(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1〜
図7を参照して、実施の形態1の光源部300(光源装置)を説明する。光源部300は、例えば実施の形態2で後述する誘導灯等の表示装置に使用される。
図1は、光源部300の斜視図である。
図2は、光源部300の5面図である。(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、それぞれ正面図、上面図、底面図、左側面図、右側面図である。
図3は、光源モジュール351を光源355側から見た図である。
図4は、光源部300の電気的接続部356の近傍を示す部分拡大図(斜視図)である。
図5は、光源部300の
図4の反対側を示す部分拡大図(斜視図)である。
図6は光源モジュール351(基板354)の表面保持部307a,裏面保持部307bへの挿入を示す図である。
図7は光源モジュール351(基板354)と脱落防止片310との係合関係を示す図である。
【0011】
(光源部300の構成)
図1に示す様に、光源部300は光源モジュール351(光源実装基板)1と、光源モジュール351を保持する基板ホルダ301とを備える。光源モジュール351は実装面に光源355が実装された板状体である。光源モジュール351は、基板354、光源355(例えばLED)および電気的接続部356から構成される。基板354には穴357が形成されている。
【0012】
(基板ホルダ301)
基板ホルダ301の材質は、PC樹脂、あるいはABS樹脂、あるいはAES樹脂、あるいはそれらのアロイ材等が用いられる。
【0013】
(基板354)
基板354の材質は、アルミ、ガラスエポキシ樹脂、紙フェノール樹脂等が用いられる。また、
図3に示す様に、基板354は略長方形形状(L字形状)をしている。電気的接続部356の部分がL字の下の部分に相当する。また、基板354には穴357が設けられている。穴357は、ネジ等で別部材への締結に使用されたり、位置決め突起との係合等に利用することが可能である。
【0014】
(基板ホルダ301)
図4および
図5に示す様に、基板ホルダ301には基板354を取付ける為の表面保持部307a、裏面保持部307b、脱落防止片310(抜け防止部)、光源モジュール位置決め突起312が設けられている。表面保持部307aは、板状体であって、一方の面307a−1(
図6(b))の少なくとも一部が、取り付けられた光源モジュール351の実装面に当接する。裏面保持部307bは板状体であって、一方の面307b−1(
図6(b))の少なくとも一部が、取り付けられた光源モジュール351の裏面に当接する。光源モジュール351は、表面保持部307aの一方の面307a−1と、裏面保持部の一方の面307b−1とによって挟まれることで、基板ホルダ301に対して固定される。つまり光源モジュール351(基板354)は、表面保持部の一方の面307a−1と、裏面保持部の一方の307b−1面とによって挟まれ押し圧されることで、基板ホルダ301に対して固定される。
また、基板ホルダ301の側面には光源部300を別部材に固定する為の、上部係合部330、係合爪329および係合突起328が設けられている。これら上部係合部330、係合爪329および係合突起328は、左右の対称位置に設けられている。
【0015】
(光源モジュール351の基板ホルダ301への装着方法)
図4および
図5を用いて光源モジュール351の基板ホルダ301への装着方法について以下に説明する。
図6は
図2(a)のA−A断面に相当する。
図6の表面保持部307aは、
図5の右側の表面保持部307aである。基板ホルダ301は表面保持部307aおよび裏面保持部307bを有しており、その間には光源モジュール351の基板354に対応する空間が設けられている。表面保持部307aは裏面保持部307bより短くなっている。
図5、
図6に示すように表面保持部307aは、壁面313から壁面313の法線方向に突き出ている。また裏面保持部307bも同様に壁面313からその法線方向に突き出ている。そして
