(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理装置は、前記サーバが収集した前記不具合関連情報に基づいて分析を行った結果として、前記不具合が発生する動作を禁止する旨と対象となる電気機器の情報を含む制御情報を該サーバから前記第2のネットワークを介して受信すると、該対象となる電気機器に該制御情報を転送する、請求項4に記載の管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
本実施の形態1の管理システムの構成を説明する。
(実施の形態1の管理システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態1の管理システムの一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、管理システムは、管理対象となる複数の電気機器101−1〜101−nと、電気機器101−1〜101−nの状態を監視するHEMS(Home Energy Management System)コントローラ201と、を有する。
ただし、nは2以上の任意の整数とする。以下では、電気機器101−1〜101−nのうち、いずれか1つの任意の電気機器を電気機器101−k(kは1〜nのうち、いずれかの整数)と表す。
本実施の形態1では、電気機器101−1〜101−nは、家庭内に設置されたものであり、例えば、冷蔵庫、加熱調理器、食器乾燥機、空調機、空気清浄機である。また、電気機器101−1〜101−nの状態を監視する管理装置がHEMSコントローラの場合で説明するが、管理装置はHEMSコントローラに限定されない。HEMSコントローラ201は電気機器101−1〜101−nを管理するコンピュータの一例である。
【0017】
電気機器101−1〜101−nとHEMSコントローラ201は家庭内ネットワーク131を介して接続されている。家庭内ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)であり、無線および有線のうち、いずれか一方であってもよく、両方が組み合わされたものであってもよい。家庭内ネットワーク131で使用される通信プロトコルは、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)である。
【0018】
電気機器101−1〜101−nおよびHEMSコントローラ201は、互いに異なる識別子が予め付与され、自装置の識別子だけでなく他の装置の識別子も予め登録されている。これらの識別子は、各装置が情報を他の装置に送信する際、送信元および宛先を示すIPアドレスの役目を果たす。これらの識別子は、グローバルIPアドレスであってもよいが、家庭内ネットワーク131内で使用されるプライベートIPアドレスであってもよい。電気機器101−1〜101−nおよびHEMSコントローラ201のそれぞれは、他の装置に情報をパケットで送信する際、パケットのヘッダに送信元および宛先の情報として自装置および送信先のIPアドレスを記述するものとし、以下では、その説明を省略する。
【0019】
(電気機器101−1の構成)
図1に示した電気機器101−1〜101−nの構成を説明する。電気機器101−1〜101−nの構成は同様な構成なため、ここでは、電気機器101−1の場合で説明する。
図1に示すように、電気機器101−1は、不具合検出部102−1と、管理部113−1と、通信部114−1とを有する。管理部113−1は、動作情報管理部103−1および不具合情報管理部105−1を有する。通信部114−1は、受信部104−1および送信部106−1を有する。
管理部113−1は、情報を格納するためのメモリ(不図示)と、予め決められた手順にしたがって処理を実行する専用回路(不図示)とを有する。メモリ(不図示)は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。専用回路(不図示)は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されてもよい。
【0020】
