(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カメラヘッドの前記第1の筐体は、第1の外周面と、前記信号伝送部の前記ケーブル部が接続される接続部が設けられるとともに前記第1の外周面より断面外形が小さい第2の外周面と、を備え、
前記環状部材と、前記シール部材と、前記第2の筐体の少なくとも先端部と、は前記第1の筐体の第2の外周面を挿通し配設され、
前記環状部材は、前記第1の筐体の前記第1の外周面と前記第2の外周面との段差部と、前記第2の筐体の先端部と、により挟持される、
請求項1に記載の医療用カメラ装置。
前記第2の筐体の後端部には、前記第1の筐体と前記第2の筐体との接続方向における、前記第1の筐体に対する前記第2の筐体の相対位置を調整する調整部材が設けられる、請求項1に記載の医療用カメラ装置。
前記調整部材は、前記ケーブル部の外周部に設けられたおねじ部に螺合されるめねじ部を有し、前記調整部材が回転することによって、前記相対位置を前記接続方向に調整する、請求項6に記載の医療用カメラ装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の実施形態に係る内視鏡装置
2.本開示の実施形態に係るカメラヘッドの周辺の構成
2−1.カメラヘッドの周辺の概略構成
2−2.第1のシール部材の周囲の構成
3.変形例
3−1.第1の変形例
3−2.第2の変形例
3−3.第3の変形例
4.効果
5.むすび
【0015】
<1.本開示の実施形態に係る内視鏡装置>
まず、
図1を参照して、本開示の実施形態に係る内視鏡装置1の概略構成について説明する。
【0016】
図1は、本開示の実施形態に係る内視鏡装置1の一例の概略構成を示す説明図である。内視鏡装置1は、本開示に係る医療用カメラ装置の一例である。内視鏡装置1は、
図1に示すように、挿入部10と、光源装置20と、ライトガイド30と、カメラヘッド40と、ケーブル50と、制御装置60と、表示装置70と、を備える。
【0017】
挿入部10は、細長形状を有し、入射光を集光する光学系を内部に備える。挿入部10の先端は、例えば、患者の体腔内に挿入される。挿入部10の後端はカメラヘッド40の先端と着脱可能に接続される。また、挿入部10は、ライトガイド30を介して光源装置20と接続され、光源装置20から光を供給される。
【0018】
光源装置20は、ライトガイド30を介して挿入部10と接続される。光源装置20は、ライトガイド30を介して挿入部10に光を供給する。挿入部10に供給された光は、挿入部10の先端から出射され、患者の体腔内組織等の観察対象に照射される。そして、観察対象からの反射光は、挿入部10内の光学系によって集光される。
【0019】
カメラヘッド40は、観察対象を撮像する機能を有する。カメラヘッド40は、信号伝送部であるケーブル50を介して制御装置60と接続される。カメラヘッド40は、挿入部10によって集光された観察対象からの反射光を光電変換することにより観察対象を撮像し、撮像によって得られた画像信号を制御装置60へケーブル50を介して出力する。なお、カメラヘッド40の詳細については、後述する。
【0020】
制御装置60は、カメラヘッド40を制御するとともに、カメラヘッド40から出力された画像信号に所定の処理を施した後に、当該画像信号を表示装置70へ出力する。なお、制御装置60は、画像信号に基づく観察対象の画像を記憶してもよい。
【0021】
表示装置70は、制御装置60から出力された画像信号に基づいて観察対象の画像を表示する。当該機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、又は有機ELディスプレイ(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。表示装置70により表示される観察対象の画像は、例えば、手術中に複数人によって観察される。
【0022】
<2.本開示の実施形態に係るカメラヘッドの周辺の構成>
(2−1.カメラヘッドの周辺の概略構成)
続いて、
図2を参照して、本開示の実施形態に係るカメラヘッド40の周辺の概略構成について説明する。
【0023】
図2は、本開示の実施形態に係るカメラヘッド40の周辺の一例の概略構成を示す断面図である。
図2に示したように、カメラヘッド40は、カプラ部110と、第1の筐体部130と、レンズユニット150と、撮像基板である主基板170と、コネクタ接続基板190と、スイッチ接続基板210と、を備える。
【0024】
カプラ部110は、カメラヘッド40の先端に設けられ、挿入部10と着脱可能に接続される。カプラ部110の後端には、第1の筐体部130が設けられる。
【0025】
第1の筐体部130は、前側筐体131と、後側筐体133と、前側筐体131の外周面に設けられたスイッチ135と、後側筐体133の後端に設けられたコネクタ137と、を含む。第1の筐体部130は、レンズユニット150、主基板170、コネクタ接続基板190、及びスイッチ接続基板210を気密に収容する。これにより、第1の筐体部130の内部に外部からの湿気等の異物が侵入することを防ぐ。
【0026】
前側筐体131及び後側筐体133は、略円筒形状を有する例えばチタンやチタン合金やSUSの金属製の筐体であり、例えば溶接により接合されている。前側筐体131の外周面は、本開示に係る第1の外周面の一例であり、後側筐体133のうち前側筐体131と接続されるフランジ部を除く部分の外周面は、第1の外周面より断面外形が小さい本開示に係る第2の外周面の一例である。環状部材250、第1のシール部材270及び第2の筐体部230の少なくとも先端部は、当該第2の外周面を挿通し配設される。
