(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576382
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】エレベーターのかご操作盤
(51)【国際特許分類】
B66B 11/02 20060101AFI20190909BHJP
B66B 5/00 20060101ALI20190909BHJP
B66B 1/50 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
B66B11/02 N
B66B11/02 E
B66B5/00 D
B66B1/50 Z
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-45824(P2017-45824)
(22)【出願日】2017年3月10日
(65)【公開番号】特開2018-150093(P2018-150093A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2018年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100090011
【弁理士】
【氏名又は名称】茂泉 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】長井 巧
【審査官】
有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−071161(JP,U)
【文献】
特開平11−280311(JP,A)
【文献】
特開平11−280318(JP,A)
【文献】
実開平06−040246(JP,U)
【文献】
実開昭62−071155(JP,U)
【文献】
実開昭53−104568(JP,U)
【文献】
特開2008−074519(JP,A)
【文献】
特開2001−058782(JP,A)
【文献】
特開平05−079258(JP,A)
【文献】
実開昭62−089272(JP,U)
【文献】
国際公開第2011/015895(WO,A1)
【文献】
独国実用新案第202012101008(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/00─11/08
B66B 5/00─ 5/28
B66B 1/00─ 1/52
H01H 9/00─ 9/28
H01H 89/00─89/10
E05B 1/00─85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保守運転盤に設けられ、かご内照明装置が点灯する点灯位置と前記かご内照明装置が消灯する消灯位置との間で変位するかご内照明スイッチと、
鍵穴を有し、前記保守運転盤の開口部を開閉する操作盤カバーが施錠される施錠位置と前記操作盤カバーが解錠される解錠位置との間で変位する操作盤カバー錠と、
前記鍵穴を照らす鍵穴照明装置と、
保守点検中であるか否かを判定する保守点検判定装置と
を備え、
前記鍵穴照明装置は、前記かご内照明スイッチの位置が前記消灯位置であり、前記操作盤カバー錠の位置が前記施錠位置であり、前記保守点検判定装置が保守点検中であると判定する場合に、前記鍵穴を照らすエレベーターのかご操作盤。
【請求項2】
前記保守点検判定装置は、点検スイッチの位置に基づいて、保守点検中であるか否かを判定する請求項1に記載のエレベーターのかご操作盤。
【請求項3】
前記保守点検判定装置は、保守作業者が所持する携帯端末装置との間で通信を行うことによって、保守点検中であるか否かを判定する請求項1または請求項2に記載のエレベーターのかご操作盤。
【請求項4】
前記鍵穴照明装置は、前記鍵穴の周囲に前記鍵穴を取り囲むように設けられている請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のエレベーターのかご操作盤。
【請求項5】
前記鍵穴照明装置は、前記かご内照明スイッチの位置が前記点灯位置である場合に前記鍵穴を照らすことを停止する請求項1から請求項4までの何れか一項に記載のエレベーターのかご操作盤。
【請求項6】
前記かご内照明スイッチを照らすスイッチ照明装置をさらに備え、
前記スイッチ照明装置は、前記かご内照明スイッチの位置が前記消灯位置であり、前記操作盤カバー錠の位置が前記解錠位置である場合に、前記かご内照明スイッチを照らす請求項1から請求項5までの何れか一項に記載のエレベーターのかご操作盤。
【請求項7】
前記かご内照明スイッチを照らすスイッチ照明装置をさらに備え、
前記スイッチ照明装置は、前記かご内照明スイッチの位置が前記消灯位置であり、前記操作盤カバーの位置が開位置である場合に、前記かご内照明スイッチを照らす請求項1から請求項5までの何れか一項に記載のエレベーターのかご操作盤。
【請求項8】
