(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上流側ガス検知部の上流側に、サンプリングした被検知ガスを希釈する希釈部を備え、前記制御部は、前記上流側ガス検知部で検知した被検知ガスの濃度に応じて、当該希釈部の動作を制御する請求項1に記載のガス検知装置。
前記バイパス流路ガス検知部および前記上流側ガス検知部のそれぞれの被検知ガス検出特性の一部が重なり、前記上流側ガス検知部および前記下流側ガス検知部のそれぞれの被検知ガス検出特性の一部が重なる請求項1または2に記載のガス検知装置。
ガスの流動遅延を生じさせる遅延部を備え、前記遅延部の下流側に熱線型半導体式ガス検知素子を配設し、かつ前記遅延部の上流側に接触燃焼式センサを配設し、当該遅延部および前記熱線型半導体式ガス検知素子の間に、被検知ガスを導入するガス流路から分岐するようにバイパス流路を接続し、さらに前記バイパス流路に気体熱伝導式ガス検知素子を備えたガス検知装置を制御するに際し、
前記接触燃焼式センサで検知した被検知ガスの濃度に応じて、前記熱線型半導体式ガス検知素子および前記気体熱伝導式ガス検知素子の何れかにサンプリングした被検知ガスを流下させる、或いは、前記熱線型半導体式ガス検知素子を活性化および不活性化の何れかの状態に切り替える制御を行うガス検知装置の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような形態で上述したガス検知素子を用いると、検知対象ガス中に高濃度の被検知ガスが含まれる場合は、ガス検知素子は高濃度の被検知ガスに晒され、そのガス検知素子の精度が低下してガス検知素子が劣化する虞があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、特に低濃度ガスに対するガス検知性能の高いガス検知素子を高濃度ガスが存在する可能性のある環境下で使用した場合であっても劣化し難いガス検知装置およびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係るガス検知装置の第一特徴構成は、ガスの流動遅延を生じさせる遅延部を備え、前記遅延部の下流側に、低濃度における出力の変化が大きいため低濃度の被検知ガスを検出するのに適した下流側ガス検知部と、前記遅延部の上流側に、当該下流側ガス検知部よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適した上流側ガス検知部と、を配設し、さらに、当該遅延部および前記下流側ガス検知部の間に
、被検知ガスを導入するガス流路から分岐するようにバイパス流路を接続し、前記上流側ガス検知部で検知した被検知ガスの濃度に応じて、
前記ガス流路から前記バイパス流路に切り替えることができる制御部を備え
、前記バイパス流路に、上流側ガス検知部よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適したバイパス流路ガス検知部を備え、前記制御部は、前記上流側ガス検知部で検知した被検知ガスの濃度に応じて、前記下流側ガス検知部および前記バイパス流路ガス検知部の何れかにサンプリングした被検知ガスを流下させるように制御する点にある。
【0007】
本構成によれば、遅延部を備えて被検知ガスがバイパス流路の接続部位に到達する時間を意図的に遅らせることができ、遅延させられている時間(遅延時間)内に
ガス流路からバイパス流路に切り替える制御を行って下流側ガス検知部を高濃度の被検知ガスに接しないようにすることができる。これにより、下流側ガス検知部におけるガス検知素子に高濃度の被検知ガスを検知させてしまうのを未然に防止して、当該ガス検知素子の劣化を抑制することができる。
【0008】
従って、本発明のガス検知装置によれば、低濃度ガスに対するガス検知性能の高いガス検知素子を高濃度ガスが存在する可能性のある環境下で使用した場合であっても劣化し難いガス検知装置を供することができる。
また、本構成によれば、被検知ガスをバイパス流路に流下させる制御を行った場合は、被検知ガスは下流側ガス検知部によって検知されず、バイパス流路ガス検知部によって検知することができる。バイパス流路ガス検知部は上流側ガス検知部よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適した検知素子であるため、高濃度の被検知ガスに接したとしても、下流側ガス検知部のように劣化することは殆どない。
