(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロービング機構にプローブのプロービングを実行させて保持位置に保持されたプロービング対象の被接触面における規定位置に対して当該プローブの先端部を接触させる際の当該先端部が実際に位置するプロービング位置と当該規定位置との位置ずれ量を特定する特定処理を実行する処理装置であって、
前記保持位置に保持された前記プロービング対象の前記被接触面を撮像する撮像部と、
前記保持位置に保持させた前記プロービング対象としての打痕シートの前記被接触面における前記規定位置に対して前記プロービング機構に前記プロービングを実行させたときに生じる打痕の前記撮像部によって撮像された画像を用いて前記特定処理を実行する処理部とを備え、
前記処理部は、前記特定処理において、前記画像を画像処理することによって前記打痕の形状の図心の位置を算出する算出処理を複数回実行し、前記各算出処理によって算出した複数の図心の位置を統計処理して求めた処理位置を前記プロービング位置として前記位置ずれ量を特定する処理装置。
前記処理部は、前記画像処理において、前記画像を構成する画素の中から前記打痕を構成する画素を抽出し、当該抽出した画素の外周で規定される形状を前記打痕の形状として前記図心の位置を算出する請求項1または2記載の処理装置。
請求項1から3のいずれかに記載の処理装置と、前記プロービング機構と、当該プロービング機構を制御する制御部と、前記プローブを介して入出力する電気信号に基づいて物理量を測定する測定部と、当該測定部によって測定された前記物理量に基づいて前記プロービング対象を検査する検査部とを備えている検査装置。
プロービング機構にプローブのプロービングを実行させて保持位置に保持されたプロービング対象の被接触面における規定位置に対して当該プローブの先端部を接触させる際の当該先端部が実際に位置するプロービング位置と当該規定位置との位置ずれ量を特定する位置ずれ量特定方法であって、
前記保持位置に保持させた前記プロービング対象としての打痕シートの前記被接触面における前記規定位置に対して前記プロービング機構に前記プロービングを実行させたときに生じる打痕の画像を撮像し、当該画像を画像処理することによって前記打痕の形状の図心の位置を算出する算出処理を複数回実行し、前記各算出処理によって算出した複数の図心の位置を統計処理して求めた処理位置を前記プロービング位置として前記位置ずれ量を特定する位置ずれ量特定方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のX−Y回路基板検査装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、このX−Y回路基板検査装置では、打痕シートにプローブをプロービングさせて生じさせた打痕を撮像することで、プローブの取り付け誤差を特定している。一方、回路基板の高密度化に伴ってプローブも小形化(小径化)しているため、プローブによって生じる打痕が小さくなっている。この場合、打痕が小さいときには、撮像した画像における打痕の形状が不明瞭となり、打痕の重心を正確に求めることが困難となる。したがって、上記のX−Y回路基板検査装置には、小形のプローブを用いる場合において、そのプローブの取り付け誤差を正確に求めることが困難となるおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、小形のプローブを用いる場合においても、プロービング位置と規定位置との位置ずれ量を正確に特定し得る処理装置、検査装置および位置ずれ量特定方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の処理装置は、プロービング機構にプローブのプロービングを実行させて保持位置に保持されたプロービング対象の被接触面における規定位置に対して当該プローブの先端部を接触させる際の当該先端部が実際に位置するプロービング位置と当該規定位置との位置ずれ量を特定する特定処理を実行する処理装置であって、前記保持位置に保持された前記プロービング対象の前記被接触面を撮像する撮像部と、前記保持位置に保持させた前記プロービング対象としての打痕シートの前記被接触面における前記規定位置に対して前記プロービング機構に前記プロービングを実行させたときに生じる打痕の前記撮像部によって撮像された画像を用いて前記特定処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記特定処理において、前記画像を画像処理することによって前記打痕の形状の図心の位置を算出する算出処理を複数回実行し、前記各算出処理によって算出した複数の図心の位置を統計処理して求めた処理位置を前記プロービング位置として前記位置ずれ量を特定する。
