Aは、第1ハウジング33の後縁押さえ部33Bとの間でフェルール11のフランジ部11Bを挟み込む。これにより、フェルール11のフランジ部11Bが前後両側から押さえられ、フェルール11の前後方向の位置が固定される。
【0082】
図8Dに示すように、第2ハウジング34を取り付けると、固定用ハウジング31の前側に中央ハウジング32が構成される。また、第2ハウジング34が取り付けられると、第2鍔部341Cと第1ハウジング33の第1鍔部33Eとによって前側鍔部32Aが構成され、この前側鍔部32Aと固定用ハウジング31の後側鍔部31Eとによって内部ハウジング30の鍔部30A(外部ハウジング23によって挟持されることになる鍔部30A)が構成される。
【0083】
・付与機構40
付与機構40は、コネクタ接続時にプラグ側光コネクタ10に後側への力を付与する機構である。付与機構40は、可動ハウジング41と、スプリング42とを有する。
【0084】
可動ハウジング41は、フェルール本体部11Aを収容しつつ前後方向に可動な部材(ハウジング)である。可動ハウジング41は、フェルール本体部11Aを覆うハウジングとして機能し、これによりフェルール本体部11Aが保護されている。可動ハウジング41は、円筒形状をしており、中央部にフェルール本体部11Aが挿通されているとともに、中央の空洞にはスプリング42が収容されている。可動ハウジング41は、中央ハウジング32よりも前側に配置されており、スプリング42は、可動ハウジング41と中央ハウジング32との間に配置されている。
【0085】
スプリング42(
図7参照)は、コネクタ接続時にプラグ側光コネクタ10に後側への力を付与する弾性部材である。ここでは、スプリング42としてコイルスプリングが用いられているが、他の形状のスプリングを用いても良いし、ゴムなどの別の材質の弾性部材を用いても良い。スプリング42の中央の空洞には、フェルール本体部11Aが挿通されている。スプリング42は、可動ハウジング41と内部ハウジング30(第2ハウジング34の押さえ部342A)との間で圧縮された状態で配置されており、両者の間で反発力を生成する。スプリング42の前端は可動ハウジング41の内壁面と接触しており、スプリング42の後端は第2ハウジング34の押さえ部342Aの前面と接触している。
なお、スプリング42は、第2ハウジング34の取り付け後(
図8D参照)、
図8Eに示すように、第2ハウジング34から前側に突出したフェルール本体部11Aに取り付けられる。
【0086】
可動ハウジング41の前側は開口しており、この開口からフェルール11の端面が露出している(
図1B、
図2参照)。可動ハウジング41とフェルール11との間には隙間が空いている。コネクタ接続時にプラグ側のフェルール11がレセプタクル側の前スリーブ部123(
図2参照)に挿入されると、可動ハウジング41とフェルール11との間の隙間にレセプタクル側の前スリーブ部123が入り込むことになる。
【0087】
可動ハウジング41は、挿入部24Aの前側の開口から露出しており、挿入部24Aの前縁よりも前側に若干突出して配置されている(
図2参照)。可動ハウジング41は、挿入部24Aよりも前側に突出しているため、コネクタ接続時に、可動ハウジング41がレセプタクル側光コネクタ100(詳しくは外部ハウジング120の前スリーブ部123の付け根)と接触してレセプタクル側から力を受ける。これにより圧縮されたスプリング42の反発力は、中央ハウジング32を介してレセプタクル側光コネクタ100とプラグ側光コネクタ10との間で作用し、この結果、レセプタクル側の結合部122(突起部122A)とプラグ側の結合部22(回転部21の係止部21B)との結合(引っ掛かり)が強固になり、外れにくくなる。
【0088】
可動ハウジング41には鍔部41Aが形成されている。この鍔部41Aが前側ハウジング24の内周面に形成された突出部(不図示)に接触することによって、前側ハウジング24に対する可動ハウジング41の最前位置が規定されている。これにより、スプリング42から前側への力を付与されている可動ハウジング41の前抜けを防止しつつ、コネクタ接続時の可動ハウジング41の後側への移動が許容されている。
