【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば上記目的は、
ハンドルベース1に操作ハンドル2とロックノブ3とを初期回転位置から操作回転位置まで回転自在に隣接配置した車両のハンドル装置であって、
前記操作ハンドル2は、該操作ハンドル2、またはハンドルベース1のいずれか一方に突設される軸部4を他方の軸受孔5に挿通させてロックノブ3側に離脱自在で、かつ、前記ハンドルベース1に配置される第1スライドストッパ6により離脱方向の移動が規制されてハンドルベース1に連結されるとともに、
ハンドルベース1は、操作ハンドル2が操作回転位置にあるときの該操作ハンドル2に形成された第2スライド当接部7に近接して該第2スライド当接部7の離脱方向への移動経路を閉塞し、かつ、操作ハンドル2が初期回転位置にあるときの第2スライド当接部7の離脱方向への移動経路を開放する位置に第2スライドストッパ8を備える車両のハンドル装置を提供することにより達成される。
【0007】
本発明において、ロックノブ3に隣接して回転操作可能に配置される操作ハンドル2は、ハンドルベース1に設けられる第1スライドストッパ6によりロックノブ3側への移動が規制されており、操作ハンドル2とロックノブ3との摺接が防止される。この結果、操作ハンドル2の操作に伴うロックノブ3の連れ回しを確実に防止することが可能になる。
【0008】
また、操作ハンドル2は、軸部4を回転軸軸長方向に離脱可能に軸受孔5に挿通させてあるために、回転軸軸長方向にスライド操作することにより連結することが可能であり、組立作業性を低下させることがない。
【0009】
さらに、操作ハンドル2は、操作回転位置にある時には、ハンドルベース1表面から突出した状態になり、回転方向に対して直交方向の力も加えられやすくなる。この結果、回転中心部には大きな倒伏モーメント、あるいは操作ハンドル2をロックノブ3の方向に移動させる力が発生するために、回転軸、あるいは第1スライドストッパ6の強度を大きくする必要がある。
【0010】
これに対し、操作ハンドル2が操作回転位置、すなわち負荷条件が悪くなる姿勢において操作ハンドル2の第2スライド当接部7を第2スライドストッパ8に近接させる本発明において、操作回転位置において大きな負荷が加えられた際には、第2スライド当接部7が第2スライドストッパ8に当接することから第1スライドストッパ6、あるいは回転軸に大きな力が加えられることを確実に防止することができる。この結果、第1スライドストッパ6を、例えば、スナップフィットを利用した比較的強度の低い構造により形成することができるために、組立作業性の向上等を図ることが可能になる。
【0011】
また、第2スライドストッパ8は、操作ハンドル2が操作回転位置にあるときには第2スライド当接部7の離脱方向の移動経路を閉塞するが、操作ハンドル2が初期回転位置にあるときには離脱方向の移動経路を閉塞することなく開放する位置に設けられているために、操作ハンドル2をスライドさせてハンドルベース1に連結する際の障害にならない。
【0012】
さらに、第2スライドストッパ8と操作ハンドル2の第2スライド当接部7とは近接配置され、通常状態においては非接触のために、通常の作動に影響を与えることがない。
【0013】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記ハンドルベース1はヒンジ支持壁9により前記操作ハンドル2が配置されるハンドル領域10と、ロックノブ3が配置されるノブ領域11とに区画されるとともに、
操作ハンドル2は、ヒンジ支持壁9、およびハンドル領域10のヒンジ支持壁9に対する対向壁のノブ領域11側壁面に連結され、
かつ、前記第2スライドストッパ8は、前記ヒンジ支持壁9に形成される車両のハンドル装置を構成することができる。
【0014】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記第2スライド当接部7の第2スライドストッパ8に対する対向面、および第2スライドストッパ8は、一方が平面で、他方が波形に形成される車両用ハンドル装置を構成することができる。
【0015】
本発明において、第2スライド当接部7が第2スライドストッパ8に摺接した状態において、摺接面積が小さくなるために、摺接による戻り不良等を効果的に防止することが可能になる。
【0016】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記第2スライド当接部7には、操作ハンドル2が操作回転位置にあるときに第2スライドストッパ8に突設される第2ストロークストッパ12のオーバーストローク方向に近接配置される第2ストローク当接部13が設けられる車両用ハンドル装置を構成することができる。
【0017】
オーバーストロークを規制する第2ストローク当接部13を設けることにより、過大な操作力が操作ハンドル2に負荷され、操作ハンドル2等が弾性変形した場合であっても、確実にオーバーストロークを規制することが可能になる。
【0018】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記第1スライドストッパ6は、前記操作ハンドル2に弾発的に係止する爪形状に形成される車両用ハンドル装置を構成した場合には、操作ハンドル2のハンドルベース1への装着は、操作ハンドル2をスライド操作するだけで完了し、止め輪等の装着が不要となるために、組立効率が向上する。