不具合検出部102−1は、電気機器101−1の動作に伴って、動作の状態に関連する情報である動作情報を時系列で検出して動作情報管理部103−1に渡す。動作情報は、例えば、動作中の電気機器101−1の動作モードおよび消費電力[W]を含む情報である。動作モードは、電気機器101−1が空調機である場合、冷房運転モード、除湿運転モードおよび暖房運転モードのうち、いずれかの動作モードである。電気機器101−1が空調機である場合、動作情報は、自動運転か否か、風速、および空気の吹出口の方向等の情報を含んでいてもよい。また、動作情報は動作が実行されたときの日時を示す日時情報を含む。
また、不具合検出部102−1は、動作開始時または動作中に電気機器101−1に不具合が発生すると、不具合を示す情報を含む不具合情報を不具合情報管理部105−1に渡す。不具合を示す情報とは、例えば、電気機器101−1に発生した不具合を示すエラーコードである。また、不具合情報は不具合が発生したときの日時を示す日時情報を含む。
【0021】
不具合情報管理部105−1は、不具合検出部102−1から不具合情報を受け取ると、不具合情報を送信部106−1に渡す。
動作情報管理部103−1は、不具合検出部102−1から受け取る動作情報を順次、メモリ(不図示)に格納する。保存対象の動作情報がメモリ(不図示)の容量を超えてしまう場合、動作情報管理部103−1は、保存した日時が最も古い動作情報を削除し、最新の動作情報をメモリ(不図示)に格納する。
また、動作情報管理部103−1は、不具合の発生時に対応する動作情報の提供を要求する旨の信号である動作情報要求信号を受信部104−1から受け取ると、保存している動作情報から、不具合発生時に対応する動作情報を読み出して送信部106−1に渡す。動作情報要求信号は不具合が発生したときの日時情報を含む。
動作情報管理部103−1は、受信部104−1から受け取る動作情報要求信号に時間範囲が指定されていると、動作情報に含まれる日時情報を参照し、日時情報がその時間範囲に属する動作情報を抽出して送信部106−1に渡す。
【0022】
ここで、不具合の発生時に対応する動作情報の具体例を説明する。
図2Aおよび
図2Bは、不具合発生時に対応する動作情報の一例を説明するための図である。
図2Aおよび
図2Bは、電気機器101−1、101−2のそれぞれの動作の状態を時系列で示している。
図2Aは、時刻t1に電気機器101−1の動作状態が動作X1から動作X2に切り替わり、時刻t2に電気機器101−2の動作状態が動作Y1から動作Y2に切り替わることを示している。ここで、時刻t2以降の時刻t3に電気機器101−2に起きた事象をトリガーとして電気機器101−1に不具合が発生したと仮定する。この場合、不具合発生時は時刻t3であり、時刻t3の電気機器101−2の動作状態は動作Y2なので、電気機器101−2に関して、不具合発生時に対応する動作情報は動作Y2を含む情報となる。
【0023】
続いて、電気機器101−2の動作の切り替えがトリガーになって電気機器101−1に不具合が発生する場合を、
図2Bを参照して、考えてみる。
図2Bに示すように、時刻t1に電気機器101−1の動作状態が動作X1から動作X2に切り替わり、時刻t2に電気機器101−2は動作状態が動作Y1から動作Y2に切り替わる。動作Y1から動作Y2への切り替えが原因で、時刻t2からΔt時間経過後の時刻t3に電気機器101−1に不具合が発生したと仮定する。
この場合、不具合発生時は時刻t3であり、時刻t3の電気機器101−2の動作状態は動作Y2なので、不具合発生時に対応する、電気機器101−2の動作状態は動作Y2となる。ここで、動作情報要求信号に時間範囲が指定され、指定された時間範囲がΔtよりも長い場合と考える。この場合、電気機器101−2に関して、不具合発生時に対応する動作情報には、動作状態がY1からY2に切り替わる情報も含まれることになる。
このように、不具合発生の原因となる事象から実際に不具合が発生するまでにΔtのタイムラグがある場合、動作情報要求信号にΔtより長い時間範囲が指定されていれば、不具合に関連する動作を特定することが可能となる。
【0024】
ここまで、
図2Aおよび