前記スイッチ照明装置は、前記かご内照明スイッチの位置が前記点灯位置である場合に前記かご内照明スイッチを照らすことを停止する請求項6または請求項7に記載のエレベーターのかご操作盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、かご内照明スイッチを備えたエレベーターのかご操作盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保守運転盤に設けられたかご内照明スイッチと、鍵穴を有し、保守運転盤の開口部を開閉する操作盤カバーが施錠される施錠位置と操作盤カバーが解錠される解錠位置との間で変位する操作盤カバー錠とを備えたエレベーターのかご操作盤が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−317964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、保守点検作業者が保守点検中にかごの外に一時的に出る場合に、かご内照明スイッチを点灯位置から消灯位置に変位させ、操作盤カバー錠を解錠位置から施錠位置に変位させるので、保守点検作業者が再びかごの中に入る場合に、かご内が暗いために保守点検作業者が鍵穴を見つけにくい場合がある。この場合、保守点検作業者は、鍵穴に鍵を入れて操作盤カバー錠を施錠位置から解錠位置に変位させることが難しいという問題点があった。
【0005】
この発明は、操作盤カバー錠を施錠位置から解錠位置に容易に変位させることができるエレベーターのかご操作盤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターのかご操作盤は、保守運転盤に設けられ、かご内照明装置が点灯する点灯位置とかご内照明装置が消灯する消灯位置との間で変位するかご内照明スイッチと、鍵穴を有し、保守運転盤の開口部を開閉する操作盤カバーが施錠される施錠位置と操作盤カバーが解錠される解錠位置との間で変位する操作盤カバー錠と、鍵穴を照らす鍵穴照明装置と
、保守点検中であるか否かを判定する保守点検判定装置とを備え、鍵穴照明装置は、かご内照明スイッチの位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠の位置が施錠位置であ
り、保守点検判定装置が保守点検中であると判定する場合に、鍵穴を照らす。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベーターのかご操作盤によれば、鍵穴照明装置は、かご内照明スイッチの位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠の位置が施錠位置である場合に、鍵穴を照らすので、かご内が暗い場合であっても、保守点検作業者は鍵穴を容易に見つけることができる。その結果、操作盤カバー錠を施錠位置から解錠位置に容易に変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態1に係るエレベーターのかご操作盤を示す正面図である。
【
図2】
図1のエレベーターのかご操作盤の要部を示すブロック図である。
【
図3】この発明の実施の形態2に係るエレベーターのかご操作盤の要部を示すブロック図である。
【
図4】この発明の実施の形態3に係るエレベーターのかご操作盤の要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベーターのかご操作盤を示す正面図、
図2は
図1のエレベーターのかご操作盤の要部を示すブロック図である。図において、エレベーターのかご操作盤100Aは、各階に対応する複数の階床釦1と、エレベータードアの位置を戸開位置にするための開釦2と、エレベータードアの位置を戸閉位置にするための閉釦3と、開口部41が形成された保守運転盤4と、開口部41を開閉する操作盤カバー5と、操作盤カバー5の施錠および解錠を行う操作盤カバー錠6とを備えている。
【0010】
操作盤カバー5は、開口部41が開く開位置と、開口部41が閉じられる閉位置との間で変位する。操作盤カバー5は、保守点検作業者が操作盤カバー5を操作することによって、開位置と閉位置との間で変位する。
図1では、操作盤カバー5の位置が開位置である状態を示している。
【0011】
操作盤カバー錠6は、操作盤カバー5が施錠される施錠位置と、操作盤カバー5が解錠される解錠位置との間で変位する。操作盤カバー錠6には、図示しない鍵が挿入される鍵穴61が形成されている。操作盤カバー錠6は、操作盤カバー5の位置が閉位置である場合に、保守点検作業者が鍵を鍵穴61に挿入して、操作盤カバー錠6を操作することによって、施錠位置と解錠位置との間で変位する。
【0012】
また、このエレベーターのかご操作盤100Aは、保守運転盤4に設けられた複数の操作スイッチ7と、保守運転盤4に設けられ、かご内照明装置8を点灯させるためのかご内照明スイッチ9と、鍵穴61を照らす鍵穴照明装置10と、かご内照明スイッチ9を照らすスイッチ照明装置11とを備えている。
【0013】
操作スイッチ7およびかご内照明スイッチ9は、操作盤カバー5の位置が開位置である場合に、露出される。操作スイッチ7は、操作スイッチ7が露出されている場合、操作可能となる。かご内照明スイッチ9は、かご内照明スイッチ9が露出されている場合に、操作可能となる。
【0014】
鍵穴照明装置10は、鍵穴61の周囲に配置されている。鍵穴照明装置10が点灯することによって、鍵穴照明装置10は鍵穴61を照らす。鍵穴照明装置10が鍵穴61を照らすことによって、保守点検作業者は、かご内が暗い場合であっても鍵穴61を目視することができる。
