【文献】
3GPP TS 32.299 V12.6.0(2014-09),2014年 9月26日,p.17,18,46-82,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/32_series/32.299/32299-c60.zip>,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.423/36423-e20.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
一実施形態は、データセッション中にデータ使用量の更新を受信し、各更新時の課金条件を決定するオンライン課金システムに関する。したがって、データセッションの全体に亘ってデータ使用量が線形的であると仮定する必要なく、各セッションのデータ使用量をより精確に計測することによって、セッション中の異なる期間において、利用可能な残高の修正、データ転送率の変更などの特定の課金条件を検討することができる。
【0008】
図1は、本発明の実施形態を実現しおよび/または本発明の実施形態と情報交換するネットワーク要素を含む通信ネットワーク100を示す概要図である。ネットワーク100は、一般に、通信セッションに対応するオンライン課金を提供するランタイムエンジンであるオンライン課金システム(Online Charging System:OCS)102を含む。OCS102は、請求および収益管理システム(Billing and Revenue Management System:BRM)101に連結される。BRMは、ネットワーク100の登録ユーザ/消費者の各々の情報を記憶し、各消費者の課金パラメータ、例えば電話使用料、利用可能な時間および奨励、現在の残高などを決定する。
【0009】
ユーザは、ユーザ機器(User Equipment:UE)105を使用して、ネットワーク100に接続することができる。UE105は、ユーザが音声通話、映像提供およびショートメッセージサービス(SMS)などを表すデータ伝送を含む通信セッションに参加することを可能にする任意種類の装置であってもよい。ネットワーク100は、UE105をネットワーク100に接続する多くの異なる種類のネットワーク要素、例えば、無線通信タワー106、ルータ107および
図1に示されていない他の既知の装置を含むことができる。
【0010】
OCS102によるオンライン課金とは、提供されているサービスにリアルタイム影響を与える課金情報に従って課金するメカニズムを指す。オンライン課金において、ネットワーク資源の使用量に対応する課金情報が、資源使用量と共に収集される。しかしながら、ネットワーク資源の使用量の付与は、OCS102の課金決定に基づいてネットワークによって行われる。OCS102の課金決定は、BRM101から取得され且つOCS102に維持されたユーザの許容可能な資源に基づいて行われる。
【0011】
一実施形態において、ネットワーク100は、3GPP規格に準拠するIMSネットワークである。最初にサービスを提供して、後でIMSユーザに対して課金するという後払い課金方法(postpaid charging)とは対照的に、OCS102は、サービスを提供する前にIMSユーザが口座残高を有し、サービスを提供するたびに、口座残高から引き落すという前払い課金方法(prepaid charging)を利用する。
【0012】
一実施形態において、OCS102は、オンライン課金機能、口座残高管理機能(ABMF)、および算定機能(RF)を含む。ABMFは、IMSユーザの口座に一定量のサービス単位を保持する。算定機能は、ネットワーク事業者によって定義された料金表に従って、サービス利用料金を決定する。オンライン課金機能は、ABMFおよび算定機能を利用して、オンライン課金を実行する。
【0013】
図1には示されていないが、IMSネットワーク内の追加のネットワーク/サービス要素、例えば、プロキシ通話セッション制御機能(P−CSCF)、セッション通話セッション制御機能(S−CSCF)およびアプリケーションサーバ(AS)は、課金トリガ機能(CTF)を有する。このCTFは、サービス使用状況を監視し、課金イベントに応じて課金メッセージを生成するように構成されている。その後、CTFは、課金メッセージをOCS102に送信して、サービス使用状況に関するオンライン課金を提供する。
【0014】