図6(a)に示すように、表面保持部307aは、壁面313の法線方向における壁面313から先端までの長さAが、裏面保持部307bの壁面313の法線方向における壁面313から先端までの長さBよりも短い。これは光源モジュール351の挿入を容易にする為である。表面保持部307aと裏面保持部307bの長さが同等の場合は光源モジュール351を水平状態に保ったまま基板ホルダ301に挿入する必要があるが、表面保持部307aと裏面保持部307bの長さを変えることで、
図6(b)のように光源モジュール351(基板354)を斜め方向から挿入できるからである。
【0016】
また、
図6(a)のように、基板ホルダ301の表面保持部307aの厚さh2は、光源(LED)5の高さh1と同等か、それ以上の高さ(厚み)を有している。
つまり、h2≧h1である。これにより、光源部300が被取付部品に取り付けられた際、他の部材が光源355に直接接触することを防いでいる。つまり、表面保持部307aは、厚さh2が、基板354の実装面の法線方向における実装面からの光源355の高さh1よりも厚い。
【0017】
基板ホルダ301は光源モジュール351の電気的接続部356が配置される近傍には電気的接続部356を保護する為の保護壁314(
図1)を有しており、電気的接続部356に側面(端部)方向からの力がかからない構成としている。
【0018】
基板ホルダ301には光源モジュール位置決め突起312(
図1)が設けられており、光源モジュール351の横方向(長手方向)への移動を規制している。これによって、光源モジュール351の基板ホルダ301への横方向の取付位置が決まる。
【0019】
基板ホルダ301に対し、光源モジュール351は
図4および
図5に示す矢印(1)、(2)の方向に矢印(1)、(2)の順で挿入される。
図4および
図5の矢印(1)、(2)の方向は
図6の矢印(1)、(2)の方向である。光源モジュール351の基板354は、上記のように略長方形形状である。基板354は、
図6に示すように、表面保持部307aの一方の面307a−1と、裏面保持部307bの一方の面307b−1との間に対して、スライド方向が略長方形形状の短手方向となるようにスライドさせることで、基板ホルダ301に取り付けられる。
【0020】
その際、脱落防止片310が挿入の妨げになるが、光源モジュール351を脱落防止片310より
図4、および
図5の斜め下方向から挿入することで、脱落防止片310を上方向に弾性変形させることができ、挿入された後に変形が戻ることで、光源モジュール351の側面端部に係合する。
図7(a),(b)は、この場合の光源モジュール351と脱落防止片310との関係を示す図である。(a)が脱落防止片310に対する光源モジュール351の挿入途中、(b)が光源モジュール351の挿入終了時を示す。脱落防止片310は、基板354の厚さとして現れる端面351−1(
図7(a))と、基板354が表面保持部307aの一方の面307a−1と裏面保持部307bの一方の面307b−1とによって挟まれている状態のもとで係合することにより、基板354(光源モジュール351)が表面保持部307aと裏面保持部307bとから抜けることを防止する。脱落防止片310によって、光源モジュール351から光源モジュール351が脱落することを防止できると共に、また光源モジュール351を容易に外すことが出来ない状態になる。光源モジュール351を外す際は、脱落防止片310を強制的に弾性変形させ、光源モジュール351との係合を解除する。脱落防止片310の個数が複数ある場合は同時に解除しなければ基板ホルダ301から光源モジュール351を取り外せないから、脱落防止片310の個数は複数ある方が脱落しにくくなり、より好ましい。
【0021】
上記構成とすることにより、簡単な構成(基板ホルダ301の1部品のみ)で容易に光源モジュール351を基板ホルダ301に取付けることができ、また基板ホルダ301から光源モジュール351を容易に外すことが出来ない構成にできる。また、光源355は表面保持部307aにより保護されるので、外力によるストレスがかかることを防止することが可能となる。さらに、光源モジュール351は表面保持部307aおよび裏面保持部307bの空間に挿入されるので、光源モジュール351の反りを抑制することが可能となる。
【0022】
実施の形態2.