【0027】
当該第1の外周面と当該第2の外周面との段差部には、後側筐体133側から、環状部材250及び環状部材250の内周部に嵌合される第1のシール部材270を介してケーブル50の一部である第2の筐体部230が接続される。当該第1の外周面と当該第2の外周面との段差部と、第2の筐体部230と、により環状部材250が挟持される。従って、後側筐体133の外面は、環状部材250、第1のシール部材270、及び第2の筐体部230により覆われる。このような前側筐体131及び後側筐体133によって、レンズユニット150、主基板170、コネクタ接続基板190、及びスイッチ接続基板210が覆われている。なお、前側筐体131及び後側筐体133の詳細については、後述する。
【0028】
スイッチ135は、前側筐体131の外周面に設けられ、スイッチ接続基板210を介して撮像素子実装部171と接続される。スイッチ135は、例えば、1又は複数設けられ、ユーザは、スイッチ135を押下することによって、各種操作を行うことができる。
【0029】
図3に、
図2に示した前側筐体131の外周面に設けられたスイッチ135の周辺の拡大図を示す。
図3に示したように、スイッチ135の周辺の前側筐体131に設けられた貫通孔900に、導電性部材からなる複数のピン903を有したハーメチックコネクタ902が挿通され、接合される。ハーメチックコネクタ902と貫通孔900との接合面は、例えばはんだや溶接等により、接合される。なお、はんだにより接合する場合は、ハーメチックコネクタ902と貫通孔900との接合面に、例えば金メッキやNiメッキ等の表面処理部901を設け、はんだの濡れ性を向上させつつ、例えば金錫はんだを使用して接合する。この様な構成により第1の筐体部130の内側を気密や水密に保つ。
【0030】
なお、医療用カメラヘッドをオートクレーブを用いて滅菌処理する場合は、温度の上下を伴う。よって、前側筐体131とハーメチックコネクタ902の熱膨張率の差は小さいことが好ましい。例えば、前側筐体131の材質がチタンやチタン合金の場合は、ハーメチックコネクタ902の前側筐体131と接合する部分は同様のチタンやチタン合金、またはコバールが好ましい。前側筐体131の材質がSUSの場合は、ハーメチックコネクタ902の前側筐体131と接合する部分は同様のSUSまたはコバールが好ましい。
【0031】
そして、前側筐体131の内側に位置するスイッチ接続基板210と、前側筐体131の外側に位置するスイッチ基板905と、を、ハーメチックコネクタ902の複数のピン903にはんだ等で接続することにより、スイッチ接続基板210とスイッチ基板905とが電気的に接続される。このスイッチ基板905には、例えば感知部である金属ドーム接点を用いたメンブレン部906が設けられる。また、スイッチ基板905の上部には、スイッチ基板905を覆うスイッチシート136が設けられる。スイッチシート136は、ビスや両面テープ等の装着部材を用い、または嵌め込まれることにより、前側筐体131に固定される。スイッチシート136の、メンブレン部906の上部に位置する箇所に、スイッチ135が設けられる。そして、このメンブレン部906の上部に設けられたスイッチ135をユーザが押し下げることによって、メンブレン部906が押下げられ、スイッチ135の押下げ操作を感知することができる。
【0032】
この様な構成により、第1の筐体部130の外側からの指示を、気密や水密が保たれた第1の筐体部130の内側に伝達することが可能となる。なお、スイッチ135がユーザにより繰り返し押下されることにより、スイッチ135の摩耗や、スイッチ基板905のメンブレン部906の金属ドーム接点のへたりが懸念される。この場合、スイッチシート136の前側筐体131への固定を解除し外すことにより、スイッチ135を含むスイッチシート136を交換することが可能である。またスイッチ基板905の複数のピン903へのはんだによる固定を解除し外すことにより、メンブレン部906を含むスイッチ基板905を交換することが可能である。この様にして、第1の筐体部130の内部の気密や水密が保たれた状態で、スイッチ135やスイッチ基板905を、第1の筐体部130の外側から簡易に交換することが可能となる。
【0033】
コネクタ137は、本開示に係る接続部の一例である。
図2に示したように、コネクタ137は、後側筐体133の後端に貫通したうえで、後側筐体133に例えば溶接により接続されている。コネクタ137の先端部は第1の筐体部130の内部に配置され、コネクタ137の後端部は第1の筐体部130の外部に配置される。コネクタ137の後端部は第1の筐体部130の外部のケーブル50のケーブル部と接続される。
【0034】
レンズユニット150は、第1の筐体部130の先端に設けられる。レンズユニット150の後端には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子が実装される撮像素子実装部171が配置される。レンズユニット150は、カプラ部110と接続される挿入部10から出射される観察対象からの反射光を集光することによって、観察対象の像を撮像素子の撮像面に結像する。
【0035】
主基板170は、撮像素子が実装された撮像素子実装部171、信号処理回路が実装された信号処理部173、及び電源回路等の電子部品が実装された電子部品実装部175の3つのリジッド部を備える。信号処理部173及び撮像素子実装部171、並びに信号処理部173及び電子部品実装部175はそれぞれフレキシブル部により電気的に接続される。主基板170は、フレキシブル部が折り曲げられた状態で第1の筐体部130に収容される。
【0036】