また、本構成では、低濃度の被検知ガスを検出するのに適した下流側ガス検知部と、下流側ガス検知部よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適した上流側ガス検知部と、上流側ガス検知部よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適したバイパス流路ガス検知部と、を備える。即ち、それぞれのガス検知部により、低濃度、中濃度、高濃度の被検知ガスを検知させることができる。
即ち、本構成では、上流側ガス検知部で検知した被検知ガスの濃度に基づいて、何れのガス検知素子で被検知ガスを検出するのが最適であるかを判断することができる。これにより、検知した被検知ガスの濃度に応じたガス検知性能を有する最適なガス検知素子を選択してガス検知を行うことができるようになり、ガス検知出力の精度が向上したガス検知装置となる。
【0009】
本発明に係るガス検知装置の第二特徴構成は、前記上流側ガス検知部の上流側に、サンプリングした被検知ガスを希釈する希釈部を備え、前記制御部は、前記上流側ガス検知部で検知した被検知ガスの濃度に応じて、当該希釈部の動作を制御する点にある。
【0010】
本構成によれば、高濃度の被検知ガスを含むサンプリングガスを、上流側ガス検知部および下流側ガス検知部に接触する前に上流側で希釈する事が出来るため、高濃度の被検知ガスを含むサンプリングガスを希釈して低濃度にし、上流側ガス検知部および下流側ガス検知部が高濃度の被検知ガスに晒されるのを防止することができる。そのため、特に下流側ガス検知部が、高濃度の被検知ガスによって劣化するのを未然に防止することができる。
【0015】
本発明に係るガス検知装置の
第三特徴構成は、前記バイパス流路ガス検知部および前記上流側ガス検知部のそれぞれの被検知ガス検出特性の一部が重なり、前記上流側ガス検知部および前記下流側ガス検知部のそれぞれの被検知ガス検出特性の一部が重なる点にある。
【0016】
本構成によれば、高濃度から低濃度に至る被検知ガスを確実に検知でき、所謂ワイドレンジな検知を行うことができるため、検知するガス種は特に制限がないガス検知装置を供することができる。
【0017】
本発明に係るガス検知装置の制御方法の特徴手段は、ガスの流動遅延を生じさせる遅延部を備え、前記遅延部の下流側に熱線型半導体式ガス検知素子を配設し、かつ前記遅延部の上流側に接触燃焼式センサを配設し、当該遅延部および前記熱線型半導体式ガス検知素子の間に
、被検知ガスを導入するガス流路から分岐するようにバイパス流路を接続し、さらに前記バイパス流路に気体熱伝導式ガス検知素子を備えたガス検知装置を制御するに際し、前記接触燃焼式センサで検知した被検知ガスの濃度に応じて、前記熱線型半導体式ガス検知素子および前記気体熱伝導式ガス検知素子の何れかにサンプリングした被検知ガスを流下させる、或いは、前記熱線型半導体式ガス検知素子を活性化および不活性化の何れかの状態に切り替える制御を行う点にある。
【0018】
本手段によれば、遅延部を備えて被検知ガスが下流側ガス検知部に到達する時間を意図的に遅らせることができ、遅延させられている時間(遅延時間)内に
ガス流路からバイパス流路に切り替える制御を行った場合は、下流側ガス検知部を高濃度の被検知ガスに接しないようにすることができる。これにより、下流側ガス検知部におけるガス検知素子に高濃度の被検知ガスを検知させてしまうのを未然に防止して、当該ガス検知素子の劣化を抑制することができる。
【0019】
また、熱線型半導体式ガス検知素子を活性化および不活性化の何れかの状態に切り替える場合は、バイパス流路に切り替える制御を行うことなく、下流側ガス検知部を高濃度の被検知ガスに接しないようにすることができる。
【0020】
従って、本発明のガス検知装置の制御方法によれば、低濃度ガスに対するガス検知性能の高いガス検知素子を高濃度ガスが存在する可能性のある環境下で使用した場合であっても劣化し難いガス検知装置の制御方法を供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明のガス検知装置は、被検知ガスをサンプリングして当該被検知ガスの濃度を測定する。
【0023】