【0015】
スイッチ照明装置11は、かご内照明スイッチ9の周囲に配置されている。スイッチ照明装置11が点灯することによって、スイッチ照明装置11はかご内照明スイッチ9を照らす。スイッチ照明装置11がかご内照明スイッチ9を照らすことによって、保守点検作業者は、かご内が暗い場合であってもかご内照明スイッチ9を目視することができる。
【0016】
また、このエレベーターのかご操作盤100Aは、鍵穴照明装置10およびスイッチ照明装置11の点灯および消灯を制御する照明制御部12と、操作盤カバー錠6の位置を検出するカバー錠位置検出装置13と、かご内照明スイッチ9の位置を検出するスイッチ位置検出装置14とを備えている。照明制御部12には、カバー錠位置検出装置13が検出した操作盤カバー錠6の位置情報と、スイッチ位置検出装置14が検出したかご内照明スイッチ9の位置情報とが入力されるようになっている。
【0017】
照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠6の位置が施錠位置である場合に、鍵穴照明装置10を点灯させる。一方、照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が点灯位置である場合に、鍵穴照明装置10を消灯させる。
【0018】
また、照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠6の位置が解錠位置である場合に、スイッチ照明装置11を点灯させる。一方、照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が点灯位置である場合に、スイッチ照明装置11を消灯させる。
【0019】
次に、エレベーターのかご操作盤100Aの動作について説明する。この例では、保守点検作業者が保守点検中にかごの外に一時的に出て、その後、保守点検作業者が再びかごの中に入る場合について説明する。まず、保守点検作業者は、かごの外に一時的に出る場合には、かご内照明スイッチ9の位置を点灯位置から消灯位置に変位させる。これにより、かご内照明装置8が消灯する。
【0020】
その後、保守点検作業者は、操作盤カバー5を開位置から閉位置に変位させ、さらに、操作盤カバー錠6を解錠位置から施錠位置に変位させる。これにより、鍵穴照明装置10は、鍵穴61を照らす。
【0021】
その後、保守点検作業者がかごの外に一時的に出て、その後、保守点検作業者が再びかごの中に入ると、保守点検作業者は、鍵穴61に鍵を挿入し、操作盤カバー錠6を施錠位置から解錠位置に変位させる。このとき、鍵穴照明装置10が鍵穴61を照らしているので、保守点検作業者は、鍵穴61を容易に目視することができる。また、操作盤カバー錠6が施錠位置から解錠位置に変位することによって、スイッチ照明装置11は、かご内照明スイッチ9を照らす。その後、保守点検作業者は、操作盤カバー5を閉位置から開位置に変位させる。
【0022】
その後、保守点検作業者は、かご内照明スイッチ9を消灯位置から点灯位置に変位させる。このとき、スイッチ照明装置11がかご内照明スイッチ9を照らしているので、保守点検作業者は、かご内照明スイッチ9を容易に目視することができる。かご内照明スイッチ9が消灯位置から点灯位置に変位することによって、かご内照明装置8が点灯する。また、かご内照明スイッチ9が消灯位置から点灯位置に変位することによって、鍵穴照明装置10は、鍵穴61を照らすことを停止し、また、スイッチ照明装置11は、かご内照明スイッチ9を照らすことを停止する。以上により、エレベーターのかご操作盤100Aの動作が終了する。
【0023】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベーターのかご操作盤100Aによれば、鍵穴照明装置10は、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠6の位置が施錠位置である場合に、鍵穴61を照らすので、かご内が暗い場合であっても、保守点検作業者は鍵穴61を容易に見つけることができる。その結果、操作盤カバー錠6を施錠位置から解錠位置に容易に変位させることができる。
【0024】
また、鍵穴照明装置10は、かご内照明スイッチ9の位置が点灯位置である場合に鍵穴を照らすことを停止するので、鍵穴照明装置10による電気の消費を抑制することができる。
【0025】
また、このエレベーターのかご操作盤100Aは、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠6の位置が解錠位置である場合に、スイッチ照明装置11がかご内照明スイッチ9を照らすので、かご室が暗い場合であっても、保守点検作業者はかご内照明スイッチ9を容易に見つけることができる。その結果、操作スイッチ7を誤操作することなく、かご内照明スイッチ9を消灯位置から点灯位置に容易に変位させることができる。
【0026】
また、スイッチ照明装置11は、かご内照明スイッチ9の位置が点灯位置である場合にかご内照明スイッチ9を照らすことを停止するので、スイッチ照明装置11による電気の消費を抑制することができる。
