(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、カラオケ用の楽曲データや歌詞データなどを含むカラオケデータに基づいて楽曲を再生するカラオケ通信システムに対して本願のカラオケ制御システム、リモコン装置及びプログラムを適用した場合の実施形態である。
【0020】
[1]カラオケ通信システム
[1.1]カラオケ通信システムの概要
まず、
図1及び
図2を用いて本実施形態のカラオケ通信システム1の概要について説明する。
【0021】
なお、
図1は、本実施形態におけるカラオケ通信システム1の構成を示すシステム構成図であり、
図2は、本実施形態のカラオケ通信システム1において実行される動作の概要を示す図ある。
【0022】
また、図が煩雑になることを防止するために、
図1及び
図2においては、一部のユーザ及び一部の遊興施設(以下、「店舗」という。)及びカラオケボックス60(店舗にある1部屋を示す。)のみを示している。すなわち、実際のカラオケ通信システム1においては、表示するよりも多数のカラオケシステム10、ユーザ、及び、リモコン装置11が存在している。
【0023】
本実施形態のカラオケ通信システム1は、カラオケボックス60に設置されるカラオケシステム(以下、「カラオケシステム」という。)10と、該当するカラオケシステム10を操作するためのリモコン装置11と、カラオケデータを管理するデータ管理サーバ装置30と、各種のデータベース(以下、「DB」という。)が構築される記憶装置40と、各リモコン装置11に各種のデータを提供するナビサーバ装置50と、を有する。
【0024】
特に、本実施形態のカラオケ通信システム1は、各リモコン装置11によって選曲された選曲履歴であって、実際に再生された楽曲(すなわち、選曲再生履歴ともいう)の情報(以下、「選曲再生履歴情報」という。)を管理し、各リモコン装置11における選曲されて再生された楽曲の傾向を特定しつつ、当該特定した選曲傾向に基づいて、視覚効果及び効果音を変更することが可能な構成を有している。
【0025】
通常、カラオケボックス60に設置された1のカラオケシステム10に対して操作可能なリモコン装置11は、今までに操作されたユーザの選曲履歴に依存するため、リモコン装置11毎に選曲履歴の傾向が異なる場合が多い。
【0026】
また、1のカラオケシステム10に対して操作可能な複数のリモコン装置11が存在する場合であっても、ユーザ毎に操作するリモコン装置11が定まることが多いので、それぞれのリモコン装置11には各ユーザの嗜好が反映されるため、各リモコン装置11よって選曲履歴やその傾向が異なることが多い。
【0027】
例えば、1のリモコン装置11については、「2000年代」、「日本語」の「ポップス」が頻繁に選曲されているのに対して、他のリモコン装置11については、「80年代」、「日本語」の「演歌」が頻繁に選曲されている場合には、リモコン装置11毎に選曲の傾向が異なる。
【0028】
そこで、本実施形態のカラオケ通信システム1は、選曲履歴(具体的には、選曲再生履歴)に基づいて、各リモコン装置11における入力支援画像の視覚効果などの入力支援形態を変化させることによって、各リモコン装置11における選曲履歴の傾向をユーザに直感的に把握させることができるようになっている。
【0029】
すなわち、本実施形態のカラオケ通信システム1は、ユーザが他のユーザにおける選曲履歴を利用するのか否かを迅速にかつ容易に判断することができるとともに、ユーザが普段選曲しない楽曲であって当該ユーザの嗜好に合致した楽曲の提示を行うことができるとともに、ユーザの利便性を向上させることができるようになっている。
【0030】
なお、
図1においては、カラオケシステム10が、記憶装置40内の各データベース(以下、データベースを「DB」という。)に対して、直接アクセス可能である。記憶装置40をネットワークNに直接接続されているが、記憶装置40は、データ管理サーバ装置30内に搭載されてもよい。
【0031】
また、ネットワークNは、例えば、携帯電話網を含む公衆電話網と、IP(Internet Protocol)ネットワークが相互接続されて構成される。ただし、当該ネットワークNの構成は、これに限らない。
【0032】
さらに、データ管理サーバ装置30及びナビサーバ装置50の機能を統合し、一つのサーバ装置によって記憶装置40を管理運営するようにしてもよい。ただし、本実施形態の記憶装置40の管理運営主体は、説明を具体化するため、データ管理サーバ装置30及びナビサーバ装置50によって、記憶装置40に形成された各DBをそれぞれ個別に管理運用されるものとして説明を行う。
【0033】
[1.2]カラオケ通信システムの概略構成
カラオケシステム10は、例えば、店舗内にあるカラオケボックス60等に設置され、上記の各機能を実現するための装置である。
【0034】
また、カラオケシステム10は、
(1)ユーザの選曲に基づいて、特定のカラオケデータを記憶装置40から取得する取得機能、
(2)記憶装置40から取得したカラオケデータ又は予め記憶されているカラオケデータに基づいて楽曲を再生して楽音を出力させるとともに、楽音の出力に伴って当該楽曲の歌詞を表示するカラオケデータ再生機能、及び、
(3)予め保持している背景画像のデータ(以下、「背景画像データ」という。)又は記憶装置40から取得した背景画像データ(他のユーザが同一の楽曲としてカラオケデータに基づいて楽曲の再生に同期してコラボレーション(コラボ)して歌唱している画像データ(すなわち、コラボ用画像データ)を含む)を再生されているカラオケ用楽曲データに同期して再生する背景画像再生機能、及び、
(4)歌唱終了後やその他のタイミングにおいて歌唱したユーザの採点を行う採点機能、
を有している。
【0035】
リモコン装置11は、カラオケシステム10の一部を構成するリモコン装置であり、ユーザの指示入力を受け付け、当該指示入力に従い、楽曲の選曲を行うための選曲番号などを、カラオケシステム10に送信する構成を有している。
【0036】
特に、リモコン装置11は、各リモコン装置11における選曲履歴の傾向に合わせてユーザの指示入力を受け付ける際に用いる入力支援画像の表示形態の変更及び当該指示入力時の効果音を変更する処理(以下、「入力支援形態変更処理」という。)を実行する構成を有している。
【0037】
データ管理サーバ装置30は、記憶装置40を管理しつつ、カラオケ通信システム1にてユーザに提供されるカラオケデータ及び画像データなどの各カラオケの楽曲に関するデータの提供及びその管理を行うサーバ装置である。
【0038】
特に、データ管理サーバ装置30は、
(1)記憶装置40に記憶された各種データを管理し、
(2)カラオケシステム10から選曲番号含むリクエスト(以下、「選曲リクエスト」という。)を受信すると、当該選曲番号に対応するカラオケデータを記憶装置40から読み出し、該当するカラオケシステム10に配信し、
