(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
次の成分(a)〜(c)を含有し、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、成分(a)を0.001〜5重量%、成分(c)を20〜55重量%含有する発泡性圧縮成形型入浴剤(ただし、アジピン酸またはフマル酸を含有する発泡性圧縮成形型入浴剤、1−メチル−1−(5−メチル−5−エチルテトラヒドロフラン−2−イル)エタノールまたはそのアシルエステル化合物を香料として含有する発泡性圧縮成形型入浴剤、及び、3個以上の水酸基を有するポリヒドロキシアルキル基を有する含硫アミノ酸化合物を含有する発泡性圧縮成形型入浴剤を除く)。
(a)ベンジルベンゾエート、メチルジハイドロジャスモネイト、アミルシンナミックアルデヒド、メチルイオノン、リリアール、ダマスコンのいずれか1種以上の香料化合物
(b)炭酸塩、及び
(c)コハク酸
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤について詳細に説明する。
本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤は、成分(a)カルボニル基を有し、かつ、沸点が200〜400℃の範囲である香料化合物を、(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸と組み合わせ、発泡性圧縮成形型入浴剤とすることが、浴湯に溶解した直後から香り立ちを高めるために重要である。
【0010】
<成分(a):香料化合物>
本発明の香料化合物は、カルボニル基を有し、かつ、沸点が200〜400℃の範囲であるものが好ましく、中でも、沸点が200〜300℃の範囲であるものが特に好ましい。
カルボニル基を有する香料化合物とは、例えば、アルデヒド類、エステル類、ケトン類、ラクトン類等が挙げられる。カルボニル基を有する香料化合物は様々な文献、例えば、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1960)、「香りの百科」,日本香料協会編,朝倉書店(1989)、「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Pajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)、「Perfume and Flavor Chemicals(aroma chemicals)」,Vols.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「香料と調香の基礎知識」, 中島基貴編著,産業図書(1995)、「合成香料 化学と商品知識」,印藤元一著,化学工業日報社(1996)、「香りの百科事典」,谷田貝光克編,丸善(2005)に記載の化合物が使用できる。それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。以下に本発明の香料化合物の代表例をいくつか例示するが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
括弧内の数字は、化合物の常圧での沸点を意味する。
アルデヒド類としては、例えば、ウンデシレンアルデヒド(240℃)、ラウリルアルデヒド(241℃)、アルデヒドC−12MNA(233℃)、α−アミルシンナミックアルデヒド(287-90℃)、シクラメンアルデヒド(270℃)、シトラール(220℃)、シトロネラール(204-6℃)、エチルバニリン(285℃)、ヘリオトロピン(263℃)、アニスアルデヒド(248℃)、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド(308℃)、リリアール(278℃)、リラール(319℃)、バニリン(285℃)などが挙げられる。
エステル類としては、例えば、シス−3−ヘキセニルサリシレート(271℃)、p−クレジルアセテート(210-11℃)、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート(366℃)、メチルジハイドロジャスモネイト(309℃)、アミルサリシレート(265℃)、ベンジルサリチレート(300℃)、ベンジルベンゾエート(323℃)、ベンジルアセテート(212℃)、セドリルアセテート(>200℃)、リナリルアセテート(220℃)、テルピニルアセテート(220℃)、ベチベリルアセテート(286℃)、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート(221℃)、アリルヘプタノエート(210℃)などが挙げられる。
ケトン類としては、α−イオノン(265℃)、β−イオノン(261℃)、メチル−β−ナフチルケトン(302℃)、α−ダマスコン(266℃)、β−ダマスコン(271℃)、δ−ダマスコン(264℃)、シス−ジャスモン(248℃)、α−メチルイオノン(238℃)、β−メチルイオノン(242℃)、γ−メチルイオノン(285℃)、アリルイオノン(325℃)、カシュメラン(285℃)、ジハイドロジャスモン(253℃)、ラズベリーケトン(292℃)などが挙げられる。