図1に示したように、本発明のガス検知装置Xは、ガスの流動遅延を生じさせる遅延部40を備え、遅延部40の下流側に、低濃度における出力の変化が大きいため低濃度の被検知ガスを検出するのに適した下流側ガス検知部50と、遅延部40の上流側に、当該下流側ガス検知部50よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適した上流側ガス検知部30と、を配設し、さらに、遅延部40および下流側ガス検知部50の間にバイパス流路14を接続し、上流側ガス検知部30で検知した被検知ガスの濃度に応じて、バイパス流路14に切り替えることができる制御部60を備える。
【0024】
上流側ガス検知部30および下流側ガス検知部50は、被検知ガスを導入するガス流路10に配設してあり、下流側ガス検知部50の下流にはポンプPがガス流路10を介して接続されている。ポンプPの下流には、ガス流量を検知する流量検知部70が配設されている。ポンプPを作動することにより、雰囲気ガスおよび被検知ガスは吸引され、ガス入口部11、上流側ガス検知部30および下流側ガス検知部50などを経てガス排気口13から排出される。本実施形態では、上流側ガス検知部の上流側に、サンプリングした被検知ガスを希釈する希釈部80を備えた場合について説明する。
【0025】
また、本実施形態では、バイパス流路14に、上流側ガス検知部30よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適したバイパス流路ガス検知部90を備えた場合について説明する。尚、バイパス流路14にはガス検知部を設けず、バイパス流路14を介してガスが排気される構成であってもよい。
【0026】
(上流側ガス検知部)
本実施形態における上流側ガス検知部30は、接触燃焼式ガス検知素子を使用した場合について説明するが、これに限定されるものではない。接触燃焼式ガス検知素子は、後述する半導体式ガス検知素子(下流側ガス検知部50)よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適したガス検知性能を有する。
【0027】
接触燃焼式ガス検知素子は、アルミナ等の金属酸化物焼結体に白金等の貴金属触媒を担持したガス感応部としての燃焼触媒部を、白金等の貴金属線に設けてあり、燃焼触媒部において検知対象となる可燃性ガスを貴金属触媒と接触・燃焼させることで、燃焼の際に生じる温度変化を貴金属線の抵抗値の変化として検出する。可燃性ガスの燃焼熱は可燃性ガスの濃度に比例し、LELまでほぼ直線であり、貴金属線の抵抗値は燃焼熱に比例するため、可燃性ガスの燃焼による貴金属線の抵抗の変化値を測定することによって可燃性ガスの濃度を測定することができる。
【0028】
(遅延部)
ガスの流動遅延を生じさせる遅延部40は、本実施形態では、流動経路をコイル状に形成することによりガスの流動遅延を生じさせるものを説明するが、これに限られるものではない。例えば、コイル状の流動経路に替えて、流動経路に長尺部を備えるものであれば、被検知ガスが移動する距離を長くすることで遅延時間を確保することができる。この場合、長尺部の長さを変えることにより、容易に遅延時間を変更することができる。また、コイル状の流動経路に替えて、大径のバッファー部を備えるものであれば、バッファー部の容積を変えることにより、容積に対応した遅延時間を確保することができる。
【0029】
このように遅延部40を備えることにより、当該遅延部40を設けない場合に比べて被検知ガスが上流側ガス検知部30を通過してからバイパス流路14の接続部位(分岐手段23)に到達する時間を意図的に遅らせることができる。
【0030】
(下流側ガス検知部)
本実施形態における下流側ガス検知部50は、熱線型半導体式ガス検知素子を使用した半導体式センサについて説明するが、これに限定されるものではなく、薄膜型半導体式センサを含む半導体式センサや、その他のセンサも用いることができる。
半導体式ガス検知素子は、金属酸化物半導体表面でのガス吸着による熱伝導変化及び電気伝導度変化を電極で検出するように構成され、例えば白金、パラジウム、白金−パラジウム合金等の貴金属線に、酸化インジウム、酸化タングステン、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物を主成分とする金属酸化物半導体を塗布、乾燥後焼結成型してあるガス感応部を備えている。
このように構成された半導体式ガス検知素子は、低濃度における出力の変化が大きく高感度であり、可燃性ガスのうち分子量が大きいガス成分ほど高感度を示すものとなる。
【0031】
