(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入力デバイスの信号値およびデバイス非依存色空間の色彩値の対応関係を示す第1のテーブルと、出力デバイスにおけるCMYK色空間の信号値および前記デバイス非依存色空間の色彩値の対応関係を示す第2のテーブルと、前記CMYK色空間におけるシアン、マゼンタ、イエローおよびブラック以外の色である第1の特色の信号値および前記第1の特色をシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを用いて表現する際のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの信号値の対応関係を示す第3のテーブルと、前記CMYK色空間におけるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックおよび前記第1の特色以外の色である第2の特色の信号値および前記第2の特色をシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを用いて表現する際のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの信号値の対応関係を示す第4のテーブルと、を記憶するテーブル記憶部と、
前記第1のテーブルおよび前記第2のテーブルを用いて、前記入力デバイスの信号値で定義された第1画像データを、前記出力デバイスにおける前記CMYK色空間の信号値で定義された第2画像データに変換する変換部と、
前記第2画像データに基づいてシアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも2つのインクを混合して表現される混合色を形成するとき、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクおよび前記第1の特色を有する第1特色インクを用いる第1の選択、あるいは、前記第1特色インクおよび前記第2の特色を有する第2特色インクを用いる第2の選択を選択する選択部と、
前記第1の選択が選択された場合、前記第3のテーブルを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が、前記第1特色インクによって置換されるように前記第2画像データを変更し、かつ、前記第2の選択が選択された場合、前記第3のテーブルと前記第4のテーブルとを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの全てが、前記第1特色インクおよび前記第2特色インクによって置換されるように前記第2画像データを変更する変更部と、を備えている、画像データ作成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る画像データ作成装置およびそれを備えた印刷装置システムについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0013】
図1に示すように、印刷装置システム100は、印刷装置10と、画像データ作成装置50と、表示装置90と、を備えている。表示装置90は、画像データ作成装置50に接続されている。表示装置90は、例えば、液晶ディスプレイである。なお、表示装置90は、画像データ作成装置50と一体であってもよい。
【0014】
印刷装置10は、記録媒体5に印刷を行うインクジェットプリンタ(以下、プリンタという。)10である。記録媒体5には、普通紙などの紙類はもちろんのこと、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)やポリエステルなどの樹脂材料、アルミニウム、鉄、木材などの各種の材料からなる媒体が含まれる。
【0015】
以下の説明では、左、右、上、下とは、プリンタ10の正面にいる作業者から見た左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。また、プリンタ10から上記作業者に近づく方を前方、遠ざかる方を後方とする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。後述するインクヘッド25(
図2参照)は左方および右方に移動可能である。記録媒体5は、前方および後方に搬送可能である。ただし、これは説明の便宜上の方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではない。
【0016】
図2に示すように、プリンタ10は、ケーシング12と、ケーシング12内に配置されたガイドレール13とを備えている。ガイドレール13は、左右方向に延びている。ガイドレール13には、インクを吐出するインクヘッド25が設けられたキャリッジ11が係合している。キャリッジ11は、キャリッジ移動機構18によって、ガイドレール13に沿って左右方向(即ち主走査方向)に往復移動する。キャリッジ移動機構18は、ガイドレール13の左端側および右端側に配置されたプーリ29b、29aを有している。プーリ29aにはキャリッジモータ18aが連結されている。なお、キャリッジモータ18aはプーリ29bに連結されていてもよい。プーリ29aは、キャリッジモータ18aによって駆動される。両プーリ29a、29bには、それぞれ無端状のベルト16が巻き掛けられている。キャリッジ11はベルト16に固定されている。プーリ29a,29bが回転してベルト16が走行すると、キャリッジ11が左右方向に移動する。
【0017】
記録媒体5は、紙送り機構(図示せず)によって、紙送り方向に搬送される。ここでは、紙送り方向は前後方向のことである。ケーシング12内には、記録媒体5が載置されるプラテン14が設けられている。プラテン14にはグリッドローラ(図示せず)が設けられている。グリッドローラの上方にはピンチローラ(図示せず)が設けられている。グリッドローラはフィードモータ(図示せず)に連結されている。グリッドローラはフィードモータによって駆動され、回転する。グリッドローラとピンチローラとの間に記録媒体5が挟まれた状態でグリッドローラが回転すると、記録媒体5は前後方向に搬送される。
