特許第6576439号(P6576439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6576439電気的駆動で流量を制御する少なくとも1つの弁を有するフローアッセイとその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576439
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】電気的駆動で流量を制御する少なくとも1つの弁を有するフローアッセイとその方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20190909BHJP
【FI】
   G01N35/08 A
【請求項の数】27
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-514894(P2017-514894)
(86)(22)【出願日】2015年9月11日
(65)【公表番号】特表2017-527817(P2017-527817A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】US2015049590
(87)【国際公開番号】WO2016044080
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2018年9月6日
(31)【優先権主張番号】14/490,956
(32)【優先日】2014年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515116467
【氏名又は名称】トキタエ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ガスペリーノ,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ニコルズ,ケヴィン ポール フラッド
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,ベンジャミン ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】イルディリム,オズグル エメク
【審査官】 野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−125900(JP,A)
【文献】 特開2011−220808(JP,A)
【文献】 特表2010−515877(JP,A)
【文献】 特表2006−509187(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0181184(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0136550(US,A1)
【文献】 Charmaine K.W.Koo,An inkjet-printed electrowettiong valve for paper-fluidic sensors,Analyst,2013年,138,4998−5004頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00−1/44
G01N 35/00−37/00
G01N 33/48−33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中における分析物の存在を検知するためのフローアッセイであって、
サンプルを内部に導入可能な近位端と、前記近位端から離間された遠位端と、第2面から離間された第1面と、前記近位端と前記遠位端との間でなおかつ前記第1面と前記第2面との間に配されたギャップと、を有する少なくとも1つの親水性多孔質層と、
前記少なくとも1つの親水性多孔質層の前記第1面と隣接して配置され、部分的に前記ギャップを規定する、少なくとも1つの第1疎水性層と、
前記少なくとも1つの親水性多孔質層の前記第2面と隣接して配置され、部分的に前記ギャップを規定する、少なくとも1つの第2疎水性層と、
前記少なくとも1つの第1疎水性層と電気的に接続され、当該少なくとも第1疎水性層によって前記少なくとも1つの親水性多孔質層から分離された、第1電極と、
前記少なくとも1つの第2疎水性層と電気的に接続され、当該少なくとも第2疎水性層によって前記少なくとも1つの親水性多孔質層から分離された、第2電極と、
前記第1および第2電極と電気的に接続された電源とを備え、
前記電源は、前記少なくとも1つの親水性多孔質層の前記ギャップを横切るように少なくとも前記分析物が流れることを可能とするため、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を発生させることを特徴とするフローアッセイ。
【請求項2】
前記ギャップが空気によって占められていることを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項3】
疎水性多孔質材料が前記ギャップに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの親水性多孔質層が、前記ギャップにより互いに離間された少なくとも2つの多孔質性の部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項5】
前記第1または第2電極と、前記少なくとも1つの第1疎水性層または前記少なくとも1つの第2疎水性層のうちの対応するものとの間に配置された、少なくとも1つの絶縁層をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項6】
前記電源が、前記第1電極と前記第2電極との間に少なくとも9Vを選択的に供給することを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項7】
前記第1電極、前記第2電極、前記第1疎水性層、および前記第2疎水性層のうち少なくとも1つが、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加している際に、前記サンプルと化学反応するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項8】
前記第1電極または前記第2電極が、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されている際に、液内において前記サンプルとともに酸化還元反応を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの親水性多孔質層と、前記少なくとも1つの第1疎水性層と、前記少なくとも1つの第2疎水性層と、前記第1電極と、前記第2電極とが、集合して横方向のフローアッセイを規定していることを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの親水性多孔質層が、前記分析物と化学反応するように選択された結合体(conjugate)を含むことを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項11】
さらに、起動信号の受信に応じて、選択時間間隔(selected time period)の後に前記電源を起動するように構成された制御電気回路を含む制御システムをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項12】
少なくとも1つの親水性多孔質層、前記少なくとも1つの第1疎水性層、前記少なくとも1つの第2疎水性層、前記第1電極、前記第2電極、または前記電源のうちの1またはそれ以上の部分を少なくとも部分的に包囲するハウジングをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のフローアッセイ。
【請求項13】
サンプル中における分析物の存在を検知するための方法であって、
サンプルを内部に導入可能な近位端と、前記近位端から離間された遠位端と、第2面から離間された第1面と、前記近位端と前記遠位端との間でなおかつ前記第1面と前記第2面との間に配されたギャップと、を有する少なくとも1つの親水性多孔質層と、
前記少なくとも1つの親水性多孔質層の前記第1面と隣接して配置され、部分的に前記ギャップを規定する、少なくとも1つの第1疎水性層と、
前記少なくとも1つの親水性多孔質層の前記第2面と隣接して配置され、部分的に前記ギャップを規定する、少なくとも1つの第2疎水性層と、
前記少なくとも1つの第1疎水性層と電気的に接続され、当該少なくとも第1疎水性層によって前記少なくとも1つの親水性多孔質層から分離された、第1電極と、
前記少なくとも1つの第2疎水性層と電気的に接続され、当該少なくとも第2疎水性層によって前記少なくとも1つの親水性多孔質層から分離された、第2電極と、
前記第1および第2電極と電気的に接続された電源とを含む、フローアッセイを準備し、
前記フローアッセイの前記少なくとも1つの親水性多孔質層の前記近位端に前記サンプルを導入し、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加し、前記少なくも1つの第1疎水性層または前記第2疎水性層のうちの少なくとも1つの疎水性を変更することを特徴とする方法。
【請求項14】
前記少なくも1つの第1疎水性層または前記第2疎水性層のうちの少なくとも1つの疎水性を変更するのに有効な電圧を前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する際、前記フローアッセイの前記少なくとも1つの親水性多孔質層内の前記ギャップを横切るように少なくとも前記分析物が流れることを可能とする電圧を印加することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくも1つの第1疎水性層または前記第2疎水性層のうちの少なくとも1つの疎水性を変更するのに有効な電圧を前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する際、前記第1電極、前記第2電極、前記少なくとも1つの第1疎水性層、または前記少なくとも1つの第2疎水性層のうち少なくとも1つと、前記サンプルとの間で、化学反応を可能とし、前記第1電極、前記第2電極、前記少なくとも1つの第1疎水性層、または前記少なくとも1つの第2疎水性層のうち少なくとも1つの表面上に反応生成物を形成するような電圧を印加し、
前記反応生成物は、少なくとも部分的に親水性であるか、あるいは、前記第1電極、前記第2電極、前記少なくとも1つの第1疎水性層、または前記少なくとも1つの第2疎水性層よりも低い疎水性であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記電圧を印加する前に、所定時間だけ前記サンプルを前記ギャップに流すことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記分析物の種類、サンプルの種類、前記ギャップの長さ、前記ギャップ内の材料の存在および種類、または前記少なくとも1つの親水性多孔質層の長さの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの親水性多孔質層を形成する親水性多項材料を選択することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記フローアッセイは、起動信号の受信に応じて、前記第1電極と前記第2電極との間における電圧の印加を制御するように構成された制御電気回路を有する制御システムを含み、
前記制御システムは、前記制御電気回路が電圧印加を指示してから、または前記サンプル種類が入力されてから、選択された時間間隔の後、前記制御電気回路に送信され得るよう前記起動信号に対する指示を与えることが可能なユーザーインターフェースを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
ユーザーインターフェースにより前記サンプル種類を選択し、
少なくとも部分的に前記サンプル種類に基づいて、選択された時間間隔の後に前記電圧を印加することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記フローアッセイが、前記ギャップ内に配置された疎水性材料を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記フローアッセイが、前記ギャップ内に配された空気を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記第1電極および前記第2電極のそれぞれが、導電層を含み、当該導電層を通して少なくとも1つの親水性多孔質層を視認することができるとともに、
前記第1電極または前記第2電極の少なくとも1つを通して前記分析物の存在を視覚的に検知することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項23】
サンプル中における分析物の存在を検知するためのフローアッセイであって、
サンプルを内部に導入可能な近位端と、前記近位端から離間された遠位端と、第2面から離間された第1面と、前記近位端と前記遠位端との間でなおかつ前記第1面と前記第2面との間に配されたギャップと、を有する少なくとも1つの親水性多孔質層と、
前記少なくとも1つの親水性多孔質層の前記第1面と隣接して配置され、部分的に前記ギャップを規定する、少なくとも1つの第1疎水性層と、
前記少なくとも1つの親水性多孔質層の前記第2面と隣接して配置され、部分的に前記ギャップを規定する、少なくとも1つの第2疎水性層と、