直接引き落しまたはクオータ予約として、オンライン課金を実施することができる。直接引き落しの場合、オンライン課金機能は、各取引に応じて、ユーザの口座から即座にクオータを引き落す。クオータ予約の場合、オンライン課金機能は、ユーザの口座に一定のクオータを付与し、要求しているサービス要素にクオータを提供する。要求しているサービス要素は、サービス使用状況を監視し、サービス使用状況に応じてクオータを控除することによって、予算管理を実行する。クオータがなくなると、サービス要素は、別のクオータを要求して、プロセスを続行する。サービスが終了すると、ユーザの口座から控除するクオータの合計が決定される。
【0015】
例えば、以下は、IMSネットワークにおける典型的なセッションに対する課金例を示している。IMSユーザは、セッション開始プロトコル(SIP)要請メッセージなどの適切なシグナルメッセージを介して、セッションを開始するまたはセッションの受信を要請する。セッションを管理するためにIMSユーザにS−CSCFが割り当てられているため、シグナルメッセージは、S−CSCFを通過する。IMSユーザに対応するシグナルメッセージの受信に応答して、S−CSCFは、ホーム加入者サーバ(HSS)にアクセスすることによって、IMSユーザの加入者プロファイルを利用する。加入者プロファイルは、IMSユーザが加入しているサービスのレベルおよび付加サービスなどを示す。また、加入者プロファイルは、IMSユーザが前払いユーザであることを示す。したがって、セッションの開始を検出することに応答して、S−CSCF内のCTFは、セッションに対してオンライン課金を開始する。オンライン課金を開始するために、CTFは、セッションの開始を示すCCR(Diameter Ro Credit Control Request):開始メッセージを生成し、CCR:開始メッセージをOCS102に送信する。
【0016】
OCS102のオンライン課金機能は、CCR:開始メッセージ内の情報を処理することによって、IMSユーザを特定し、セッションに対応するメディアの種類を決定し、特定されたIMSユーザ情報および決定されたメディアの種類情報または他の情報をもって、算定機能を利用して、セッションの料金を決定する。オンライン課金機能は、ABMFを利用して、IMSユーザがセッションを開始するのに十分な口座残高をもっているか否かを判断し、そうであれば、セッションに付与するサービス単位の量を決定する。次に、オンライン課金機能は、CCA(Credit Control Answer):開始メッセージを生成し、CCA:開始メッセージをS−CSCFに送信する。CCA:開始メッセージは、当該セッションが許可されていることを示すと共に、セッションに付与されたクオータの量を示す。
【0017】
S−CSCF(またはIMSゲートウェイ)は、CCA:開始メッセージを受信し、予算管理を行う。予算管理を行うために、S−CSCFは、サービス単位のクオータを特定し、セッションが継続すると共に当該クオータを減分する。S−CSCF内のCTFが別の課金イベントを特定した場合、S−CSCFは、CCR:更新メッセージを生成する。例えば、課金イベントは、SIP要請メッセージ、再要請メッセージまたは更新メッセージを承認する「SIP 200 OK」メッセージの受信、サービス単位のクオータの消尽、有効期間の終了などを含むことができる。S−CSCFは、CCR:更新メッセージをOCS102に送信する。オンライン課金機能は、同様のプロセスを実行することによって、セッションに別クオータのサービス単位(利用可能な場合)を付与し、CCA:更新メッセージを生成し、CCA:更新メッセージをS−CSCFに送信する。CCA:更新メッセージは、セッションの継続が許可されていることを示すと共に、セッションに付与されたサービス単位の追加クオータを示す。
【0018】
S−CSCF(またはIMSゲートウェイ)は、CCA:更新メッセージを受信し、新たに付与されたクオータに対して、再び予算管理を実行する。セッションが一定時間の後終了すると仮定する。セッション終了の特定に応答して、S−CSCF内のCTFは、CCR:終了メッセージを生成し、CCR終了メッセージをOCSに送信する。CCR:終了メッセージは、セッションに使用されたサービス単位の数(セッションの継続時間またはオンライン課金機能により与えられた最新のクオータの一部)を示す。オンライン課金機能は、ABMFを用いて、当該セッションに応じてIMSユーザの口座から控除されるクオータの合計を決定する。
【0019】
BRM101、例えばOracle(登録商標)社のBRM製品などによって、ネットワーク事業者は、グローバル移動通信システム(GSM(登録商標))マネージャおよびリモート認証ダイヤルインユーザサービス(RADIUS)マネージャなどの任意要素を用いて、サービスを構築して、サービス利用状況(例えば、消費者のデータセッションの時間数または電話通話の長さ)に関するデータを取得することができる。ネットワーク事業者は、BRM101を使用して、料金表を定義し、サービスに応じて請求する料金を決めることもできる。例えば、ネットワーク事業者は、月契約料または定額料金で、無線電話サービスまたはインターネットの使用に対して課金することができる。