【0018】
図2に示すように、プリンタ10は、複数のインクカートリッジ21、22を備えている。それら複数のインクカートリッジ21、22には、色の異なるインクが貯留されている。インクカートリッジ21には、それぞれ、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクが貯留されている。インクカートリッジ22には、それぞれ、特色インクとしてのオレンジインクおよびレッドインクが貯留されている。なお、インクカートリッジ22に貯留されるインクは、オレンジインクおよびレッドインクに限定されず、グリーンインクやバイオレットインク等であってもよい。また、プリンタ10は、インクカートリッジ22を2つ備えているが、1つであってもよいし3つ以上であってもよい。
【0019】
インクヘッド25は、各色のインク毎に設けられている。各色のインクヘッド25とインクカートリッジ21、22とは、インク供給路23により接続されている。インク供給路23は、インクカートリッジ21、22からインクヘッド25へインクを供給するインク流路である。インク供給路23は、例えば可撓性を有するチューブにより構成されている。インク供給路23には、送液ポンプ28が設けられている。ただし、送液ポンプ28は必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。インク供給路23の一部は、ケーブル類保護案内装置17により覆われている。
【0020】
プリンタ10は、プリンタ10の内部に設けられた制御装置30を備えている。制御装置30は、キャリッジ移動機構18のキャリッジモータ18aと、紙送り機構のフィードモータと、送液ポンプ28と、インクヘッド25とに対して、通信可能に接続されている。制御装置30は、これらの動作を制御する。制御装置30は、典型的にはコンピュータである。制御装置30は、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器からの印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置とを備えている。
【0021】
次に、本実施形態に係る画像データ作成装置50について説明する。
図1に示すように、画像データ作成装置50は、プリンタ10に接続された外部装置である。ただし、画像データ作成装置50は、プリンタ10に内蔵されていてもよい。画像データ作成装置50は、CPU、ROM、RAMなどを備えたコンピュータにより構成されている。
図3に示すように、画像データ作成装置50は、テーブル記憶部52と、変換部54と、変更部58と、選択部60と、判定部62と、閾値設定部64と、出力部66と、を備えている。
【0022】
テーブル記憶部52は、入力デバイスの信号値およびデバイス非依存色空間の色彩値の対応関係を示す第1のテーブルと、出力デバイスにおけるCMYK色空間の信号値およびデバイス非依存色空間の色彩値の対応関係を示す第2のテーブルと、を記憶する。第1のテーブルおよび第2のテーブルは、例えば、ICCプロファイルである。ここで、本実施形態の入力デバイスの信号値としては、例えば、入力デバイスにおけるRGB色空間の信号値や入力デバイスにおけるCMYK色空間の信号値が挙げられる。入力デバイスとしては、例えば、デジタルカメラが挙げられる。本実施形態の出力デバイスは、印刷装置10である。また、本実施形態のデバイス非依存色空間は、L*a*b*色空間である。
【0023】
また、テーブル記憶部52は、CMYK色空間におけるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)以外の色である第1の特色の信号値および第1の特色をシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを用いて表現する際のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの信号値の対応関係を示す第3のテーブルと、を記憶する。ここで、第1の特色とは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)以外の色である。即ち、第1の特色は、CMYKの基本4色以外の色である。第1の特色は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の少なくとも2つのインクを混合して表現された混合色になり得る。第1の特色としては、例えば、レッド(R)、オレンジ(O)、グリーン(G)およびバイオレット(V)等が挙げられる。
【0024】
さらに、テーブル記憶部52は、CMYK
色空間におけるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)および第1の特色以外の色である第2の特色の信号値および第2の特色をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)を用いて表現する際のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)の信号値の対応関係を示す第4のテーブルを記憶する。ここで、第2の特色とは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)および第1の特色以外の色である。即ち、第2の特色は、CMYKの基本4色および第1の特色以外の色である。第2の特色は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の少なくとも2つのインクを混合して表現された混合色になり得る。第2の特色としては、第1の特色と同様、例えば、レッド(R)、オレンジ(O)、グリーン(G)およびバイオレット(V)等が挙げられる。テーブル記憶部52は、プリンタ10に搭載されたインクカートリッジ22(
