特許第6576094号(P6576094)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576094
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】LED発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20190909BHJP
【FI】
   H01L33/48
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-97651(P2015-97651)
(22)【出願日】2015年5月12日
(65)【公開番号】特開2016-21554(P2016-21554A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2018年5月10日
(31)【優先権主張番号】特願2014-123269(P2014-123269)
(32)【優先日】2014年6月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(72)【発明者】
【氏名】水野 俊之
(72)【発明者】
【氏名】石原 一哉
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 昭
(72)【発明者】
【氏名】中西 康生
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−119476(JP,A)
【文献】 特開2000−244022(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/058852(WO,A1)
【文献】 特開2008−041290(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/011302(WO,A1)
【文献】 特開2011−233671(JP,A)
【文献】 特開2009−188201(JP,A)
【文献】 特開2005−158910(JP,A)
【文献】 特開2006−114854(JP,A)
【文献】 特開2010−098276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
短辺と長辺を有する矩形状の基板と、
前記基板の表面に実装され、互いに異なる波長の光を発する、第1LED素子、第2LED素子、及び、第3LED素子と、
前記3つのLED素子の周囲を囲う様に前記基板の表面に配置された反射枠と、
第1電極対、第2電極対及び第3電極対と、を備え、
前記第1LED素子及び前記第2LED素子は、前記長辺の方向において前記第1LED素子が実装されている中心位置から前記短辺までの第1距離と、前記長辺の方向において前記第2LED素子が実装されている中心位置から前記短辺までの第2距離と、が等しくなる様に前記基板の表面に実装されており、
前記第1LED素子が実装される中心位置及び前記第2LED素子が実装される中心位置は、前記基板の長手方向の略中心であり、
前記第1LED、前記第2LED及び前記第3LEDのそれぞれに独立に電力が供給出来る様に、前記第1LED素子は電気的に前記第1電極対に接続され、前記第2LED素子は電気的に前記第2電極対に接続され、前記第3LED素子は電気的に前記第3電極対に接続され、
前記反射枠は、前記基板上で前記長辺方向に配置された第1辺と、前記基板上で前記第1辺と平行に配置された第2辺と、前記基板上で前記短辺方向において前記第1辺と前記第2辺を繋ぐ様に配置された第3辺と、前記基板上で前記第3辺と平行に配置された第4辺とを含み、
前記短辺の方向は前記短辺と平行な方向であり、前記長辺の方向は前記長辺と平行な方向である、
ことを特徴とするLED発光装置。
【請求項2】
前記第2LED素子及び前記第3LED素子は、前記基板の短手方向における位置が等しくなる様に前記基板の表面に実装される、請求項1に記載のLED発光装置。
【請求項3】
前記第1LED素子は赤色LED素子であり、前記第2LED素子は緑色LED素子であり、前記第3LED素子は青色LED素子である、請求項1に記載のLED発光装置。
【請求項4】
前記反射枠は、前記基板上を第1空間、第2空間及び第3空間に仕切り、前記第2空間は四方を反射枠で取り囲まれており、前記第2空間内において記第1LED素子、前記第2LED素子、及び、前記第3LED素子が前記基板の表面に実装される、請求項1〜3の何れか一項に記載のLED発光装置。
【請求項5】
前記第1空間又は前記第3空間内において、ツェナーダイオードが前記基板の表面に実装される、請求項4に記載のLED発光装置。
【請求項6】
前記第1空間、前記第2空間及び前記第3空間は、同じ封止樹脂によって封止される、請求項4又は5に記載のLED発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED発光装置に関し、特に基板上に、互いに異なる波長の光を発する複数のLED素子を実装する、LED発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子であるLED素子は、長寿命で優れた駆動特性を有し、さらに小型で発光効率が良く鮮やかな発光色を有することから、照明等に広く利用されるようになってきた。特に近年、赤色(R)緑色(G)青色(B)の3色のLED素子を同時に発光させることによって白色光を発光させる、加色混合型のLED発光装置が用いられている。