図2Bを参照して、不具合の発生時に対応する動作情報の一例を説明したが、
図1に示した電気機器101−1の構成の説明に戻る。
受信部104−1は、動作情報要求信号をHEMSコントローラ201から受信すると、動作情報要求信号を動作情報管理部103−1に渡す。
送信部106−1は、不具合情報を不具合情報管理部105−1から受け取ると、不具合情報を家庭内ネットワーク131を介してHEMSコントローラ201に送信する。また、送信部106−1は、動作情報を動作情報管理部103−1から受け取ると、動作情報を家庭内ネットワーク131を介してHEMSコントローラ201に送信する。
【0025】
(HEMSコントローラ201の構成)
HEMSコントローラ201は、通信部214と、不具合情報管理部213と、不具合情報保存部210とを有する。通信部214は、受信部204および送信部206を有する。
不具合情報保存部210は、例えば、不揮発性メモリで構成される記憶部である。不具合情報管理部213は、プログラムを記憶するメモリ(不図示)と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)(不図示)とを有する構成である。メモリ(不図示)は、例えば、不揮発性メモリである。CPUがプログラムを実行することで、不具合情報管理部213がHEMSコントローラ201に構成される。不具合情報管理部213は、HEMSコントローラ201全体を制御する制御部(不図示)の一部であってもよい。
【0026】
不具合情報管理部213は、いずれかの電気機器から不具合情報を受信部204を介して受信すると、不具合情報の送信元の電気機器を除いた他の電気機器に動作情報要求信号を送信部206を介して送信する。
また、不具合情報管理部213は、不具合が発生した電気機器から受信した不具合情報を、不具合が発生していない電気機器から受信した動作情報と共に不具合関連情報として不具合情報保存部210に格納する。不具合が複数発生する場合も考えられるため、不具合情報管理部213は、不具合情報毎に、1個の不具合情報と(n−1)個の動作情報とを1つの組にして保存する。
不具合情報管理部213は、不具合が発生した日時を基準にして予め決められた時間範囲に実行された動作の情報を取得するために、動作情報要求信号に時間範囲を指定して送信部206に渡してもよい。発生した不具合が他の電気機器の動作と関係があり、不具合発生時と他の電気機器の動作との間に一定のタイムラグがある場合に、不具合の原因特定に有効である。
【0027】
なお、ユーザが携帯端末(不図示)を操作して、携帯端末(不図示)を家庭内ネットワーク131を介してHEMSコントローラ201と通信可能に接続できるようにしてもよい。この場合、ユーザは、携帯端末(不図示)を介して、不具合情報保存部210が記憶する不具合関連情報を携帯端末に表示させてもよい。
【0028】
(実施の形態1の管理システムの動作)
本実施の形態1の管理システムの動作手順を説明する。
図3は、本発明の実施の形態1の管理システムによる動作手順を説明するための図である。ここでは、管理対象の電気機器が電気機器101−1および電気機器101−2の2台の場合とする。
【0029】
電気機器101−1、101−2のいずれにも不具合が発生していない通常状態の場合を説明する。
電気機器101−1の不具合検出部102−1は、電気機器101−1の動作中、一定の周期で不具合発生の有無を判定する。電気機器101−2の不具合検出部102−2は、電気機器101−2の動作中、一定の周期で不具合発生の有無を判定する。
電気機器101−1に不具合が発生しない場合、不具合検出部102−1は、動作情報を順次、動作情報管理部103−1に渡す。動作情報管理部103−1は、不具合検出部102−1から受け取る動作情報を順次、保存する。電気機器101−2に不具合が発生しない場合も電気機器101−1と同様に、動作情報管理部103−2は、不具合検出部102−2から受け取る動作情報を順次、保存する。
【0030】
なお、