図2参照)に貯留される特色インクの種類に応じて、上記のようなテーブルを記憶している。
【0025】
変換部54は、テーブル記憶部52に記憶された第1のテーブルおよび第2のテーブルを用いて、入力デバイスの信号値で定義された第1画像データを、出力デバイスにおけるCMYK色空間の信号値で定義された第2画像データに変換する。第1画像データは、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器や有線または無線で接続されたネットワークから画像データ作成装置50に送信される。
【0026】
選択部60は、例えばユーザの操作を受け、後述する選択を行うように構成されている。例えば、ユーザが画像データ作成装置50に接続された表示装置90に表示されるボタンを操作することにより、選択部60に信号が送信される。選択部60は、その信号を受けて、第1の選択あるいは第2の選択を選択する。第1の選択は、第2画像データに基づいて上記混合色を形成するとき、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクおよび第1特色インク(あるいは第2特色インク)を用いることである。第2の選択は、第2画像データに基づいて上記混合色を形成するとき、第1特色インクおよび第2特色インクを用いることである。なお、第2の選択では、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを用いても用いなくてもよい。なお、選択部60は、上記混合色毎に第1の選択または第2の選択を選択することができる。また、選択部60は、第2画像データに基づいて上記混合色を形成するとき、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクのみを用いる第3の選択を選択可能に構成されていてもよい。
【0027】
判定部62は、上記混合色を形成するとき、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの全インク量に対する第1特色インクによって置換可能なシアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクのいずれか2種以上(例えば2種または3種)の合計インク量の第1割合が所定の第1閾値以上であるかを判定する。判定部62は、上記混合色を形成するとき、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの全インク量に対する第2特色インクによって置換可能なシアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクのいずれか2種以上(例えば2種または3種)の合計インク量の第2割合が所定の第2閾値以上であるかを判定する。例えば、第1の特色(あるいは第2の特色)がレッドの場合、マゼンタインクとイエローインクとシアンインクとブラックインクの全インク量に対するマゼンタインクとイエローインクとブラックインクの合計インク量の第1割合が第1の閾値(あるいは第2割合が第2の閾値)以上であるかを判定する。判定部62は、画素毎に上記判定を行うように構成されている。
【0028】
閾値設定部64は、例えばユーザの操作を受け、第1の閾値および第2の閾値を設定するように構成されている。例えば、ユーザが表示装置90に表示されるボタンを操作することにより、閾値設定部64に信号が送信される。閾値設定部64は、その信号を受けて、第1の閾値および/または第2の閾値を設定する。第1の閾値および第2の閾値は、例えば、0.8〜1に設定される。なお、第1の閾値および第2の閾値は、ユーザによって任意の値に設定され得る。
【0029】
変更部58は、変換された第2画像データに基づいてシアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも2つのインクを混合して表現される混合色を形成するとき、第3テーブルを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が、第1の特色を有する第1特色インクによって置換されるように第2画像データを変更する。また、変更部58は、上記混合色を形成するとき、第3テーブルを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの全てが、第1特色インクによって置換されるように第2画像データを変更してもよい。例えば、1つの画素の色がレッドである場合には、通常は、マゼンタインクとイエローインクとを混合してレッドを形成するが、変更部58は、マゼンタインクとイエローインクとを用いてレッドを形成する代わりに第1特色インクとしてのレッドインクを用いて直接レッドを形成するように第2画像データを変更してもよい。なお、第2特色インクによって置換されるようにする場合には、第4テーブルが用いられる。なお、変更部58は、上記混合色を形成する際に用いる第1の特色および第2の特色の信号値が、第3テーブルおよび第4テーブルに存在しない場合には、最も近い値を採用するように構成されている。
【0030】
変更部58は、選択部60によって第1の選択が選択されたときに、第3テーブルを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が、第1特色インクによって置換されるように第2画像データを変更するように構成されていてもよい。変更部58は、選択部60によって第1の選択が選択されたときに、第4テーブルを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が、第2特色インクによって置換されるように第2画像データを変更するように構成されていてもよい。