【0003】
加色混合型のLED発光装置では、混色性のよい発光色を実現するために、基板上で、赤色LED素子、緑色LED素子、及び、青色LED素子を、これら素子を結ぶ直線が二等辺三角形を形成するように配置することが知られている(例えば、特開2011−233671号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−233671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各LED素子を結ぶ直線が二等辺三角形を形成するLED発光装置では、混色性が十分ではなく、特に、白色光の周囲に紫色や緑色等の光の筋が大きく見えてしまう、といった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解消することを可能としたLED発光装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、混色性のよいLED発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願のLED発光装置は、長矩形状の基板と、基板の表面に実装され、互いに異なる波長の光を発する、第1LED素子、第2LED素子、及び、第3LED素子と、を備えたLED発光装置であって、第1LED素子及び第2LED素子は、基板の長手方向における位置が等しくなる様に基板の表面に実装されることを特徴とする。
【0009】
本願のLED発光装置では、第1LED素子及び第2LED素子が実装される基板上の位置は基板の長手方向の略中心であることが好ましい。
【0010】
本願のLED発光装置では、第2LED素子及び第3LED素子は、基板の短手方向における位置が等しくなる様に基板の表面に実装されることが好ましい。
【0011】
本願のLED発光装置では、第1LED素子は赤色LED素子であり、第2LED素子は緑色LED素子であり、第3LED素子は青色LED素子であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本願のLED発光装置によれば、混色性のよいLED発光装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)はLED発光装置1の平面図であり、(b)はLED発光装置1の正面図であり、(c)はLED発光装置1の底面図であり、(d)はLED発光装置1の裏面図であり、(e)はLED発光装置1の右側面図である。
図2】LED発光装置1における各LED素子の配置を示す図である。
図3】(a)は基板11aの反射枠70側の表面を示す図であり、(b)は基板11bの基板11a側の表面を示す図であり、(c)は基板11c上に配置される裏面電極のみを示した図である。
図4】LED発光装置1の製造方法を説明するための図である。
図5】比較の為のLED発光装置2を示す図である。
図6】(a)はLED発光装置1の発光の様子を説明するための模式図であり、(b)はLED発光装置2の発光の様子を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係るLED発光装置について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0015】
図1(a)は本発明に係るLED発光装置1の平面図である。図1(b)は、LED発光装置1の正面図である。図1(c)は、LED発光装置1の底面図である。図1(d)は、LED発光装置1の裏面図である。図1(e)は、LED発光装置1の側面図である。
【0016】
LED発光装置1は、基板11a,11b及び11cからなる多層基板11、赤色LED素子4R、緑色LED素子4G、青色LED素子4B、ツェナーダイオード47、48、ワイヤ60〜66、反射枠70、及び、封止樹脂81、82及び83等からなる。
【0017】
多層基板11は、それぞれ電極が実装された基板11a、11b及び11cが相互に接着されてなる、多層電極基板である。基板11a、11b及び11cは、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる絶縁基板である。基板11a、11b及び11cは、セラミック基板やリードフレームタイプのものであってもよい。
【0018】
基板11a上のLED素子実装面には、白色の樹脂から形成された反射枠70が接着されている。反射枠70は、4片の矩形状樹脂が、正面図視において長方形の長辺が突出した形状となるように、一体的に形成されている。
【0019】
基板11a及び反射枠70に一部を囲まれた3つの空間は、封止樹脂81、82、83によりそれぞれ封止されている。封止樹脂81、82、83は、赤色LED素子4R、緑色LED素子4G、及び、青色LED素子4Bからの光を透過可能な樹脂からなる。
【0020】