【0027】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係るエレベーターのかご操作盤の要部を示すブロック図である。エレベーターのかご操作盤100Bは、操作盤カバー5の位置を検出するカバー位置検出装置15をさらに備えている。照明制御部12には、操作盤カバー錠6の位置情報と、かご内照明スイッチ9の位置情報と、操作盤カバー5の位置情報とが入力されるようになっている。
【0028】
照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠6の位置が施錠位置である場合に、鍵穴照明装置10を点灯させる。一方、照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が点灯位置である場合に、鍵穴照明装置10を消灯させる。
【0029】
また、照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー5の位置が開位置である場合に、スイッチ照明装置11を点灯させる。一方、照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が点灯位置である場合に、スイッチ照明装置11を消灯させる。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0030】
次に、エレベーターのかご操作盤100Bの動作について説明する。この例では、保守点検作業者が保守点検中にかごの外に一時的に出て、その後、保守点検作業者が再びかごの中に入る場合について説明する。まず、保守点検作業者は、かごの外に一時的に出る場合には、かご内照明スイッチ9の位置を点灯位置から消灯位置に変位させる。これにより、かご内照明装置8が消灯する。
【0031】
その後、保守点検作業者は、操作盤カバー5を開位置から閉位置に変位させ、さらに、操作盤カバー錠6を解錠位置から施錠位置に変位させる。これにより、鍵穴照明装置10は、鍵穴61を照らす。
【0032】
その後、保守点検作業者がかごの外に一時的に出て、その後、保守点検作業者が再びかごの中に入ると、保守点検作業者は、鍵穴61に鍵を挿入し、操作盤カバー錠6を施錠位置から解錠位置に変位させる。このとき、鍵穴照明装置10が鍵穴61を照らしているので、保守点検作業者は、鍵穴61を容易に目視することができる。
【0033】
その後、保守点検作業者は、操作盤カバー5を閉位置から開位置に変位させる。これにより、スイッチ照明装置11は、かご内照明スイッチ9を照らす。
【0034】
その後、保守点検作業者は、かご内照明スイッチ9を消灯位置から点灯位置に変位させる。このとき、スイッチ照明装置11がかご内照明スイッチ9を照らしているので、保守点検作業者は、かご内照明スイッチ9を容易に目視することができる。かご内照明スイッチ9が消灯位置から点灯位置に変位することによって、かご内照明装置8が点灯する。また、かご内照明スイッチ9が消灯位置から点灯位置に変位することによって、鍵穴照明装置10は、鍵穴61を照らすことを停止し、また、スイッチ照明装置11は、かご内照明スイッチ9を照らすことを停止する。以上により、エレベーターのかご操作盤100Bの動作が終了する。
【0035】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るエレベーターのかご操作盤100Bによれば、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー5の位置が開位置である場合に、スイッチ照明装置11がかご内照明スイッチ9を照らすので、かご室が暗い場合であっても、保守点検作業者はかご内照明スイッチ9を容易に見つけることができる。その結果、操作スイッチ7を誤操作することなく、かご内照明スイッチ9を消灯位置から点灯位置に容易に変位させることができる。
【0036】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3に係るエレベーターのかご操作盤の要部を示すブロック図である。エレベーターのかご操作盤100Cは、保守点検中であるか否かを判定する保守点検判定装置16をさらに備えている。保守点検判定装置16は、保守運転盤4または図示しないエレベーター制御盤に設けられた点検スイッチ17の位置に基づいて、保守点検中であるか否かを判定する。点検スイッチ17は、保守点検作業者が保守点検を行う再に操作するスイッチである。具体的には、保守点検作業者は、保守点検を行う場合に点検スイッチ17の位置をオン位置とし、保守点検が終了した場合に点検スイッチ17の位置をオフ位置とする。点検スイッチ17の位置がオン位置の場合に、情報センターへの発報が停止される。
【0037】
保守点検判定装置16は、点検スイッチ17の位置がオン位置である場合に、保守点検中であると判定し、点検スイッチ17の位置がオフ位置である場合に、保守点検中ではないと判定する。
【0038】
照明制御部12には、カバー錠位置検出装置13が検出した操作盤カバー錠6の位置情報と、スイッチ位置検出装置14が検出したかご内照明スイッチ9の位置情報と、保守点検判定装置16の判定結果とが入力されるようになっている。
【0039】