【0031】
変更部58は、判定部62によって上記第1割合が第1閾値以上と判定された場合、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくともいずれか2種が、第1特色インクによって置換されるように第2画像データを変更し、かつ、判定部62によって上記第1割合が第1閾値未満と判定された場合、第2画像データを変更しないように構成されていてもよい。また、変更部58は、判定部62によって上記第2割合が第2閾値以上と判定された場合、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくともいずれか2種が、第2特色インクによって置換されるように第2画像データを変更し、かつ、判定部62によって上記第2割合が第2閾値未満と判定された場合、第2画像データを変更しないように構成されていてもよい。
【0032】
変更部58は、変換された第2画像データに基づいて上記混合色を形成するとき、第3テーブルと第4テーブルとを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が、第1特色インクおよび第2特色インクによって置換されるように前記第2画像データを変更してもよい。また、変更部58は、上記混合色を形成するとき、第3テーブルと第4テーブルとを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの全てが、第1特色インクおよび第2特色インクによって置換されるように第2画像データを変更してもよい。例えば、1つの画素の色がレッドとオレンジとの中間色である場合には、変更部58は、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを用いてレッドおよびオレンジを形成する代わりに、第1特色インクとしてのレッドインクおよび第2特色インクとしてのオレンジインクを用いて上記中間色を形成するように第2画像データを変更してもよい。
【0033】
変更部58は、選択部60によって第2の選択が選択されたときに、第3テーブルと第4テーブルとを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が、第1特色インクおよび第2インクによって置換されるように第2画像データを変更するように構成されていてもよい。変更部58は、判定部62によって上記第1割合が第1閾値以上かつ上記第2割合が第2閾値以上と判定された場合、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの全てが、第1特色インクおよび第2特色インクによって置換されるように第2画像データを変更してもよい。
【0034】
出力部66は、変更部58によって変更された第2画像データをプリンタ10の制御装置30に送信する。なお、判定部62の判定に基づき、第2画像データが全く変更されていない場合には、変換部54によって変換された第2画像データをプリンタ10の制御装置30に送信する。プリンタ10において、制御装置30は、受信した第2画像データに基づいて、インクヘッド25等を制御し、記録媒体5に印刷を行う。
【0035】
図4は、第2画像データを作成する手順を示したフローチャートである。以下、第2画画像データを作成する手順について説明する。
【0036】
まず、ステップS10では、ホストコンピュータ等の外部機器から画像データ作成装置50に送信された第1画像データの色変換を行う。具体的には、変換部54は、テーブル記憶部52に記憶された第1のテーブルおよび第2のテーブルを用いて、入力デバイスの信号値で定義された第1画像データを、出力デバイスにおけるCMYK色空間の信号値で定義された第2画像データに変換する。
【0037】
ステップS20では、ユーザが画像データ作成装置50に接続された表示装置90に表示されるボタンを操作することにより、第1の選択または第2の選択を行う。これにより、選択部60は、第1の選択または第2の選択を選択する。
【0038】
ステップS30では、判定部62は、選択部60によって選択された第1の選択または第2の選択に基づいて、画素毎に、第1割合が第1閾値以上であるか、または第2割合が第2閾値以上であるかを判定する。第1割合が第1閾値以上または第2割合が第2閾値以上であると判定された場合には、ステップS40に進む。一方、選択部60によって選択された第1の選択または第2の選択に基づいて、第1割合が第1閾値未満または第2割合が第2閾値未満であると判定された場合には、変更部58は、第2画像データを変更することなくステップS50に進む。例えば、選択部60によって第1の選択が選択された場合には、判定部62は、第1割合が第1閾値以上であるかを判定する。そして、第1割合が第1閾値以上の場合にはステップS40に進み、第1割合が第1閾値未満の場合にはステップS50に進む。
【0039】
ステップS40では、ステップS20において第1の選択が選択された場合、変更部58は、第3テーブルを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が、第1特色インクによって置換されるように第2画像データを変更する。また、ステップS20において第2の選択が選択された場合、変更部58は、第3テーブルと第4テーブルとを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が、第1特色インクおよび第2特色インクによって置換されるように第2画像データを変更する。例えば、形成する混合色を第1特色インクのみで表現できない場合には、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの基本4色の一部が第1特色インクに置換され、形成する混合色を第1特色インクのみで表現できる場合には、上記基本4色の全てが第1特色インクに置換される。