図1(d)に示す様に、基板11cには、裏面電極31、32、33、34、35及び36が配置されている。図1(c)及び図1(e)に示す様に、裏面電極31、32、33、34、35及び36は、実装部51、52、53、54、55及び56とそれぞれ接続されている。
【0021】
図2は、LED発光装置1における各LED素子の配置を示す図である。すなわち、図2は、図1(b)に示すLED発光装置1から、封止樹脂81、82、83を取り除いた状態を示した図である。
【0022】
基板11aには、10片の表面電極11A、11B、12A、12B、13、14、15A、15B、16A及び16Bが、互いに離隔して配置されている。表面電極11A、11B、12A、12B、13、14、15A、15B、16A及び16Bは、Cu、Ni、Ag及びSn等のメッキ層である。基板11cには、6片の裏面電極31、32、33、34、35及び36が、互いに離隔して配置されている。裏面電極31、32、33、34、35及び36は、Cu、Ni、Ag及びSn等のメッキ層である。
【0023】
赤色LED素子4Rは、赤色の光を発するLED素子である。赤色LED素子4Rは、表面電極14にダイボンド材により接着されている。赤色LED素子4Rは、上下導通型の素子であり、表面電極14と導通すると共に、ワイヤ60により表面電極13と導通している。
【0024】
緑色LED素子4Gは、緑色の光を発するLED素子である。緑色LED素子4Gは、表面電極14にダイボンド材により接着されている。緑色LED素子4Gは、上面端子型の素子であり、ワイヤ61、62により表面電極15A及び16Aとそれぞれ導通している。なお、緑色LED素子4Gは、表面電極14とは導通していない。
【0025】
青色LED素子4Bは、青色の光を発するLED素子である。青色LED素子4Bは、表面電極13にダイボンド材により接着されている。青色LED素子4Bは、上面端子型の素子であり、ワイヤ63、64により、表面電極11B及び12Bとそれぞれ導通している。なお、青色LED素子4Bは、表面電極13には導通していない。
【0026】
ツェナーダイオード47は、表面電極11Aにダイボンド材により接着されている。ツェナーダイオード47は、上下導通型の素子であり、表面電極11Aと導通すると共に、ワイヤ65により表面電極12Aと導通している。ツェナーダイオード48は、表面電極16Bにダイボンド材により接着されている。ツェナーダイオード48は、上下導通型の素子であり、表面電極16Bと導通すると共に、ワイヤ66により表面電極15Bと導通している。ツェナーダイオード47及び青色LED素子4Bは、裏面電極31及び32に対して、それぞれ並列に接続されている。ツェナーダイオード48及び緑色LED素子4Gは、裏面電極35及び36に対して、それぞれ並列に接続されている。ツェナーダイオード47及びツェナーダイオード48により、青色LED素子4B及び緑色LED素子4Gの静電気放電に対する耐性が向上する。
【0027】
図2に示す通り、赤色LED素子4R及び緑色LED素子4Gは、多層基板11の長手方向における位置が等しい。ここで、「長手方向における位置が等しい」とは、LED素子の中心を基板の短手端部から長手方向に沿って測った距離が等しいことをいう。すなわち、赤色LED素子4Rの中心位置及び緑色LED素子4Gの中心位置は、共に、多層基板11の右端部(左端部)から距離Lの所に配置されている。更に、赤色LED素子4R及び緑色LED素子4Gは、多層基板11の略中央部に配置されている。すなわち、多層基板11の長手方向の長さは2Lである。
【0028】
青色LED素子4B及び緑色LED素子4Gは、多層基板11の短手方向における位置が等しい。ここで、「短手方向における位置が等しい」とは、LED素子の中心を基板の長手端部から短手方向に沿って測った距離が等しいことをいう。すなわち、青色LED素子4Bの中心位置及び緑色LED素子4Gの中心位置は、共に、多層基板11の下端部からの距離Mの所に配置されている。
【0029】
図3(a)は基板11aの反射枠70側の表面を示す図であり、図3(b)は基板11bの基板11a側の表面を示す図であり、図3(c)は基板11c上に配置される裏面電極のみを示した図である。
【0030】
図3(a)は、図2からLED素子及びワイヤを取り除いた状態と等しい。すなわち、基板11a上には、表面電極11A、11B、12A、12B、13、14、15A、15B、16A及び16Bが配置されている。
【0031】
図3(a)及び図3(b)に示す通り、基板11b上には、内部電極21、22、23、24、25及び26が配置されている。表面電極11Aは、スルーホール41aを介して内部電極21と導通している。表面電極11Bは、スルーホール41bを介して内部電極21と導通している。表面電極12Aは、スルーホール42aを介して内部電極22と導通している。表面電極12Bは、スルーホール42bを介して内部電極22と導通している。表面電極13は、スルーホール43を介して内部電極23と導通している。表面電極14は、スルーホール44a及び44bを介して内部電極24と導通している。表面電極15Aは、スルーホール45aを介して内部電極25と導通している。表面電極15Bは、スルーホール45bを介して内部電極25と導通している。表面電極16Aは、スルーホール46aを介して内部電極26と導通している。表面電極16Bは、スルーホール46bを介して内部電極26と導通している。