撮像素子実装部171は、レンズユニット150によって集光された観察対象からの反射光を撮像素子により光電変換することによって、観察対象を示す画像信号を取得する。そして、撮像素子実装部171は、得られた画像信号を信号処理部173へフレキシブル部を介して出力する。信号処理部173は、撮像素子実装部171から出力された画像信号に信号処理を施す。例えば、信号処理部173は、撮像素子実装部171から出力された画像信号や制御信号を処理する。なお、撮像素子実装部171に実装された撮像素子の画素数や解像度には特に制限はないが、画素数が1280×720、1920×1080、3840×2160、7680×4320またはそれ以上、解像度がハイビジョン、4K、8K、またはそれ以上であっても良い。
【0037】
信号処理部173は、コネクタ接続基板190及びコネクタ137を介してケーブル50と電気的に接続される。そして、信号処理部173は、信号処理が施された画像信号をコネクタ接続基板190及びコネクタ137を介してケーブル50へ出力する。電子部品実装部175は、主に信号処理部173への電力供給や電力制御を行う。
【0038】
コネクタ接続基板190は、信号処理部173とコネクタ137とを連結する。コネクタ接続基板190は、2つのリジッド部と、当該2つのリジッド部を連結するフレキシブル部からなる。一方のリジッド部は信号処理部173の後端と接続され、他方のリジッド部はコネクタ137の先端部と接続される。
【0039】
スイッチ接続基板210は、スイッチ135の押下状態に応じた動作を撮像素子実装部171に伝える。スイッチ接続基板210は、例えば、フレキシブル基板であってもよい。
【0040】
ケーブル50の一部である第2の筐体部230は、略円筒形状を有する筐体である。第2の筐体部230は、オートクレーブにカメラヘッドを対応させる場合、具体的には、オートクレーブ滅菌における高温高圧の水蒸気に耐性を有する樹脂からなる。第2の筐体部230を構成する樹脂として、具体的には、ABS樹脂、ナイロン、PP(ポリプロピレン)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PU(ポリウレタン)、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PA(ポリアミド)、PPO(ポリフェニレンオキシド)(登録商標)、SPS(シンジオクタチック・ポリスチレン)(登録商標)、PES(ポリブチレンサクシネートカーボネート)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PEI(ポリエーテルイミド)、LCP(ポリシクロヘキシレン・ジメチレン・テレフタレート)、PC/ABS、PC/ASA(アクリレートスチレンアクリロニトリル)、PEEK(ピーク)等が適用され得る。滅菌や殺菌のための耐薬品性も考慮すると、第2の筐体部230を構成する樹脂として、特に好ましくは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PPSU(ポリフェニルサルホン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PAR(非晶ポリアリレート)、PSF(ポリサルフォン)が挙げられる。金属の前側筐体131と導電性樹脂の第2の筐体部230がカメラヘッド40の外表面を形成する構造となっている。
【0041】
ケーブル50の一部である第2の筐体部230は、ケーブル50のケーブル部が挿通される筒状の部材である。ここで、ケーブル50のケーブル部は、カメラヘッド40と接続され少なくとも撮像素子実装部171の撮像素子からの画像信号を伝送する。第2の筐体部230の外径は、先端側から中央にかけて狭まり、中央から後端側にかけて略一定である。第2の筐体部230は、前側筐体131の後方から、環状部材250及び環状部材250の内周部に嵌合される第1のシール部材270を介して第1の筐体部130の段差部と接続される。これにより、第2の筐体部230及び環状部材250により、後側筐体133の一部、コネクタ137、第1のシール部材270、及びケーブル50の一部が覆われる。すなわち、第1の筐体部130の前側筐体131、第2の筐体部230、及び環状部材250によりカメラヘッド40の外表面が構成され、ユーザがカメラヘッド40を使用する際には当該部分が把持される。なお、第2の筐体部230の詳細については、後述する。
【0042】
環状部材250は、ステンレスやチタン等の金属やオートクレーブ滅菌における高温高圧の水蒸気に耐性を有する樹脂からなる環状の部材である。環状部材250を構成する樹脂として、上述した第2の筐体部230を構成し得る樹脂が適用され得る。環状部材250は、第1の筐体部130と第2の筐体部230とで挟持され、カメラヘッド40の種類を識別する外周面を有する。具体的には、環状部材250は、第1の筐体部130の第1の外周面と第2の外周面との段差部と、第2の筐体部230の先端部と、により挟持される。また、環状部材250は、外観の色と、外観の形状と、外観の印刷と、の少なくともいずれかにより、カメラヘッド40を識別する。
【0043】
例えば、環状部材250は、外部に露出された環状部材250の外周面の少なくとも一部の色、環状部材250の外周面に形成された溝や刻印等の形状、環状部材250の外周面の印刷等により、カメラヘッド40を識別する。環状部材250の外周面は、メッキ処理により着色されてもよい。それにより、ユーザは、環状部材250の外観の色、外観の形状、外観の印刷等を視認することによって、カメラヘッド40の使用目的や機能等を示す各種情報を識別することができる。また、環状部材250の配置される第2の筐体部230と第1の筐体部130との接続箇所は、カメラヘッド40の筐体において外径が略最大となる箇所である。なお、環状部材250の詳細については、後述する。