【0007】
また、請求項2記載の処理装置は、請求項1記載の処理装置において、前記処理部は、前記統計処理として前記複数の図心の位置を示す座標を相加平均して前記処理位置を求める。
【0008】
また、請求項3記載の処理装置は、請求項1または2記載の処理装置において、前記処理部は、前記画像処理において、前記画像を構成する画素の中から前記打痕を構成する画素を抽出し、当該抽出した画素の外周で規定される形状を前記打痕の形状として前記図心の位置を算出する。
【0009】
また、請求項4記載の検査装置は、請求項1から3のいずれかに記載の処理装置と、前記プロービング機構と、当該プロービング機構を制御する制御部と、前記プローブを介して入出力する電気信号に基づいて物理量を測定する測定部と、当該測定部によって測定された前記物理量に基づいて前記プロービング対象を検査する検査部とを備えている。
【0010】
また、請求項5記載の位置ずれ量特定方法は、プロービング機構にプローブのプロービングを実行させて保持位置に保持されたプロービング対象の被接触面における規定位置に対して当該プローブの先端部を接触させる際の当該先端部が実際に位置するプロービング位置と当該規定位置との位置ずれ量を特定する位置ずれ量特定方法であって、前記保持位置に保持させた前記プロービング対象としての打痕シートの前記被接触面における前記規定位置に対して前記プロービング機構に前記プロービングを実行させたときに生じる打痕の画像を撮像し、当該画像を画像処理することによって前記打痕の形状の図心の位置を算出する算出処理を複数回実行し、前記各算出処理によって算出した複数の図心の位置を統計処理して求めた処理位置を前記プロービング位置として前記位置ずれ量を特定する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の処理装置、請求項4記載の検査装置、および請求項5記載の位置ずれ量特定方法によれば、打痕の画像を画像処理することによって打痕の形状の図心の位置を算出する算出処理を複数回実行し、各算出処理によって算出した複数の図心の位置を統計処理して求めた処理位置をプロービング位置として位置ずれ量を特定することにより、小形のプローブを用いることで打痕シートに形成される打痕が小さいために打痕の形状が不明瞭な場合においても、画像処理の際のノイズの影響を十分に軽減することができるため、プロービング位置と規定位置との位置ずれ量を正確に特定することができる。したがって、この基板検査装置によれば、正確に特定したプロービング位置と規定位置との位置ずれ量に基づいてプロービングの際のプローブの移動量を補正することで、プローブを規定位置に確実にプロービングさせることができるため、プロービング対象の検査を正確に行うことができる。
【0012】
また、請求項2記載の処理装置、請求項4記載の検査装置によれば、統計処理として複数の図心の位置を示す座標を相加平均して処理位置を求めることにより、複数の図心の位置が正規分布をしている場合に各図心によって代表される妥当な位置を処理位置とすることができる。また、相加平均は、計算が簡易なため、処理位置を求める処理の処理効率を十分に高めることができる。
【0013】
また、請求項3記載の処理装置、請求項4記載の検査装置によれば、画像を構成する画素の中から打痕を構成する画素を抽出し、抽出した画素の外周で規定される形状を打痕の形状として図心の位置を算出することにより、簡易な手順で図心の位置を算出することができるため、図心の位置を算出する処理の処理効率を十分に高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る処理装置、検査装置および位置ずれ量特定方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0016】
最初に、
図1に示す基板検査装置1の構成について説明する。基板検査装置1は、検査装置の一例であって、基板100(プロービング対象の一例)の検査を実行可能に構成されている。具体的には、基板検査装置1は、同図に示すように、基板保持部2、プロービング機構3、プローブユニット4a,4b(以下、区別しないときには「プローブユニット4」ともいう)、撮像部5a,5b(以下、区別しないときには「撮像部5」ともいう)、測定部6、制御部7および記憶部8を備えて構成されている。なお、撮像部5および制御部7によって処理装置が構成される。
【0017】