図3に示すように、電気機器101−1、101−2は家庭内ネットワーク131を介してHEMSコントローラ201と接続されている。そのため、ユーザは、携帯端末(不図示)をHEMSコントローラ201と家庭内ネットワーク131を介して接続させ、HEMSコントローラ201を遠隔操作して、電気機器101−1、101−2に動作情報をHEMSコントローラ201に送信させてもよい。この場合、HEMSコントローラ201は、電気機器101−1、101−2から受信する動作情報を元に消費電力量を算出し、算出結果をユーザの携帯端末(不図示)に送信する。これにより、ユーザは消費電力量等を携帯端末(不図示)で閲覧することができる。
【0031】
次に、電気機器101−1または電気機器101−2に不具合が発生した場合を説明する。ここでは、電気機器101−1に不具合が発生したものとする。
図4は、本発明の実施の形態1の管理システムによる動作手順の一例を示すシーケンス図である。
電気機器101−1の不具合検出部102−1が不具合の発生を検出すると、不具合情報管理部105−1は不具合情報をHEMSコントローラ201に家庭内ネットワーク131を介して送信する(ステップ1001)。
HEMSコントローラ201の通信部214は、不具合情報を電気機器101−1から受信すると、不具合情報を不具合情報管理部213に渡す(ステップ1002)。不具合情報管理部213は不具合情報を不具合情報保存部210に格納する(ステップ1003)。続いて、不具合情報管理部213は、電気機器101−2宛に動作情報要求信号を送信するために動作情報要求信号を通信部214に渡す(ステップ1004)。通信部214は、受け取った動作情報要求信号を家庭内ネットワーク131を介して電気機器101−2に送信する(ステップ1005)。
【0032】
電気機器101−2の受信部104−2はHEMSコントローラ201から動作情報要求信号を受信すると、動作情報要求信号を動作情報管理部103−2に渡す。動作情報管理部103−2は、動作情報要求信号を受信すると、保存している動作情報から、不具合発生時に対応する動作情報を読み出して送信部106−2に渡す。送信部106−2は動作情報管理部103−2から渡された動作情報を家庭内ネットワーク131を介してHEMSコントローラ201に送信する(ステップ1006)。
HEMSコントローラ201の通信部214は、動作情報を電気機器101−2から受信すると、動作情報を不具合情報管理部213に渡す(ステップ1007)。不具合情報管理部213は動作情報を不具合情報と共に不具合関連情報として不具合情報保存部210に格納する(ステップ1008)。
【0033】
本実施の形態1の管理システムは、動作の情報を含む動作情報を時系列で保存し、不具合が発生すると、不具合を示す情報を含む不具合情報を家庭内ネットワーク131を介して出力する複数の電気機器101−1〜101−nと、複数の電気機器と家庭内ネットワーク131を介して接続され、複数の電気機器のうち、いずれかの電気機器から不具合情報を受信すると、不具合情報の送信元の電気機器を除いた他の電気機器に、不具合の発生時に対応する動作情報の提供を求める旨の信号である動作情報要求信号を送信し、他の電気機器から受信する動作情報を不具合情報と共に不具合関連情報として保存するHEMSコントローラ201と、を有するものである。
本実施の形態1によれば、電気機器に発生した不具合に関して、不具合を発生した電気機器だけでなく、他の電気機器の動作の情報も収集され、不具合関連情報としてひとまとめにされる。ユーザはHEMSコントローラ201に保存された不具合関連情報を調べれば、不具合を起こした電気機器の動作と他の電気機器の動作とが関連して発生する不具合の原因を特定しやすくなる。その結果、不具合の早期解決を図ることができる。
【0034】
また、本実施の形態1において、不具合情報は不具合が発生した日時を示す情報である日時情報を含む場合、HEMSコントローラ201は、動作情報要求信号を送信する際、不具合情報に含まれる日時情報を読み出し、日時情報が示す日時を基準にして予め決められた時間範囲に実行された動作に関する動作情報を要求してもよい。
この場合、不具合が他の電気機器の動作と関係しており、不具合発生と他の電気機器の動作とにタイムラグがあっても、ユーザは不具合の原因を特定可能となる。
【0035】
実施の形態2.