(バイパス流路ガス検知部)
本実施形態におけるバイパス流路ガス検知部90は、気体熱伝導式ガス検知素子を使用した場合について説明するが、これに限定されるものではない。
気体熱伝導式ガス検知素子は、ガスの熱伝導度の差による発熱体(白金線コイル)の温度変化を測定するように構成してある。
このように構成された気体熱伝導式ガス検知素子は、100vol%のガス濃度まで出力がほぼ直線的なので、高濃度のガス検知に適している。
【0032】
尚、本実施形態では、上流側ガス検知部30として接触燃焼式ガス検知素子を使用し、下流側ガス検知部50として熱線型半導体式ガス検知素子を使用し、バイパス流路ガス検知部90として気体熱伝導式ガス検知素子を使用した場合について説明したが、これらガス検知素子は、バイパス流路ガス検知部90および上流側ガス検知部30のそれぞれの被検知ガス検出特性の一部が重なり、上流側ガス検知部30および下流側ガス検知部50のそれぞれの被検知ガス検出特性の一部が重なる。
このようなガス検知素子のセットを適用することで、高濃度から低濃度に至る被検知ガスを確実に検知できるガス検知装置を供することができる。
【0033】
(制御部)
制御部60は、上流側ガス検知部30で検知した被検知ガスの濃度に応じて、バイパス流路14に切り替える制御を行う(
図2)。
【0034】
よって、本発明のガス検知装置Xは、遅延部40を備えて被検知ガスがバイパス流路14の接続部位(分岐手段23)に到達する時間を意図的に遅らせることができ、遅延させられている時間(遅延時間)内にバイパス流路14に切り替える制御を行って下流側ガス検知部50を高濃度の被検知ガスに接しないようにすることができる。これにより、下流側ガス検知部50におけるガス検知素子に高濃度の被検知ガスを検知させてしまうのを未然に防止して、当該ガス検知素子の劣化を抑制することができる。
尚、バイパス流路14に切り替える制御を行った場合は、下流側ガス検知部50への通電の有無はどちらでもよい。
【0035】
具体的には、制御部60は、接触燃焼式ガス検知素子(上流側ガス検知部30)で検知した被検知ガスの濃度に応じて、熱線型半導体式ガス検知素子および気体熱伝導式ガス検知素子の何れかにサンプリングした被検知ガスを流下させる、或いは、熱線型半導体式ガス検知素子(下流側ガス検知部50)を活性化および不活性化の何れかの状態に切り替える制御を行う。
【0036】
制御部60が熱線型半導体式ガス検知素子および気体熱伝導式ガス検知素子の何れかにサンプリングした被検知ガスを流下させる制御を行う場合は、分岐手段23を切り替え制御して、被検知ガスをバイパス流路14に流下させるか否かを制御する。
被検知ガスをバイパス流路14に流下させない場合は、例えば被検知ガスが低濃度であるときであり、被検知ガスは熱線型半導体式ガス検知素子によって検知できる。被検知ガスをバイパス流路14に流下させる制御を行った場合は、例えば被検知ガスが高濃度であるときであり、被検知ガスは熱線型半導体式ガス検知素子によって検知されず、気体熱伝導式ガス検知素子によって検知することができる。気体熱伝導式ガス検知素子は接触燃焼式ガス検知素子よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適した検知素子であるため、高濃度の被検知ガスに接したとしても、熱線型半導体式ガス検知素子のように劣化することは殆どない。即ち、被検知ガスをバイパス流路14に流下させる制御を行った場合は、被検知ガスを希釈することなくガス検知を行うことができる。
【0037】
本構成では、低濃度の被検知ガスを検出するのに適した熱線型半導体式ガス検知素子と、熱線型半導体式ガス検知素子よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適した接触燃焼式ガス検知素子と、接触燃焼式ガス検知素子よりも高濃度側の被検知ガスを検出するのに適した気体熱伝導式ガス検知素子と、を備える。即ち、それぞれのガス検知素子により、低濃度、中濃度、高濃度の被検知ガスを検知させることができる。
【0038】
即ち、本構成では、接触燃焼式ガス検知素子で検知した被検知ガスの濃度に基づいて、何れかのガス検知素子で被検知ガスを検出することができるため、検知した被検知ガスの濃度に応じたガス検知性能を有する最適なガス検知素子を選択してガス検知を行うことができる。
【0039】