【0020】
また、消費者が消費者サービス担当者に電話をかけるまたはウェブページを使用するように、BRM101を使用して、消費者を登録することができる。消費者は、通常、インターネット接続および電子メールなどの1つ以上のサービスを契約する。消費者口座データ、例えば電話番号、インターネットサービスのログインおよび課金情報などは、BRMデータベースに格納される。
【0021】
また、BRM101を使用して、消費者を管理することができる。消費者の口座情報が変更した場合(例えば、消費者が自分のクレジットカードを変更した場合)、消費者管理ツールを使用して口座情報を更新することができ、または消費者が自分の口座を管理するウェブページを消費者に提供することができる。
【0022】
また、BRM101を使用して、消費者のログインを認証および承認することができる。例えば、使用状況をリアルタイムに追跡することができるサービスである場合、BRM101は、BRMデータベースに格納された消費者データを使用して、消費者の身元を認証し、上述したサービスを使用する消費者の承認を確認する。
【0023】
さらに、BRM101を使用して、サービス使用量を計測且つ算定する(例えば、無線電話の場合、1分間10セントで算定する)ことによって、サービス使用量を算定する。課金は、消費者の口座残高に対して追加してなされる。
【0024】
一実施形態において、BRM101およびOCS102とネットワーク100の他のネットワーク要素との間のインターフェイスは、Oracle(登録商標)社のオンライン通信調停コントローラ(Communications Online Mediation Controller)によって制御される。このコントローラは、Diameter RoプロトコルまたはRADIUSプロトコルに準拠するネットワークメッセージを内部BRM通信プロトコルに準拠するネットワークメッセージに高速変換してから、認証、承認、イベント評価および口座残高の更新などのプロセスを実行する。一実施形態において、オンライン通信調停コントローラは、BRM101とネイティブ統合することによって、BRM101との接続を形成することができ、これらの接続を利用して、BRM内部プロセスを呼び出すことができる。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に従ったコンピュータ/サーバシステム10を示すブロック図である。以下に詳細に開示される本発明の実施形態の機能のいずれかを実現するために、必要に応じて、システム10を使用して、
図1に示すネットワーク要素のいずれかを実装することができる。単一のシステムとして図示されているが、システム10の機能は、分散システムとして実現することができる。さらに、本明細書に開示された機能は、別体のサーバまたは装置上で実現することができ、ネットワークを介して連結できるサーバまたは装置上で実現することもできる。また、システム10の1つ以上の構成要素を省略してもよい。例えば、OCS102の機能を実現するために、システム10は、一般に、
図2に示されたディスプレイ24または1つ以上の他の要素を必要としないサーバであってもよい。
【0026】
システム10は、情報を通信するためのバス12または他の通信機構と、バス12に連結され、情報を処理するためのプロセッサ22とを含む。プロセッサ22は、任意種類の汎用プロセッサまたは専用プロセッサであってもよい。また、システム10は、情報およびプロセッサ22によって実行される命令を格納するためのメモリ14を含む。メモリ14は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気ディスクまたは光ディスクなどの静的記憶装置、または任意種類の他のコンピュータ読取可能媒体であってもよい。さらに、システム10は、ネットワークにアクセスするための通信装置20、例えばネットワークインターフェイスカードを含む。これによって、ユーザは、システム10に直接的に接続することができ、またはネットワークを介して遠隔的に接続することができ、または他の任意の方法でシステム10に接続することもできる。
【0027】