前記少なくとも1つの第1疎水性層と電気的に接続され、当該少なくとも第1疎水性層によって前記少なくとも1つの親水性多孔質層から分離された、第1電極と、
前記少なくとも1つの第2疎水性層と電気的に接続され、当該少なくとも第2疎水性層によって前記少なくとも1つの親水性多孔質層から分離された、第2電極と、
前記第1および第2電極と電気的に接続され、少なくとも1つの親水性多孔質層の前記ギャップを横切るように少なくとも前記分析物が流れることを可能にするため、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を発生させる電源と、
起動信号の受信に応じて、選択時間間隔(selected time period)の後に前記電源を起動するように構成された制御電気回路を含む制御システムと、を備えたことを特徴とするラテラルフローアッセイ。
【請求項24】
前記制御システムは、前記選択時間間隔を選択可能で、前記選択時間間隔の選択に応じて、制御電気回路に前記起動信号を送信することが可能な、ユーザーインターフェースを含むことを特徴とする請求項23に記載のラテラルフローアッセイ。
【請求項25】
前記制御システムは、分析対象のサンプル種類を選択し得るユーザーインターフェースを含み、前記制御電気回路は、選択された前記サンプル種類に基づいて、前記選択時間間隔を決定するように構成されていることを特徴とする請求項23に記載のラテラルフローアッセイ。
【請求項26】
疎水性多孔質材料が前記ギャップに配置されていることを特徴とする請求項23に記載のラテラルフローアッセイ。
【請求項27】
前記第1電極、前記第2電極、前記少なくとも1つの第1疎水性層、または前記少なくとも1つの第2疎水性層のうち少なくとも1つは、電圧印加されている間、前記サンプルと化学反応するように構成され、
前記化学反応の生成物は、前記第1電極、前記第2電極、前記少なくとも1つの第1疎水性層、または前記少なくとも1つの第2疎水性層のうち少なくとも1つの一部を被覆し、
前記化学反応の生成物は、少なくとも部分的に親水性であるか、あるいは、前記第1電極、前記第2電極、前記少なくとも1つの第1疎水性層、または前記少なくとも1つの第2疎水性層よりも低い疎水性であることを特徴とする請求項23に記載のフローアッセイ。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
優先出願の全ての主題は、本書と矛盾しない限りにおいて、参照として本書に組み込まれる。
【0002】
ラテラルフローアッセイ(“LFA”)は、コストのかかる設備を必要としない、サンプル内の分析物の有無を検知する紙を素材とするデバイスであり得る。複数のラテラルフローアッセイ(LFA)は、医療の診断道具として共通した点を持つ。
【0003】
ラテラルフローアッセイは、内部および表面上で化学反応を起こすことができる多孔質膜(例えば、紙)を通して、目的のサンプルをウィッキング(例えば、毛管現象)することにより機能する。ラテラルフローアッセイは、その内部に結合体を包含することができる。結合体は、通常、サンプル内の検知対象分析物(suspected analyte)と溶解、反応、着色、タグ付け、または接着を行う必要がある溶媒および反応物を提供できるよう形成されたものである。そこで、もし分析物が存在しているならば、結合体またはその構成要素は、サンプル内の分析物と反応するようになる。結合体は、分析物、反応した分析物、または分析物と結合した複合体の存在を視覚的に表示するために構成された、タガントまたは別の材料を含んでいてもよい。一般には、ラテラルフローアッセイの出力は、ラテラルフローアッセイの長さに沿ったある場所での視覚的な変化である。多くのラテラルフローアッセイは、ラテラルフローアッセイの遠位端の近傍に分析物を収集するような材料を包含しており、この分析物と、分析物と結合した任意のタガントとは、高濃度で結合することで、陽性または陰性の結果を視覚的に表示できる。
【0004】
複数のラテラルフローアッセイは、液体が一旦ラテラルフローアッセイに入ると、流量制御が制限されたものとなる場合があり、液体は、Lucas-Washburn方程式によって少なくとも部分的に規定された所定の速度で毛管現象を介して流れ続ける。流量制御がない場合では、ラテラルフローアッセイで実行される化学反応の複雑さは限定されたものとなる。
【発明の概要】
【0005】
本書で開示された実施形態は、流量を制御するように構成された、電気駆動するバルブを包含したフルードアッセイ(例えば複数のLFA)を対象としたものである。フルードアッセイ等の操作方法もまた開示している。
【0006】
一実施形態では、サンプル中における分析物の存在を検知するフローアッセイが開示されている。フローアッセイは、サンプルを内部に導入可能な近位端と、近位端から離間された遠位端と、第2面から離間された第1面と、近位端と遠位端との間でなおかつ第1面と第2面との間に配されたギャップと、を有する少なくとも1つの親水性多孔質層を包含する。フローアッセイは、少なくとも1つの親水性多孔質層の第1面と隣接して配置され、部分的にギャップを規定する、少なくとも1つの第1疎水性層と、少なくとも1つの親水性多孔質層の第2面と隣接して配置され、部分的にギャップを規定する、第2疎水性層と、を包含する。フローアッセイは、第1電極と第2電極とを包含し、第1電極は、少なくとも1つの第1疎水性層と電気的に接続され、少なくとも第1疎水性層によって少なくとも1つの親水性多孔質層から分離されており、第2電極は、少なくとも第2疎水性層と電気的に接続され、当該少なくとも第2疎水性層によって前記少なくとも1つの親水性多孔質層から分離されている。フローアッセイはさらに、第1および第2電極と電気的に接続された電源を備え、電源は、第1電極と第2電極との間に電圧を発生させるように構成されている。
【0007】
一実施形態では、サンプル中における分析物の存在を検知するための方法を開示している。本方法は、サンプルを内部に導入可能な近位端と、近位端から離間された遠位端と、第2面から離間された第1面と、近位端と前記遠位端との間で、および第1面と第2面との間で配されたギャップと、を備える少なくとも1つの親水性多孔質層を包含したフローアッセイを提供する工程を含む。提供されたフローアッセイは、少なくとも1つの親水性多孔質層と、少なくとも1つの親水性多孔質層の第1面と隣接して配置され、部分的にギャップを規定する、少なくとも1つの第1疎水性層と、少なくとも1つの親水性多孔質層の第2面と隣接して配置され、部分的にギャップを規定する、少なくとも1つの第2疎水性層と、少なくとも1つの第1疎水性層と電気的に接続され、当該少なくとも第1疎水性層によって前記少なくとも1つの親水性多孔質層から分離された、第1電極と、少なくとも1つの第2疎水性層と電気的に接続され、当該少なくとも第2疎水性層によって前記少なくとも1つの親水性多孔質層から分離された、第2電極と、第1および第2電極と電気的に接続された電源と、を備える。本方法は、フローアッセイの少なくとも1つの親水性多孔質層の近位端にサンプルを導入する工程を包含する。本方法はさらに、少なくとも1つの第1疎水性層または第2疎水性層の内少なくとも1つの疎水性を変更するのに効果的である、第1電極と第2電極の間に電圧を印加する工程を包含する。
【0008】
任意の開示された実施形態から得られる特徴は、制限することなく相互に組み合わせて使用することができる。さらに、本開示の他の特徴と利点は、下記の詳細な説明と添付図面に基づき、当業者にとって明らかであると言える。
【0009】
上述した概略は、例示的なものにすぎず、決して限定することを意図するものではない。上記の例示的な態様、実施形態及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態及び特徴が、図面、及び下記の詳細な説明を参照することによって明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、一実施形態に係るフローアッセイの等角部分断面図である。
図1B図1Bは、図1Aの1B−1B線に沿ったフローアッセイの正面から見た断面図である。
図2A図2Aは、使用時の種々の目的に応じた図1Aのフローアッセイの正面から見た断面図である。
図2B図2Bは、使用時の種々の目的に応じた図1Aのフローアッセイの正面から見た断面図である。
図2C図2Cは、使用時の種々の目的に応じた図1Aのフローアッセイの正面から見た断面図である。
図2D図2Dは、使用時の種々の目的に応じた図1Aのフローアッセイの正面から見た断面図である。
図3図3は、一実施形態に係るフローアッセイの正面から見た断面図である。
図4図4は、一実施形態に係るフローアッセイの正面から見た断面図である。
図5図5は、一実施形態に係るフローアッセイの正面から見た断面図である。
図6A図6Aは、一実施形態に係るフローアッセイの正面から見た断面図である。
図6B図6Bは、一実施形態に係るフローアッセイの正面から見た断面図である。
図7図7は、一実施形態に係るフローアッセイの正面から見た断面図である。
図8図8は、一実施形態に係るフローアッセイの正面から見た断面図である。
図9図9は、一実施形態に係るフローアッセイを使用する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本書で開示された実施形態は、流量を制御するように構成された電気駆動式の弁を含むフローアッセイ(例えばラテラルフローアッセイ)を対象としたものである。このようなマイクロフローアッセイを操作する方法も開示する。
【0012】
ラテラルフローアッセイは、非限定的に例示すると、薬物検査、妊娠検査、インフルエンザ検査、受胎能試験、ヒト免疫不全ウィルス(“HIV”)テスト、肝炎検査など、種々の目的のための医療検査を提供するために使用することができる。複数のラテラルフローアッセイは、分析物を内部に含んだサンプルを、毛細管現象を介して毛細血管床の長さを通って移動させることで機能する。毛細管輸送の間、サンプル内の分析物は、分析物の検知に一助となるべく分析物と反応するように構成された結合材料に曝される。この結合体はタガントまたは着色分子を含む。タガントまたは着色分子は、分析物、反応後の分析物の分子、または分析物の結合体と反応するように構成されており、多量に集まることで(例えば、印のついた一片に向かうことで)視覚的表示を提供する。
【0013】
開示された実施形態では、毛細血管床として機能し、電極と電気的に接続した疎水性層材料に隣接した、内部にギャップを有する親水性多孔質層を含み、この親水性多孔質層は集合して、電気的に動作する弁を形成する。ギャップと疎水性層とは、サンプル内の分析物と結合体との間で所望の反応が起こるのに十分な時間が経てば、サンプルの毛細管流動が停止するように構成されている。サンプルは、疎水性層への電圧の印加に応じて、ギャップを通過して流れることができるようにしてもよい。電圧の印加は、所望の動作パラメータまたは、別の基準に応じて、制御システムを介して制御してもよい。
【0014】
下記の詳細な説明において、本明細書の一部を構成する添付図面が参照される。図面では、同様の記号は、文脈で別途指摘しない限り、通常、同様の構成要素を特定している。詳細な説明、図面および請求項で説明されている例示的な実施形態は、限定を意味するものではない。他の実施形態を利用することができ、本明細書に示される発明特定事項の精神または範囲から逸脱することなく、他の変更をすることが可能である。
【0015】
図1A図1Bは、一実施形態に係るフローアッセイ100の図である。図1Aは、フローアッセイ100の等角断面図である。図1Bは、1B−1B線に沿った図1Aのフローアッセイ100の前側の断面図である。フローアッセイ100は、サンプル内の1つ以上の特定の分析物の存在を確認するために使用してもよい。フローアッセイ100は、少なくとも1つの親水性多孔質層110を含んでいてもよい。少なくとも1つの親水性多孔質層110は、遠位端102から離間された近位端101と、第2面104から離間した第1面103と、近位端101と遠位端102との間と、第1面103と第2面104との間とに設けられたギャップ115と、を含んでいてもよい。ギャップ115は、隣接する部材間、または少なくとも1つの親水性多孔質層110の部分間の距離“D”によって少なくとも部分的に定義される。
【0016】
フローアッセイ100は、さらに、少なくとも1つの親水性多孔質層110の第1面103に隣接して設けられた、少なくとも1つの第1疎水性層120を含む。この少なくとも1つの第1疎水性層120は、少なくとも部分的にギャップ115を規定する。フローアッセイ100は、少なくとも部分的にギャップ115を規定するために、さらに、少なくとも1つの親水性多孔質層110の第2面104に隣接して設けられた、少なくとも1つの第2疎水性層122を含む。
【0017】
フローアッセイ100は、さらに、少なくとも1つの第1疎水性層120と電気的に接続された第1電極130を含む。第1電極130は、少なくとも1つの第1疎水性層120によって少なくとも1つの親水性多孔質層110から分離していてもよい。フローアッセイ100は、さらに、少なくとも1つの第2疎水性層122と電気的に接続された第2電極132を含む。第2電極132は、少なくとも1つの第2疎水性層122によって少なくとも1つの親水性多孔質層100から分離(例えば、離間)していてもよい。フローアッセイ100は、電気的接続部142(例えばワイヤー接続)を介して、第1電極130および第2電極132に電気的に接続された電源140を含んでいてもよい。電源140は、少なくとも1つの親水性多孔質層110内のギャップ115を横切るように少なくとも分析物が流れることを可能とするのに有効な電圧を、第1電極130と第2電極132との間に生成、供給、または印加するように構成されてもよい。アクチュエータ144は、電源140と電気的に接続しており、電圧の印加を開始および中止するように構成されてもよい。フローアッセイ100は、親水性多孔質層110の少なくとも一部分を包む筐体150と、第1疎水性層120および第2疎水性層122と、第1電極130および第2電極132と、電源140、または電気的接続部142とを選択的に包含してもよい。