【0044】
第1のシール部材270は、高圧の水蒸気に耐性を有するシリコン樹脂等からなる略円環形状のシール部材である。第1のシール部材270は、電子部品であるコネクタ137及びケーブル50の一部を覆う第2の筐体部230と第1の筐体部130とが接続される箇所の水密性を確保するために設けられる。第1のシール部材270は、第1の筐体部130と、第2の筐体部230と、環状部材250とにより固定される。このとき、第1のシール部材270は、環状部材250、第1の筐体部130、及び第2の筐体部230と面接触する。なお、第1のシール部材270の詳細については、後述する。
【0045】
調整部材290は、第2の筐体部230の後端部に設けられ、ケーブル50の一部を覆う略円筒形状の部材である。調整部材290は、第1の筐体部130と第2の筐体部230との接続方向における、第1の筐体部130に対する第2の筐体部230の相対位置を調整する。具体的には、調整部材290は、ケーブル50のケーブル部の外周部に設けられたおねじ部51に螺合されるめねじ部291を有し、調整部材290が回転することによって、当該接続方向における第1の筐体部130に対する第2の筐体部230の相対位置を調整する。
【0046】
より具体的には、ケーブル50のケーブル部の外周部の一部にはねじ山が形成されたおねじ部51が設けられている。また、調整部材290の内周部にはねじ溝が形成されためねじ部291が設けられており、ケーブル50のケーブル部のおねじ部51に螺合される。調整部材290の先端部は、第2のシール部材310を介して第2の筐体部230の後端部と接続される。
【0047】
ケーブル50に対して調整部材290が回転すると、調整部材290はめねじ部291の軸方向に移動する。めねじ部291の軸方向は、
図2に示したように、第1の筐体部130の段差部と第2の筐体部230の先端部とが対向する方向と略平行である。それにより、第2の筐体部230は、第1の筐体部130と第2の筐体部230との接続方向に移動する。ゆえに、フックスパナ等の工具を用いて調整部材290を回転させることによって、第1の筐体部130に対する第2の筐体部230の相対位置を適宜調整することが可能となる。
【0048】
第2のシール部材310は、第2の筐体部230より後方に設けられる環状のシール部材である。第2のシール部材310は、電子部品であるコネクタ137及びケーブル50の一部を覆う第2の筐体部230と調整部材290とが接続される箇所の水密性を確保するために設けられる。第2のシール部材310は、第2の筐体部230の後端部と調整部材290の先端部との間に挟み込まれ、第2の筐体部230の後端部、及び調整部材290の先端部と面接触する。
【0049】
(2−2.第1のシール部材の周囲の構成)
続いて、
図4〜
図7を参照して、第1のシール部材270の周囲の構成の詳細について説明する。
図4は、
図2において矩形で示した第1のシール部材270及び第1のシール部材270の周囲の構成を含む領域500の拡大図である。
【0050】
図4に示したように、前側筐体131の後端の外周部には、第2の筐体部230側へ突出する突出部131Aが設けられる。後側筐体133は、略円筒形状の側面部133Aと、側面部133Aの先端に設けられたフランジ部133Bと、からなる。前側筐体131の突出部131Aの内周部には、後側筐体133のフランジ部133Bが嵌合され、突出部131Aの内周部は、フランジ部133Bの外周部と溶接により接合される。
【0051】
前側筐体131の外周面は、本開示に係る第1の外周面に相当し、後側筐体133の側面部133Aの外周面は、第1の外周面より断面外形が小さい本開示に係る第2の外周面に相当する。前側筐体131の突出部131Aの端面、及び後側筐体133のフランジ部133Bの後面(第2の筐体部230側の面)とからなる面は、当該第1の外周面と当該第2の外周面との段差部に相当する。
【0052】
第2の筐体部230の先端部には、内周側に第1の筐体部130の当該段差部に向かって突出する環状凸部231が設けられる。環状凸部231は、
図4に示したように、後側筐体133の側面部133Aの外周面と環状部材250の内周面との間に配置される。
【0053】
環状凸部231には、後側筐体133の側面部133Aの外周面と環状部材250の内周面との間隔を規制するために、後側筐体133の側面部133Aの外周面及び環状部材250の内周面にそれぞれ接するリブ235及びリブ237が設けられる。リブ235とリブ237は、環状凸部231の内周面及び外周面に設けられ、環状凸部231を介して対向配置される。環状凸部231の内側を向くリブ235の面235Aが後側筐体133の側面部133Aの外周面と接し、環状凸部231の外側を向くリブ237の面237Aが環状部材250の内周面と接する。これにより、環状部材250に外側から加わる荷重はリブ237、環状凸部231、リブ235、後側筐体133で支持される。なお、本実施形態においては、リブ237を環状凸部231に設ける構成としたが、これに限らず、環状部材250の内周面側に設けてもよい。
【0054】
図5は、第2の筐体部230の構成の一例を示す説明図である。
図5において、第1の筐体部130と第2の筐体部230との接続方向に前側筐体131側から見た第2の筐体部230が示されている。第1の筐体部130と第2の筐体部230との接続方向に前側筐体131側から見た環状凸部231の形状は、例えば、