コンピュータ読取可能媒体は、プロセッサ22によってアクセス可能な任意利用可能な媒体であってよく、揮発性媒体および不揮発性媒体の両方、取外し可能媒体および取外し不可能媒体の両方、または通信媒体を含む。通信媒体は、コンピュータ読取可能命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを搬送波または他の搬送機構などの変調データ信号内で搬送することができる任意の情報配信媒体を含むことができる。
【0028】
プロセッサ22は、バス12を介して、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ24に接続することができる。必要に応じてユーザとシステム10とのインターフェイスを形成するように、キーボード26およびコンピュータマウスなどのカーソル制御装置28は、バス12に接続される。
【0029】
一実施形態において、メモリ14は、プロセッサ22によって実行されると機能するソフトウェアモジュールを格納する。モジュールは、システム10のオペレーティングシステム機能を提供するオペレーティングシステム15を含む。モジュールは、非線形方式でデータセッションに対して課金する非線形データ課金モジュール16、および本明細書に開示された他のすべての機能を含む。システム10は、より大きなシステムの一部、例えば、Oracle(登録商標)社の「Oracle通信順応性課金エンジン」に追加された機能であってもよい。したがって、システム10は、追加機能を含む1つ以上の追加機能モジュール18を含むことができる。データベース17は、バス12に連結され、モジュール16および18の集中記憶装置を形成する。
【0030】
上述した典型的な通信ネットワークおよび典型的なIMSセッションにおいて、音声サービスは、線形的に消費される(例えば、10分間の音声通話が常に「オン」であり、全ての通話が分単位を消費する)。対照的に、データに基づく通信セッション中のデータの使用量は、非線形的に消費される。例えば、1時間であるデータセッション中において、一定の期間中に映像が流れているため、データのダウンロードが多くなり、他の期間中ではユーザが既にダウンロードされたデータを閲覧していると、事実上データのダウンロードはなされない。しかしながら、既知の課金システムは、データセッション進行中のさまざまな時点で、利用可能な残高、オファー、残高の補充/満杯補充(満杯となるような補充:top-up)などの特定の課金条件を考慮することができない。その代わりに、既知の課金システムは、データセッションの全体を単一のセッションとして取り扱い、全てのデータがデータセッションの全体に亘って線形的に消費されたと仮定する。
【0031】
その結果、事業者は、ピーク期間および非ピーク期間に応じた異なるデータ転送率を、正確に提供することができない。既知の課金システムは、しばしばセッション開始時またはセッション終了時に課金条件を受け取り、これらの条件を全セッションの課金基礎として使用する。したがって、課金される量は、実際の消費パターンに基づいたものではなく、線形に分布する。しかしながら、データセッションが長引く(例えば、加入者が1時間以上映画を視聴する)と、加入者の許容範囲とはならず、超過料金が発生する可能性がある。さらに、事業者は現在、ピーク時により少ないデータを使用し、非ピーク時により多くのデータを使用するように、加入者の行動に影響を及ぼすことができない。
【0032】
最後に、事業者は、現在、セッションが終了した時点しか収益を認識することができないため、長引くデータセッションの対応に問題を抱えている。データセッションが数日間乃至数週間に長引いて、一会計期間に開始したデータセッションが次の会計期間で終了する場合では、事業者は、データセッションが開始した会計期間に対応する収益を得られなくなる。一部の事業者は、加入者が既に消費した使用量に対応する収益を認識するように、長引くデータセッションを定期的に分割する。しかしながら、このことで、顧客満足度が低下する可能性がある。
【0033】
本発明の実施形態は、データセッション中にまたは複数の所定セグメント中に、BRM101から、レート変更または残高変更などの情報を含む1つ以上の「更新」を受信する。既知の従来技術とは対照的に、OCS102は、更新に含まれた算定条件の変更に応答して、再認証をするようにネットワーク(すなわち、UE105および関連するネットワーク要素)に通知する。したがって、実施形態は、長引くデータセッション中に課金条件の変更を考慮し、これらの条件およびネットワークからの使用状況報告を使用して、データセッションに対してより正確な料金を提供することができる。さらに、各セグメントの最後に情報を更新することによって、実施形態は、再算定の場合に料金を再作成できるように、データセッションの各セグメントに関する十分な情報を保持することができる。
【0034】