【0018】
使用時には、フローアッセイ100は、サンプル内の特定の分析物または複数の分析物の存在を、確認または検知するために使用されてもよい。通常のサンプルとして、希釈または非希釈の血液、血清、尿、唾液、粘液、または被検体から得た他のサンプルなどの分析物(例えば、分散、エマルション)を含んだ液体を包含してもよい。サンプルに曝されると、少なくとも1つの親水性多孔質層110は、毛細管現象によって、少なくとも1つの親水性多孔質層110を経由してサンプルを移動させることができる。サンプルは、サンプルがギャップ115に到達するまで、少なくとも1つの親水性多孔質層110を経由して移動することができる。一実施形態では、少なくとも1つの親水性多孔質層110は、さらに、少なくともその一部に結合体材料を含んでいてもよい(例えば、埋め込まれている、または、内部で分散されている)。結合体材料は、特定の分析物(例えば、抗原、分子)と結合体との複合体または分子を生み出すために特定の分析物と反応するように形成されていてもよい。通常の結合体材料は、分析物と1つ以上の結合体構成要素または指示構成要素との間で十分に反応または結合ができるように形成した、化学反応物、抗体、生物活性物質、砂糖、塩、タガント、または他の材料を包含していてもよい。例えば、分析物は、ウィルスまたは抗原であってもよく、結合体はウィルスまたは抗原に対する抗体であってもよい。
【0019】
少なくとも1つの親水性多孔質層110の毛細管現象の許容時間よりも長い間、サンプルと結合体材料とを強制的に反応させることが望ましい場合もある。例えば、結合体とサンプル内の分析物との間での反応が十分に進展するのに20分間要する場合、一方で毛細管現象によって、分析物が15分以下で、視覚領域または反応生成物の視覚的表示を示すように設けられた指示ストリップを通過した場合、誤りの陰性の検査結果(false negative test result)が生じる。
【0020】
フローアッセイ100において、ギャップ115における少なくとも1つの親水性多孔質層110の部分間の距離“D”と、第1疎水性層120および第2疎水性層122の疎水性による影響とのため、サンプルは、遠位端102に向かって進行することはできない。電圧は、電気接続部142を介して、少なくとも1つの第1電極130または第2電極132に、電源140から供給することができる。電源140に電気的に接続されたアクチュエータ144は、第1電極130または第2電極132への電圧の印加を制御することができる。印加された電圧は、サンプルに対して、サンプルがギャップ115を通過して、遠位端102に向かって進行することが可能となるよう作用する。電圧は、結合体材料とサンプル内の分析物との間の反応が十分な程度まで進行する、または効果的であるのに十分な時間経過後のみ、選択的に印加することができる。結合体材料がサンプルと反応すると、新しい分子または複合体を形成することができる。電圧が印加されると、複合体または新しい分子は、第1疎水層120または第2疎水層122のうちの1つ以上における疎水性の低減、親水性の誘発、またはエレクトロウェッティング(electro-wetting)、および、遠位端102に最も近い少なくとも1つの親水性多孔質層110内の毛細管現象によって、遠位端102に向かって進行する。電圧の印加は、サンプル上のエレクトロウェッティング効果(例えば、液体の接触角度を低くすること)があり、その結果、サンプルがギャップ115を横切ることを可能にする。
【0021】
理論に縛られることなく、サンプル材料または結合体に接触した、ある疎水性材料または電極への電圧の印加は、低疎水性の材料の層を形成するか、または疎水性材料の表面上に少なくとも部分的に親水性材料を形成することになり、その結果、サンプル材料が遠位端102に進行することができる。低疎水性材料の層または少なくとも部分的に親水性である材料は、液体の接触角を、液体(例えば、サンプル)がギャップ115を横切るように十分な角度まで低くすることができる。したがって、本書で記載した電気駆動された流体弁は、ギャップ115においてサンプルと接触する、疎水性材料(または電極)の表面を、エレクトロウェッティングまたは当該表面上に少なくとも低疎水性材料を形成/塗布のうち1つ以上を実施している間、少なくとも部分的に機能することができる。
【0022】
一実施形態では、1つ以上のタガントを、結合体内または遠位端102近傍の少なくとも1つの親水性多孔質層110内、または表面上に設けてもよい。1つ以上のタガントは、1つ以上のライン(縞、またはストライプなど)、ドット、ブロック、形状、他のデザイン、または前述の1つ以上の項目の組み合わせの内部にある、少なくとも1つの親水性多孔質層110の幅を横切って配置されてもよい。1つ以上のタガントは、結合体/分析物の複合体、結合体が変性された分析物、または分析物分子と反応して、サンプル内の結合体/分析物の複合体、結合体が変性された分析物、または分析物分子の存在を視覚的に表示できるよう形成されてもよい。タガントは、天然ゴム、金(コロイダル金など)、または表示部等の上に高濃度で濃縮することで分析物との反応を色の変化または視覚的表示で提供するように構成されている他の好適な分子を包含してもよい。
【0023】
一実施形態では、フローアッセイ100は、表示部または実験線を含有し得る。表示部は、少なくとも1つの親水性多孔質層110の不連続部であってもよく、当該親水性多孔質層110の不連続部は、遠位端102の近傍であってもよい。表示部は、高濃度分子または粒子を包含してもよく、当該高濃度分子または粒子は、サンプル内で表示部上に配置された、結合体/分析物の複合体、結合体が変性した分析物、または分析物の分子(任意の結合タガントを含む)と結合するように構成されている。表示部は、結合体/分析物の複合体、結合体が変性した分析物、または分析物の分子に結合できるように構成された、結合分子、抗体、または他の粒子を包含していてもよい。結合体/分析物の複合体、結合体が変性した分析物、または分析物の分子(結合タガントを含む)について表示部内で結合する数が増えれば増えるほどは、視覚的表示(着色や体色変化など)が内部で進行/発現を開始し始める。表示部は、所望のストリップ、縞、点、または他の形状として構成されてもよい。
【0024】
一実施形態では、フローアッセイ100は、フローアッセイが適切に動作したことの視覚的表示を提供できるよう構成された制御部または制御ラインを包含してもよい。制御部は、少なくとも1つの親水性多孔質層110の不連続部に配置されてもよく、または遠位端102の近傍(例えば、表示部よりも遠位端の方に近い側)に配置されてもよい。制御部は、親水性多孔質層110の不連続部に配置された分子、または分子群を包含してもよい。制御部内の分子は、フローアッセイ100が適切に動作または完了したことを実証するために、サンプル(サンプルの流体内にある、またはサンプルとともに運ばれた任意の物体など)と反応するように構成されてもよい。制御部は制御タガントをその内部に包含してもよい。制御タガントは、天然ゴム、金、または任意の粒子を包含してもよく、これにより、これらが多量に濃縮して存在することが視覚的に表示される。
【0025】
一実施形態では、親水性多孔質層110は、1つ以上の貯蔵部を包含してもよい。1つ以上の貯蔵部は、パッド、リザーバ、または親水性多孔質層110の他の部分と比べて、大量のサンプルを貯蔵できるように構成された疎水性多孔質層110の一部であってもよい。例えば、フローアッセイ100は、近位端101の近傍に、少なくとも1つの親水性多孔質層110に滴下した多量のサンプルの流体を、保持できるように構成された貯蔵部を包含してもよい。少なくとも1つの親水性多孔質層110は、そこからサンプルを引くことができる(例えば、サンプルは、毛管現象によって親水性多孔質層110を通って移動する)。類似の貯蔵部を、遠位端102の近傍に配置させ、さらに内部にサンプルを逃がすように構成してもよく、その結果、遠位端102まで移動させるのに十分な量のサンプルを導入または許容することで、正確な結果を提供することとなる。
【0026】
本書で記載した任意のフローアッセイは、1つ以上のタガント、1つ以上の貯蔵部、1つ以上の表示部、または制御部を包含してもよい。
【0027】
一実施形態では、少なくとも1つの親水性多孔質層110は、厚さを有する多孔質材料(マトリクス材など)であってよい。少なくとも1つの親水性多孔質層110は、非限定的に例示すると、多孔性の紙、ガラス繊維(ガラス繊維でできたマット、またはパッドなど)、ポリマー(炭化ポリマーなど)、またはそれらを通じて、横方向の流れを誘起させるための効果的な毛管現象を可能にする任意の他の材料を包含していてもよい。例えば、少なくとも1つの親水性多孔質層110は、ニトロセルロース(ニトロセルロースまたは酢酸セルロースでできた、紙またはパッドなど)を包含していてもよい。
【0028】
少なくとも1つの親水性多孔質層110は、長さおよび幅があってもよい。長さは、近位端101から遠位端102までの測定値として、少なくとも約0.25インチでよく、例えば約0.5インチ〜約5インチ、約1インチ〜約4インチ、約1.5インチ〜約3インチ、約0.5インチ〜約2インチ、約0.5インチ、約1インチ、約1.5インチ、約2インチ、約2.5インチ、約3インチ、または約4インチであってよい。幅は、第1面103から第2面104までの測定値として、少なくとも、約0.125インチでよく、例えば、約0.25インチ〜約1、約0.375インチ〜約0.75インチ、約0.5インチ〜約0.625インチ、約0.25インチ〜約0.75インチ、約0.25インチ、約0.5インチ、約0.625インチ、約0.75インチ、または約1インチであってよい。一実施形態では、少なくとも1つの親水性多孔質層110は、幅に対する長さの比は、約1:1、またはそれより大きく、例えば約1:1〜約20:1、約2:1〜約10:1、約3:1〜約8:1、約4:1〜約6:1、約2:1、約3:1、約4:1、または約5:1であってもよい。
【0029】
一実施形態では、ギャップ115は、少なくとも1つの親水性多孔質層110に隣接する部分間の距離Dによって規定してもよい。一実施形態では、ギャップ115は、例えば、実質的に空気のみで占有された空(から)の状態であってもよい。少なくとも1つの親水性多孔質層110の隣接部は、近位端101における近位部と、遠位端102における遠位部と、近位部と遠位部との間に配されたギャップ115と、を包含してもよい。一実施形態では、ギャップ115は、少なくとも1つの親水性多孔質層110の全幅に渡って伸展していてもよい。別の言い方をすれば、ギャップ115は、第1面103から第2面104まで伸展していてもよい。距離Dは、サンプルの所望の接触角、サンプルがギャップ115を横切るために必要な電圧、または小間隔のギャップ115を形成する方法の制約に基づいて選択してもよい。ギャップ115は、距離Dを、フローアッセイ100の長さに沿った近位部と遠位部との間で示し、約0.001インチ以上、例えば、約0.001インチ〜約1インチ、約0.005インチ〜約0.5インチ、約0.01インチ〜約0.05インチ、約0.02インチ〜約0.04インチ、約0.02インチ〜約0.3インチ、約0.05インチ〜約0.5インチ、約0.025インチ、約0.05インチ、約0.1インチ、約0.25インチ、または約0.5インチであってもよい。
【0030】
第1疎水性層120および第2疎水性層122は、疎水性を低減させ、より高い親水性を有する材料で被覆し、または浸食する材料を包含しており、これにより疎水性層に電圧を印加すると、より多くの親水性材料が露出する。一例として、第1疎水性層120および第2疎水性層122は、非限定的に例示すると、ポリマー、シリコーン、シラン(トリクロロ(ペルフルオロオクチル)シランなど)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトオキシラン(heptadecafluorodecyltrimethoxysilane)、オクタデジメチルクロロシラン(octadecyldimethylchlorosilane)、ジメチルジクロロシラン(dimethyldichlorosilane)、テフロン(登録商標)、またはテフロン(登録商標)AFを包含していてもよい。第1疎水性層120および第2疎水性層122は、各々同じ材料、または異なる材料で形成されていてよい。
【0031】
第1電極130および第2電極132の各々は、陽極または陰極として機能するために好適な任意の材料を包含していてもよい。一例として、第1電極130および第2電極132は、薄膜、プレート、ワイヤまたは任意の他の好適な導電構造の形態で、金属、合金、または他の好適な導電性を示す化合物を包含していてもよい。非限定的に例示すると、第1電極および第2電極のうち少なくとも1つは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、准金属、前述の内の1つ以上からなる合金、炭素含有材料(グラファイト、または焼結ポリマー)、または前述の内の1つ以上からなる酸化物(例えば、ニッケル、鉄、銅、銀、金、白金、パラジウム、亜鉛、スズ、アルミニウム、インジウム、リチウム、チタニウム、ゲルマニウム、またはインジウムスズ酸化物)を包含していてもよい。一実施形態では、第1電極130を陽極として構成し、第2電極132を陰極として構成してもよい。一実施形態では、第1電極130を陰極として構成し、第2電極132を陽極として構成してもよい。一実施形態では、第1電極130および第2電極132は、同じ材料、または異なる材料を包含していてもよい。一実施形態では、第2電極132内の1つ以上の第1電極130は、少なくとも1つの親水性多孔質層110が見えるように導電層を包含してもよい(インジウムスズ酸化物など)。