また、例えば被検知ガスが中濃度である場合には、上流側検知部30の熱線型半導体式ガス検知素子によって検知されているので、バイパス流路14を介して排気してもよく、下流側ガス検知部50を不活性化させて劣化しないようにバイパス流路14を介さずに排気してもよい。前者の場合、下流側ガス検出部50を活性化した状態で中濃度の被検知ガスを排出できるため、次に低濃度被検知ガスが流下するような場合に、下流側ガス検出部50で即時検出を行うことが可能である。また後者の場合、バイパス流路14の切り替えを行う必要がないので、不要な流路切替えを無くすことができる。
【0040】
また、熱線型半導体式ガス検知素子を活性化および不活性化の何れかの状態に切り替える場合は、バイパス流路14に切り替える制御を行うことなく、不活性化することで下流側ガス検知部を高濃度の被検知ガスによって劣化しないようにすることができる。
【0041】
熱線型半導体式ガス検知素子を不活性化するには、熱線型半導体式ガス検知素子に供する電源をオフにするか、熱線型半導体式ガス検知素子に供する電圧を低下させるとよい。
熱線型半導体式ガス検知素子に供する電源をオフにすることで、熱線型半導体式ガス検知素子の温度を迅速に常温或いは常温付近に復帰させることができる。また、熱線型半導体式ガス検知素子に供する電圧を低下させることで、熱線型半導体式ガス検知素子の温度を緩やかに常温或いは常温付近に復帰させることができる。このとき、熱線型半導体式ガス検知素子の温度が常温より高い常温付近にまで低下している状態であれば、被検知ガスを検知するために熱線型半導体式ガス検知素子に供する電圧を上げた場合、熱線型半導体式ガス検知素子をガス検知に適した温度まで迅速に昇温することができる。
尚、熱線型半導体式ガス検知素子を不活性化した場合は、接触燃焼式ガス検知素子で検知した被検知ガスの濃度を被検知ガスの測定結果として示すように制御してもよい。また、熱線型半導体式ガス検知素子を活性化した場合であっても、接触燃焼式ガス検知素子は活性化させた状態とすることができる。
【0042】
例えば気体熱伝導式ガス検知素子で検知すべき高濃度のガスが流下した場合のみ、バイパス流路14への切替を行い、それ以外は、熱線型半導体式ガス検知素子を不活性化することにより、中濃度ガスによる劣化を防止する構成の場合には、接触燃焼式ガス検知素子で検知した被検知ガスの濃度が、第一所定濃度範囲の場合に熱線型半導体式ガス検知素子に供する電源をオフにし、第二所定濃度範囲の場合に熱線型半導体式ガス検知素子に供する電圧を低下させ、かつサンプリングした被検知ガスを希釈する。
【0043】
本構成では、制御部60の制御態様を被検知ガスの複数の濃度範囲に応じて異ならせることができる。即ち、被検知ガスの濃度が第一所定濃度範囲の場合には、熱線型半導体式ガス検知素子に供する電源をオフにすることで、熱線型半導体式ガス検知素子の温度を迅速に常温或いは常温付近に復帰させることができる。
【0044】
被検知ガスの濃度が第一所定濃度範囲と異なる第二所定濃度範囲の場合には、熱線型半導体式ガス検知素子に供する電圧を低下させ、かつサンプリングした被検知ガスを希釈する。これにより、線型半導体式ガス検知素子の温度を緩やかに常温或いは常温付近に復帰させ、かつサンプリングした被検知ガスの濃度を希釈して低下させた状態で、熱線型半導体式ガス検知素子と被検知ガスとを接触させることができる。このように、被検知ガスの濃度に応じて制御部の制御態様を変化させることができるため、下流側ガス検知部50におけるガス検知素子に高濃度の被検知ガスを検知させてしまうのを未然に防止できるだけでなく、ガス検知素子の劣化が起こり難い状態で被検知ガスの検知を行うことができる。
【0045】
尚、第二所定濃度範囲の濃度範囲は、被検知ガスの種類によって第一所定濃度範囲より高く設定してもよいし、低く設定してもよい。
【0046】
被検知ガスの希釈は、希釈部80により行うことができる。即ち、制御部60は、接触燃焼式ガス検知素子で検知した被検知ガスの濃度に応じて、希釈部80の動作を制御する(
図3)。
【0047】
当該希釈部80は、被検知ガスを希釈する希釈用ガスを供することができるように構成すればよい。具体的には、希釈部80は、ガス流路10を分岐する分岐手段20(21,22)によって分岐した分岐流路10aにオリフィス部81を設け、その下流側にエア導入部12を備えたエア導入配管10bを接続し、エア導入遮断を切り替え自在に構成してある。尚、希釈部80には余剰となるエアを排出する排出路を設けてもよい。