【0032】
図3(b)及び図3(c)に示す通り、裏面電極31は、実装部51を介して内部電極21と導通している。裏面電極32は、実装部52を介して内部電極22と導通している。裏面電極33は、実装部53を介して内部電極23と導通している。裏面電極34は、実装部54を介して内部電極24と導通している。裏面電極35は、実装部55を介して内部電極25と導通している。裏面電極36は、実装部56を介して内部電極26と導通している。
【0033】
以上の様に、表面電極11A及び11Bは裏面電極31及び実装部51と導通し、表面電極12A及び12Bは裏面電極32及び実装部52と導通し、表面電極13は裏面電極33及び実装部53と導通している。表面電極14は裏面電極34及び実装部54と導通し、表面電極15A及び15Bは裏面電極35及び実装部55と導通し、表面電極16A及び16Bは裏面電極36及び実装部56と導通している。実装部51、52、53、54、55及び56は、LED発光装置1をマザーボード等に実装する際に、マザーボード等に配置された対応する電極上に、それぞれ実装される。実装部51及び52間に所定の電圧を印加して青色LED素子4Bを発光させ、実装部53及び54間に所定の電圧を印加して赤色LED素子4Rを発光させ、実装部55及び56間に所定の電圧を印加して緑色LED素子4Gを発光させる。
【0034】
図4(a)〜(d)は、LED発光装置1の製造方法を説明するための図である。
【0035】
図4(a)に示す様に、表面電極11A、11B、12A、12B、13、14、15A、15B、16A及び16Bが配置された基板11aの裏側に、内部電極21、22、23、24、25及び26が配置された基板11bを積層する。その際、スルーホール41a、41b、42a、42b、43、44a、44b、45a、45b、46a及び46bによって表面電極11A〜16Bと内部電極21〜26とを導通させる(図3(a)及び図3(b)参照)。更に、基板11bの裏側に、基板11bと裏面電極31、32、33、34、35及び36との間に基板11cを挟み込むように配置する。上記により、基板11a、11b及び11cが一体となった、多層基板11が形成される。
【0036】
次に、図4(b)に示す通り、上下導通型の赤色LED素子4Rを、ダイボンド材によって、表面電極14上に接着するとともに、赤色LED素子4Rの一方の端子を表面電極14に導通させる。更に、赤色LED素子4Rのもう一方の端子を、ワイヤ60により、表面電極13と導通させる。
【0037】
更に、上面端子型の緑色LED素子4Gを、多層基板11の長手方向における位置が赤色LED素子4Rのそれと概ね等しくなるように、ダイボンド材によって表面電極14に接着する。緑色LED素子4Gの2つの端子を、表面電極15A及び16Aそれぞれに、ワイヤ61、62によって導通させる。なお、緑色LED素子4Gは、表面電極14には導通していない。
【0038】
更に、上面端子型の青色LED素子4Bを、多層基板11の短手方向における位置が緑色LED素子4Gのそれと概ね等しくなるように、ダイボンド材によって表面電極13に接着する。青色LED素子4Bの2つの端子を、表面電極11B及び12Bそれぞれに、ワイヤ63、64によって導通させる。なお、青色LED素子4Bは、表面電極13には導通していない。
【0039】
更に、上下導通型のツェナーダイオード47を、ダイボンド材によって表面電極11Aに接着するとともに、ツェナーダイオード47の一方の端子を表面電極11Aに導通させる。ツェナーダイオード47のもう一方の端子を、ワイヤ65により、表面電極12Aに導通させる。上下導通型のツェナーダイオード48を、ダイボンド材によって表面電極16Bに接着するとともに、ツェナーダイオード48の一方の端子を表面電極16Bに導通させる。ツェナーダイオード48のもう一方の端子を、ワイヤ66により、表面電極16Bに導通させる。
【0040】
次に、図4(c)に示す通り、反射枠70によって赤色LED素子4R、緑色LED素子4G及び青色LED素子4Bを取り囲む様に、反射枠70を基板11a上に、接着剤で接着する。
【0041】
次に、図4(d)に示す通り、反射枠70によって赤色LED素子4R、緑色LED素子4G及び青色LED素子4Bを取り囲まれた略直方体の空間92を、赤色LED素子4R、緑色LED素子4G及び青色LED素子4Bからの光が透過可能な封止樹脂82により封止する。基板11a及び反射枠70に一部を囲まれた略直方体の空間91を、封止樹脂82と同じ材質の樹脂である封止樹脂81により封止する。基板11a及び反射枠70に一部を囲まれた略直方体の空間93を、封止樹脂82と同じ材質の樹脂である封止樹脂83により封止して、LED発光装置1を完成させる。なお、封止樹脂81及び封止樹脂83は、必ずしも封止樹脂82と同じ種類の樹脂でなくても良い。
【0042】
図5は、比較の為のLED発光装置2を示す図である。
【0043】
図5に示す通り、LED発光装置2では、赤色LED素子4R′の中心位置、緑色LED素子4G′の中心位置、及び、青色LED素子4B′の中心位置を結ぶ直線が、赤色LED素子4R′を頂角とする略二等辺三角形を形成するように構成されている。LED発光装置2における、その他の構成については、LED発光装置1と同様であるので、説明を省略する。
【0044】