【0032】
一実施形態では、第1または第2電極である130および132のうち少なくとも1つは、電圧を印加している間、サンプル、または結合体要素と化学的に反応するように構成されてもよい。一実施形態では、電圧を印加している間、化学反応を起こすように構成されている第1または第2電極130および132のうち少なくとも1つは、化学反応生成物で被覆されるように構成され、化学反応生成物は、元の電極材料よりも少なくとも部分的に親水性または低疎水性であるように構成されている。一実施形態では、第1または第2電極130および132のうち少なくとも1つは、第1電極130と第2電極132との間に電圧を印加している間、サンプル、またはサンプルの構成成分と酸化還元反応を起こすように構成されていてもよい。
【0033】
一実施形態では、第1または第2疎水性層、120および122のうち少なくとも1つは、電圧を印加している間、サンプルと化学反応するように構成されていてもよい。一実施形態では、電圧を印加している間、サンプルと化学反応するように構成された、第1または第2疎水性層、120および122のうち少なくとも1つは、化学反応生成物で被覆されるように構成され、化学反応生成物は、第1または第2疎水性層、120、122のうち少なくとも1つよりも、少なくとも部分的に親水性または低疎水性であるように構成されている。一実施形態では、第1または第2疎水性層、120、122のうち少なくとも1つは、第1電極130と第2電極132との間に電圧を印加している間、サンプル、またはサンプルの構成成分と酸化還元反応を起こすように構成されていてもよい。
【0034】
少なくとも1つの親水性多孔質層110、1つ以上の第1疎水性層120、第2疎水性層122、第1電極130、または第2電極132は、伸長した全体の長さが、少なくとも1つの親水性多孔質層110の長さより短くてもよい。1つ以上の第1疎水性層120、第2疎水性層122、第1電極130、または第2電極132は、ギャップ115において、電圧の印加によりサンプルがギャップ115を横切ることが可能とするのに有効な最小の距離Dだけ延びていてもよい。一例として、第1疎水性層120、第2疎水性層122、第1電極130、および第2電極132は、印加された電圧によってサンプルがギャップ115を横切るよう誘導するのに効果的な、ギャップ115の両側を通過するわずかな距離(たとえば少なくとも1つの親水性多孔質層110をオーバーラップするように)延びていてもよい。
【0035】
第1電極130および第2電極132は、電気接続部142(ワイヤー接続など)を介して電源140に電気的に接続されてもよい。電源140は、指定された電圧(例えば、9V)を第2電極132内の少なくとも1つの第1電極130に選択的に供給できるよう構成された、1つ以上のバッテリーまたは固定電源装置(固定配線(hard wiring)、プラグインアダプタ)を包含していてもよい。一例として、電源140は、少なくとも約1V、例えば、約1V〜約75V、約3V〜約30V、約6V〜約12V、約1V〜約9V、約3V、約6V、約9Vを供給できる。アクチュエータ144は、第1電極130と第2電極132との間に印加する電圧を制御するバッテリーと電気的に接続されていてもよい。アクチュエータ144は、手動制御(ボタン、スイッチ、ダイアル、レバーなど)または自動制御(制御センサー、制御タイマー、制御電気回路など)で動作できる。電源140は、内部に任意の構成要素を包含した全てまたはいくつかのフローアッセイ100に電圧を供給することができる。
【0036】
図1Aに示すように、筐体150は、少なくとも1つの多孔質層110と、第1疎水性層120と、第2疎水性層122と、第1電極130と、第2電極132と、電源140と、電気接続部142と、を実質的に囲んでいてもよい。アクチュエータ144(図1B参照)は、筐体150内で少なくとも部分的に囲まれていてもよい。筐体150は、1つ以上の開口部155(切り抜き、覗き穴、または窓)を備えていてもよく、これを通してフローアッセイを見ることができる。1つ以上の開口部は、ユーザーがフローアッセイ100を視覚的に検査できるように透明材料(ガラス、プラスチック、または同等のもの)で覆われていてもよい。筐体150は、サンプルの開口部157を近位端101上または近傍に備えてもよく、開口部157を介して、サンプルが少なくとも1つの多孔質層110に導入するのを可能にする。一実施形態では、少なくとも1つの親水性多孔質層110が、サンプル開口部157から外に、筐体150の外側の囲いまで、または外側の囲いを越えて突き出してもよい。
【0037】
筐体150は、少なくとも1つの親水性多孔質層110、第1疎水性層120、第2疎水性層122、第1電極130、第2電極132、電源140、電気接続部142、およびアクチュエータ144よりも厚く、これらを囲うのに十分な厚さ“T”を有していてもよい。一実施形態では、筐体150は、筐体150の分割体を2つ形成するのに十分な長さおよび幅に対応する厚さTにおける任意の地点で2分割してもよく、クラムシェル式で開口することが可能となる(図示しない)。上記構成により、同じ筐体150内で、種々のフローアッセイ(種々の分析物を検知することができるように構成されたフローアッセイなど)の取り換え、または選択、および使用が可能となる。一実施形態では、筐体150は、本書の下記に開示する追加の特徴を少なくとも一部分を囲うように構成されてもよい。一例では、筐体150は、制御電気回路を収納するよう、遠位端102で拡張されていてもよい。
【0038】
図2A−2Dは、使用時における種々の位置における図1Aおよび図1Bのフローアッセイ100の正面から見た断面図である。図2Aに示された位置では、サンプル107は、少なくとも1つの親水性多孔質層110の近位端101に導入することができる。サンプル107は、少なくとも1つの親水性多孔質層110の近位端101に、浸入、ブロッティング、スポッティング、または任意の他の好適なサンプリング方法の内1つ以上を介して導入されてもよい。少なくとも1つの親水性多孔質層110の多孔質材料は、少なくとも1つの親水性多孔質層110長さを通じて、毛管現象(ウィッキングなど)により近位端101から遠位端102に向かって、サンプルを引き寄せるか、または前進させることができる。図2Bに示される位置では、少なくとも1つの親水性多孔質層110は、サンプル107がギャップ115に到達するまで、サンプル107を遠位102に向けて引き寄せるかまたは前進させることができる。一実施形態では、結合体は、近位端101の近傍の少なくとも1つの親水性多孔質層110内に配置されてもよい。結合体は、サンプル107内の分析物と反応、結合、または当該分析物を変性するように形成されていてもよい。少なくとも1つの親水性多孔質層110の毛管現象の許容時間よりも長い時間だけ、分析物と結合体との反応が進行することを可能にする必要が生じる場合がある。図2Bに示されるように、サンプルは、ギャップ115において、反応を起こすための十分な時間の間、外的な力や刺激が加えられることなく、位置する(たとえば逆戻りせずに)ことができる。図2Cに示されるように、第1電極130と第2電極132との間に十分な電圧を印加することにより、その結果、任意の反応した分析物、または分析物と結合体の複合体を含んだサンプル107が、ギャップ115を超えて遠位端102まで進行するのを可能にすることができる。その結果、ギャップ115と、第1疎水性層120および第2疎水性層122と、第1電極130および第2電極132と、電源140とは、サンプル107がギャップ115を超えて遠位端102に向かって移動することを妨げる、または可能にすることを選択的に行う、バルブ機構として機能することができる。
【0039】
図2Dに示される箇所では、サンプルは、少なくとも1つの親水性多孔質層110内から、遠位部の遠位端102まで、毛管現象により進行することができ、その結果、遠位端102近傍における少なくとも1つの親水性多孔質層110内に配置された表示部117と接触するかまたは通過することができる。表示部117は、サンプル内の分析物と、結合体(任意のタガントを含んでいる)との間での反応生成物と反応できるように構成された複数の分子、またはサンプル107内の分析物の存在を視覚的に表示する分析物を包含していてもよい。一実施形態では、タガントは、内部にある結合分子が濃縮されると、サンプルの液体の色を変化、または特有の視覚的描写(ストライプ、ドット、形、など)を、親水性多孔質層110の表示部117上に生成することができる。分析物が表示部内の結合分子と、結合体と同じように結合するように結合分子は、抗体または結合体の分子と類似または一致する分子であってよく、その結果、表示部117内の表面上に分析物と、結合体(タガントを含む)とが集まることとなる。
【0040】
図3は、一実施形態に係るフローアッセイの図である。フローアッセイ300は、近位端301と、遠位端302と、第1の面303と第2の面304とこれらの間におけるギャップ315とを有する少なくとも1つの親水性多孔質層310を含み、親水性多孔質層310は、近位端101と、遠位端102と、第1の面103と第2の面104とこれらの間におけるギャップ115とを有する少なくとも1つの親水性多孔質層110と実質的に同等、または同一である。フローアッセイ300は、第2疎水性層122内にある第1疎水性層120と実質的に同等または同一である、第1疎水性層320と、第2疎水性層322とをさらに含んでもよい。フローアッセイ300は、第1電極130および第2電極132にそれぞれ実質的に同等または同一である、第1電極330と、第2電極332とを含んでもよい。フローアッセイ300は、電気接続部342を介して、第1電極330および第2電極332と電気的に接続された電源340を含んでもよく、電源140および142内の電気接続部と実質的に同等または同一であってよい。電源340は、アクチュエータ144と実質的に同等かまたは化同一のアクチュエータ344によって制御されてもよい。
【0041】
図示された実施形態では、フローアッセイ300は、図3に示されるように、少なくとも1つの第2疎水性層320と第2電極332との間、または少なくとも1つの第1疎水性層320と第1電極330(図示しない)との間に配置された、絶縁層360を包含していてもよい。上記の実施形態では、絶縁層360は、フローアッセイ内のサンプルへ印加される電圧値を制限するように作用し、その結果、使用時においてサンプルの温度を制御することができる。絶縁層360は、ゴム、ポリマー(テレフタル酸ポリエチレンなどのプラスチック、または(2軸配向のポリエチレンテレフタレート、またはマイラー、ポリテトラフルオロチレン、またはテフロン(登録商標)など)アセテート、アクリルなど)、セラミック材料、ガラス、または他の電気的絶縁性材料を包含してもよい。少なくとも1つの絶縁層360は、第2疎水性層322と第2電極332との間から電圧が逃げてしまうことを妨げるための十分な幅を有してもよい。例えば、少なくとも1つの絶縁層360は、約0.005インチ以上の厚さであり、約0.005インチ〜約0.125インチの間、約0.01インチ〜約0.0625インチの間、約0.025インチ〜約0.05インチの間、約0.01インチ、約0.025インチ、または約0.05インチであってもよい。図示においてはフローアッセイ300の全体の長さだけ延びているが、絶縁層360は、フローアッセイ300の全体の長さより短い長さだけ延びていてもよい。例えば、絶縁層360は、少なくとも1つの第2疎水性層322または第2電極332の箇所までだけ延びていてもよい。一実施形態では、絶縁層360は、少なくとも1つの第1疎水性層320と第1電極330との間に、実質的に上記の記載と同じように配置されてもよい。
【0042】
図4は、一実施形態に係るフローアッセイの図である。フローアッセイ400は、本書で記載したフローアッセイ100と実質的に同じものであってよい。フローアッセイ400は、近位端401と、遠位端402と、第1面403と第2の面404とこれらの間のギャップ415と、を有した少なくとも1つの親水性多孔質層410を包含しており、この少なくとも1つの親水性多孔質層410は、近位端101と、遠位端102と、第1の面103と第2の面104とこれらの間のギャップ115と、を有する少なくとも1つの親水性多孔質層110と、実質的に同等または同一である。フローアッセイ400は、第2疎水性層122内にある第1疎水性層120と実質的に同等または同一である、第1疎水性層420および第2疎水性層422を含んでもよい。フローアッセイ400は、第1電極130および第2電極132にそれぞれ実質的に同等または同一である、第1電極430と第2電極432とを含んでもよい。フローアッセイ400は、電気接続部442を介して、第1電極430および第2電極432と電気的に接続された電源440を含んでいてもよく、電源440は、電源140および142内の電気接続部と実質的同等または同一であってもよい。電源440は、アクチュエータ144と実質的に同等または同一のアクチュエータ444によって制御されてもよい。
【0043】