(3)画像IDを含むリクエスト(以下、「画像選択リクエスト」という。)を受信すると、当該画像IDに対応する画像データを記憶装置40から読み出して、該当するカラオケシステム10に配信する、
構成を有している。
【0039】
記憶装置40は、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、等により構成され、データ管理サーバ装置30及びナビサーバ装置50により管理運用されるようになっている。
【0040】
そして、記憶装置40は、その記憶領域内に、
(1)各ユーザ情報を管理するユーザ管理DB401と、
(2)各カラオケデータが記憶されるカラオケデータ用DB402と、
(3)背景画像として選択可能な画像データが記憶される画像DB403と、
(4)各リモコン装置11における選曲再生履歴情報が記憶される履歴情報管理DB404と、
(5)入力支援形態変更処理の実行に用いる情報(以下、「形態制御情報」という。)を生成する際に用いるデータが記憶される効果設定基準DB405と、
(6)各カラオケシステム10と操作可能なリモコン装置11のデータが記憶されたカラオケシステム管理DB406と、
が構築されている。
【0041】
ナビサーバ装置50は、記憶装置40を管理しつつ、各ユーザ情報や各リモコン装置11を管理して各ユーザに対してカラオケ提供サービスを提供するための制御及び管理を行うサーバ装置である。
【0042】
特に、ナビサーバ装置50は、所定のタイミングにおいて、カラオケシステム10からリモコン装置11を介してユーザによって選曲され、かつ、一定時間(例えば、1分以上)の再生が実行されたカラオケデータの選曲番号を取得し、当該取得した選曲番号と記憶装置40に記憶されているカラオケデータの楽曲属性情報に基づいて、記憶装置40に記憶された各リモコン装置11の選曲再生履歴情報を更新する構成を有している。
【0043】
そして、ナビサーバ装置50は、各リモコン装置11から入力支援形態変更処理の実行要求を受信すると、記憶装置40に記憶されている該当するリモコン装置11における選曲再生履歴情報に基づいて、該当するリモコン装置11において入力支援形態変更処理の実行に用いる形態制御情報を生成する処理(以下、「形態制御情報生成処理」という。)を実行し、生成した形態制御情報を該当するリモコン装置11に配信する構成を有している。
【0044】
[1.3]カラオケ通信システムの動作概要
カラオケシステム10は、リモコン装置11から送信された自機を識別するための識別情報(以下、「リモコンID」という。)を付したユーザの選曲指示を受け付ける毎に(
図2の[1])、カラオケデータに基づいて楽曲を再生するために、選曲番号に基づいて記憶装置40から該当するカラオケデータを取得する(
図2の[2]取得要求の送信及びその配信)。
【0045】
そして、カラオケシステム10は、取得したカラオケデータに基づいて楽曲の再生を実行するとともに(
図2の[3])、当該カラオケデータに基づいて楽曲を一定時間以上の再生を実行した場合に、選曲再生履歴情報の管理のために、当該選曲番号にリモコンIDを対応付けてナビサーバ装置50に送信する(
図2の[4])。
【0046】
一方、ナビサーバ装置50は、受信した選曲番号及びリモコンIDに基づいて、記憶装置40から該当するカラオケデータにおける楽曲の楽曲属性情報を取得し、当該記憶装置40に既に記憶されている選曲再生履歴情報を更新する(
図2の[5])。
【0047】
そして、ナビサーバ装置50は、
(1)更新した選曲再生履歴情報を該当するリモコン装置11に配信し(
図2の[6])、
(2)当該更新した選曲再生履歴情報及び受信した選曲番号に基づいて、記憶装置40から該当する各カラオケデータの属性情報を取得し(
図2の[7]取得要求の送信及びその配信)、
(3)取得した属性情報に基づいて形態制御情報を生成し(
図2の[8])、
(4)生成した形態制御情報を該当するリモコン装置11に配信する(
図2の[9])。
【0048】
なお、ナビサーバ装置50は、更新した選曲再生履歴情報のリモコン装置11への配信、及び、生成した形態制御情報のリモコン装置11への配信を直接実行してもよいし、カラオケシステム10を介して実行してもよい。ただし、
図2は、更新した選曲再生履歴情報のリモコン装置11への配信、及び、生成した形態制御情報のリモコン装置11への配信を直接実行して場合の図である。
【0049】
他方、リモコン装置11は、
(1)更新した選曲再生履歴情報を受信すると、ユーザの指示入力に基づいて当該ユーザ閲覧可能に表示するために、受信した選曲再生履歴情報を表示可能に設定し(
図2の[10])、
(2)生成された形態制御情報を受信すると、当該受信した形態制御情報に基づいて入力支援形態変更処理を実行し、カラオケの楽曲を選曲するに際にユーザを誘導するための画像(以下、「ナビ画像」という。)を表示するための設定を実行する(
図2の[11])。
【0050】
このような構成により、本実施形態のカラオケ通信システム1は、ユーザによる選曲再生履歴に基づき、リモコン装置11の表示パネル等の表示手段に表示される入力支援画像を変化させることができるので、リモコン装置にて過去に選曲された選曲再生履歴の傾向を、ユーザによって直感的に判別させることができるようになっている。
【0051】
すなわち、本実施形態のカラオケ通信システム1は、1つのカラオケシステムの操作を実行することが可能な複数のリモコン装置が設置されている場合には、選曲履再生歴を用いて選曲を行うリモコン装置の選択を容易にし、又は、1つのカラオケシステムの操作を実行することが可能な単一のリモコン装置が設置されている場合には、選曲再生履歴を用いて選曲を行うか否かの判断を容易にすることができるなど、ユーザが他のユーザにおける選曲履歴を利用するか否かを迅速にかつ容易に判断することができるようになっている。
【0052】
したがって、本実施形態のカラオケ通信システム1は、ユーザに選曲再生履歴の傾向を提示することができるとともに、ユーザの利便性を向上させることができるようになっている。
【0053】
[2]記憶装置
次に、
図3〜
図6を用いて本実施形態の記憶装置40のユーザ管理DB401と、カラオケデータ用DB402と、履歴情報管理DB404と、効果設定基準DB405と、カラオケシステム管理DB406と、について説明する。
【0054】
ユーザ管理DB401は、各ユーザを管理するための情報(以下、「ユーザ情報」という。)がデータとして記憶されるDBである。
【0055】
具体的には、ユーザ管理DB401に記憶される複数のユーザ情報は、各ユーザを識別するためのユーザID、氏名、住所、アカウント名、パスワード、性別、年齢、メールアドレス及びお気に入り画像が対応付けて記憶される。
【0056】
カラオケデータ用DB402は、選曲番号に対応付けられて複数のカラオケデータが記憶されるDBである。
【0057】
具体的には、カラオケデータ用DB402には、
図3に例示するように、
(A)各楽曲に対応する選曲番号と、
(B)楽曲の楽曲名(タイトル)と、