図3は、一実施形態に従って、非線形データ課金を示すデータセッションの一例である。
図3のデータセッションは、10:00に開始し、10:30に終了する。本発明の実施形態によれば、このデータセッションは、3つのセグメントに分割される。
図3の例では、各セグメントは、10分間持続する。
【0035】
まず、10:00にセッションを開始するために、UE105は、他のネットワーク要素を介して、OCS102から20MBのデータを要求し(すなわち、要求済みサービス単位(RSU))、OCS102により20MBのデータが付与された(すなわち、付与済みサービス単位(GSU)。10:00から10:10の間に、データの実際消費量は、10MB(すなわち、使用済みサービス単位(USU))である。10:10から10:20の間に、データの実際消費量は、10MBである。10:20に、ユーザは、100MBの無料追加データの満杯補充を取得する。満杯補充は、BRM101によって付与される任意利用可能なデータ単位の追加量にすることができる。
図3の例において、満杯補充は、データセッション中に行われる。例えば、ユーザは、ウェブサイトに行ってより多くのデータ(MB)を購入することができ、任意の手段を介して無料追加データ(MB)を取得することができ、またはデータセッション中の特定時間で自動的に分配するようにデータ(MB)を増加することができる。データ(MB)の増加は、BRM101から取得される。
【0036】
この例を続けると、10:20から10:30の間に、1MBのデータが消費される。図示のように、10:10から10:30の間に、合計11MBのデータが消費される。データセッションの全体において、合計21MBのデータが消費される。
【0037】
前述したように、
図3の例の場合、既知の課金システムは、データセッションに対応するデータ使用量を線形的に計算する。したがって、従来技術の課金システムは、302およびライン303によって示されるように、3つのセグメントの各セグメントに7MBのデータが線形的に消費され、合計で21MBとなると仮定する。対照的に、本発明の実施形態は、305およびライン306によって示されるように、各セグメントまたは更新中の実際消費量に従って、データ使用量を計算する。
【0038】
図3と合わせて、本発明の実施形態のいくつかの利点を示すことができる。例えば、10:20から10:30の間にデータ転送率がピーク(すなわち、高い)であり、10:00から10:20の間にデータ転送率が非ピーク(すなわち、低い)であると仮定する。従来技術のシステムでは、加入者が7MBのピーク使用量および14MBの非ピーク使用量を使用したとして課金される。対照的に、本発明の実施形態によれば、10:20から10:30のピーク時に1MBのみの実際使用量および20MBの非ピーク使用量が計算される。これによって、加入者は、より少なめに課金される。
【0039】
さらに、付与された20MBを使用した後、加入者は、1MB毎に遥かに高く課金されると仮定する。従来技術のシステムでは、10時20分の満杯補充を行わないため、付与された20MBを上回る1MB毎に課金される。対照的に、本発明の実施形態によれば、セッション中にBRM101から受信した通信に基づいて満杯補充が行われたので、追加の1MBは、無料で満杯補充された100MBの一部である。
【0040】
図4は、本発明の実施形態に従ったデータセッションのコールフローを示す図である。
図4のコールフローは、ネットワーク要素のUE105と、UE105に関連し且つUE105がデータセッションを開始することを可能にするネットワーク要素OCS102およびBRM101との間で行われる。
図4に示すメッセージングは、3GPP関連規格に準拠する。
【0041】
ステップ402において、UE105は、データセッションに対応するRSUを含むCCR:開始メッセージを生成する。
【0042】
ステップ403において、OCS102は、データセッションに付与されるGSU1およびGSU2を含むCCAメッセージを生成する。
図4の実施形態は、2つのGSUを含む。その理由は、OCS102は、これから料金が変更することを知っているからである。料金変更時間でネットワークを強制的に復帰させると、すべての活動セッションから大量の要求を招く可能性がある。OCS102は、料金変更時間でネットワークを強制的に復帰させるのではなく、変更前のクオータおよび変更後のクオータを付与する。これによって、ネットワークは、後で、各期間(料金変更時間の前後)の使用量を個別に報告することができる。
【0043】