本実施の形態2は、管理装置が表示部を備え、不具合の原因となる情報を表示部に表示するものである。
本実施の形態2においては、実施の形態1と同様な構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、実施の形態1と異なる構成について詳しく説明する。本実施の形態2においては、不具合を示す情報がエラーコードであるものとする。
【0036】
(実施の形態2の管理システムの構成)
図5は、本発明の実施の形態2の管理システムの一構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、HEMSコントローラ201aは、不具合情報保存部210と、通信部214と、制御部220aと、表示部209とを有する。制御部220aは、不具合情報管理部213と、画面出力制御部208とを有する。表示部209は、例えば、液晶ディスプレイである。
制御部220aは、プログラムを記憶するメモリ(不図示)と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(不図示)とを有する構成である。メモリ(不図示)は、例えば、不揮発性メモリである。CPUがプログラムを実行することで、不具合情報管理部213および画面出力制御部208がHEMSコントローラ201aに構成される。
【0037】
不具合情報保存部210は、電気機器101−1〜101−nの各電気機器について、エラーコードとそのエラーコードが示す不具合の原因の情報とが対応づけられて記述されたリストをメモリ(不図示)に予め格納されている。つまり、不具合情報保存部210は、エラーコードと不具合の原因とが対応づけられたリストをn種類記憶している。
不具合情報管理部213は、不具合情報と共に動作情報を不具合関連情報として不具合情報保存部210に格納した後、不具合関連情報を画面出力制御部208に渡す。その際、不具合情報管理部213は、不具合情報からエラーコードを読み出し、不具合情報保存部210が記憶するリストを参照し、エラーコードに対応する不具合の原因の情報を読み出して不具合関連情報に含めてもよい。
画面出力制御部208は、不具合関連情報を表示部209の画面に対応するイメージに変換して表示部209に表示させる。画面出力制御部208は、不具合関連情報にエラーコードと不具合の原因の情報とが含まれている場合、エラーコードと不具合の原因の情報も表示部209に表示させる。
【0038】
(実施の形態2の管理システムの動作)
本実施の形態2の管理システムの動作手順を説明する。
図6は、本発明の実施の形態2の管理システムによる動作手順を説明するための図である。ここでは、電気機器が電気機器101−1および電気機器101−2の2台の場合とする。また、電気機器101−1に不具合が発生したものとする。
図7は、本発明の実施の形態2の管理システムによる動作手順の一例を示すシーケンス図である。
図7に示すステップ1001〜1008までの処理は
図4を参照して説明した動作と同様になるため、その詳細な説明を省略する。
ステップ1008において、制御部220aの不具合情報管理部213は、動作情報を不具合情報と共に不具合関連情報として不具合情報保存部210に格納した後、不具合関連情報を画面出力制御部208に渡す。画面出力制御部208は、不具合関連情報を表示部209に表示させる(ステップ1009)。その際、画面出力制御部208は、不具合に対応するエラーコードと不具合の原因の情報も表示部209に表示させる。
【0039】
本実施の形態2によれば、HEMSコントローラ201aの表示部209に不具合関連情報が表示されるため、ユーザは不具合関連情報を調べることで、不具合が発生した電気機器の不具合の原因が他の電気機器の動作に関連している場合に、不具合が発生した原因を確認できる。
【0040】
本実施の形態2において、HEMSコントローラ201aは、不具合関連情報の他に、電気機器に発生した不具合に対応してエラーコードとその不具合の原因となる情報を表示部209に表示してもよい。エラーに関する情報がエラーコードだけだとユーザにはエラーの内容がわかりにくいが、どんなエラーなのか、エラーの原因を画面上に表示することで、不具合の原因がユーザに理解しやすくなる。
【0041】
実施の形態3.
本実施の形態3は、不具合関連情報を不具合が発生した電気機器のメーカのサポートセンターへ送信可能にしたものである。
本実施の形態3においては、実施の形態1および2と同様な構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、実施の形態1および2と異なる構成について詳しく説明する。
【0042】
(実施の形態3の管理システムの構成)
図8は、本発明の実施の形態3の管理システムの一構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、HEMSコントローラ201bは広域ネットワーク300と接続されている。広域ネットワーク300は、例えば、インターネットである。家庭内ネットワーク131が第1のネットワークに相当し、広域ネットワーク300が第2のネットワークに相当する。
広域ネットワーク300には、電気機器101−kのメーカのサポートセンターが所有または管理するWebサーバ310およびメールサーバ320が接続されている。
Webサーバ310は、HEMSコントローラ201bから不具合関連情報を受信すると、受信した不具合関連情報を保存する。Webサーバ310は、多くの家庭から送られてくる不具合関連情報を保存する。