(C)楽曲の属性を示す楽曲属性情報と、
が対応付けられてカラオケ用楽曲データ、そのカラオケ用楽曲データに基づいて楽曲の再生中に同期して表示させる歌詞を示す歌詞データ及び表示制御データとともに記憶されている。
【0058】
特に、楽曲属性情報には、
(C1)楽曲の属する楽曲ジャンル(例えば、ポップスやバラードなど)を示すジャンル情報と、
(C2)楽曲のアーティストの名称及び種別(例えば、ソロ、デュオ及びバンド等の形態)を含むアーティスト情報と、
(C3)楽曲の発売時期及び発売地域言語(例えば、日本語及びアジア圏外国語等の言語)を含む発売情報と、
(C4)楽曲の音色数(音色数が多い、平均的及び少ない等の音色の数)及び曲調(メジャー又はマイナーなど)を含む当該楽曲の特徴に関する楽曲特徴情報と、
の各属性に対応する情報が含まれる。
【0059】
なお、楽曲属性情報の発売地域言語については、最初に楽曲が、発表、発売された際における歌詞の言語によって決定するようにしてもよく、最初の発売後に他言語によるバージョンが発売された場合には、当該他言語に割り振るようにしてもよい。
【0060】
また、音色数については、予め、平均的な音色数(例えば、3〜5音程度)を判定基準として定めておき、当該基準内であれば、「平均的」、基準以下なら「少ない」、基準以上であれば、「多い」と設定するようにすればよい。
【0061】
さらに、カラオケ用の楽曲データには、複数の楽器の演奏音を再生制御するためのMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ、Aメロ、Bメロ、サビなど楽曲の構成を示す楽曲構成データ、歌パートの基準音(キー)の音高を示す音高データ、及びメロディをガイドするためのガイドメロディデータなどが含まれる。
【0062】
画像DB403は、背景画像として選択可能な画像データを管理するためのDBであり、各画像データに対応する画像IDと画像データ本体と、が対応付けて記憶される。
【0063】
履歴情報管理DB404には、
図4に例示するように、各リモコン装置11のリモコンIDに対応付けられて、
図3に例示するカラオケデータの楽曲属性情報基づいて生成及び更新され、その一部の情報から構成される各リモコン装置11の選曲再生履歴情報が記憶される。
【0064】
効果設定基準DB405は、形態制御情報の生成時に選曲再生履歴の傾向に合わせて、ナビ画像等に施す視覚効果及び効果音を決定するための情報がデータとして記憶されるDBである。
【0065】
具体的には、効果設定基準DB405には、
図5に例示するように、抽出される属性の区分(以下、「抽出区分」という。)毎に、かつ、属性種別毎に、
(1)属性の集計結果に乗算すべき「重み付け係数」と、
(2)ナビ画像上の反映項目(例えば、色相、明度、文字の太さ、フォント、効果音等)と、
(3)ナビ画像上の評価軸(例えば、イメージ、暗い・明るい、寂しい・賑やか等、日本的、アジア的、アメリカ的、静か、賑やか等)と、
(4)ナビ画像上の反映詳細(例えば、設定すべき色相、明度、効果音、フォント、文字の太さ、ボタンサイズ等)と、
(5)ナビ画像上の反映場所と、
が対応付けて記憶される。
【0066】
例えば、
図5には、
(1A)抽出区分としての音楽ジャンル「ポップス」に対する重み付け係数「1」、及び、
(1B)抽出区分としての音楽ジャンル「バラード」に対する重み付け係数「3」、
が設定され、それらの反映項目「色相」、評価軸「イメージ」、反映詳細「色相:青」又は「色相:緑」及び反映場所「背景表示色」が設定されていることが示されている。
【0067】
なお、重み付け係数を決定する基準及び具体的な値については、任意であり、例えば、一般的に選曲される可能性の高いものの重み付け係数を低く設定するとともに、選曲される可能性の低いものの重み付け係数を高く設定することにより、特定される選曲再生履歴の傾向が偏ることを防止することができるようになっている。
【0068】
カラオケシステム管理DB406は、各施設に設置されたカラオケシステム10と、リモコン装置11を管理するための情報が記憶されるDBである。
【0069】
具体的には、カラオケシステム管理DB406には、
図6に例示するように、
(1)各カラオケボックス60に割り当てられた施設IDと、
(2)各カラオケボックス60に設置されたカラオケシステム10を識別するためのカラオケシステムIDと、
(3)各カラオケボックス60に設置されたリモコン装置11のリモコンIDと、
が対応付けて記憶される。
【0070】
[3]リモコン装置
次に、
図7及び
図8を用いて本実施形態のリモコン装置11の構成及びその動作について説明する。なお、
図7は、本実施形態におけるリモコン装置11の構成を示す構成図である。また、
図8は、本実施形態のリモコン装置11において表示されるナビ画像一例を示す図である。
【0071】
本実施形態のリモコン装置11は、
図7に示すように、赤外線、又は、近距離無線によって、カラオケシステム10と通信を行う近距離通信部110と、タッチパネル及びキーパッド等により構成される操作部120と、スピーカ及び電力増幅部(アンプ)等を含む音声出力部130と、表示部140と、表示部140に対する画像の表示を制御する表示制御部150と、各種のデータが記憶される記憶部160と、リモコン制御部170と、視覚効果及び効果音変更処理を実行するアプリケーション実行部180と、を有し、上記の各部は、バスBによって相互に接続されている。
【0072】
なお、例えば、本実施形態の表示部140は、例えば、本発明の「表示手段」を構成し、表示制御部150は、アプリケーション実行部180と連動して、本発明の「表示制御手段」を構成する。また、例えば、本実施形態のアプリケーション実行部180は、ナビサーバ装置50と連動することにより、例えば、本発明の「決定手段」を構成する。
【0073】
近距離通信部110は、赤外線受光部、又は、所定の通信規格に従ったアンテナを有し、IrDA等の赤外線通信、又は、bluetooth(登録商標)、IEEE802.15.4、無線LAN等の無線通信規格に従って、カラオケシステム10、データ管理サーバ装置30及びナビサーバ装置50とデータの授受を行う。
【0074】
例えば、近距離通信部110は、操作部120に対する入力操作にて指定される選曲番号をカラオケシステム10に送信するとともに、自機のリモコンIDを付加して選曲再生履歴情報の取得要求をカラオケシステム10に送信する。
【0075】
また、近距離通信部110は、ナビサーバ装置50からカラオケシステム10を介して配信された選曲再生履歴情報及び形態制御情報を受信し、アプリケーション実行部180に供給する。
【0076】
操作部120は、表示部140上に設けられたタッチパネル、並びに、テンキー及びキーボード等の各種のキーやボタンにより構成される。
【0077】
特に、操作部120が、各種のキーやボタンにより構成されている場合には、当該キーやボタンの背面に複数の発光色を有するバックライト用のLED(発光ダイオード)を形成させ、形態制御情報により示される背景表示色に応じて、LEDの発光色を変更する。