図5紙面において縦長な略楕円形状を有し、上側に略水平な部分を有してもよい。環状凸部231には、環状凸部231を介して対向配置されるリブ235とリブ237の複数のペアが形成される。それにより、後側筐体133の側面部133Aの外周面と環状部材250の内周面との間隔を、規制することができる。例えば、リブ235の面235Aとリブ237の面237Aとの距離は、全てのペアにおいて等しく設定される。それにより、後側筐体133の側面部133Aの外周面と環状部材250の内周面との間隔を、側面部133A及び環状部材250の周方向の任意の位置において一定にすることができる。
【0055】
図6は、環状部材250を通り、第1の筐体部130と第2の筐体部230との接続方向に垂直な
図4に示したX−X断面におけるカメラヘッド40の断面図である。
図6に示したように、第1のシール部材270は、後側筐体133の側面部133Aの外周面と環状部材250の内周面とにより挟まれる。後側筐体133の側面部133A、環状部材250、及び第1のシール部材270の断面は、
図5に示した環状凸部231の形状と同様に、例えば、
図6紙面において縦長な略楕円形状を有し、上側に略水平な部分を有してもよい。後側筐体133の側面部133A、環状部材250、及び第1のシール部材270の断面は、
図5に示した第2の筐体部230の環状凸部231の形状に対応した形状であればよく、円形状に限定されない。
【0056】
環状部材250は、第1の筐体部130と第2の筐体部230とで挟持される。例えば、
図4に示したように、環状部材250は、前側筐体131の突出部131Aの端面及び後側筐体133のフランジ部133Bの後面の一部、並びに第2の筐体部230の先端部の外周側の面233により挟持される。なお、環状部材250は、後側筐体133のフランジ部133Bの後面の一部と接触しなくてもよい。
【0057】
環状部材250は、前側筐体131の突出部131Aの端面及び後側筐体133のフランジ部133Bの後面の一部、並びに第2の筐体部230の面233、とそれぞれ接着剤によって接着されてもよい。環状部材250の先端面には、環状溝251が設けられてもよい。それにより、環状部材250を第1の筐体部130と接着するための接着剤を環状溝251に溜めることができる。ゆえに、環状部材250と第1の筐体部130との接着において、環状部材250と第1の筐体部130とが接着される部分に提供される接着剤の量を増大させることができるので、接着剤により環状部材250と第1の筐体部130とが接着される面積を増大させることができる。従って、環状部材250と第1の筐体部130とを強固に接着し、かつ、環状部材250と第1の筐体部130とが接着される部分の水密性を向上させることが可能である。なお、本実施形態においては、環状溝251を環状部材250に設ける構成としたが、これに限らず、第1の筐体部130側や第2の筐体部230側に設けてもよい。
【0058】
図4に示したように、ユーザがカメラヘッド40を使用する際に把持される部分の一部である環状部材250の断面外径は、前側筐体131及び第2の筐体部230の環状部材250と接する箇所における断面外径と略同一である。ゆえに、本実施形態において、識別用の部材である環状部材250を配置することによって、外部に露出し把持される部分に不要な凸部は形成されない。また、環状部材250の外径は先端側及び後端側からそれぞれ中央部へかけて大きくなってもよい。第1の筐体部130の段差部は、例えば、
図4に示したように、環状部材250の外周面より内側に、前側筐体131の突出部131Aの内周部と後側筐体133のフランジ部133Bの外周部との溶接部330を有してもよい。
【0059】
第1のシール部材270は、第1の筐体部130と、第2の筐体部230と、環状部材250とにより固定される。例えば、
図4に示したように、第1のシール部材270は、環状部材250の内周面、後側筐体133のフランジ部133Bの後面、後側筐体133の側面部133Aの外周面、及び第2の筐体部230の先端部により固定される。具体的には、第1のシール部材270は、第2の筐体部230の環状凸部231及び後側筐体133のフランジ部133Bの後面により挟持され、後側筐体133の側面部133Aの外周面及び環状部材250の内周面により挟持される。
【0060】
それにより、第1のシール部材270を、第1の筐体部130と第2の筐体部230との接続方向及び当該接続方向に直交する方向にそれぞれ挟持することができる。ゆえに、第1のシール部材270の周囲に液体が侵入した場合に、侵入した液体から第1のシール部材270へ与えられる力による第1のシール部材270の変形を任意の方向において抑制することができる。従って、
図2に示した電子部品であるコネクタ137及びケーブル50の一部を覆う第2の筐体部230と第1の筐体部130とが接続される箇所の水密性を確保することができる。
【0061】
第1のシール部材270は、環状部材250、第1の筐体部130、及び第2の筐体部230と面接触する。例えば、
図4に示したように、第1のシール部材270は、環状部材250の内周面、後側筐体133のフランジ部133Bの後面、後側筐体133の側面部133Aの外周面、及び第2の筐体部230の環状凸部231と面接触してもよい。それにより、環状部材250の内周面、後側筐体133のフランジ部133Bの後面、後側筐体133の側面部133Aの外周面、及び第2の筐体部230の環状凸部231のそれぞれと第1のシール部材270との接触面積を増大させることができる。
【0062】
第1のシール部材270と接触する環状部材250、第1の筐体部130、及び第2の筐体部230のそれぞれの面は平滑面であってもよい。例えば、