基板保持部2は、一例として、プロービング対象体としての基板100およびテスト基板200の外周部を挟持して、予め決められた保持位置において基板100およびテスト基板200を保持可能に構成されている。ここで、テスト基板200は、後述する位置ずれ量Eを特定する特定処理60において用いるテスト用の基板であって、一例として、プローブユニット4のプローブ41(
図1参照)をプロービングさせたときに打痕S(
図4参照)が形成される打痕シート201(一例として、感圧シート)が絶縁性を有する基板本体の上に取り付けられて構成されている。
【0018】
プロービング機構3は、制御部7の制御に従い、基板保持部2によって保持されている基板100の表面100a(接触面に相当する)に平行な方向(XY方向)、および表面100aに垂直な方向(Z方向)にプローブ41を移動させることにより、表面100aに予め規定された規定位置Pp(
図4参照)に対するプローブ41のプロービングを実行する。また、プロービング機構3は、撮像部5を上記したXYZ方向に移動させる移動処理を実行する。
【0019】
プローブユニット4a,4bは、
図1に示すように、プローブ41およびプローブ支持部42をそれぞれ備えて構成されている。プローブ41は、金属等の導電性材料で棒状に形成されている。プローブ支持部42は、
図1に示すように、基板保持部2によって保持されている基板100の表面100aに垂直な方向に対して傾斜する姿勢でプローブ41を支持する。
【0020】
撮像部5a,5bは、制御部7の制御に従い、基板保持部2によって保持されているテスト基板200における打痕シート201の表面201a(被接触面)をテスト基板200の上方から撮像し、その撮像画像G(
図5参照)の画像データDgを出力する撮像処理を実行する。この場合、撮像部5aはプローブユニット4aと共にプロービング機構3によって基板保持部2の上方においてXY方向に移動させられる。また、撮像部5bはプローブユニット4bと共にプロービング機構3によって基板保持部2の上方においてXYZ方向に移動させられる。
【0021】
測定部6は、制御部7の制御に従って測定処理を実行し、プローブ41を介して入出力する電気信号に基づいて物理量(電圧や電流)を測定する。
【0022】
制御部7は、基板検査装置1を構成する各部を制御する。具体的には、制御部7は、プロービング機構3によるプロービングおよび移動処理を制御する。また、制御部7は、撮像部5による撮像処理を制御する。また、制御部7は、処理部として機能し、基板保持部2に保持させたテスト基板200の打痕シート201の表面201aにおける規定位置Ppに対してプロービング機構3にプロービングを実行させたときに生じる打痕Sを撮像部5に撮像させると共に、撮像部5によって撮像された撮像画像Gを画像処理して打痕Sの位置(プロービング位置Pc)と規定位置Ppとの位置ずれ量E(
図5参照)を特定する。
【0023】
記憶部8は、基板100に対してプローブ41をプロービングさせるべき位置として予め規定された規定位置Ppを示す規定位置データDpを記憶する。また、記憶部8は、制御部7によって特定される位置ずれ量Eを示す位置ずれ量データDeを記憶する。また、記憶部8は、撮像部5から出力された画像データDgを記憶する。さらに、記憶部8は、制御部7によって生成される図心データDcを記憶する。
【0024】
次に、基板検査装置1を用いて基板100を検査する検査方法について、図面を参照して説明する。なお、発明の理解を容易とするため、撮像部5の取り付け誤差は、事前の調整によって解消されている(取り付け誤差がない状態とされている)ものとする。
【0025】
まず、基板100の検査に先立ち、プローブ41の取り付け誤差に相当する位置ずれ量Eを特定する。具体的には、テスト基板200の外周部を基板保持部2に挟持させてテスト基板200を保持させる。次いで、図外の操作部を操作して、特定処理の開始を指示する。これに応じて、制御部7は、
図2に示す特定処理60を実行して、プローブユニット4aのプローブ41についての位置ずれ量Eを特定する。この特定処理60では、制御部7は、記憶部8から規定位置データDpを読み出す(ステップ61)。
【0026】
続いて、制御部7は、規定位置データDpに基づいて規定位置Ppの1つ(
図4に示す規定位置Pp)を特定し、次いで、プロービング機構3を制御して、その規定位置Ppに対するプロービングを実行させる(ステップ62)。この際に、プローブ41の先端部41aがテスト基板200における打痕シート201の表面201aに接触し(先端部41aが表面201aを打撃し)、同図に示すように、打痕シート201の表面201aに打痕Sが形成される。