ラクトン類としては、例えば、γ−ウンデカラクトン(286℃)、γ−デカラクトン(281℃)、γ−ノナラクトン(243℃)、γ−ドデカラクトン(350℃)、クマリン(301℃)などが挙げられる。
【0011】
これらの香料化合物の中で、ベンジルベンゾエート、リラール、メチルジハイドロジャスモネイト、ベンジルサリシレート、α−アミルシンナミックアルデヒド、γ−ウンデカラクトン、γ−メチルイオノン、γ−デカラクトン、リリアール、α−ダマスコン、リナリルアセテートが好ましく、中でも、α−アミルシンナミックアルデヒド、γ−ウンデカラクトン、γ−メチルイオノン、リリアール、α−ダマスコン、リナリルアセテートが特に好ましく、さらに、香り立ちの良さからγ−ウンデカラクトン、γ−メチルイオノン、リナリルアセテートが最も好ましい。
これらの香料化合物は、単独または2種以上を組み合わせて本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤中に0.001〜5重量%、より0.01〜3重量%、さらに0.1〜2重量%、特に0.1〜1重量%含有するのが、浴湯に溶解したときの香り立ちや、香り立ちの持続性の点、さらに製剤安定性の点で好ましい。
【0012】
<発泡性圧縮成形型入浴剤>
本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤は、(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸とを必須成分として含むものである。
(b)炭酸塩としては、浴湯中でコハク酸と反応して炭酸ガスを発生するものであればよく、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、重質炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤において、(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸との含有割合は、選択した炭酸塩の種類、発泡の度合等に応じて適宜設定することができる。(b)炭酸塩は、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、20〜85重量%であることが好ましく、40〜75重量%がより好ましい。
(c)コハク酸は、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、10〜75重量%であることが好ましく、20〜55重量%がより好ましい。
(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸の含有割合が上記範囲であると、炭酸ガスの発生効率がよいため好ましい。
【0013】
本発明において、発泡性圧縮成形型入浴剤中における(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸の粒径(平均粒径d50)は、0.01〜5mmであることが好ましく、0.1〜0.5mmがより好ましい。(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸の粒径が上記範囲であると、効率的に発泡して炭酸ガスを浴湯中に十分に供給できるため好ましい。なお、発泡性圧縮成形型入浴剤中に(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸以外の成分を含有させる場合、発泡性圧縮成形型入浴剤に製剤化できれば、その他の成分の粒径は特に限定されない。
また本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤は、必要に応じて、公知の水溶性フィルム等で覆ってもよい。
【0014】
<圧縮成形型製剤>
本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤は、上記成分を混合し圧縮成形することにより製造される。圧縮成形する場合には、ブリケットもしくは錠剤が得られるものであれば限定されず、周知のブリケット機、打錠機を用いることができる。周知のブリケット機としては、ブリケッティングマシン(新東工業株式会社製)等を用いることができる。打錠機は、臼の中に粉末混合物を充填し、下杵と上杵の間で圧縮して成形する装置である。打錠機には、1個の臼内で上下一組の杵が上下運動して圧縮する単発打錠機、水平に回転するターンテーブルの外周に、臼が等間隔に埋め込まれ、ターンテーブルが回転する間に、充填・圧縮・排出の一連の操作が連続的に行われるロータリー打錠機がある。周知の打錠機として、単発打錠機には志賀製作所製打錠機など、ロータリー打錠機には株式会社菊水製作所製打錠機などを用いることができる。また、作製する錠剤の重量に合わせた杵臼と、例えば理研機器株式会社製などの油圧式ポンプなどを用いて単発打錠し、圧縮成形型入浴剤を作製することもできる。圧縮成形方法は制限されるべきでなく、直接粉末圧縮法(直打法)や顆粒圧縮法(間接圧縮法)により製造することができる。また、各成分の混合の順序や混合方法等は適宜選定される。