図8〜
図17を参照して実施の形態2の表示装置1000を説明する。表示装置1000は、実施の形態1で説明した光源部300を用いた表示装置である。
図8は、表示装置1000の斜視図である。
図9は表示装置1000の4面図である。(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ正面図、上面図、底面図、右側面図である。
図10は表示装置1000の分解斜視図である。
図11は表示装置1000の本体200を示す斜視図である。
図12は表示装置1000の表示部400を示す斜視図である。
図13は、表示装置1000における本体200への、表示部400および光源部300の取付手順を示す側面図である。
図14は、表示装置1000における本体200と表示部400との光源部300の取付部を示す部分拡大図(斜視図)である。
図15は表示装置1000における光源部300の本体200および表示部400への取付部を示す部分拡大図(斜視図)である。
図16は、表示装置1000における本体と光源部300の嵌合状態を示す部分断面図(
図9(d)のB−B断面)である。
図17は、表示装置1000における表示部400と光源部300の嵌合状態を示す部分断面図(
図9(d)のC−C断面)である。なお
図16の断面は、光源部300の、本体200、表示部400への装着後における
図15のB−B断面をB方向からみたものに相当する。また
図17の断面は、光源部300の、本体200、表示部400への装着後における
図15のC−C断面をC方向からみたものに相当する。
【0023】
図8、
図10に示す様に、表示装置1000は、本体200と、光源部300と、表示部400とを備えている。
【0024】
(本体200、光源部300、表示部400の係合関係)
図10を参照して、本体200、光源部300、表示部400の係合関係を述べておく。
図10の矢印は係合関係を示している。なお、係合相手が見えない場合は、対称位置に配置された部品を破線の矢印で結んだ。つまり破線で示した関係は実際の係合相手ではなく、実際の係合相手の対称位置に配置されたものを便宜的に示した。実線の矢印は実際の係合相手である。なお各係合部は、左右対称の位置に配置されている。
【0025】
(本体200と表示部400との係合関係)
(1)本体側表示部係合部(上側)218と表示部側本体係合部(上側)423とが係合し、
(2)本体側表示部係合部(下側)219と表示部側本体係合部(下側)424とが係合する。
【0026】
(光源部300と本体200との係合関係)
(1)係合爪329(
図15)と本体側光源部係合部226(
図14)とが係合し、
(2)さらに上部係合部330(
図15)と本体側光源部移動抑止部225(
図14)とが係合する。
【0027】
(光源部300と表示部400との係合関係)
係合突起328(
図15)が表示部側光源部係合部427(
図14)と係合する。
【0028】
本体200の材質はそれぞれPC(ポリカーボネート)樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、それらのアロイ材等が使用される。
【0029】
また、
図9、
図11に示す様に、本体200の内部には補強金具214、電源端子台215、バッテリ216、操作部210、点灯装置217が配設されている。
【0030】
また、本体200は、天井や壁面に表示装置1000を取付ける為の上面側取付穴206、上面側電源穴205、背面側取付穴211、213、背面側電源穴212を有している。
【0031】
また、本体200は表示部400が取付けられる為の本体側表示部係合部(上側)218および本体側表示部係合部(下側)219を有している。本体側表示部係合部(上側)218と本体側表示部係合部(下側)219は、上記のように本体200の第1の側面221、第2の側面222(
図11)の左右に対称形状にて設けられている。
【0032】
さらに
図14に示す様に、本体200は光源部300を本体200に取付ける為の本体側光源部係合部226を有している。本体側光源部係合部226は本体の左右に対称形状にて設けられている。
【0033】
点灯装置217は外部電源により光源355を点灯させる機能、バッテリ216を充電する機能、外部電源が遮断された場合にバッテリ216の電力により光源355を点灯させる機能、バッテリ216が規定の時間光源355を点灯可能か点検を実施する機能、光源355が正常に点灯するかを確認する機能を有している。
【0034】
操作部210(