図6(a)は、LED発光装置1の発光の様子を説明するための模式図である。すなわち、図6(a)は、LED発光装置1を発光させ、その様子をLED発光装置1の正面から観察した場合の発光色の模式図である。
【0045】
図6(a)の模式図は、以下のようにして作成したLED発光装置1を用いて実験を行った結果によるものである。すなわち、多層基板11の大きさを、長手方向長さが4.5mm、短手方向長さが1.1mmの長矩形状とした。赤色LED素子4Rの中心位置を、多層基板11の右端部又は左端部からの長手方向に沿った距離を2.25mm、上端部からの短手方向に沿った距離を0.337mmとした。緑色LED素子4Gの中心位置を、多層基板11の右端部又は左端部からの長手方向に沿った距離を2.25mm、上端部からの短手方向に沿った距離を0.755mmとした。青色LED素子4Bの中心位置を、多層基板11の左端部からの長手方向に沿った距離を1.725mm、右端部からの長手方向に沿った距離を2.775mm、上端部からの短手方向に沿った距離を0.755mmとした。なお、上記の形状及び大きさ、LED素子の配置は一例であって、本願はこれに限定されるものではない。
【0046】
図6(a)に示す様に、LED発光装置1の発光を正面から観察すると、円形に近い白色の領域12Wを中心として、白色の領域12Wの左隣に薄い青色の領域12LBが観察され、白色の領域12Wの右隣に薄い黄緑色の領域12LYGが観察される。
【0047】
図6(b)は、LED発光装置2の発光の様子を説明するための模式図である。すなわち、図6(b)は、LED発光装置2を発光させ、その様子をLED発光装置2の正面から観察した場合の発光色の模式図である。
【0048】
図6(b)の模式図は、以下のようにして作成したLED発光装置2を用いて実験を行った結果によるものである。すなわち、多層基板11の大きさを、長手方向長さが4.5mm、短手方向長さが1.1mmの長矩形状とした。赤色LED素子4R’の中心位置を、多層基板11の右端部又は左端部からの長手方向に沿った距離を2.25mm、上端部からの短手方向に沿った距離を0.36mmとした。緑色LED素子4G’の中心位置を、多層基板11の右端部からの長手方向に沿った距離を1.68mm、左端部からの長手方向に沿った距離を2.82mm、上端部からの短手方向に沿った距離を0.755mmとした。青色LED素子4B’の中心位置を、多層基板11の左端部からの長手方向に沿った距離を1.68mm、右端部からの長手方向に沿った距離を2.82mm、上端部からの短手方向に沿った距離を0.755mmとした。
【0049】
図6(b)に示す様に、LED発光装置2の発光を正面から観察すると、縦長略楕円形の白色の領域13Wを中心として、白色の領域13Wの左隣に紫色の領域13Pが、更にその左隣に青紫色の領域13BPが、それぞれ観察される。また、白色の領域13Wの右隣に黄緑色の領域13YGが、更にその右隣に緑色の領域13Gが、それぞれ観察される。
【0050】
図6(a)及び図6(b)を比較すると、図6(a)の白色の領域12Wは図6(b)の白色の領域13Wよりも広くなっていることが分かる。また、図6(a)における白色以外の領域である薄い青色の領域12LB及び薄い黄緑色の領域12LYGは、図6(b)における白色以外の領域である紫色の領域13P、青紫色の領域13BP、黄緑色の領域13YG及び緑色の領域13Gと比較して狭く、且つ、色が薄くなっている。以上より、LED発光装置1は、LED発光装置2と比較して混色性が良くなっていることが分かる。
【0051】
LED発光装置1では、赤色LED素子4R及び緑色LED素子4Gの多層基板11の長手方向における位置が等しく、且つ、緑色LED素子4G及び青色LED素子4Bの多層基板11の短手方向における位置が等しい。したがって、LED発光装置1では、混色性がよい発光を得ることが可能となった。なお、赤色LED素子4R及び緑色LED素子4Gの多層基板11の長手方向における位置が等しければ、緑色LED素子4G及び青色LED素子4Bの多層基板11の短手方向における位置が多少ずれていても、ある程度混色性がよい発光を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1、2 LED発光装置
11 多層基板
11a,11b,11c 基板
11A、11B、12A、12B、13、14、15A、15B、16A、16B 表面電極
21、22、23、24、25、26 内部電極
31、32、33、34、35、36 裏面電極
41a、41b、42a、42b、43、44a、44b、45a、45b、46a、46b スルーホール
51、52、53、54、55、56 実装部
4R、4R′ 赤色LED素子
4G、4G′ 緑色LED素子
4B、4B′ 青色LED素子
47 ツェナーダイオード
48 ツェナーダイオード
60、61、62、63、64、65、66 ワイヤ
70 反射枠
81、82、83 封止樹脂
91、92、93 空間
12W 白色の領域
12LB 薄い青色の領域
12LYG 薄い黄緑色の領域
13BP 青紫色の領域
13G 緑色の領域
13P 紫色の領域
13YG 黄緑色の領域
13W 白色の領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6