【0078】
なお、本実施形態においては、背景表示色と連動せずに形態制御情報に基づいてLEDの発行色を独自に変化させてもよい。
【0079】
音声出力部130は、スピーカ及びアンプを有し、操作部120によりユーザの入力操作が受け付けられた場合に、記憶部160に記憶された音声データに基づき、効果音を所定の音量によって出力する。
【0080】
特に、音声出力部130は、アプリケーション実行部180と連動して、形態制御情報に基づき、出力する効果音を変更する。
【0081】
表示部140は、液晶素子又はEL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、表示制御部150において生成された描画データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。
【0082】
特に、表示部140は、カラオケの楽曲を選曲するに際にユーザを誘導するためのナビ画像を表示する。
【0083】
例えば、
図8(A)には、全ユーザに提供されるナビ画像の例を示し、
図8(B)には、ユーザがカラオケ提供サービスの会員であり、当該サービスにログインした場合のナビ画像の例を示す。また、
図8(C)には、該当するリモコン装置において直近(過去)に選曲し、再生された楽曲の選曲再生履歴の例を示す。
【0084】
表示制御部150は、リモコン制御部170の制御の下、アプリケーション実行部180から供給される画像データ基づいて、描画データを生成し、生成した描画データを表示部140に供給する。
【0085】
記憶部160は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリにより構成される。
【0086】
また、記憶部160は、形態制御情報に基づき、視覚効果及び効果音変更処理を実行するためのアプリケーション及びリモコンIDが記憶されるアプリケーション記憶部161と、タッチパネル用の画像を生成する際に用いる表示制御データ記憶部162と、音データが記憶される音声データ記憶部163と、ワークエリアとしてのRAM164と、を有している。
【0087】
特に、表示制御データ記憶部162には、表示制御部150が、ナビ画像を表示する際に必要となる各種のデータが記憶される。
【0088】
具体的には、表示制御データ記憶部162には、
(1)各種のフォントにより文字を表示するためのフォントデータと、
(2)アバターを表示するためのキャラクタデータ、及び、ユーザによって設定されたアバターを表示するための設定情報、及び、
(3)自己のユーザ情報、選曲再生履歴情報又は選曲を行うための画像を構成する各種のデータ(タッチパネル用のキーやボタンを表示するための図形データを含む。)、
(4)形態制御情報に基づき、各種の画像の表示色及び明度を変更するための色彩・階調データと、
が記憶される。
【0089】
音声データ記憶部163には、ユーザの指示入力に応じて音声出力部130から出力するために必要な各種の音データが記憶される。
【0090】
なお、この音声データ記憶部163には、形態制御情報に基づき、効果音を変更するため、少なくとも、単音、3重和音、5重和音、等の音データ、MP3(MPEG−1 Audio Layer−3)又はMIDI等の形式で各種楽器の音や動物の鳴き声等の音データが記憶されてもよい。
【0091】
リモコン制御部170は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、キー入力ポート、表示制御ポート等の各種入出力ポートを含み、リモコン装置11の全般的な機能を総括的に制御する。
【0092】
特に、リモコン制御部170は、表示部140に表示された画像に従って、選曲再生履歴情報の取得要求をするためのキーへのタッチ操作を検出すると、アプリケーション記憶部161からリモコンIDを読み出す。
【0093】
そして、リモコン制御部170は、当該リモコンIDを含む選曲再生履歴情報の取得要求を、近距離通信部110及びカラオケシステム10を介してナビサーバ装置50に送信し、カラオケシステム10を介してナビサーバ装置50から送信された選曲再生履歴情報を取得する。
【0094】
また、リモコン制御部170は、所定のタイミングにおいて、ナビサーバ装置50から送信された形態制御情報を取得する。
【0095】
アプリケーション実行部180は、リモコン制御部170の中央演算処理装置(CPU)を用いて構成される。そして、アプリケーション実行部180は、リモコン制御部170による制御の下、アプリケーション記憶部161に記憶されたアプリケーションを実行することにより、色相階調決定部181と、フォント決定部182と、画像データ生成部183と、を実現する。
【0096】
色相階調決定部181は、表示制御データ記憶部162に記憶されたデータと、受信した形態制御情報により示される背景表示色及び明度の設定に従って、タッチパネルに表示される各種の画像の背景表示色と階調を決定する。
【0097】
特に、色相階調決定部181は、形態制御情報により示される背景表示色に対応する色相を決定するとともに、明度に従って階調を決定する。
【0098】
フォント決定部182は、表示制御データ記憶部162に記憶されたフォントデータと、形態制御情報により示されるフォント及び文字の太さの設定に従って、タッチパネルに表示される各種の画像のフォント及び文字の太さを決定する。
【0099】
画像データ生成部183は、色相階調決定部181によって決定された背景表示色及び階調と、フォント決定部182によって決定されたフォント及び文字の太さと、に基づいて、各種の画像を表示するための画像データを生成し、生成した画像データを表示制御部150に供給する。
【0100】
また、画像データ生成部183は、操作部120によって、タッチパネル上に表示される過去に選曲し、かつ、再生された選曲再生履歴の一覧の表示(以下、「選曲履歴表示」ともいう。)を実行するために、ユーザにタッチ操作を促すボタン(例えば、「りれき」と表示されるボタン)にタッチ操作が実行された場合には、ナビサーバ装置50から取得された選曲再生履歴情報に基づいて、選曲履歴表示を行うためのタッチパネル用の画像データ(すなわち、ナビ画像用の画像データ)を生成する。
【0101】
例えば、画像データ生成部183は、ジャンル「ポップス」の選曲再生履歴が多く、背景表示色として「青」が設定されている場合には、
図9(A)に例示すように、ナビ画像を表示するための画像データを生成し、ジャンル「演歌」の選曲再生履歴が多く、背景表示色として、「黄色」が設定されている場合に、
図9(B)に例示すように、ナビ画像を表示するための画像データを生成する。
【0102】
なお、
図9(A)及び(B)に示す例の場合には、選曲履歴表示を行うためのボタン(すなわち、「りれき」ボタン)が、同一のボタンサイズ、同一の明度、同一のフォント及び同一の文字太さによって形成されている。