図示された実施形態において、疎水性多孔質材料418は、ギャップ415内に配置されている。疎水性多孔質材料418は、第1疎水性層120および第2疎水性層122に対して上記で記載した任意の材料を少なくとも1つ踏んでもよい。一実施形態では、疎水性多孔質材料418は、少なくとも1つの第1疎水性層420および第2疎水性層422内で使用される材料と異なった材料でもよい。一実施形態では、疎水性多孔質材料418は、少なくとも1つの第1疎水性層420および第2疎水性層422内で使用される材料と同一の材料でもよい。疎水性多孔質材料418は、電圧が、1つ以上の第1電極430および第2電極432に印加されるまで、サンプルが少なくとも1つの親水性多孔質層410の近位部を進行して通過することを妨げるように機能してもよい。ギャップ415内にある疎水性多孔質材料418は、疎水性を低下させ、少なくとも一部分が親水性となり、または電源440から電圧が印加されると、少なくとも1つの親水性多孔質層410の遠位端402に進行することを促進または可能にするよう構成されていてもよい。
【0044】
疎水性多孔質材料418は、近位部から少なくとも1つの親水性多孔質層410の遠位部までの距離であるギャップ415の全長に延びていてもよい。一実施形態では、疎水性多孔質材料418は、ギャップ415の全長より短くてもよく、たとえばギャップ415の全長の約1/2の長さでもよく、ギャップ415の全長の約1/4の長さでもよく、ギャップ415の全長の約1/8の長さであってもよい。上記の実施形態では、疎水性多孔質材料418は、少なくとも1つの親水性多孔質層410の近位部に隣接して設けてもよく、少なくとも1つの親水性多孔質層410の遠位部に隣接して設けてもよく、上記近位部と遠位部の間の中央に設けてもよく、または近位部と遠位部のどちらか一つまたは遠位部の近位部により近い箇所に配置されてもよい。
【0045】
図5は、一実施形態に係るフローアッセイの図である。フローアッセイ500は、本書で記載した、フローアッセイ100と実質的に同等のものであってもよい。フローアッセイ500は、近位端501と、遠位端502と、第1の面503と第2の面504とギャップ515との間と、を有した少なくとも1つの親水性多孔質層510を包含しており、近位端101と、遠位端102と、第1の面103と第2の面104とそれらの間のギャップ115と、を有した少なくとも1つの親水性多孔質層110を有していることと実質的に同等、または同一である。フローアッセイ500は、第2疎水性層122内にある第1疎水性層120と実質的に同等、または同一である、第1疎水性層520と、第2疎水性層522をさらに包含してもよい。フローアッセイ500は、第1電極130と第2電極とにそれぞれ実質的に同等、または同一である第1電極530と第2電極532とを包含していてよい。フローアッセイ500は、電気接続部542を介して、第1電極530および第2電極532と電気的に接続された電源540を包含していてよく、電源140および142内の電気接続部と実質的同等または同一であってよい。電源は、アクチュエータ144と実質的同等化、同一のアクチュエータ544によって制御されてもよい。
【0046】
フローアッセイ500は、絶縁層560とギャップ515内に配置された疎水性多孔質層518とを包含してよい。絶縁層560は、上記に記載した絶縁層360と、その任意の材料、寸法、位置、特性が実質的に同等または同一であってもよいが、これに限定されるものではない。疎水性多孔質層材料518は、図4におけるフローアッセイ400について上記で記載した材料とその任意の材料、寸法、位置、特性が実質的に同等または同一であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0047】
図6Aは、一実施形態に係るフローアッセイの図である。フローアッセイ600は、本書で記載した、フローアッセイ100と実質的に同等のものであってもよい。フローアッセイ600は、近位端601と、遠位端602と、第1の面603と第2の面604とギャップ615との間と、を有した少なくとも1つの親水性多孔質層610を包含しており、近位端101と、遠位端102と、第1の面103と第2の面104とそれらの間のギャップ115と、を有した少なくとも1つの親水性多孔質層110を有していることと実質的に同等、または同一である。フローアッセイ600は、第1疎水性層120および第2疎水性層122と実質的に同等、または同一である、第1疎水性層620および第2疎水性層622をさらに包含してもよい。フローアッセイ600は、第1電極130と第2電極とにそれぞれ実質的に同等、または同一である第1電極630と第2電極632とを包含していてよい。フローアッセイ600は、142内の電源140電気接続部と実質的同等または同一な電気接続部642を介して、第1電極630および第2電極632と電気的に接続された電源640を包含していてよい。電源は、アクチュエータ144と実質的に同等、または同一のアクチュエータ644によって制御されてもよい。
【0048】
フローアッセイ600は、制御電気回路674(1つ以上の論理回路等)を備える制御システム670を包含していてよい。制御電気回路674は、1つ以上のアクチュエータ644と動作可能に接続されているとともに、1つ以上のアクチュエータ644に選択的な指示を与えるように構成されており、これにより、1つ以上の起動または駆動信号681を介して、電源640は、第1電極630または第2電極632への電圧を供給または停止する。制御電気回路674は、選択された動作パラメータに応じた印加電圧の量、または電圧印加時間を選択的に制御することができる。制御電気回路674は、電源640と動作可能に(例えば、アクチュエータを介して、または直接に)接続されている。
【0049】
制御システム670は、制御電気回路674と動作可能に接続されるとともに制御電気回路674に制御されたタイマー676を包含してもよい。タイマー676は、スタート信号683に応じてタイミングを開始するように構成されているとともに、スタート信号683後の特定の期間経過後、制御電気回路674にタイマー信号684を送信(たとえば中継)するように構成されていてもよい。タイマー信号684は、制御電気回路674を始動させ、起動信号681をアクチュエータ644に送信し、その結果、電源640に、第1電極632または第2電極634のうちの1つ以上に電圧を供給するよう指示する。タイマー信号684に必要な期間は、少なくとも1つの親水性多孔質層610で使用されるサンプル内の検知対象の分析物と結合体との反応に係る所望の時間、少なくとも1つの親水性多孔質層610の1つ以上の寸法、少なくとも1つの親水性多孔質層610の材料の構成、またはサンプルの種類に、少なくとも部分的にまたはそれ以上に影響される場合がある。一実施形態では、スタート信号683が、ユーザーインターフェース677へのユーザーの入力、ボタン、スイッチ、コンピュータのコマンド、またはセンサーからの検知あるいはフィードバック信号に応じた制御電気回路によりトリガされる場合がある。ユーザーインターフェース677は、限定を意図せずに例示すると、制御電気回路と動作可能に接続され、制御電気回路へのユーザー入力信号687を生成できる、キーパッド、モニター、タッチスクリーン、音声コマンド認識、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0050】
下記でさらに詳細に説明すると、制御システム670の制御電気回路674が、1つ以上のタイマー676と、1つ以上のアクチュエータ644と、電源640と、または1つ以上のセンサーを備えたフローアッセイ600の動作を指示および制御するために実行する命令は、制御電気回路674内で事前にプログラム化されてもよいし、またはユーザー、あるいは医者、看護婦、実験技術者などの医療専門家等により、ユーザーインターフェース677でプログラム化されてもよい。例えば、制御電気回路674のプログラミングは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、プログラム可能な論理デバイス、またはフローアッセイ600の動作を制御するための他の方法の内の少なくとも1つの方法によって影響され得る。命令は、制御電気回路674と動作可能に接続されるとともに制御電気回路674によりアクセス可能なメモリー678に格納されてもよい。ユーザーインターフェース677は、メモリー678にデータを入力するか、またはメモリー678にアクセスするために利用されてもよい。電源640は、内部に任意の構成要素を含んだフローアッセイ600aの全部または一部に電力を供給してもよい。
【0051】
図6Bに示されたフローアッセイ600は、図6Aに示されたフローアッセイと実質的に同等または同一であってよく、制御電気回路674と動作可能に接続された(有線接続、または無線接続など)1つ以上のセンサー672aおよびセンサー672bをさらに含んでもよい。1つ以上のセンサー672aおよびセンサー672bは、制御電気回路674へ、検知またはフィードバック信号676を送信するように構成されていてもよい。1つ以上のセンサー672aおよびセンサー672bは、限定を意図せずに例示すると、サンプルの存在、サンプルのpH、サンプルの抵抗値、または任意の他の好適な基準を検知できるように構成されていてもよい。例えば、1つ以上のセンサー672aおよびセンサー672bは、pHメータ、抵抗測定器、または他の好適なセンサーの内1つを含んでもよい。制御電気回路674を備える制御システム670は、1つ以上の起動または駆動信号681によって、電源640が、1つ以上のセンサー672aおよびセンサー672bから得られたフィードバックに応答して、第1電極630または第2電極632へ電圧を供給するように、1つ以上のアクチュエータ644に対して選択的に命令を行なうように構成されていてもよい。タイマー信号684、ユーザーの入力信号687(瞬時に電圧を印加するためのユーザーの指示など)、またはセンサーのフィードバック信号686は、総称してまたは個別に起動信号681と記載される場合もある。1つ以上の起動信号681は、起動信号681をアクチュエータ644に中継可能な制御電気回路674に送信されてもよい。センサー672aおよびセンサー672bから得られたフィードバック信号686は、サンプルの存在の検知、特定のpHの検知、サンプルの特定の抵抗値の検知、任意に選択された標識の未検知、または任意の他の好適な基準の内1つ以上に関する情報を包含してもよい。一実施形態では、筐体150と同等または同一の筐体(図示しない)は、制御システム670の1つ以上の部分を、少なくとも部分的に囲ってもよい。
【0052】
例えば、図6Bに示すように、センサー672aは、フローアッセイ600の近位端601上、または近傍に配置されてもよい。センサー672aは、抵抗値センサーであってよく、サンプル内の液体に曝されることによって、少なくとも1つの親水性多孔質層を直接通るかまたは伝搬されるかのどちらかにより、センサー672aは、サンプルの存在により抵抗値の変化を検知するとともに、制御電気回路674にフィードバックを送信することができる。一実施形態では、センサー672aからフィードバックを受け取ると、制御電気回路674は、開始信号683をタイマー676に対して選択的に生成することができ、選択された時間の満了後、タイマー676は、順番にタイマー信号684を制御電気回路674に対して生成することができる。制御電気回路674は、その後起動信号681をアクチュエータ644に送信し、選択した電圧を印加させることができ、その結果、内部に分析物または任意の分析物と結合体との複合体を含むサンプルが、ギャップ615を横切ることを可能にする。一実施形態では、電圧の量または時間は、1つ以上のセンサー672aおよびセンサー672bから得られたフィードバックに応答した、制御電気回路によって調節されてもよい。例えば、もしpH測定器がセンサー672aまたはセンサー672bのために使用されれば、制御電気回路は、起動信号681をアクチュエータに送信し、フィードバック信号686での通信に従って、検出されたpHの値に応じて、より短いまたはより長い期間、より高いまたはより低い電圧を印加させる。
【0053】
一実施形態では、センサー672bは、ギャップ615内または近傍に配置されてもよい。センサー672bは、サンプルのpHを検知するように構成されたpHセンサーまたはサンプルと接触した際に、抵抗値の変化を測定できるように構成された抵抗センサーであってもよい。ギャップ615内または近傍に配置されたセンサー672bは、サンプルがギャップ615に到達したこと、またはスタート信号683をタイマー676にトリガすることができる特定のpHにサンプルがあることを示す、フィードバックを制御電気回路674に送信する。タイマー676は、タイマー信号684を制御電気回路674に送信することができ、制御電気回路674は、起動信号681をアクチュエータ644に送信することができ、アクチュエータ644は第1電極630および第2電極632に電圧を印加し、その結果、サンプルがギャップ615を横切ることを可能になる。
【0054】
一実施形態では、センサー672aとセンサー672bとは、異なる種類のセンサー、または同一の種類のセンサーであってもよい。例えば、センサー672aとセンサー672bとが、少なくとも1つの疎水性多孔質層610に接触するように、センサー672aは、近位端601に近接して配置されていてもよく、センサー672bは、ギャップ615に近接して配置されていてもよい。センサー672aおよびセンサー672bの両方は、pHセンサーであってよく、サンプルがギャップ615に向かって少なくとも1つの疎水性層610を通って移動する際に、センサー672aは第1pHを検知するとともに、センサー672bは第2pHを検知することができる。検知された複数のpHは、フィードバックとして制御電気回路674に送信されることができるとともに、疎水性層610内のサンプルと結合体材料との間の反応の程度をフィードバックに応答して決定することができる。一実施形態では、2つ以上のセンサーがフローアッセイ内で使用されてもよい。一実施形態では、1つ以上のセンサー672aおよびセンサー672bは、フローアッセイ600の長さに沿って任意の場所に配置されてもよい。一実施形態では、センサー672aおよびセンサー672bは、モジュールであってよく、または同一のセンサーあるいは別の種類のセンサーと取り換え可能であってもよい。一実施形態では、センサー672aは、サンプルを検知して、タイマーを開始させるフィードバックを送信できるように構成された抵抗センサーであってもよく、センサー672bは、サンプルの選択されたpHを検知できるように構成されたpHセンサーであってもよく、どちらかのセンサーによる1つの検知によって、電圧の印加をトリガするためのフィードバックを提供することになる。