図4に示したように、第1のシール部材270と接触する環状部材250の内周面、後側筐体133のフランジ部133Bの後面、後側筐体133の側面部133Aの外周面、及び前記第2の筐体部230の先端部のそれぞれの面は平滑面であってもよい。それにより、環状部材250の内周面、後側筐体133のフランジ部133Bの後面、後側筐体133の側面部133Aの外周面、及び前記第2の筐体部230の先端部のそれぞれと第1のシール部材270との密着性を向上させることができる。例えば、上記平滑面の中心線平均表面粗さRaは1.6μm以下である。具体的には、上記平滑面は、金属部品であれば研磨されることにより形成され、射出成形樹脂部品であれば金型の相当する面を研磨することにより形成されている。
【0063】
図7は、本開示の実施形態に係るカメラヘッド40の周辺の一例の概略構成を示す分解斜視図である。カメラヘッド40の組み立てにおいて、第1の筐体部130が組み立てられた後、第1のシール部材270が、後側筐体133の側面部133Aの外周面に嵌合される。次に、環状部材250が、第1のシール部材270の外周部に嵌合される。そして、ケーブル50が、コネクタ137の後端部に接続される。次に、調整部材290のめねじ部291が、ケーブルのおねじ部51に螺合される。そして、調整部材290を回転させることによって、調整部材290に第2のシール部材310を介して接続される第2の筐体部230が、第1の筐体部130側へ移動する。そして、第1の筐体部130の段差部と第2の筐体部230の先端部によって、環状部材250及び第1のシール部材270が挟持される。
【0064】
<3.変形例>
上記では、
図4〜
図7を参照して、第1のシール部材270及び第1のシール部材270の周囲の構成の詳細について説明したが、第1のシール部材270及び第1のシール部材270の周囲の構成は係る例に限定されず、他の構成であってもよい。以下、各変形例に係る第1のシール部材270及び第1のシール部材270の周囲の構成について説明する。
【0065】
(3−1.第1の変形例)
図8は、第1の変形例に係る第1のシール部材270及び第1のシール部材270の周囲の構成を含む領域の拡大図である。第1の変形例に係る第2の筐体部530の環状凸部231の先端部には、内周側に第1の筐体部130の段差部に向かって突出する第2の環状凸部501が設けられる。第2の環状凸部501の先端部は、第1の筐体部130の段差部と接する。
【0066】
第1の変形例では、
図8に示したように、第1のシール部材270は、環状部材250の内周面、後側筐体133のフランジ部133Bの後面、第2の筐体部530の第2の環状凸部501の外周面、及び第2の筐体部530の環状凸部231と第2の環状凸部501との段差部503により固定される。具体的には、第1のシール部材270は、第2の筐体部530の環状凸部231と第2の環状凸部501との段差部503及び後側筐体133のフランジ部133Bの後面により挟持され、第2の筐体部530の第2の環状凸部501の外周面及び環状部材250の内周面により挟持される。それにより、第1のシール部材270を、第1の筐体部130と第2の筐体部530との接続方向及び当該接続方向に直交する方向にそれぞれ挟持することができる。
【0067】
なお、第1の変形例において、リブ237は環状凸部231に設けられてもよく、環状部材250の内周面側に設けられてもよい。
【0068】
(3−2.第2の変形例)
図9は、第2の変形例に係る第1のシール部材270及び第1のシール部材270の周囲の構成を含む領域の拡大図である。第2の変形例に係る環状部材650の先端側には、内周側に向かって突出する環状部材突出部601が設けられる。環状部材突出部601の内周部は、後側筐体133の側面部133Aの外周面と接する。
【0069】
第2の変形例では、
図9に示したように、第1のシール部材270は、環状部材650の後端側の内周面603、環状部材650の環状部材突出部601の後面、後側筐体133の側面部133Aの外周面、及び第2の筐体部230の環状凸部231の先端部により固定される。具体的には、第1のシール部材270は、第2の筐体部230の環状凸部231の先端部及び環状部材650の環状部材突出部601の後面により挟持され、後側筐体133の側面部133Aの外周面及び環状部材650の後端側の内周面603により挟持される。それにより、第1のシール部材270を、第1の筐体部130と第2の筐体部230との接続方向及び当該接続方向に直交する方向にそれぞれ挟持することができる。
【0070】
なお、第2の変形例において、リブ237は環状凸部231に設けられてもよく、環状部材650の後端側の内周面603側に設けられてもよい。
【0071】
(3−3.第3の変形例)
図10は、第3の変形例に係る第1のシール部材270及び第1のシール部材270の周囲の構成を含む領域の拡大図である。第3の変形例に係る第2の筐体部730の環状凸部701は、第1の筐体部130の段差部に向かって突出するように、第2の筐体部730の先端側の外周側に設けられる。また、第3の変形例に係る環状部材850の内周面には、後側筐体133の側面部133Aの外周面と接するリブ803が設けられる。
【0072】
第3の変形例では、
図10に示したように、環状部材850は、第1の筐体部130の段差部及び第2の筐体部730の環状凸部701の先端部により挟持される。また、第1のシール部材270は、第2の筐体部730の環状凸部701の内周面、環状部材850の後面、後側筐体133の側面部133Aの外周面、及び第2の筐体部730の先端部の内周側の面703により固定される。具体的には、第1のシール部材270は、第2の筐体部730の先端部の内周側の面703及び環状部材850の後面により挟持され、後側筐体133の側面部133Aの外周面及び第2の筐体部730の環状凸部701の内周面により挟持される。それにより、第1のシール部材270を、第1の筐体部130と第2の筐体部730との接続方向及び当該接続方向に直交する方向にそれぞれ挟持することができる。