図9(c))はモニタ207、点検用スイッチ208、受光部209を有している。点検用スイッチ208を操作することで点灯装置217が規定の点検動作を実施し、その結果をモニタ207の表示により外部へ報知する。モニタ207は点検結果の表示機能の他に、点検中である旨の表示、バッテリ216の充電状態や、光源部300の接続状態、光源355の寿命を表示することが可能である。
【0035】
また、受光部209は点検用スイッチ208の操作の代わりに、リモコンによる点検動作の開始信号を受信し、点灯装置217に点検動作を実施させる。
【0036】
表示部400は
図12に示す様に、導光体420、表示板421、表示板ケース422により構成される。表示板ケース422と導光体420の間には図示しない反射シートが、導光体420と表示板421の間には図示しない光学シートが配設される場合がある。
【0037】
表示板ケース422の材質は、PC樹脂、あるいはABS樹脂、あるいはAES樹脂、あるいはそれらのアロイ材等が使用される。また、導光体420と表示板421はPMMA樹脂やPC樹脂等の透明な材料が使用される。
【0038】
また、
図12に示すように、表示板ケース422の背面側には本体200に表示部400を取付ける為の表示部側本体係合部(上側)423、表示部側本体係合部(下側)424を有している。表示部側本体係合部(上側)423と表示部側本体係合部(下側)424は表示板ケース422の左右に対称形状にて設けられている。この状態にて本体200の前面の開口部(開口の開口面)は、表示部400によって閉塞された状態となる。これによって、光源部300の取付の際に不用意に本体200の内部に触れることを防止できる。
【0039】
図13は本体200に対する表示部400および光源部300の取付方法を示す図である。表示部400は本体200に対し上から下方向へのスライドによって取付けられる。表示部400が本体200に取付けられたのちに、光源部300を器具前面側より本体200および表示部400に嵌合させ、取付ける。係合関係は上記の
図10の説明で述べたとおりである。
【0040】
図14は本体200および表示部400の光源部300に対する係合部を示す図である。本体200の上側面には本体側光源部係合部226が左右にそれぞれ対称形状で設けられている。これは実施の形態1に示す光源部300(基板ホルダ301)の係合爪329に対応するものである。また、表示部400の上部には表示部側光源部係合部427が左右にそれぞれ対称形状に設けられている。これは実施の形態1に示す光源部300(基板ホルダ301)の係合突起328に対応するものである。
【0041】
図16は本体200と光源部300の係合状態を示す断面図である。
図16の断面は、
図9(d)のB−B断面である。この
図16に示す断面は、光源部300の、本体200、表示部400への装着後における、
図15のB−B断面をB方向からみたものに相当する。光源部300に設けられた係合爪329は本体200の前面側から本体200に取付けられる。その際、係合爪329は本体側光源部係合部226を変形しながらのりこえ、弾性により形状が戻ることで嵌合し取付けられる。
【0042】
図17は光源部300と表示部400の係合状態を示す断面図である。
図17の断面は、
図9(d)のC−C断面である。またこの
図17の断面は、光源部300の、本体200、表示部400への装着後における
図15のC−C断面をC方向からみたものに相当する。光源部300に設けられた係合突起328は表示部400に設けられた表示部側光源部係合部427の手前の小突起428(
図14)を変形しながらのりこえ、弾性により形状が戻ることで表示部側光源部係合部427と嵌合し、取付けられる。嵌合状態は
図17の様になる為、上下方向の移動が規制され、光源部300と表示部400との位置関係(上下方向の位置関係)はクリアランス以上の変動は起こらない。その為、表示装置1000の光学特性の変動を抑制することが可能となる。なお、光源部300の上部係合部330と本体200の上部係合部本体側光源部移動抑止部225が当接することで、光源部300と表示部400が同時に移動し、本体200から外れることを防止することができる。
【0043】
上記構成とすることにより、光源部300の着脱を容易にかつ確実に行うことができ、表示装置1000の光学性能の変動を抑制することが可能となる。また、本実施の形態の構成によれば、光源部300は表示装置1000の外郭を構成するように本体200に配設されるので、効率よく放熱することが可能となる。本実施の形態の説明では基板ホルダ301は合成樹脂としているが、放熱性能を高めたい場合は、放熱性樹脂や、金属系材料とすることで、更に放熱効果を高めることが可能である。