【0055】
制御システム670は、さらに制御電気回路674と動作可能に接続されたメモリー678を包含してもよい。メモリー678は、フローアッセイ600の動作を制御する命令がプログラムされ、かつ、格納されていてもよい。メモリー678は、限定するものではないが、例えば、タイマーの継続期間、印加電圧、終端電圧、電圧値、および電圧持続期間などの動作パラメータがプログラム化されていてもよいし、当該動作パラメータを格納していてもよい。動作パラメータは、1つ以上の別の動作パラメータか、または、限定しないがさらにサンプルの種類、親水性多孔質層の材料、結合体の種類、検知対象の分析物の種類、電極の材料、疎水性層の材料、1つ以上の親水性多孔質層、電極、疎水性層の寸法のような基準に、少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。
【0056】
動作パラメータを決定するための上記の基準は、メモリー678に格納されてもよい。制御電気回路674またはメモリー678は、ユーザーインターフェースを使用してプログラム化されてもよい。メモリー678は、動作、動作パラメータに対する命令、または上記の項目化された基準のうち、任意のものに基づいた動作パラメータをユーザーインターフェース677を使用し、決定するための命令がプログラム化されていてもよい。メモリー678内に格納された情報を使用することで、制御電気回路674は、タイマー676を測定および制御することができ、またはアクチュエータ644に起動信号681を送信/中継することができる。上記の測定、制御および/または信号は、動作、動作パラメータに対する命令、動作パラメータの決定、タイマー信号の受信、センサーからのフィードバックに対する命令の内の1つ以上の命令に基づくものであるとともに、応答するものであってよい。
【0057】
例えば、ユーザーは少なくとも1つの親水性多孔質層610の寸法と材料、ギャップ距離D、ギャップ615内の材料、結合体材料、または検知対象の分析物の1つ以上をメモリー678に入力してもよい。制御電気回路674は、メモリー678内の情報に基づいたタイマーの継続時間、電圧値、または電圧持続時間を、選択、調節、または決定し、またはユーザーインターフェース677を使用してユーザーにより入力することができる。一実施形態では、制御電気回路は、688にアクセスし(アクセス、入力、情報の格納、または情報の取り出しなど)、メモリー678が、動作のための命令、動作パラメータ、タイマーの継続時間、電圧値、電圧持続時間を決定するための命令の内1つ以上の命令を、決定または調節することとなる。上記の決定と調節は、センサーのフィードバック信号686、タイマー信号684、または起動信号681、メモリー678内の基準、またはユーザーの入力信号687の内1つ以上に応答したものであってもよい。
【0058】
一実施形態では、筐体150と同等または同一の筐体(図示しない)は、制御システム670の1つ以上の部分と、1つ以上の第1センサー672aおよび第2センサー672bとを、少なくとも部分的に囲んでいてもよい。本書で開示された任意の実施形態は、上記で記載したように、1つ以上の制御システム670、少なくとも1つのセンサー672aおよびセンサー672b、制御電気回路674、タイマー676、ユーザーインターフェース677、またはメモリー678を含んでいてもよい。
【0059】
図7は、一実施形態に係るフローアッセイの図である。フローアッセイ700は、近位端701と、遠位端702と、第1の面703と第2の面704と、を有した少なくとも1つの親水性多孔質層710を包含しており、近位端101と、遠位端102と、第1の面103と第2の面104と、を有した少なくとも1つの親水性多孔質層110を有していることと実質的に同等、または同一である。フローアッセイ700は、第1疎水性層120および第2疎水性層122と実質的に同等、または同一である、第1疎水性層720および第2疎水性層722をさらに包含してもよい。フローアッセイ700は、第1電極130と第2電極とにそれぞれ実質的に同等、または同一である第1電極730と第2電極732とを包含していてよい。フローアッセイ700は、142内の電源140電気接続部と実質的同等または同一な電気接続部742を介して、第1電極730および第2電極732と電気的に接続された電源740を含んでいてよい。電源は、アクチュエータ144と実質的同等または、同一のアクチュエータ744によって制御されてもよい。フローアッセイは、本書で記載したように制御システム(図示しない)、または1つ以上のセンサー(図示しない)を含んでいてもよい。
【0060】
親水性多孔質層710は、第1ギャップ715と第2ギャップ716とが離間して存在するように、内部に1つ以上のギャップを包含していてもよい。第1ギャップ715は、近位端701に近接して設けられ、かつ第2ギャップ716は遠位端702に近接して設けられてもよい。こうして、親水性多孔質層710は、近位端701における近位部と、遠位端702に近接する遠位部と、第1ギャップ715および第2ギャップ716によって、近位部および遠位部から隔離されたそれらの間の中間部と、を含んでもよい。第1電極730と第2電極732とは、内部のサンプルと任意の材料とが、本書で記載した任意の電極およびギャップと同等または同一の方法で、個々の第1ギャップ715と第2ギャップ716とを通過して進行することを可能にするように、作用かつ使用されてもよい。
【0061】
一実施形態では、第1結合体は、少なくとも1つの親水性多孔質層710の近位部に配置され、第2結合体は、少なくとも1つの親水性多孔質層710の中間部内に配置されてもよい。サンプル、反応した分析物および/または分析物と第1結合体との複合物(analyte-first conjugate complex)が、少なくとも1つの親水性多孔質層710の中間部まで進行することを可能にする電圧を第1電極730と第2電極732とに印加する前に、反応が十分に進行するか、または完了するのを可能にする選択された時間の間、サンプル(内部に任意の分析物を含む)と第1結合体との反応を可能にすることが望ましい。中間部において、サンプル、反応分析物、および/または分析物と第1結合体との複合物は、第2結合体と接触し、それらの間での反応が十分に進行または完了するのを可能にする十分な間、第2結合体と反応してもよい。上記の時間経過後、任意の分析物、反応分析物、または分析物と第1および第2結合体との複合物(analyte-first and second conjugate complex)を含んだサンプルが、ギャップ716を通過して少なくとも1つの親水性多孔質層710の遠位部へ流動するのを可能にするための十分な電圧が、第1電極730と第2電極732とに印加されてもよい。表示部(図示しない)は、遠位端702における、または遠位端702近傍の少なくとも1つの親水性多孔質層710の遠位部内に配置されてもよい。表示部は、分析物(任意の結合体と、それに結合したタガントを含む)と結合するように構成された分子を、分析物上に包含してもよい。分析物、反応分析物、分析物と第1および第2結合体との複合物、または上述した中の1つ以上の組み合わせが、表示部またはストライプ上で大量に濃縮されると、視覚的表示を発するように構成されたタガントを結合体は包含してもよい。
【0062】
一実施形態では、少なくとも1つの第1疎水性層720、少なくとも1つの第2疎水性層722、または第1電極730および第2電極732の内の1つ以上は、少なくとも1つの親水性多孔質層710の中間部の近位端と遠位端との間で、たとえばギャップを介在させるというように損なわれていてもよい。第1電極730と第2電極732とは、内部にあるギャップの両側で電源740と電気的に接続されていてもよい。動作においては、電圧は、少なくとも1つの第1疎水性層720及び第2疎水性層722と、第1電極730および第2電極732に対して、ギャップ715の近傍のみ、またはギャップ716の近傍のみ印加するというように、選択的に印加される。
【0063】
図8は、一実施形態に係るフローアッセイの図である。一実施形態では、フローアッセイ800は、2つ以上分岐し、実質的に本書で記載したように、各々は個別に分析物を検査するために構成されている。フローアッセイ800の一部分、または構成要素は、本書で記載したフローアッセイの一部分、または構成要素と実質的に同等のものであって良い。
【0064】
フローアッセイ800は、近位端801と、遠位端802と、参照線Sの遠位端801側上にある第1分岐811aと、第2分岐811bとを、備えた少なくとも1つの親水性多孔質層810を包含してもよい。少なくとも1つの親水性多孔質層810の第1分岐811aと、第2分岐811bとは、空間を介して分離しており、近位端801と遠位端802との中間の場所(参照線Sにより印付けされた)から遠位端802へ向かって伸長している。少なくとも1つの親水性多孔質層810は、第1の面803と、第2の面804と、第1の面802に対してほぼ対向かつ平行した第1内部面805と、第2の面804とほぼ対向かつ平行した第2内部面806とを包含してもよい。分岐811aと分岐811bとの間の分離または分割は、同じサンプル材料が実質的に同時に毛細管現象により両方の分岐811aと分岐811bとに流動することを可能とする。一実施形態では、各々の分岐811aと分岐811bとは、同一の分析物または異なる分析物の存在を検知することができるように構成されていてもよい。一実施形態では、各々の分岐811aまたは分岐811bは、内部に同一または異なる結合体を備えていてもよい。一実施形態では、各々の分岐811aまたは分岐811bは、内部に同一または異なるタガントを備えていてもよい。一実施形態では、各々の分岐811aまたは811bは、内部に同一、または異なる表示部を備えていてもよい。フローアッセイ800は、本書で記載したような任意の結合体またはタガントを備えていてもよい。
【0065】
少なくとも1つの疎水性層810の第1分岐811aと第2分岐811bとのそれぞれは、ギャップ815aとギャップ815bとをそれぞれで備えていてもよい。ギャップ815aとギャップ815bとは、本書で記載した任意のギャップにと、実質的に同等または同一に構成されていてもよい。例えば、第1ギャップおよび第2ギャップは、任意のギャップ距離Dと、内部に任意の材料を備えていてもよく、または、本書で記載したギャップのための適当な任意の別のものを備えていてもよい。第1ギャップ815aとギャップ815bとは、実質的に同等または同一であって良く、または、限定はしないが、異なる寸法、または異なる内部の材料であってもよい。
【0066】
フローアッセイは、第1の面802に沿って少なくとも1つの親水性多孔質層へ隣接する、1つ以上の疎水性層820を備えていてもよい。フローアッセイは、第2の面804に沿って、少なくとも1つの親水性多孔質層に隣接する1つ以上の第2疎水性層822を備えていてもよい。フローアッセイは、第1内部面805または第2内部面806に沿って、少なくとも1つの親水性多孔質層810に隣接する1つ以上の第3疎水性層824を備えていてもよい。第3疎水性層824は、遠位端802における第1内部面805から、参照線S上の分岐811aと分岐811bにおける分離部を回り、第2内部面806へ向かい、少なくとも1つの親水性多孔質層810の遠位端側まで伸びていてもよい。第1疎水性層820と、第2疎水性層822と、第3疎水性層823とは、本書で記載した疎水性層のうち任意のものと、実質的に同一の材料、寸法、または特性を備えていてもよい。
【0067】
フローアッセイ800は、第1電極830と第2電極832とを含み、第1電極830は、第1疎水性層820と接続され、かつ、第1疎水性層820の長さに沿って延びており、第2電極832は、第2疎水性層822と接続され、かつ、第2疎水性層822の長さに沿って延びている。第1電極830と第2電極832とは、それぞれ第1疎水性層820、第2疎水性層822によって、少なくとも1つの親水性多孔質層810から離間していてもよい。フローアッセイ800は、第1内部電極834と第2内部電極836とを含み、第1内部電極834は、第1分岐811a(第1電極830にほぼ対向している)上の第3疎水性層824と接続され、かつ、第3疎水性層824の長さに沿って延びており、第2内部電極836は、第1分岐812a(第1電極832とほぼ対向している)上の第3疎水性層824と接続され、かつ、第3疎水性層824の長さに沿って延びている。第1内部電極834と第2内部電極836とは、第3疎水性層824によって少なくとも1つの親水性多孔質層810から離間していてもよい。第1電極830および第1内部電極834と、第2電極832および第2内部電極836とは、電気的接続部842によって、電源840に個別に電気的に接続されていてもよい。第1電極830および第2電極832と、第1内部電極834および第2内部電極836とは、電極材料、陽極または陰極の状態および寸法を含めて、本明細書で記載したいかなる電極と実質的に同等または同一であってもよい。
【0068】