【0089】
可動ハウジング41は、スプリング42をフェルール本体部11Aに取り付けた後(
図8E参照)、
図8Fに示すように、スプリング42を収容するように前側から取り付けられる。その後、回転部21を取り付けた前側ハウジング24を内部ハウジング30の前側から挿入し、前側ハウジング24と予め光ケーブル3に挿入しておいた後側ハウジング26とを嵌合(ネジ留め)させて接続する。このとき、後側ハウジング26の接触部26Aと前側ハウジング24の後側端面24Cとの間に内部ハウジング30の鍔部30Aが前後から挟まれる。前側ハウジング24が後側ハウジング26に接続されるとき、可動ハウジング41の鍔部41Aが前側ハウジング24の内周面に形成された突出部(不図示)に接触し、スプリング42が可動ハウジング41と内部ハウジング30(第2ハウジング34の押さえ部342A)との間で圧縮された状態で配置される。
【0090】
ところで、スプリング42の反発力は、レセプタクル側の結合部122(突起部122A)とプラグ側の結合部22(回転部21の係止部21B)との結合(引っ掛かり)を外れにくくさせる機能を有する。このような機能を持つスプリング42がフェルール11のハウジング部11Bの前側に配置されるため、スプリング42は、光ファイバ5の融着後にフェルール11の前側から挿入して取り付け可能である。仮にフェルール11のハウジング部11Bの後側にスプリングを配置するような構成の場合には、融着前に予めフェルール11の後方にスプリングを配置しなければならなくなるため、このような場合と比べると、光ケーブル3から口出しする光ファイバ5が短くても融着器にセットできるので、光コネクタ10の小型化が可能になる。
【0091】
また、仮にフェルール11のハウジング部11Bの後側にスプリングを配置するような構成の場合には、コネクタ接続時にフェルール11が後側に待避(後退)できるようにスペースを設ける必要がある。これに対し、本実施形態では、スプリング42がフェルール11のハウジング部11Bの前側に配置されており、フェルール11は前後方向に移動せず、フェルール11を後退可能にするためのスペースが不要になるため、光コネクタ10の小型化が可能になる。
【0092】
<小括>
上記のプラグ側光コネクタ10は、光ファイバ5と抗張力体7とを有する光ケーブル3の端部に取り付けられる光コネクタであり、光ファイバ5の端部を保持するフェルール11と、フェルール11から延び出る光ファイバの少なくとも一部を覆いつつ光ケーブル3に固定される固定用ハウジング31とを備えている。そして、固定用ハウジング31は、光ファイバ5及び抗張力体7を内部に配置可能な挿通穴31Aと、挿通穴31Aの内部に接着剤を充填可能な接着剤充填窓31Bとを有している。これにより、金属部材をかしめて接合するのではなく、接着剤で固定できるため、ハウジングの取り付け作業が簡易になる。また、接着剤充填窓31Bから接着剤を充填するため、抗張力体7と固定用ハウジング31の内壁との間に接着剤を塗布する作業が容易になる。
【0093】
上記の接着剤充填窓31Bは、
図9に示すように、2本の抗張力体7の並ぶ方向(左右方向)及び光ケーブル3の長手方向(前後方向)と垂直な方向(上下方向)に開口するように、固定用ハウジング31に形成されている。これにより、2本の抗張力体7に接着剤を塗布する作業が容易になる。但し、接着剤充填窓31Bが例えば左右方向に開口するように固定用ハウジング31に形成されても良い。
【0094】
上記の接着剤充填窓31Bは、
図9に示すように、前後方向(光ケーブル3の長手方向)に沿って延びた形状をしている。これにより、固定用ハウジング31内の抗張力体7の前後方向に沿って接着剤を塗布可能になり、抗張力体7と固定用ハウジング31の内壁との間で接着剤が塗布される領域が長くなり、両者の接着固定が強固になる。但し、例えば上から見たときに接着剤充填窓31Bが正方形状の開口に形成されていても良い。