メールサーバ320は、不具合発生を報告する旨の電子メール、または修理依頼する旨の電子メールをHEMSコントローラ201bから受信すると、受信した電子メールを保存する。
【0043】
図8に示すように、HEMSコントローラ201bは、不具合情報保存部210と、通信部214と、制御部220bと、表示部209とを有する。制御部220bは、不具合情報管理部213と、画面出力制御部208と、ユーザインタフェース(IF)制御部225とを有する。
制御部220bは、プログラムを記憶するメモリ(不図示)と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(不図示)とを有する構成である。メモリ(不図示)は、例えば、不揮発性メモリである。CPUがプログラムを実行することで、不具合情報管理部213、画面出力制御部208およびユーザIF制御部225がHEMSコントローラ201に構成される。
【0044】
送信部206は、Webサーバ310およびメールサーバ320に情報を送信する際、送信元の情報としてHEMSコントローラ201bのグローバルIPアドレスを用いる。また、送信部206には、Webサーバ310およびメールサーバ320のグローバルIPアドレスが予め登録されている。
画面出力制御部208は、不具合関連情報を表示部209に表示させる際、不具合関連情報をメーカのサポートセンターに送信するか否かを問い合わせるメッセージと、サポートセンターに修理依頼を行うか否かを問い合わせるメッセージも表示部209に表示させる。
【0045】
ユーザIF制御部225は、HEMSコントローラ201bの操作部(不図示)を介して入力されるユーザの指示にしたがって通信部214を制御する。本実施の形態3では、HEMSコントローラ201bが操作部(不図示)を有する場合で説明するが、ユーザは携帯端末(不図示)をHEMSコントローラ201bと接続させ、携帯端末(不図示)を介して指示を入力してもよい。
ユーザIF制御部225は、不具合関連情報をWebサーバ310に送信する旨の指示が入力されると、不具合関連情報をWebサーバ310宛に送信することを送信部206に指示する。ユーザIF制御部225は、サポートセンターに修理依頼する旨の指示が入力されると、修理依頼のメッセージを含む電子メールをメールサーバ320宛に送信することを送信部206に指示する。
【0046】
(実施の形態3の管理システムの動作)
本実施の形態3の管理システムの動作手順を説明する。
図9は、本発明の実施の形態3の管理システムによる動作手順を説明するための図である。ここでは、電気機器が電気機器101−1および電気機器101−2の2台の場合とする。また、電気機器101−1に不具合が発生したものとする。
図10は、本発明の実施の形態3の管理システムによる動作手順の一例を示すシーケンス図である。
図10に示すステップ1001〜1008までの処理は
図4を参照して説明した動作と同様になるため、その詳細な説明を省略する。
ステップ1009において、制御部220bの画面出力制御部208は、実施の形態2と同様に、不具合関連情報を表示部209に表示させる。その際、画面出力制御部208は、不具合関連情報をメーカのサポートセンターに送信するか否かを問い合わせるメッセージと、サポートセンターに修理依頼を行うか否かを問い合わせるメッセージを表示部209に表示させる。
【0047】
ステップ1009の後、ユーザから操作部(不図示)を介して不具合関連情報をWebサーバ310に送信する旨の指示が入力されると、制御部220bのユーザIF制御部225は、不具合関連情報をWebサーバ310宛に送信することを通信部214に指示する(ステップ1010)。通信部214の送信部206は、広域ネットワーク300を介して、不具合関連情報をWebサーバ310宛に送信する(ステップ1011)。Webサーバ310は受信した不具合関連情報を保存する(ステップ1012)。
【0048】
また、ユーザから操作部(不図示)を介してサポートセンターに修理依頼する旨の指示が入力されると、制御部220bのユーザIF制御部225は、修理依頼のメッセージを含む電子メールをメールサーバ320宛に送信することを通信部214に指示する(ステップ1013)。通信部214の送信部206は、広域ネットワーク300を介して、電子メールをメールサーバ320宛に送信する(ステップ1014)。メールサーバ320は受信した電子メールを保存する(ステップ1015)。
【0049】
なお、
図10を参照して説明した動作手順では、不具合発生時にユーザが操作を行って不具合関連情報をサポートセンターに送信する場合で説明したが、ユーザの指示がなくても、制御部220bが送信部206を介して不具合関連情報をWebサーバ310に送信してもよい。
【0050】
本実施の形態3によれば、不具合が発生した電気機器のメーカのサポートセンターのWebサーバ310に不具合関連情報が格納される。多くの家庭で同じような不具合が発生している場合、同種の不具合の情報が1つのサーバに保存されることで、不具合の原因をより特定しやすくなる。また、不具合の情報の保存先がメーカのサポートセンターが所有または管理するサーバなので、サービス担当者が不具合発生の原因を詳細に検討することが可能となる。
さらに、ユーザがメーカのサービス担当者と連絡が取り合えるように、修理の依頼の電子メールをメーカサポートセンターのメールサーバ320に送信するようにしてもよい。この場合、ユーザはメーカのサービス担当者と不具合に関する情報を電話でやりとりすることで、不具合の原因をより特定しやすくなる。
【0051】
実施の形態4.