【0103】
[4]ナビサーバ装置
次に、
図10を用いて本実施形態のナビサーバ装置50の構成について説明する。なお、
図10は、本実施形態のナビサーバ装置50の構成を示すブロック図である。
【0104】
本実施形態のナビ管理サーバ装置50は、
図10に示すように、ネットワークNに通信接続される通信制御部510と、各種のメモリとして機能するROM/RAM520と、装置全体を制御するナビシステム管理制御部530と、ROM/RAM520に記憶されたアプリケーションに従って、上記形態制御情報生成処理を実行するデータ処理部540と、を有し、上記の各部は、バスBによって相互に接続されている。
【0105】
通信制御部510は、所定のネットワークインターフェースであり、ネットワークNを介してカラオケシステム10とデータの授受を行う。
【0106】
ROM/RAM520には、ナビサーバ装置50の駆動に必要な各種のプログラムの他に、形態制御情報生成処理を実行するためのアプリケーションが記憶されている。また、ROM/RAM520は、ナビシステム管理制御部530やデータ処理部540が各種の処理を実行する際のワークエリアとして用いられる。
【0107】
ナビシステム管理制御部530は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成され、プログラムを実行することによって、ナビサーバ装置50の各部を統合制御する。
【0108】
データ処理部540は、ナビシステム管理制御部530による制御の下、アプリケーションを実行することによって形態制御情報生成処理を実行する。特に、データ処理部540は、アプリケーションを実行することによって、DB管理制御部541と、色相設定部542と、明度設定部543と、フォント設定部544と、文字太さ設定部545と、ボタンサイズ設定部546と、効果音設定部547と、形態制御情報生成配信部548と、を実現する。
【0109】
なお、本実施形態のDB管理制御部541は、例えば、本発明の取得手段を構成し、色相設定部542、明度設定部543、フォント設定部544、文字太さ設定部545、ボタンサイズ設定部546及び、効果音設定部547は、リモコン装置11と連動することによって本発明の算出手段及び決定手段を構成する。
【0110】
DB管理制御部541は、記憶装置40に対するデータの読み出し及び書き込みを実行する。
【0111】
具体的には、DB管理制御部541は、通信制御部510を介してリモコンIDとともにリモコン装置11において選曲された楽曲の選曲番号を受信した場合には、当該受信した選曲番号に基づき、カラオケデータ用DB402を検索し、対応する楽曲属性情報を読み出す。
【0112】
そして、DB管理制御部541は、選曲番号と当該読み出した楽曲属性情報とを対応付け、履歴情報管理DB404に記憶し、同一のリモコンIDを有する選曲再生履歴情報を更新する。
【0113】
すなわち、DB管理制御部541は、上述した
図4に例示するように、履歴情報管理DB404に記憶され、同一のリモコンIDを有する選曲再生履歴情報の最新の選曲再生履歴に選曲番号と楽曲属性情報とを対応付けて登録する。
【0114】
また、DB管理制御部541は、選曲履歴情報を更新すると、所定曲数(例えば当該要求時を基準に前100曲分)の履歴を含む選曲再生履歴情報を読み出してROM/RAM520に記憶させるとともに、当該読み出した選曲再生履歴情報を、通信制御部510を介して該当するリモコン装置11に配信する。
【0115】
色相設定部542は、選曲再生履歴情報が更新された際に、
(1)DB管理制御部541によって更新された選曲再生履歴情報の楽曲属性情報に含まれるジャンル情報に基づき、当該選曲再生履歴情報に含まれる楽曲において、楽曲ジャンル毎の選曲回数を集計し、
(2)集計した楽曲ジャンル毎の選曲回数と、効果設定基準DB405に記憶された重み付け係数と、を乗算し、各楽曲ジャンルにおける特徴量ポイントを算出し、
(3)算出した特徴量ポイントが最も高い値となるジャンルを選曲再生履歴におけるジャンル的な傾向として特定し、
(4)効果設定基準DB405において当該特定されたジャンル(以下、「特定ジャンル」という。)と対応付けて記憶された色相を、ナビ画像を表示する際の背景表示色に設定する。
【0116】
明度設定部543は、選曲再生履歴情報が更新された際に、
(1)DB管理制御部541によって更新された選曲再生履歴情報の楽曲属性情報に含まれる楽曲特徴情報の曲調に基づき、当該選曲再生履歴情報に含まれる楽曲において、曲調毎に選曲回数を集計し、
(2)集計した曲調毎の選曲回数と、効果設定基準DB405に記憶された重み付け係数と、を乗算し、各曲調の特徴量ポイントを算出し、
(3)算出した特徴量ポイントが最も高い値となる曲調を特定し、
(4)特定した曲調(以下、「特定曲調」という。)に対応付けられた効果設定基準DB405に記憶された明度を、ナビ画像を表示する際の明度に設定する。
【0117】
フォント設定部544は、選曲再生履歴情報が更新された際に、
(1)DB管理制御部541によって更新された選曲再生履歴情報の楽曲属性情報に含まれる発売情報の発売地域言語に基づき、当該選曲再生履歴情報に含まれる楽曲において、言語毎に選曲回数を集計し、
(2)集計し言語毎の選曲回数と、重み付け係数と、を乗算しつつ、各言語の特徴量ポイントを算出し、
(3)算出した特徴量ポイントが最も高い値となる言語を特定し、
(4)特定した言語(以下、「特定言語」という。)に対応付けて効果設定基準DB405に記憶されたフォントを、ナビ画像を表示する際のフォントに設定する。
【0118】
文字太さ設定部545は、選曲再生履歴情報が更新された際に、
(1)DB管理制御部541によって更新された選曲再生履歴情報のアーティスト情報に含まれるアーティスト種別に基づき、当該選曲再生履歴情報に含まれる楽曲において、アーティスト種別毎の選曲回数を集計し、
(2)集計したアーティス種別毎の選曲回数と、効果設定基準DB405に記憶された重み付け係数と、を乗算し、各アーティスト種別における特徴量ポイントを算出し、
(3)算出した特徴量ポイントが最も高い値となるアーティスト種別を特定し、
(4)特定したアーティスト種別(以下、「特定アーティスト種別」という。)に対応付けて効果設定基準DB405に記憶された文字太さを、ナビ画像を表示する際の文字太さとして設定する。
【0119】
ボタンサイズ設定部546は、選曲再生履歴情報が更新された際に、
(1)DB管理制御部541によって更新された選曲再生履歴情報の発売時期の情報に基づき、当該選曲再生履歴情報に含まれる楽曲において、発売した年代(以下、「楽曲年代」という。)毎の選曲回数を集計し、
(2)集計した楽曲年代毎の選曲回数と、効果設定基準DB405に記憶された重み付け係数と、を乗算し、各楽曲年代における特徴量ポイントを算出し、
(3)算出した特徴量ポイントが最も高い値となる楽曲年代を特定し、