【0048】
希釈部80における被検知ガスの希釈率は適宜設定できるが、制御部60によって予め希釈部80のガス希釈率を定めておいて、希釈後の被検知ガス濃度を求められるように構成してあれば、希釈後の測定被検知ガス濃度を基に、被検知ガス濃度を求めることが可能となる。例えば希釈率を20倍に設定しておけば、5vol%程度が検知限界となる接触燃焼式ガス検知素子は、100vol%までの検知が行える。
【0049】
上述したように、制御部60は、上流側ガス検知部30で検知した被検知ガスの濃度に応じて、下流側ガス検知部50およびバイパス流路ガス検知部90の何れかにサンプリングした被検知ガスを流下させる、或いは、下流側ガス検知部50を活性化および不活性化の何れかの状態に切り替える制御を行うため、被検知ガスの濃度に応じて下流側ガス検知部50に対して状態切り替えを行えるシグナルを送信できるマイコン等の態様とすればよい。
【0050】
また、制御部60は、上流側ガス検知部30で検知した出力に基づき、熱線型半導体式ガス検知素子および気体熱伝導式ガス検知素子の何れかを動作させる制御、および、分岐手段23の開閉を制御するとよい。
【0051】
また、制御部60は、上流側ガス検知部30で検知した出力に基づき、被検知ガス濃度を算出する濃度算出部を備えるとよい。尚、制御部60は、上流側ガス検知部30が警報レベル以上の被検知ガスを継続して検知した場合、警報信号を警報手段(図外)に送って当該警報手段により警報を発するように制御することも可能である。
さらに、制御部60は、上流側ガス検知部30で検知した出力に基づき、希釈部80の動作および分岐手段21,22の開閉を制御するとよい。
【0052】
また、制御部60は、上流側ガス検知部30で検知した出力に基づき、ガス検知を行っているときに被検知ガスの濃度がある程度高い濃度(高濃度〜中濃度)から低く(低濃度)なると、下流側ガス検知部50に供する電圧を不活性化した状態から活性化させる状態にする制御を行うことが可能である。
【実施例】
【0053】
〔実施例1〕
本発明の実施例について説明する。
本発明のガス検知装置Xにおいて、上流側ガス検知部30として接触燃焼式ガス検知素子を使用し、下流側ガス検知部50として熱線型半導体式ガス検知素子を使用し、バイパス流路ガス検知部90として気体熱伝導式ガス検知素子を使用した。
接触燃焼式ガス検知素子は、1000ppm〜5vol%(50000ppm)程度の可燃性ガス(例えば都市ガス)を検知するのに適しており、熱線型半導体式ガス検知素子は、10〜1000ppm程度の可燃性ガスを検知するのに適しており、さらに、気体熱伝導式ガス検知素子は5〜100vol%程度の可燃性ガスを検知するのに適している。
【0054】
本実施例では、制御部60において、接触燃焼式ガス検知素子で検知した可燃性ガスの濃度が5vol%以上の場合に、バイパス流路14に切り替える制御を行い、気体熱伝導式ガス検知素子にガス検知をさせた。
【0055】
〔実施例2〕
実施例1のガス検知装置Xにおいて、制御部60において、接触燃焼式ガス検知素子で検知した可燃性ガスの濃度が2000ppm〜5vol%の場合に、熱線型半導体式ガス検知素子に供する電源をオフにする制御を行った。
【0056】
〔実施例3〕
実施例1のガス検知装置Xにおいて、制御部60は、接触燃焼式ガス検知素子で検知した可燃性ガスの濃度が1000〜2000ppmの場合に、熱線型半導体式ガス検知素子に供する電圧を低下させる制御を行うように設定した。一方、接触燃焼式ガス検知素子で検知した可燃性ガスの濃度が1000ppm未満の場合は、熱線型半導体式ガス検知素子に供する電圧は通常の値で供した。即ち、ガス検知を行っているときに可燃性ガスの濃度がある程度高い濃度(1000〜2000ppm)から低く(1000ppm未満)なると、熱線型半導体式ガス検知素子に供する電圧を低下させた状態から通常の値に戻す制御を行った。
【0057】
〔実施例4〕
実施例1のガス検知装置Xにおいて、接触燃焼式ガス検知素子は、通常5vol%程度が検知限界となるため、5vol%以上の場合に希釈部80により可燃性ガスを希釈する制御を行った。
よって、制御部60は、第一所定濃度範囲(5〜100vol%)の場合に熱線型半導体式ガス検知素子に供する電源をオフにし、第二所定濃度範囲(2000ppm〜5vol%)の場合に熱線型半導体式ガス検知素子に供する電圧を低下させ、かつサンプリングした被検知ガスを希釈する制御を行うように設定した。