使用時において、第1電極830および第1分岐811aの第1内部電極834は、(第1電極830とほぼ対向する)第2電極832および第2分岐811bの第2内部電極836と、同じ時点または異なる時点に電圧を印加するように使用されてもよい。例えば、2つの異なる結合体がフローアッセイ800内で、第1結合体が第1分岐811a内で、第2結合体が第2分岐811b内で使用されてもよい。第1結合体と第2結合体とは、異なる方法によってサンプル内の同じ分析物と反応するように構成されてもよいし、または、同じサンプル内の異なる分析物と反応するように構成されていてもよい。サンプルは、ギャップ815aおよびギャップ815bに異なる時間留まっていることが必要となる場合がある。そこで、第2電極832と第2分岐811bの第2内部電極836とに電圧が印加される時点と異なる時点に、第1電極830と第1分岐811aの第1内部電極834とに、電圧が印加されてもよい。
【0069】
分岐811aおよび分岐811bは、既に説明のとおり実質的に同一のものであるが、異なる寸法(長さ、幅、または厚さなど)、異なる内部の材料、異なる結合体、異なるタガント、異なる印加電圧量または電圧印加持続時間、または異なるサイズのギャップのうち、1つ以上を備えていてもよい。
【0070】
一実施形態では、フローアッセイ800は、本書で記載した任意の筐体と実質的に同等の筐体を含んでいてもよい。一実施形態では、フローアッセイ800は、それぞれが本明細書で記載された任意のものと実質的に同等または同一である、制御電気回路、タイマー、1つ以上のセンサー、ユーザーインターフェース、またはメモリーのうち1つ以上を含む制御システムを備えていてよい。一例として、フローアッセイ800は、センサーに応答し、分岐811aおよび分岐811bのそれぞれに印加される電圧を選択的に制御する制御電気回路と動作可能に接続された、分岐811aおよび分岐811bのそれぞれの内に、少なくとも1つのセンサーを含んでいてもよい。一実施形態では、フローアッセイ800は、それぞれの分岐811aおよび分岐811bについて時刻を別々に定め、かつ制御電気回路にタイマー信号を提供することができるように構成された1つ以上のタイマーを含んでいてもよい。
【0071】
図9は、サンプル内の分析物の存在を検知する方法900の一実施形態の工程図である。
方法は、フローアッセイを提供する工程910を含んでもよい。フローアッセイは、本明細書で記載した任意のフローアッセイと実質的に同等のものであってもよい。一例としてフローアッセイは、サンプルが導入される近位端と、近位端から離間した遠位端と、第2の面から離間した第1の面と、近位端と遠位端との間および第1の面と第2の面との間に設けられたギャップとを備えた、少なくとも1つの親水性多孔質層を含んでいてもよい。フローアッセイは、ギャップを部分的に規定する、少なくとも1つの親水性多孔質層の第1の面に隣接して配置された少なくとも1つの第1疎水性層と、ギャップを部分的に規定する、少なくとも1つの親水性多孔質層の第2の面に隣接して配置された、少なくとも1つの第2疎水性層と、を含んでいてもよい。フローアッセイは、さらに、少なくとも1つの第1疎水性層と電気的に接続され、かつ少なくとも1つの第1疎水性層により、少なくとも1つの親水性多孔質層から分離した第1電極と、少なくとも1つの第2疎水性層と電気的に接続され、かつ少なくとも1つの第2疎水性層により、少なくとも1つの親水性多孔質層から分離した第2電極と、を備えていてもよい。
【0072】
方法900は、フローアッセイの少なくとも1つの親水性多孔質層の遠位端にサンプルを導入する工程920を含んでいてもよい。工程920は、浸漬、スポッティング、ドッティング、ブロッティング、滴下、ピペッティング、または液体サンプルを多孔性物質に付与する任意の他の好適な方法を含んでいてもよい。
【0073】
方法900は、さらに少なくとも1つの第1疎水性層または少なくとも1つの第2疎水性層のうち少なくとも1つの疎水性を変更することに効果的な電圧を、第1電極と第2電極との間に印加する工程930を含んでいてもよい。工程930は、少なくとも1つの親水性多孔質層内の分析物、分析物と結合体との複合体、反応した分析物、またはサンプルのうち1つ以上が、親水性多孔質内のギャップを通過して進行できることに効果的な電圧を印加または使用する工程を含んでいてもよく、それによりサンプル内で分析物の存在を決定することができる。一実施形態では、工程930は、サンプルと、第1電極、第2電極、第1疎水性層、または第2疎水性層とのうち少なくとも1つとの間の化学反応により、第1電極、第2電極、第1疎水性層、または第2疎水性層の表面上に十分に反応生成物を生成できることに効果的な電圧を印加または使用する工程を含んでいてもよい。
【0074】
一実施形態では、工程930は、検知対象の分析物または分析物の種類、サンプルの種類、少なくとも1つの親水性多孔質層内で使用される、親水性多孔質材料の種類、少なくとも1つの親水性多孔質層の1つ以上の寸法、親水性多孔質層で使用される結合体の種類、または本書で開示したいかなる他の適切な基準のうち、少なくとも1つに部分的に基づいた所定の時間が経過後、選択的に(開始、終了、量、または持続など)電圧を印加する工程を含んでいてもよい。一実施形態では、電圧が印加される時間の長さは、使用される電圧の量を少なくとも部分的に決定するために使用してもよい。
【0075】
一実施形態では、方法900は、電圧を印加する前の所定の時間において、サンプルがギャップを流動することを可能にする工程を含んでいてもよい。一実施形態では、方法900は、電圧の印加を終端する前の所定の時間において、サンプルがギャップを横切る(電圧が供給される間)ことができ工程を含んでいてもよい。一実施形態では、検知対象の分析物が、結合体と十分な程度反応するのに要する時間、少なくとも1つの親水性多孔質の寸法、少なくとも1つの親水性多孔質の材料の種類、分析物、サンプル、結合体、または本明細書で記載した、あらゆる他の適切な基準の1つ以上に基づき選択されてもよい。一実施形態では、所定の時間は、5秒以上、例えば約5秒〜約1時間、約30秒〜約45分、約1分〜約30分、約5分〜約20分、約10分〜約30分、約5分、約10分、約15分、約20分、約30分、約1時間であってもよい。
【0076】
一実施形態において、少なくとも1つの親水性多孔質層を形成するための用いられる材料は、検知対象の分析物または分析物の種類、サンプルの種類、1つ以上のギャップの寸法、ギャップ内の、存在および材料の種類、必要とされる結合体、サンプルがギャップを横切るために必要となる電圧量、または少なくとも1つの親水性多孔質層の寸法(長さ、厚さ、または幅など)のうち1つ以上に、少なくとも部分的に影響して選択されてもよい。
【0077】
一実施形態では、ユーザーインターフェースは、ユーザーの命令をユーザーインターフェースに入力された後の選択された時間までに、制御システムの制御電気回路に命令し、起動信号を、アクチュエータに送信または中継するために、または電源に直接送信または中継するために、使用されてもよい。一実施形態では、ユーザーは、本書で記載した任意の時間のように、選択された時間(選択された遅延時間など)を入力することができる。一実施形態では、ユーザーは、本書で記載した任意の電圧量として、選択された電圧量を入力することができる。
【0078】
一実施形態では、方法は、動作上の命令をプログラム化する工程、動作パラメータをプログラム化する工程、基準を入力する工程、またはユーザーインターフェース677を使用してメモリー678へ格納する動作パラメータを決定する工程のための命令をプラグラム化する工程を含んでいてもよい。このようにして、一実施形態では、第1電極と第2電極との間に電圧を印加する工程は、事前にプログラム化された動作命令、パラメータ、または基準に、少なくとも部分的に従って実行される。一実施形態では、非限定的に例示すると、サンプルの種類、検出された検出対象の分析物、少なくとも1つの親水性多孔質層の1つ以上の寸法、ギャップの1つ以上の寸法、ギャップ内における材料の存在および種類、少なくとも1つの第1疎水性層および第2疎水性層に用いられる疎水性材料の種類、または任意の他の基準を入力するために、ユーザーインターフェースは使用されてもよい。一実施形態では、検出対象の分析物が結合体と十分な程度に反応するために要する時間、少なくとも1つの親水性多孔質層の寸法のうち1つ以上、ギャップの寸法の1つ以上、少なくとも1つの親水性多孔質層の材料の種類、分析物または分析物の種類、サンプルまたはサンプルの種類、結合体または結合体の種類、ギャップ内における材料の存在または種類、疎水性材料層に用いられる疎水性材料の種類、または本書で記載したあらゆる他の適切な基準のうち1つ以上に基づき、動作パラメータを入力または選択してもよい。一実施形態では、別の動作パラメータのうち1つ以上、または上記に項目化された基準のうち、1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、制御電気回路は、動作パラメータを決定してもよい。一実施形態では、ユーザーが入力した動作パラメータまたは決定された動作パラメータに応じて、制御電気回路は、動作パラメータを1つ実行するための信号を、タイマー、アクチュエータまたは電源に直接送る。
【0079】
一実施形態では、方法900は、さらに、ユーザーインターフェースを使用してサンプルの種類を選択する工程と、サンプルまたはサンプルの種類に少なくとも部分的に基づいて選択または事前に決定した時間の後に電圧を印加する工程とを、含んでいてもよい。一実施形態では、方法900は、さらに、分析物の存在または欠如を視覚的に検知する工程を含んでいてもよい。分析物の存在または欠如を視覚的に検知する工程は、フローアッセイの筐体内の窓を通して、または1つ以上の透明電極もしくは透明電極上の電気的導電性の層を通して、または可視的または検査できる状態である少なくとも1つの親水性多孔質層を通して、実施されてもよい。一実施形態では、ユーザーは、電圧の印加が指示される前にサンプルがギャップに留まる時間の履歴を記録してもよい。
【0080】
[動作例]
フローアッセイの動作例を、空気で満たされたギャップを有するニトロセルロース紙を、親水性多孔質層として使用し実施した。ニトロセルロース紙は、ギャップの各面を越えて延びるトリクロロ(パーフルオロオクチル)シランの疎水性層に隣接(例えば、サンドイッチ状態で)されたものとする。トリクロロ(パーフルオロオクチル)シランの各層は、酸化インジウムスズの透明層を上に積層させることで、この透明層に電気的に接続した。透明酸化インジウムスズは、9Vの電源と接続した。
【0081】
カリウム塩化物塩の水溶液は、ニトロセルロース紙に滴下した。この溶液は、ニトロセルロース紙を介してギャップに進行した。この溶液は、ギャップを越えて進行はしなかった。この溶液は、10分以上進行することなく、ギャップに留まった。(直流の)9Vの電圧は、電極全体に印加される。電圧の印加によって、溶液はギャップ全体に進行し、フローアッセイの近位端まで向かう。一度、溶液がギャップを越えると、電圧の印加は中止され、さらに溶液の進行は継続する。
【0082】
最新技術は、システムの態様のハードウェア、ソフトウェアの実装の間にほとんど差異を残さない所まで発展していることを読者は理解するであろう。ハードウェアまたはソフトウェアの利用は、通常(常にではない。ある種の背景状況においては、ハードウェアとソフトウェアとの選択が重要になることもある)、費用対効果のトレードオフに相当する設計選択事項であることを、読者は理解するものとする。様々な媒体は、本明細書中で説明されたプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術により、(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアで)効果を発揮することができ、好ましい媒体は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が展開される背景状況に伴って変わる。例えば、実装者は、速度と精密度とが最優先であると判断する場合、主要なハードウェアおよび/またはファームウェア媒体を選んでもよく、あるいは、実装者は、柔軟性が最優先である場合、主要なソフトウェアの実装を選んでもよく、さらにあるいは、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組み合せを選んでもよい。このため、本明細書中で説明されたプロセスおよび/またはデバイスおよび/または他の技術により、効果を発揮するかもしれない可能な媒体は複数あり、媒体が展開される背景状況および実装者の具体的な関心事項(例えば、速度、柔軟性、または予見可能性)次第で、利用される媒体は選択されるので、可能な媒体の何れも、他の媒体よりも本質的に優秀ということはなく、可能な媒体は様々であってよい。実装の光学的態様は、典型的には、光学的に配向されたハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアを採用することができることを読者は理解するであろう。
【0083】
前述の詳細な説明では、種々のデバイスの実施形態および/またはプロセスをブロック図、フローチャート、および/または例を利用して記載した。ブロック図、フローチャート、および/または例示が、1つ以上の機能および/または動作を包含する範囲では、このようなブロック図、フローチャートの範囲内の各機能および/または動作は、個別および/または集約的に、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたは、それらの実質的な任意の組み合わせの使用によって、実行可能なものであることが当業者によって理解され得るものとされ得る。
【0084】