照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠6の位置が施錠位置であり、保守点検判定装置16が保守点検中であると判定する場合に、鍵穴照明装置10を点灯させる。一方、照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が点灯位置である場合に、鍵穴照明装置10を消灯させる。
【0040】
また、照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠6の位置が解錠位置であり、保守点検判定装置16が保守点検中であると判定する場合に、スイッチ照明装置11を点灯させる。一方、照明制御部12は、かご内照明スイッチ9の位置が点灯位置である場合に、スイッチ照明装置11を消灯させる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。なお、実施の形態2と同様であってもよい。
【0041】
次に、エレベーターのかご操作盤100Cの動作について説明する。この例では、保守点検作業者が保守点検中にかごの外に一時的に出て、その後、保守点検作業者が再びかごの中に入る場合について説明する。まず、保守点検作業者は、点検スイッチ17をオフ位置からオン位置に変位させる。その後、かごの外に一時的に出る場合には、かご内照明スイッチ9の位置を点灯位置から消灯位置に変位させる。これにより、かご内照明装置8が消灯する。
【0042】
その後、保守点検作業者は、操作盤カバー5を開位置から閉位置に変位させ、さらに、操作盤カバー錠6を解錠位置から施錠位置に変位させる。これにより、鍵穴照明装置10は、鍵穴61を照らす。
【0043】
その後、保守点検作業者がかごの外に一時的に出て、その後、保守点検作業者が再びかごの中に入ると、保守点検作業者は、鍵穴61に鍵を挿入し、操作盤カバー錠6を施錠位置から解錠位置に変位させる。このとき、鍵穴照明装置10が鍵穴61を照らしているので、保守点検作業者は、鍵穴61を容易に目視することができる。また、操作盤カバー錠6が施錠位置から解錠位置に変位することによって、スイッチ照明装置11は、かご内照明スイッチ9を照らす。その後、保守点検作業者は、操作盤カバー5を閉位置から開位置に変位させる。
【0044】
その後、保守点検作業者は、かご内照明スイッチ9を消灯位置から点灯位置に変位させる。このとき、スイッチ照明装置11がかご内照明スイッチ9を照らしているので、保守点検作業者は、かご内照明スイッチ9を容易に目視することができる。かご内照明スイッチ9が消灯位置から点灯位置に変位することによって、かご内照明装置8が点灯する。また、かご内照明スイッチ9が消灯位置から点灯位置に変位することによって、鍵穴照明装置10は、鍵穴61を照らすことを停止し、また、スイッチ照明装置11は、かご内照明スイッチ9を照らすことを停止する。その後、保守点検作業者は、点検スイッチ17をオン位置からオフ位置に変位させる。以上により、エレベーターのかご操作盤100Cの動作が終了する。
【0045】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るエレベーターのかご操作盤100Cによれば、鍵穴照明装置10は、かご内照明スイッチ9の位置が消灯位置であり、操作盤カバー錠6の位置が解錠位置であり、保守点検判定装置16が保守点検中であると判定する場合に、鍵穴61を照らすので、かご内が暗い場合であっても、保守点検作業者は鍵穴61を容易に見つけることができる。その結果、操作盤カバー錠6を施錠位置から解錠位置に容易に変位させることができる。また、保守点検中ではない場合に鍵穴照明装置10が鍵穴61を照らさないことによって、鍵穴照明装置10による電気の消費を抑制することができる。
【0046】
また、保守点検判定装置16は、点検スイッチ17の位置に基づいて、保守点検中であるか否かを判定するので、保守点検中であることの判定を容易に行うことができる。
【0047】
なお、上記実施の形態3では、保守点検判定装置16は、点検スイッチ17の位置に基づいて、保守点検中であるか否かを判定する構成について説明したが、これに限らず、例えば、保守点検判定装置16は、保守作業者が所持するメンテナンス装置との間で通信を行うことによって、保守点検中であるか否かを判定する構成であってもよい。また、保守点検判定装置16は、かご内の重量を測定する重量測定装置の測定結果を用いて、保守点検作業者がかごから外に一時的に出て再びかごの中に入ったことを判定して、保守点検中であるか否かを判定する構成であってもよい。また、保守点検判定装置16は、かごに進入した人をカメラによって撮影し、撮影された画像を用いて、かごに進入した人が保守点検作業者であるか否かを判定し、この判定結果を用いて、保守点検中であるか否かを判定する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 階床釦、2 開釦、3 閉釦、4 保守運転盤、5 操作盤カバー、6 操作盤カバー錠、7 操作スイッチ、8 かご内照明装置、9 かご内照明スイッチ、10 鍵穴照明装置、11 スイッチ照明装置、12 照明制御部、13 カバー錠位置検出装置、14 スイッチ位置検出装置、15 カバー位置検出装置、16 保守点検判定装置、17 点検スイッチ、41 開口部、61 鍵穴、100A、100B、100C エレベーターのかご操作盤。