【0095】
上記の接着剤充填窓31Bの左右方向の幅は、光ファイバ5の幅(被覆を含む光ファイバ5の直径)よりも広い。これにより、接着剤充填窓31Bからの視認性が良くなり、接着剤を塗布する作業が容易になる。但し、接着剤充填窓31Bの左右方向の幅が光ファイバ5の幅よりも狭くなるように、接着剤充填窓31Bを構成することも可能である。
【0096】
上記の固定用ハウジングの後端部には後側(光ケーブル側)に突出した突出部31Cが2つ形成されている。そして、
図8Bや
図10に示すように、2つの突出部によって扁平状の光ケーブルの外被を把持することが可能である。このため、接着前の光ケーブル3に対する固定用ハウジング31の位置ずれ(特に回転方向の位置ずれ)を抑制でき、接着剤充填窓31Bから接着剤を充填する作業が容易になる。
【0097】
上記の挿通穴31Aは、光ファイバ5及び2本の抗張力体7を挿入可能な程度であるが、光ケーブル3の全体は挿入できない程度の大きさである。このように固定用ハウジング31の挿通穴31Aに光ケーブル3を挿入できなくなると、光コネクタ10の組み立て時に、光ケーブル3の口出し部よりも後側に予め固定用ハウジング31を配置できなくなるという制約が生じる。これに対し、上記の挿通穴31Aは、フェルール11を通過可能な大きさに構成されているため、光ファイバ5の融着後に固定用ハウジング31をフェルール11の前側から挿入して取り付け可能になるので(
図8A及び
図8B参照)、組み立て時の制約は許容されている。
【0098】
===別の実施形態===
前述の内部ハウジング30は、固定用ハウジング31と、中央ハウジング32(第1ハウジング33及び第2ハウジング34)とから構成されていた。但し、内部ハウジング30(又は固定用ハウジング31)の形状は、これに限られるものではない。
図11は、別の実施形態の内部ハウジング30の説明図である。なお、内部ハウジング30以外の他の構成(例えば回転部21や外部ハウジング23など)については前述の実施形態と同様である。この実施形態の内部ハウジング30は、固定用ハウジング31と、前述の中央ハウジング32とが一体的に構成されている。言い換えると、本実施形態の固定用ハウジング31は、前述の中央ハウジング32を一体的に構成したものであり、内部に補強スリーブ35を収容可能である。本実施形態の固定用ハウジング31も、挿通穴31A(
図11では不図示)と接着剤充填窓31Bとを有している。これにより、固定用ハウジング31を光ケーブル3に固定(接着)する作業が容易になる。
【0099】
なお、本実施形態では、前述の中央ハウジング32(第1ハウジング33及び第2ハウジング34)に相当する部位が一体的に構成されており、前述の第1ハウジング33の後縁押さえ部33Bは形成されていない。このため、本実施形態の固定用ハウジング31は、光ファイバ5の融着後にフェルール11の前側から挿入可能に構成されている。
【0100】
前述の実施形態及び本実施形態では、フェルール11のフランジ部11Bよりも前側にスプリング42が配置された構成になっている。但し、フェルール11のフランジ部11Bよりも後側にスプリングが配置されてフェルール11が後退可能な構成になっていても良い。このような構成であっても、固定用ハウジング31が接着剤充填窓31Bを有していれば、固定用ハウジング31を光ケーブル3に固定(接着)する作業が容易になる。
【0101】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【0102】
<フェルールについて>
前述の実施形態では、レセプタクル側光コネクタ100にはSCコネクタが用いられており、レセプタクル側及びプラグ側のフェルール11,111は単心光ファイバの端部を保持する円筒形フェルールが用いられていた。但し、SCコネクタではなく、STコネクタ、LCコネクタ、MUコネクタなどが用いられても良いし、汎用コネクタでなくても良い。また、単心の円筒形フェルールではなく、例えばMTフェルールのように多心のフェルールが用いられても良い。