一実施形態において、本書で述べられている主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASICs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、または他の集積様式を介して実施される。しかし、一部または全体において本書で開示された実施形態のいくつかの態様は、その全体あるいは一部が、1つ以上のコンピューターにおいて作動する1つ以上のコンピュータープログラムとして(例えば1つ以上のコンピューターシステムにおいて作動する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサにおいて作動する1つ以上のプログラムとして(例えば1つ以上のマイクロプロセッサにおいて作動する1つ以上のプログラム)、ファームウェアとして、またはそれらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において同等に実施され得、回路を設計することおよび/またはソフトウェアおよび/またはファームウェアのためにコードを書くことは、この開示の観点において当業者の技術の内に十分に存在し得ることを当業者は認識するであろう。加えて、本書で述べられている主題の態様に関するメカニズムについては、読者はよく理解できるもので、さまざまな形態においてプログラム製品として供給されることが可能であり、本書で述べられている主題の例示的な実施形態は、流通を実際に行うために用いられる信号担持媒体の特定の種類にかかわらず適用される。信号担持媒体の例は、以下のものを含むが、それらに限定されない:フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク装置、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピューターメモリー等などの記録可能型媒体;ならびにデジタルおよび/またはアナログ通信媒体(例えば光ファイバーケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク等)などの伝達型媒体。
【0085】
一般的な意味において、本書で述べられているさまざまな実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはそれらの実質的に任意の組み合わせなど、広範囲の電気部品;および剛体、スプリングまたはねじり体、水力学および、電磁駆動装置、および/またはそれらの実質的に任意の組み合わせなど、機械力または運動を与え得る広範囲の構成部分、を有する電気機械システムのさまざまな種類によって、個々におよび/または集合的に実施され得る。その結果、本書に用いられている“電気機械システム”は、変換器(例えばアクチュエータ、モーター、圧電性結晶等)と操作可能に連結された電気回路、少なくとも1つの分離した電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータープログラム(例えば、本書で述べられている工程および/または装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータープログラムによって構成された汎用コンピューター、または本書で述べられている工程および/または装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータープログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)によって構成された汎用計算機を形成する電気回路、メモリーデバイス(例えばメモリーデバイス(例えばランダムアクセスメモリー型))を形成する電気回路、通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、光電気機器、等)を形成する電気回路、および/または光学のまたは他のアナログなど、それらの任意の非電気的アナログ、を含むが、これらに限定されない。当業者であれば以下の電気機械システムの例は、種々の家電システム、医療機器、同様に、モーター付き輸送システム、工場自動化システム、防犯システム、および/または通信/計算システムなど、他のシステムを含むが、これらに限定されない、ことをよく理解できるものである。当業者であれば、本書で用いられる電気機械は、文脈が別の方法を規定する場合を除き、電気および機械作動両方を有するシステムに必ずしも限定されないということを理解できるものである。
【0086】
一般的な意味において、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはそれらの任意の組み合わせによって、個々におよび/または集合的に実施され得る本書で述べられているさまざまな態様は、“電気回路”のさまざまな種類から成るとみなし得る。その結果、本書で用いられる“電気回路”は、少なくとも1つの分離した電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータープログラム(例えば、本書で述べられている工程および/または装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータープログラムによって構成された汎用コンピューター、または本書で述べられている工程および/または装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータープログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)によって構成される汎用計算機を形成する電気回路、メモリー装置(例えばメモリーの形態(例えばランダムアクセスメモリー))を形成する電気回路、および/または通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、または光電気機器)を形成する電気回路、を含むがこれらに限定されない。本書で述べられている主題は、アナログまたはデジタル的手法またはそれらのいくつかの組み合わせにおいて、実施され得る。
【0087】
本書で述べられている構成要素(例えば工程)、デバイス、および物体、ならびにそれらに付随する考察は、概念的に明確にするために例として用いられている。その結果、本書で用いられている特定の典型例および付随する考察は、より一般的な分類の典型となるように意図されている。概して、本明細書で特定の典型例を使用することは、さらにその分類の典型となるように意図されており、そのような特定の構成要素(例えば工程)、デバイス、および物体が含まれていないことは、制限が望ましいことを示唆しているものと解されるべきではない。
【0088】
本書で使用される、実質的に複数形の用語および/または単数形のあらゆる用語に関して、読者は、文脈および/または用途と照らし合して、複数形から単数形へおよび/または単数形から複数形へと解釈してもよい。種々の単数/複数の置換は、明確さの目的のため本書で明示して記載しない。
【0089】
本書において述べられる主題は、異なる他の構成要素内に含まれる異なる構成要素、または異なる他の構成要素に接続された異なる構成要素を示す場合もある。このように記載されている構造は、単に典型的ものであり、同じ機能を果たす多くの他の構造が実施され得ることが理解されるべきである。概念的な意味において、同じ機能を果たすべく構成要素を任意に配置することは、所望の機能が達成されるように効果的に“関連”している。したがって、本書において特定の機能を達成するために組み合わせられた任意の2つの構成要素は、構造または中間構成要素に関係なく、望ましい機能が達成されるように、お互いに“関連する”ものとして認識され得る。同様に、関連している任意の2つの構成要素は、望ましい機能を達成するためにお互いに“操作可能に接続した”、または“操作可能に連結された”としてもまたみなされ得るものであり、関連する可能性がある任意の2つの構成要素は、望ましい機能性を果たすためにお互いに“操作可能に連結できる”としてもまたみなされ得る。操作可能に連結できるということの特定の例は、物理的に接合可能および/または物理的に相互作用する構成部分、および/または無線で相互作用可能、および/または無線で相互作用する構成部分、および/または論理的に相互作用する、および/または論理的に相互作用可能な構成部分を含むが、これらに限定されない。
【0090】
いくつかの例において、1つ以上の構成要素は、本書において例えば“構成される(configured to.)”のように言及される。読者は、用語“構成される”が一般に、文脈の異なる要請が無い限り、活動状態および/または非活動状態および/または待機状態の構成要素を包含し得るものであることを理解するであろう。
【0091】
ここに説明した本主題の具体的な態様を図示及び説明したが、ここに説明した主題及びそれを拡張した態様から逸脱しない限り、変形及び変更を加えることができ、したがって、添付の請求項はその範囲内に、ここに説明した主題の真の精神及び範囲に含まれるものとしてすべての変形及び変更が含まれることは当業者にとって明らかとなり得るものである。さらに、本発明は、添付の請求項によって定義されることは、理解されうるものである。一般に、ここで使用した文言、特に添付の請求項(例えば、添付の請求項のbody部分)で使用した文言は、一般に「オープン」な文言であることを意図したものである(例えば、「含んでいる」という文言は、「含んでいるが、これらに限定されるものではない」と解釈すべきであり、「有している」という文言は、「少なくとも有している」と解釈すべきであり、「含む」という文言は、「含むが、これらに限定されるものではない」と解釈すべきである)。さらに、導入された請求項の記載の特定数が意図されているのであれば、このような意図は請求項中で明示的に記載されており、このような明示的な記載がない場合には、このような意図は存在しないことが当業者によって理解し得る。理解の一助として例を挙げると、以下の添付の請求項において、請求項の記載を導入するために、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」等の導入的表現が使用され得る。しかし、たとえ同一請求項中に「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という導入表現と、「a」又は「an」等の不定冠詞とを含んでいたとしても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記載の導入は、このような導入された請求項の記載を含む特定の請求項を、その記載1つのみを含む請求項に限定することを含む発明と解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、通常、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈すべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するために使用されている定冠詞の使用についても当てはまる。さらに、たとえ請求項で導入された記載の特定数が明示的に記載されていたとしても、このような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味していると解釈されるべきである(例えば、修飾語を使わずに単に「2つの記載」と記載されている場合、通常、当該記載が少なくとも2つ又は2つ以上含まれていることを意味する)。さらに、「A、B及びC等のうちの少なくとも1つ」に類似の表現形式が使用されている場合、一般にこのような文構造は、限定されるものではないが、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」には、Aだけを有するシステム、Bだけを有するシステム、Cだけを有するシステム、A及びBを共に有するシステム、A及びCを共に有するシステム、B及びCを共に有するシステム、及び/又はA、B及びCを共に有するシステム等を含むことを意図している。「A、B又はC等のうちの少なくとも1つ」に類似の表現形式が使用されている場合、一般にこのような文構造は、限定されるものではないが、「A、B又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」には、Aだけを有するシステム、Bだけを有するシステム、Cだけを有するシステム、A及びBを共に有するシステム、A及びCを共に有するシステム、B及びCを共に有するシステム、及び/又はA、B及びCを共に有するシステム等を含むことを意図している。実際、2つ以上の代替の文言を提示する任意の選言的な文言及び/又は表現は、それが明細書中、請求項中又は図面中のいずれに記載されていたとしても、文脈と矛盾しない限りにおいて、複数の文言のうちの1つを含んでいる可能性、複数の文言のうちの一方を含んでいる可能性、又は複数の文言の双方を含んでいる可能性を考慮しているものであると理解すべきである。例えば、「A又はB」という表現は、通常、「A」である可能性、又は「B」である可能性、又は「A及びB」である可能性を含んでいるものと理解される。
【0092】
添付の請求項に関して、請求項中に記載の動作は、一般に任意の順序で実施しても構わないこのような別の順序の例には、文脈と矛盾しない限りにおいて、重複、交互、断続、並べ替え、増分、準備、追加、同時、逆、又はその他の種々の順序が含まれ得る。文脈において、「反応して」、「関連して」等の文言、又はその他の過去時制形容詞は、文脈と矛盾しない限りにおいて、一般にこのような変形例を除外することを意図したものではない。
【0093】
さまざまな態様および実施形態が本書において開示されている一方、以下の特許請求の範囲に示される真の範囲および精神と共に、本書に開示されているさまざまな態様および実施形態は、例証の目的のためであり、制限することを意図しているのではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9