ステップ404において、UE105は、CCR:更新メッセージを生成する。この更新メッセージは、セッションに対応する現在のデータ使用量に関する第1更新をOCS102に提供し、再認証を求める。ステップ404で更新メッセージを生成するタイミングは、(例えば、ステップ403のCCAに定義されているように、10分間隔ごとに)事前設定または事前構成することができ、またはステップ403で付与されたデータがほぼ消費されるというUE105の認識に基づいて(すなわち、割り当てられたクオータの消費に基づいて)設定することができる。ステップ404のCCR:更新メッセージは、2つのUSUを含み、一方が料金変更時間前のものであり、他方が料金変更時間後のものである。このことは、ステップ403のCCAによって、UE105に知られている。したがって、OCS102は、2つのUSUに報告された非線形/実際消費量を与えることができる。
【0044】
ステップ405において、更新メッセージに応答して、OCS102は、追加のGSUを含み得るCCAメッセージを生成する。OCS102は、現在の残高、オファーなどの現在条件に基づいて、追加のGSUを付与するか否かを決定する。
【0045】
ステップ406において、消費者データに対する更新(すなわち、変更された課金条件)を含むメッセージがBRM101からOCS102に送信される。更新の一例として、
図3に示された加入者のデータ残高を100MBで増加させる満杯補充が挙げられる。更新の他の例として、新規オファーの購入、口座残高の調整、返済などが挙げられる。ステップ406の更新は、ランダムな時間でトリガされてもよく、月1回の付与(例えば、500分の無料時間)などの固定ベースでトリガされてもよい。
【0046】
ステップ412において、変更された課金状態に応答して、OCS102は、別の更新メッセージを提供するように、UE105および関連ネットワーク要素を含むネットワークに通知する再認証メッセージを生成する。
【0047】
ステップ407において、再認証メッセージに応答して、UE105は、CCR:更新メッセージを生成する。この更新メッセージは、セッションの現在データ使用量に対する別の更新メッセージをOCS102に提供する。
【0048】
ステップ408において、追加の更新メッセージに応答して、OCS102は、追加のGSUを含み得るCCAメッセージを生成する。OCS102は、ステップ406において消費者データに対する更新を認識しているため、ステップ408では実際の現在条件に基づいてGSUを修正することができる。
【0049】
ステップ409において、UE105は、CCR:終了メッセージを生成して、データセッションを終了する。ステップ409の終了メッセージは、データセッションに最後のUSUを提供する。
【0050】
ステップ410において、OCS102は、データセッションを終結するCCAメッセージを生成する。
【0051】
図4のコールフロー例において、UE105からOCS102に送信される2つの更新メッセージ404、407が生成される。しかしながら、他の実施形態において、データセッションの長さに応じて、他の任意の数の更新メッセージを生成することができる。各更新メッセージは、データセッションに現在使用されているデータ単位をOCS102に提供する。先行技術のネットワークとは対照的に、UE105は、例えばステップ404で事前認可された時間帯ではなく、OCS102からの再認証メッセージ412に応答して、更新メッセージ407を生成する。さらに、先行技術のネットワークとは対照的に、実施形態は、ステップ402と409との間の期間にデータ単位を線形に分配するのではなく、ステップ404、407および409の一部としての実際消費単位を記録する。
【0052】
上述したように、課金条件の変更は、長引くデータセッション中に行われ、データサービスの使用は、線形的に消費されない。
図4の例のステップ404および407の更新は、データ使用の概観を示し、その時点の課金条件を組み合わせて理解すると、情報の損失なしに、断続的なコール記録の記憶およびデータセッションの再評価を行うことができる。
【0053】
開示されるように、実施形態は、データセッション中に使用更新をOCSに提供する。実施形態は、実際の消費に基づいた課金の正確性を加入者に提供する。また、事業者は、設定可能な時間間隔で、長引くデータセッションに対応する収益を認識することもできる。
【0054】
いくつかの実施形態は、本明細書に具体的に例示されおよび/または記載される。しかしながら、開示された実施形態の修正および変形は、上記の教示によって包含され、本発明の精神および意図された範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内に含まれることを理解すべきである。