本実施の形態4は、不具合関連情報に基づいて不具合の原因を分析する分析装置を設け、分析装置による分析結果を電気機器に反映可能にしたものである。
本実施の形態4においては、実施の形態1〜3と同様な構成は同一符号を付してその詳細な説明を省略し、実施の形態1〜3と異なる構成について詳しく説明する。
【0052】
(実施の形態4の管理システムの構成)
図11は、本発明の実施の形態4の管理システムの一構成例を示すブロック図である。
図11に示すように、Webサーバ310には不具合分析装置330が接続されている。不具合分析装置330は、広域ネットワーク300を介してHEMSコントローラ201bと通信可能に接続されている。
【0053】
不具合分析装置330は、Webサーバ310が保存する不具合関連情報を分析する分析部331を有する。分析部331は、プログラムを記憶するメモリ(不図示)と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(不図示)とを有する構成である。メモリ(不図示)は、例えば、不揮発性メモリである。CPUがプログラムを実行することで、分析部331が不具合分析装置330に構成される。
分析部331は、Webサーバ310が保存する複数の不具合関連情報から同種の不具合情報を含む不具合関連情報を抽出する。そして、分析部331は、抽出した不具合関連情報から不具合情報および動作情報を読み出し、不具合と動作に関連があるか否か分析する。この分析基準は分析部331のメモリ(不図示)に予め格納されている。分析部331は、2種以上の電気機器が同時に動作すると不具合が発生する確率が高くなる分析結果を得ると、不具合発生確率の高い動作を特定する。そして、分析部331は、不具合が発生する動作を禁止する情報を含む制御情報を生成してHEMSコントローラ201bに送信する。制御情報は、不具合発生原因となる複数の動作と、それらの動作を実行する複数の電気機器の識別子の情報を含む。
【0054】
なお、
図11では不具合分析装置330をWebサーバ310とは別の構成で示しているが、Webサーバ310が分析部331を含む不具合分析装置330の機能を備えていてもよい。
【0055】
電気機器101−k(kは1〜nの任意の整数)は、不具合検出部102−kと、機器動作部122−kと、管理部113a−kと、通信部114−kとを有する。管理部113a−kは、動作制御部121−k、動作情報管理部103−kおよび不具合情報管理部105−kを有する。
動作制御部121−kは、受信部104−kを介してHEMSコントローラ201bから受け取る制御情報にしたがって機器動作部122−kを制御する。
機器動作部122−kは、動作制御部121−kの制御にしたがって、電気機器101−kを動作させる。
【0056】
HEMSコントローラ201bの送信部206は、制御情報に含まれる識別子と動作の情報を読み出し、識別子で特定される複数の電気機器の動作状態を不具合情報管理部213を介して確認する。そして、送信部206は、確認した動作状態が制御情報に含まれる動作と一致している場合、不具合が発生する動作に対応する電気機器に制御情報を転送する。その反対に、送信部206は、確認した動作状態が制御情報に含まれる動作と一致していない場合、制御情報を保持する。
なお、制御情報に含まれる動作が対象となる電気機器の現在の動作状態と一致しなくなった場合、送信部206は、制御情報の送信先の電気機器に対して、制御情報を無効にする旨の情報を送信してもよい。
【0057】
(実施の形態4の管理システムの動作)
本実施の形態4の管理システムの動作手順を説明する。
図12は、本発明の実施の形態4の管理システムによる動作手順を説明するための図である。ここでは、電気機器が電気機器101−1および電気機器101−2の2台の場合とする。また、電気機器101−1の動作状態が動作X2のときに電気機器101−2の動作Y2が原因で電気機器101−1に不具合が発生するものとする。
図13は、本発明の実施の形態4の管理システムによる動作手順の一例を示すシーケンス図である。
図13は、