ブリケット機を用いるときのブリケットの粒径は、ブリケットの溶解性の観点から10mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましく、5mm以下が更に好ましい。ブリケットの形状は、特に限定されるものではないが、ブリケット状、アーモンド状、ピロー状、フィンガー状、レンズ状等が好ましい。
打錠機を用いるときの錠剤の大きさは、円柱状の場合には直径(多角形の場合には1辺の長さ)が80mm以下のものが好ましく、70mm以下がより好ましく、また、10mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましい。錠剤の厚みは、20mm以下が好ましく、17mm以下がより好ましく、また、5mm以上が好ましく、8mm以上がより好ましく、10mm以上がさらに好ましい。錠剤の形状は、特に限定されるものではないが、円柱形状、ブロック形状、球形状、半球形状、多角体形状等が好ましい。
【0015】
本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤には、上述した成分(a)香料化合物、(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸の他に、必要に応じて、当該分野で知られている各種成分(以下「任意成分」と称することもある)を1種又は2種以上組み合せて含有することができる。以下に本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤に含有することのできる任意成分を例示するが、ここに記載された成分等に限定されないことは言うまでもない。
【0016】
<無機塩類(炭酸塩を除く任意成分)>
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム等の塩化物;硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、硫酸アルミニウムカリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸カリウム、次亜硫酸ナトリウム等の硫酸塩;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム等の硝酸塩;リン酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム等のリン酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩;硫化カルシウム、重硫化カルシウム、硫化カリウム、硫化ナトリウム、硫化アンモニウム、硫化バリウム、硫化亜鉛、硫化スズ、硫化アンチモン、硫化鉄、二硫化炭素、硫化リン等の硫化物;水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;ホウ砂、ホウ酸、酸化カルシウム、臭化カリウム、過マンガン酸カリウム等。これらは、かさ調整剤や、製剤助剤、特に製剤安定化剤として含有することができる。上記無機塩類の中でも、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩、ケイ酸カルシウムが好適であり、特に、本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤は、硫酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムを含有することが好ましい。また、これら無機塩類(炭酸塩を除く)の含有量は、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、0〜50重量%が好ましく、0〜30重量%がより好ましく、さらに0〜20重量%が好ましい。
<有機酸類(コハク酸を除く任意成分)>
リンゴ酸、クエン酸
、酒石酸、ピロリドンカルボン酸等
(ただし、アジピン酸またはフマル酸は除く)。
<油性成分類>
ヌカ油、ホホバ油、オリーブ油、大豆油等の天然油脂;流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素;ステアリルアルコール、セチルアルコール等のアルコール;ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;モノグリセライド、トリグリセライド等の合成油脂;シリコーン等。これらは、保湿成分としても含有することができる。この油性成分類の含有量は、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましく、さらに0〜3重量%が好ましい。
<高分子物質類>
カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ヒドロキシエチルセルロールおよびその塩、アルギン酸およびその塩、ポリリン酸およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ピロリン酸およびその塩、結晶セルロース、アラビアゴム、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、スチレン重合体エマルション、デキストリン、ポリエチレングリコール、カゼイン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等。これらは、製剤助剤や、保湿成分として含有することができる。上記高分子物質類の中でも、本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤は、デキストリン、ポリエチレングリコールを含有することが好ましい。これら高分子物質類の含有量は、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましく、さらに0〜3重量%が好ましい。特に、デキストリンとポリエチレングリコールは、それぞれ0.01〜3重量%の範囲で含有することが好ましい。
【0017】
<香料成分・精油成分類>
ハッカ、ユーカリ、レモン、ペルペナ、シトロネラ、カヤプテ、サルビア、タイム、クローブ、ローズマリー、ヒソップ、ジャスミン、カモミール、ネロリ、ヨモギ、ペリラ、マジョラム、ローレル、ジュニパーベリー、ナツメグ、ジンジャー、オニオン、ガーリック、ラベンダー、ベルガモット、クラリーセージ、ペパーミント、バジル、ローズ、プチグレン、シナモン、メース、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、ロジノール、オレンジ、アルテミジア、カンフル、メントール、シネオール、オイゲノール、ヒドロキシシトロネラール、サンダルウッド、コスタス、ラブダナム、アンバー、ムスク、α−ピネン、リモネン、メチルサリチレート、ソウジュツ、ビャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、コウボク、センキュウ、トウヒ、トウキ、ショウキョク、シャクヤク、オウバク、オウゴン、サンシン、ケイヒ、ニンジン、ブクリョウ、ドクガク、ショウブ、ガイヨウ、マツブサ、ビャクシ、ジュウヤク、ウイキョウ、チンピ、カンピ、カミツレ等の精油類、亜硝酸アミル、トリメチルシクロヘキサノール、アリルサルファイド、ノニルアルコール、デシルアルコール、フェニルエチルアルコール、炭酸メチル、炭酸エチル、フェニル酢酸エステル、グアヤコール、インドール、クレゾール、チオフェノール、p−ジクロロベンゼン、p−メチルキノリン、イソキノリン、ピリジン、アブシンス油酢酸、酢酸エステル等。成分(a)以外にも、上記香料成分を含有することができる。これらの香料成分、精油成分は、1種単独で使用されても、また2種以上を任意に組み合わせて、調合香料として使用することもできる。さらに、溶剤、香料安定化剤等を適宜混合し、香料組成物として使用することもできる。この香料成分・精油成分類の含有量は、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、0〜5重量%が好ましく、0〜3重量%がより好ましく、さらに0〜2重量%が好ましい。
【0018】
<生薬類>
カミツレ、ガイヨウ、カンピ、ウイキョウ、ケイガイ、ケイヒ、ショウキョウ、チンピ、センキュウ、ショウブ、トウキ、トウヒ、ドクダミ、トウガラシ、シラカバ、ゴボウ、ニンジン、ニンニク、チョウジ、ローズマリー、ユズ、タイム等。これらは抽出液として含有しても良く、また、香料もしくは保湿成分としても含有することができる。
<酵素類>
トリプシン、α−キモトリプシン、ブロメライン、パパイン、プロテアーゼ、プロクターゼ、セラチオペプチダーゼ、リゾチーム、ペプシン等。
<顔料・鉱物類>
酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、ベンガラ、黄酸化鉄、マイカ、雲母、チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ベントナイト、ゼオライト、無水ケイ酸、メタケイ酸、中性白土等、これらの被覆粒(顆粒)等。これらは、製剤助剤としても含有することができる。
<色素類>
青色1号、青色2号、赤色102号、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、緑色3号、緑色201号、緑色204号、橙色205号、等の法定色素、クロロフィル、リボフラビン、アンナット、アントシアニン等の天然色素等。
<ビタミン類およびその誘導体>
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンH、パントテン酸、ニコチン酸又はその誘導体、ビタミンEニコチン酸エステル、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸ナトリウム等。これらは、保湿成分としても含有することができる。