【0027】
続いて、制御部7は、プロービング機構3を制御して、プローブ41を上方に移動させた後に、規定位置Pp(打痕S)の上方の位置に撮像部5aを移動させる。
【0028】
次いで、制御部7は、撮像部5aを制御して撮像処理を実行させて(ステップ63)、打痕シート201の表面201aを撮像した撮像画像G(
図5参照)の画像データDgを出力させる。
【0029】
続いて、制御部7は、上記したプロービングの際にプローブ41の先端部41aが実際に位置したプロービング位置Pcに相当する打痕Sの位置(処理位置に相当し、以下、「打痕位置Ps」ともいう)を画像データDgに基づいて特定する打痕位置特定処理70(
図3参照)を実行する(ステップ64)。
【0030】
この打痕位置特定処理70では、制御部7は、図画像データDgを用いて撮像画像G(
図5参照)を構成する画素Fの中から打痕Sを構成する画素Fを抽出する抽出処理を実行し(ステップ71)、次いで、抽出した画素Fの外周で規定される形状を打痕Sの形状として特定する。一例として、
図6に示すように、画素Fが矩形(正方形)のときには、制御部7は、各画素Fにおける外周の辺を結ぶ形状を特定する。次いで、制御部7は、特定した打痕Sの形状の図心C(同図参照)の位置(座標)を算出する算出処理を実行する(ステップ72)。この場合、算出処理としては、公知の算出方法から任意の方法を用いることができる。続いて、制御部7は、図心Cの位置を示す図心データDcを生成して、記憶部8に記憶させる(ステップ73)。
【0031】
次いで、制御部7は、算出処理(上記したステップ72)を予め規定された複数回(一例として、5回)実行したか否かを判別する(ステップ74)。この時点では、算出処理の実行回数が1回であるため、制御部7は、上記した抽出処理(ステップ71)、算出処理(ステップ72)、および図心データDcを記憶させる処理(ステップ73)を実行した後、ステップ74を実行する。続いて、制御部7は、算出処理の実行回数が5回に達するまでステップ71〜ステップ74を繰り返して実行する。
【0032】
ここで、打痕Sの輪郭に接する画素Fや、輪郭の近傍に位置する画素Fが打痕Sを構成する画素Fとして抽出されるか否かは、制御部7による抽出処理の際のノイズ等によって変わることがある。つまり、
図6〜
図10に示すように、打痕Sを構成する画素Fとして抽出される画素Fは、制御部7が抽出処理を行う度に異なることがある。この結果、
図6〜
図10に示すように、画素Fの外周で規定される打痕Sの形状や、図心Cの位置も抽出処理や算出処理を行う度に異なることがある。このため、この基板検査装置1では、上記した抽出処理および算出処理を複数回実行して、後述する統計処理を行うことで、ノイズ等の影響の軽減を図っている。
【0033】
次いで、制御部7は、ステップ74において、算出処理を5回実行したと判別したときには、統計処理の一例として、算出したn個(5個)の図心C(
図11参照)の位置を示すXY座標を相加平均して、プロービング位置Pcとしての打痕位置Ps(処理位置)を特定する。具体的には、制御部7は、各図心CのX座標を相加平均してXaを算出すると共に、各図心CのY座標を相加平均してYaを算出する。続いて、制御部7は、XaをX座標、YaをY座標とする位置をプロービング位置Pcである打痕位置Ps(処理位置)として特定して(ステップ75)、打痕位置特定処理70を終了する。
【0034】
次いで、制御部7は、
図2に示す特定処理60のステップ65を実行して、位置ずれ量Eを特定する。具体的には、制御部7は、
図5に示すように、規定位置Ppと打痕位置Ps(プロービング位置Pc)との間のX方向の離間距離Ex、およびY方向の離間距離Eyを位置ずれ量Eとして特定する。続いて、制御部7は、位置ずれ量Eを示す位置ずれ量データDeを生成して記憶部8に記憶させて(ステップ66)、特定処理60を終了する。
【0035】
次いで、制御部7は、上記した特定処理60および打痕位置特定処理70を再び実行して、プローブユニット4bのプローブ41についての位置ずれ量Eを撮像部5bを用いて特定して位置ずれ量データDeを生成して記憶部8に記憶させる。
【0036】
この場合、この基板検査装置1では、上記したように、打痕Sの形状の図心Cの位置(座標)を算出する算出処理を複数回(この例では、5回)実行して各図心Cの位置を統計処理して求めた位置をプロービング位置Pcとして位置ずれ量Eを特定している。このため、この基板検査装置1では、小形のプローブ41を用いて打痕シート201に形成される打痕Sが小さい場合においても、画像処理の際のノイズの影響を十分に軽減することが可能なため、プロービング位置Pcと規定位置Ppとの位置ずれ量Eを正確に特定することが可能となっている。