【0073】
なお、第3の変形例において、環状凸部701にはリブは設けられず、環状凸部701より後方の第2の筐体部730の内周面に後側筐体133の側面部133Aの外周面と接するリブ705が設けられる。
【0074】
また、
図8〜10を用いて説明した各変形例において、第1のシール部材270は、第1のシール部材270と接する各部材のそれぞれと面接触してもよい。また、第1のシール部材270と接する各部材のそれぞれの面は閉滑面であってもよい。
【0075】
<4.効果>
上述した実施形態によれば、環状部材250は、第1の筐体部130と第2の筐体部230とで挟持される。第1のシール部材270は、第1の筐体部130と、環状部材250と、第2の筐体部230とにより固定される。
【0076】
それにより、第1のシール部材270を、略直交する2つの方向にそれぞれ挟持することができる。ゆえに、第1のシール部材270の周囲に液体が侵入した場合に、侵入した液体から第1のシール部材270へ与えられる力による第1のシール部材270の変形を任意の方向において抑制することができる。従って、電子部品であるコネクタ137及びケーブル50の一部を覆う第2の筐体部230と第1の筐体部130とが接続される箇所の水密性を確保することができる。それにより、カメラヘッド40の外観端部に識別用の部材である環状部材250を配置することが可能となるので、不要な凸部を形成させることなく、識別力を向上することができる。従って、識別性を損なうことなく、新規かつ改良された医療用カメラ装置を提案することが可能である。
【0077】
また、ある実施形態によれば、環状部材250、第1の筐体部130、及び第2の筐体部230は、第1のシール部材270と面接触する。それにより、環状部材250、第1の筐体部130、及び第2の筐体部230のそれぞれと第1のシール部材270との接触面積を増大させることができる。ゆえに、第1のシール部材270の周囲に液体が侵入し、侵入した液体から第1のシール部材270へ与えられる力により第1のシール部材270が変形した場合であっても、第1のシール部材270の変形量が所定の変形量以下であれば、第2の筐体部230と第1の筐体部130との接続箇所の水密性を確保することができる。
【0078】
また、ある実施形態によれば、第2の筐体部230の先端部には、第1の筐体部130の段差部に向かって突出し、第1の筐体部130の第2の外周面と環状部材250の内周面との間に配置される環状凸部231が設けられ、第1のシール部材270は、第1の筐体部130の段差部と環状凸部231とにより挟持される。それにより、環状凸部231が突出する長さに応じて、環状凸部231が第1のシール部材270に押し込まれる量が決定される。ゆえに、第1のシール部材270の寸法や材質を考慮して、環状凸部231が突出する長さを設定することにより、環状凸部231が第1のシール部材270に押し込まれる量を適正化することができる。
【0079】
また、ある実施形態によれば、第2の筐体部230の環状凸部231には、第1の筐体部130の第2の外周面及び環状部材250の内周面に接する複数のリブが設けられる。それにより、第1の筐体部130の第2の外周面と環状部材250の内周面との間隔を、規制することができる。ゆえに、第1のシール部材270が第1の筐体部130の第2の外周面及び環状部材250の内周面に挟まれることによって第1のシール部材270に掛かる力の分布の変化を抑制することができる。従って、第1の筐体部130の第2の外周面と環状部材250の内周面との間隔の変化による第1のシール部材270の変形を抑制することが可能である。
【0080】
また、ある実施形態によれば、第2の筐体部230の後端部には、第1の筐体部130と第2の筐体部230との接続方向における、第1の筐体部130に対する第2の筐体部230の相対位置を調整する調整部材290が設けられる。ゆえに、第1の筐体部130に対する第2の筐体部230の相対位置を調整することによって、第2の筐体部230の先端部が第1のシール部材270に押し込まれる量を調整することができる。
【0081】
また、ある実施形態によれば、第1の筐体部130の段差部は、環状部材250の外周面より内側に溶接部330を有する。それにより、溶接部330は、環状部材250及び環状部材250の後方に位置する第2の筐体部230により覆われるため、外部に露出しない。ゆえに、外観の設計の自由度を向上させることが可能である。
【0082】
また、ある実施形態によれば、第1のシール部材270と接触する環状部材250、第1の筐体部130、及び第2の筐体部230のそれぞれの面は平滑面である。それにより、環状部材250、第1の筐体部130、及び第2の筐体部230のそれぞれと第1のシール部材270との密着性を向上させることができる。ゆえに、第2の筐体部230と第1の筐体部130との接続箇所の水密性を向上させることができる。
【0083】
また、ある実施形態によれば、上記平滑面は研磨されている。通常、部材の面を研磨することによって、当該部材の面の表面粗さの値を低下させることができる。ゆえに、上記平滑面を研磨することによって、上記平滑面の滑らかさを向上させることができる。従って、環状部材250、第1の筐体部、及び第2の筐体部230のそれぞれと第1のシール部材270との密着性をさらに向上させることができる。
【0084】
<5.むすび>