(4)特定した楽曲年代(以下、「特定楽曲年代」という。)に対応付けて効果設定基準DB405に記憶されたボタンの大きさを、ナビ画像を表示する際の特定のボタン(例えば、タッチパネル上に表示される選曲再生履歴表示を実行するためにユーザにタッチ操作を促すボタン)の大きさとして設定する。
【0120】
効果音設定部547は、選曲再生履歴情報が更新された際に、
(1)DB管理制御部541によって更新された選曲再生履歴情報の楽曲属性情報に含まれる楽曲情報の音色数に基づき、当該選曲再生履歴情報に含まれる楽曲において、音色数毎の選曲回数を集計し、
(2)集計した音色数毎の選曲回数と、効果設定基準DB405に記憶された重み付け係数と、を乗算し、各音色数の特徴量ポイントを算出し、
(3)算出した特徴量ポイントが最も高い値となる音色数を特定し、
(4)特定した音色数(以下、「特定音色数」という。)に対応付けて効果設定基準DB405に記憶された効果音を、ナビ画面の表示中などの操作部120に対する入力指示を受け付けた際の効果音に設定する。
【0121】
形態制御情報生成配信部548は、色相設定部542、明度設定部543、フォント設定部544、文字太さ設定部545、ボタンサイズ設定部546、効果音設定部547によって設定された色等を指定する形態制御情報を生成し、生成した形態制御情報を該当するリモコン装置11に配信する。
【0122】
[5]カラオケ通信システムの動作
次に、
図11を用いて本実施形態のナビサーバ装置50において実行される形態制御情報生成処理を含む選曲処理について説明する。
【0123】
なお、
図11は、本実施形態のナビサーバ装置50において実行される形態制御情報生成処理を示すフローチャートである。
【0124】
本動作は、ナビシステム管理制御部530によってデータ処理部540と連動して実行される処理である。
【0125】
また、カラオケ通信システム1においては、本処理に先立って、リモコン装置11及びカラオケシステムの各処理が実行されおり、記憶装置40内のカラオケデータ用DB402、効果設定基準DB405及びカラオケシステム管理DB406には、上記の各データが既に記憶されているものとする。
【0126】
なお、ナビシステム管理制御部530は、カラオケシステム10からリモコンID及び選曲番号の受信を待機する状態になっているものとする。
【0127】
まず、通信制御部510が、リモコンIDが付加された選曲番号を受信すると(ステップS101)、DB管理制御部541は、当該受信したリモコンIDと選曲番号と、を対応付けつつ、ROM/RAM520に記憶させるとともに、DB管理制御部541と連動して、履歴情報管理DB404に記憶されている該当する選曲再生履歴情報の更新処理を実行する(ステップS102)。
【0128】
このとき、DB管理制御部541は、ROM/RAM520に記憶された選曲番号と同一の選曲番号に対応付けされ、カラオケデータ用DB402に記憶された楽曲属性情報を読み出し、当該読み出した楽曲属性情報に基づき、履歴情報管理DB404に記憶されている選曲再生履歴情報を更新する。
【0129】
次いで、DB管理制御部541は、ROM/RAM520に記憶されたリモコンIDと同一のリモコンIDを有し、履歴情報管理DB404に記憶されている所定曲数の選曲再生履歴情報を取得し、ROM/RAM520に記憶させる(ステップS103)。
【0130】
次いで、色相設定部542は、ROM/RAM520に記憶された選曲再生履歴情報に含まれる各楽曲のジャンル毎の選曲回数を集計しつつ、特定ジャンルを特定し、効果設定基準DB405において当該特定ジャンルに対応付けて記憶されている色相を、ナビ画像を表示する際の背景表示色に設定する(ステップS104)。
【0131】
次いで、明度設定部543は、ROM/RAM520に記憶された選曲再生履歴情報に含まれる各楽曲の曲調毎の選曲回数を集計しつつ、特定曲調を特定し、効果設定基準DB405において当該特定曲調に対応付けて記憶されている明度を、ナビ画像を表示する際の明度に設定する(ステップS105)。
【0132】
次いで、フォント設定部544は、ROM/RAM520に記憶された選曲再生履歴情報に含まれる各楽曲の言語毎の選曲回数を集計しつつ、特定言語を特定し、効果設定基準DB405において当該特定言語に対応付けて記憶されているフォントを、ナビ画像を表示する際のフォントに設定する(ステップS106)。
【0133】
次いで、文字太さ設定部545は、ROM/RAM520に記憶された選曲再生履歴情報に含まれる各楽曲のアーティスト種別毎の選曲回数を集計しつつ、特定アーティスト種別を特定し、効果設定基準DB405において当該特定アーティスト種別に対応付けて記憶されている文字太さを、ナビ画像を表示する際の文字太さに設定する(ステップS107)。
【0134】
次いで、ボタンサイズ設定部546は、ROM/RAM520に記憶された選曲再生履歴情報に含まれる各楽曲の楽曲年代毎の選曲回数を集計しつつ、特定楽曲年代を特定し、効果設定基準DB405において当該特定楽曲年代に対応付けて記憶されているボタンサイズを、ナビ画像を表示する際の特定のボタンのボタンサイズに設定する(ステップS108)。
【0135】
次いで、効果音設定部547は、ROM/RAM520に記憶された選曲再生履歴情報に含まれる各楽曲の音色数毎の選曲回数を集計しつつ、特定音色数を特定し、効果設定基準DB405において当該特定音色数に対応付けて記憶されている効果音を、ナビ画像の表示中に操作部120に対する入力指示を受け付けた際の効果音に設定する(ステップS109)。
【0136】
最後に、形態制御情報生成配信部548は、当該設定された色等を指定する形態制御情報を生成して対応するリモコン装置11に配信し(ステップS110)、本動作を終了させる。
【0137】
なお、リモコン装置11は、当該配信された形態制御情報に基づき、視覚効果及び効果音変更処理が実行され、リモコン装置11において表示されるナビ画像の「背景表示色」、「明度」、「文字の太さ」、「フォント」、「りれき」ボタンの「サイズ」及び入力操作時の「効果音」をする。
【0138】
以上説明したように、本実施形態のカラオケ通信システム1は、ユーザによる選曲再生履歴に基づき、表示パネル等の表示手段に表示されるナビ画像を変化させることができるので、リモコン装置11にて過去に選曲された選曲再生履歴の傾向を、ユーザによって直感的に判別させることができる。
【0139】
したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0140】
また、本実施形態のカラオケ通信システム1は、選曲再生毎に、リモコン装置11の表示部140に表示されるナビ画像の表示形態などを変更すること、及び、操作部120に対する入力操作時の効果音を変更することできるので、毎回異なる操作感をユーザに与え、エンターテインメント性を向上させることができる。
【0141】
[6]変形例
[6.1]変形例1
次に、