【0040】
ステップS50では、画像データ作成装置50は、判定部62によって第2画像データの全ての画素の判定が完了されたかを判断する。全ての画素の判定が完了した場合には、第2画像データの作成処理を終了する。一方、全ての画素の判定が完了していない場合には、ステップS30に戻り、次の画素の判定を行う。
【0041】
以上のように、本実施形態の画像データ作成装置50によると、テーブル記憶部52が第1の特色の信号値およびシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの信号値の対応関係を示す第3のテーブルを記憶している。そして、変更部58は、混合色を形成するとき、第3のテーブルを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が第1特色インクによって置換されるように第2画像データを変更する。このように、CMYKの基本4色のインクに第1特色インクを追加する場合に、CMYKの基本4色で表現されたデータの一部を変更し、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの一部を第1特色インクに置換することができるため、第1特色インクを含む画像データを容易に作成することができる。また、第1特色インクを用いることにより、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも2種のインクを混ぜて第1の特色を形成する場合と比較して、インクの総使用量を低減させることができる。また、第1特色インクを用いることによって、色再現範囲を広げたり、記録媒体でのインクの滲みや凝集や濃淡の縞(バンディング)の発生を抑制したりすることができる。さらに、入力デバイスの信号値をCMYKの基本4色に第1の特色を加えた色からなる信号値に直接変換するテーブルを用いる必要がないため、データのサイズを小さくすることができ、処理速度を速くすることができる。
【0042】
本実施形態の画像データ作成装置50では、変更部58は、第2画像データに基づいてシアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも2つのインクを混合して表現される混合色を形成するとき、第3のテーブルを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの全てが、第1特色インクによって置換されるように第2画像データを変更してもよい。これにより、インクの総使用量をより低減することができる。
【0043】
本実施形態の画像データ作成装置50では、変更部58は、第3のテーブルと第4のテーブルとを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくとも一部が、第1特色インクおよび第2特色インクによって置換されるように第2画像データを変更する。これにより、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを混ぜて混合色を形成する場合と比較して、インクの総使用量を低減させることができる場合がある。また、入力デバイスの信号値をCMYKの基本4色に第1の特色および第2の特色を含めた信号値に変換する必要がない。即ち、データのサイズを小さくすることができ、処理速度を速くすることができる。
【0044】
本実施形態の画像データ作成装置50では、変更部58は、第3のテーブルと第4のテーブルとを用いて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの全てが、第1特色インクおよび第2特色インクによって置換されるように第2画像データを変更してもよい。これにより、インクの総使用量をより低減することができる場合がある。
【0045】
本実施形態の画像データ作成装置50では、選択部60は、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクおよび第1特色インクを用いる第1の選択、あるいは、第1特色インクおよび第2特色インクを用いる第2の選択を選択する。これにより、混合色を形成するときに、どのインクを用いるかを任意に選択することができる。
【0046】
本実施形態の画像データ作成装置50では、判定部62は、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの全インク量に対する第1特色インクによって置換可能なシアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクのいずれか2種以上の合計インク量の第1割合が所定の第1閾値以上であるかを判定する。そして、変更部58は、第1割合が第1閾値以上と判定されると、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの少なくともいずれか2種が第1特色インクによって置換されるように第2画像データを変更する。また、変更部58は、第1割合が第1閾値未満と判定されると、第2画像データを変更しない。第1閾値として、例えば、第1特色インクを用いた場合のほうが色合い(彩度等)が向上する値を設定することによって、より品質の高い印刷物を得ることができる。
【0047】
本実施形態の画像データ作成装置50は、第1閾値を設定する閾値設定部64を備えている。これにより、第1特色インクに置換する条件を任意に設定することができ、使用されるインクの自由度を高めることができる。
【0048】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0049】
上述した実施形態では、第1の特色を有する第1特色インクおよび第2の特色を有する第2特色インクの2種の特色インクを用いていたが、1種の特色インクを用いてもよいし、3種以上の特色インクを用いてもよい。