以上説明したように、本開示の実施形態によれば、環状部材は、第1の筐体と第2の筐体とで挟持される。シール部材は、第1の筐体と、環状部材と、第2の筐体とにより固定される。
【0085】
それにより、シール部材を、略直交する2つの方向にそれぞれ挟持することができる。ゆえに、シール部材の周囲に液体が侵入した場合に、侵入した液体からシール部材へ与えられる力によるシールの変形を任意の方向において抑制することができる。従って、電子部品であるコネクタ部及びケーブルの一部を覆う第2の筐体と第1の筐体とが接続される箇所の水密性を確保することができる。それにより、カメラヘッドの外観端部に識別用の部材である環状部材を配置することが可能となるので、不要な凸部を形成させることなく、識別力を向上することができる。従って、識別性を損なうことなく、新規かつ改良された医療用カメラ装置を提案することが可能である。
【0086】
また、以上では、カメラヘッド40に設けられ、一端に外部のケーブル50が着脱可能に接続されるコネクタ部であるコネクタ137を有するカメラヘッド40について説明したが、例えば、
図2に示したコネクタ接続基板190に外部のケーブル50の信号線を直接接続してコネクタ部を有さない外部のケーブル50がカメラヘッド40と一体的に接続された構成とすることも可能である。
【0087】
また、以上では、本開示の実施形態に係るカメラヘッドが内視鏡装置に用いられる例について説明したが、本開示に係るカメラヘッドを備える医療用カメラ装置は係る例に限定されない。例えば、本開示に係る医療用カメラ装置は、医療用顕微鏡装置であってもよい。医療用顕微鏡装置は、外科手術において、術部を拡大観察しながら手術を行うために用いられる観察装置である。医療用顕微鏡装置は、撮像装置と、当該撮像装置を保持し、当該撮像装置の位置及び姿勢を移動及び固定することが可能なアーム装置と、を備える。本開示に係るカメラヘッドは、例えば、このような医療用顕微鏡装置の撮像装置として適用され得る。そして、本開示に係る信号伝送部は、例えば、このような医療用顕微鏡装置のアーム装置として適用され得る。また、このような医療用顕微鏡装置において、アーム装置に2つのカメラヘッドが保持されてもよい。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲は係る例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0089】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0090】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
撮像素子を収納する第1の筐体を備えるカメラヘッドと、
前記カメラヘッドと接続され少なくとも前記撮像素子からの画像信号を伝送するケーブル部と、前記ケーブル部が挿通される筒状の第2の筐体と、を備える信号伝送部と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とで挟持され、前記カメラヘッドの種類を識別する外周面を有する環状部材と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体と前記環状部材とにより固定される環状のシール部材と、
を備える医療用カメラ装置。
(2)
前記カメラヘッドの前記第1の筐体は、第1の外周面と、前記信号伝送部の前記ケーブル部が接続される接続部が設けられるとともに前記第1の外周面より断面外形が小さい第2の外周面と、を備え、
前記環状部材と、前記シール部材と、前記第2の筐体の少なくとも先端部と、は前記第1の筐体の第2の外周面を挿通し配設され、
前記環状部材は、前記第1の筐体の前記第1の外周面と前記第2の外周面との段差部と、前記第2の筐体の先端部と、により挟持される、
前記(1)に記載の医療用カメラ装置。
(3)
前記環状部材、前記第1の筐体、及び前記第2の筐体は、前記シール部材と面接触する、前記(1)又は(2)に記載の医療用カメラ装置。
(4)
前記環状部材は、外観の色と、外観の形状と、外観の印刷と、の少なくともいずれかにより、前記カメラヘッドを識別する、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の医療用カメラ装置。
(5)
前記第2の筐体の前記先端部には、前記第1の筐体の前記段差部に向かって突出し、前記第2の外周面と前記環状部材の内周面との間に配置される環状凸部が設けられ、
前記シール部材は、前記第1の筐体の前記段差部と前記第2の筐体の前記環状凸部とにより挟持される、
前記(2)に記載の医療用カメラ装置。
(6)
前記環状凸部には、前記第2の外周面及び前記環状部材の内周面に接する複数のリブが設けられる、前記(5)に記載の医療用カメラ装置。
(7)
前記第2の筐体の後端部には、前記第1の筐体と前記第2の筐体との接続方向における、前記第1の筐体に対する前記第2の筐体の相対位置を調整する調整部材が設けられる、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の医療用カメラ装置。
(8)
前記調整部材は、前記ケーブル部の外周部に設けられたおねじ部に螺合されるめねじ部を有し、前記調整部材が回転することによって、前記相対位置を前記接続方向に調整する、前記(7)に記載の医療用カメラ装置。
(9)
前記シール部材と接触する前記環状部材、前記第1の筐体、及び前記第2の筐体のそれぞれの面は平滑面である、前記(3)に記載の医療用カメラ装置。
(10)
前記平滑面の中心線平均表面粗さRaは1.6μm以下である、前記(9)に記載の医療用カメラ装置。