図12を用いて本実施形態における変形例1について説明する。なお、
図12は、本変形例のカラオケ通信システム1において実行される形態制御情報生成処理の原理を説明する図であり、(A)は、属性毎の特徴量ベクトルの決定方法を概念的に示し、(B)は、楽曲のジャンルに関する特徴量ベクトルの演算結果の一例を示し、(C)は、ジャンルに関する特徴量ベクトルの表示例を示す図である。
【0142】
変形例1は、上記実施形態の形態制御情報生成処理において、属性毎に所定の種別毎の選曲回数を集計して特定された一の種別と、効果設定基準DB405に記憶されたデータと、に基づき、ナビ画像の背景表示色等を決定している点に代えて、属性毎の特徴量ポイントに基づいて特定された属性ベクトルを用いてナビ画像の背景表示色等を決定する構成を有している。
【0143】
特に、本実施形態においては、ナビサーバ装置50におけるデータ処理部540の各部によって本変形例の形態制御情報生成処理が実行される。
【0144】
具体的には、色相設定部542は、音楽ジャンルの属性において、
(1)音楽ジャンルに属する「ポップス」、「バラード」、「ロック」、「レゲエ/HIPHOP」及び「ダンス」などの属性毎に対象となる選曲再生履歴情報における選曲回数を集計し、
(2)当該集計結果に重み付け係数を乗算して特徴量ポイントを算出し、
(3)算出した特徴量ポイントを予め定められた1以上のn角形(nは属性の数又はその一部の数で、例えば、五角形)のフィールド内に各属性ベクトルとしてプロットし、
(5)プロットした各属性ベクトルに基づいてジャンル特徴量ベクトルを決定する。
【0145】
なお、色相設定部542は、各属性ベクトルのベクトル長を特徴量ポイントの値を用いるとともに、属性ベクトルをプロットするフィールドが複数の場合には、予め各属性に対応付けたフィールドにそれぞれ各属性ベクトルをプロットし、フィールド毎にプロットされた特徴量ベクトルの和を算出してジャンル特徴量ベクトルを決定する。
【0146】
例えば、色相設定部542は、
図12(A)に示すように、
(1)ジャンル「ポップス」、「バラード」、「ロック」、「レゲエ/HIPHOP」及び「ダンス」の各属性についてジャンル特徴量ベクトルAを決定し、
(2)「演歌」「童謡\合唱」、「ヴィジュアル系」、「アイドル」、「アニメ」の各属性について、ジャンル特徴量ベクトルBを決定し、
(3)ジャンル特徴量ベクトルAと、ベクトルBの和を算出する。
【0147】
一方、色相設定部542は、色相環に、決定したジャンル特徴量ベクトル(複数の場合には、合計したジャンル特徴量ベクトル)を適合し、背景表示色を設定する。具体的には、色相設定部542は、最も長いベクトル長を有するベクトルが示す色相環上の色、又は、ジャンル特徴量ベクトルの合計ベクトルが示す色相環上の色を、背景表示色を設定する。
【0148】
例えば、
図12(B)には、ジャンル特徴ベクトルにおいて、最も長いベクトル長を有するベクトルが示す色相環上の色が「黄色」であることが示されている。
【0149】
なお、明度設定部543、フォント設定部544、文字太さ設定部545、ボタンサイズ設定部546及び効果音設定部547においても、同様に、「曲調」と、「アーティスト種別」と、「発売地域言語」と、「音色数」と、「楽曲年代」と、の各々に対応する特徴量部ベクトルを算出して、「明度」と、「文字の太さ」と、「フォント」と、「効果音」と、「ボタンの大きさ」とを設定する。
【0150】
[6.2]変形例2
次に、
図13及び
図14を用いて本実施形態における変形例2について説明する。
【0151】
なお、
図13(A)は、本変形例におけるナビ画像(会員向け)の一例を示す図であり、13(B)は、当該ナビ画像が表示される場合における形態制御情報の一例を示す図である。また、
図14(A)は、本変形例におけるナビ画像(会員向け)の一例を示す図であり、14(B)は、当該ナビ画像が表示される場合における形態制御情報の一例を示す図である。
【0152】
本変形例は、上記実施形態において、
図13(A)及び
図14(A)に示すように、ナビ画像に形成されるアバターの背景画像を形態制御情報に応じて変化させる点に特徴がある。
【0153】
具体的には、リモコン装置11における表示制御データ記憶部162に、形態制御情報のパターンに応じた複数の背景画像を予め記憶しておく。
【0154】
そして、ナビサーバ装置50から形態制御情報が配信されると、アプリケーション実行部180は、配信された形態制御情報に基づき、視覚効果及び効果音変更処理を実行して、背景画像を変化させ、表示部140にナビ画像を表示させる。
【0155】
また、この場合において、リモコン装置11は、上述のように、形態制御情報に含まれるフォント、文字太さ、ボタンサイズに基づき、ナビ画像を構成する文字のフォント、文字太さ及びボタンサイズを決定する。
【0156】
[6.3]変形例3
本変形例は、変形例2のナビ画像における背景画像を変更する点に代えて、ナビ画像内に形成されているアバターのキャラクタ形状、服装、身につけているアクセサリーや小物及び髪型等を変更してもよい。
【0157】
この場合において、例えば、本変形例におけるアバターのキャラクタ形状、服装、アバターの身につけているアクセサリーや小物、又は、髪型等の変更方法は、上記変形例2における色相環に変えて、十二支のように、環上の各位置にキャラクタ形状を予め決めておき、ジャンル特徴量ベクトルの方向により示されるキャラクタ形状を決定するようにすればよい。
【0158】
なお、この場合には、2つのキャラクタの間に特徴量ベクトルが向く可能性があるが、この場合には、より近いキャラクタを選択してもよいし、2つのキャラクタを合成するようにしてもよい。
【0159】
また、アクセサリー等の小物、服装等についても同様に、ジャンル特徴量ベクトルによって決定し、例えば、ジャンル「演歌」については、「着物、袴」等の服装が選択されるようにしてもよい。
【0160】
さらに、各属性に基づき、アクセサリー、小物、服装等を決定するようにしてもよく、例えば、「楽曲年代」に応じて、小物としての「腕時計」が、「古いモデル」から、「新しいモデル」に変化するようにするなど、様々な変更態様を実現することも可能である。
【0161】
ただし、ユーザが予め設定したアバターの形状や服装などを、他人の選曲再生履歴によって勝手に変化させると、そもそもユーザの好みによって設定されたものが変更されるので、アバターに基づくユーザの興趣性を失わせてしまう可能性がある。
【0162】
したがって、上記の構成を採用する場合には、ユーザの設定したアバターではなく、リモコン装置11毎に、予めデフォルトのアバター設定を決めておき、当該デフォルトのアバターの形状等を変更することが好ましい。
【0163】
[6.4]変形例4
次に、
図15を用いて本実施形態における変形例4について説明する。
【0164】
なお、
図15は、本変形例における形態制御情報生成処理を説明する概念図であり、(A)は、カラオケボックス60を利用するユーザの変化状況を例示する概念図であるとともに、(B)及び(C)は、本変形例における選曲履歴表示画面の遷移例を示す図である。