【0019】
<海藻抽出物類>
アナアオサ、ミル、ウスバアオノリ、ヒトエグサ、スジアオノリ、カサノリ、ヘライワヅタ、ハネモ、ナガミル等の緑藻植物、ウミウチワ、アミジグサ、モズク、イロロ、マツモ、イワヒゲ、ハバノリ、ウルシグサ、カジメ、マコンブ、ワカメ、トロロコンブ、ヒジキ、アラメ、ホンダワラ、ウミトラノオ、スギモリ、オオバモリ等の褐藻植物、マルバアマノリ、アサクサノリ、スサビノリ、ウミゾウメン、ヒラクサ、マクサ、トリアシ、ハナフノリ、フクロフノリ、ヒカデノリ、トサカノリ、トゲキリンサイ、アカバギンナンソウ、コトジツノマタ、ツノマタ、アヤニシキ、マクリ、エゴノリ、オゴノリ、イバラノリ等の紅藻植物等から得られる抽出物等。これらは、保湿成分としても含有することができる。
<植物抽出物類>
アロエ抽出物、緑茶抽出物、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス、コンフリーエキス、ユーカリエキス、ローヤルゼリーエキス、レモン抽出液、ローズヒップ抽出液、モモの葉エキス等。抽出方法に特に制限はない。これらは、保湿成分としても含有することができる。
<冷感物質類>
メントール、カンフル、チモール等のメントール誘導体、単環式化合物、二環式アルコール、三環式アルコール、三環式アミド、ハッカ油等。
【0020】
<保湿成分類>
セラミド、セラミド誘導体、セラミド類似物質などのセラミド類等;乳酸ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、グルタミン酸二ナトリウム等の有機酸塩類;イソプレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、キシロース、キシリトール、ソルビトール等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子;コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類、コラーゲンやその誘導体、蛋白質、ケラチン、フィブロイン及びその加水分解物;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル、シア脂、スクワラン、プラセンタ、アルブチン、カゼイン、シルク、はちみつ等。この保湿成分類の含有量は、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましく、さらに0〜3重量%が好ましい。
【0021】
<溶剤>
精製水、イオン交換水、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトール等のグリコールエーテル類、流動パラフィン、n−パラフィン等のパラフィン類、ジエチルフタレート
、トリエチルシトレート、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、その他3−メチル−4−メトキシブタノール、N−メチルピロリドン、炭酸プロピレン等が挙げられる。これらの溶剤は、圧縮成形型入浴剤として作製できる限り含有することができる。また、1種単独で使用されても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。さらに、上記香料成分とともに混合し、香料組成物として使用することもできる。
<界面活性剤>
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン系活性剤;石けん用素地などの脂肪酸エステル、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等の陰イオン系活性剤;アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤等。この界面活性剤の含有量は、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましく、さらに0〜3重量%が好ましい。
【0022】
<退色防止剤>
グリシン、アラニン、グルタミン酸などのアミノ酸;サリチル酸およびその塩等。
<pH調整剤>
リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等。
<殺菌剤>
イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ジクロロイソシアヌル酸、銀ゼオライト、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼントニウム、塩化クロルヘキシジン、ヒノキチオール、フェノール、グリチルリチン酸塩およびその誘導体等。この殺菌剤含有量は、発泡性圧縮成形型入浴剤の全重量に対して、0〜5重量%が好ましく、0〜3重量%がより好ましく、さらに0〜1重量%が好ましい。
<その他>
ブドウ糖、ショ糖、トレハロース、フィトコラージュ、イソフラボン、パラオキシ安息香酸エステル、野菜又は果物抽出物(エキス)、海洋深層水等。
【0023】