図10に示したステップ1013〜1015の処理が示されていないが、ステップ1013〜1015の処理を含んでいてもよい。
図13に示すステップ1001〜1012までの処理は
図4および
図10を参照して説明した動作と同様になるため、その詳細な説明を省略する。
【0058】
ステップ1012において、Webサーバ310がHEMSコントローラ201bから受信する不具合関連情報を保存すると、不具合分析装置330の分析部331は、Webサーバ310から不具合関連情報を読み出す。そして、不具合関連情報の分析処理を行う(ステップ1101)。分析部331は、電気機器101−1が動作X2を行っている状態で電気機器101−2が動作Y2を行うと不具合が発生する確率が高くなるという分析結果を得る。分析部331は、分析結果として、電気機器101−1が動作X2の状態のとき電気機器101−2に動作Y2を禁止する旨の情報を含む制御情報を生成してHEMSコントローラ201bに送信する(ステップ1102)。
【0059】
HEMSコントローラ201bの通信部214は、不具合分析装置330から制御情報を受信すると、不具合情報管理部213を介して電気機器101−1の動作の状態を確認する。送信部206は、電気機器101−1の動作状態が動作X2でない場合、制御情報を保持しておく。一方、送信部206は、電気機器101−1の動作状態が動作X2の場合、制御情報を電気機器101−2に転送する(ステップ1103)。
電気機器101−2の動作制御部121−2は、受信部104−2を介してHEMSコントローラ201bから制御情報を受信すると、制御情報から動作Y2を読み出し、動作Y2を制限する旨の情報を機器動作部122−2に通知する。機器動作部122−2は、動作制御部121−2から通知された情報にしたがって、動作Y2を実行しないようにする。これにより、分析結果が電気機器101−2に反映される(ステップ1104)。
【0060】
電気機器101−1に発生した不具合が、電気機器101−1単体の要因ではなく、一見すると不具合には無関係な他の電気機器101−2の動作によって引き起こされている場合がある。このような場合であっても、その不具合の発生頻度が同じ状況下で高ければ、上述したように、同種の不具合関連情報がWebサーバ310に収集され、収集された不具合関連情報に基づいて不具合発生の原因を分析しているため、その原因が特定されやすくなる。
【0061】
本実施の形態4によれば、収集された不具合関連情報に基づいて不具合分析装置330が不具合発生の原因を分析している。そのため、1つの電気機器の単独での要因ではなく、他の電気機器の動作によって不具合が引き起こされており、かつその発生頻度が同じ発生状況で高い場合に、不具合発生の原因が特定されやすくなる。
また、HEMSコントローラ201bは、サーバが収集した不具合関連情報に基づいて分析を行った結果として、不具合が発生する動作を禁止する旨と対象となる電気機器の情報を含む制御情報をサーバから広域ネットワーク300を介して受信すると、対象となる電気機器に制御情報を転送している。そのため、不具合発生の原因と分析された動作が抑制され、不具合の発生が高くなる状況にならないようにすることが可能となる。よって、各電気機器を自動的に不具合の発生確率が高い動作を回避するように動作させることができる。
【0062】
また、本実施の形態4によれば、メーカサポートセンターの不具合分析装置330による分析結果が広域ネットワーク300を介して多くの家庭のそれぞれのHEMSコントローラ201bに送信される。分析結果が多くの家庭で反映され、同じような不具合が各家庭で発生することを防ぐことができる。
【0063】
なお、上述した実施の形態1〜4のいずれの実施の形態においても、不具合関連情報に基づいて、不具合発生の原因となる電気機器と、その電気機器に禁止される動作との組み合わせを特定することが可能となる。その結果を利用して、対象となる電気機器について、デマンドを禁止される動作のデマンド分だけ下げ、余剰分のデマンドを他の電気機器に割り振ってもよい。デマンドの一例として電力消費量が考えられる。