【0165】
本変形例は、上記の実施形態において、リモコン装置11毎に選曲再生履歴情報を管理して形態制御情報を生成する点に代えて、カラオケボックス60を利用したユーザのグループ毎に選曲再生履歴情報を管理するとともに、グループ毎の選曲傾向を特定することによってグループ毎の形態制御情報を生成する構成を採用している。
【0166】
例えば、
図16(A)に示すように、「12:05〜13:57」の間に「グループα」、「13:23〜18:34」の間に「グループβ」、「19:34〜22:10」の間に「グループγ」が、カラオケボックス60を利用した場合を想定する。
【0167】
この場合に、データ管理サーバ装置30は、各グループを識別するためのグループIDを各グループに割り振る。
【0168】
そして、カラオケシステム10は、対応するグループがカラオケボックス60を利用している期間中に選曲された楽曲の選曲番号を、対応するグループのグループID及び選曲に利用したリモコン装置11のリモコンIDと対応付けつつ、ナビサーバ装置50に送信し、リモコンID毎に選曲再生履歴情報を更新して履歴情報管理DB404に蓄積していく。
【0169】
特に、本変形例の構成を採用する場合には、履歴情報管理DB404には、グループIDを登録するためのフィールドを新たに設け、当該フィールドにリモコンID及び選曲番号と対応付けつつ、グループIDを記憶させるとともに、当該フィールドに対応付けられたフィールド内に選曲再生履歴情報生成処理において生成した選曲再生履歴情報を記憶(更新)させる。
【0170】
なお、この場合には、各グループが、カラオケボックス60を利用した期間をシステム側(カラオケシステム10、リモコン装置11又はナビサーバ装置50)において特定する必要がある。
【0171】
例えば、各グループの特定方法としては、データ管理サーバ装置30から、予め登録された各グループの利用期間を特定する情報を取得するようにしてもよいし、当該施設の従業者に各グループの入室時間及び退室時間をカラオケシステム10又はリモコン装置11に入力させるようにしてもよい。
【0172】
一方、ナビサーバ装置50において、データ処理部540は、グループID毎に選曲再生履歴情報を読み出して、当該読み出した選曲再生履歴情報に基づき、対応するグループにおける選曲傾向を特定する形態制御情報生成処理を実行する。
【0173】
特に、形態制御情報生成配信部548は、当該特定したグループ毎の選曲傾向に応じて、当該グループに対応する形態制御情報を生成するとともに、当該生成した形態制御情報を対応するグループのグループIDと対応付けつつ、リモコン装置11に配信する。
【0174】
なお、データ処理部540において楽曲の選曲傾向を特定する方法は、上記実施形態と同様に、属性毎に特徴量ポイントを算出することにより実現してもよく、上記変形例2と同様に、属性毎に特徴量ベクトルを算出することにより実現してもよい。
【0175】
他方、リモコン装置11において、視覚効果及び効果音変更処理が実行され、表示部140にナビ画像が表示される場合に、表示制御部150は、リモコン制御部170及びアプリケーション実行部180と連動しつつ、各グループに対応する形態制御情報と、各グループの選曲再生履歴情報と、に基づいて、
図15(B)に例示するように、グループ毎に色分けしたナビ画像(グループβの選曲傾向が「演歌」であって、グループγの選曲傾向が「ポップス」)における選曲再生履歴を表示させる。
【0176】
そして、当該選曲履歴示が表示部140に表示されている状態において、リモコン制御部170は、操作部120を介して、例えば、グループγを選択する旨のユーザの入力操作を検出すると、グループγに対応する形態制御情報と、選曲再生履歴情報に基づき、表示画像を
図16(C)に例示するようなナビ画像(ポップス)を表示部140に表示する。
【0177】
この構成により、本変形例のカラオケ通信システム1は、カラオケボックス60を利用したグループ毎の選曲傾向の違いをユーザに提示できるので、ユーザに自身の嗜好に似たユーザによって構成されるグループの選曲再生履歴情報に基づく楽曲の選曲を支援することができる。
【0178】
[6.5]変形例5
また、上記実施形態において、歌唱者の歌唱音に基づくカラオケシステム10について説明したが、ギターやドラムなどの楽器音に基づくカラオケシステム10又はカラオケ通信システム1に適用することも可能である。この場合には、カラオケシステム10は、マイクMや他の入力装置によって楽器音や楽器信号を取得すればよい。
【0179】
[6.6]変形例6
また、上記実施形態において、一覧画像データは、リモコン装置11に表示される形態で説明したが、カラオケシステム10の図示せぬ表示部に表示するようにしてもよい。
【0180】
[6.7]変形例7
上記実施形態においては、ユーザにより選曲が行われ、一定の再生時間が経過した場合に、タイミングにて形態制御情報生成処理を実行しているが、これに限定されず、選曲されたタイミングや歌唱の終了タイミングなどの任意のタイミングにて、形態制御情報生成処理を開始するようにしてもよい。
【0181】
[6.8]変形例8
上記実施形態においては、ナビサーバ装置50のデータ処理部540において、形態制御情報生成処理を行う構成としたが、データ処理部540の各部と同様の機能をリモコン装置11のアプリケーション実行部180に搭載して、リモコン装置11単独にて、形態制御情報生成処理及び視覚効果及び効果音変更処理を実行するようにしてもよい。
【0182】
この場合には、アプリケーション実行部180は、記憶装置40から選曲再生履歴情報を取得し、当該取得した選曲再生履歴情報に基づき、形態制御情報生成処理を実行して形態制御情報を生成する。
【0183】
そして、アプリケーション実行部180は、生成した形態制御情報に基づき、ナビ画像等の背景表示色、フォント、文字太さ、ボタンサイズ及びアバターのキャラクタ形状、服装、アクセサリー等の小物を変更するようにすればよい。
【0184】
なお、この場合においても、上記実施形態と同様に、属性毎に特徴量ポイントを算出しつつ、背景表示色等を設定するようにしてもよく、上記変形例1と同様に属性毎の特徴量ベクトルを算出しつつ、背景表示色等を設定するようにしてもよい。
【0185】
[6.9] 変形例9
上記実施形態においては、色相設定部542において背景表示色の設定を、明度設定部543において明度の設定を、フォント設定部544においてフォントの設定を、文字太さ設定部545において文字太さの設定を、ボタンサイズ設定部546においてボタンの大きさの設定を、効果音設定部547において、効果音の設定を行うこと構成としたが、全ての設定を行うのではなく、背景表示色の設定のみを行ってもよい。
【0186】
なお、この場合、カラオケデータに楽曲のジャンル情報が含まれている場合には、リモコン装置で形態制御情報を生成してもよい。