上述した任意成分の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
【実施例】
【0024】
以下に実施例において本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0025】
<実施例1〜8、比較例1〜12>
[試験検体の作製]
表1に記載の各成分(表1中の数字は重量%を意味している。)を均一に混合し、粉末状混合物を得た。この粉末状混合物を、油圧式単発打錠機を用いて圧縮成形し、φ30mm×厚さ13mmの15gの発泡性圧縮成形型入浴剤を作製した。それぞれ3錠ずつ作製した。なお、実施例1〜8、比較例1、2は有機酸として、成分(c)のコハク酸を用い、比較例3〜12はフマル酸を用いた発泡性圧縮成形型入浴剤である。
【0026】
<試験例1>
作製した実施例1〜8、比較例1〜12の発泡性圧縮成形型入浴剤をそれぞれ試験検体として、以下の試験方法で香り立ちの評価を行った。
[試験方法]
3.74m
3(1.6m(縦)×1.2m(横)×1.95m(高さ))の密閉空間の浴室において、浴槽中に150Lの湯(40℃)を入れ、試験検体の発泡性圧縮成形型入浴剤3錠(合計45g)を投入した。その後、試験検体の全量が溶解した直後の浴室内の香りを嗅ぎ、香りの強度を専門パネラー5名により、次の基準で評価した。
[評価基準]
評価は各専門パネラーが「非常に良く香る(4点)」、「良く香る(3点)」、「香る(2点)」、「やや香る(1点)」、「香らない(0点)」の5段階で点数評価し、その評価点数から平均値を求め、以下の評価基準で香り立ちの有効性を評価した。結果を表1に示す。
◎ :3.5点以上〜 「非常に良く香る」
○ :2.5点以上〜3.5点未満「良く香る」
△ :1.5点以上〜2.5点未満「香る」
× :0.5点以上〜1.5点未満「やや香る」
××:〜0.5点未満 「香らない」
【0027】
【表1】
【0028】
表1の結果より、成分(a)カルボニル基を有し、かつ、沸点が200〜400℃の範囲である香料化合物と、成分(c)コハク酸を含有する本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤(実施例1〜8)は、成分(a)以外の香料化合物と成分(c)コハク酸を含有する発泡性圧縮成形型入浴剤(比較例1、2)やフマル酸を含有する発泡性圧縮成形型入浴剤(比較例3〜12)に比べて、溶解した直後から香り強度が高く、香り立ちに優れることが確認された。特に、沸点が300℃以上である香料化合物でも、コハク酸と組み合わせて使用することにより、良好な香り立ちが感じられなかったフマル酸を使用する発泡性圧縮成形型入浴剤に比べて、良好な香り立ちが得られることが明らかとなった。
さらに、成分(a)として、カルボニル基を有し、かつ、沸点が200〜300℃の範囲である香料化合物を含有する発泡性圧縮成形型入浴剤(実施例2〜8)において、溶解した直後からの香り立ちが極めて良好であることが明らかとなった。
これは、成分(a)カルボニル基を有し、かつ、沸点が200〜400℃の範囲、特に、沸点が200〜300℃の範囲である香料化合物と、(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸とを組み合わせることにより、良好な香り立ちを初めて実現するものである。
【0029】
<実施例9〜14、比較例13〜22>
[試験検体の作製]
表2に記載の各成分(表2中の数字は重量%を意味している。)を均一に混合し、粉末状混合物を得た。この粉末状混合物を、油圧式単発打錠機を用いて圧縮成形し、φ30mm×厚さ13mmの15gの発泡性圧縮成形型入浴剤を作製した。なお、実施例9〜14、比較例13、14は有機酸として、成分(c)のコハク酸を用い、比較例15〜22は安息香酸を用いた発泡性圧縮成形型入浴剤である。
【0030】
<試験例2>
作製した実施例9〜14、比較例13〜22の発泡性圧縮成形型入浴剤をそれぞれ試験検体として、以下の試験方法で香り立ちの評価を行った。
[試験方法]
5Lの湯(40℃)が入った水槽に、試験検体の発泡性圧縮成形型入浴剤1錠(15g)を投入した。その後、試験検体の全量が溶解した直後の水槽上部の香りを嗅ぎ、香りの強度を専門パネラー5名により、試験例1と同様の評価基準で評価した。
【0031】
【表2】
【0032】
表2の結果より、成分(a)カルボニル基を有し、かつ、沸点が200〜400℃の範囲である香料化合物と、成分(c)コハク酸を含有する本発明の発泡性圧縮成形型入浴剤(実施例9〜14)は、成分(a)以外の香料化合物と成分(c)コハク酸を含有する発泡性圧縮成形型入浴剤(比較例13、14)や安息香酸を含有する発泡性圧縮成形型入浴剤(比較例15〜22)に比べて、溶解した直後から香り立ちに優れることが確認された。これは、成分(a)カルボニル基を有し、かつ、沸点が200〜400℃の範囲である香料化合物と、(b)炭酸塩、及び(c)コハク酸とを組み合わせることにより、初めて良好な香り立ちを実現するものであり、この効果は、本発明の組み合わせにおいて特異的に発揮されるものである。