【0037】
続いて、基板100の検査を行う。まず、テスト基板200を基板保持部2から取り外し、次いで、基板100の外周部を基板保持部2に挟持させて基板100を保持させる。続いて、図外の操作部を操作して、検査の開始を指示する。これに応じて、制御部7は、記憶部8から規定位置データDpおよび位置ずれ量データDeを読み出す。次いで、制御部7は、規定位置データDpに基づいてプローブユニット4a,4bの各プローブ41をプロービングさせるべき規定位置Ppを特定する。
【0038】
続いて、制御部7は、規定位置Ppに対してプローブ41をプロービングさせる際のプローブユニット4a,4bの移動量を位置ずれ量データDeによって示される位置ずれ量Eで補正する。次いで、制御部7は、プロービング機構3を制御して、補正後の移動量だけプローブユニット4a,4bを移動させて規定位置Ppに対する各プローブ41のプロービングを実行させる。これにより、各プローブ41の取り付け誤差が補正された状態でプロービングが実行されるため、各規定位置Ppに各プローブ41の先端部41aが確実にプロービング(接触)させられる。
【0039】
続いて、制御部7は、測定部6を制御して測定処理を実行させる。この測定処理では、測定部6は、各プローブ41を介して測定用の電気信号を出力すると共に、プローブ41を介して入力した電気信号基づいて物理量(電圧や電流)を測定する。次いで、制御部7は、測定部6によって測定された物理量に基づいて基板100の良否を判定する。
【0040】
このように、この処理装置、基板検査装置1および位置ずれ量特定方法によれば、打痕Sの撮像画像Gを画像処理することによって打痕Sの形状の図心Cの位置を算出する算出処理を複数回実行し、各算出処理によって算出した複数の図心Cの位置を統計処理して求めた打痕位置Ps(処理位置)をプロービング位置Pcとして位置ずれ量Eを特定することにより、小形のプローブ41を用いることで打痕シート201に形成される打痕Sが小さいために打痕の形状が不明瞭な場合においても、画像処理の際のノイズの影響を十分に軽減することができるため、プロービング位置Pcと規定位置Ppとの位置ずれ量Eを正確に特定することができる。したがって、この基板検査装置1によれば、正確に特定したプロービング位置Pcと規定位置Ppとの位置ずれ量Eに基づいてプロービングの際のプローブユニット4a,4bの移動量を補正することで、プローブ41を規定位置Ppに確実にプロービングさせることができるため、基板100(プロービング対象)の検査を正確に行うことができる。
【0041】
また、この処理装置、基板検査装置1および位置ずれ量特定方法によれば、統計処理として複数の図心Cの位置を示す座標を相加平均して打痕位置Ps(処理位置)を求めることにより、複数の図心Cの位置が正規分布をしている場合に各図心Cによって代表される妥当な位置を打痕位置Psとすることができる。また、相加平均は、計算が簡易なため、打痕位置Psを求める処理の処理効率を十分に高めることができる。
【0042】
また、この処理装置、基板検査装置1および位置ずれ量特定方法によれば、撮像画像Gを構成する画素Fの中から打痕Sを構成する画素Fを抽出し、抽出した画素Fの外周で規定される形状を打痕Sの形状として図心Cの位置を算出することにより、簡易な手順で図心Cの位置を算出することができるため、図心Cの位置を算出する処理の処理効率を十分に高めることができる。
【0043】
なお、処理装置、検査装置および位置ずれ量特定方法の構成および方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、統計処理として複数の図心Cの位置を相加平均して打痕位置Ps(処理位置)を求める例について上記したが、複数の図心Cの位置を相乗平均して(統計処理の他の一例)打痕位置Ps(処理位置)を求める構成および方法を採用することもできる。
【0044】
また、1つの規定位置Ppに対してプロービングを実行させて形成させた打痕Sについての位置ずれ量Eを特定する例について上記したが、複数の規定位置Ppに対してプロービングを実行させて形成させた複数の打痕Sについての位置ずれ量Eをそれぞれ特定する構成および方法を採用することもできる。この場合、複数の位置ずれ量Eを相加平均した値や相乗平均した値で規定位置Ppを補正することができる。また、複数の位置ずれ量Eを用いて、アフィン変換等の処理によって基板100の変形を特定して、規定位置Ppを補正する構成を採用することもできる。